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JP4573367B2 - 画像撮影装置 - Google Patents

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JP4573367B2
JP4573367B2 JP10648998A JP10648998A JP4573367B2 JP 4573367 B2 JP4573367 B2 JP 4573367B2 JP 10648998 A JP10648998 A JP 10648998A JP 10648998 A JP10648998 A JP 10648998A JP 4573367 B2 JP4573367 B2 JP 4573367B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、全画素読み出し方式の固体撮像素子を使用したモニタリング機能付きのデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ及び監視カメラなどに適用して好適な画像撮影装置に関する。
【0002】
詳しくは、被写体の全画素の画像情報をnライン毎に読み出すモニタリングモードから全画素の画像情報を読み出す全画素読み出しモードに切換えられたときに、被写体の明るさや色などの画像検出情報の信号レベルを1/nにして、全画素読み出しモード時にも、モニタリングモード時と制御条件が等価となる信号レベルの画像検出情報に基づいて撮像手段や画像処理手段の入出力を制御できるようにしたものである。
【0003】
【従来の技術】
近年、静止画像の編集記録が可能な画像処理分野ではデジタルスチルカメラが使用される場合が多くなってきた。この種のデジタルスチルカメラには全画素読み出し方式の固体撮像素子が使用され、被写体の静止画像の構図を決めるためにその動画像をモニタ表示するモニタリングモードと、その静止画像をフラッシュメモリなどに格納する全画素読み出しモードとが予め準備されている。
【0004】
通常はデジタルスチルカメラをモニタリングモードで使用し、静止画像をフラッシュメモリなどに格納するときには、全画素読み出しモードを実行するように取り扱われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、全画素読み出し方式の固体撮像素子を備えたデジタルスチルカメラによれば、モニタリングモードにおいて、1画面を構成する1フレームの画像情報のうち、nライン毎に読み出す画素と読み出さない画素とがある。また、固体撮像素子の出力を次段の画像処理回路に入力し、その画像処理回路で検出された検波値をそのまま固体撮像素子や画像処理回路の制御値として使用している。
【0006】
このため、モニタリングモードから全画素読み取りモードに切り換わった時点に、制御系は画像処理回路からn倍の検波値(以下画像検出情報ともいう)を得ることになり、n倍になった明るさ・色情報に基づいて固体撮像素子(以下撮像手段ともいう)や画像処理回路(以下画像処理手段ともいう)が制御されてしまうという問題がある。
【0007】
因みに、デジタルスチルカメラでモニタリングモードを使用しないで、全画素読み出しモードのみで、被写体の静止画像の構図を決めようとすると、1/30秒(通常1/60秒)毎に被写体の動画像が更新される。このために、その動画像がモニタ上でカクカク動いてしまい非常に見ずらくなる。
【0008】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、全画素読み出しモード時にも、モニタリングモード時と制御条件が等価となる信号レベルの画像検出情報に基づいて撮像手段や画像処理手段を制御できるようにした画像撮影装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題は、被写体からの光を入射して該被写体の全画素の画像情報を出力するためにNライン×M画素の光電変換素子を有した撮像手段と、この撮像手段から全画素の画像情報を読み出す全画素読み出しモード又は撮像手段から全画素の画像情報をnライン毎に読み出すモニタリングモードのいずれかを指示する操作手段と、撮像手段による画像情報から、少なくとも、被写体の明るさ及び色に関する画像情報である光学的な特徴量を検出して画像検出情報を出力する画像処理手段と、この画像処理手段による画像検出情報及び操作手段から出力されるモード指示情報に基づいて撮像手段の入出力を制御する制御手段とを備え、制御手段は、少なくとも、操作手段によってモニタリングモードから全画素読み出しモードに指示が切換えられたときに、画像処理手段による画像検出情報の信号レベルを1/nにし、その後、操作手段によって当該制御手段にシャッター指示が与えられた時点の被写体のある瞬間の動画像を静止画像としてメモリに取り込み、当該メモリに静止画データを記録した後に、撮像手段を全画素読み出しモードからモニタリングモードに復帰させるように制御する画像撮影装置によって解決される。
【0010】
本発明によれば、例えば、モニタリングモード時の被写体の明るさに関する画像検出情報の信号レベルをAとしたときに、モニタリングモードから全画素読み出しモードに切換えられたときに、そのままでは画像検出情報の信号レベルがn倍×Aとなるが、画像検出情報の信号レベルを1/nにするようになされたので、全画素読み出しモード時にも、モニタリングモード時と制御条件が等価となる信号レベルAの画像検出情報に基づいて撮像手段の絞りや画像処理手段のゲインなどをフィードバック制御することができる。従って、モニタリング機能を備えた全画素読み出し方式の画像撮影装置をデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ及び監視カメラなどに十分に応用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明に係る画像撮影装置の一実施の形態について、図面を参照しながら説明をする。
【0012】
図1は本実施の形態としての画像撮影装置100の構成例を示すブロック図である。本実施の形態では、被写体の全画素の画像情報をnライン毎に読み出すモニタリングモードから全画素の画像情報を読み出す全画素読み出しモードに切換えられたときに、少なくとも、被写体の明るさや色に関する画像検出情報の信号レベルを1/nにして、モニタリングモードと制御条件が等価となる信号レベルの画像検出情報に基づいて撮像手段の入出力を制御できるようにしたものである。
【0013】
この画像撮影装置100は図1に示す全画素読み出し方式の撮像手段(PS−CCD:Progressive Scan CCD Image Sensor)1を有している。この撮像手段1は絞り11、固体撮像素子ユニット12及びサンプルホールド&アナログデジタル変換回路(以下S/H&A/D変換回路という)13を有している。
【0014】
絞り(アイリス)11は被写体30からの光の量を調整するものであり、ガルバノメータ方式の絞り機構を有している。絞り11の前方には図示しないレンズ部が設けられ、その後方にもレンズ部が設けられ、被写体30からの光Lが結像される。絞り11の後方には固体撮像素子ユニット12が設けられ、絞り11により光量調整された被写体30による光Lを入射してその被写体30の全画素の画像情報として画像取得信号Sinが出力される。固体撮像素子ユニット12は、例えば、Nライン×M画素の光電変換素子(センサ)D11〜Dij(i=1〜N、j=1〜M)を有している。
【0015】
固体撮像素子ユニット12の出力段にはS/H&A/D変換回路13が接続され、画像取得信号Sinが図示しない容量などにホールドされる。この容量にホールドされた電圧がデジタル信号に変換された後に画像データDoutとなる。S/H&A/D変換回路13の出力段には画像処理手段2が接続され、画像データDoutから被写体30の光学的な特徴量を検出し、画像検出情報が出力される。この例で光学的な特徴量は少なくとも被写体30の明るさ及び色に関する画像情報である。画像処理手段2は明るさ検出回路14及び色検出回路15を有している。明るさ検出回路14では画像データDoutに基づいて被写体30の露光状態を示す輝度検波信号S1が検出される。色検出回路15では画像データDoutに基づいて被写体30の色の調整状態を示す例えばホワイトバランス検波信号S2が検出される。
【0016】
この画像処理手段2には制御手段3が接続されている。制御手段3には操作手段4が接続され、固体撮像素子ユニット12から全画素の画像データDoutを読み出す全画素読み出しモード又はそのユニット12から全画素の画像データDoutをnライン毎に読み出すモニタリングモードのいずれかを指示するように操作される。操作手段4はユーザによって操作される。この例では、操作手段4によって被写体30のある瞬間の動画像を静止画像として取り込むように制御手段3に指示が与えられる。この指示こそがシャッター信号S3であり、モニタリングモードを全画素読み出しモードに切換える信号でもある。
【0017】
制御手段3は画像処理手段2による輝度検波信号S1、ホワイトバランス検波信号S2及び操作手段4から出力されるシャッター信号S3に基づいて絞り11、固体撮像素子ユニット12、明るさ検出回路14及び色検出回路15の入出力が制御される。例えば、制御手段3は、少なくとも、操作手段4によってモニタリングモードから全画素読み出しモードに指示が切換えられたとき、すなわち、シャッターが押されたときに、画像処理手段2による輝度検波信号S1及びホワイトバランス検波信号S2の信号レベルを1/nにする。この信号レベルの1/nに関してはハードウエアでは割算回路などを使用する。ソフトウエアではプログラム上で信号レベルを1/nにする計算を実行する。
【0018】
また、この例では輝度検波信号S1と、予め設定された適切な露光量を校正した基準値とが制御手段3によって比較され、絞り11を自動露出するような制御が行われる。制御手段3の出力段には絞り駆動回路4が接続され、制御手段3からの絞り駆動制御信号S4に基づいて絞り11を通過する光量が調整される。更に、制御手段3の出力段にはタイミング発生回路5が接続され、制御手段3からの読み出し制御信号S5に基づいて電荷転送用の転送クロック信号などが生成される。明るさ検出回路14や色検出回路15は制御手段3からのゲイン調整信号S6に基づいて制御され、モニタリングモード及び全画素読み出しモードにおいて制御条件が等価になされる。
【0019】
この画像処理手段2の出力段(次段)には、図示しないメモリコントローラなどが接続され、このメモリコントローラにディスクなどの記録媒体(以下単にメモリともいう)が接続される。そして、操作手段4及び制御手段3によって取り込まれた静止画像に関する静止画データがメモリに記録される。
【0020】
次に、図2を参照しながら画像撮影装置100の動作を説明する。図2は、画像撮影装置100の動作例を示す制御フローチャートである。この例では固体撮像素子ユニット12から被写体30の画像情報を1フィールド毎に読み出して表示をするモニタリングモード、及び、被写体30の1フレームの画像情報を読み出して静止画像を記録する全画素読み出しモードが準備され、通常、画像撮影装置100がモニタリングモードを基準にして動作している。
【0021】
このモニタリングモードのときは、全画素の1/2の信号レベルの画像検出情報を使用している。従って、全画素読み出しモードではモニタリングモードの2倍の信号レベルの画像検出情報を得ることになる。この信号レベルによる制御を避けるために、モニタリングモードから全画素読み出しモードに切り換わったときに、画像検出情報の信号レベルを1/2にする。
【0022】
これを前提として、図2に示すフローチャートにおいて、まず、ステップP1で画像処理手段2から制御手段3へ画像検出情報が入力される。画像検出情報としては、明るさ検出回路14から制御手段3へ輝度検波信号S1が出力され、色検出回路15から制御手段3へホワイトバランス検波信号S2が出力される。
【0023】
その後、ステップP2で制御手段3によって全画素読み出しモードが指示されたかが判断される。全画素読み出しモードはユーザが操作手段4としてのシャッターボタンを押下するような操作によって指示される。従って、ユーザがシャッターボタンなどを押下すると、制御手段3はモニタリングモードから全画素読み出しモードへ切換えられたと判断する。この場合には、ステップP3に移行して画像処理手段2からの輝度検波信号S1やホワイトバランス検波信号S2などの検波値(信号レベル)を1/2にする。検波値の1/2に関しては割り算回路などを使用する。
【0024】
その後、ステップP4に移行して輝度検波信号S1やホワイトバランス検波信号S2などの検波値から、絞り駆動制御信号S4、読み出し制御信号S5及びゲイン調整信号S6などの制御値を算出した後に、ステップP5で制御手段3はこれらの制御値に基づいて絞り駆動回路4、タイミング発生回路5、画像処理手段2などが制御され、絞り11、固体撮像素子ユニット12、明るさ検出回路14及び色検出回路15が最適に調整される。
【0025】
なお、ステップP2でユーザによる指示が全画素読み出しモードではないと判断された場合、すなわち、通常のモニタリングモードを引き続き継続する場合には、ステップP4に移行してそのままの検波値に基づいて制御値が計算された後に、ステップP5でその制御値に基づいて絞り駆動回路4、タイミング発生回路5及び画像処理手段2などが制御され、絞り11、固体撮像素子ユニット12、明るさ検出回路14及び色検出回路15が最適に調整される。
【0026】
このように本実施の形態としての画像撮影装置100によれば、モニタリングモード時の被写体の明るさに関する画像検出情報の信号レベルをAとしたときに、ステップP2でモニタリングモードから全画素読み出しモードに切換えられた場合に、そのままでは画像検出情報の信号レベルが2倍×Aとなるが、画像検出情報の信号レベルを1/2にするようになされたので、全画素読み出しモード時にも、モニタリングモード時と等価な信号レベルAの画像検出情報に基づいて絞り11、固体撮像素子ユニット12、明るさ検出回路14及び色検出回路15をフィードバック制御することができる。これにより、モニタリング機能を備えた全画素読み出し方式の画像撮影装置100をデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ及び監視カメラなどに十分に応用できる。
【0027】
続いて、全画素読み出し方式の固体撮像素子ユニット12の構成例について説明する。この例では図示しない基板上にN×M個の光電変換素子D11〜Dij(i=1〜N、j=1〜M)がマトリクス状に配列されている。
【0028】
この固体撮像素子ユニット12では、例えば、水平方向にM個の光電変換素子D11〜D1Mが配列され、その垂直方向に光電変換素子列がNライン配列されている。垂直方向に並んだ光電変換素子D11〜DN1の右側には垂直転送用のレジスタR1が配置され、光電変換素子D12〜DN2の右側には垂直転送用のレジスタR2が配置され、同様に光電変換素子D1M〜DNMの右側には垂直転送用のレジスタRMが配置されている。各々のレジスタR1〜RMには垂直方向に電荷を転送するための転送クロック信号ΦVが供給される。
【0029】
また、各々のレジスタR1〜RMの最終段には水平転送用のレジスタ7が接続され、垂直方向に転送されてきた電荷が転送クロック信号ΦHに基づいてシリアルに水平方向に読み出される。水平転送用のレジスタ7の出力段には電荷検出部8が接続され、電荷読み出しパルス信号XSGに基づいて画像取得信号Sinが出力される。電荷検出部8の出力段にはアンプ9が接続され、画像取得信号Sinが増幅されて出力される。
【0030】
このレジスタ7及び電荷検出部8にはタイミング発生回路5が接続され、制御手段3からの読み出し制御信号S5に基づいて発生した転送クロック信号ΦV、ΦH及び電荷読み出しパルス信号XSGが出力される。
【0031】
ここで固体撮像素子ユニット12による読み出し画素の奇数ラインをO1〜O(N/2)とし、偶数ラインをE1〜E(N/2)とすると、モニタリングモード時には、フィールド読み出しを実行するので、フィールド単位に垂直転送用のレジスタR1〜RMから水平転送用のレジスタ7へ電荷が転送され、1ライン分の画像情報は奇数ラインと偶数ラインとの和により生成される。つまり、1/30秒間の奇数フィールド期間に(O1+E1)、(O2+E2)、(O3+E3)・・・・、続く1/30秒間の偶数フィールド期間に(E1+O2)、(E2+O3)、(E3+O4)・・・・というように画像情報が読み出される。
【0032】
一方、全画素読み出しモードではフレーム読み出しを実行するので、奇数列の各光電変換素子D11〜DN1からの電荷は1フレームに1回の割合で垂直転送用のレジスタR1へ読み出され、同様に、光電変換素子D21〜DN2からの電荷は1フレームに1回の割合で垂直転送用のレジスタR2へ読み出される。つまり、奇数フィールド期間ではO1、O2、O3・・・・というように奇数ラインのみの画像情報が読み出され、続く偶数フィールド期間ではE1、E2、E3・・・・というように偶数ラインの画像情報が読み出される。
【0033】
続いて、本実施の形態としての画像撮影装置100を応用したデジタルスチルカメラ200について説明する。図4はデジタルスチルカメラ200の構成例を示すブロック図である。
【0034】
このデジタルスチルカメラ200は図3に示すフォーカス部及び絞り11を備えたレンズ部21を有している。レンズ部21の後段には電子シャッターを有した固体撮像素子ユニット12としてのCCD22が設けられる。CCD22の出力段にはS/H&A/D変換回路13が接続され、CCD22による画像取得信号Sinが図示しない容量などにホールドされる。この容量にホールドされた電圧がデジタル信号に変換された後に画像データDoutとなる。
【0035】
このS/H&A/D変換回路13の出力段には自動焦点検出部(Auto Focus;以下AF検出部という)24、自動露出検出部(Auto Expose;以下AE検出部という)25、自動ホワイトバランス検出部(Auto White Barance;以下AWB検出部という)26及びRGBゲイン補正部27が接続される。AF検出部24では画像データDoutに基づいて焦点検出信号S0が生成される。AE検出部25では画像データDoutに基づいて輝度検波信号S1が生成される。AWB検出部26では画像データDoutに基づいてホワイトバランス検波信号S2が生成される。
【0036】
AF検出部24、AE検出部25及びAWB検出部26の出力段には制御手段3としての1チップマイクロコンピュータ(以下単に制御マイコンという)45が接続され、カメラ全体の制御が行われる。例えば、画像データDoutと予め設定された適切な露光量を校正した基準値とが比較され、レンズ部21の絞りを自動露出する制御を行ったり、全画素読み出しモードからモニタリングモードへの復帰処理などが実行される。
【0037】
その他に、制御マイコン45は焦点検出信号S0からフォーカス制御信号S9を作成し、輝度検波信号S1から絞り駆動制御信号S4と読み出し制御信号S5とを作成し、ホワイトバランス検波信号S2からRGBゲイン補正制御信号S7を作成する。このRGBゲイン補正制御信号S7はRGBゲイン補正部27に出力され、この信号S7に基づいて画像の色温度の補正が行われる。
【0038】
RGBゲイン補正部27の出力段にはメモリコンロトーラ28が接続され、画像データDoutの記録または格納制御やその画像データDoutに基づいた動画像及び静止画像の表示制御が行われる。メモリコンロトーラ28の出力段には表示用のバッファメモリ29が接続され、補正後の画像データDoutが格納されると共に、その画像データDoutが液晶ディスプレイ(以下LCDという)41に表示するためラスタスキャンデータとして読み出される。バッファメモリ29の出力段にはデジタル・アナログ変換回路(以下D/A変換回路という)40が接続され、ラスタスキャンデータがアナログ画像信号S11に変換された後に、そのアナログ画像信号S11がLCD41に出力され、動画像や静止画像が表示される。
【0039】
上述した制御マイコン45の入力段には操作手段4としてシャッターボタン(スイッチ)43が接続され、これが押されると制御マイコン45にシャッター信号S3が出力される。制御マイコン45はこのシャッター信号S3から静止画像の記録が指示されたことが認識される。
【0040】
また、メモリコントローラ28にはデータ圧縮/伸張回路42が接続され、画像データDoutが圧縮/伸張される。データ圧縮/伸長回路42にはフラッシュ記録ブロックメモリ(以下単にフラッシュメモリという)44が接続され、シャッターボタン43が押されたときに、静止画像が格納される。
【0041】
続いて、デジタルスチルカメラ200の動作について説明する。図5はその制御例を示すフローチャートである。この例では、制御マイコン45にシャッターボタン43が接続され、通常はモニタリングモードによって、被写体30の動画像がLCD41にモニタ出力される。また、ユーザがシャッターボタン43を押下すると、その時点の静止画像がLCD41にモニタ出力されると共に、その静止画像がフラシュメモリ44に格納されることを前提とする。
【0042】
まず、ステップQ1で制御マイコン45はユーザからの撮影要求を待つ。その撮影要求があった場合には、ステップQ2に移行してモニタリングモードに係る画像取得処理を実行する。ここでは、例えば、TV信号の1フィールド時間で露光量が一定になるようにレンズ部21の絞り11に対して安定な速度フィードバックループ制御が実行される。この結果で、レンズ部21を通して受光された画像はCCD22によって電気信号に変換される。
【0043】
このモニタリングモードではフィールド読み出しを実行するので、フィールド単位に図3に示した垂直転送用のレジスタR1〜RMから水平転送用のレジスタ7へ電荷が転送され、1ライン分の画像情報は奇数ラインと偶数ラインとの和により生成される。つまり、1/30秒間の奇数フィールド期間に(O1+E1)、(O2+E2)、(O3+E3)・・・・、続く1/30秒間の偶数フィールド期間に(E1+O2)、(E2+O3)、(E3+O4)・・・・というように画像情報が読み出される。その後、画像情報はS/H&A/D変換回路13によって、デジタル化された後に画像データDoutとなる。
【0044】
そして、ステップQ3で制御マイコン45はS/H&A/D変換回路13による画像データDoutに基づいて画像処理を実行する。この画像データDoutはAF検出部24、AE検出部25、AWB検出部26によって信号処理された後に、焦点検出信号S0、輝度検波信号S1及びホワイトバランス検波信号S2となる。これらの信号S0〜S2を入力した制御マイコン45では焦点検出信号S0からフォーカス制御信号S9が作成され、輝度検波信号S1から絞り駆動制御信号S4と読み出し制御信号S5とが作成され、ホワイトバランス検波信号S2からRGBゲイン補正制御信号S7が作成される。この制御信号S4はレンズ部21に出力され、制御信号S5はCCD22に出力される。
【0045】
その後、ステップQ4で制御マイコン45は動画像をLCD41にモニタ出力する。この際にRGBゲイン補正制御信号S7はRGBゲイン補正部27に出力される。RGBゲイン補正部27では、この信号S7に基づいて画像の色温度の補正が行われる。RGBゲイン補正部27で補正された画像データDoutは、メインコントローラ28によってバッファメモリ29に格納される。バッファメモリ29ではLCD41に合わせたラスタスキャンデータに変換され、このラスタスキャンデータがD/A変換回路40によってアナログ画像信号S11に変換される。このアナログ画像信号S11に基づいてLCD41に動画像が表示される。
【0046】
その後、ステップQ5で制御マイコン45はユーザから撮影終了命令として電源がオフされたかを判断する。この例ではモニタリングモードにおいて、シャッターボタン43が押されることを前提としているので、ステップQ6に移行する。
【0047】
このステップQ6では制御マイコン45がユーザによって、モニタリングモードから全画素読み出しモードに切り換るためのシャッターボタン43が押されたかを検出する。このときに、シャッターボタン43が押されると、制御マイコンによってシャッター信号S3が検出される。これと共に、制御マイコン45からメモリコントローラ28に取り込み命令信号S8が出力される。ある程度の時間を待ってシャッターボタン43が押されていない場合にはステップQ2に戻る。
【0048】
シャッターボタン43が押された場合には、ステップQ7に移行して全画素読み出しモードに係る画像取得処理を実行する。この全画素読み出しモードではフレーム読み出しを実行するので、各光電変換素子からの電荷は1フレームに1回の割合で図3に示した垂直転送用のレジスタR1〜RMへ読み出される。つまり、奇数フィールド期間ではO1、O2、O3・・・・というように奇数ラインのみの画像情報が読み出され、続く偶数フィールド期間ではE1、E2、E3・・・・というように偶数ラインの画像情報が読み出される。その後、画像情報はS/H&A/D変換回路13によって、デジタル化された後に画像データDoutとなる。
【0049】
そして、ステップQ8で制御マイコン45はS/H&A/D変換回路13による画像データDoutに基づいて画像処理を実行する。この際に画像データDoutに基づいてAF検出部24、AE検出部25、AWB検出部26によって信号処理された後の焦点検出信号S0、輝度検波信号S1及びホワイトバランス検波信号S2に1/2が演算される。ここで1/2を演算した信号S0〜S2を入力した制御マイコン45では焦点検出信号S0からフォーカス制御信号S9が作成され、輝度検波信号S1から絞り駆動制御信号S4と読み出し制御信号S5とが作成され、ホワイトバランス検波信号S2からRGBゲイン補正制御信号S7が作成される。これらの制御信号S4はレンズ部21に出力され、制御信号S5はCCD22に出力される。
【0050】
その後、ステップQ9でメモリコントローラ28では、静止画記録のためのシャッターボタン43が押下されたとき、RGBゲイン補正部27による画像データDoutをデータ圧縮/伸長回路42に転送する。このデータ圧縮/伸長回路42で圧縮された画像データDoutがフレーム静止画としてフラッシュメモリ44に格納される。
【0051】
その後、ステップQ10で制御マイコン45は全画素読み出しモードをモニタリングモードに復帰させた後に、ステップQ2に戻ってモニタリングモードに係る画像取得処理を継続する。以下、ユーザの指示に従って制御マイコン45はステップQ3〜ステップQ10の処理を繰り返す。なお、ステップQ5で電源がオフされた場合には画像撮影制御を終了する。
【0052】
このように本実施の形態としての画像撮影装置100を応用したデジタルスチルカメラ200によれば、モニタリングモード時の被写体の明るさに関する画像検出情報の信号レベルをAとしたときに、ステップQ2でモニタリングモードから全画素読み出しモードに切換えられた場合に、そのままでは画像検出情報の信号レベルが2倍×Aとなるが、画像検出情報の信号レベルを1/2にするようになされたので、全画素読み出しモード時にも、モニタリングモード時と制御条件が等価となる信号レベルの画像検出情報に基づいてレンズ部21、CCD22、AF検出部24、AE検出部25、AWB検出部26及びRGBゲイン補正回路27などをフィードバック制御することができる。これにより、モニタリング機能を備えた全画素読み出し方式のデジタルスチルカメラ200を提供できる。
【0053】
また、制御マイコン45は全画素読み出しモード及びモニタリングモードを通して計算上の検波値をモード相違を意識せずに画像処理を行なうことができる。これにより、ソフトウエアのアルゴリスムがシンプルになり、デジタルスチルカメラ200の信頼性の向上と処理時間の短縮とを図ること、及び、そのデバッグを容易にすることができる。
【0054】
更に、本発明の画像処理を実行することで、LCD41を見ながら静止画像の構図を決めるときも、被写体30の動画像がカクカク動くことなく、被写体30の動きがごく自然で、IT(インターライントラアンスファー)型のビデオカメラと同様に滑らかな動きで被写体30の動画像をモニタリングすることが可能となる。従って、静止画像を記録するときの被写体30の構図を容易に決定することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の画像撮影装置によれば、被写体の全画素の画像情報をnライン毎に読み出すモニタリングモードから全画素の画像情報を読み出す全画素読み出しモードに切換えられたときに、少なくとも、被写体の明るさや色などの画像検出情報を1/nするようにし、その後、操作手段によって当該制御手段にシャッター指示が与えられた時点の被写体のある瞬間の動画像を静止画像としてメモリに取り込み、当該メモリに静止画データを記録した後に、撮像手段を全画素読み出しモードからモニタリングモードに復帰させるように制御するものである。
【0056】
この構成によって、全画素読み出しモード時でもモニタリングモード時と等価な検出レベルの画像検出情報に基づいて撮像手段の入出力を制御することができる。従って、モニタリング機能を備えた全画素読み出し方式の画像撮影装置をデジタルスチルカメラなどに十分に応用できる。
【0057】
この発明は全画素読み出し方式の固体撮像素子を使用したモニタリング機能付きのデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ及び監視カメラなどに適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態としての画像撮影装置100の構成例を示すブロックである。
【図2】画像撮影装置100の動作例を示す制御フローチャートである。
【図3】全画素読み出し方式の固体撮像素子ユニット12の構成例を示すブロック図である。
【図4】画像撮影装置100を応用したデジタルスチルカメラ200の構成例を示すブロック図である。
【図5】デジタルスチルカメラ200の動作例を示す制御フローチャートである。
【符号の説明】
1・・・撮像手段、2・・・画像処理手段、3・・・制御手段、4・・・操作手段、11・・・絞り、12・・・固体撮像素子ユニット、13・・サンプルホールド&アナログ・デジタル変換回路、14・・・明るさ検出回路、15・・・色検出回路、21・・・レンズ部、22・・・CCD、24・・・AF検出部、25・・・AE検出部、26・・・AWB検出部、27・・・RGBゲイン補正回路、28・・・メモリコントローラ、29・・・バッファメモリ、40・・・D/A変換回路、41・・・LCD、42・・・データ圧縮/伸張回路、43・・・シャッターボタン、44・・・フラッシュメモリ、45・・・制御マイコン

Claims (1)

  1. 被写体からの光を入射して該被写体の全画素の画像情報を出力するためにNライン×M画素の光電変換素子を有した撮像手段と、
    前記撮像手段から全画素の画像情報を読み出す全画素読み出しモード又は前記撮像手段から全画素の画像情報をnライン毎に読み出すモニタリングモードのいずれかを指示する操作手段と、
    前記撮像手段による画像情報から、少なくとも、前記被写体の明るさ及び色に関する画像情報である光学的な特徴量を検出して画像検出情報を出力する画像処理手段と、
    前記画像処理手段による画像検出情報及び前記操作手段から出力されるモード指示情報に基づいて前記撮像手段の入出力を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    少なくとも、前記操作手段によって前記モニタリングモードから全画素読み出しモードに指示が切換えられたときに、
    前記画像処理手段による画像検出情報の信号レベルを1/nにし、
    その後、前記操作手段によって当該制御手段にシャッター指示が与えられた時点の被写体のある瞬間の動画像を静止画像としてメモリに取り込み
    前記メモリに静止画データを記録した後に、前記撮像手段を全画素読み出しモードからモニタリングモードに復帰させるように制御することを特徴とする画像撮影装置。
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