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JP4588738B2 - ヘッドレスト位置調整装置および位置調整方法 - Google Patents

ヘッドレスト位置調整装置および位置調整方法 Download PDF

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JP4588738B2 JP2007113821A JP2007113821A JP4588738B2 JP 4588738 B2 JP4588738 B2 JP 4588738B2 JP 2007113821 A JP2007113821 A JP 2007113821A JP 2007113821 A JP2007113821 A JP 2007113821A JP 4588738 B2 JP4588738 B2 JP 4588738B2
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Description

本発明は、自動車等の車両の座席に備えられたヘッドレストの位置を調整するヘッドレスト位置調整装置および位置調整方法に関し、特にヘッドレストの位置を自動的に適切な状態に調整することができるヘッドレスト位置調整装置および位置調整方法に関する。
従来より、例えば自動車等の車両の座席に備えられたヘッドレストの位置を調整するものとして、次のようなものが知られている。すなわち、下記特許文献1に開示されている車両用ヘッドレスト装置は、ヘッドレスト前部を全開位置方向へ移動させるときに、静電容量センサから検出された静電容量の変化量とあらかじめ設定された閾値とを比較し、変化量が閾値よりも大きければヘッドレスト前部が乗員の頭部に接近したと判断するECUを備えて構成される。
そして、ECUは、所定のタイミングの静電容量センサの単位移動量あたりの容量変化を検出し、その検出結果に基づいて閾値を切り替えたり、一定時間ごとに閾値を切り替えたり、モータの駆動電圧に基づいて閾値を変更したりする。これにより、ヘッドレスト前部が乗員の頭部に接近したことを的確に検出することができる構成とされている。
また、下記特許文献2に開示されているヘッドレストを調節するための装置は、乗員の頭部位置を検知するためのヘッドレスト内に配置されている二つのコンデンサプレートを含むセンサを有して構成され、これら二つのコンデンサプレートは、ヘッドレスト内に上下に配置されている。
そして、一方のコンデンサプレートのセンサ信号の増加が他方のコンデンサプレートのセンサ信号の減少と同時に生じる限り、ヘッドレストの高さ位置が、引っ込められているヘッドレストを伴う定位置から出発して変化するように調節される構成とされている。
また、下記特許文献3に開示されているヘッドレスト駆動装置は、ヘッドレストを移動可能に支持する支持手段と、ヘッドレストを往復駆動する駆動手段と、ヘッドレスト外カバーの頭部を支える部位の内側に互いに離れて設けられた複数の検出電極と、これら複数の検出電極が共通電位ラインに対して形成する静電容量を検出する静電容量検出手段と、静電容量がバランスする方向にヘッドレストを移動させるように駆動手段を制御する位置制御手段とを備えて構成されている。
そして、頭部が複数の検出電極の中心に位置するように、換言すると、頭部の動きに追従してヘッドレストが移動するように、ヘッドレストが駆動され、自動的にヘッドレストの位置を調整することができる構成とされている。
さらに、下記特許文献4に開示されているヘッドレスト調整装置は、モータの駆動によって上下動可能なようにシートバック(背もたれ部)の上部に設置されたヘッドレストと、着座者(乗員)の頭部位置を検出する頭部検出センサと、頭部検出センサからの信号に基づいて、着座者の頭部位置に応じてヘッドレストの高さを調整するCPUとを備えて構成されている。
そして、CPUがイグニッションスイッチの導通を検知し、かつ着座センサが着座があることを検知し、さらにシートベルトバックルスイッチが車両のシートベルトが装着されていることを検知したときに、ヘッドレストの調整作動を開始することができる構成とされている。
特開2007−30676号公報 特開2000−309242号公報 特開昭64−11512号公報 特開平11−180200号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている車両用ヘッドレスト装置では、一つの静電容量センサにより、また、上述した特許文献2に開示されているヘッドレストを調節するための装置では、二つもしくは三つのコンデンサプレートにより、それぞれ頭部と検知電極との間の静電容量を測定して位置調整に利用するとされている。
また、上述した特許文献3に開示されているヘッドレスト駆動装置では、ヘッドレストと車両の天井部などとの間の静電容量により、さらに上述した特許文献4に開示されているヘッドレスト調整装置では、シート各部の調整結果により、それぞれヘッドレストの位置調整を行うとされている。
このため、センサの出力バランスや各検知電極の出力ピークなどを比較して頭部中心を検出する必要があり、このような検出方式では検知電極が配置されているヘッドレストを例えば高さ方向に下端側から上端側まで移動させて、センサの出力がバランスする位置の特定や、各検知電極の出力ピークを検出するというような検出動作を行わなければならず、短時間で高精度の位置調整を行うことができないという問題がある。
特に、上記のような検出方式では、検出動作中に頭部が動くことなどによって、頭部の形状以外の要因がセンサなどの出力変動を引き起こしてしまうという点については考慮されておらず、高精度に位置調整を行うためにはある程度の調整時間が掛かってしまい、短時間に位置調整を行うことができない構成となっていた。
一例として、本出願人が実験を行った、ヘッドレストに静電容量センサを設置し、シートに被験者が着座した状態におけるセンサ出力の検出結果を図8に示す。なお、図8において、ヘッドレストは、検知電極を下部、中央部、上部の3箇所に別々に配置したパターンのものを3種類用意して実験を行った。また、図8における縦軸は検知電極中心からシート上端までの距離(センサ高さ)を表し、横軸は各検出位置でのセンサ出力を表している。なお、被験者の頭部とヘッドレストとの距離は20mmを維持するようにしつつなるべく動かない状態で実験を行った。
この結果、図8からも明らかなように、センサ出力は決して安定したものとはならず、通常時における乗車状態ではさらに出力は不安定な挙動を示すであろうと想定された。このことからも、上述したような検出方式による検出動作を実施してヘッドレストの位置調整を高精度に行うことは、調整時間を要するとともに困難であるといわざるを得ない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、短時間で高精度なヘッドレストの位置調整を自動的に行うことができるヘッドレスト位置調整装置および位置調整方法を提供することを目的とする。
本発明に係るヘッドレスト位置調整装置は、車両の座席に備えられたヘッドレストに高さ方向に沿って並設された状態で設けられ、前記座席に着座した人体の頭部と前記ヘッドレストとの間の静電容量を検知する複数の検知電極と、前記ヘッドレストが初期位置に静止した状態で前記複数の検知電極からの検知信号を比較して前記検知信号のうちの最大値を検出し、前記最大値が検出された検知電極と対応する位置を前記頭部の高さ方向の推定中心位置として算出する検出回路と、前記検出回路からの算出結果に基づいて、前記ヘッドレストの基準位置を前記頭部の高さ方向の推定中心位置に合わせるように前記ヘッドレストを調整する位置調整手段とを備え、前記複数の検知電極は、前記ヘッドレストが前記初期位置に静止した状態で前記頭部の高さ方向の推定中心位置を算出するのに必要な数設けられていることを特徴とする。
本発明に係るヘッドレスト位置調整装置は、以上のように構成することにより、頭部の高さ方向の推定中心位置を基準にしてヘッドレストの座席に対する位置を静止状態から適切かつ自動的に調整することができる。このため、短時間で高精度なヘッドレストの位置調整を行うことが可能となる。また、自動的にヘッドレスト位置を頭部の高さ方向の推定中心位置に合わせて調整することができるため、ヘッドレスト位置未調整に伴う衝突時などにおける乗員の頸椎損傷などの事故防止を図ることができる。
なお、前記複数の検知電極は、例えばそれぞれ前記ヘッドレストの前面側における前記高さ方向と交差する幅方向に長手方向を有する矩形短冊状に形成されている。また、前記複数の検知電極は、例えば前記ヘッドレストの前面側に少なくとも5つ設けられている。
前記検出回路は、前記複数の検知電極とそれぞれ一対一に接続され、各検知電極により検知された静電容量を示す情報を出力する複数の静電容量検知回路と、これら複数の静電容量検知回路からの前記情報に基づく静電容量を比較して前記推定中心位置を演算し、演算結果を前記調整手段に出力する演算処理回路とを備えて構成されていてもよい。
また、前記検出回路は、前記複数の検知電極と接続された時分割回路と、この時分割回路により各検知電極でそれぞれ異時的に検知された静電容量を示す情報を出力する静電容量検知回路と、この静電容量検知回路からの前記情報に基づく静電容量を比較して前記推定中心位置を演算し、演算結果情報を前記調整手段に出力する演算処理回路とを備えて構成されていてもよい。
本発明に係るヘッドレスト位置調整方法は、車両の座席に備えられたヘッドレストに高さ方向に沿って並設された状態で設けられ、かつ前記ヘッドレストが初期位置に静止した状態で前記座席に着座した人体の頭部の高さ方向の推定中心位置を算出するのに必要な数設けられた複数の検知電極によって、前記ヘッドレストが初期位置に静止した状態で前記人体の頭部と前記ヘッドレストとの間の静電容量を検知し、検知された静電容量を示す前記複数の検知電極からの検知信号を比較して前記検知信号のうちの最大値を検出し、前記最大値が検出された検知電極と対応する位置を前記頭部の高さ方向の推定中心位置として算出し、算出された前記頭部の高さ方向の推定中心位置と前記ヘッドレストの基準位置とを合わせるように前記ヘッドレストの前記座席に対する位置を調整することを特徴とする。
本発明に係るヘッドレスト位置調整方法は、以上のように構成されることにより、頭部の高さ方向の推定中心位置を基準にしてヘッドレストの座席に対する位置を静止状態から適切かつ自動的に調整することができ、短時間で高精度なヘッドレストの位置調整を行うことができる。また、自動的にヘッドレスト位置を頭部の高さ方向の推定中心位置に合わせて調整することができるため、ヘッドレスト位置未調整に伴う衝突時などにおける乗員の頸椎損傷などの事故防止を図ることが可能となる。
本発明によれば、頭部の高さ方向の推定中心位置を基準にしてヘッドレストの座席に対する位置を静止状態から適切かつ自動的に調整することができ、短時間で高精度なヘッドレストの位置調整を行うことができるヘッドレスト位置調整装置および位置調整方法を提供することが可能となる。
以下、添付の図面を参照して、本発明に係るヘッドレスト位置調整装置および位置調整方法の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るヘッドレスト位置調整装置を配置した車両の座席の例を示す概略図、図2は同ヘッドレスト位置調整装置の一部のヘッドレストにおける配置例を示す説明図、図3は同ヘッドレスト位置調整装置の全体構成の例を示すブロック図、図4は同ヘッドレスト位置調整装置の静電容量検知回路の構成例を示すブロック図、図5は同ヘッドレスト位置調整装置の検出回路の動作波形の例を示す動作波形図、図6は同ヘッドレスト位置調整装置の検知電極の出力の例を示す説明図である。
図1および図2に示すように、ヘッドレスト位置調整装置100は、車両などの座席40に設けられ、例えば座席40のヘッドレスト43に配置された静電容量センサ部10と、座席40の背もたれ部41に配置された駆動モータ部30とを備えて構成されている。本例では、静電容量センサ部10と駆動モータ部30は、ハーネス29により電気的に接続されている。
静電容量センサ部10は、例えば基板19の一方の面側に形成された複数の検知電極11〜15と、この基板19の他方の面側に形成された検出回路20とを備えて構成され、座席40の着座部42に着座した人体49の頭部49aを検出する。すなわち、静電容量センサ部10は、人体49の頭部49aとヘッドレスト43(具体的には、検知電極11〜15)との間の静電容量を検知する。
基板19は、例えばフレキシブルプリント基板、リジッド基板あるいはリジッドフレキシブル基板により構成されており、複数の検知電極11〜15は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)あるいはエポキシ樹脂などの絶縁体からなる基板19上にパターン形成された銅、銅合金またはアルミニウムなどからなる。
複数の検知電極11〜15は、例えばヘッドレスト43の前面側において、ヘッドレスト43の高さ方向と交差する幅方向に、その長手方向を有する矩形短冊状に形成され、ヘッドレスト43に高さ方向に沿ってその幅方向が並ぶように並設された状態で配置されている。そして、複数の検知電極11〜15には、例えばそれぞれ電極番号1〜5が割り当てられている。これら複数の検知電極11〜15は、本例では5つ設けられているが、ヘッドレスト43が静止した状態で座席40に着座した人体49の頭部49aの高さ方向の推定中心位置を検出するのに必要な数だけ設けられていればよく、さらに多く設けられていてもよい。
検出回路20は、複数の検知電極11〜15からの検知信号に基づいて、頭部49aの高さ方向の推定中心位置を検出する。この検出回路20は、図3に示すように、複数の検知電極11〜15とそれぞれ一対一で接続され、各検知電極11〜15により検知された静電容量を示す情報を出力する複数の静電容量検知回路21〜25と、これら静電容量検知回路21〜25と接続され、各静電容量検知回路21〜25から出力された情報に基づく静電容量を比較して頭部49aの高さ方向の推定中心位置を演算し、演算結果情報を駆動モータ部30のモータ駆動回路(図示せず)に出力する演算処理回路28とを備えて構成されている。
複数の静電容量検知回路21〜25は、各検知電極11〜15と頭部49aとの間の静電容量に応じてデューティー比が変化するパルス信号を生成するとともに平滑化して検知信号を出力する。演算処理回路28は、例えばCPUなどからなり、各静電容量検知回路21〜25からの検知信号に基づく静電容量を比較して、頭部49aの高さ方向の推定中心位置を検出するとともに、ヘッドレスト43の位置を変化させる駆動モータ部30に演算結果に基づく制御信号を出力する。
各静電容量検知回路21(22〜25)は、図4に示すように、静電容量Cに応じてデューティー比が変化するものであり、例えば一定周期のトリガ信号TGを出力するトリガ信号発生回路101と、入力端に接続された静電容量Cの大きさによってデューティー比が変化するパルス信号Poを出力するタイマー回路102と、このパルス信号Poを平滑化するローパスフィルタ(LPF)103とを備えて構成されている。
タイマー回路102は、例えば2つの比較器201,202と、これら比較器201,202の出力がそれぞれリセット端子Rおよびセット端子Sに入力されるRSフリップフロップ回路(以下、「RS−FF」と呼ぶ。)203と、このRS−FF203の出力DISをLPF103に出力するバッファ204と、RS−FF203の出力DISでオン/オフ制御させるトランジスタ205とを備えて構成されている。
比較器202は、トリガ信号発生回路101から出力される図5に示すようなトリガ信号TGを、抵抗R1,R2,R3によって分割された所定の閾値Vth2と比較して、トリガ信号TGに同期したセットパルスを出力する。このセットパルスは、RS−FF203のQ出力をセットする。
このQ出力は、ディスチャージ信号DISとしてトランジスタ205をオフ状態にし、検知電極11(12〜15)およびグランドの間を、検知電極11(12〜15)の対接地静電容量Cおよび入力端と電源ラインとの間に接続された抵抗R4による時定数で決まる速度で充電する。これにより、入力信号Vinの電位が静電容量Cによって決まる速度で上昇する。
入力信号Vinが、抵抗R1,R2,R3で決まる閾値Vth1を超えたら、比較器201の出力が反転してRS−FF203の出力を反転させる。この結果、トランジスタ205がオン状態となって、検知電極11(12〜15)に蓄積された電荷がトランジスタ205を介して放電される。
したがって、このタイマー回路102は、図5に示すように、検知電極11(12〜15)および接近した人体49の頭部49aとの間の静電容量Cに基づくデューティー比で発信するパルス信号Poを出力する。LPF103は、この出力を平滑化することにより、図5に示すような直流の検知信号Voutを出力する。なお、図5中において、実線で示す波形と点線で示す波形は、前者が後者よりも静電容量が小さいことを示しており、例えば後者が物体接近状態を示している。
駆動モータ部30は、各静電容量検知回路21〜25からの検知信号Voutによって頭部49aの高さ方向の推定中心位置を演算した演算処理回路28からの制御信号に基づいて、図示しない駆動モータを制御して、ヘッドレスト43の座席40の背もたれ部41に対する位置を、頭部49aの高さ方向の推定中心位置を基準にして変化させるモータ駆動回路と、このモータ駆動回路の制御により、ヘッドレスト43の位置を実際に移動させる駆動モータとを備えて構成されている。駆動モータは、具体的にはヘッドレスト43の支持軸43aを上下方向、左右方向および前後方向に移動自在に駆動する。
このように構成されたヘッドレスト位置調整装置100では、例えば初期状態(ヘッドレスト43の位置が背もたれ部41に対して最も近い状態)において、静電容量センサ部10の各検知電極11〜15にて頭部49aとの間の静電容量Cを検知し、検出回路20にてその出力のピークを検出して比べることで、頭部49aの高さ方向の推定中心位置を得る。
本出願人が実施した実験によると、この場合、各検知電極11〜15(電極番号1〜5)の出力(V)は、例えば図6に示すようになった。ここでは、電極番号3の検知電極13の出力が0.15Vを超えて最も高く、電極番号1の検知電極11の出力が0.05Vを下回り最も低い結果となった。これにより、検出回路20は、検知電極13と対応する位置が頭部49aの高さ方向の推定中心位置であるとし、例えば駆動モータ部30によってヘッドレスト43の中心位置をこの推定中心位置に合わせるように位置調整を行う。
したがって、本例のヘッドレスト位置調整装置100は、上記初期状態からヘッドレスト43を移動させることなく頭部49aの高さ方向の推定中心位置を得て、位置調整に関する一回のヘッドレスト移動動作により頭部49aに対して最適な位置にヘッドレスト43を配置させることができる。このため、短時間で高精度なヘッドレスト43の位置調整を行うことができる。これにより、ヘッドレスト43の位置未調整に伴う衝突時などにおける人体49の頸椎損傷などの事故防止を図ることができる。
なお、ヘッドレスト位置調整装置100の静電容量センサ部10と駆動モータ部30は、本例ではハーネス29により接続されていたが、例えば無線などによって制御可能に構成されていてもよい。また、駆動モータ部30が静電容量センサ部10と一体的に構成され、ヘッドレスト43側に配置されていてもよい。
また、検出回路20は、ヘッドレスト43の中心位置を上述した推定中心位置に合わせて移動させる他に、演算処理回路28によって、頭部49aの形状をプロファイルし、このプロファイル結果から上述した推定中心位置を算出し、この算出結果に基づいてヘッドレスト43を移動するようにしてもよい。その他、検出回路20は、あらかじめプリセットされた人体49のプロファイル情報(頭部49aの形状に関する情報を含む)やヘッドレスト43の形状に関する情報などに基づいて、ヘッドレスト43の任意の位置を上述した推定中心位置に合わせるように移動させるようにしてもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係るヘッドレスト位置調整装置の全体構成の他の例を示すブロック図である。なお、以降において、既に説明した部分と重複する箇所には同一の符号を付して説明を省略する。図7に示すように、検出回路20は、各検知電極11〜15と接続された時分割回路26と、この時分割回路26により各検知電極11〜15にてそれぞれ異時的に検知された静電容量を示す情報を出力する静電容量検知回路27と、この静電容量検知回路27から出力された情報に基づく静電容量を比較して頭部49aの高さ方向の推定中心位置を演算し、演算結果情報を駆動モータ部30のモータ駆動回路に出力する演算処理回路28とを備えて構成されている。
このように検出回路20を構成すれば、時分割回路26を介して各検知電極11〜15にて静電容量を順番にスキャニングし、その結果に基づき頭部49aの高さ方向の推定中心位置を得ることが可能となる。したがって、このような構成の検出回路20を採用しても、短時間で高精度なヘッドレスト43の位置調整を行うことが可能となる。
なお、上述した実施形態では、車両の座席40のヘッドレスト43にヘッドレスト位置調整装置100を適用した場合を例に挙げて説明したが、このヘッドレスト位置調整装置100は、その他にも、ヘッドレストの位置を可変可能なアトラクションにおける座席や、劇場観賞用の座席などに適用することも可能である。
本発明によれば、自動車等のヘッドレストの位置を調整する装置において、特に短時間で高精度な位置調整を行うのに有用である。
本発明の一実施形態に係るヘッドレスト位置調整装置を配置した車両の座席の例を示す概略図である。 同ヘッドレスト位置調整装置の一部のヘッドレストにおける配置例を示す説明図である。 同ヘッドレスト位置調整装置の全体構成の例を示すブロック図である。 同ヘッドレスト位置調整装置の静電容量検知回路の構成例を示すブロック図である。 同ヘッドレスト位置調整装置の検出回路の動作波形の例を示す動作波形図である。 同ヘッドレスト位置調整装置の検知電極の出力の例を示す説明図である。 同ヘッドレスト位置調整装置の全体構成の他の例を示すブロック図である。 本出願人が行った実験におけるセンサ出力の検出結果を示す図である。
符号の説明
10…静電容量センサ部、11〜15…検知電極、19…基板、20…検出回路、21〜25,27…静電容量検知回路、26…時分割回路、28…演算処理回路、29…ハーネス、30…駆動モータ部、40…座席、41…背もたれ部、42…着座部、43…ヘッドレスト、43a…支持軸、49…人体、49a…頭部。

Claims (8)

  1. 車両の座席に備えられたヘッドレストに高さ方向に沿って並設された状態で設けられ、前記座席に着座した人体の頭部と前記ヘッドレストとの間の静電容量を検知する複数の検知電極と、
    前記ヘッドレストが初期位置に静止した状態で前記複数の検知電極からの検知信号を比較して前記検知信号のうちの最大値を検出し、前記最大値が検出された検知電極と対応する位置を前記頭部の高さ方向の推定中心位置として算出する検出回路と、
    前記検出回路からの算出結果に基づいて、前記ヘッドレストの基準位置を前記頭部の高さ方向の推定中心位置に合わせるように前記ヘッドレストを調整する位置調整手段とを備え、
    前記複数の検知電極は、前記ヘッドレストが前記初期位置に静止した状態で前記頭部の高さ方向の推定中心位置を算出するのに必要な数設けられている
    ことを特徴とするヘッドレスト位置調整装置。
  2. 前記複数の検知電極は、それぞれ前記ヘッドレストの前面側における前記高さ方向と交差する幅方向に長手方向を有する矩形短冊状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のヘッドレスト位置調整装置。
  3. 前記複数の検知電極は、前記ヘッドレストの前面側に少なくとも5つ設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のヘッドレスト位置調整装置。
  4. 前記検出回路は、前記複数の検知電極とそれぞれ一対一に接続され、各検知電極により検知された静電容量を示す情報を出力する複数の静電容量検知回路と、これら複数の静電容量検知回路からの前記情報に基づく静電容量を比較して前記推定中心位置を演算し、演算結果情報を前記位置調整手段に出力する演算処理回路とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のヘッドレスト位置調整装置。
  5. 前記検出回路は、前記複数の検知電極と接続された時分割回路と、この時分割回路により各検知電極にてそれぞれ異時的に検知された静電容量を示す情報を出力する静電容量検知回路と、この静電容量検知回路からの前記情報に基づく静電容量を比較して前記推定中心位置を演算し、演算結果情報を前記位置調整手段に出力する演算処理回路とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のヘッドレスト位置調整装置。
  6. 車両の座席に備えられたヘッドレストに高さ方向に沿って並設された状態で設けられ、かつ前記ヘッドレストが初期位置に静止した状態で前記座席に着座した人体の頭部の高さ方向の推定中心位置を算出するのに必要な数設けられた複数の検知電極によって、前記ヘッドレストが初期位置に静止した状態で前記人体の頭部と前記ヘッドレストとの間の静電容量を検知し、
    検知された静電容量を示す前記複数の検知電極からの検知信号を比較して前記検知信号のうちの最大値を検出し、前記最大値が検出された検知電極と対応する位置を前記頭部の高さ方向の推定中心位置として算出し、
    算出された前記頭部の高さ方向の推定中心位置と前記ヘッドレストの基準位置とを合わせるように前記ヘッドレストの前記座席に対する位置を調整する
    ことを特徴とするヘッドレスト位置調整方法。
  7. 前記複数の検知電極は、それぞれ前記ヘッドレストの前面側における前記高さ方向と交差する幅方向に長手方向を有する矩形短冊状に形成されていることを特徴とする請求項6記載のヘッドレスト位置調整方法。
  8. 前記複数の検知電極は、前記ヘッドレストの前面側に少なくとも5つ設けられていることを特徴とする請求項6または7記載のヘッドレスト位置調整方法。
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