JP4580473B2 - 送信装置、受信装置及び情報蓄積システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル衛星放送により音楽放送を行う場合に用いて好適な送信装置、受信装置及び情報蓄積システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル衛星放送の普及が進んでいる。ディジタル衛星放送は、既存のアナログ放送に比べて、ノイズやフェージングに強く、高品質の信号を伝送することが可能であると共に、周波数利用効率が向上され、多チャンネル化が図れる。例えば、ディジタル衛星放送では、1つの衛星で数100チャンネルを確保することが可能である。このようなディジタル衛星放送では、スポーツ、映画、音楽、ニュース等専用のチャンネルが用意されており、これらの専門チャンネルでは、それぞれの専門のコンテンツのプログラムが終日放送されている。
【0003】
これらの専門のチャンネルの中で、音楽チャンネルは、人気のあるチャンネルの1つである。従来の音楽チャンネルでは、主に、プロモーション用のビデオを放映して、新曲紹介やヒット曲の番組が放送されている。
【0004】
上述のように、従来、音楽チャンネルでは、新曲紹介やヒット曲の番組が動画と音声で送られている。視聴者は、このような音楽チャンネルを見ていて気に入った楽曲があると、紹介されている楽曲のCD(Compact Disc)等を購入して、楽しみたいと考えることが良くある。また、その楽曲のアーチストの情報や、その楽曲の収められたアルバムの情報を知りたくなることが良くある。音楽番組を見ていて、その楽曲のアーチストの情報やその楽曲の収められているアルバムの情報を知りたくなったら、その場でその情報が得られ、また、気に入った楽曲があったら、その楽曲の音楽データをダウンロードできれば非常に便利である。
【0005】
そこで、本願出願人は、複数のオーディオチャンネルを使って楽曲を送信すると共に、送信される楽曲のリストページや各楽曲の情報ページの画面を形成するためのデータや、ダウンロード用のオーディオデータを送信し、リストページや情報ページを画面上に表示して楽曲を選択すると、所望の楽曲が送信されるオーディオチャンネルに切り換えられ、更に、所望の楽曲をダウンロードできるようにしたシステムを提案している。このようなシステムでは、リストページや情報ページを見て、気に入った楽曲があれば、その楽曲のオーディオチャンネルを選択し、このオーディオチャンネルの信号をMD(Mini Disc )レコーダ/プレーヤ等のストレージデバイスに記録することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ディジタル衛星放送では、放送局から受信局に一方向に信号が送られている。このため、送られてきた楽曲をストレージデバイスで記録する場合、注意深くタイミングを設定しないと、頭切れになったり、曲の途中で記録が終了したりしてしまう。
【0007】
つまり、放送されてくる楽曲をMDレコーダ/プレーヤ等で記録する場合には、従来では、ユーザは、MDレコーダ/プレーヤ等を記録一時停止状態に設定してその楽曲の放送が開始されるのを待ち、その楽曲の放送が開始されたら、一時停止状態を解除して記録を開始し、その楽曲の放送が終了したら、停止状態に設定して記録を終了するようなことを行っている。しかしながら、このようにユーザが記録開始、記録終了を設定する操作は、ユーザにとって煩わしいと共に、ユーザは注意を払ってタイミングを設定しないと、楽曲の先頭が途切れてしまったり、曲の途中で記録を終了してしまったりする。
【0008】
したがって、この発明の目的は、簡単な操作で、放送されてくる楽曲の先頭から終了まで確実に記録することができるようにした送信装置、受信装置及び情報蓄積システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係わる発明は、複数のチャンネルのチャンネル毎に所定期間内で同一の楽曲が繰り返し送信され、複数のチャンネルの複数の楽曲からなる音声ディジタルデータと、音声ディジタルデータに含まれる複数の楽曲の内で少なくとも一部の楽曲に関するデータが圧縮符号化によって圧縮され、圧縮符号化されたデータが単位にまとめられ、音声ディジタルデータの伝送用のチャンネルと異なるチャンネルを通じて所定期間内で単位が繰り返し送信されるダウンロード用の音声データと、送信される楽曲のリスト及び楽曲に関連する情報を表示するための情報画面を形成するためのディジタルデータとが多重化された信号を受信する受信装置において、
ディジタルデータをデコードして、複数チャンネルを通じて受信可能な複数の楽曲のリストの画面を表示し、該リストの中で蓄積したい楽曲が選択されると該楽曲に関連する情報を表示する画面を映出する情報画面表示手段と、
映出される複数の楽曲のリストの中の所望の楽曲を指定することによって、蓄積したい楽曲を選択する入力手段と、
特定のチャンネルが受信され、特定のチャンネルを通じて選択された楽曲を繰り返し再生する再生手段と、
繰り返して再生されている選択された楽曲に関する音声ディジタルデータに対して挿入されている楽曲の先頭位置及び終了位置をそれぞれ示す先頭識別信号及び終了識別信号を検出する識別信号検出手段と、
音声ディジタルデータ中から選択された蓄積したい楽曲に対する先頭識別信号が識別信号検出手段によって検出されると記録開始指令を発生し、蓄積したい楽曲に対する終了識別信号が識別信号検出手段によって検出されると記録終了指令を発生する制御手段とを備え、
制御手段からの記録開始指令及び記録終了信号を蓄積手段に対して出力することを特徴とする受信装置である。
【0010】
請求項2に係わる発明は、複数のチャンネルのチャンネル毎に所定期間内で同一の楽曲が繰り返し送信され、複数のチャンネルの複数の楽曲からなる音声ディジタルデータと、音声ディジタルデータに含まれる複数の楽曲の内で少なくとも一部の楽曲に関するデータが圧縮符号化によって圧縮され、圧縮符号化されたデータが単位にまとめられ、音声ディジタルデータの伝送用のチャンネルと異なるチャンネルを通じて所定期間内で単位が繰り返し送信されるダウンロード用の音声データと、送信される楽曲のリスト及び楽曲に関連する情報を表示するための情報画面を形成するためのディジタルデータとが多重化された信号を受信する受信装置と、
受信装置の出力を蓄積する蓄積装置とからなり、
受信装置は、
ディジタルデータをデコードして、複数チャンネルを通じて受信可能な複数の楽曲のリストの画面を表示し、該リストの中で蓄積したい楽曲が選択されると該楽曲に関連する情報を表示する画面を映出する情報画面表示手段と、
映出される複数の楽曲のリストの中の所望の楽曲を指定することによって、蓄積したい楽曲を選択する入力手段と、
特定のチャンネルが受信され、特定のチャンネルを通じて選択された楽曲を繰り返し再生する再生手段と、
繰り返して再生されている選択された楽曲に関する音声ディジタルデータに対して挿入されている楽曲の先頭位置及び終了位置をそれぞれ示す先頭識別信号及び終了識別信号を検出する識別信号検出手段と、
音声ディジタルデータ中から選択された蓄積したい楽曲に対する先頭識別信号が識別信号検出手段によって検出されると記録開始指令を発生し、蓄積したい楽曲に対する終了識別信号が識別信号検出手段によって検出されると記録終了指令を発生する制御手段とを備え、
蓄積装置は、受信装置から記録開始指令が与えられると受信装置からの選択された楽曲の記録を開始し、受信装置から記録終了指令が与えられると選択された楽曲の記録を終了するようにしたことを特徴とする情報蓄積システムである。
【0015】
複数のオーディオチャンネルで送られてくる各オーディオデータには、楽曲の先頭及び終了に対応して、スタートフラグ及びエンドフラグが設けられる。オーディオチャンネルで送られてきたオーディオ信号をストレージデバイスに記録する際、このスタートフラグ及びエンドフラグを検出することにより、先頭から終了まで、各楽曲をストレージデバイスに確実に記録することができる。また、ダウンロード用のオーディオデータのストリーム中には、楽曲の先頭及び終了に対応して、IDデータが挿入される。オーディオチャンネルで送られてきたオーディオ信号をストレージデバイスに記録する際、このIDデータを検出することにより、先頭から終了まで、各楽曲をストレージデバイスに確実に記録することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明が適用されたシステムは、ディジタル衛星放送を使って音楽番組を放送すると共に、この音楽番組と関連するようなオーディオデータを配信することにより、視聴者が音楽番組を試聴していて気に入った楽曲があった場合に、その場でその楽曲を簡単に購入できるようにしたものである。
【0017】
図1は、この発明が適用されたシステムの全体構成を示すものである。図1において、1は衛星放送システムの地上局である。地上局1には、番組放送素材サーバ11からの音楽番組放送の素材と、オーディオチャンネル番組放送素材サーバ12A、12B、…からのオーディオチャンネルの素材と、ダウンロード用オーディオデータ素材サーバ13からのダウンロード用のデータと、GUIデータサーバ14からのグラフィックユーザインターフェース用の画面を表示するためのデータが送られる。
【0018】
番組放送素材サーバ11は、通常の音楽放送番組の素材を提供するサーバである。この番組放送素材サーバ11から送られてくる音楽放送の素材は動画及び音声であり、通常の音楽放送番組では、例えば、新曲紹介のプロモーション用のビデオが放送されたり、最新のヒット曲のカウントダウンが放映されていたりする。
【0019】
オーディオチャンネル番組放送素材サーバ12A、12B、…は、オーディオチャンネルを使って、オーディオ番組を提供するサーバである。このオーディオチャンネル番組放送の素材は音声のみである。各オーディオチャンネル番組放送では、夫々、同一の楽曲が所定の単位時間繰り返して放送され、この楽曲は、後に説明するダウンロード用の楽曲と関連している。各オーディオチャンネルは、夫々、独立しており、各オーディオチャンネルの利用方法は各種のものが考えられる。例えば、1つのオーディオチャンネルでは、最新の日本のポップスの中の推薦曲を所定時間繰り返して放送し、他のオーディオチャンネルでは、最新のアメリカンポップスの中の推薦曲を所定時間繰り返して放送し、更に他のオーディオチャンネルでは、ジャズの中から推薦曲を所定時間繰り返して放送するようにしても良い。また、同じアーチストの複数の楽曲を夫々のオーディオチャンネルに分けて繰り返して放送するようにしても良い。
【0020】
ダウンロード用のオーディオデータ素材サーバ13は、ダウンロード用の複数のオーディオデータを提供している。このダウンロード用のオーディオデータは、オーディオチャンネル番組放送で放送されている楽曲と関連している。すなわち、例えば、上述のように、1つのオーディオチャンネルでは、最新の日本のポップスの推薦曲が所定時間繰り返して放送され、他のオーディオチャンネルでは、最新のアメリカンポップスの中の推薦曲が所定時間繰り返して放送され、更に他のオーディオチャンネルでは、ジャズの中から推薦曲が所定時間繰り返して放送されているとする。この場合、オーディオチャンネルで取り上げられている最新の日本のポップスの推薦曲や、最新のアメリカンポップスの推薦曲や、ジャズの中の推薦曲のオーディオデータがダウンロード用のオーディオデータとして提供される。
【0021】
なお、オーディオチャンネル番組で放送される楽曲は、紹介のための音楽放送であるから、楽曲紹介のナレーションが含まれていたり、コマーシャルが含まれていたりする場合がある。
【0022】
これに対して、ダウンロード用のオーディオデータでは、楽曲紹介のナレーションやコマーシャルは極力避けられ、なるべく完全な状態でオーディオデータが送られる。また、ダウンロード用のオーディオデータは、オーディオチャンネル番組で送られる音声よりも、音質の向上が図られている。
【0023】
GUI(Graphic User Interface)データサーバ14は、配信される楽曲のリストページや各楽曲の情報ページの画面を形成するためのデータや、EPG(Electric Program Guide)用の画面を形成するためのデータ等を提供するものである。後に説明するように、ダウンロードできる楽曲のリストや、その曲についての情報は、画面上で表示を見ながら行うことができる。GUIデータサーバ14からは、そのためのデータが送られる。
【0024】
地上局1は、これら、番組放送素材サーバ11からの音楽番組放送の素材となるビデオデータ及びオーディオデータと、オーディオチャンネル番組放送素材サーバ12A、12B、…からのオーディオチャンネルの素材となるオーディオデータと、ダウンロード用オーディオデータ素材サーバ13からのダウンロード用のデータと、GUIデータサーバ14からのデータとを多重化して送信する。このとき、音楽番組放送のビデオデータは、例えば、MPEG2(Moving Picture Experts Groupe )方式により圧縮され、各オーディオチャンネルのオーディオデータは例えばMPEG2オーディオ方式により圧縮され、ダウンロード用のオーディオデータは例えばATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)2方式により圧縮される。また、ダウンロード用のオーディオデータに対しては、キー情報サーバ15からのキー情報を用いて、暗号化が施される。
【0025】
地上局1からの信号は、衛星2を介して、各家庭の受信設備3で受信される。衛星2には、複数のトランスポンダが搭載されている。1つのトランスポンダは、例えば、30Mbpsの伝送能力を有している。
【0026】
各家庭の受信設備としては、パラボラアンテナ21と、IRD22(Integrated Receiver Decoder )と、ストレージデバイス23と、テレビジョン受像機24とが用意される。パラボラアンテナ21で、衛星2を介して送られてきた信号が受信される。この受信信号がパラボラアンテナ11に取り付けられたLNB(Low Noise Block Downconverter )25で所定の周波数に変換され、IRD22に供給される。
【0027】
IRD22は、受信信号から所定のチャンネルの信号を選択し、ビデオ信号及びオーディオ信号の復調を行うものである。また、IRD22により、配信される楽曲のリストページや各楽曲の情報ページや、EPG用の画面が形成される。IRD22の出力がテレビジョン受像機24に供給される。
【0028】
ストレージデバイス23は、ダウンロードされたオーディオデータを保存するためのものである。例えば、ストレージデバイス23としては、MDレコーダ/プレーヤ、DCCレコーダ/プレーヤ、DATレコーダ/プレーヤ、DVDレコーダ/プレーヤ等を用いることが考えられる。また、ストレージデバイス23としてパーソナルコンピュータを使い、ハードディスドライブにオーディオデータを保存したり、CD−Rにオーディオデータを保存することが考えられる。
【0029】
IRD22は、例えば電話回線4を介して課金サーバ5と結ばれている。IRD22には、各種情報が記録されるICカードが挿入される。オーディオデータのダウンロードが行われると、その情報がICカードに記録される。このICカードの情報は、電話回線4を介して、課金サーバ5に送られる。課金サーバ5は、このダウンロード情報から適切な課金を行い、ユーザに請求する。このように、適切な課金を行うことにより、ダウンロードされる楽曲の著作権を守ることができる。
【0030】
このように、この発明が適用されたシステムでは、地上局1は、番組放送素材サーバ11からの音楽番組放送の素材となるビデオデータ及びオーディオデータと、オーディオチャンネル番組放送素材サーバ12A、12B、…からのオーディオチャンネルの素材となるオーディオデータと、ダウンロード用オーディオデータ素材サーバ13からのダウンロード用のデータと、GUIデータサーバ14からのデータとを多重化して送信している。
【0031】
各家庭の受信設備3でこの放送を受信すると、音楽番組が見られる他、送られてきたGUIデータサーバからのデータに基づいて、グラフィック画面が表示される。このグラフィック画面を見ながら必要な操作を行うと、各楽曲についての情報ページを見ることができ、また、各楽曲についての試聴を行うことができる。更に、グラフィック画面を見ながら必要な操作を行うことで、所望のオーディオデータをダウンロードして、ストレージデバイス23に記録することができる。
【0032】
このように、この発明が適用されたシステムでは、音楽放送番組が送られると共に、複数のオーディオチャンネルを使って楽曲が送られ、その楽曲のダウンロード用のオーディオデータが送られる。そして、放送されてくる楽曲のリストページや、各楽曲の情報ページを使って、各楽曲の情報を探しながら、所望の楽曲のデータをストレージデバイスに簡単に保存することができる。以下、このようなシステムについて、更に詳述する。
【0033】
図2は、この発明が適用されたシステムにおける地上局1の構成を示すものである。
【0034】
図2において、番組放送素材サーバ11からのビデオデータは、MPEG2ビデオエンコーダ51A及びMPEG2オーディオエンコーダ51Bに供給される。オーディオチャンネル番組放送素材サーバ12A、12B、…からのオーディオデータは、MPEG2オーディオエンコーダ52A、52B、…に供給される。ダウンロード用オーディオデータ素材サーバ13からのダウンロード用のオーディオデータは、ATRAC2エンコーダ53に供給される。GUIデータサーバ14からのグラフィックユーザインターフェース用の画面を表示するためのデータがGUIデータオーソリング回路54に供給される。
【0035】
番組放送素材サーバ11からのビデオ信号は、MPEG2ビデオエンコーダ51Aで圧縮され、パケット化される。このビデオパケットがマルチプレクサ56に供給される。また、番組放送素材サーバ11からのオーディオ信号は、MPEG2オーディオエンコーダ51Bで圧縮されパケット化される。このオーディオパケットがマルチプレクサ56に供給される。
【0036】
MPEG2オーディオエンコーダ52A、52B、52C、…で、オーディオチャンネル番組放送素材サーバ12A、12B、…からのオーディオデータがMPEG2オーディオ方式に基づいて圧縮され、パケット化される。このとき、識別信号発生回路41A、41B、…からスタートフラグ及びエンドフラグが発生され、各曲の先頭及び終了位置に対応して、このスタートフラグ及びエンドフラグが付加される。
【0037】
すなわち、MPEG2オーディオでは、図3に示すように、ヘッダと、エラーチェックコードと、オーディオデータと、伝送チャンネルと、マルチリンガルと、アンシラリー・データとからなる。このアンシラリー・データには、任意のデータを挿入することが可能である。そこで、このアンシラリー・データに、スタートフラグ及びエンドフラグが挿入できる。
【0038】
このスタートフラグ及びエンドフラグは、各家庭の受信設備3側で、受信したオーディオチャンネルのデータをストージ23で録音する際に、各曲の先頭から最後まで確実に録音できるようにするために使用される。また、このスタートフラグ及びエンドフラグは、受信設備3側で録音する楽曲を予約しておくような制御を行なう際にも用いられる。
【0039】
図2において、ATRAC2エンコーダ53で、ダウンロード用オーディオデータ素材サーバ13からのダウンロード用のオーディオデータがATRAC2方式で圧縮され、パケット化される。このデータパケットは暗号化回路57に送られる。暗号化回路57により、このデータパケットが暗号化される。暗号化回路57の出力がマルチプレクサ56に供給される。このように、各オーディオデータを暗号化するのは、不正なダウンロードが行われて、著作権が侵害されるのを防ぐためである。また、このときの暗号解読のための情報が暗号化情報発生回路58からマルチプレクサ56に送られる。
【0040】
また、ATRAC2エンコーダ53でパケットを形成する際に、ID発生回路42から各曲の先頭及び終了位置に対応して、IDデータが送られる。このID信号がデータパケットのヘッダに含められる。
【0041】
このIDデータは、各家庭の受信設備3側で、受信したオーディオチャンネルのデータをストージ23で録音する際に、各曲の先頭から最後まで確実に録音できるようにするために使用される。また、このフラグ及びIDデータは、受信設備3側で録音する楽曲を予約しておくような制御を行なう際にも用いられる。
【0042】
GUIデータオーソリング回路54で、GUIデータサーバ14からのグラフィックユーザインターフェース用の画面のデータが処理され、パケット化される。このデータパケットがマルチプレクサ56に供給される。
【0043】
マルチプレクサ56で、MPEG2ビデオエンコーダ51Aからのビデオパケット及びMPEG2オーディオエンコーダ51Bからのオーディオパケットと、MPEG2オーディオエンコーダ52A、52B、52C、…からのオーディオパケットと、暗号化回路57を介されたATRAC2エンコーダ53からのデータパケットと、GUIデータオーソリング回路54からのデータパケットとが多重化される。
【0044】
マルチプレクサ56の出力がQPSK変調回路57に供給される。QPSK変調回路57で、送信データがQPSK変調される。QPSK変調回路57の出力が高周波回路58に供給される。高周波回路58で、搬送波周波数が所定の周波数となるように周波数変換され、電力増幅が行われる。この高周波回路58の出力がアンテナ59から衛星2に向けて送信される。
【0045】
このように、地上局1においては、番組放送用のビデオデータ及びオーディオデータがMPEG2方式で圧縮され、オーディオチャンネルのオーディオデータがMPEG2オーディオ方式で圧縮され、ダウンロード用のオーディオデータがATRAC2方式で圧縮される。そして、これらビデオデータと、オーディオデータと、ダウンロード用のオーディオデータと、GUI用データとが多重化されて、送信される。
【0046】
図4は、地上局1から送信されるデータの一例を示すものである。図4に示すように、時刻T1 から時刻T2 の間が1つの番組(番組PRG1)とされ、時刻T2 から時刻T3 の間が1つの番組(番組PRG2)とされる。各番組PRG1、PRG2の時間は、30分又は1時間を単位とするのが普通である。
【0047】
図4に示すように、時刻T1 から時刻T2 の番組PRG1では、通常の動画の番組放送で、楽曲A1、A2、A3、…に関する音楽番組が放送されている。また、時刻T2 から時刻T3 の番組PRG2の間では、楽曲A11、A12、A13、…に関する音楽番組が放送されている。この通常の音楽番組で放送されているのは、動画と音声である。
【0048】
オーディオチャンネルは、例えば、チャンネルCH1からCH10の10チャンネル分用意される。このとき、各オーディオチャンネルCH1、CH2、CH3、…では、1つのプログラムPRG1、PRG2の間、同一の楽曲が繰り返して送信される。すなわち、時刻T1 から時刻T2 の番組PRG1では、オーディオチャンネルCH1では、楽曲B1が繰り返して送信され、オーディオチャンネルCH2では楽曲C1が繰り返して送信され、オーディオチャンネルCH3では楽曲D1が繰り返して送信される。時刻T1 から時刻T2 の番組PRG2では、オーディオチャンネルCH1では、楽曲B11が繰り返して送信され、オーディオチャンネルCH2では楽曲C11が繰り返して送信され、オーディオチャンネルCH3では楽曲D11が繰り返して送信される。
【0049】
ダウンロード用のオーディオデータは、例えば、1分を1単位として、この1分で10曲分のデータが送られる。このダウンロード用のオーディオデータでは、オーディオチャンネルCH1、CH2、CH3、…CH10に対応するデータが送られる。
【0050】
すなわち、時刻T1 から時刻T2 の番組PRG1では、オーディオチャンネルCH1、CH2、CH3、…、CH10で送信されている10曲分のオーディオデータ(楽曲B1、楽曲C1、楽曲D1、…)が例えば1分間で送られる。時刻T2 から時刻T3 の番組PRG2では、オーディオチャンネルCH1、CH2、CH3、…、CH10で送信されている10曲分のオーディオチャンネルデータ(楽曲B11、楽曲C11、楽曲D11、…)が例えば1分間で送られる。
【0051】
ダウンロード用のオーディオデータは、例えば、1分を単位として送られ、また、ダウンロード用のリストページや楽曲選択ページの画像を表示させるためのデータや、EPG用のデータ等は、10秒を単位として送られる。
【0052】
図4に示すように、各番組PRG1、PRG2では、通常のビデオ放送のデータと、複数のオーディオチャンネルのデータと、ダウンロード用のオーディオデータと、GUI用のデータとが多重化されて送られてくる。したがって、通常の番組放送のデータのビットレートをB1 、1つのオーディオチャンネルのビットレートをB2 、オーディオチャンネルのチャンネル数をn、ダウンロード用のオーディオデータのビットレートをB3 、GUI用のデータのビットレートをB4 とすると、全体のビットレートBA は、
BA =B1 +n・B2 +B3 +B4
となる。
【0053】
通常の番組放送のデータのビットレートをB1 は、1チャンネル当たり、
B1 =5Mbpsである。
【0054】
オーディオチャンネルCH1、CH2、CH3、…の1チャンネル当たりのビットレートB2 を、
B2 =256kbps
とする。チャンネル数nを例えば10チャンネルとすると、
n・B2 =256kbps×10=2.56Mbps
である。
【0055】
ATRAC2により圧縮されたダウンロード用のオーディオデータは128kbpsであるとする。そして、ダウンロード用のオーディオデータは、1曲当たりの時間を5分とし、10曲分を1分で送るとする。この場合、ダウンロード用のオーディオデータのビットレートをB3 は、
B3 =128kbps×10曲×5分×60秒/60秒=6.4Mbps
となる。
【0056】
CGI用のデータとしては、1曲当たり200kbyteのデータを使用するとする。そして、10曲分を10秒間で送るものとする。この場合、CGI用のデータのビットレートB4 は、
B4 =200kbyte×10曲×8bit/10秒=1.6Mbps
となる。
【0057】
したがって、全体のビットレートBA は、
BA =B1 +n・B2 +B3 +B4
=5Mbps+2.56Mbps+6.4Mbps+1.6Mbps
=15.56Mbps
となる。これは、衛星2の1トランスポンダが30Mbpsであることから、1トランスポンダの半分を使って送れるということになる。
【0058】
次に、各家庭の受信設備3について説明する。図1に示したように、各家庭の受信設備としては、パラボラアンテナ21と、IRD22と、ストレージデバイス23と、テレビジョン受像機24とが用意される。ストレージデバイス23としては、例えば、MDレコーダ/プレーヤ、DCCレコーダ/プレーヤ、DATレコーダ/プレーヤ、DVDレコーダ/プレーヤ等、種々のものを用いることができる。
【0059】
図5は、IRD22の構成の一例を示すものである。図5において、パラボラアンテナ21で衛星2からのディジタル衛星放送が受信される。パラボラアンテナ21の受信信号は、パラボラアンテナ22に取り付けられたLNB25に供給され、LNB25で受信信号が所定の周波数の信号にダウンコンバートされる。
【0060】
LNB25の出力がチューナ回路71に供給される。チューナ回路71で、コントローラ76からの設定信号に基づいて、受信信号の中から所定受信周波数の信号が選択される。
【0061】
チューナ回路71の出力がQPSK復調回路72に供給される。QPSK復調回路72で、受信信号がQPSK復調され、受信信号のビットストリームが復調される。QPSK復調回路72の出力がエラー訂正回路73に供給される。エラー訂正回路73で、エラーが検出、訂正される。
【0062】
エラー訂正回路73の出力がデマルチプレクサ74に供給される。デマルチプレクサ74は、エラー訂正回路73から出力されるビットストリーム信号を受け、これをデータバッファメモリ75に一旦記憶させる。そして、これをパケット列の形にフレーミングし、パケット毎に所望のデータであるかどうかを判別し、データを振り分ける。
【0063】
前述したように、地上局1からは、通常の番組放送を行うためのビデオデータ及びオーディオデータと、複数のオーディオチャンネルのオーディオデータと、ダウンロード用のオーディオデータと、GUI用のデータが送られてくる。ビデオデータはMPEG2方式で圧縮されており、オーディオデータはMPEG2オーディオ方式で圧縮されており、ダウンロード用のオーディオデータはATRAC2方式で圧縮されている。
【0064】
デマルチプレチサ74は、受信されたパケットを、ビデオデータと、オーディオデータと、ダウンロード用のオーディオデータと、GUI用のデータとに振り分ける。
【0065】
デマルチプレクサ74で振り分けられたビデオデータは、MPEG2ビデオデコーダ78に供給される。MPEG2ビデオデコーダ78は、入力されたデジタルビデオ信号をバッファメモリ79に適宣記憶させ、MPEG2により圧縮されたビデオ信号をデコードするものである。MPEG2ビデオデコーダ78により、コンポーネントビデオ信号がデコードされる。
【0066】
MPEG2ビデオデコーダ78の出力が例えばNTSC方式のアナログビデオエンコーダ80に供給される。アナログビデオエンコーダ80で、コンポーネントビデオ信号から、例えばNTSC方式のコンポジットビデオ信号が形成される。このビデオ信号が出力端子81から出力される。
【0067】
オーディオチャンネルのオーディオデータは、MPEG2オーディオデコーダ82に供給される。MPEGオーディオデコーダ82は、入力されたデジタルオーディオ信号をバッファメモリ83に適宣記憶させ、ディジタルオーディオ信号をデコードする。
【0068】
MPEG2オーディオデコーダ82の出力がD/Aコンバータ84に供給される。D/Aコンバータ84により、ディジタルオーディオ信号がアナログオーディオ信号に変換される。D/Aコンバータ84の出力が出力端子85から出力される。
【0069】
ダウンロード用のオーディオデータは、バッファメモリ86に一旦蓄えられる。バッファメモリ86の出力が暗号解読回路87に供給される。前述したように、ダウンロード用のオーディオデータは暗号化されており、暗号解読に必要なキーは、ICカード88から発生される。
【0070】
ゲート回路89には、バッファメモリ86からダウンロード完了情報が供給されると共に、デマルチプレクサ74から、受信された暗号解読に必要な情報が供給される。
【0071】
オーディオデータをダウンロードする際には、バッファメモリ86にデータが蓄えられると、ゲート回路89が開き、暗号解読に必要な情報がICカード88に供給される。これにより、ICカード88から暗号化回路87にキーが渡される。暗号解読回路87で、ICカード88からのキーに基づいて、暗号が解読される。また、このとき、ICカード88には、課金情報が記憶される。
【0072】
暗号解読回路87の出力がATRAC2デコーダ90に供給されると共に、スイッチ回路91の端子91Bに供給される。ATRAC2デコーダ90で、ATRAC2のデコード処理が行われる。ATRAC2デコーダ90からは、PCMオーディオ信号が出力される。このATRAC2デコーダ90の出力がスイッチ回路91の入力端子91Aに供給される。
【0073】
スイッチ回路91は、コントローラ76により制御される。スイッチ回路91が端子91A側に設定されるときには、スイッチ回路91からは、PCMオーディオ信号が出力される。スイッチ回路91が端子91B側に設定されると、ATRAC2方式で圧縮されたディジタルオーディオ信号がスイッチ回路91から出力される。
【0074】
スイッチ回路91の出力がウォータマーク付加回路92に供給される。ウォータマーク付加回路92は、著作権を保護するために、オーディオデータに電子透かしを付加するものである。
【0075】
ウォータマーク付加回路92の出力は、ディジタル信号出力端子93に供給されると共に、D/Aコンバータ94に供給される。D/Aコンバータ94でディジタルオーディオ信号がアナログオーディオ信号に変換される。このアナログオーディオ信号が出力端子95から出力される。ディジタル信号出力端子93からは、ディジタルオーディオ信号(ウォーターマークが付加されている)が出力される。
【0076】
GUI用のデータは、コントローラ76に供給される。コントローラ76で、これらのデータに基づいて、リストページの画面や各楽曲の情報ページの画面、或いはEPG用の画面が形成される。このようにして形成された画面は、バッファメモリ79の所定のエリアに書き込まれる。これにより、画面上の指定のエリアに、放送されてくる楽曲のリストページや各楽曲の情報ページの画面、或いはEPG用の画面を写し出すことができる。
【0077】
コントローラ76は、全体の処理を行っている。また、コントローラ76に対して、入力キー98を介して入力が与えられる。また、コントローラ76には、モデム99が接続されている。課金に必要な情報は、ICカード88に記録される。このICカード88の情報は、モデム99を用いて、電話回線4を介して、課金サーバ5(図1)に送られる。
【0078】
また、制御信号入出力端子97が設けられ、この制御信号入出力端子97とコントローラ76とが接続される。この制御端子96を介して、ストレージデバイス23とコントローラ76との間で、制御信号のやり取りが行われる。
【0079】
更に、例えば、IEEE1394のディジタルインターフェース96が設けられる。このディジタルインタフェース96には、ウォータマーク付加回路92の出力が供給されると共に、このディジタルインターフェース96を介して、コントローラ76との間で、制御信号のやり取りを行うことができる。
【0080】
このように、IRD22には、アナログのオーディオが出力される出力端子95と、PCMオーディオデータ又はATRAC2で圧縮されたオーディオデータが出力されるIEC958のようなデータ出力端子93と、IEEE1394のようなディジタルインターフェース96と、制御信号入出力端子97とが備えられている。
【0081】
このように、複数の出力端子を有しているため、ストレージデバイスに備えられている入力端子に応じて、ストレージデバイス23との接続を行なうことができる。
【0082】
つまり、ストレージデバイス23がアナログオーディオ入力端子のみの場合には、IRD22とストレージデバイス23とを接続するのに、アナログオーディオ信号が出力端子95が用いられる。
【0083】
ストレージデバイス23がPCMデータのディジタル入力端子を備えている場合には、IRD22とストレージデバイス23とを接続するのに、データ出力端子93が用いられる。このとき、スイッチ回路91は、端子91A側に設定される。
【0084】
ストレージデバイス23がATRACデータの入力端子を備えている場合には、IRD22とストレージデバイス23とを接続するのに、ディジタル信号出力端子93が用いられる。このとき、スイッチ回路91は、端子91B側に設定される。
【0085】
また、ストレージデバイス23が制御信号の入出力端子を有している場合には、IRD22の制御信号入出力端子97と、ストレージデバイス23が制御信号の入出力端子CTL2との間で、データのやり取りが行われる。
【0086】
更に、ストレージデバイス23がIEEE1394のようなディジタルインターフェースDIF2を備えているような場合には、IRD22のディジタルインターフェース96と、ストレージデバイス23のディジタルインターフェースとが接続される。
【0087】
また、各オーディオチャンネルから復調されたオーディオ信号は、出力端子85から出力される。この出力端子85とストレージデバイス23のアナログオーディオ入力端子とを接続すると、オーディオチャンネルから復調されたオーディオ信号をストレージデバイス23で録音することができる。
【0088】
また、ストレージデバイス23が制御信号の入出力端子を有している場合には、IRD22の制御信号入出力端子97と、ストレージデバイス23が制御信号の入出力端子との間で、データのやり取りを行なって、録音制御を行なうことができる。
【0089】
図6は、各家庭の受信設備3のテレビジョン受像機24に表示されるGUI画面の一例である。各家庭の受信設備3でこの放送を受信すると、送られてきたGUIデータサーバからのデータに基づいて、図6に示すようなグラフィック画面が表示される。このグラフィック画面を見ながら必要な操作を行なうと、各楽曲についての情報ページを見ることができ、各楽曲についての試聴を行なうこができる。更に、グラフィック画面を見ながら必要な操作を行なうことで、所望のオーディオデータをダウンロードして、ストレージデバイス24に記録したり、オーディオチャンネルのデータをストレージデバイス24に録音したりすることができる。
【0090】
そして、前述したように、各オーディオチャンネルで送られてくるオーディオデータには、各楽曲の先頭及び終了のタイミングで、スタートフラグ及びエンドフラグが付加されている。また、ダウンロード用のオーディオデータには、各楽曲の先頭及び終了のタイミングで、IDデータが付加されている。ストレージデバイスがストレージデバイス23が制御信号の入出力端子を有している場合には、IRD22とストレージデバイス23との間で双方向にデータをやり取りすることができる。この場合には、これらのフラグやIDデータを使って、楽曲の先頭から終了まで確実に録音することができるようにしたり、複数の楽曲を予約順に録音したりすることが可能になる。
【0091】
つまり、各家庭の受信設備3で放送を受信すると、図6Aに示すように、GUIデータサーバからのデータに基づいて、画面101が表示される。画面101には、アーチスト名103、103、…や、ダウンロード可能な楽曲の曲名104、104、…が表示され、各楽曲の選択ボタン105、105、…が表示される。
【0092】
視聴者は、この画面101表示されている曲名を見ながら、興味のある楽曲を探していく。各楽曲についての詳細な情報を見たい場合には、例えば、リモートコマンダの矢印キーを操作して、情報を得たい楽曲の選択ボタン105を押す。
【0093】
所望の楽曲の楽曲選択ボタン105が押されると、図6Bに示すように、楽曲の情報ページ111が表示されると共に、その楽曲のオーディオチャンネルに切り換えられる。その楽曲のオーディオチャンネルでは、その楽曲が繰り返し送られている。そして、この各楽曲の情報ページ111には、その楽曲が収められているCDのジャケット等の静止画112が表示される。更に、この画面111には、アーチスト名、曲目、作詞者、作曲者、歌詞、ライブ情報等の楽曲の詳細情報113が表示されると共に、録音ボタン115、ダウンロードボタン116、戻りボタン117が表示される。
【0094】
録音ボタン115は、オーディオチャンネルで復調されたオーディオ信号をストレージデバイス23で記録させるためのボタンである。ダウンロードボタン116は、ダウンロード用のオーディオデータをダウンロードして、ストレージデバイス23に記録させるためのボタンである。戻りボタン117は、前のページの画面に戻るためのボタンである。
【0095】
このように、配信される楽曲のリストページ101及び各楽曲の情報ページ111により、視聴者は、現在どのような楽曲が配信されているのかを知ることができ、各楽曲についての詳細な情報を知ることができる。
【0096】
ここで、その楽曲を録音したい場合には、視聴者は、矢印キーを操作して、録音ボタン115を押す。録音ボタン115が押されると、対応する楽曲が放送されているオーディオチャンネルに設定され、このオーティオチャンネルで送られている楽曲がストレージデバイス23に記録される。
【0097】
なお、このとき、図7に示すように、各オーディオチャンネルCH1、CH2、…で送られてくるオーディオデータには、各楽曲の先頭及び終了のタイミングで、スタートフラグSFLG及びエンドフラグEFLGが付加されているため、このスタートフラグSFLGにより楽曲の先頭が検出された時点でストレージデバイス23への記録が開始され、エンドフラグEFLGにより楽曲の終了が検出された時点でストレージデバイス23への記録が終了される。このスタートフラグSFLG及びエンドフラグEFLGを検出するために、図5に示すように、IRD22には、オーディオチャンネルで送られてきたオーディオデータ中のスタートフラグSFLG及びエンドフラグEFLGを検出するためのフラグ検出回路61が設けられる。このように、スタートフラグ及びエンドフラグを利用することで、ユーザは、録音のタイミングを気にする必要なく、楽曲の先頭から終了まで、記録することができる。
【0098】
その楽曲を購入したい場合には、視聴者は、ダウンロードボタン116を押す。ダウンロードボタン116が押されると、選択された楽曲のオーディオデータがダウンロードされ、ストレージデバイス23に記録される。
【0099】
なお、このとき、図8に示すように、ダウンロード用のオーディオデータには、各楽曲の先頭及び終了のタイミングで、ヘッダにIDデータidが付加されているため、このIDデータidにより楽曲の先頭が検出された時点でストレージデバイス23への記録が開始され、IDデータidにより楽曲の終了が検出された時点でストレージデバイス23への記録が終了される。このIDデータidを検出するために、図5に示すように、IRD22には、ID検出回路62が設けられる。
【0100】
また、リストページに戻りたい場合には、戻りボタン117が押される。戻りボタン117が押されると、図6Aに示すリスト画面101に戻される。
【0101】
このように、この発明が適用されたシステムでは、画面上には楽曲のリストページ101及び各楽曲の情報ページ111が表示され、これら楽曲のリストページ101及び各楽曲の情報ページ111により各楽曲についての情報を知ることができる。そして、その楽曲が選択されると、その楽曲を試聴することができ、録音ボタン115が押されると、オーディオチャンネルで送られてきたこの楽曲のオーディオ信号がストレージデバイス23に記録され、ダウンロードボタン116が押されると、その楽曲のダウンロード用のオーディオデータがダウンロードされて、ストレージデバイス23に記録される。
【0102】
図9は、録音ボタン115により、オーディオチャンネルで送られてきた楽曲をストレージデバイス23に記録する際の処理を示すフローチャートである。なお、図9で、ステップS1〜S7は、IRD22側の処理を示し、ステップS11〜S14は、ストレージデバイス23側の処理を示している。
【0103】
放送が受信されると(ステップS1)、GUI用のデータによりグラフィック画面が表示される(ステップS2)。このとき、ストレージデバイス23側は、録音スタンバイ状態に設定されている(ステップS11)。
【0104】
ここで、楽曲選択ボタン103により楽曲が指定されると(ステップS3)、選択された楽曲の情報ページが表示されると共に、その楽曲のオーディオチャンネルに切り換えられる。各オーディオチャンネルでは、所定の単位時間中、同一の楽曲が繰り返し放送されているため、選択された楽曲が繰り返して聞けるようになる(ステップS4)。
【0105】
そして、録音ボタン115が押されると(ステップS5)、スタートフラグSFLGの検出が行なわれ、最初のスタートフラグSFLGが検出されると、IRD22からストレージデバイス23に録音開始指令が与えられる(ステップS6)。
【0106】
ストレージデバイス23が側では、IRD22から録音開始指令が与えられると、この指令を受けて、録音状態に設定される(ステップS12)。そして、IRD22側から録音停止指令が与えられるまで、録音状態が続けられる(ステップS13)。
【0107】
IRD22側では、次に、エンドフラグEFLGを検出しており、エンドフラグEFLGが検出されると、IRD22からストレージデバイス23に録音停止指令が与えられる(ステップS7)。
【0108】
ストレージデバイス23が側では、IRD22から録音停止指令が与えられると、この指令を受けて、録音が停止される(ステップS14)。
【0109】
図10は、ダウンロードボタン116により、ダウンロード用のオーディオデータをストレージデバイス23に記録する際の処理を示すフローチャートである。なお、図10で、ステップS31〜S37は、IRD22側の処理を示し、ステップS41〜S44は、ストレージデバイス23側の処理を示している。
【0110】
放送が受信されると(ステップS31)、GUI用のデータによりグラフィック画面が表示される(ステップS32)。このとき、ストレージデバイス23側は、録音スタンバイ状態に設定されている(ステップS41)。
【0111】
ここで、楽曲選択ボタン103により楽曲が指定されると(ステップS33)、選択された楽曲の情報ページ40が表示されると共に、その楽曲のオーディオチャンネルに切り換えられる。各オーディオチャンネルでは、所定の単位時間中、同一の楽曲が繰り返し放送されているため、選択された楽曲が繰り返して聞けるようになる(ステップS34)。
【0112】
そして、ダウンロードボタン116が押されると(ステップS35)、IDデータの検出が行なわれ、IDデータが検出されると、IRD22からストレージデバイス23に録音開始指令が与えられる(ステップS36)。
【0113】
ストレージデバイス23が側では、IRD22から録音開始指令が与えられると、この指令を受けて、録音状態に設定される(ステップS42)。そして、IRD22側から録音停止指令が与えられるまで、録音状態が続けられる(ステップS43)。
【0114】
IRD22側では、IDデータを検出しており、IDデータが検出されると、IRD22からストレージデバイス23に録音停止指令が与えられ(ステップS37)、ステップS31にリターンされる。
【0115】
ストレージデバイス23が側では、IRD22から録音停止指令が与えられると、この指令を受けて、録音が停止され(ステップS44)、ステップS41にリターンされる。
【0116】
なお、上述の例ではダウンロード用のオーディオデータとして、ATARC2で圧縮されたものを用いるようにしているが、圧縮方式は、ATARC2に限定されるものではない。他の圧縮方式、例えば、ATRACを用いるようにしても良い。
【0117】
【発明の効果】
この発明によれば、複数のオーディオチャンネルで送られてくる各オーディオデータには、楽曲の先頭及び終了に対応して、スタートフラグ及びエンドフラグが設けられる。オーディオチャンネルで送られてきたオーディオ信号をストレージデバイスに記録する際、このスタートフラグ及びエンドフラグを検出することにより、先頭から終了まで、各楽曲をストレージデバイスに確実に記録することができる。また、ダウンロード用のオーディオデータのストリーム中には、楽曲の先頭及び終了に対応して、IDデータが挿入される。オーディオチャンネルで送られてきたオーディオ信号をストレージデバイスに記録する際、このIDデータを検出することにより、先頭から終了まで、各楽曲をストレージデバイスに確実に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用できる放送システムの一例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】この発明が適用できる放送システムの一例における地上局の構成を示すブロック図である。
【図3】オーディオチャンネルのデータストレームを示す略線図である。
【図4】この発明が適用できる放送システムの一例の説明に用いるタイミング図である。
【図5】この発明が適用できる放送システムの一例におけるIRDの構成を示すブロック図である。
【図6】この発明が適用された放送システム一例の表示画面の一例の説明に用いる略線図である。
【図7】オーディオチャンネルでの楽曲の先頭及び終了位置の検出する説明に用いる略線図である。
【図8】ダウンロード用のデータでの楽曲の先頭及び終了位置の検出する説明に用いる略線図である。
【図9】オーディオチャンネル記録時にIRDとストレージデバイスとの間で行なわれる処理の説明に用いるフローチャートである。
【図10】ダウンロード時にIRDとストレージデバイスとの間で行なわれる処理の説明に用いるフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・地上局、2・・・衛星、3・・・受信設備、11・・・番組放送素材サーバ、12A、12B・・・オーディオチャンネル番組素材サーバ、13・・・ダウンロード用オーディオデータ素材サーバ、14・・・GUIデータサーバ、22・・・IRD、23・・・ストレージデバイス
Claims (2)
- 複数のチャンネルのチャンネル毎に所定期間内で同一の楽曲が繰り返し送信され、複数の上記チャンネルの複数の上記楽曲からなる音声ディジタルデータと、上記音声ディジタルデータに含まれる複数の上記楽曲の内で少なくとも一部の楽曲に関するデータが圧縮符号化によって圧縮され、圧縮符号化されたデータが単位にまとめられ、上記音声ディジタルデータの伝送用のチャンネルと異なるチャンネルを通じて上記所定期間内で上記単位が繰り返し送信されるダウンロード用の音声データと、送信される上記楽曲のリスト及び上記楽曲に関連する情報を表示するための情報画面を形成するためのディジタルデータとが多重化された信号を受信する受信装置において、
上記ディジタルデータをデコードして、上記複数チャンネルを通じて受信可能な複数の楽曲のリストの画面を表示し、該リストの中で蓄積したい楽曲が選択されると該楽曲に関連する情報を表示する画面を映出する情報画面表示手段と、
映出される上記複数の楽曲のリストの中の所望の楽曲を指定することによって、蓄積したい楽曲を選択する入力手段と、
上記特定のチャンネルが受信され、上記特定のチャンネルを通じて上記選択された上記楽曲を繰り返し再生する再生手段と、
上記繰り返して再生されている上記選択された上記楽曲に関する上記音声ディジタルデータに対して挿入されている上記楽曲の先頭位置及び終了位置をそれぞれ示す先頭識別信号及び終了識別信号を検出する識別信号検出手段と、
上記音声ディジタルデータ中から選択された上記蓄積したい楽曲に対する上記先頭識別信号が上記識別信号検出手段によって検出されると記録開始指令を発生し、上記蓄積したい楽曲に対する上記終了識別信号が上記識別信号検出手段によって検出されると記録終了指令を発生する制御手段とを備え、
上記制御手段からの上記記録開始指令及び上記記録終了信号を蓄積手段に対して出力することを特徴とする受信装置。 - 複数のチャンネルのチャンネル毎に所定期間内で同一の楽曲が繰り返し送信され、複数の上記チャンネルの複数の上記楽曲からなる音声ディジタルデータと、上記音声ディジタルデータに含まれる複数の上記楽曲の内で少なくとも一部の楽曲に関するデータが圧縮符号化によって圧縮され、圧縮符号化されたデータが単位にまとめられ、上記音声ディジタルデータの伝送用のチャンネルと異なるチャンネルを通じて上記所定期間内で上記単位が繰り返し送信されるダウンロード用の音声データと、送信される上記楽曲のリスト及び上記楽曲に関連する情報を表示するための情報画面を形成するためのディジタルデータとが多重化された信号を受信する受信装置と、
上記受信装置の出力を蓄積する蓄積装置とからなり、
上記受信装置は、
上記ディジタルデータをデコードして、上記複数チャンネルを通じて受信可能な複数の楽曲のリストの画面を表示し、該リストの中で蓄積したい楽曲が選択されると該楽曲に関連する情報を表示する画面を映出する情報画面表示手段と、
映出される上記複数の楽曲のリストの中の所望の楽曲を指定することによって、蓄積したい楽曲を選択する入力手段と、
上記特定のチャンネルが受信され、上記特定のチャンネルを通じて上記選択された上記楽曲を繰り返し再生する再生手段と、
上記繰り返して再生されている上記選択された上記楽曲に関する上記音声ディジタルデータに対して挿入されている上記楽曲の先頭位置及び終了位置をそれぞれ示す先頭識別信号及び終了識別信号を検出する識別信号検出手段と、
上記音声ディジタルデータ中から選択された上記蓄積したい楽曲に対する上記先頭識別信号が上記識別信号検出手段によって検出されると記録開始指令を発生し、上記蓄積したい楽曲に対する上記終了識別信号が上記識別信号検出手段によって検出されると記録終了指令を発生する制御手段とを備え、
上記蓄積装置は、上記受信装置から上記記録開始指令が与えられると上記受信装置からの上記選択された楽曲の記録を開始し、上記受信装置から上記記録終了指令が与えられると上記選択された楽曲の記録を終了するようにしたことを特徴とする情報蓄積システム。
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