JP4564201B2 - Icカード用コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、外部記憶装置として使用されるICカード、特にSDカードと称されるICカード用のコネクタに関し、その低背化を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、薄形ノートパソコン等のモバイル機器、デジタルカメラ等の情報家電機器、MP3プレーヤ等のAV機器、携帯電話、PDA等の情報端末機器の外部記憶装置として、着脱自在なICカードを使用したものがある。
【0003】
特に、このようなICカードとして、SDカード(SD Card Assosiation 規格基準のICカード)はその厚さが薄く、また小型であるばかりでなく、記憶容量も比較的大きいことから薄形のパソコン、デジタルカメラ、携帯電話等の薄形でしかも小型の電子機器の外部記憶装置として多用される傾向にある。
【0004】
図6は上述した従来のICカードとしてSDカード1(以下単にカードと言う)を使用したICカード用コネクタ2(以下単にコネクタと言う)の要部破断概念斜視図である。
【0005】
このコネクタ2は、正面にカード1を着脱自在に嵌挿させるカード嵌挿孔3aが形成され、また上面と下面にそれぞれカバー部3bと底部3cとが形成された平面略矩形状のボックスからなるハウジング3から構成され、また、その内部後端3dには複数本の接続端子4が所定のピッチで植設されている。
【0006】
なお、このハウジング3はプラスチック等の合成樹脂により一体形成されており、またその機械的強度を確保するため、上述したカバー部3aと底部3bが形成されている。
【0007】
このような、コネクタ2によると、カード1を図6で示す位置から矢印Aに示すようにカード嵌挿孔3a内に嵌挿させると、当該カード1は、コネクタ2の一対の側壁3e、3fに沿ってその内部へ案内され、その後、図7で示すように、カード1先端に所定のピッチで配設された電極パッド1a(図6)と対応するコネクタ2の各接続端子4とがそれぞれ摺接して接触し、これによりカード1のメモリー領域に電気的に接続しアクセスすることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したカード1のコネクタ2は、薄形でしかも小型の電子機器の内部の印刷配線基板等に配設されるが、近年では、この電子機器の薄型化がミリ単位で一層強くもとめられており、これに応じて、コネクタ2の低背化もいっそう強く求められているのが現状である。
【0009】
しかしながら、従来の合成樹脂で一体形成されたコネクタ2は図7のBB概念拡大断面図で示す図8のように、その必要な機械的強度を確保するため、上面と下面にそれぞれ厚みがある合成樹脂のカバー部3bと底部3cとを一体形成しなければならず、そのため高さH1が比較的高くなり、その低背化が困難である難点があった。
【0010】
なお、これを解消するため、図8と同一部分を同一符号で示す図9のように、カバー部3bを機械的強度が高くしかも薄い板材である断面コの字形状の金属シェル5で置き換え、これによりその高H2を低く(H2<H1)することも考えられるが、その根本的な解決には至らない難点がある。
【0011】
なお図8、9で符号6はコネクタ2が搭載された印刷配線基板である。
【0012】
この発明は上述した事情に鑑み、機械的強度を低下させることなく可及的に低背化を図ったICカード用コネクタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、この発明では、ICカードを着脱自在に装着するICカード用コネクタにおいて、平面略コの字形状のハウジングと、該コの字形状ハウジングを嵌着する凹部が周縁に沿って形成された断面略コの字形状の金属シェルとを具え、前記コの字形状のハウジングは、合成樹脂で一体形成され、互いに対向する一対のアーム部と、この各アーム部の終端間を連結する連結部からなり、前記金属シェルは、前記ハウジングの一方のアーム部を嵌着支承する第1の凹部と、前記ハウジングの前記連結部を嵌着支承する第2の凹部と、前記ハウジングの他方のアーム部を嵌着支承する第3の凹部とからなり、前記金属シェルの前記第1の凹部と第3の凹部の各外側壁には、前記ICカードをスライド自在に案内するガイド溝が形成されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に関わるICカード用コネクタの一実施例を詳述する。
【0015】
図1は、この発明に関わるICカード用コネクタ10(以下単にコネクタと言う)の組み立て分解斜視図である。
【0016】
このコネクタ10は大別して、平面略コの字形状のハウジング11と、断面略コの字形状の金属シェル12とから構成されている。
【0017】
このうち、コの字形状のハウジング11はプラスチック等の合成樹脂で一体形成され、互いに対向する一対のアーム部11a、11bと、この各アーム部11a、11bの終端間を連結する連結部11cとにより構成されている。
【0018】
このうち、連結部11cには所定のピッチで後述する接続端子を植設する複数の孔11dが形成されている。
【0019】
また一対のアーム部11a、11bのうち、一方のアーム部11aには、後述するSDカードの抜けを防止するロック手段13のスライダー14がスライド自在に装着される凹部11eが形成されている。
【0020】
なお、上述したコの字形状のハウジング11の板厚Sは後述するSDカードの板厚と略同一に設定されている。
【0021】
一方、薄板の金属板を加工して形成されたした金属シェル12は、全体として断面が略コの字形状に形成されており、またその周縁には、スライダー14を含むハウジング11の一方のアーム部11aを嵌着支承する第1の凹部12aと、連結部11cを嵌着支承する第2の凹部12bと、他方のアーム部11bを嵌着支承する第3の凹部12cとが形成されている。なおこれらの各凹部12a、12b、12cはそれぞれ断面が略コの字形状に形成されている。
【0022】
なお、金属シェル12の底板12dには、一対の孔12e、12eが形成され、その内部側方にはそれぞれ弾性舌片12fが一体形成されている。
【0023】
なお、この弾性舌片12fは、後述するSDカードが第1の凹部12aと第3の凹部12cの各外側壁に形成されたガイド溝12g、12h内を案内されて嵌挿する際に、当該SDカードの側方をガイド溝12g、12hの上縁に押し付けるものである。
【0024】
また金属シェル12の第2の凹部12bには、ハウジング11の連結部11cに植設される後述する接続端子を露出させるための接続端子露出用スリット12iが所定のピッチで複数個形成されている。
【0025】
このような、コネクタ10を組み立てるは、まず矢印Cで示すように、ハウジング11の一方のアーム部11aに形成された凹部11e内にロック手段13のスライダー14を装着し、その後、矢印Dで示すように、金属シェル12の第1の凹部12aを対向するハウジング11の一方のアーム部11aに、また金属シェル12の第2の凹部12bをハウジング11の連結部11cに、またまた金属シェル12の第3の凹部12cをハウジング11の他方のアーム部11bに嵌着支承させる。
【0026】
すると、図2の概念斜視図で示すように、平面略コの字形状のハウジング11に、断面略コの字形状の金属シェル12が嵌着支承される。
【0027】
その後、連結部11cに形成された孔11d内にそれぞれ接続端子13を植設して完成させる。
【0028】
一方、SDカード1をコネクタ10に装着するには、図2の矢印Eで示すように、SDカード1の両側方に形成された段部1b、1cを金属シェル12のガイド溝12g、12h内に嵌挿させる。
【0029】
すると、SDカード1はガイド溝12g、12hに沿って、コネクタ10の内部に案内され、その後、図3で示すように、カード1先端に所定のピッチで配設された電極パッド1aと対応するコネクタ10の各接続端子13とがそれぞれ摺接して接触し、これによりカード1のメモリー領域に電気的に接続しアクセスすることとなる。
【0030】
一方、このコネクタ10では、図3のFF概念拡大断面図で示す図4のように、その底部が機械的強度が高く、しかも薄板で形成された金属シェル12の底部12dで覆われているのみであり、かつSDカード1の上面を覆うカバー部も無い構造であるため、その高さH3は、従来のものと比較して小さく(H3<H2<H1)設定することができる。
【0031】
また、金属シェル12はその周縁に断面係数が大きい断面コの字形状の第1の凹部12a、第2の凹部12b、第3の凹部12cを形成し(図1)、その内部にハウジング11の各アーム部11a、11bと連結部11cとを嵌着支承させる構造であるから、全体としてもその機械的強度が高い構造となる。
【0032】
なお、上記実施例ではICカードとして、SDカード1を使用する場合について詳述したが、この発明のコネクタは上記実施例に限定されることなく、板状のICカードを取り扱うコネクタであれば、いかなるタイプのICカードのコネクタにも適用できることは言うまでもない。
【0033】
また上記実施例では、コの字形状のハウジング11の板厚を略SDカード1の板厚と略同一に設定したが、この発明は上記実施例限定されることなく、コの字形状のハウジング11の板厚を略SDカード1の板厚よりもさらに薄く設定し、さらに金属シェル12の各凹部12a、12b、12cの高さをSDカード1の板厚よりも小さく設定することも可能で、この場合は、図5で示すように、コネクタ10の高さH3´をSDカード1の板厚よりも小さく設定することも可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明では、ICカード用コネクタを、ICカードの板厚と略同一の板厚を有する平面略コの字形状のハウジングと、周縁に沿って前記コの字形状ハウジングを覆う凹部が形成された断面略コの字形状の金属シェルとにより構成し、前記コの字形状のハウジングは、合成樹脂で一体形成され、互いに対向する一対のアーム部と、この各アーム部の終端間を連結する連結部からなり、前記金属シェルは、前記ハウジングの一方のアーム部を嵌着支承する第1の凹部と、前記ハウジングの前記連結部を嵌着支承する第2の凹部と、前記ハウジングの他方のアーム部を嵌着支承する第3の凹部とからなり、前記金属シェルの前記第1の凹部と第3の凹部の各外側壁には、前記ICカードをスライド自在に案内するガイド溝が形成されていることを特徴としたから、コネクタ全体としての機械的強度を確保しつつも、その高さを可及的に低く設定することができ、このため薄型化がミリ単位で一層強くもとめられる電子機器の一層の薄型化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に係わるICカード用コネクタの概念組立分解斜視図。
【図2】図2はこの発明に係わるICカード用コネクタの作用を示す概念斜視図。
【図3】図3はこの発明に係わるICカード用コネクタの作用を示す概念斜視図。
【図4】図4は図3のFF概念断面図。
【図5】図5は他の実施例を示す概念断面図。
【図6】図6は従来のICカード用コネクタの概念斜視図、
【図7】図7は従来のICカード用コネクタの概念斜視図、
【図8】図8は図7のBB概念断面図。
【図9】図9は従来のICカード用コネクタの概念断面図である。
【符号の説明】
1…ICカード
10…ICカード用コネクタ
11…ハウジング
11a、11b…アーム部
11c…連結部
12…金属シェル
12a、12b、12c…凹部
12g、12h…ガイド溝
12i…接続端子露出用スリット
Claims (5)
- ICカードを着脱自在に装着するICカード用コネクタにおいて、
平面略コの字形状のハウジングと、
該コの字形状ハウジングを嵌着する凹部が周縁に沿って形成された断面略コの字形状の金属シェルと
を具え、
前記コの字形状のハウジングは、合成樹脂で一体形成され、互いに対向する一対のアーム部と、この各アーム部の終端間を連結する連結部からなり、
前記金属シェルは、前記ハウジングの一方のアーム部を嵌着支承する第1の凹部と、前記ハウジングの前記連結部を嵌着支承する第2の凹部と、前記ハウジングの他方のアーム部を嵌着支承する第3の凹部とからなり、
前記金属シェルの前記第1の凹部と第3の凹部の各外側壁には、前記ICカードをスライド自在に案内するガイド溝が形成されていることを特徴とするICカード用コネクタ。 - 前記ハウジングと前記金属シェルの高さは前記ICカードの板厚と略同一に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のICカード用コネクタ。
- 前記ハウジングと前記金属シェルの高さは前記ICカードの板厚よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のICカード用コネクタ。
- 前記第2の凹部には、接続端子露出用スリットが所定のピッチで複数個形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの1つの請求項に記載のICカード用コネクタ。
- 前記ICカードはSDカードであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの1つの請求項に記載のICカード用コネクタ。
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