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JP4511419B2 - 金属ガイド缶が連結された誘電体セラミックフィルター - Google Patents

金属ガイド缶が連結された誘電体セラミックフィルター Download PDF

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Description

本発明は、誘電体セラミックフィルターに係り、より詳細には、良好な周波数特性を有するように金属ガイド缶及び伝導性物質でコーティングした一定幅の伝導性ガイドラインが連結された誘電体セラミックフィルターに関する。
情報通信技術が飛躍的に発展しつつ、高周波帯域の広域通信システムについての需要が急増している。それにより、高いパワーでも動作が可能であり、周波数の温度安定性の高い高周波フィルターが要求されている。誘電体セラミックフィルターは、誘電体共振器の共振特性を利用したフィルターであって、そのような要求に非常に適するため、通信装備及び中継器のようなRF装置の部品として広く利用されている。誘電体セラミックフィルターは、一般的なLC回路を利用したフィルターに比べて高周波でも共振特性に優れており、周波数の温度安定性が高いだけでなく、高い動作パワーに耐えることができるという長所がある。
図1A及び図1Bは、そのような誘電体セラミックフィルターで一般的に使用される同軸型誘電体共振器10及びその等価回路20を示している。図1に示されたように、前記誘電体共振器10は、誘電材料を使用した直四角形ブロック状であり、軸方向に沿って誘電体内部を完全に貫通する貫通ホール11が形成されている。そして、そのような誘電体ブロックの軸方向の一面を除いた残りの5面と、内部の貫通ホール11の表面とには、真空蒸着を通じて銀、アルミニウムまたは他の適切な電気伝導率を有する伝導性物質をコーティングする。結果的に、一端部を開放し、他端部は短絡させるため、図1Bに示されたLC共振器20のように動作する。ここで、前記誘電体共振器10の軸方向長さLは、共振周波数帯のλ/4である。
図2は、前記誘電体共振器10を利用して製作した従来の結合型誘電体セラミックフィルター30を図示する。図2に示されたように、前記誘電体セラミックフィルター30は、マイクロストリップライン基板35上に並べて配列されたいくつかの誘電体共振器10にコイル32とキャパシタ33とをそれぞれ装着して、容量性カップリングと誘導性カップリングとを利用して製作される。ところが、そのような種類の誘電体セラミックフィルター30は、最も簡単なTEMモードを使用するため挿入特性が落ちる。それだけでなく、高周波では特性に限界があるため、使用周波数帯域が狭いという短所がある。例えば、5μm以上である高周波では、誘電体共振器10の軸方向長さLが非常に短くならなければならないため、製造上の難しさがあり、所望の周波数特性を正確に具現することがむずかしい。
そのような短所を改善するために提案されたものが、図3に示されたような誘電体セラミックフィルター40である。図3から分かるように、前記誘電体セラミックフィルター40は、誘電体ブロック41の長手方向に沿って複数の垂直溝42を両側面に形成し、誘電体ブロック41の両端面を除いた残りの4面を伝導性物質でコーティングして伝導層を形成した後、マイクロストリップライン44が装着された基板43上に前記誘電体ブロック41を実装して形成される。前記のような誘電体セラミックフィルター40は、前記した同軸型誘電体セラミックフィルター30の短所をある程度克服したものであるが、相変らず特性に問題がある。
また、前記誘電体セラミックフィルター40の場合、誘電体セラミックフィルター40の入出力端子と外部連結端子との間のインピーダンスマッチングの問題がある。誘電体セラミックフィルター40の入出力端子と外部連結端子との間にインピーダンスマッチングが正確に行われなければ、所望のフィルターの特性を充分に得ることが難しい。インピーダンスマッチングが行われなければ、マイクロストリップライン44を通じて伝えられる電気的信号(すなわち、電磁気フィールド)が、誘電体ブロック41に損失や衝突なしに充分に伝えられ得ないためである。
そのようなインピーダンスマッチング問題を解決するための方法として、入出力端の超短入射電極45及び超短入射パターン46の長さ及び幅を調節する方法がある。しかし、従来の誘電体セラミックフィルター40の場合、誘電体が空気と合う入出力端で大きな媒質差が発生してインピーダンスが急変するため、インピーダンスをマッチングさせるのに限界がある。さらに、インピーダンスマッチングが行われない場合、前記誘電体セラミックフィルター40の入出力端で電極と伝導性ガイドラインとの間にフィールドの放射があるため、特に、挿入特性及び減衰特性があり、フィルターの特性が著しく低下するという問題点を有している。
本発明の目的は、前記のような従来の誘電体セラミックフィルターの短所を改善し、フィルターの周波数特性を向上させるところにある。すなわち、本発明の目的は、誘電体セラミックフィルターの入出力端に金属ガイド缶をおいて、前記入出力端でのインピーダンスマッチングを容易にすることで、優れた挿入特性と高周波帯域のフィルター特性とを良くする誘電体セラミックフィルターを提供するところにある。
前記のような目的を達成するための本発明の一実施形態によれば、マイクロストリップライン基板上に誘電体ブロックが実装された誘電体セラミックフィルターは、前記誘電体セラミックフィルターの両入出力端から所定の長さほど突出するように前記誘電体セラミックフィルターの両入出力端にそれぞれ結合された金属ガイド缶を含み、前記金属ガイド缶は、前記誘電体ブロックの上面の一部と両側面の一部とを取り囲む伝導性金属板であることを特徴とする。その時、前記金属ガイド缶は、ほぼ前記マイクロストリップラインを覆える程度に突出していることを特徴とする。
そして、前記金属ガイド缶の上面には、長手方向に溝が形成されていることを特徴とする。前記金属ガイド缶の上面に形成された溝は、金属ガイド缶の上面を長手方向に完全に貫通して金属ガイド缶を2部分に分割してもよい。また、前記金属ガイド缶の上面に形成された溝の幅は、金属ガイド缶の入口部分で更に広くてもよい。
一方、前記誘電体ブロックの両側面には、長手方向に沿って複数の垂直溝が形成されており、前記誘電体ブロックの両側端部面を除いた残りの面が伝導性物質でコーティングされていることを特徴とする。その時、前記誘電体ブロックの両側端部面には、伝導性ガイドライン及び電極が形成されており、前記電極は、前記マイクロストリップライン基板上のマイクロストリップラインと電気的に連結され、前記伝導性ガイドラインはグラウンドと連結される。
また、本発明の他の実施形態によれば、誘電体セラミックフィルターは、両側面に複数の垂直溝が形成されており、両側端部面を除いた残りの面に伝導性物質がコーティングされている誘電体ブロックと、前記誘電体ブロックの両側端部をそれぞれ取り囲む金属ガイド缶と、誘電体ブロックの両側端部面のエッジに沿って形成され、前記金属ガイド缶と連結された金属ガイドラインを含み、前記金属ガイド缶は、前記誘電体ブロックの両側端部から長手方向に所定の長さほど突出した伝導性金属板であることを特徴とする。その時、前記誘電体ブロックの両側端部面には電極が形成されている。
本発明の他の実施形態に係る前記誘電体セラミックフィルターは、前記誘電体ブロックの両側端部の上部面にそれぞれ設置されたものであって、前記電極と電気的に連結される入出力端子を更に含むことを特徴とする。
ここで、前記金属ガイド缶は、前記誘電体ブロックの端部から所定の長さほど突出していることを特徴とする。前記誘電体ブロックの端部から突出した金属ガイド缶部分の上面には開口が形成されていたり、長手方向に溝が形成されている。その時、前記金属ガイド缶の上面に形成された溝の幅は、金属ガイド缶の入口部分で更に広くてもよい。
本発明によれば、誘電体ブロックの両端に付着された金属ガイド缶は、フィルターの入出力端でインピーダンスの差による損失を最小化し、インピーダンスマッチングを向上させうる。したがって、誘電体セラミックフィルターの周波数応答特性を大きく向上させうる。更に、誘電体ブロックの両側端部面に形成された一定幅の伝導性ガイドラインと、前記金属ガイド缶の上面に形成した溝とは、トリミング作業を容易にし、フィルターの製造完了後にも微細な特性の修正が非常に容易であり、セラミックフィルターの特性を更に向上させることができ、生産効率を向上させるという効果がある。また、ガイドラインが形成される側面に金属ガイド缶を共に使用して、フィールドの放射を更に最小化できる。
以下、添付された図面を参照して、本発明の多様な実施形態に係る金属ガイド缶が連結された誘電体セラミックフィルターの構成及び作用について詳細に説明する。
図4は、本発明の第1実施形態に係る金属ガイド缶が連結された誘電体セラミックフィルター100を示す斜視図である。図4に示されたように、前記誘電体セラミックフィルター100は、マイクロストリップライン基板150上に実装された誘電体ブロック110、及び前記誘電体ブロック110の両入出力端に結合された金属ガイド缶130を含む。すなわち、本発明は、図3に示された従来の誘電体セラミックフィルター40の入出力端に金属ガイド缶130を連結して、入出力端子の近くから空気とのインピーダンス差を次第に減少させることで、誘電体セラミックフィルター100の入出力端子でのインピーダンスマッチングを容易にする。したがって、本発明は、誘電体セラミックフィルター100の入出力端子と外部連結端子との間にインピーダンスマッチングを行うことで、マイクロストリップライン160を通じて伝えられるマイクロ波が、誘電体セラミックフィルター100の誘電体ブロック110を損失なしに通過させることを特徴とする。
図4は、本発明の第1実施形態に係る金属ガイド缶が連結された誘電体セラミックフィルター100を示す斜視図である。図4に示されたように、前記誘電体セラミックフィルター100は、マイクロストリップライン基板150上に実装された誘電体ブロック110、及び前記誘電体ブロック110の両側端部に結合された金属ガイド缶130を含む。すなわち、本発明は、図3に示された従来の誘電体セラミックフィルター40に金属ガイド缶130を連結して入出力端子のインピーダンス差を減少させることで、マイクロ波が誘電体セラミックフィルター100の誘電体ブロック110に伝えられる過程で、媒質の差によって発生するインピーダンス差を適切にマッチングさせることを特徴とする。
従来と同様に、前記誘電体ブロック110の両側面には、長手方向に沿って垂直に複数の垂直溝120が形成されている。前記誘電体ブロック110と垂直溝120との長さ及び幅などの寸法は、使用される周波数の帯域によって変わる。すなわち、所望の通過帯域の周波数によって前記誘電体ブロック110と垂直溝120との寸法を適切に設計できる。それは、当業者に既に公知であり、本明細書では詳細な寸法についての説明は省略する。
また、前記誘電体ブロック110の両側端部面を除いた残りの面には、伝導性物質でコーティングされている。前記伝導性物質は、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)のように高伝導性を有する材料である。真空蒸着などの方法により、伝導性物質が誘電体ブロック110の表面にコーティングされて伝導層を形成することで、前記誘電体ブロック110は誘電体共振器としての機能を行う。
一方、図5Aの分解斜視図に示されたように、前記誘電体ブロック110の両側端部面には、伝導性ガイドライン180及び電極170が形成される。そのように完成された誘電体ブロック110は、マイクロストリップライン基板150上に実装される。その時、誘電体ブロック110を基板150上により確実に固定させるために、誘電体ブロック110の底面と基板150との間をハンダ付け等で付着できる。前記電極170は、鉛のような伝導性物質を通じてマイクロストリップライン基板150上のマイクロストリップライン160と電気的に結合されることで、誘電体ブロック110とマイクロストリップライン150との間でマイクロ波の入出力を可能にする。そして、前記誘電体ブロック110の端部面のエッジに沿って一定の幅で形成された伝導性ガイドライン180は、金属ガイド缶130及びマイクロストリップライン基板150上のグラウンド(図示せず)と連結される。
図5Bは、マイクロストリップライン基板150上に実装された前記誘電体ブロック110の一端部を示す正面図である。図5Bに示されたように、前記誘電体ブロック110の端部に形成された電極170はマイクロストリップライン160と連結される。そして、伝導性物質でコーティングされていない前記誘電体ブロック110の端部面には、前記端部面のエッジに沿って一定幅の伝導性ガイドライン180が形成されている。その時、前記伝導性ガイドライン180は、基板と接する誘電体ブロック110の端部面には形成されない。したがって、前記伝導性ガイドライン180は、ほぼ“∩”状を有する。
ここで、前記伝導性ガイドライン180の形状とサイズとを適切に選択することで、誘電体セラミックフィルター100の周波数特性及びインピーダンスを微細に調節できる。また、マイクロストリップライン160及び電極170も、周波数特性に合わせて幅及び長さが設計される。その時、前記誘電体ブロック110の両側端部面にある超短入射電極170の高さHと、前記誘電体ブロック110の端部から突出した金属ガイド缶の長さLとは反比例関係にある。すなわち、同じ周波数特性を得ようとする場合、電極170の高さHが高くなれば、誘電体ブロック110の端部から突出した金属ガイド缶の長さLを相対的に短くし、電極170の高さHが低くなれば、誘電体ブロック110の端部から突出した金属ガイド缶の長さLを相対的に長くする。すなわち、電極170の高さHと誘電体ブロック110の端部から突出した金属ガイド缶の長さLとの間の関係は、次の数式1の通りである。
最後に、誘電体ブロック110の両側端部には、薄い金属で形成された金属ガイド缶130が結合される。前記金属ガイド缶130は、伝導性を有する任意の金属材質から製作できる。図5Aに示されたように、金属ガイド缶130が誘電体ブロック110の上面と側面とに同時に付着されうるように、カップを上下逆さまにした形態で上面に長手方向に溝を完全に貫通して金属ガイド缶を2部分130a、130bに分割してもよい。金属ガイド缶130が誘電体ブロック110に付着されれば、誘電体ブロック110の伝導性コーティング層と金属ガイド缶130及びマイクロストリップライン基板160が互いに接触する。
その時、前記金属ガイド缶130は、誘電体ブロック110の端部から所定の長さほど突出するが、その長さはほぼマイクロストリップライン160を覆える程度である。したがって、マイクロストリップライン160の長さによって、金属ガイド缶130の長さも異なって設計されてもよい。そのように、前記金属ガイド缶130が誘電体ブロック110の端部から突出してマイクロストリップライン160を覆っているため、誘電体セラミックフィルター100の入出力端に形成された電極170と伝導性ガイドライン180との間で発生するフィールドの放射を最小化できる。したがって、金属ガイド缶130は、特に、フィールドの放射による挿入特性及び減衰特性があり、フィルターの特性が著しく低下することを防止できる。
一方、図4に示されたように、前記二つの金属ガイド缶130a、130bの間には長手方向に溝140が形成されている。前記金属ガイド缶130に形成された溝140は、トリミング時に使用される工具を入れてトリミング作業を行わせるためのものである。すなわち、組立が完了した誘電体セラミックフィルター100を実際に適用した後、所望の周波数特性が表れない場合、前記溝140を通じて工具を投入して、入出力端に形成された電極170と伝導性ガイドライン180との形状を適切に変更することで、所望の周波数特性で微細な修正が可能である。したがって、トリミング時にも金属ガイド缶130を分離する必要がなくなる。それにより、より正確で且つ容易なトリミング作業を完了できる。
その時、図5Cに示されたように、それぞれの金属ガイド缶130a、130bの入口部分の幅を更に狭く形成することで、金属ガイド缶130の入口部分で溝140の幅を更に広げ得る。すると、トリミング作業のための工具の投入が更に容易となる。
図6Aは、本発明の第2実施形態に係る金属ガイド缶が連結された誘電体セラミックフィルター200を示す斜視図である。第2実施形態に係る誘電体セラミックフィルター200の基本的な構造は、第1実施形態の場合とほとんど同じであり、ただし、金属ガイド缶の形態のみが異なる。すなわち、誘電体ブロック210及びマイクロストリップライン基板250の場合には、その構造及び結合関係が第1実施形態と同じである。金属ガイド缶において、第1実施形態では、左右の対からなる二つの金属ガイド缶130a、130bを使用したが、第2実施形態では、誘電体ブロック210の両側端部にそれぞれ金属ガイド缶230を一つずつ結合する。したがって、第2実施形態では、誘電体ブロック210の入口部分のみに溝240が形成されている。その時、図6Bに示されたように、第1実施形態と同様に、第2実施形態でも入口部分に更に近いほど溝240の幅を更に広め得る。しかし、性能上においては、第1実施形態の場合と第2実施形態の場合とがほぼ同じである。
図7Aは、本発明の第3実施形態に係る金属ガイド缶が連結された誘電体セラミックフィルター300を示す斜視図である。第3実施形態の場合には、マイクロストリップライン基板なしにフィルターを構成するという点で前記した実施形態と異なる。しかし、誘電体ブロック310の構成は、他の実施形態の場合と同じである。すなわち、前記誘電体ブロック310の両側面には、長手方向に沿って垂直に複数の垂直溝320が形成されており、誘電体ブロック310の両側端部面を除いた残りの面には、伝導性物質でコーティングされている。また、誘電体ブロック310の両側端部面には、電極370及び伝導性ガイドライン380が形成されている。
しかし、マイクロストリップラインがないため、マイクロ波の入出力のための別途の入出力端子390を前記誘電体ブロック310の両側端部の上部面にそれぞれ設置する。そして、前記入出力端子390は、誘電体ブロック310の端部面に形成された電極370と電気的に連結される。
また、図7Aに示されたように、前記金属ガイド缶330は、誘電体ブロック310の端部を完全に取り囲むように多角形(または、円形)の筒状に形成されている。その場合、金属ガイド缶330の両側部分が何れも開放されていてもよいが、フィールドの放射を最小化するために、誘電体ブロック310を取り囲むための部分のみが開放され、他の部分は閉じられていることが好ましい。また、第1及び第2実施形態と同様に、前記金属ガイド缶330は、前記誘電体ブロック310の端部から所定の長さほど突出している。そして、組立が完了した後のトリミング作業のために、前記誘電体ブロック310の端部から突出した部分の金属ガイド缶330の上面には、開口340が形成されている。前記開口340の代りに、図7Bに示されたように、誘電体ブロック310の方向に溝350を形成してもよい。
前記本発明の第3実施形態によれば、誘電体セラミックフィルターをマイクロストリップライン基板上に付着する必要なく、通信装備や中継器のようなRF装置のボード上に直接実装できる。
次いで、添付された図8及び図9を参照して、従来の誘電体セラミックフィルターと本発明に係る金属ガイド缶が連結された誘電体セラミックフィルターとの周波数応答特性を比較して説明する。図8は、図3に示されたような従来の誘電体セラミックフィルター40の周波数応答特性を示すグラフであり、図9は、図6Aに示されたような本発明の第2実施形態に係る誘電体セラミックフィルター200の周波数応答特性を示すグラフである。前記グラフで、‘□’で表示されたものは、入力端に戻る反射損失のサイズS11を示すものであり、‘○’で表示されたものは、出力端に出力される信号のサイズS21を示す。
前記二つのグラフを互いに比較すれば、本発明の第2実施形態に係る誘電体セラミックフィルター200が、従来の誘電体セラミックフィルター40に比べて更に優れた特性を表していることが分かる。すなわち、共振周波数の近くでの反射損失を見れば、本発明の第2実施形態に係る誘電体セラミックフィルター200の場合、ほぼ−40dBまで低下して戻る信号(反射損失)がほとんど無いことが分かる。それは、インピーダンスマッチングが非常にうまく行われたことを意味する。それに対し、従来の誘電体セラミックフィルター40の場合には、反射損失が約−10dBであるため、金属ガイド缶が連結された本発明に比べて反射損失が非常に大きいということが分かる。
一方、フィルターの出力を比較すれば、本発明の第2実施形態に係る誘電体セラミックフィルター200の場合、共振周波数を中心に出力が正確に対称をなしている。しかし、従来の誘電体セラミックフィルター40の場合には、共振周波数を中心に出力が正確な対称をなしていないことが分かる。さらに、共振周波数より低い周波数で、例えば、1.5GHzで従来のフィルター40は、本発明に係るフィルター200に比べて約10dBが高い信号を出力して、共振周波数の近くで出力信号が精密に形成され得ないことが分かる。結論的に、従来に比べて本発明に係るフィルターが、更に良好なインピーダンスマッチングを提供でき、更に優れた周波数応答特性を示している。
また、添付された図10及び図11を参照して、従来の誘電体セラミックフィルターと本発明に係る金属ガイド缶とが連結された誘電体セラミックフィルターで、マイクロ波マッチングが金属ガイド缶によってどのように向上するかを直接イメージとして確認できる。ここで、図10は、図3に示された従来の誘電体セラミックフィルター40での二次元周波数の分布図を示し、図11は、図6Aに示された本発明の第2実施形態に係る誘電体セラミックフィルター200での二次元周波数の分布図を示す。
まず、図10の参照符号“410”は、金属ガイド缶が連結されていない従来の誘電体セラミックフィルター40の入力端で、電極45の近くのマイクロ波の2次元イメージを示す。また、参照符号“420”は、誘電体ブロック41の内部に5mm入った地点で観測したマイクロ波の2次元イメージである。一方、図11の参照符号“510”は、本発明に係る誘電体セラミックフィルター200の入力端で、電極の近くのマイクロ波の2次元イメージを示す。また、参照符号“520”は、誘電体ブロック210とマイクロストリップライン基板250上に金属ガイド缶230が連結された状態で、誘電体ブロック210の内部に5mm入った地点で観測したマイクロ波の2次元イメージである。図10及び図11に示された入力端の電極の近くでマイクロ波イメージ410、510の差は、電極の近くに形成されたマイクロ波の広さとサイズであって、金属ガイド缶が連結された図11のマイクロ波イメージ510が、図10のマイクロ波イメージ410より更に広く且つ強いマイクロ波のイメージガイドラインを作ることを確認できる。それにより、本発明で金属ガイド缶の役割が非常に重要であることが分かり、特に、マイクロ波が伝えられる過程で、媒質の差によって発生するインピーダンスの差を、前記金属ガイド缶がマッチングさせる役割を行うということが分かる。したがって、金属ガイド缶は、入出力端でインピーダンスの差による損失を最小に防止する役割を行い、フィルターの性質を著しく向上させうる。
本発明に係る誘電体セラミックフィルターは、通信装備及び中継器のようなRF装置の部品として広く利用できる。
従来の同軸型誘電体共振器を示す図面である。 従来の同軸型誘電体共振器の等価回路を示す図面である。 同軸型誘電体共振器を利用した従来の組合せ型の誘電体セラミックフィルターを示す図面である。 更に他の従来の誘電体セラミックフィルターを示す斜視図である。 本発明に係る金属ガイド缶が連結された誘電体セラミックフィルターを示す斜視図である。 本発明に係る金属ガイド缶が連結された誘電体セラミックフィルターを示す分解斜視図である。 マイクロストリップライン基板上に実装された前記誘電体ブロックの両側端部面に形成された伝導性ガイドラインを示す正面図である。 前記図4に示された金属ガイド缶の更に他の実施形態を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る金属ガイド缶が連結された誘電体セラミックフィルターを示す斜視図である。 前記図6Aに示された金属ガイド缶の更に他の実施形態を示す斜視図である。 本発明の更に他の実施形態に係る金属ガイド缶が連結された誘電体セラミックフィルターを示す斜視図である。 前記図7Aに示された金属ガイド缶の更に他の実施形態を示す斜視図である。 図3に示された従来の誘電体セラミックフィルターでの周波数応答特性を示すグラフである。 図6Aに示された本発明に係る誘電体セラミックフィルターでの周波数応答特性を示すグラフである。 図3に示された従来の誘電体セラミックフィルターでの二次元周波数分布図である。 図6Aに示された本発明に係る誘電体セラミックフィルターでの二次元周波数分布図である。
符号の説明
100 誘電体セラミックフィルター
110 誘電体ブロック
120 垂直溝
130 金属ガイド缶
130a、130b 金属ガイド缶
140 溝
150 マイクロストリップライン基板
160 マイクロストリップライン

Claims (8)

  1. マイクロストリップライン基板上に誘電体ブロックが実装された誘電体セラミックフィルターにおいて、
    前記誘電体セラミックフィルターの両入出力端から長手方向に所定の長さほど突出するように、前記誘電体セラミックフィルターの両入出力端側にそれぞれ結合された金属ガイド缶を備え、
    前記誘電体ブロックの両側面には長手方向に沿って多数の垂直溝が形成されており、前記誘電体ブロックの両端部面を除いた残り面が伝導性物質でコーティングされており、
    前記金属ガイド缶は、前記誘電体ブロックの上面の一部と両側面の一部とを取り囲むもので、前記誘電体セラミックフィルターの両入出力端であって両側端部面の全体が開放されるように形成された伝導性金属板であり、
    前記金属ガイド缶の上面には長手方向に溝が形成されていることを特徴とする誘電体セラミックフィルター。
  2. 前記金属ガイド缶は、ほぼ前記マイクロストリップラインを覆える程度に突出していることを特徴とする請求項1に記載の誘電体セラミックフィルター。
  3. 前記金属ガイド缶の上面に形成された溝は、金属ガイド缶の上面を長手方向に完全に貫通して金属ガイド缶を2部分に分割することを特徴とする請求項1に記載の誘電体セラミックフィルター。
  4. 前記金属ガイド缶の上面に形成された溝の幅は、金属ガイド缶の入口部分で更に広いことを特徴とする請求項1に記載の誘電体セラミックフィルター。
  5. 伝導性物質でコーティングされていない前記誘電体ブロックの両側端部面には、伝導性ガイドライン及び電極が形成されており、前記電極は、前記マイクロストリップライン基板上のマイクロストリップラインと電気的に連結され、前記伝導性ガイドラインは、グラウンドと連結されることを特徴とする請求項1に記載の誘電体セラミックフィルター。
  6. 前記伝導性ガイドラインは、前記誘電体ブロックの端部面のうち、前記マイクロストリップライン基板と接する部分を除いた残りのエッジに沿って一定幅で形成されることを特徴とする請求項5に記載の誘電体セラミックフィルター。
  7. 前記誘電体ブロックの端部面に形成された伝導性ガイドラインは、前記金属ガイド缶と連結されることを特徴とする請求項6に記載の誘電体セラミックフィルター。
  8. 前記超短入射電極の高さと、前記誘電体ブロックの端部から突出した金属ガイド缶の長さとは反比例関係にあることを特徴とする請求項5に記載の誘電体セラミックフィルター。
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