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JP4595189B2 - 変性ジエン系重合体ゴム、その製造方法及びゴム組成物 - Google Patents

変性ジエン系重合体ゴム、その製造方法及びゴム組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変性ジエン系重合体ゴム、その製造方法及びゴム組成物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、反撥弾性に優れ、よって省燃費性に優れ、しかも加工性にも優れた変性ジエン系重合体ゴム、その製造方法及び該重合体ゴムを用いたゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車タイヤ用ゴムとしては、乳化重合法により得られるスチレン−ブタジエン共重合体が知られている。しかしながら、該共重合体は反撥弾性特性に劣り、よって省燃費性の観点から好ましくないという問題点を有している。そこで、その改良のための多くの試みがなされてきた。たとえば、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤とし、エ−テル等のルイス塩基からなるミクロ構造調節剤の存在下、ブタジエンとスチレンを共重合する方法が提案されている(たとえば、特開昭60−72907参照。)。更に、特許公報第2540901号には、アルカリ金属末端に特定のアクリルアミド化合物を反応させて、省燃費性の改良された変性ジエン系共重合体ゴムを得る方法が開示されている。しかしながら、省燃費性改良の要求は、近年の環境に対する配慮を背景に、一層高度なものとなっており、従来の共重合体は、かかる近年の高度な要求水準に照らすとき、必ずしも満足できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、反撥弾性に優れ、よって省燃費性に優れ、しかも加工性にも優れた変性ジエン系重合体ゴム、その製造方法及び該重合体ゴムを用いたゴム組成物を提供することにある。
【0004】
【問題を解決するための手段】
すなわち、本発明のうち第一の発明は、炭化水素溶媒中において、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとをアルカリ金属系触媒を用いて重合させることにより得られるアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、下記一般式(1)で示されるアミン化合物を反応させることにより得られる変性ジエン系重合体ゴムに係るものである。
Figure 0004595189
(式中、R1、R2及びR3は炭素数が1〜8のアルキル基を表し、R4は炭素数が1〜8のアルコキシ基又はアルキル基を表し、nは1〜8の整数を表わす。)
また、本発明のうち第二の発明は、炭化水素溶媒中において、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとをアルカリ金属系触媒を用いて重合させることにより得られるアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、上記の一般式(1)で示されるアミン化合物を反応させる変性ジエン系重合体ゴムの製造方法に係るものである。
また、本発明のうち第三の発明は、前記の変性ジエン系重合体ゴムを、ゴム成分中10重量%以上含有するゴム組成物に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の変性ジエン系重合体ゴムは、炭化水素溶媒中において、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとをアルカリ金属系触媒を用いて重合させることにより得られるアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、前記一般式(1)で示されるアミン化合物を反応させることにより得られる変性ジエン系重合体ゴムである。
【0006】
共役ジエンモノマーとしては、1.3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン(ピペリン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等をあげることができ、これらのうちでは、得られる共重合体の物性、工業的に実施する上での入手性の観点から、1.3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0007】
芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等をあげることができ、これらのうちでは、得られる共重合体の物性、工業的に実施する上での入手性の観点から、スチレンが好ましい。
【0008】
炭化水素溶媒としては、アルカリ金属触媒を失活させないものであり、適当な炭化水素溶剤としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素から選ばれ、特に炭素数2〜12個を有するプロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、iso−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどをあげることができる。また、これらの溶剤は2種以上を混合して使用することができる。
【0009】
アルカリ金属系触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の金属、これらの金属を含有する炭化水素化合物又は該金属と極性化合物との錯体などをあげることができる。なお、アルカリ金属触媒として好ましいものとしては、2〜20個の炭素原子を有するリチウム又はナトリウム化合物をあげることができ、その具体例としては、たとえば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−フロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム4−シクロペンチルリチウム、1,4−ジリチオ−ブテン−2、ナトリウムナフタレン、ナトリウムビフェニル、カリウム−テトラヒドロフラン錯体、カリウムジエトキシエタン錯体、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩などをあげることができる。
【0010】
本発明においては、下記一般式(1)で示されるアミン化合物が用いられる。
Figure 0004595189
【0011】
式中、R1、R2及びR3は炭素数が1〜8のアルキル基を表し、R4は炭素数が1〜8のアルコキシ基又はアルキル基を表し、nは1〜8の整数を表わす。好ましくは、R1及びR2がメチル基であり、R3がメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であり、R4がメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であり、n=1のものである。アミン化合物の具体例としては、1、1−ジメトキシトリメチルアミン、1,1−ジエトキシトリメチルアミン、1,1−ジ−n−プロポキシトリメチルアミン、1,1−ジ−iso−プロポキシトリメチルアミン、1,1−ジ−n−ブトキシトリメチルアミン、1,1−ジ−tert−ブトキシトリメチルアミン、1,1−ジエトキシトリエチルアミン、1,1−ジ−n−プロポキシトリエチルアミン、1,1−ジ−iso−プロポキシトリエチルアミン、1,1−ジ−n−ブトキシトリエチルアミン、1,1−ジ−tert−ブトキシトリエチルアミン等があげられるが、少ない重量の添加で省燃費性を著しく改良できるという観点から、分子量の小さい1,1−ジメトキシトリメチルアミンが好ましい。
【0012】
本発明の変性ジエン系重合体ゴムは、炭化水素溶媒中において、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとをアルカリ金属系触媒を用いて重合させることにより得られるアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、前記一般式(1)で示されるアミン化合物を反応させることにより得られる。
【0013】
重合用モノマーとしては、共役ジエンモノマーのみを用いてもよく、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーを併用してもよい。共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーを併用する場合の両者の比率は、共役ジエンモノマー/芳香族ビニルモノマーの重量比で50/50〜90/10が好ましく、更に好ましくは55/45〜85/15である。該比が過小であると重合体ゴムが炭化水素溶媒に不溶となり、均一な重合が不可能となる場合があり、一方該比が過大であると重合体ゴムの強度が低下する場合がある。
【0014】
重合に際しては、アルカリ金属触媒、炭化水素溶媒、ランダマイザー、共役ジエン単位のビニル結合含有量調節剤など通常使用されているものを用いることが可能であり、該重合体の製造方法は、特に制約を受けない。
【0015】
共役ジエン部のビニル結合含有量を調節するためには、ルイス塩基性化合物として、各種の化合物を使用し得るが、エーテル化合物又は第三級アミンが、工業的実施上の入手容易性の点で好ましい。エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどの脂肪族モノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどの脂肪族ジエ−テル;ジフェニルエーテル、アニソールなどの芳香族エーテルがあげられる。また、第三級アミン化合物の例としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどのほかに、N,N,N‘,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリンなどをあげることができる。
【0016】
アルカリ金属末端を有する活性共役ジエン重合体に対して本発明のアミン化合物を添加しで製造する際に使用する量は、アルカリ金属を付加する際使用するアルカリ金属触媒1モル当たり、通常0.1〜10モルであり、好ましくは0.2〜5モルである。該使用量が少なすぎる場合は省燃費性の改良効果が少なく、逆に多すぎる場合は、重合溶媒中に残存するため、その溶媒をリサイクル使用する場合には溶媒からの分離工程を必要とする等、経済的に好ましくない。
【0017】
該アミン化合物とアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体との反応は、迅速に起きるので、反応温度及び反応時間は広範囲に選択できるが、一般的には、室温乃至は100℃、数秒乃至数時間である。反応は、アルカリ金属含有ジエン系重合体と該アミン化合物とを接触させればよく、たとえば、アルカリ金属触媒を用いて、ジエン系重合体を重合し、該重合体溶液中に該アミン化合物を所定量添加する方法が、好ましい態様として例示できるが、この方法に限定されるものではない。
【0018】
得られた改質ジエン系重合体ゴムには、分子末端にアミノ基又は、アミノ基とアルコシ基が導入されている。反応終了後、改質されたジエン系重合体ゴムは反応溶媒中から凝固剤の添加あるいはスチーム凝固など通常の溶液重合によるゴムの製造において使用される凝固方法がそのまま用いられ、凝固温度も何ら制限されない。
【0019】
反応系から分離されたクラムの乾燥も通常の合成ゴムの製造で用いられるバンドドライヤー、押し出し型のドライヤー等が使用でき、乾燥温度も何ら制限されない。
【0020】
かくして、本発明の変性ジエン系重合体ゴムが得られる。
【0021】
変性ジエン系重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4)は、10〜200であることが好ましく、更に好ましくは20〜150である。ムーニー粘度が低すぎると加硫物の引張り強度等の機械物性が低下する場合があり、一方該粘度が高すぎると他のゴムと組み合わせて使用する場合に混和性が悪く、加工操作性が困難となり、得られたゴム組成物の加硫物の機械物性が低下する場合がある。
【0022】
変性ジエン系重合体ゴムの共役ジエン部のビニル結合含有量は、10〜70%であることが好ましく、更に好ましくは15〜60%である。該含有量が過少であると重合体のガラス転移温度が過少となり、タイヤ用のポリマ−として用いた場合、グリップ性能が劣る場合があり、一方該含有量が過多であると重合体のガラス転移温度が上昇し、反撥弾性に劣る場合がある。
【0023】
本発明の変性ジエン系重合体ゴムは、他のゴム成分、各種添加剤等を含むゴム組成物とされる。
【0024】
他のゴム成分としては、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム,溶液重合(アニオン重合触媒、ziegler型触媒)によるポリブタジエンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、及び天然ゴムが含まれ、目的に応じて、これらゴムの1種又は2種以上が選択使用される。ここで、他のゴム成分を用いる場合、全ゴム成分中に占める本発明の変性ジエン系重合体ゴムの割合は10重量%以上であることが好ましく、更に好ましくは20重量%以上である。本発明の変性ジエン系重合体ゴムの割合が過少であると反撥弾性の向上度合が小さく、加工性も改良されなくなる。
【0025】
添加剤としては、ゴム工業で常用されているものからゴム組成物の使用目的に適したものを選べばよく、特に制限されない。通常、加硫系としては硫黄、ステアリン酸、亜鉛華、各種加硫促進剤(チアゾール系、チウラム系、スルフェンアミド系等)あるいは有機過酸化物などが、補強剤としてはHAF,ISAF等の種々のグレードのカーボンブラック,シリカなど、充填剤としては、炭酸カルシウム、タルクなどが、その他の添加剤としては伸展油、加工助剤、老化防止剤等が使用される。これら添加剤の種類及び使用量はゴム組成物の使用目的に応じて選択されるものであり、本発明においては特に限定されない。
【0026】
ゴム組成物を得るには、ゴム成分と各種添加剤とをロール、バンバリー等の混合機を用いて混練りすればよい。ゴム組成物は、加硫され、使用に供される。
【0027】
本発明のゴム組成物は、反撥弾性に優れるため、省燃費性に優れた自動車タイヤに最適に使用され得る。また、本発明のゴム組成物は、靴底用、床剤用、防振ゴム用、などの各種工業用原料ゴムとして使用され得る。
【0028】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものてはない。
実施例1
内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1420g、スチレン580g、テトラヒドロフラン 122g、ヘキサン10.2kg、n−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液11.0mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重合を行った。重合完了後、1,1−ジメトキシトリメチルアミンを11.0mmol添加し、攪拌下に30分間反応させた後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応容器の内容物を取り出し、10gの2,6−ジ−t−フチル−p−クレゾール(住友化学製のスミライザーBHT:以下同様)を加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体ゴムを得た。
【0029】
比較例1
内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1420g、スチレン580g、テトラヒドロフラン 122g、ヘキサン10.2kg、n−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液11.1mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重合を行った。重合完了後、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを11.1mmol添加し、攪拌下に30分間反応させた後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応容器の内容物を取り出し、10gの2,6−ジ−t−フチル−p−クレゾールを加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体ゴムを得た。
【0030】
比較例2
内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1420g、スチレン580g、テトラヒドロフラン 122g、ヘキサン10.2kg、n−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液11.5mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重合を行った。重合完了後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応容器の内容物を取り出し、10gの2,6−ジ−t−フチル−p−クレゾールを加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体ゴムを得た。
【0031】
実施例1、比較例1及び比較例2で得た各重合体ゴムについて、下記のとおり測定、評価を行った。
重合体ゴムのムーニー粘度
JIS K−6300に準拠して100℃にて測定した。
重合体ゴムのビニル含量
赤外分光分析法により測定した。
重合体ゴムのスチレン含量
屈折率法により測定した。
重合体ゴムの加工性
6インチロールを50℃の温度に調節し、ロール間隙を0.7mm、1.0mm、2.0mmと変化させて、表1に示す配合の配合の配合ゴムを巻き付けて、その状態を観察し、表2の基準に従って評点をつけた。
加硫ゴムの反撥弾性
表1の配合に従い、ラボプラストミルにて混練して配合ゴムを得て、これを6インチロールでシート状に成形の後、160℃×15分の条件で加硫して加硫ゴムを得た。加硫ゴムについて、リュプケレジリエンステスターを用いて、60℃での反撥弾性を測定した。
【0032】
測定、評価結果を表3に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0004595189
*1:N−339を使用
*2:アンチケ゛ン3C(住友化学社製 老化防止剤)
*3:ソクシノールCZ(住友化学社製 加硫促進剤)
*4:サンノックN(大内新興化学工業株式会社製)
【0034】
【表2】
Figure 0004595189
【0035】
【表3】
Figure 0004595189
*1 変性化合物
A:1,1−ジメトキシトリメチルアミン
B:N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
【0036】
実施例2
再現性確認のため、実施例1と同一条件にて重合を行い重合完了後1、1−ジメトキシトリメチルアミンを11.0mmol添加し、攪拌下に30分間反応させた後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応容器の内容物を取り出し、10gの2,6−ジ−t−フチル−p−クレゾールを加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体ゴムを得て、評価を行った。
【0037】
実施例3
実施例2における重合後に添加するアミン化合物として、1,1−ジメトキシトリメチルアミンを33mmol添加する以外は同じ方法にて処理し、重合体ゴムを得て、評価を行った。
【0038】
実施例4
実施例2における重合後に添加するアミン化合物として、1,1−ジエトキシトリメチルアミンを11.0mmol添加する以外は同じ方法にて処理し、重合体ゴムを得て評価を行った。
【0039】
実施例5
実施例2における重合後に添加するアミン化合物として、1,1−ジ−n−プロポキシトリメチルアミンを11.0mmol添加する以外は同じ方法にて処理し、重合体ゴムを得て、評価を行った。
【0040】
実施例6
実施例2における重合後に添加するアミン化合物として、1、1−ジ−n−ブトキシトリメチルアミンを11.0mmol添加する以外は同じ方法にて処理し、重合体ゴムを得て評価を行った。
【0041】
比較例3
内容積20リットルのステンレス製重合反応機を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン1420g、スチレン580g、テトラヒドロフラン122g、ヘキサン10.2kg、n−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液9.8mmol)を添加し、攪拌下に65℃で3時間重合を行った。重合完了後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応容器の内容物を取り出し、10gの2,6−ジ−t−フチル−p−クレゾールを加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体ゴムを得て、評価を行った。
【0042】
比較例4
比較例−3における方法とn−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液11.2mmol)を添加する以外は同じ方法にて処理し、重合体ゴムを得て評価を行った。
【0043】
上記実施例2〜6、比較例3、4で得られた各重合体ゴム測定、評価結果を表4、5に示した。
【0044】
【表4】
Figure 0004595189
*1 化合物
A:1,1−ジメトキシトリメチルアミン
C:1,1−ジエトキシトリメチルアミン
D:1,1−ジ−n−プロポキシトリメチルアミン
E:1,1−ジ−n−ブトキシトリメチルアミン
*2 量:表中の数値=変性化合物添加量(モル)/n−BuLi(モル)
【0045】
【表5】
Figure 0004595189
【0046】
実施例7
実施例1で得た重合体ゴムを用い、表6に示すシリカ配合に従い、ラボプラストミルにて混練して配合ゴムを得て、これを6インチロールでシート状に成形の後、160℃×45分の条件で加硫した。ゴム組成物の加工性及び加硫ゴムの反撥弾性を測定、評価した。結果を表7に示した。
【0047】
比較例5
比較例2で得られた重合体ゴムを使用したこと以外は実施例7と同様に行った。
【0048】
比較例6
比較例3においてn−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液9.4mmol)を添加したこと以外は同様に行って得た重合体ゴムを使用したこと以外は実施例7と同様に行った。
【0049】
実施例7、比較例5、6の結果を表7に示した。
いずれの実施例においても、比較例に比べて、高い反撥弾性、良好なロ−ル加工性を持つことが示された。
【0050】
【表6】
Figure 0004595189
*1:ウルトラシルVN3−G(デグッサ株式会社製)
*2:Si69(デグッサ社製)
*3:X−140(共同石油社製アロマ油)
*4:アンチゲン3C(住友化学社製 老化防止剤)
*5:ソクシノールCZ(住友化学社製 加硫促進剤)
*6:ソクシノールD(住友化学社製 加硫促進剤)
*7:サンノックN(大内新興化学工業株式会社製)
【0051】
【表7】
Figure 0004595189
*1 変性化合物
A:1、1−ジメトキシトリメチルアミン
B:N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
【0052】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、反撥弾性に優れ、よって省燃費性に優れ、しかも加工性にも優れた変性ジエン系重合体ゴム、その製造方法及び該重合体ゴムを用いたゴム組成物を提供することができた。

Claims (4)

  1. 炭化水素溶媒中において、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとをアルカリ金属系触媒を用いて重合させることにより得られるアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、下記一般式(1)で示されるアミン化合物を反応させることにより得られる変性ジエン系重合体ゴム。
    Figure 0004595189
    (式中、R1、R2及びR3は炭素数が1〜8のアルキル基を表し、R4は炭素数が1〜8のアルコキシ基又はアルキル基を表し、nは1〜8の整数を表わす。)
  2. 1及びR2がメチル基であり、R3がメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であり、R4がメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であり、n=1である請求項1記載の変性ジエン系重合体ゴム。
  3. 炭化水素溶媒中において、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとをアルカリ金属系触媒を用いて重合させることにより得られるアルカリ金属末端を有する活性共役ジエン系重合体に対して、請求項1記載の一般式(1)で示されるアミン化合物を反応させる変性ジエン系重合体ゴムの製造方法。
  4. 請求項1記載の変性ジエン系重合体ゴムを、ゴム成分中10重量%以上含有するゴム組成物。
JP2000328813A 2000-10-27 2000-10-27 変性ジエン系重合体ゴム、その製造方法及びゴム組成物 Expired - Fee Related JP4595189B2 (ja)

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