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JP4592344B2 - 低周波治療器 - Google Patents

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JP4592344B2
JP4592344B2 JP2004203304A JP2004203304A JP4592344B2 JP 4592344 B2 JP4592344 B2 JP 4592344B2 JP 2004203304 A JP2004203304 A JP 2004203304A JP 2004203304 A JP2004203304 A JP 2004203304A JP 4592344 B2 JP4592344 B2 JP 4592344B2
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Description

本発明は、医療用に供される低周波治療器に関し、特に、生体にパルス波を印加して筋肉等に電気刺激を与えるための低周波治療器に関する。
従来より、生体に低周波のパルス波を印加して筋肉等を刺激するための低周波治療器が広く知られている。このような低周波治療器は、生体の所望の箇所に導子を当て、その導子に対して数Hzから数百Hzの低周波電圧を印加することによって生体の筋肉に電気刺激を与えるものである。また、2枚で1対(一組)の導子を複数組用意して生体に当て、それぞれの組の導子に対して僅かに異なる周波数のパルスを印加して複数組の導子間で干渉波を生じさせることにより、等価的に生体に対して低周波電圧を印加するように構成された干渉低周波治療器の技術も開示されている。この技術によれば、周波数の若干異なる複数の発振部からそれぞれの導子へパルスを供給することにより、数Hz程度の干渉波による低周波治療を容易に行うことができる。例えば、4000Hzで発信する導子と4010Hzで発信する導子とによって、10Hzの干渉波を生体上に簡単に生成することができる(例えば、特許文献1参照)。さらに、筋肉の疲労度を検出して疲労度に応じた低周波信号を電極(導子)に印加することにより、電極が筋肉の疲労度に応じて効果的に生体を刺激する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。また、高周波の搬送波を低周波で振幅変調して導子に印加することにより、その導子が生体の表面から深部まで刺激することのできる電気刺激装置の技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、上記従来の低周波治療器はそれぞれの治療目的ごとに治療時間が設定できるようになっていて、予め設定した治療時間に到達すると、タイマがカウントアップして低周波治療器が自動的に停止したり、あるいはアラームが鳴動して手動での停止を促したりするよになっている。例えば、生体に対して運動トレーニングを行う予防医学的な目的で低周波治療器を操作する場合は、被治療者の年齢、性別、健康状態などに応じて、低周波治療器の操作面に設置されているダイアルつまみによってタイマのカウントアップ時間を任意に設定できるようになっている。したがって、ユーザが低周波治療器のダイアルつまみで所望の時間を設定すれば、その時間だけ導子に低周波パルスの電圧(または、電流)が供給され、生体の神経筋に電気刺激を与えることができる。
特開2004−49651号公報(段落番号0018〜0031、図1〜図5参照) 特開平11−253560号公報(段落番号0005〜0022、図1〜図3参照) 特開2003−10344号公報(段落番号0018〜0033、図1〜図5参照)
しかしながら、生体の要部に導子を当て、所定のインターバルで断続的に低周波パルスを印加して神経筋の電気刺激を行う場合は、治療時間ではなく、パルスの通電/休止繰返し回数(すなわち、筋肉の収縮回数)に応じてそれぞれの治療効果あることが知られている。さらには、印加するパルスの通電/休止モード、パルス電圧(または電流)の大きさ、あるいは電気刺激を与える筋肉の部位などに応じて、パルスの通電/休止繰返し回数を決定することが最適な治療効果につながることも知られている。ところが、現在の低周波治療器はタイマの時間設定のみができるようになっているので、それぞれの被治療者に対してきめ細かなパルスの通電/休止繰返し回数を設定することができない。そのため、現在の低周波治療器は、それぞれの被治療者ごとに最適な治療効果を発揮することができないなどの使い勝手の悪さがある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、被治療者の年齢、性別、健康状態、パルスの通電/休止モード、あるいはパルス電圧(電流)などに応じて、最適なパルス通電/休止繰返し回数で生体の神経筋へ電気刺激を与えることができるような低周波治療器を提供することを目的とする。
本発明の低周波治療器は、前記の目的を達成するために創案されたものであり、電極(導子4a,4b)に低周波のパルスを印加し、電極を介して生体に電気刺激を与える低周波治療器であって、生体に電気刺激を与えることによって生じる筋肉収縮回数をあらかじめ設定する筋肉収縮回数設定手段(筋肉収縮回数設定部6)と、1インターバルにおけるパルスの通電時間と休止時間を設定するパルスモード設定手段(パルスモード設定部5)と、筋肉収縮回数設定手段が設定した筋肉収縮回数とパルスモード設定手段が設定したパルスの通電時間及び休止時間とに基づいて治療時間を算出する治療時間算出手段(治療時間算出部7)と、パルスの通電開始時にタイムカウントを開始し、治療時間算出手段が算出した治療時間に到達したらパルス通電の停止信号を送信するタイマ(タイマ9)と、タイマから受信した停止信号に基づいてパルスの通電回路を遮断する遮断手段(スイッチ8)とを備える構成とした。また、筋肉を収縮させるためのパルスの出力回数をカウントし、予め設定した治療回数になったときに通電を停止する構成とした。
かかる構成によれば、それぞれの治療目的ごとに最適な筋肉収縮回数(すなわち、最適なパルス通電/休止繰返し回数)を設定すれば、そのときに使用するパルスの通電/休止モード(すなわち、1インターバルごとのパルスの通電時間と休止時間)から自動的に治療時間が算出される。したがって、その治療時間に到達したら自動的に低周波治療器の電源が遮断されて電極へのパルス通電が停止される。また、パルスの出力回数が設定回数に達するとパルス通電が停止される。本発明によれば、いちいちパルス通電/休止繰返し回数をカウントしなくても、パルスの通電/休止モードがわかっていれば、従来から設置されているタイマを利用することによって、必要とする筋肉収縮回数(すなわち、パルス通電/休止繰返し回数)を治療時間に自動的に換算することができるので、極めて使い勝手のよい低周波治療器を提供することができる。
また、本発明の低周波治療器においては、電極は第1の電極グループと第2の電極グループとからなり、第1の電極グループと第2の電極グループへ同時にパルスが印加されるとき、治療時間算出手段は、筋肉収縮回数をN、通電時間をTon、休止時間をToffとしたとき、治療時間Tを、T=N×(Ton+Toff)によって算出するように構成した。
かかる構成によれば、例えば、足の後側の排腹筋へ2枚一組の電極からなる第1の電極グループと、同じく2枚一組の電極からなる第2の電極グループとを貼付し、第1の電極グループの第1チャンネルと第2の電極グループの第2チャンネルへ同時にパルスを供給した場合、筋肉収縮回数Nとパルスの通電時間Ton及び休止時間Toffをあらかじめ設定しておけば、治療時間T=筋肉収縮回数N×(通電時間Ton+休止時間Toff)の式により、本来必要とする筋肉収縮回数Nを容易に治療時間Tに換算することができる。
また、本発明の低周波治療器においては、電極は第1の電極グループと第2の電極グループとからなり、第1の電極グループと第2の電極グループへ交互にパルスが印加されるとき、治療時間算出手段は、筋肉収縮回数をN、通電時間をTon、休止時間をToffとしたとき、治療時間Tを、T=N×(2Ton+Toff)によって算出するように構成した。
かかる構成によれば、例えば、足の前側の前頚骨筋へ2枚一組の電極からなる第1の電極グループを貼付し、足の後側の排腹筋へ2枚一組の電極からなる第2の電極グループを貼付し、第1の電極グループの第1チャンネルと第2の電極グループの第2チャンネルへ交互にパルスを供給した場合、筋肉収縮回数Nとパルスの通電時間Ton及び休止時間Toffをあらかじめ設定しておけば、治療時間T=筋肉収縮回数N×(2×通電時間Ton+休止時間Toff)の式によって、本来必要とする筋肉収縮回数Nを容易に治療時間Tに容易に換算することができる。このように、2つのチャンネルへ交互にパルスを供給する場合は、筋肉収縮回数を直接カウントすることは難しいが、本発明のような手法によって筋肉収縮回数を治療時間に換算することにより、必要とする筋肉収縮回数だけ確実にパルス供給することができる。
また、本発明の低周波治療器においては、パルスモード設定手段は、電気刺激を与える筋肉の部位、パルス周波数、パルス電流、電極の種別、電極の組合せタイプのうち、少なくとも1つの項目を参考にしてパルスの通電時間及び前記休止時間を設定するように構成した。
かかる構成によれば、例えば、電極を貼って電気刺激を与える筋肉の部位が前頚骨筋か排腹筋(ふくらはぎ)か肩の三角筋か、パルス電流は何mAか、などの条件によって最適なパルス通電/休止モードを設定することができる。このようにして設定されたパルス通電/休止モードとあらかじめ設定した筋肉収縮回数とによって一義的に換算された治療時間を適用することによってそれぞれの治療目的に応じて最適な筋肉収縮回数で治療を行うことができる。
本発明の低周波治療器によれば、それぞれの治療目的に応じて最適な筋肉収縮回数を設定し、さらに、それぞれの治療目的に応じて最適なパルス通電/休止モードを設定すれば、直ちに治療時間に換算することができる。したがって、従来から低周波治療器に設置されてるタイマを利用すれば、本来必要とする筋肉収縮回数に到達したら直ちにパルス給電を停止して治療を終了することができるので、いちいち、筋肉収縮回数をカウントする必要がなくなるので極めて使い勝手のよい低周波治療器を構築することができる。
本発明の低周波治療器は、それぞれの治療目的ごとに最適な筋肉収縮回数(すなわち、最適なパルス通電/休止繰返し回数)を設定すれば、そのときに使用するパルスの通電/休止モードから自動的に治療時間が算出され、その治療時間あるいはパルス発生回数が所定回数に到達したら自動的に低周波治療器の電源が遮断されるように構成したことを特徴としている。例えば、最適な筋肉収縮回数(すなわち、最適なパルス通電/休止繰返し回数)として25回を設定し、使用するパルスの通電/休止モードにおける通電時間を4秒、休止時間を6秒とした場合は、治療時間=10(Sec)×25(回)=250(Sec)、すなわち、治療時間は4分10秒と算出され、パルス給電を開始してから(つまり、治療を開始してから)4分10秒が経過したら自動的に低周波治療器の電源が遮断される。したがって、所望する25回のパルス通電/休止繰返し回数、つまり、最適な筋肉収縮回数(25回)によって筋肉に電気刺激を与えることができる。すなわち、本発明によれば、いちいちパルス通電/休止繰返し回数をカウントしなくても、パルスの通電/休止モードがわかっていれば従来から設置されているタイマを利用することによって、必要とするパルス通電/休止繰返し回数を治療時間に自動的に換算することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明における低周波治療器の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明における低周波治療器の構成を示すブロック図である。まず、図1に示す低周波治療器の構成について説明する。低周波治療器1は、電池などによって構成された電源2と、例えば40Hzの低周波パルスを生成するパルス発生部3と、パルス発生部3から出力されたパルスを受信して生体に電気刺激を与える1対の(つまり一組の)導子4a,4bと、パルス電流の大きさや通電/休止時間などのパルスモードを設定するパルスモード設定部5と、治療に必要な筋肉収縮回数(つまり、最適なパルス通電/休止繰返し回数)を設定する筋肉収縮回数設定部6と、パルスモード設定部5で設定されたパルスの通電/休止時間と筋肉収縮回数設定部6で設定された筋肉収縮回数とによって治療時間を算出する治療時間算出部7(あるいはパルスの回数をカウントするパルス回数カウント部)と、治療時間算出部7によって算出された時間が経過したら電源2のスイッチ8に停止信号を送信するタイマ9と、タイマ9からの停止信号に基づいて電源2の回路を遮断して低周波治療器1の動作を停止させるスイッチ8と、パルス発生部3から出力されるパルス波形やパルス電流を監視するモニタ10とを備えた構成となっている。
パルスモード設定部5で設定する内容は、(1)治療する筋肉名(例えば、大腿四頭筋、前頚骨筋、排腹筋、腕の屈曲筋、背中の伸縮筋、肩の三角筋など)、(2)パルス周波数(例えば、10Hz、25Hz、40Hzなど)、(3)パルス電流(例えば、45mA、60mA、85mAなど)、(4)導子の組合せタイプ(例えば、1枚の導子、2枚一組の導子、二組の導子、多数組の導子など)、(5)通電時間/休止時間(例えば、4sec通電/6sec休止、5sec通電/5sec休止など)であり、かつ、筋肉収縮回数設定部6で設定する内容は、(6)トレーニング種別毎の筋肉収縮回数(例えば、10回、20回、25回など)である。必要に応じて7項目の全ての項目を設定してもよいし、項目を選択して設定してもよい。但し、必要最低限の設定項目はパルスモード設定部5で設定する(6)通電時間/休止時間と、筋肉収縮回数設定部6で設定する(7)トレーニング種別毎の筋肉収縮回数である。
また、導子4a,4bは生体の所望の筋肉部分に貼り付けて使用されるが、導子4a,4bは2枚一組で生体に貼られて使用することもあるし、これらの導子4a,4bを二組あるいはそれ以上の多数組にして筋肉部分に貼り付けて使用されることもある。導子4a,4bを二組以上用いて使用する場合は、図1に示す1つのパルス発生部3から多数の導子を並列に接続して同一のパルスを全ての導子に印加してもよいし、図には示されていないが、2枚一組の導子を二組用いて筋肉表面で直交するように配置し、二組の導子に周波数の僅かに異なるパルスを印加して、二組の導子に周波数干渉を起こさせるようにしてもよい。尚、導子4aまたは導子4bを1枚だけで使用することもできる。
次に、図1のように構成された低周波治療器1の動作について説明する。ユーザが、導子4a,4bを生体の所望の箇所に貼り付けてスイッチ8をONすると、低周波治療器1はスタンバイ状態になって各種の設定操作を行うことができる。このようなスタンバイ状態において、まず、筋肉収縮回数設定部6によって治療目的ごとに最適な筋肉収縮回数Nを設定する。尚、治療目的ごとの最適な筋肉収縮回数Nは、筋肉の刺激箇所や治療目的ごとにその値が決められてテーブル化されているので、ユーザはそのテーブルを参照して所望の筋肉収縮回数Nを設定することができる。
さらに、パルスモード設定部5によって、最小限の設定項目として1インターバルにおけるパルスの通電時間Ton/休止時間Toffを設定する。すると、治療時間算出部7は、筋肉収縮回数設定部6で設定された筋肉収縮回数Nとパルスモード設定部5で設定されたパルスの通電時間Ton/休止時間Toffとに基づいて、必要とする治療時間Tを自動的に算出する。つまり、治療時間算出部7は、T=(Ton+Toff)×Nによって所望する筋肉収縮回数Nに対応する治療時間Tを算出する。
このような設定が終了した後に再びスイッチ8を押すと、パルス発生部3がパルスを発生させて導子4a,4bへパルス供給を行う。このとき、パルス発生部3は、パルスモード設定部5で設定されたパルスの通電時間Ton/休止時間Toffのパルスモードに基づいて、パルスの通電と休止を繰り返しながら導子4a,4bへパルスの断続通電を行う。例えば、パルスモード設定部5によって4秒間通電、6秒間休止という設定を行ってパルス通電を行えば、4秒間通電/6秒間休止のインターバルで導子4a,4bを介して生体の筋肉に刺激を与える。これによって導子4a,4bが貼られた筋肉に所望の電気刺激を与えることができる。
また、タイマ9は、パルスの通電開始と同時にタイムカウントを開始するが、前述のように設定された筋肉収縮回数Nと通電時間Ton/休止時間Toffとに基づいて治療時間算出部7が算出した治療時間Tに到達すると、スイッチ8へ停止信号を送出してスイッチ8を遮断にさせる。
このようなパルスの停止動作は次のようにして実現することができる。例えば、治療時間算出部7が治療時間Tを算出すると、直ちに、その情報(つまり、治療時間Tの情報)がタイマ9へ送信されてタイマ9のメモリ(図示せず)に格納される。そして、タイマ9がパルス給電の経過時間と治療時間Tを常時比較しながら経過時間(またはパルス出力回数)が治療時間T(またはパルス設定回数)に到達した時点でスイッチ8へ停止信号を送出することによって実現できる。尚、モニタ10の画面によってパルス波形、パルス電流、あるいはパルスの通電/休止時間のモードなどを常時監視することができるようになっている。
尚、パルスモード設定部5によってパルスの通電時間/休止時間を設定する前に、筋肉の部位、パルス周波数、パルス電流、導子の種別、導子の組合せタイプなどを設定すれば、そのモードにおける最適なの通電時間/休止時間が自動的に表示されるので、表示された通電時間/休止時間を設定すればよい。これについては具体的な実施例の中で詳細に説明する。
次に、具体的な実施例に基づいて低周波治療器の動作を説明する。図2は導子を足に貼付した状態を示す概念図であり、(a)は排腹筋への貼付状態、(b)は前頚骨筋及び排腹筋への貼付状態を示す。すなわち、図2(a)は、足の後ろ側の排腹筋(つまり、ふくらはぎ)へ導子4a,4bを二組貼り付け、二組の導子4a,4bを2チャンネル(CH1,CH2)で同時にパルス通電している状態を示している。以降、このようなモードを“Co−contモード”という。
また、図2(b)は、一組の導子4a,4bを足の前側の前頚骨筋に貼り付けて1つのチャンネル(CH1)でパルス通電し、もう一組の導子4a,4bを足の後側の排腹筋(ふくらはぎ)に貼り付けて他の1つのチャンネル(CH2)で通電し、2つのチャンネルCH1,CH2へ交互に通電している状態を示す。以降、このようなモードを“Altモード”という。
図3は、図2(a)に示す“Co−contモード”におけるパルスの通電/休止モード波形である。この図は、横軸に時間の経過を示し、CH1、CH2の2つのチャンネルで二組の導子4a,4bに同時にパルス給電を行っている状態を示している。すなわち、図2(a)に示すよう、二組の導子4a,4bを排腹筋(ふくらはぎ)に貼り付けて、CH1,CH2の2つのチャンネルへ同時にパルスの通電/休止を繰り返すと、図3に示すように、パルスを通電している通電時間(Ton)ごとに筋肉の収縮を繰り返し、休止時間(Toff)では収縮作用は休止している。
したがって、図1のパルスモード設定部5において図3に示す通電時間(Ton)/休止時間(Toff)のパルスモードを設定し、筋肉収縮回数設定部6において筋肉収縮回数Nを設定すると、治療時間算出部7は、次の式(1)によって治療時間Tを求める。
T=N×(Ton+Toff) (1)
但し、N:筋肉収縮回数、Ton:通電時間、Toff:休止時間
そして、タイマ9が、上記の式(1)によって求められた治療時間Tに到達するとスイッチ8を遮断させる。したがって、ユーザが最初に設定した所望の筋肉収縮回数Nに到達したら、自動的に低周波治療器を停止させて治療を終了させることができる。
また、図4は、図2(b)に示す“Altモード”において、CH1とCH2を交互に通電している状態を示すパルスの通電/休止モード波形である。すなわち、図4は、CH1によって足の前側の前頚骨筋に貼られた1組の導子4a,4bに通電し、次に、CH2によって足の後ろ側の排腹筋(ふくらはぎ)に貼られた他の1組の導子4a,4bに通電し、その後は全ての導子への通電を止めるというように、CH1とCH2の交互通電と休止を繰り返す状態を示している。尚、図4においても横軸に時間の経過を示している。
図4に示すように、CH1による通電時間(Ton)の間は、足の前側の前頚骨筋に電気刺激が与えられて足の伸ばし運動が働き、次に、CH2による通電時間(Ton)の間は、足の後ろ側の排腹筋(ふくらはぎ)に電気刺激が与えられて足の曲げ運動が働き、さらに、休止時間(Toff)の間は電気刺激は休止されて運動を休止するという繰り返しを行っている。
したがって、図1のパルスモード設定部5において、図4に示すような、CH1の通電時間(Ton)+CH2の通電時間(Ton)/休止時間(Toff)のパルスモードを設定し、筋肉収縮回数設定部6において筋肉収縮回数Nを設定すると、治療時間算出部7は、次の式(2)によって治療時間Tを求める。
T=N×(2Ton+Toff) (2)
但し、N:筋肉収縮回数、Ton:通電時間、Toff:休止時間
そして、タイマ9が、上記の式(2)によって求められた治療時間Tに到達するとスイッチ8を遮断させる。したがって、ユーザが最初に設定した所望の筋肉収縮回数Nに到達したら、自動的に低周波治療器を停止させて治療を終了させることができる。
なお、図5に示すように、CH2の通電時間Tonの前後に両方の通電休止時間Toffが存在するようなパルスのパターンの場合には、
T=N×(2Ton+Toff1+Toff2) (3)
によって治療時間Tを求めれば良い。
次に、低周波治療器を用いて治療を行う場合の設定条件の具体的な凡例を説明する。すなわち、下記の凡例に示すような内容の設定を行えば、筋肉収縮回数が治療時間に換算されるので、生体のそれぞれの筋肉部分に対して最適な最適なパルス通電/休止繰返し回数で電気刺激を行うことができる。
<凡例1>(1)筋肉名:大腿四頭筋、(2)パルス周波数:50Hz、(3)パルス電流:85mA、(4)導子の種別:カーボン吹き付けゴム板(Rc)、(5)導子の組合せタイプ:2枚一組の導子を二組(Q)、(6)通電時間/休止時間:10sec/50sec、(7)筋肉収縮回数:10
<凡例2>(1)筋肉名:前頚骨筋、(2)パルス周波数:60Hz、(3)パルス電流:45mA、(4)導子のタイプ:Rc、(5)導子の組合せタイプ:1枚の導子(M)、(6)通電時間/休止時間:8sec/24sec、(7)筋肉収縮回数:12
<凡例3>(1)筋肉名:腕の屈曲筋、(2)パルス周波数:40Hz、(3)パルス電流:60mA、(4)導子のタイプ:金属板(Mp)(5)導子の組合せタイプ:2枚一組の導子(B)、(6)通電時間/休止時間:4sec/12sec、(7)筋肉収縮回数:8
<凡例4>(1)筋肉名:背中の伸縮筋、(2)パルス周波数:35Hz、(3)パルス電流:90mA、(4)導子のタイプ:Rc(5)導子の組合せタイプ:2枚一組の導子を多数組(Mu)、(6)通電時間/休止時間:6sec/30sec、(7)筋肉収縮回数:12
上記の各凡例に示すように、パルスモード設定部5で、筋肉名、パルス周波数、パルス電流、導子の種別、及び導子の組合せタイプを入力すれば、そのモードにおける最適なの通電時間/休止時間が設定されるので、筋肉収縮回数設定部6によってそのモードにおける筋肉収縮回数を設定することによって、その筋肉収縮回数は治療時間に換算される。
以上説明したように、本発明の低周波治療器によれば、ユーザが生体の所望の要部に導子(電極)を当てて筋肉に刺激を与える場合、それぞれの治療目的ごとに決められている筋肉収縮回数と、治療したい筋肉名、パルス周波数、パルス電流、導子のタイプ、導子の組合せタイプ、及び通電時間/休止時間を設定すれば、自動的に最適な治療時間を算出して、その治療時間の間だけパルス通電を行って筋肉に効果的に電気刺激を与えることができる。これによって、低下している筋力を鍛錬して転倒防止などのバランストレーニングを行ったり、病気治療中におけるリハビリを行ったりするなど、それぞれの治療目的に応じた最適な筋肉刺激回数で治療を行うことができる。尚、以上説明した実施の形態は本発明を説明するための一例であって、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、回数の設定は、数値を直接入力する方式に限らず、治療時間を設定すると、これを回数に換算して治療時間とともに表示し、表示された回数を必要に応じて修正した後、設定スイッチ等を操作してその回数を設定するような入力方式によっても良い。
本発明における低周波治療器の構成を示すブロック図である。 導子を足に貼付した状態を示す概念図であり、(a)は排腹筋への貼付状態、(b)は前頚骨筋及び排腹筋への貼付状態を示す。 図2(a)に示す“Co−contモード”におけるパルスの通電/休止モード波形である。 図2(b)に示す“Altモード”において、CH1とCH2を交互に通電している状態を示すパルスの通電/休止モード波形である。 図4に示す通電/休止モード波形の変形例の図である。
符号の説明
1 低周波治療器
2 電源
3 パルス発生部
4a,4b 導子
5 パルスモード設定部
6 筋肉収縮回数設定部
7 治療時間算出部
8 スイッチ
9 タイマ
10 モニタ

Claims (5)

  1. 電極に低周波のパルスを印加し、前記電極を介して生体に電気刺激を与える低周波治療器であって、
    前記生体に電気刺激を与えることによって生じる筋肉収縮回数をあらかじめ設定する筋肉収縮回数設定手段と、
    1インターバルにおける前記パルスの通電時間と休止時間を設定するパルスモード設定手段と、
    前記筋肉収縮回数設定手段が設定した筋肉収縮回数と前記パルスモード設定手段が設定した前記パルスの通電時間及び休止時間とに基づいて治療時間を算出する治療時間算出手段と、
    前記パルスの通電開始時にタイムカウントを開始し、前記治療時間算出手段が算出した治療時間に到達したらパルス通電の停止信号を送信するタイマと、
    前記タイマから受信した停止信号に基づいて前記パルスの通電回路を遮断する遮断手段と、
    を備えることを特徴とする低周波治療器。
  2. 電極に低周波のパルスを印加し、前記電極を介して生体に電気刺激を与える低周波治療器であって、
    前記生体に電気刺激を与えることによって生じる筋肉収縮回数をあらかじめ設定する筋肉収縮回数設定手段と、
    1インターバルにおける前記パルスの通電時間と休止時間を設定するパルスモード設定手段と、
    前記パルスの通電開始からの電気刺激の回数をカウントするカウント手段と、
    前記カウント手段のカウント回数が前記筋肉収縮回数設定手段の設定回数に達したことを検出してパルス通電の停止信号を出力する制御部と、
    前記から受信した停止信号に基づいて前記パルスの通電回路を遮断する遮断手段と、
    を備えることを特徴とする低周波治療器。
  3. 前記電極は第1の電極グループと第2の電極グループとからなり、前記第1の電極グループと前記第2の電極グループへ同時に前記パルスが印加されるとき、
    前記治療時間算出手段は、前記筋肉収縮回数をN、前記通電時間をTon、前記休止時間をToffとしたとき、前記治療時間Tを、T=N×(Ton+Toff)によって算出することを特徴とする請求項1に記載の低周波治療器。
  4. 前記電極は第1の電極グループと第2の電極グループとからなり、前記第1の電極グループと前記第2の電極グループへ交互に前記パルスが印加されるとき、
    前記治療時間算出手段は、前記筋肉収縮回数をN、前記通電時間をTon、前記休止時間をToffとしたとき、前記治療時間Tを、T=N×(2Ton+Toff)によって算出することを特徴とする請求項1に記載の低周波治療器。
  5. 前記パルスモード設定手段は、電気刺激を与える筋肉の部位、パルス周波数、パルス電流、前記電極の種別、前記電極の組合せタイプのうち、少なくと1つの項目を参考にして前記通電時間及び前記休止時間を設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の低周波治療器。
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