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JP4502785B2 - 貯湯式温水器 - Google Patents

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本発明は、加熱源により加熱された温水を貯湯する貯湯タンクに接続された配管を介して温水を給湯するようにした貯湯式温水器に関する。
特許文献1にて開示されているヒートポンプ式給湯装置や電気温水器のような貯湯式温水器においては、貯湯タンク内の水を加熱して温水を生成する場合、貯湯タンク上部から順に加熱された温水が蓄えられる。
特開2004−20021号公報
しかし、水(お湯)の温度が上昇するに従い、水が体積膨張し貯湯タンク内の圧力が上昇する。このとき、貯湯式温水器を保護するために、貯湯タンク内が所定の圧力に達すると、貯湯タンク上部に設置された過圧力逃がし弁より膨張分の水を排出する。ところが、この過圧力逃がし弁は貯湯タンク上部に設置されているため、加熱された高温水が排出されることとなり、経済的にもよいとは言えない。また、貯湯タンクの保温性能や貯湯式温水器全体のCOPにおいても高温水を排出することで能力低下の原因となっていた。
そこで本発明は、貯湯運転の際に、水が高温になることで体積が膨張した場合の圧力逃がしを装置全体の貯湯効率を向上させつつ行なうことを目的とする。
このため本発明は、加熱源により加熱された温水を貯湯する貯湯タンクに接続された配管を介して温水を給湯するようにした貯湯式温水器において、前記貯湯タンクからの高温水とこの貯湯タンク下部からの低温水とを混合する混合弁と、この混合弁により混合された温水を浴槽にお湯張りするための開閉弁と、前記混合弁と前記開閉弁との間から過圧力逃がし弁を介在させたオーバーフロー管と、前記貯湯タンクへの貯湯運転時間を算出する算出手段と、前記貯湯タンクへの貯湯運転の際に前記混合弁を初めにこの貯湯タンク下部からの低温水が極力多く流れるような開度に制御すると共に前記算出手段で算出された貯湯運転時間が経過する前にこの貯湯タンク上部からの高温水が極力多く流れるような開度に制御する制御装置とを備え、
前記貯湯タンクへの貯湯運転の際に前記貯湯タンク内の水の体積が膨張することにより前記過圧力逃がし弁が開いて初めに前記貯湯タンク下部からの低温水が極力多く流れるような開度に制御された前記混合弁を介する貯湯タンク下部からの低温水を前記オーバーフロー管を介して装置外に排出し、前記算出手段で算出された貯湯運転時間が経過する前にこの貯湯タンク上部からの高温水が極力多く流れるような開度に前記混合弁を制御することを特徴とする。
本発明によれば、貯湯運転の際に、水が高温になることで体積が膨張した場合の圧力逃がしを装置全体の貯湯効率を向上させつつ行なうことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は貯湯式温水器としてのヒートポンプ式給湯装置の全体システムを示す系統図である。図1において、Aはヒートポンプユニット、Bはタンクユニット、Cは貯湯用の温水循環路、Rは前記ヒートポンプユニットAに内蔵された冷媒回路である。この冷媒回路Rにおいて、HFCやCO等の冷媒を用いることができるが、本実施形態ではCOを用いる。
前記冷媒回路Rは、CO冷媒を吸入圧縮し高温高圧にする能力調整が可能な2段圧縮式の圧縮機1と、冷媒と水とを熱交換させる貯湯用の水冷媒熱交換器2の冷媒流路2Aと、外気と冷媒との熱交換を行う空気熱交換器3と、アキュムレータ4とが順次環状に配管接続されている。5は送風機で、空気熱交換器3に空気を送風して熱交換を行なう。
前記温水循環路Cは、水冷媒熱交換器2の水流路2Bと貯湯タンク8とが循環ポンプ9を介して環状に接続されている。10は水冷媒熱交換器2の水流路2Bから流出した温水温度を検知するサーミスタである。
前記貯湯タンク8の上部と中間部の間には、水々熱交換器11の一次流路11Aと追焚用の循環ポンプ12とが接続されている。また、水々熱交換器11の二次流路11Bには循環ポンプ13を介して浴槽14が接続されている。15は貯湯タンク8内の高温水と水道圧減圧弁19及び逆止弁20を介する給水管21からの低温の水道水とを混合して例えば36℃〜48℃の温水とする第1混合弁で、給湯管16を介して蛇口17を開くことにより台所等への給湯を可能とする。
18は第2混合弁で、同じく水道圧減圧弁19及び逆止弁20を介する給水管21からの水道水と前記貯湯タンク8からの高温水とを混合して約42℃程度の温水とする。そして、前記第2混合弁18で作られた温水は開閉弁である開閉弁24、25が開くことにより水々熱交換器11の二次流路11B及び停止している前記循環ポンプ13を介して浴槽14のお湯張り動作がなされることとなる。このときの温水の流れる流量を流量センサ23Aが検出し、所望量のお湯張り動作が行われるように制御装置S1で制御される。
なお、前記貯湯タンク8の容量は例えば370リットルであり、この貯湯タンク8には湯温検出センサT1、T2、T3、T4、T5、T6及びT7が貯湯タンク8の下部から上部まで間隔を存して設けられ、前記各検出センサの検出湯温によって貯湯タンク8内の残湯量をマイクロコンピュータなどから成る制御装置S1が判断する。このとき、検出センサT1の配置箇所は残湯量が350リットル、T2が同じく300リットル、T3が250リットル、T4が200リットル、T5が150リットル、T6が100リットル、T7が50リットルの位置である。また、26は前記循環ポンプ9の出口近くの湯温を検出する湯温検出センサである。
そして、消費者は電力会社と時間帯別電灯契約を結んで、料金の安い深夜時間帯では所定の時刻に貯湯量から沸き上げ量、そして全量沸き上げに必要な時間を算出し、沸き上げ終了時刻より前記必要な時間を考慮して逆算した時刻から貯湯運転を開始し、全量沸き上げ終了(湯温検出センサ26の検出温度が55℃以上)次第停止するように制御装置S1により制御されると共に、それ以外の時間帯では残湯量が100リットルを割ったら貯湯運転を開始し、150リットル以上になったらこの貯湯運転を停止するように制御装置S1が制御する。
27は前記第2混合弁18の出口から分岐したオーバーフロー管で、水が高温になると体積が膨張して水回路内の水圧が上昇するのでこの体積膨張分をオーバーフロー水として装置外(タンクユニットB外)に排出する過圧力逃がし弁28が設けられている。
なお、給水管21の途中に配設された水道圧減圧弁19は、水道水の給水圧を170kPa(約1.7kgf/cm)に減圧するように設定されて、過圧力逃がし弁28は190kPa(約1.9kgf/cm)で開くように設定されており、給水圧が十分にある場合には、通常は貯湯タンク8の内圧は170kPa、圧力が上昇しても常に190kPa以下に保たれる。
そして、ヒートポンプユニットAにはマイクロコンピュータ等から成る制御装置S2が設けられ、タンクユニットBにはマイクロコンピュータ等から成る制御装置S1が設けられている。この制御装置S1、S2は、お風呂場に設けられた風呂リモートコントローラ(以下、「風呂リモコン」という)37、例えば台所に設けられたメインリモートコントローラ(以下、「メインリモコン」という)38などからの運転信号や、湯温検出センサ26の温度信号とに応じて、圧縮機1の運転と周波数制御、循環ポンプ9、12、13の運転制御などを行うものであり、以下その動作を説明する。
〈貯湯運転〉
料金の安い深夜時間帯では所定の時刻に貯湯量から沸き上げ量、そして全量沸き上げに必要な時間を算出し、沸き上げ終了時刻より前記必要な時間を考慮して逆算した時刻から貯湯運転が開始される。また、それ以外の時間帯では残湯量が100リットルを割ったら、即ち検出センサT6が湯温55℃未満を検出した場合には、貯湯運転が開始される。
即ち、前記検出センサからの検出出力に基づいて、貯湯タンク8に貯湯が行なわれ、制御装置S2は循環ポンプ9を運転させ、温水循環路Cでは、貯湯タンク8→循環ポンプ9→水冷媒熱交換器2の水流路2B→貯湯タンク8の順に給湯用の温水が流れ、貯湯タンク8に貯湯される。
ヒートポンプユニットAでは制御装置S2により圧縮機1が運転すると、冷媒回路Rでは、圧縮機1→水冷媒熱交換器2の冷媒流路2A→空気熱交換器3→アキュムレータ4→圧縮機1の順に冷媒が流れる。
貯湯タンク8へ供給される温水温度は85℃であるが、湯温検出センサ26が検知する温度がこの温度になるように、制御装置S2により圧縮機1の周波数制御が行われる。
図3のフローチャートに示すように、この貯湯タンク8への貯湯のために加熱処理が開始されると、制御装置S1は第2混合弁18をその開度が給水管21からの低温の水道水側(全て水道水側とするが、極力水道水側としてもよい。)に変更するように制御する。従って、この貯湯運転において、例えば20℃の水が85℃になる過程において、水が約3%程度体積が膨張するが、この膨張により過圧力逃がし弁28は設定された190kPa(約1.9kgf/cm)で開き、貯湯タンク8下部から低温の膨張水が第2混合弁18及び過圧力逃がし弁28を介してオーバーフロー管27から装置外(タンクユニットB外)へ排出される。
そして、貯湯タンク8内の水の加熱処理、即ち貯湯運転が終了した場合には、第2混合弁18の開度を元に戻すように制御装置S1は制御する。
従って、従来は貯湯運転の際に貯湯タンク8内の水が高温になることで体積が膨張した場合の圧力逃がしを貯湯タンク8上部より高温水を排水することにより行なっていたが、本発明によれば貯湯タンク8下部の低温水の排出動作にて行い、貯湯効率を向上させつつ圧力逃がし行なうことができる。
なお、従来は前記圧力逃がしを貯湯タンク8上部に接続した過圧力逃がし弁で行い、貯湯タンク8のエア抜きも兼ねていたが、図4に示すフローチャートに示す実施形態ではエア抜きが必要な場合には、第2混合弁18を高温水側(全て高温水側とするが、極力高温水側としてもよい。)に開度を設定し、これにより加熱による圧力上昇が生じたときは、膨張水とエアを貯湯タンク8上部に接続された配管を通って高温水側に開度が設定された第2混合弁18及び過圧力逃がし弁28を介してオーバーフロー管27から装置外(タンクユニットB外)へ排出し、貯湯タンク8内の水の加熱処理が終了したら、制御装置S1は前記第2混合弁18の開度を元に戻すように制御する。これにより、貯湯タンク8上部のエア溜まりを極力抑えることができる。
また、図5に示すフローチャートに示すように、第2混合弁18の開度は特に極端に高温水側、低温水側に設定するのでなく、適度に高温水側を多く開放して、貯湯タンク8上部からの高温水と下部からの低温水とを適度に混合して、第2混合弁18及び過圧力逃がし弁28を介してオーバーフロー管27から装置外(タンクユニットB外)へ排出することにより、低温水を混ぜることで高温水の排出を極力防ぐと共に、貯湯タンク8上部のエア抜きも同時に行うことができる。そして、貯湯タンク8内の加熱処理が終了したら、制御装置S1は前記第2混合弁18の開度を元に戻すように制御する。
また、貯湯タンク8内の水の加熱時間があらかじめ明らかな時は、加熱開始時は第2混合弁18の開度を低温水側(全て水道水側とするが、極力水道水側としてもよい。)に設定して膨張水をオーバーフロー管27から装置外(タンクユニットB外)へ排水し、加熱終了間近になると高温水側(全て高温水側とするが,極力高温水側としてもよい。)に設定することで、より効率がよく、貯湯タンク8上部のエアだまりをオーバーフロー管27から装置外(タンクユニットB外)へ排出できる。詳述すると、貯湯タンク8への貯湯のために加熱処理が開始されると、制御装置S1は加熱時間T1を算出し、第2混合弁18の開度を低温水側に設定すると共に加熱時間T1の終了より時間T2前に高温水側に設定するように制御する。そして、貯湯タンク8内の加熱処理が終了したら、制御装置S1は前記第2混合弁18の開度を元に戻すように制御する。これにより、膨張水を排出することができると共にエア溜まりも排出することができる。
以上のような実施形態では、図1に示すように、第2混合弁18からオーバーフロー管27を分岐させて、この分岐路中に過圧力逃がし弁28を設ける構成であったが、第1混合弁15からオーバーフロー管を分岐させて、この分岐路中に過圧力逃がし弁28を設ける構成にしてもよい。これにより、給湯回路に設けられた第1混合弁15を利用できる構成となり、この第1混合弁15の制御装置S1による制御は第2混合弁18に係る制御と同様に制御することにより同様な効果が得られるものである。
〈給湯動作、お湯張り動作及び追焚動作〉
貯湯タンク8に貯湯された高温水は水道圧減圧弁19及び逆止弁20を介する給水管21からの水道水とを第1混合弁15により混合されて、36℃〜48℃の温水として給湯管16を介して蛇口17を開くことにより台所等への給湯が可能とする。そして、この給湯が行われると、給水管21から貯湯タンク8下部に給水が行われる。
また、第2混合弁18により貯湯タンク8に貯湯された高温水と給水管21からの水道水とが混合されて約42℃程度とされた温水は、開閉弁24、25が開くことにより、停止している循環ポンプ13を介して及び循環ポンプ13を介さずに水々熱交換器11の二次流路11Bを介して浴槽14のお湯張り動作がなされることとなる。
また、制御装置S1は循環ポンプ12、13を運転することにより、貯湯タンク8の高温水と浴槽14の温水を水々熱交換器11で熱交換し、浴槽14の温水の追焚きを行うこともできる。
そして、前記深夜時間帯では全量沸き上げが終了した場合(湯温検出センサ26が55℃以上を検出した場合)、またそれ以外の時間帯では残湯量が150リットル以上となったら、即ち検出センサT5が55℃以上を検出した場合には、貯湯運転が停止されるように制御装置S1及びS2が制御する。
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
ヒートポンプ式給湯装置の全体系統図である。 制御ブロック図である。 制御フローチャートを示す図である。 他の実施形態に係る制御フローチャートを示す図である。 他の実施形態に係る制御フローチャートを示す図である。 他の実施形態に係る制御フローチャートを示す図である。
符号の説明
8 貯湯タンク
14 浴槽
18 第2混合弁
21 給水管
27 オーバーフロー管
28 過圧力逃がし弁
A ヒートポンプユニット
B タンクユニット
C 温水循環路
R 冷媒回路
S1 制御装置

Claims (1)

  1. 加熱源により加熱された温水を貯湯する貯湯タンクに接続された配管を介して温水を給湯するようにした貯湯式温水器において、前記貯湯タンクからの高温水とこの貯湯タンク下部からの低温水とを混合する混合弁と、この混合弁により混合された温水を浴槽にお湯張りするための開閉弁と、前記混合弁と前記開閉弁との間から過圧力逃がし弁を介在させたオーバーフロー管と、前記貯湯タンクへの貯湯運転時間を算出する算出手段と、前記貯湯タンクへの貯湯運転の際に前記混合弁を初めにこの貯湯タンク下部からの低温水が極力多く流れるような開度に制御すると共に前記算出手段で算出された貯湯運転時間が経過する前にこの貯湯タンク上部からの高温水が極力多く流れるような開度に制御する制御装置とを備え、
    前記貯湯タンクへの貯湯運転の際に前記貯湯タンク内の水の体積が膨張することにより前記過圧力逃がし弁が開いて初めに前記貯湯タンク下部からの低温水が極力多く流れるような開度に制御された前記混合弁を介する貯湯タンク下部からの低温水を前記オーバーフロー管を介して装置外に排出し、前記算出手段で算出された貯湯運転時間が経過する前にこの貯湯タンク上部からの高温水が極力多く流れるような開度に前記混合弁を制御することを特徴とする貯湯式温水器。
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