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JP4576969B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、乱数を用いて入賞の当否を判定する入賞抽選を行い、入賞抽選の結果に基づいて所定の演出を行う遊技機に関する。
スロットマシン等の遊技機は、メダル等の遊技媒体の投入後、スタートレバーまたはスタートボタンの操作により複数のリールを回転させ、ストップボタンの操作または所定時間の経過により各リールを停止させて、全てのリールが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせにより所定枚数のメダル等を払い出すように構成されている。
このような遊技機では、近年、マイクロコンピュータを用いて、スタートレバー等が操作されたタイミングで予め入賞抽選を行い、その抽選結果の図柄が可能な限り有効ライン上に停止するようにリールを停止させて、投入メダルの枚数に対する払出しメダルの枚数が所定範囲の確率となるように制御されている。
マイクロコンピュータを用いて行われる入賞抽選は、一般に所定ビット数のカウンタを用いて発振器から出力される数MHzのクロックを高速で繰り返しカウントして、スタートレバー等が操作されたときのカウント値をラッチ回路等に記憶することにより、遊技者の任意とならないカウント値を乱数値として取得することによって行われている。
遊技機のマイクロコンピュータでは、取得した乱数値を予め設定した入賞テーブルの数値範囲と対比し、例えば、取得した乱数値が所定の数値範囲であるときにビッグボーナス等の比較的払出枚数の多い役の入賞とし、他の所定の数値範囲であるときにチェリー等のメダルの払出枚数が比較的少ない小役の入賞とし、更に別の数値範囲であるときにハズレとすることによって、取得した乱数値に応じて各入賞またはハズレを抽選するように制御される。
その際に、遊技機は、入賞抽選の結果によって抽選結果の内容を示唆する所定の演出、いわゆる遊技演出(以下、第1の遊技演出とする)を行うように構成されている。例えば、入賞抽選により上述のチェリーに入賞した場合、遊技機のマイクロコンピュータは、入賞抽選に用いられた乱数とは異なる乱数を用い(通常、入賞抽選に用いられたカウンタと異なる動作クロックのカウンタから取得する。)、予め設定したチェリー用演出テーブルの数値範囲との比較に基づいて第1の遊技演出の演出内容を決定し、所定の演出形態にて第1の遊技演出を行うように制御される。すなわち、入賞抽選の場合と同様に、第1の遊技演出についても乱数に基づいて抽選により演出内容が決定されている(以下、この抽選を第1遊技演出抽選とする)。
なお、演出テーブルは、ハズレを含む各入賞役ごとに各々設定されており、更に、これらの入賞役およびハズレに対応する第1の遊技演出についても複数種類の演出内容が各々の演出テーブルに設定されている。これにより、例えば上述のチェリー入賞に対する種々の第1の遊技演出が、演出テーブルより選択され行われることから、遊技に対する興味を高めることができる。
このように、遊技機は、ハズレを含む各入賞役ごとに複数種類の第1の遊技演出を演出テーブルに設ける構成としているが、遊技が繰り返し行われる中で、第1の遊技演出の演出形態から入賞抽選の抽選結果またはその内容等を認識されてしまうことがあった。なぜなら、複数種類の第1の遊技演出が演出テーブルに設定されているものの、各々の第1の遊技演出自体は、それが選択されると、設定通りに単に実行されるだけだからである。よって、入賞抽選の結果に応じて行われる第1の遊技演出のパターン化を招き、遊技に対する興味を損なう場合が生じていた。
これに対し、第1の遊技演出を行うときに、例えばスタートレバー操作後のストップボタンの操作順序に応じて、選択された第1の遊技演出に加えて、第1の遊技演出の演出内容と異なる演出内容の遊技演出(以下、この遊技演出を第2の遊技演出とする)を第1の遊技演出の実行中または相前後して追加的に行うことによって、第1の遊技演出に多様性を持たせることのできる遊技機の開発が望まれている。
そして、第2の遊技演出についても、選択された第1の遊技演出に対応して複数種類の演出内容を設定し、入賞抽選や第1遊技演出抽選と同様に、第2の遊技演出の演出内容についても遊技演出用乱数に基づき抽選によって選択する必要がある(以下、この抽選を第2遊技演出抽選とする)。
ところが、入賞抽選および第1遊技演出抽選に用いることができる乱数は、各々のカウンタによって確保されているものの、第2遊技演出抽選に用いることができる乱数が不足しているので、この第2遊技演出抽選用の乱数をいかにして生成するかが課題となる。換言すると、新たな乱数を生成することができないときには、第2の遊技演出を設定することができない。
そこで、入賞抽選に基づいて種々の遊技演出を行うことができる遊技機が提案されている。
この種の遊技機としては、例えば、遊技中に入賞等によって始動条件が成立すると、遊技機の基本的な動作を制御する主制御部が入賞抽選用の乱数を取得して入賞抽選を行うと共に、その入賞抽選の結果に基づいて複数種類の中から選択された図柄変動コマンドの1つと停止図柄データとが図柄変動表示装置の図柄制御部に出力される構成を有し、この図柄制御部は、図柄変動コマンドと図柄制御部に記憶された過去の停止図柄データに基づき、予め設定されている遊技演出プログラムを選択して図柄変動表示装置の図柄変動を制御する遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−346098、図5
しかしながら、上記特許文献1に開示された遊技機は、図柄変動コマンドが入賞抽選に対応して予め設定された複数種類の中から選択される構成を有することから、図柄停止データに基づく図柄停止までの演出がパターン化されるという課題がいまだに残っている。したがって、入賞抽選に基づいた遊技演出(第1の遊技演出)に多様性を持たせることができない。
一方、入賞抽選および第1遊技演出抽選に用いるカウンタに加え、第2遊技演出抽選に用いるカウンタを新たに追加する等のハードウエアの構成に変更を加えることも考えられる。これにより、第2遊技演出抽選用の乱数を、入賞抽選および第1遊技演出抽選に用いる乱数と独立して生成することができる点で有効であるが、第2遊技演出抽選の乱数の生成に用いる新たなカウンタを追加することで、遊技機の製造コストが増大するばかりでなく、制御基板の大型化を招いて設計の自由度が低下するという問題が生じる。
また、上記のようにハードウエアの構成に変更を加えることに代えて、第2遊技演出抽選用の乱数をソフトウエアによって生成することも考えられる。これにより、ハードウエアの構成に変更を加えることの不都合を回避することができるが、カウント動作が極めて遅いので抽選結果に偏りが生じることも考えられることから望ましくない。
本発明は、これら種々の問題を鑑みて、従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、ハードウエアの構成に変更を加えることなく、遊技演出抽選に用いる遊技演出用乱数を生成することができる遊技機を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に係る遊技機の発明は、
所定範囲の抽選用乱数に基づいて入賞の当否を判定する入賞抽選を行う遊技機において、抽選用乱数を生成する乱数生成手段と、2以上の記憶領域を有し、該各々の記憶領域に抽選用乱数が順次取り込まれて格納される乱数記憶手段と、入賞抽選の結果に応じて所定範囲の遊技演出用乱数に基づいて遊技演出の演出内容を決定するための遊技演出抽選を行う遊技演出抽選手段と、遊技演出抽選が行われるときに、乱数記憶手段の各々の記憶領域に既に格納されているいずれかの抽選用乱数を取り出す乱数取り出し手段を有する取得乱数処理手段を備え、遊技演出抽選は、遊技演出用乱数として、乱数取り出し手段によって取り出されたいずれかの抽選用乱数に基づいて行われるようにしたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、乱数記憶手段の各記憶領域に順次取り込まれて格納されたいずれかの抽選用乱数を、乱数取り出し手段によって遊技演出抽選に用いる遊技演出用乱数として利用することができるので、新たな乱数生成手段を設けることなく遊技演出用乱数を生成することができる。
これは、従来の遊技機において、抽選用乱数に加えて、遊技演出用乱数を生成する乱数生成手段が設けられていたことに着目したものである。このように、少なくとも抽選用乱数を生成する乱数生成手段だけを設ける構成としても、この乱数生成手段によって供給される抽選用乱数を乱数記憶手段の各々の記憶領域に格納し、複数個の乱数を確保して、そのいずれかの乱数を遊技演出抽選に用いる遊技演出用乱数として供給することができることから、遊技演出用乱数を生成する乱数生成手段を設けないことで低コストにて遊技機を提供することができる。
また、入賞抽選の結果に応じて複数種類の遊技演出が行われるようなときには、従来の遊技機のように、それらの遊技演出の中でいずれかの遊技演出については、その遊技演出の演出内容を決定する遊技演出抽選に用いる乱数を生成する乱数生成手段を設ける構成としても良い。これにより、遊技機の負担軽減を図りつつ、その他の遊技演出については、乱数取り出し手段によって乱数記憶手段から取り出される抽選用乱数に基づく遊技演出抽選によって演出内容を決定することができるので、遊技機の構成を大幅に変更する必要がない。
したがって、入賞抽選の結果に応じて行われる遊技演出の演出内容を乱数取り出し手段によって取り出される抽選用乱数に基づいて決定することができるので、遊技機の構成に変更を加えることなく、多様な遊技演出を行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載した遊技機において、
取得乱数処理手段は、抽選用乱数を乱数記憶手段の各々の記憶領域に取り込む乱数格納手段を有し、該乱数格納手段は、乱数記憶手段の各々の記憶領域に空き領域があるときには抽選用乱数を取り込み、該各々の記憶領域に空き領域がないときには取り込まないようにしたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、入賞抽選に用いられた抽選用乱数について、乱数記憶手段の記憶領域に空き領域がないときには乱数格納手段によって必ずしも取り込まれることがないので、遊技演出抽選が行われるときの乱数取り出し手段による遊技演出用乱数の取り出しに不規則性を与えることができる。
したがって、遊技演出抽選は、当該遊技に無関係の過去のいずれかの入賞抽選に用いられた抽選用乱数を遊技演出用乱数として用いて行われるので、遊技演出抽選にランダム性を与えることができ、請求項1の作用を奏することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載した遊技機において、
取得乱数処理手段は、乱数記憶手段の各々の記憶領域に格納されている抽選用乱数を少なくとも2個取り出して乱数を合成する乱数合成手段を有し、遊技演出抽選は、乱数取り出し手段によって取り出された抽選用乱数に代えて、乱数合成手段によって合成された乱数に基づいて行われるようにしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、乱数合成手段によって、乱数記憶手段の各々の記憶領域に既に格納されている2個以上の抽選用乱数を合成するようにしたことにより、ビット数の大きな乱数を生成することができることから、遊技演出抽選に設定することができる遊技演出の種類を更に増やすことができるので、多様性を持って遊技演出を行うことができる。
請求項4に記載の発明は、
所定範囲の抽選用乱数に基づいて入賞の当否を判定する入賞抽選を行い、該入賞抽選の結果に応じて所定範囲の遊技演出用乱数に基づいて第1の遊技演出の演出内容を決定するための第1遊技演出抽選を行う遊技機において、抽選用乱数および第1遊技演出抽選の遊技演出用乱数を生成する乱数生成手段と、2以上の記憶領域を有し、該各々の記憶領域に抽選用乱数が順次取り込まれて格納される乱数記憶手段と、第1遊技演出抽選に加えて、第1の遊技演出の実行中または相前後して該第1の遊技演出の演出内容と異なる演出内容で行われる第2の遊技演出の演出内容を決定するための第2遊技演出抽選を行う遊技演出抽選手段と、第2遊技演出抽選が行われるときに、乱数記憶手段の各々の記憶領域に既に格納されているいずれかの抽選用乱数を取り出す乱数取り出し手段を有する取得乱数処理手段とを備え、第2遊技演出抽選は、該第2遊技演出抽選の遊技演出用乱数として、乱数取り出し手段によって取り出されたいずれかの抽選用乱数に基づいて行われるようにしたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、乱数記憶手段の各記憶領域に順次取り込まれて格納されたいずれかの抽選用乱数を、乱数取り出し手段によって第2遊技演出抽選に用いる遊技演出用乱数として利用することができるので、新たな乱数生成手段を設けることなく遊技演出用乱数を生成することができる。
したがって、第2の遊技演出を確実に行うことができ、第1の遊技演出に多様性を持たせることができる。
さらに、第1遊技演出抽選に用いる遊技演出用乱数について、乱数生成手段によって生成するようにしても、遊技機の制御基板の大型化を招くことなく比較的低コストにて遊技機を提供することができる。
そしてまた、第2の遊技演出に加えて、さらに異なる演出内容の遊技演出を行うようなときでも、かかる遊技演出の演出内容を決定する遊技演出抽選に用いる遊技演出用乱数について、新たな乱数生成手段を設ける必要がないことから、入賞抽選の結果に応じて行われる第1の遊技演出をさらに多様性を持たせることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載に記載した遊技機において、
取得乱数処理手段は、抽選用乱数を乱数記憶手段の各々の記憶領域に取り込む乱数格納手段を有し、該乱数格納手段は、乱数記憶手段の各々の記憶領域に空き領域があるときには抽選用乱数を取り込み、該各々の記憶領域に空き領域がないときには取り込まないようにしたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、入賞抽選に用いられた抽選用乱数について、乱数記憶手段の記憶領域に空き領域がないときには乱数格納手段によって必ずしも取り込まれることがないので、第2遊技演出抽選が行われるときの乱数取り出し手段による遊技演出用乱数の取り出しに不規則性を与えることができる。
したがって、第2遊技演出抽選は、当該遊技に無関係の過去のいずれかの入賞抽選に用いられた抽選用乱数を遊技演出用乱数として用いて行われるので、遊技演出抽選にランダム性を与えることができ、請求項4の作用を奏することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載した遊技機において、
抽選用乱数に代えて、第1遊技演出抽選に用いた所定範囲の遊技演出用乱数を乱数記憶手段の各々の記憶領域に格納するようにしたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、第1遊技演出抽選に用いられた遊技演出用乱数を格納するようにしても、抽選用乱数を格納したときと同様の作用を奏することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6に記載した遊技機において、
取得乱数処理手段は、乱数記憶手段の各々の記憶領域に格納されている乱数を少なくとも2個取り出して合成する乱数合成手段を有し、第2遊技演出抽選は、乱数取り出し手段によって取り出されたいずれかの抽選用乱数または遊技演出用乱数に代えて、乱数合成手段によって合成された乱数に基づいて行われるようにしたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、乱数合成手段によって、乱数記憶手段の各々の記憶領域に既に格納されている2個以上の乱数を合成するようにしたことにより、ビット数の大きな乱数を生成することができることから、第2遊技演出抽選に設定することができる遊技演出の種類を更に増やすことができるので、多様性を持って第1の遊技演出を行うことができる。
本発明にかかる遊技機によれば、当該遊技の入賞抽選に用いられた抽選用乱数を、そのままクリアすることなく一時的に保有し、後の遊技演出抽選に利用することができるので、新たにハードウエアの構成に変更を加えることなく遊技演出抽選に用いられる遊技演出用乱数を生成することができる。
また、遊技演出抽選に用いる乱数を生成するハードウエアを新たに追加する必要がないので、制御基板の大型化を招くことがないと共に、遊技機の製造コストの上昇を防ぐことができる。
以下、本発明にかかる遊技機の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、遊技機としてスロットマシン1を例にして説明する。
図1は、スロットマシン1の前面扉3が閉じた状態を示した斜視図、図2は、スロットマシン1の前面扉3が開いた状態を示した斜視図である。
スロットマシン1は、図1に示すように本体2と前面扉3とからなる正面視略矩形状の筐体4を有している。
本体2は、スロットマシン1の骨格をなす部材であり、図2に示すように、前面側が開放された箱形状を有している。本体2の内部には、各種の図柄等が表示され、ステッピングモータ15により回転駆動される複数個の回転ドラム11、スロットマシン1を制御する回路基板を収納した基板収納ボックス12、電源スイッチ13aおよびリセットスイッチ13b等を備える電源ボックス13、遊技媒体としてのメダルを貯留する補助タンク14aおよび補助タンク14a内のメダルを払出通路7からメダル払出口41に払い出す支払装置14bを備えたホッパー14等が収納されている。
前面扉3は、図2に示すように、左側辺部の上下2カ所がヒンジ5によって本体2に連結されて取り付けられており、本体2の前面開放部分を容易に閉塞および開放できるように構成されている。
前面扉3は、図1に示すように、上方から下方に向かって順番に表示部3A、操作部3B、貯留部3Cの3つの部分を備えている。表示部3Aは、前面扉3の上方に沿って設けられ遊技の進行に伴って点灯・点滅する上部ランプ28と、上部ランプ28の下方位置で左右両側のそれぞれに配置されて種々の効果音等を発生させる一対のスピーカ21と、これら一対のスピーカ21の間に配設されて画像・映像等の種々の情報を表示する液晶ディスプレイ22(以下、LCDと略す)を有している。また、表示部3Aのほぼ中央高さ位置には、筐体4内で回転する複数個の回転ドラム11をそれぞれ視認するための視認窓23が設けられており、視認窓23の左側にはメダルの賭け数(ベット数)に応じて点灯するベットランプ24が配設されている。そして、表示部3Aの下部には、左側から右側に向かって順番にクレジット枚数表示部25、ゲーム数表示部26、払出枚数表示部27が設けられている。
操作部3Bは、表示部3Aの下端で折曲されて前面側(手前側)に向かって延在する平面部分31と、その平面部分31の手前側の端部で折曲されて下方に向かって垂下する縦壁部分32とを有しており、平面部分31には、左側位置に1枚用と2枚用のそれぞれのベットボタン33、34が設けられ、その右側近傍位置には、3枚用のいわゆるマックスベットボタン35が設けられている。そして、平面部分31の右側位置には、メダル投入口36が配設されている。
縦壁部分32の上部の略中央部分には、左側から右側に向かって順番に、回転ドラム11の回転開始を指示するスタートレバー37と、回転する回転ドラム11の回転停止を指示するストップボタン38が設けられている。スタートレバー37は、縦壁部分32から手前側に向かって突設されており、下方に押し下げるか、または上方に押し上げることによって操作される。このようなスタートレバー37の操作によって、遊技の開始となるように構成されている。ストップボタン38は、各回転ドラム11に対応する位置にそれぞれ配設されており、押し動作によって操作される。また、操作部3Bの下部には、スロットマシン1の機種名や遊技に関わるキャラクタ等が表示された表示プレート39等が設けられている。
貯留部3Cは、操作部3Bの下方位置で左右方向に亘って延在するように配置形成されており、メダル払出口41から払い出されたメダルを受けて貯留するメダル受け皿42や灰皿43等が設けられている。
次に、基板収納ボックス12等に収納される回路基板について説明する。図3は、スロットマシン1の電気的構成を説明するブロック図であり、以下に、スロットマシン1のメイン制御基板50等について同図に基づいて説明する。
メイン制御基板50は、主としてスロットマシン1の遊技動作を制御する遊技制御手段として構成され、このメイン制御基板50には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU51と、そのMPU51に接続されると共にセンサ類やスイッチ類等の各種の入出力手段に接続された入出力ポート52等が搭載されている。
MPU51には、MPU51により実行される入賞抽選プログラム、遊技演出抽選プログラム、乱数処理プログラム等の各種の制御プログラムや入賞テーブル、演出テーブル等の固定データを記憶したROM56や、そのROM56内に記憶された制御プログラムの実行にあたって取得した乱数等の各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであるRAM55等の各種回路等が内蔵されている。
入出力ポート52には、リセットスイッチ13b、スタートレバー37、ストップボタン38、1枚〜3枚ベットランプ24、クレジット枚数表示部25、ゲーム数表示部26、払出枚数表示部27、サブ制御基板60、ステッピングモータ15等が接続されている。
サブ制御基板60は、メイン制御基板50から送信されるコマンドを受信して所定の制御処理を行うものであり、本実施の形態においては、スピーカ21からの効果音および上部ランプ28の点灯・点滅等の出力制御、表示用制御基板80を制御してLCD22上に演出表示等を行わせるように構成されている。このサブ制御基板60には、上部ランプ28、スピーカ21等の外部装置の他に、表示用制御基板80等が接続されている。なお、サブ制御基板60と表示用制御基板80との間ではデータ等を双方向に送受信可能に構成されている。
電源基板70は、上述した電源ボックス13(図2参照)内に設けられており、メイン制御基板50の他に、スロットマシン1のステッピングモータ15等の各電子機器に駆動電源を供給する電源部71と、電源断の発生を監視する停電監視回路72等の各種回路を備えている。スロットマシン1の電源オフ後には、電源基板70の電源部71からRAM55にバックアップ電圧が供給される。
次に、本発明の特徴的な構成をなすメイン制御基板50について図4を参照しつつ更に説明する。図4は、メイン制御基板50およびサブ制御基板60の概略構成を詳細に示したブロック図である。
メイン制御基板50には、RAM55およびROM56等をI/Oポート(図示せず)を間に介して内蔵するMPU51が搭載されている他に、周波数の異なるクロックを出力する2つの発振器54a、54bによって、各々0からFFFFHまでクロックを所定の速度でカウントする2つの16ビットフリーランニングカウンタ53a、53bが設けられている。
これらの発振器54の一方の発振器54aは、例えば7.15909MHzのクロックを出力し、他方の発振器54bは、例えば8.00MHzのクロックを出力するように構成されている。なお、本実施の形態において、一方の発振器54aはMPU51の動作クロックを生成する発振器を共用している。
発振器54aによってカウントする一方のフリーランニングカウンタ53aは、遊技の開始であるスタートレバー37の操作時にフリーランニングカウンタ53aのカウント値をラッチして、所定のタイミングでMPU51が乱数値として読み出し可能となるように構成されている。一方のフリーランニングカウンタ53aにより生成される乱数は、スタートレバー37の操作時に行われる入賞の当否を判定する入賞抽選の抽選用乱数として用いられる。
また、発振器54bによってカウントする他方のフリーランニングカウンタ53bでも同様に、ラッチしたカウント値を所定のタイミングでMPU51が乱数値として読み出し可能となるように構成されている。他方のフリーランニングカウンタ53bによる乱数は、入賞抽選の結果に応じて行われる第1の遊技演出の演出内容を決定する第1遊技演出抽選の遊技演出用乱数として用いられる。
そして、双方のフリーランニングカウンタ53a、53bは、0を初期値としてFFFFHまで順次所定の速度でカウントし、その次に再び0からカウントするように構成され、乱数生成手段として形成される。
RAM55は、上記乱数を一時的に記憶する記憶領域である複数のバッファ1〜バッファ4(バッファ領域)からなるバッファ55aを備え、各々の記憶領域に一方のフリーランニングカウンタ53aから生成される乱数が順次取り込まれて格納される乱数記憶手段として構成されている。本実施の形態において、バッファ55aの各バッファ領域は、生成される乱数のビット数が16ビットであることに対応して2バイトの容量を有している。そして、バッファ55aの各々の記憶領域(バッファ1〜バッファ4)には、一方のフリーランニングカウンタ53aによって供給される乱数が順次取り込まれ、各々のバッファ55aに取り込まれた抽選用乱数を格納乱数として形成する。
ROM56は、一方のフリーランニングカウンタ53aによって生成された乱数(抽選用乱数)に基づいて入賞抽選を行う入賞抽選手段56aと、入賞抽選の結果に応じて、遊技演出の演出内容を決定する遊技演出抽選を行う遊技演出抽選手段56bと、入賞抽選に用いられた乱数を処理する取得乱数処理手段56cとを備えており、それぞれ入賞抽選プログラム、遊技演出抽選プログラムおよび乱数処理プログラムによって構成される。以下、ROM56の各々の構成を更に説明する。
まず、入賞抽選手段56aは、入賞抽選プログラムに基づき、スタートレバー37の操作タイミングで一方の16ビットのフリーランニングカウンタ53aで生成される乱数に基づき、予め設定されている入賞テーブルの数値範囲との対比によって入賞抽選を行うように構成されている。
使用される入賞テーブルには、メダルの払い出しが比較的多いビッグボーナス、レギュラーボーナス等の入賞役、この入賞役と対称的に、メダルの払い出しが比較的少ないチェリー等の入賞役(通常、複数種類の入賞役を設定する)、このような入賞役に該当せずメダルの払い出しが行われないハズレ、そしてメダルの払い出しは行われないが、メダルを投入することなく次の遊技を一回に限り行うことができる再遊技役等の複数種類の入賞役が設定されている。各々の入賞役に対して、その入賞役に当選する割合が、一方のフリーランニングカウンタ53aより生成される0〜65535の範囲の乱数に所定の数値範囲にて設定されている。
例えば、生成される乱数の全範囲の中で、ビッグボーナス、レギュラーボーナス等の入賞役については0〜500までの非常に狭い範囲に設定され、この0〜500の範囲内で、例えばビッグボーナスを0〜175、レギュラーボーナスを176〜500となるようにそれぞれの入賞役の割合を数値範囲で設定する。同様に、チェリー等の入賞役については、501〜20000までの比較的広い範囲、再遊技役が20001〜28000の範囲、そしてハズレが残りの28001〜65635までの範囲に各々設定されている。これらの範囲は、いわゆる出球率と称されており、本体2内部に設けられている設定孔に所定のキー(それぞれ図示せず)を挿入して操作することによって、変更することができる。
そして、スタートレバー37が操作されたタイミングで、一方のフリーランニングカウンタ53aにおいてラッチされた所定のカウント値を乱数値として当該タイミングでMPU51が読み出すことによって、例えば575である場合、入賞抽選手段56aは、読み出された乱数値を基にしてチェリー入賞と判定するように構成されている。
次に、遊技演出抽選手段56bは、遊技演出抽選プログラムに基づき、入賞抽選手段56aによる入賞抽選の結果に応じて、他方の16ビットのフリーランニングカウンタ53bで生成される乱数(遊技演出用乱数)に基づき、予め設定されている第1演出テーブルの数値範囲との対比によって第1の遊技演出の内容を決定する第1遊技演出抽選を行うように構成されている。
第1演出テーブルは、入賞テーブルに設定されている入賞役ごとにそれぞれ設けれており、各第1演出テーブルに設定されている遊技演出についても複数種類が設定されている。例えば、入賞抽選によってチェリー入賞した場合、このチェリー入賞に対応する第1演出テーブルとして、n種類の遊技演出からなるチェリー演出テーブルが設定されている(便宜上、チェリー演出テーブルのそれぞれのチェリー演出を、チェリー演出1、チェリー演出2、・・・チェリー演出nとする)。なお、各々の第1演出テーブルに設定する遊技演出の数は、入賞役の発生頻度、重要性等を総合的に考慮して設定する必要がある。例えば、ビッグボーナス等は、発生頻度としては低いものの、入賞したときには遊技者に有利な状況となる重要な入賞役であることから、種々の遊技演出を行うことができるように第1演出テーブルに多くの遊技演出を設定して、多様性を持った遊技演出が行われるようにする。
第1演出テーブルに設定される各々の遊技演出に対して、入賞テーブルと同様に、その遊技演出の当選する割合が、他方のフリーランニングカウンタ53bより生成される0〜65535の範囲の乱数に所定の数値範囲にて設定されている。例えば、上述のチェリー演出テーブルの場合、生成される乱数の全範囲の中で、チェリー演出1には0〜5000までの範囲、チェリー演出2には5001〜10000までの範囲を順次設定していき、チェリー演出nまで同様に設定する。
上記のチェリー演出テーブルは、第1遊技演出抽選においてn種類のチェリー演出がほぼ同確率で当選するように設定しても良い。これにより、各々のチェリー演出はほぼ同じ頻度で発生するので、多様なチェリー演出を提供することができる。また、n種類のチェリー演出の中で、特定のチェリー演出については、その他のチェリー演出より低い割合で設定することも可能である。これにより、例えばこのような特定のチェリー演出が選択されたときに、遊技の流れで重要な示唆を行う構成とすることができる。
そして、入賞抽選手段56aによる入賞抽選が行われたタイミングで、他方のフリーランニングカウンタ53bにおいてラッチされた所定のカウント値を乱数値として当該タイミングでMPU51が読み出すことによって、例えば3560である場合、遊技演出抽選手段56bは、読み出された乱数値を基にしてチェリー演出1と判定するように構成されている。
遊技演出抽選手段56bは、上記の第1遊技演出抽選に加えて、第2遊技演出抽選を行うように構成されている。上述したように、入賞抽選手段56aによる入賞抽選に対応して、遊技演出抽選手段56bでは、第1遊技演出抽選に基づいて第1演出テーブルの中から第1の遊技演出の演出内容を決定している。ところが、第1の遊技演出だけであると、遊技が繰り返し行われる中で第1の遊技演出の演出内容から入賞抽選の内容等が認識され、遊技に対する興味を損なうことがある。したがって、本実施の形態のスロットマシン1では、第1の遊技演出の実行中または相前後して第2の遊技演出を行うように構成されている。なお、第2の遊技演出は、必ずしも行われる遊技演出ではなく、第1遊技演出抽選によって選択された第1の遊技演出の演出内容によっては行われないこともあるように構成されている。
第2遊技演出抽選は、第2の遊技演出の演出内容を決定するための遊技演出抽選であり、後述する取得乱数処理手段56cによって得られる乱数に基づいて行われる。
ここで、第2の遊技演出は、選択された第1の遊技演出の演出内容と異なる演出内容にて追加的に行われるように構成された遊技演出であり、第1の遊技演出に変化を与えている。例えば、選択された第1の遊技演出の演出内容がLCD22による動画表示とスピーカ21からの効果音の出力であるときに、第2の遊技演出によって、これらの遊技演出の実行中に更に上部ランプ21等のランプ類の点灯・点滅を追加して行うように構成することができる。また、例えば選択された第1の遊技演出によってLCD22による動画表示とスピーカ21からの効果音の出力が行われた直後に連続して、第2の遊技演出によってLCD22にて異なる動画表示を行うように構成することができる。
第2の遊技演出の演出内容は、例えば左、中、右の各ストップボタン38の中でどのストップボタン38を最初に操作したのか等のスロットマシン1の操作状況等の種々の条件に基づいて、選択された第1の遊技演出に対応して設定された複数種類の演出内容の中から選択するように構成されている。例えば、上記のチェリー演出1を実行するにあたり、例えば左のストップボタン38が最初に操作されたとき、チェリー演出1で且つ最初の操作が左ストップボタン38に対応して複数種類の第2の遊技演出を設定する。
同様に、真ん中のストップボタン、右のストップボタンの各々のストップボタン38が最初に操作されたときに対応して第2の遊技演出を設定する。したがって、選択された第1の遊技演出の実行にあたり、スロットマシン1の操作状況に応じて第2の遊技演出によって種々の遊技演出が追加されるので、同一の第1の遊技演出が選択されても多様性を持って遊技演出を行うことができる。
そして、各々設定される第2の遊技演出についても、第1演出テーブルと同様に、第2演出テーブルによって構成される。例えば、上述のチェリー演出1で且つ左ストップボタン38の最初の操作に対応して設定される第2の遊技演出の第2演出テーブルとして、m種類の遊技演出からなるチェリー追加演出テーブルが設定されている(便宜上、チェリー追加演出テーブルのそれぞれのチェリー追加演出を、チェリー追加演出1、チェリー追加演出2、・・・チェリー追加演出mとする)。
このような第2演出テーブルに設定される各々の遊技演出に対して、入賞テーブルおよび第1演出テーブルと同様に、その遊技演出の当選する割合が、第2遊技演出抽選に用いられる乱数に所定の数値範囲にて設定されている。第1演出テーブルと同様に、各々の遊技演出の発生頻度は、ほぼ同確率となるように設定しても、または特定の遊技演出の発生頻度を低くなるように設定しても良い。
最後に、本発明の特徴的な構成をなす取得乱数処理手段56cは、乱数格納手段56dと、乱数取り出し手段56eと、乱数合成手段56fとから構成され、乱数処理プログラムに基づいて入賞抽選に用いられた抽選用乱数を処理する。
乱数格納手段56dは、入賞抽選手段56aによる入賞抽選に用いられた抽選用乱数をバッファ55aのバッファ1〜バッファ4の空き領域に順次取り込んで格納するように構成されている。これは、従来のスロットマシン1では、当該入賞抽選に用いられた抽選用乱数はそのままクリアされてしまうことが一般的であったことに着目したものである。ここで、抽選用乱数をバッファ55aに順次取り込むとは、バッファ55aの空き領域に当該入賞抽選に用いられた抽選用乱数を取り込むことに加えて、バッファ55aに空き領域が無いときにはバッファ55aに既に格納されている乱数の中で乱数格納手段56dによって最初に取り込まれた乱数をクリアし、これにより形成した空き領域に当該入賞抽選に用いた抽選用乱数を取り込んで格納することの両方を含むものである。
これにより、バッファ55aのバッファ1〜バッファ4に空きバッファ領域が在るときには、その空き領域に抽選用乱数を順次取り込んで格納し、一方、空き領域が無いときにはそのままクリアすることによって、常に複数の乱数をバッファ55aに格納して確保することができ、乱数の供給源として機能させることができる。すなわち、乱数を生成する乱数生成手段としてのカウンタと同様の作用を奏することができる。
乱数取り出し手段56eは、遊技演出抽選手段56bによって第2遊技演出抽選が行われるときに、バッファ55aのバッファ1〜バッファ4に既に格納されている格納乱数の中で、バッファ55aに最初に格納された格納乱数を取り出し、第2遊技演出抽選の遊技演出用乱数として出力するように構成されている。これは、バッファ55aに格納されている格納乱数の取り出しについて、最初に格納された格納乱数を取り出す構成とすることにより、複雑な命令系を設けることなく、格納乱数の取り出しに規則性を持って出力することができる。逆に、乱数の取り出しに選択性を持たせると、かかる乱数の選択時に、乱数を選択するための抽選を行う必要があることから、MPU51の負担増大となる。
したがって、バッファ55aの格納乱数のうち、格納された順番が最初の格納乱数(抽選用乱数)を出力することによって、当該遊技に全く無関係の過去の遊技において用いられた抽選用乱数を利用することができるので、第2遊技演出抽選に使用する遊技演出乱数を安定的に供給することができる。
そしてまた、乱数格納手段56dによってバッファ55aに格納された格納乱数を乱数取り出し手段56eが取り出す構成としたことにより、例えば、当該入賞抽選において用いられた抽選用乱数を加工して上記の第2遊技演出抽選の遊技演出用乱数として用いる必要がないことから、抽選本来の作用を確保しつつ遊技演出用乱数として簡易に生成することができる。
すなわち、当該入賞抽選の抽選用乱数を加工する等して第2遊技演出抽選に用いる遊技演出用乱数を供給する場合、当該入賞抽選における抽選結果に同期するおそれがあり、第2遊技演出抽選の抽選結果に偏りが発生することが懸念される。ところが、ハードウエアの構成に変更を加える等をすることなく抽選用乱数を入賞抽選の結果に同期しない程度に加工することは極めて困難であり、遊技演出用乱数として採用することができない。よって、本実施の形態にように、乱数取り出し手段56eによって過去の入賞抽選に用いられた抽選用乱数を取り出すことにより、上述の同期を回避しつつ第2遊技演出抽選の遊技演出用乱数として採用することができる。
乱数合成手段56fは、乱数取り出し手段56eによってバッファ55aに最初に格納された格納乱数の取り出しに代えて、この最初に格納された格納乱数と、その格納乱数の次に格納された格納乱数とを取り出して、これらの格納乱数を合成して遊技演出用乱数として出力するように構成されている。これは、乱数のビット数を自由に変更できることに着目したものである。例えば、フリーランニングカウンタ53のビット数が小さいときには、乱数合成手段56fによる乱数の合成によってビット数を大きくすることができる。
このように格納乱数を合成することによって、第2遊技演出抽選に用いる遊技演出乱数のビット数を変更することができるので、第2の遊技演出を多種多様に設定し、第1の遊技演出の多様性を更に高めることができる。
次に、サブ制御基板60の構成について図4を参照しつつ更に説明する。
上述のように、サブ制御基板60は、メイン制御基板50からのコマンドに基づいて実際の遊技演出制御を行う遊技演出制御手段として構成されている。
サブ制御基板60の基本構成は、原則としてメイン制御基板50と同様の構成であり、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU61と、メイン制御基板50の入出力ポート52に接続されると共にLCD22等の外部の演出装置の入出力手段に接続された入出力ポート62等が搭載されている。そして、メイン制御基板50と同様に、発振器63によって供給される動作クロックに基づいて動作するように構成されている。
MPU61には、メイン制御基板50のMPU51からの制御コマンド、例えば遊技演出抽選手段56bによる第1の遊技演出の演出内容に関する演出制御コマンドおよび第2の遊技演出の演出内容に関する演出制御コマンドに基づいて実行される演出制御プログラム等の各種の制御プログラムを記憶したROM64や、そのROM64内に記憶された制御プログラムの実行にあたって、送信されてきた演出制御コマンド等の各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであるRAM65等の各種回路等が内蔵されている。
次に、上記構成を有するメイン制御基板50およびサブ制御基板60の動作について説明する。
最初に、電源ボックス13に設けられた電源スイッチ13aまたはリセットスイッチ13bの操作によってリセットされると、メイン制御基板50では初期化処理が行われる。
例えば、RAM55のバッファ55aには、図示しないバックアップRAMからリセット前のバッファ55aに格納されていた格納乱数が取り込まれる。あるいは、バックアップRAMにリセット前までの格納乱数がバックアップされていなかった場合には、リセット直後に、一方のフリーランニングカウンタ53aによってカウントされて一巡した16ビットの乱数をバッファ55aに格納するようにする。バッファ55aへの乱数の供給は、空き領域の数に応じて繰り返される。
ここで、一方のフリーランニングカウンタ53aによるカウントは、上述のように7.15909MHzの動作クロックを出力する発振器54aに基づいて行われており、0からFFFFHまでのカウント値が一巡する周期は約10msという極めて高速なカウント動作であることから、メダル投入後の最初のスタートレバー37の操作が行われるまでにはバッファ55aに必要な数の乱数を供給することができる。
そして、スタートレバー37の操作タイミングで、入賞抽選プログラムが実行されると、一方のフリーランニングカウンタ53aのカウント値が乱数値として供給されて、入賞抽選プログラムに基づき入賞抽選手段56aによって入賞抽選が行われる。
入賞抽選プログラムによる入賞抽選によって、例えばチェリー入賞となると、遊技演出抽選プログラムが実行され、他方のフリーランニングカウンタ53bから同様に出力された乱数値が取り込まれて、遊技演出抽選手段56bによって第1遊技演出抽選が行われる。これにより、第1遊技演出抽選に基づき、例えば、チェリー演出テーブルに設定されているn種類のチェリー演出の中から、例えばチェリー演出1が選択される。
このとき、MPU51において、例えばスタートレバー37の操作後のストップボタン38の操作順序が検出されると、遊技演出抽選プログラムによって、上記の第1遊技演出抽選に加えて、第2遊技演出抽選が行われる。具体的には、MPU51は、遊技演出抽選プログラムに基づく第2遊技演出抽選開始のコマンドを出力すると共に、乱数処理プログラムの開始のコマンドを出力する。
乱数処理プログラムがあわせて開始されると、乱数取り出し手段56eによって、RAM55のバッファ55aに格納されている格納乱数の中で、最初に取り込まれて格納された格納乱数が取り出される。そして、遊技演出抽選プログラムによって、乱数取り出し手段56eから取り出された乱数に基づき第2遊技演出抽選が行われ、第2の遊技演出の演出内容が決定される。
また、MPU51によって検出されたストップボタン38の操作順序によっては、第2遊技演出抽選の実行にあたり、乱数合成手段55eによって合成された乱数に基づいて抽選を行うことができる。
そして、入賞役(ハズレを含む)、第1の遊技演出の演出内容および第2の遊技演出の演出内容が決定すると、乱数格納手段56dによって当該入賞抽選に用いられた抽選用乱数をRAM55のバッファ55aにおけるバッファ1〜バッファ4の何れかの空き領域に取り込んで格納する。
その後、遊技演出に関する演出制御コマンドが、メイン制御基板50の入出力ポート52を介して出力されると、サブ制御基板60の入出力ポート62を介してMPU61に演出制御コマンドが取り込まれる。サブ制御基板60のMPU61では、送信されてきた演出制御コマンドに基づいて遊技演出プログラムを実行することにより、第1の遊技演出に係るチェリー演出1と、このチェリー演出1に伴って第2の遊技演出に係る遊技演出が行われる。
上記構成を有するスロットマシン1によれば、入賞抽選手段56aによる入賞抽選に用いられた抽選用乱数を乱数格納手段56dによってRAM55のバッファ55aの空き領域に順次取り込んで格納したことにより、複数の乱数が確保されるので、バッファ55aを乱数の供給源として機能させることができる。
また、乱数取り出し手段56eによって、バッファ55aに格納された抽選用乱数の中で、最初に格納された抽選用乱数を取り出すようにしたことにより、新たな乱数生成手段を設けることなく乱数を生成することができる。
このような乱数の生成は、ソフトウエアによって乱数を発生させるものではないことから、MPU51の負担軽減を図ることができると共に、ハードウエアの構成の変更、具体的には、第2遊技演出抽選に用いる遊技演出乱数を生成するフリーランニングカウンタを設ける必要もないのでコスト面でも有効である。
そして、遊技演出抽選によっては、乱数合成手段56fによってバッファ55aに格納されている乱数を複数取り出して合成することによって、遊技演出抽選に用いる遊技演出用乱数のビット数を変更することができるので、種々の遊技演出に対応することができる。
したがって、スロットマシン1のハードウエアの構成に変更を加えることなく、従来課題となっていた第2遊技演出抽選に用いる遊技演出用乱数を生成することができるので、入賞抽選の結果に応じて行われる第1の遊技演出は多様性を持って行うことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、RAM55のバッファ55aには、バッファ1〜バッファ4の4つのバッファ領域を設けたが、これに限定されるものではなくバッファ領域の数を1回の遊技で行われる抽選の回数等に応じて自由に設定することができる。
また、乱数格納手段56dによって抽選用乱数をRAM55のバッファ55aに取り込むような構成としたが、抽選用乱数に代えて、遊技演出抽選手段56bによって第1遊技演出抽選に用いられた遊技演出用乱数を取り込むようにしても良い。この場合にも、入賞役、第1の遊技演出の演出内容および第2の遊技演出の演出内容が決定してからRAM55のバッファ55aに取り込むようにする。あるいは、抽選用乱数および遊技演出用乱数を選択的にRAM55のバッファ55aに取り込むのではなく、これらの乱数の双方を取り込むようにしても良い。
そして、フリーランニングカウンタ53は、抽選用乱数と遊技演出用乱数の生成のために2つのフリーランニングカウンタ53a、53bを設けているが、少なくとも抽選用乱数を生成するフリーランニングカウンタ53aを設ける構成とすることもできる。換言すると、フリーランニングカウンタ53は、本実施の形態のスロットマシン1において1個だけ設ける構成としても、本願発明の特徴的構成である取得乱数処理手段56cによって第2遊技演出抽選に用いる遊技演出用乱数を生成することができるので、本発明の作用を奏することができる。これにより、メイン制御基板50の小型化がもたらせて設計の自由度が高まると共に、スロットマシン1の製造コストを削減することができる。
さらに、上記実施の形態で説明したROM56の遊技演出抽選手段56bをサブ制御基板60のROM64に設定することも可能である。これにより、入賞抽選に係わる遊技制御はメイン制御基板50において行い、一方、遊技演出に係わる演出制御はサブ制御基板60において行うことができるので、メイン制御基板50のMPU51の負担軽減を図ることができる。
そしてまた、上記実施の形態は、遊技機の一例としてスロットマシン1を用いて説明したが、所定の始動条件を契機に乱数をラッチするその他の遊技機、例えばパチンコ機においても当然に用いることができる。
スロットマシン1の前面扉3が閉じた状態を示す斜視図である。 スロットマシン1の前面扉3が開いた状態を示す斜視図である。 スロットマシン1の電気的構成を説明するブロック図である。 メイン制御基板50およびサブ制御基板60の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 スロットマシン
2 本体
3 前面扉
37 スタートレバー
38 ストップボタン
50 メイン制御基板
51 MPU
52 入出力ポート
53 フリーランニングカウンタ
54 発振器
55 RAM
55a バッファ
56 ROM
56a 入賞抽選手段
56b 遊技演出抽選手段
56c 取得乱数処理手段
56d 乱数格納手段
56e 乱数取り出し手段
56f 乱数合成手段
60 サブ制御基板

Claims (7)

  1. 所定範囲の抽選用乱数に基づいて入賞の当否を判定する入賞抽選を行う遊技機において、
    前記抽選用乱数を生成する乱数生成手段と、
    2以上の記憶領域を有し、該各々の記憶領域に前記抽選用乱数が順次取り込まれて格納される乱数記憶手段と、
    前記入賞抽選の結果に応じて所定範囲の遊技演出用乱数に基づいて遊技演出の演出内容を決定するための遊技演出抽選を行う遊技演出抽選手段と、
    前記遊技演出抽選が行われるときに、前記乱数記憶手段の前記各々の記憶領域に既に格納されているいずれかの抽選用乱数を取り出す乱数取り出し手段を有する取得乱数処理手段と、を備え、
    前記遊技演出抽選は、
    前記遊技演出用乱数として、前記乱数取り出し手段によって取り出された前記いずれかの抽選用乱数に基づいて行われるようにしたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記取得乱数処理手段は、
    前記抽選用乱数を前記乱数記憶手段の各々の記憶領域に取り込む乱数格納手段を有し、
    該乱数格納手段は、
    前記乱数記憶手段の各々の記憶領域に空き領域があるときには前記抽選用乱数を取り込み、該各々の記憶領域に空き領域がないときには取り込まないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記取得乱数処理手段は、
    前記乱数記憶手段の前記各々の記憶領域に格納されている前記抽選用乱数を少なくとも2個取り出して乱数を合成する乱数合成手段を有し、
    前記遊技演出抽選は、
    前記乱数取り出し手段によって取り出された前記いずれかの抽選用乱数に代えて、
    前記乱数合成手段によって合成された乱数に基づいて行われるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 所定範囲の抽選用乱数に基づいて入賞の当否を判定する入賞抽選を行い、該入賞抽選の結果に応じて所定範囲の遊技演出用乱数に基づいて第1の遊技演出の演出内容を決定するための第1遊技演出抽選を行う遊技機において、
    前記抽選用乱数および前記第1遊技演出抽選の遊技演出用乱数を生成する乱数生成手段と、
    2以上の記憶領域を有し、該各々の記憶領域に前記抽選用乱数が順次取り込まれて格納される乱数記憶手段と、
    前記第1遊技演出抽選に加えて、前記第1の遊技演出の実行中または相前後して該第1の遊技演出の演出内容と異なる演出内容で行われる第2の遊技演出の演出内容を決定するための第2遊技演出抽選を行う遊技演出抽選手段と、
    前記第2遊技演出抽選が行われるときに、前記乱数記憶手段の前記各々の記憶領域に既に格納されているいずれかの抽選用乱数を取り出す乱数取り出し手段を有する取得乱数処理手段と、を備え、
    前記第2遊技演出抽選は、
    該第2遊技演出抽選の遊技演出用乱数として、前記乱数取り出し手段によって取り出された前記いずれかの抽選用乱数に基づいて行われるようにしたことを特徴とする遊技機。
  5. 前記取得乱数処理手段は、
    前記抽選用乱数を前記乱数記憶手段の各々の記憶領域に取り込む乱数格納手段を有し、
    該乱数格納手段は、
    前記乱数記憶手段の各々の記憶領域に空き領域があるときには前記抽選用乱数を取り込み、該各々の記憶領域に空き領域がないときには取り込まないようにしたことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
  6. 前記抽選用乱数に代えて、前記第1遊技演出抽選に用いた前記所定範囲の遊技演出用乱数を前記乱数記憶手段の各々の記憶領域に格納するようにしたことを特徴とする請求項4または5に記載の遊技機。
  7. 前記取得乱数処理手段は、
    前記乱数記憶手段の前記各々の記憶領域に格納されている乱数を少なくとも2個取り出して合成する乱数合成手段を有し、
    前記第2遊技演出抽選は、
    前記乱数取り出し手段によって取り出された前記いずれかの抽選用乱数または遊技演出用乱数に代えて、
    前記乱数合成手段によって合成された乱数に基づいて行われるようにしたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の遊技機。
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