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JP4561218B2 - 光硬化性フルオレン誘導体およびそれらを含む組成物 - Google Patents

光硬化性フルオレン誘導体およびそれらを含む組成物 Download PDF

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JP4561218B2 JP2004216929A JP2004216929A JP4561218B2 JP 4561218 B2 JP4561218 B2 JP 4561218B2 JP 2004216929 A JP2004216929 A JP 2004216929A JP 2004216929 A JP2004216929 A JP 2004216929A JP 4561218 B2 JP4561218 B2 JP 4561218B2
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Description

本発明は、2つのエポキシ基またはオキセタン基を重合性官能基として有し、骨格構造にフルオレン環を有する液晶性化合物、この化合物を含有する組成物、その重合体およびこれらの用途に関する。
ネマチック状態で配向させた重合性液晶化合物を重合させると、配向状態が固定化されて光学異方性を有する成形体が得られる。光学異方性を有する成形体は、液晶表示素子の光学補償膜として活用される。重合性の液晶化合物としてはアクリル基を重合性基とした化合物が用いられている。
光学補償膜を製造するには、まず、配向処理を施したトリアセチルセルロース(以後TACと略す)などの基板に適当な光重合開始剤を添加した重合性液晶組成物を塗布する。つぎに紫外線などの電子線を照射して重合を行い、液晶の配向を固定化した光学異方性フィルムを得る(特許文献1および特許文献2)。
特開2001−55573号公報 特開2001−154019号公報
紫外線の照射工程では以下の3つの条件を満たすことが望まれている。
特別な加熱装置を必要としない室温での硬化。
窒素などによる不活性ガスの置換を必要としない空気中での硬化。
数秒の紫外線照射時間での硬化。
上記した製造方法により、従来のアクリル系重合性液晶材料を用いて光学異方性フィルムを製造した場合、以下の2つの問題がある。
空気中で紫外線硬化させると、空気中の酸素により硬化阻害がおこり、硬化フィルムが得られない。
フィルムの基板であるTACに対する接着力が弱いので硬化した光学異方性フィルムがTACから剥離してしまう。
これらの諸問題を解決できる重合性液晶化合物および組成物が待望されている。
本発明者は、前記の問題を根本的に解決するべく鋭意検討した結果、本発明の化合物またはそれを含む組成物は、空気中で優れた重合性を示し、短時間の光照射で容易に重合度の高い重合物を与える。また、本発明の化合物またはそれを含む組成物を配向させ硬化したフィルムはTACとの密着性に優れていること見い出し本発明を完成した。本発明は下記の[1]〜[39]項より構成される。
[1]式(1)で表される化合物。

Figure 0004561218
ここで、RおよびRは独立して、水素または炭素数1〜5のアルキルであり;RおよびRは独立して、水素、フッ素、塩素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;YおよびYは独立して、炭素数1〜15のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−または−CO−で置き換えられてもよく;AおよびAは独立して、1,4−シクロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲン、メチル若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり;XおよびXは独立して、単結合、−O−、−S−、−COO−または−OCO−であり;XおよびXは独立して、−COO−、−OCO−、−CHCH−または−C≡C−であり;mおよびnは独立して、1または0である。
[2]式(1)において、RおよびRは独立して、水素、メチルまたはエチルであり;RおよびRは独立して、水素、フッ素、塩素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH−は−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、さらにこのアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;YおよびYは独立して、炭素数1〜12のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−または−CO−で置き換えられてもよく;AおよびAは独立して、1,4−シクロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、基中の1つの水素がフッ素、塩素、メチル若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、基中の2つの水素がフッ素若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり;XおよびXは独立して、単結合および−O−であり;XおよびXは独立して、−COO−、−OCO−または−C≡C−であり;mおよびnは独立して、1または0で表される項1に記載の化合物。
[3]式(1)において、RおよびRは独立して、水素、メチルまたはエチルであり;RおよびRは独立して、水素、フッ素、塩素または炭素数1〜10のアルキルであり;YおよびYは独立して、炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は−O−、−COO−若しくは−OCO−で置き換えられてもよく;AおよびAは独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、基中の1つの水素がフッ素、塩素、メチル若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレンまたは基中の2つの水素がフッ素若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレンであり;XおよびXは独立して、単結合および−O−であり;XおよびXは独立して、−COO−、−OCO−または−C≡C−であり;mおよびnは独立して、1または0で表される項1に記載の化合物。
[4]式(1)において、RおよびRは独立して、水素、メチルまたはエチルであり;RおよびRは独立して、水素、フッ素または炭素数1〜5のアルキルであり;YおよびYは独立して、炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく;AおよびAは独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレンまたは基中の1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた1,4−フェニレンであり;XおよびXは独立して、単結合および−O−であり;XおよびXは独立して、−COO−または−OCO−であり;mおよびnは独立して、1または0で表される項1に記載の化合物。
[5]YおよびYは独立して、炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレン中のXまたはXに接続する−CH−以外の任意の1個の−CH−は−O−で置き換えられてもよい項4に記載の化合物。
[6]式(1)において、m=n=0である項1〜5の何れか1項に記載の化合物
[7]式(1)において、m=n=1である項1〜5の何れか1項に記載の化合物
[8]式(1)において、m=0、n=1である項1〜5の何れか1項に記載の化合物。
[9]式(1)において、XおよびXは−O−であり、Xは−COO−であり、Xは−OCO−であり、m=n=0である項1〜5の何れか1項に記載の化合物。
[10]式(1)において、XおよびXは−O−であり、Xは−COO−であり、Xは−OCO−であり、m=n=1である項1〜5の何れか1項に記載の化合物。
[11]式(1)において、XおよびXは−O−であり、Xは−COO−であり、Xは−OCO−であり、m=1、n=0である項1〜5の何れか1項に記載の化合物。
[12]以下の化学式で示される何れかの化合物。

Figure 0004561218



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Figure 0004561218

Figure 0004561218

Figure 0004561218

Figure 0004561218

Figure 0004561218
[13]少なくとも2つの化合物を含有し、そのうち少なくとも1つの化合物が項1〜12の何れか1項に記載の化合物である液晶組成物。
[14]液晶組成物において、化合物の全てが重合性化合物である項13に記載の液晶組成物。
[15]液晶組成物において、少なくとも1つの化合物が項1に記載の化合物であり、他の少なくとも1つの化合物が項1に記載の化合物とは異なる重合性化合物である項13に記載の液晶組成物。
[16]液晶組成物において、化合物の全てが項1に記載の化合物である項13に記載の液晶組成物。
[17]項1〜12の何れか1項に記載の化合物の少なくとも1つと、式(M1)〜式(M8)で表される化合物から選択された少なくとも1つの重合性化合物とを含有する項13に記載の液晶組成物。


































Figure 0004561218
ここで、Rは独立して、水素、フッ素、塩素、−CNまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−または−CO−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;Rは独立して、水素または炭素数1〜5のアルキルであり;A、AおよびAは独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルまたはフルオレン−2,7−ジイルであり;Bは独立して、単結合、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲン、メチル若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイルまたはビフェニル−4,4’−ジイルであり;Bは独立して、単結合、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲン、メチル若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、ビフェニル−4,4’−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイルまたは9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルであり;ZおよびZは独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CHCH−または−C≡C−であり;XおよびXは独立して、単結合または−O−であり;qは独立して、1または0であり;o、pおよびrは独立して、0〜20の整数である。
[18]Rは独立して、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシまたは−CNであり;A、A及びAは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたは1若しくは2個の水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンであり;Bは独立して、単結合、1,4−フェニレンまたは1若しくは2個の水素がフッ素、メチル若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレンであり;Bは独立して、単結合、1,4−フェニレン、1若しくは2個の水素がフッ素、メチル若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレンまたは9−メチルフロオレン−2,7−ジイルであり;Z及びZは独立して、単結合、−COO−または−OCO−であり;o、p及びrは独立して、0〜10の整数である項17に記載の液晶組成物。
[19]項1〜12の何れか1項に記載の化合物の少なくとも1つと、式(M1)および式(M2)で表される化合物から選択された少なくとも1つの重合性化合物とを含有する項17または18に記載の液晶組成物。
[20]項1〜12の何れか1項に記載の化合物の少なくとも1つと、式(M3)および式(M4)で表される化合物から選択された少なくとも1つの重合性化合物とを含有する項17または18に記載の液晶組成物。
[21]項1〜12の何れか1項に記載の化合物の少なくとも1つと、式(M2)、式(M5)および式(M6)で表される化合物から選択された少なくとも1つの重合性化合物とを含有する項17または18に記載の液晶組成物。
[22]項1〜12の何れか1項に記載の化合物の少なくとも1つと、式(M2)、式(M7)および式(M8)で表される化合物から選択された少なくとも1つの重合性化合物とを含有する項17または18に記載の液晶組成物。
[23]液晶組成物において、重合性基としてエポキシ基を有する化合物を少なくとも1つと、重合性基としてオキセタン基を有する化合物を少なくとも1つを含有することを特徴とする、項13〜22の何れか1項に記載の液晶組成物。
[24]項13〜23の何れか1項に記載の組成物を重合することで得られる重合体。
[25]項16に記載の組成物または項1に記載の少なくともひとつの化合物を重合することで得られる重合体。
[26]項24または25に記載の重合体からなる光学異方性を有する成形体。
[27]光学異方性を有する成形体の薄層における液晶骨格がハイブリッド配向を示す項24または25に記載の重合体からなる光学異方性を有する成形体。
[28]光学異方性を有する成形体の薄層における液晶骨格がホモジニアス配向を示す項24または25に記載の重合体からなる光学異方性を有する成形体。
[29]光学異方性を有する成形体の薄層における液晶骨格がチルト配向を示す項24または25に記載の重合体からなる光学異方性を有する成形体。
[30]光学異方性を有する成形体の薄層における液晶骨格がホメオトロピック配向を示す項24または25に記載の重合体からなる光学異方性を有する成形体。
[31]カイラルネマチック相またはコレステリック相を有する項17〜23の何れか1項に記載の液晶組成物から得られる重合体からなる光学異方性を有する成形体であって、その薄層における液晶骨格が螺旋構造を呈する光学異方性を有する成形体。
[32]波長350〜750nmのうち、一部またはすべての領域の光を選択的に反射する項31に記載の光学異方性を有する成形体。
[33]波長100〜350nmの領域の光を反射する項31に記載の光学異方性を有する成形体。
[34]カイラルネマチック相またはコレステリック相で誘起された螺旋構造において、ピッチが光学異方性を有する成形体の厚さ方向に連続的に変化する項31〜33の何れか1項に記載の光学異方性を有する成形体。
[35]項26〜34の何れか1項に記載の光学異方性を有する成形体から構成される光学補償素子。
[36]項31に記載の光学異方性を有する成形体を使用した1/4波長機能板。
[37]項31に記載の光学異方性を有する成形体を使用した1/2波長機能板。
[38]項26〜34の何れか1項に記載の光学異方性を有する成形体と偏光板との組み合わせから構成される光学素子。
[39]項26〜34の何れか1項に記載の光学異方性を有する成形体を含有する液晶表示素子。
本発明の化合物またはそれを含む組成物は、空気中で優れた重合性を示し、短時間の光照射で容易に重合度の高い重合体を与える。また、本発明の化合物またはそれを含む組成物を配向させ、硬化した配向フィルムはTACとの密着性に優れている。また、20〜200℃におけるレターデーション変化がなく、耐熱性に優れた配向フィルムを得ることができる。
本発明における用語「液晶性」は、単に化合物が液晶相を示すという意味に限定されない。この用語は、それ自体は液晶相を示さないけれども、他の液晶化合物と混合したときに、液晶組成物の成分として使用できるような化合物にも用いられる。「(メタ)アクリロイルオキシ」は、「アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシ」を意味する。「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートまたはメタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸またはメタクリル酸」を意味する。
液晶性化合物、液晶組成物、液晶表示素子をそれぞれ化合物、組成物、素子と表記することがある。式(1)、式(M1)、式(M2)、式(M3)、式(M4)、式(M5)、式(M6)、式(M7)および式(M8)で表わされる化合物をそれぞれ化合物(1)、化合物(M1)、化合物(M2)、化合物(M3)、化合物(M4)、化合物(M5)、化合物(M6)、化合物(M7)および化合物(M8)と表記することがある。
「アルキルにおいて任意の−CH−は−O−、−CH=CH−などで置き換えられてもよい」の句の意味を一例で示す。C−において任意の−CH−を−O−または−CH=CH−で置き換えた基の一部は、CO−、CH−O−(CH−、CH−O−CH−O−、HC=CH−(CH−、CH−CH=CH−(CH−、およびCH−CH=CH−CH−O−である。このように「任意の」語は、「区別なく選択された少なくとも1つの」を意味する。化合物の安定性を考慮して、酸素と酸素とが隣接したCH−O−O−CH−よりも、酸素と酸素とが隣接しないCH−O−CH−O−の方が好ましい。
化合物(1)は次の特徴を有する。
(1)化合物(1)は液晶骨格に少なくとも1つのフルオレン環を有し、重合性基にエポキシ基またはオキセタン基を有する液晶化合物である。
(2)化合物(1)は、通常使用される条件下において物理的および化学的に極めて安定であり、他の化合物との相溶性がよい。
(3)化合物(1)を構成する環、結合基または側鎖を適当に選ぶことによって、大きい誘電率異方性、小さい誘電率異方性、大きい光学異方性、小さい光学異方性、小さい粘度などの物性値を調整することができる。
まず本発明のフルオレン誘導体について説明する。
本発明のフルオレン誘導体は、前記式(1)で表される。
この式中のRおよびRは独立して水素または炭素数1〜5のアルキルである。RおよびRの好ましい具体例は、水素、メチル、エチルである。
この式中のRおよびRは独立して水素、フッ素、塩素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
およびRの好ましい例は、水素、フッ素、塩素、または炭素数1〜20のアルキルである。このアルキルにおいて、任意の−CH−は−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。そして、このアルキル中の複数の−CH−が、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、および−CO−のうちのそれぞれ異なる基で置き換えられてもよい。その一例は、−O−CHCH−COO−である。しかしながら、連続している2つの−CH−が、−O−O−、−O−S−または−S−S−のように置き換えられることはない。そして、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。ハロゲンは塩素またはフッ素が好ましい。
およびRのさらに好ましい例は水素または炭素数1〜10のアルキルである。具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルであり、アルキルの長さの違いにより液晶相の温度範囲を調整することができる。また、フッ素、塩素の場合は化合物(1)の融点を低くする効果が期待できる。
式(1)中のYおよびYは結合基である。これらは炭素数1〜15のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−または−CO−で置き換えられてもよい。
およびYの好ましい例は炭素数1〜12のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−または−CO−で置き換えられてもよい。
およびYのさらに好ましい例は炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよい。
式(1)中のAおよびAは環構造の2価基である。これらは独立して、1,4−シクロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲン、メチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルである。AおよびAの好ましい例を次に示す。

Figure 0004561218
およびAのさらに好ましい例は1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、基中の1つの水素がフッ素、塩素、メチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレンまたは基中の2つの水素がフッ素、またはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレンである。
これらの環構造は、式(1)において左右逆向きに結合してもよい。化合物(1)が1,4−シクロへキシレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを有する場合には、その立体配置はシス型よりトランス型が好ましい。化合物(1)は、H(重水素)または13Cなどの同位体元素を自然に存在する割合より多く含んでもよく、その場合でも化合物の物性に大きな差異はない。
式(1)中のX、X、XおよびXは結合基である。XおよびXは独立して単結合、−O−、−S−、−COO−または−OCO−である。その中でもより好ましい例は、単結合および−O−である。XおよびXは独立して−COO−、−OCO−、−CHCH−または−C≡C−である。XおよびXの少なくとも1つが−COO−、−OCO−である場合は液晶性が良くなる傾向があり、−C≡C−である場合には、光学異方性値の大きな化合物が得られる傾向がある。
nは0または1である。m=n=0の化合物はジエポキシ化合物であり、硬化速度が速く、敏速な硬化性能を示す。m=n=1の化合物はジオキセタン化合物であり得られる光学異方性膜は硬化収縮が小さく、寸法安定性に優れたフィルムが得られる。
環、側鎖、結合基および重合性基を適切に選択することにより、目的の物性を有する化合物(1)を得ることができる。
つぎに化合物(1)の製造方法について説明する。式(1)においてRおよびRが水素であり、A=Aであり、Y=Yであり、X、Xが−O−であり、Xが−COO−、Xが―OOC−であり、m=n=0である化合物の製造方法を示す。末端に2重結合を有する化合物[a]とヒドロキシ安息香酸エステル誘導体を適当な塩基の存在下、エーテル化することで[b]を得る。塩基の例は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムなどである。[b]を加水分解することで[c]を製造する。2,7−ジヒドロキシフルオレン誘導体[d]と[c]とのエステル化反応によりジエステル[e]を得る。ジエステル[e]を過酸化物で酸化することで化合物(1)を製造する。過酸化物は過酸化水素水、過蟻酸、過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸などである。

Figure 0004561218
式(1)においてRおよびRが炭素数1から5のアルキルであり、A=Aであり、Y=Yであり、X、Xが−O−であり、Xが−COO−、Xが―OOC−であり、m=n=1である化合物の製造方法を示す。化合物[f]とヒドロキシ安息香酸エステル誘導体を適当な塩基の存在下、エーテル化することで[g]を得る。塩基の例は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムなどである。[g]を加水分解することで[h]を製造する。2,7−ジヒドロキシフルオレン誘導体[d]と[h]とのエステル化反応により化合物(1)を製造する。

Figure 0004561218
式(1)においてRが炭素数1から5のアルキルであり、Rが水素であり、X、Xが−O−であり、Xが−COO−、Xが―OOC−であり、m=1、n=0である化合物の製造方法を示す。一方のヒドロキシル基をテトラヒドロピラニル基で保護したフルオレン誘導体[i]と安息香酸誘導体[h]とのエステル化反応によりモノエステルを製造した後、脱保護を行い、さらに最初のエステル化で選択したもの以外の安息香酸誘導体[c]とのエステル化反応によりジエステル[j]を得る。ジエステル[j]を過酸化物で酸化することで化合物(1)を製造する。

Figure 0004561218
合成できる化合物No.1〜No.97を以下に示す。

Figure 0004561218

Figure 0004561218

Figure 0004561218

Figure 0004561218

Figure 0004561218

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組成物は次の特徴を有する。
エポキシ基、オキセタン基などの重合反応性の大きい液晶性化合物により構成されているので適当な重合開始剤を添加し、紫外線などの電子線を照射することにより敏速な硬化ができる
配向性に優れている
他の重合性液晶化合物との相溶性に優れる。
本発明の第2は、少なくとも2つの化合物を含有し、少なくとも1つの化合物が式(1)で表される化合物である液晶組成物である。より詳しくは、式(1)で表される化合物の少なくとも1つと、式(M1)、式(M2)、式(M3)、式(M4)、式(M5)、式(M6)、式(M7)および式(M8)で表される化合物から選択された少なくとも1つの重合性化合物とを含有する液晶組成物である。

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式(M1)、式(M2)、式(M3)、式(M4)、式(M5)、式(M6)、式(M7)および式(M8)において、Rは独立して、水素、フッ素、塩素、−CNまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり、A、AおよびAは独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、またはフルオレン−2,7−ジイルであり;Bは独立して、単結合、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲン、メチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、ビフェニル−4,4’−ジイルであり;Bは独立して、単結合、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲン、メチルまたはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、ビフェニル−4,4’−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイルまたは9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルであり;ZおよびZは独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CHCH−、または−C≡C−であり;XまたはXは独立して単結合または−O−であり;qは独立して、1または0であり、o、pおよびrは独立して0〜20の整数である。
化合物(M1)の中で特に好ましい化合物は式(M1a)〜式(M1h)で表される単官能の液晶性エポキシドである。

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化合物(M2)の中で特に好ましい化合物は式(M2a)〜式(M2d)で表される2官能の液晶性エポキシドである。

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化合物(M3)の中で特に好ましい化合物は式(M3a)〜式(M3h)で表される単官能の液晶性オキセタンである。

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化合物(M4)の中で特に好ましい化合物は式(M4a)〜式(M4d)で表される2官能の液晶性オキセタンである。

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化合物(M5)の中で特に好ましい化合物は式(M5a)〜式(M5h)で表される化合物は単官能の液晶性ビニルエーテルである。

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化合物(M6)の中で特に好ましい化合物は式(M6a)〜式(M6f)で表される化合物は2官能の液晶性ビニルエーテルである。

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化合物(M7)の中で特に好ましい化合物は式(M7a)〜式(M7h)で表される単官能の液晶性アクリレート化合物である。

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化合物(M8)の中で特に好ましい化合物は式(M8a)〜式(M8f)で表される化合物は2官能の液晶性アクリレートである

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これら式(M1a)〜式(M8f)の式中、Rは水素、フッ素、塩素、−CNまたは炭素数1〜20のアルキル若しくはアルコキシであり、Rは水素または炭素数1〜5のアルキルであり、W及びWはそれぞれ独立に水素、塩素、フッ素またはシアノであり、W及びWはそれぞれ独立に水素、塩素、フッ素、シアノ、メチル、エチル、プロピルまたはトリフルオロメチルであり、X及びXはそれぞれ独立に単結合または−O−であり、o、p及びrはそれぞれ独立に0〜20の整数で表される。
本発明の組成物の基本構成は、式(1)から選ばれる化合物と式(M1)から(M8)の中から選ばれる化合物1つ以上から構成される組成物であり、組成(MIX1)〜(MIX18)で表される。
式(M1)〜式(M8)の中から選ばれる化合物の含有量は1〜99重量%が好ましい。さらに好ましい組成は、式(1)から選ばれる化合物と、式(M1)および式(M2)から選ばれる化合物を混合した組成物(MIX1)、(MIX2)および(MIX3)からなる。各化合物(1)、化合物(M1)および化合物(M2)は単一でもよく、2種以上でもよい。
(MIX1):化合物(1)+化合物(M1)
(MIX2):化合物(1)+化合物(M2)
(MIX3):化合物(1)+化合物(M1)+化合物(M2)
組成物(MIX1)、(MIX2)および(MIX3)は重合速度が速く、特に数秒の紫外線照射により堅くて、強靱で耐熱性の高いフィルムが得られる。
式(1)から選ばれる化合物と化合物と式(M3)および式(M4)から選ばれる化合物を混合した組成物(MIX4)、(MIX5)および(MIX6)からなる。各化合物(1)、化合物(M5)、化合物(M3)および化合物(M4)は単一でもよく、2種以上でもよい。
(MIX4):化合物(1)+化合物(M3)
(MIX5):化合物(1)+化合物(M4)
(MIX6):化合物(1)+化合物(M3)+化合物(M4)
これらの組成物(MIX4)〜(MIX6)から得られるフィルムは硬化収縮が小さく、寸法安定性に優れている。
式(1)から選ばれる化合物と式(M2)、式(M5)および式(M6)から選ばれる化合物を混合した組成物(MIX7)、(MIX8)、(MIX9)、(MIX10)、(MIX11)および(MIX12)からなる。各化合物(1)、化合物(M2)、化合物(M5)および化合物(M6)は単一でもよく、2種以上でもよい。
(MIX7):化合物(1)+化合物(M5)
(MIX8):化合物(1)+化合物(M6)
(MIX9):化合物(1)+化合物(M5)+化合物(M6)
(MIX10):化合物(1)+化合物(M2)+化合物(M5)
(MIX11):化合物(1)+化合物(M2)+化合物(M6)
(MIX12):化合物(1)+化合物(M2)+化合物(M5)+化合物(M6)
これらの組成物(MIX7)〜(MIX12)を硬化して得られるフィルムは柔軟性のあるフィルムである。
式(1)から選ばれる化合物と化合物と式(M2)、式(M7)および式(M8)から選ばれる化合物を混合した組成物(MIX13)、(MIX14)、(MIX15)、(MIX16)、(MIX17)および(MIX18)からなる。各化合物(1)、化合物(M2)、化合物(M7)および化合物(M8)は単一でもよく、2種以上でもよい。
(MIX13):化合物(1)+化合物(M7)
(MIX14):化合物(1)+化合物(M8)
(MIX15):化合物(1)+化合物(M7)+化合物(M8)
(MIX16):化合物(1)+化合物(M2)+化合物(M7)
(MIX17):化合物(1)+化合物(M2)+化合物(M8)
(MIX18):化合物(1)+化合物(M2)+化合物(M7)+化合物(M8)
これらの組成物(MIX13)〜(MIX18)は光ラジカル開始剤と光カチオン重合開始剤を添加して、紫外線などの電子線を照射することで敏速に硬化して液晶相の固定化ができる。また、空気下においても重合阻害を受けることがなく、良好な硬化速度で重合物が得られる。
これら組成物の硬化性(主に重合速度)を向上させるためには、液晶組成物において、重合性基としてエポキシ基を有する化合物を少なくとも1つと、重合性基としてオキセタン基を有する化合物を少なくとも1つを含有する液晶組成物が好ましい。この点を詳しく述べると、好ましい組成物としては、以下の組合せがある。組み合わせる成分として下記に示した成分を単独で組み合わせても良いし、それらを複数組み合わせても良い。
1)1つの成分が、式(1)においてm=n=0である(重合性基としてエポキシ基を有する)化合物である場合、組み合わせる成分としては
1−1)式(1)においてm=n=1である化合物
1−2)式(M3)あるいは(M4)で示される化合物
1−3)式(1)、式(M3)及び式(M4)以外の化合物で、重合性基としてオキセタン基を有する化合物
2)1つの成分が、式(1)においてm=n=1である(重合性基としてオキセタン基を有する)化合物である場合、組み合わせる成分としては
2−1)式(1)においてm=n=0である化合物
2−2)式(M1)あるいは(M2)で示される化合物
2−3)式(1)、式(M1)及び式(M2)以外の化合物で、重合性基としてエポキシ基を有する化合物
物性を改善する目的で、それぞれ組成物(MIX1)〜(MIX18)の各組成物に、他の成分として式(1)および式(M1)〜(M8)で表される化合物以外に非重合性液晶化合物、重合性あるいは非重合性の光学活性化合物、非液晶性の重合性化合物、重合開始剤、溶媒、界面活性剤、酸化防止剤、フィラー、紫外線吸収剤、などの化合物を添加してもよい。目的を達成するものであればいかなる構造のものでもよい。これらの化合物は公知のものを好適に活用できる。各成分の含有量は、組成物がその液晶性を損なわない程度が好ましい。組成物の成分を構成する原子がその同位体を天然存在比より多く含んでいても、同様の特性を有するので好ましい。
非重合性液晶化合物、重合性あるいは非重合性の光学活性化合物の中で、非重合性の液晶成分の例は、富士通九州エンジニアリング社が販売する液晶化合物データベースLiqCryst(登録商標)などに記載された液晶性化合物である。また、非重合性の光学活性化合物の好適な例は、化合物(OP−1)〜(OP−13)である。重合性の光学活性化合物の好適な例は化合物(OP−14)〜(OP−21)である。
添加する光学活性化合物は、螺旋構造を誘起しベースとなる重合性液晶組成物と適切に混合できればいずれの光学活性化合物を用いてもよい。例えば、下記の光学活性化合物(Op−1)〜(Op−13)が好適である。

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式中、Rdは炭素数1〜10のアルキルを示し、*が付与された炭素は不斉炭素である。
添加する光学活性化合物は重合性化合物でも非重合性化合物のいずれでも良い。目的に応じて最適化できる。耐熱性、耐溶媒性を考慮した場合、重合性化合物の方が好適である。重合性化合物の代表例がDE10221751号公報で開示されている。特に好適な化合物は下記の(Op−14)〜(Op−19)である。

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次に、重合体について説明する。
化合物(1)は重合可能な環状エーテルを有する。化合物(1)を重合することで重合体を製造できる。重合体は、カチオン重合によって得られる。化合物(1)の1つのみを重合させると、単独重合体が得られる。この重合体は1つの構成単位からなる。少なくとも2つの化合物(1)を含有する組成物を重合させると、共重合体が得られる。この共重合体は少なくとも2つの構成単位を有する。本発明の目的とする光学異方性フィルムの製造には配向した液晶状態での重合が望ましいので、光カチオン重合法がとくに好ましい重合法である。
本発明における重合体の応用用途には以下のようなものがある。
接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線形光学材料および情報記憶材料などには熱可塑性樹脂が利用できる。この熱可塑性樹脂は分岐の進んでいない線状の高分子であり、単官能性化合物を主体とする本発明の液晶組成物を重合することにより得られる。これらの重量平均分子量は500〜1,000,000であり、好ましくは1,000〜500,000、より好ましくは5,000〜100,000である。
液晶表示素子の構成要素である位相差板、偏光素子、液晶配向膜、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜などには熱硬化性樹脂が利用できる。この熱硬化性樹脂は三次元の網目構造の高分子であり、二官能性化合物を主体とする本発明の液晶組成物を重合することにより、重合度の高い重合体として得られる。これらの重合体は分岐が進むと溶媒に溶けにくくなり、硬度が高くなる。これらの重合体の分子量は測定が困難で、規定するのが難しいが、無限大に近いことが好ましい。
皮膜形成性、機械的強度などを調整する目的で非液晶性の重合性化合物を添加することもできる。好ましい非液晶の重合性化合物の例は、(メタ)アクリレート化合物、ビニル化合物、スチレン化合物、ビニルエーテル化合物、エポキシ化合物、オキセタン化合物である。
本発明の液晶組成物(MIX13)〜(MIX18)に添加できる好ましい非液晶性の重合性化合物は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニル、N−ビニルアセトアミド、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニル、スチレン、o−、m−またはp−クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、テトラフルオロエチレン、およびヘキサフルオロプロペンである。
重合体の被膜形成能をより高めるために、多官能アクリレートを組成物に添加することもできる。好ましい多官能アクリレートは、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加トリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、トリスアクリロキシエチルフォスフェート、ビスフェノールA EO付加ジアクリレート、ビスフェノールAグリシジルジアクリレート(大阪有機化学株式会社製、商品名:ビスコート700)、およびポリエチレングリコールジアクリレートである。
本発明の(MIX1)〜(MIX12)に添加できる好ましい非液晶性の重合性化合物は、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルモノビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールメチルビニルエーテル、あるいは、組成物の粘度調整あるいは硬化収縮を小さくする目的で3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ジ(3−エチル−オキセタ−3−イルメチル)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンを添加することができる。
界面活性剤は塗布を容易にするため、あるいは液晶相の配向を制御するためにに本発明の効果を損なわない範囲で加えてもよい。界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族あるいは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、パフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基含有ウレタンがあげられる。上記界面活性剤の添加量は界面活性剤の種類、光重合性液晶組成物の組成比などにより異なるが、光重合性液晶組成物の重量に対して、100ppmから5%、さらに好ましくは0.1%から1%の範囲である。
本発明の(MIX1)〜(MIX12)の組成物は通常の光カチオン重合開始剤を添加して使用する。光カチオン重合開始剤には、ジアリールヨードニウム塩(以下DASと略す)、トリアリールスルホニウム塩(以下TASと略す)などがあげられる。DASとしては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートがあげられる。
DASには、チオキサントン、フェノチアジン、クロロチオキサントン、キサントン、アントラセン、ジフェニルアントラセン、ルブレンなどの光増感剤を添加することで高感度化することもできる。
TASとしては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートがあげられる。
光カチオン重合開始剤の具体的な商品名の例はUCCの製品のうちからサイラキューアーUVI−6990、サイラキュアーUVI−6974、サイラキュアーUVI−6992、旭電化(株)の製品からアデカオプトマーSP−150、SP−152、SP−170、SP−172、ローディアの製品からPHOTOINITIATOR2074、チバスペシャリティーの製品からイルガキュアー250、GEシリコンズの製品からUV−9380Cなどである。
本発明の(MIX13)〜(MIX18)の組成物は光カチオン重合開始剤と併用して通常の光ラジカル重合開始剤を添加してハイブリッド硬化することもできる。光ラジカル重合開始剤の例は、チバ・スペシャリティー・ケミカル(株)の製品のうちから、ダロキュアー1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、イルガキュアー184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュアー651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、イルガキュアー500、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー1300、イルガキュアー819、イルガキュアー1700、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、ダロキュアー4265、イルガキュアー784などである。
光ラジカル重合開始剤のその他の例は、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、ベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物などである。
本発明の(MIX1)〜(MIX12)の組成物の硬化には光による塩基増殖反応を利用して硬化することもできる(K.Arimitsu, M.Miyamoto, K.Ichimura, Angew. Chem. Int. Ed, 2000, 39, 3425)。
本発明の化合物若しくは組成物を硬化すると本発明の成形体がえら
れる。本発明の成形体にはフィルム、成型体等があるが好ましくはフィルムである。本発明のフィルムは光学異方性を有する。
本発明の光学異方性フィルムは、本発明の光重合性組成物を支持体上に塗布して塗膜を形成させ、その塗膜中の組成物が液晶状態で形成するネマチック配向を光の照射により固定化する方法により製造することができる。支持基板には、その表面に液晶組成物の塗膜が形成できるもので、例えば、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートを用いることができる。その他の具体的な商品名ではJSR(株)製の「アートン」、日本ゼオン(株)製の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学(株)製の「アペル」などを用いる。これらの支持体は一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムであってもよい。
本発明の光学異方性フィルムの製造には、支持基板にトリアセチルセルロースフィルムを使用することが特に望ましい。トリアセチルセルロースフィルムは、これをそのまま支持基板として用いることができるが、必要に応じて、このフィルムに鹸化処理、コロナ放電処理、UV−オゾン処理等の表面処理を行って用いることもできる。
塗膜の形成には、光重合性液晶組成物を適当な溶媒に溶かして塗布することもできる。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどを単独溶媒あるいは複数の混合溶媒として用いることができる。
光重合性液晶組成物の塗布方法は、スピンコート、ロールコート、カテンコート、フローコート、プリント、マイクログラビアコート、グラビアコート、ワイヤーバーコード、デップコート、スプレーコート、メニスカスコートや流延成膜法などの方法で薄膜展開し、それを乾燥処理して溶媒を除去する方法などにより行うことができる。
基板の表面を配向処理する好ましい方法は、例えば一般に用いられるポリイミドやポリビニルアルコールなどからなる薄膜を形成して、それをレーヨン布などでラビング処理したものや、酸化ケイ素を斜方蒸着したもの、延伸フィルム、あるいは偏光紫外線配向膜やイオンビームなどを用いたラビングフリー配向である。あるいは、表面にスリット状に溝をつけたアルミニウム、鉄、銅などの金属基板や、スリット状にエッチング加工したアルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどのガラス基板等を用いることで配向できる。
配向処理を終えた液晶層は、紫外線または電子線等の電磁波を照射することにより配向の固定を行う。紫外線を用いるには組成物の吸収のない300nmより長波長が好ましい。電子線を用いる場合は、照射量が多すぎると共重合体が崩壊するので1〜200Mradが好ましい。電磁波照射の際の温度は、組成物が液晶状態である温度であればよいが、100℃を越える場合、熱による重合が起こり、配向がくずれるので100℃以下の温度が好ましい。
本発明の組成物に光学活性化合物を添加するとらせん構造を示すので、これを配向させ液晶状態で重合することでらせん構造を有する位相差板を製造できる。らせんのピッチが光の波長の1/n(nは得られる光学異方性薄膜における平均屈折率)であれば、その波長を有する光のうち、らせんの向きに応じて左右いずれかの円偏光をブラッグの法則に従い選択的に反射することができる。これは、例えば、円偏光分離機能素子として使用できる。らせんの向きは光学活性化合物の立体配置に依存する。光学性化合物の立体配置を適時選択することで所望のらせん方向を誘起できる。
例えば特開平6−281814公報などに開示された方法に従えば、らせんピッチが光学異方性を有する成形体の厚さ方向に連続的に変化する成形体が得られ、ピッチに応じた広い波長領域の光を反射することができる。
本発明の用途の1つである1/2波長機能板と1/4波長機能板について説明する。1/2波長機能板は直線偏光の振動方向を回転させる機能を有する。1/4波長機能板は直線偏光を円偏光に、或いは円偏光を直線偏光に変換する機能を有する。これらは以下のようにして調製できる。対象とする波長をλとした場合、任意の光学異方性(Δn)を有する重合性液晶組成物の厚さ(d)をd=λ/2Δnという条件に合わせて基板上に配向させておき、このまま光重合させると、1/2波長機能板が得られる。同様に任意の光学異方性(Δn)を有する重合性液晶組成物の厚さ(d)をd=λ/4Δnという条件に合わせて基板上に配向させておき、このまま光重合させると、1/4波長機能板が得られる。ここで厚さ(d)は次のように調整される。組成物を溶媒に溶かして基板上に塗布して配向させる場合には、溶媒中の組成物の濃度、塗布する方法や塗布する条件を適宜選ぶことにより所望の厚みを得ることが出来る。また組成物を厚さの均一な液晶セル中に注入して配向させる場合には所望のセル厚(d)をもつ液晶セルを利用すれば良い。
配向を固定した薄膜の厚さは、所望する光学機能とその特性および、得られる光学異方性を有する薄膜における光学異方性により異なる。従って、その範囲を厳密に決定することはできないが、好ましい厚さは0.05〜50μmの範囲であり、より好ましい厚さは0.1〜20μmの範囲である。そして、さらに好ましい厚さは0.5〜10μmの範囲である。光学異方性薄膜のヘイズ値は、1.5%以下、より好ましくは1.0%以下であり、透過率で80%以上、より好ましくは85%以上である。可視光領域で透過率がこれらの割合を満たすことが好ましい。ヘイズ値の範囲1.5%以下は、偏光性能に問題を生じさせないために好ましい条件である。透過率の範囲80%以上は、この光学異方性薄膜を液晶表示素子に用いるとき、明るさを維持するために好ましい条件である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例中に記載した相転移温度は、偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で昇温して測定した。Cは結晶、Nはネマチック相、Chはコレステリック相、Iは等方性液体を示す。NI点は、ネマチック相の上限温度を示し、NからIへの転移温度である。C 50 N 63 Iは、50℃でCからNへ転移し、63℃でNからIへ転移することを示す。鉛筆硬度はJIS規格「JIS−K−5400 8.4 鉛筆引掻試験」の方法に従って求めた。セロテープ(登録商標、以下同様)剥離試験はJIS規格「JIS−5400 8.5 付着性 (8.5.2 碁盤目テープ法)」の試験法、すなわち100ます中の残存したます目により評価した。基板にはアセチル化度2.9のTACフィルムを用いた。基板上の液晶分子の配向状態は、クロスニコルに配置した2枚の偏光板内に挟持して、その透過光強度の角度依存性から判断した。
実施例1
第1段階
4−[6−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸の製造 3−[(6−ブロモヘキシルオキシ)メチル]−3−メチルオキセタン20g、4−ヒドロキシ安息香酸11.6g、炭酸カリウム13g、ジメチルホルムアミド150mlからなる溶液を90℃で4時間かくはんした。反応液に水を加え反応を終了させ、酢酸エチルで抽出、有機層を水で洗浄して、溶媒を留去した。得られた残査に5%水酸化ナトリウム水溶液を加え、8時間還流した後、塩酸で酸性にして、エーテルで抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して17gの4−[6−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸を得た。
融点:61℃
同様の製造方法により、以下の化合物を製造した。
4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブチルオキシ]安息香酸(融点: 75.3〜77.7℃)
4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸(融点: 58.5℃)
2−フルオロ−4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブチルオキシ]安息香酸(融点:75〜80℃)
4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)安息香酸(融点:127.5℃)
(第2段階)
4−[6−(3−メチルオキセタン−3−イルメトキシ)ヘキシルオキシ]安息香酸6.2g、2,7−ジヒドロキシ−9−メチルフルオレン2gを塩化メチレン100mlに溶かし5℃まで冷やし、そこへジメチルアミノピリジン0.05g、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩4.4gを加え室温で12時間攪拌した。水100mlを加え分液、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製、エタノール、酢酸エチルを混合した溶媒で再結晶を行い3gの化合物No.57を得た。
実施例1、第2段階の方法により化合物No.63、化合物No.67、化合物No.68および化合物No.86を製造した。また第2段階の方法において、2,7−ジヒドロキシ−9−メチルフルオレンを2,7−ジヒドロキシ−9−エチルフルオレンに代えることにより、化合物No.65を製造した。
製造した化合物の相転移温度を示す。
Figure 0004561218
実施例2
化合物No.35の製造
(第1段階)
アリル(4−クロロブチル)エーテル14g、4−ヒドロキシ安息香酸14g、炭酸カリウム14g、ジメチルホルムアミド50mlからなる溶液を90℃で3時間かくはんした。水を加えトルエンで抽出、トルエン層を水でよく洗浄して、トルエンを留去した。得られた残査に水酸化ナトリウム20g、水50ml、エタノール200mlを加え、2時間還流した。エタノールを留去して塩酸を加え酸性とし、ジエチルエーテルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をエタノールと水との混合溶媒で再結晶して、29gの4−(4−アリルオキシブチルオキシ)安息香酸を得た。
相転移温度:C 94 N 107 I
実施例2、第1段階の方法により、以下の安息香酸誘導体を製造した。
4−アリルオキシ安息香酸(融点:164〜165℃)
4−(3−ブテニルオキシ)安息香酸(相転移温度:C 121 N 141.5 I)
第2段階
4−(4−アリルオキシブチルオキシ)安息香酸1.34g、2,7−ジヒドロキシ−9−メチルフルオレン0.46gを塩化メチレン30mlに溶かし5℃まで冷やし、そこへジメチルアミノピリジン0.01g、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1.15gを加え室温で12時間攪拌した。水50mlを加え分液、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製、エタノール、酢酸エチルを混合した溶媒で再結晶を行い0.6gの2,7−ジ[4−(4−アリルオキシブチルオキシ)ベンゾイルオキシ)9−メチルフルオレンを得た。
相転移温度:C 107 N 222 I
実施例2、第2段階の方法により、以下の化合物を製造した。

Figure 0004561218
第3段階
2,7−ジ[4−(4−アリルオキシブチルオキシ)ベンゾイルオキシ)9−メチルフルオレン0.64g、塩化メチレン10mlの溶液にm−クロロ安息香酸0.5gを加え、室温で2日間かくはんした。反応溶液を5%水酸化ナトリウム溶液で洗浄、亜硫酸水素ナトリウム溶液、炭酸水素ナトリウム溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、エタノール、酢酸エチルの混合溶媒で再結晶して0.56gの化合物No.35を得た。
実施例2、第3段階の方法により、化合物No.21および化合物No.22を製造した。相転移温度を示す。
製造した化合物の相転移温度を示す。

Figure 0004561218
実施例3
(化合物(1)においてm=n=1であり、(MIX1)の組成例)
化合物(No.67)50重量%、単官能のエポキシド(K1)50重量%の組成物(CL1)を調製した。この組成物の室温でネマチック液晶相を示し、NI点は93℃であった。化合物(No.67)は相分離することなく良好な相溶性を示した。また、組成物(CL1)は室温においても結晶化するものはなく液晶状態を保持した。さらにラビングしたTACフィルム上に塗膜して配向させた組成物(CL1)はハイブリッド配向を示した。

Figure 0004561218
実施例4
(化合物(1)においてm=n=0であり、(MIX2)の組成例)
化合物(No.35)50重量%、二官能のエポキシド(K2)50重量%の組成物(CL2)を調製した。この組成物は室温でネマチック液晶相を示し、NI点は137℃であった。化合物(No.35)は相分離することなく良好な相溶性を示した。また、組成物(CL2)は室温においても結晶化するものはなく液晶状態を保持した。さらにラビングしたTACフィルム上に塗膜して配向させた組成物(CL2)はホモジニアス配向を示した。

Figure 0004561218
実施例5
(化合物(1)においてm=n=1であり、(MIX2)の組成例)
化合物(No.57)50重量%、二官能のエポキシド(K2)50重量%の組成物(CL3)を調製した。この組成物は室温でネマチック液晶相を示し、NI点は104.6℃であった。化合物(No.57)は相分離することなく良好な相溶性を示した。また、組成物(CL3)は室温においても結晶化するものはなく液晶状態を保持した。さらにラビングしたTACフィルム上に塗膜して配向させた組成物(CL3)はホモジニアス配向を示した。

Figure 0004561218
実施例6
(化合物(1)においてm=n=1であり、(MIX11)の組成例)
化合物(No.57)40重量%、二官能のエポキシド(K2)40重量%、二官能のビニルエーテル(K3)20重量%の組成物(CL4)を調製した。この組成物は室温でネマチック液晶相を示し、NI点は113.5℃であった。化合物(No.57)は相分離することなく良好な相溶性を示した。また、組成物(CL4)は室温においても結晶化するものはなく液晶状態を保持した。さらにラビングしたTACフィルム上に塗膜して配向させた組成物(CL4)はホモジニアス配向を示した。

Figure 0004561218
実施例7
(化合物(1)においてm=n=0であり、(MIX17)の組成例)
化合物(No.35)25重量%、二官能のエポキシド(K2)25重量%、二官能のアクリレート(K4)50重量%の組成物(CL5)を調製した。この組成物は室温でネマチック液晶相を示し、NI点は169.2℃であった。化合物(No.35)は相分離することなく良好な相溶性を示した。また、組成物(CL5)は室温においても結晶化するものはなく液晶状態を保持した。さらにラビングしたTACフィルム上に塗膜して配向させた組成物(CL5)はホモジニアス配向を示した。

Figure 0004561218
実施例8(紫外線照射による配向フィルムの製造)
組成物(CL2)10g、アデカオプトマーSP−150(商品名)0.3gをシクロペンタノン80gに溶解した溶液を、表面をレーヨン布によりラビングしたアセチル化度2.9のトリアセチルセルロースフィルムに、マイクログラビヤコーターを用いて塗布した。塗布後、60℃に設定したオーブン中で5分熱処理することにより、溶媒を除去して液晶相を配向させた。同温度を保ったまま、高圧水銀灯(120W/cm)によって紫外線を10秒間照射した。照射後、液晶相は配向状態(ホモジニアス配向)を保持したまま重合しており、その表面硬度は鉛筆硬度にして2Hであった。温度変化(20〜200℃)によるリタデーションの変化はなく耐熱性の高い液晶配向フィルム(F2)が得られた。
組成物(CL1)、(CL3)、(CL4)および化合物No.35、を用いて実施例8と同様の方法により対応する液晶配向フィルム(F1)、(F3)、(F4)および(F35)を作製した。組成物(CL5)の硬化には開始剤にイルガキュアー907(商品名)0.3g、アデカオプトマーSP−150(商品名)0.3gを加え、ハイブリッド硬化を行ったこと以外は実施例8と同様の方法により、配向フィルム(F5)を作製した。すべての組成物が良好な配向性と紫外線による重合性を有した。すなわち、液晶配向フィルム(F1)はハイブリッド配向を、液晶配向フィルム(F2)、(F3)、(F4)、(F5)および(F35)はホモジニアス配向を示した。
比較例1
二官能のアクリレート化合物(K4)10g、重合開始剤イルガキュアー907(商品名)0.3gをシクロペンタノン80gに溶解した溶液を、表面をレーヨン布によりラビングしたアセチル化度2.9のトリアセチルセルロースフィルムに、マイクログラビヤコーターを用いて塗布した。塗布後、85℃に設定したオーブン中で5分熱処理することにより、溶媒を除去して液晶相を配向させた。同温度を保ったまま、高圧水銀灯(120W/cm)によって紫外線を10秒間照射した。照射後、液晶相は重合しており、ホモジニアス配向を示す液晶配向フィルム(FK4)が得られた。
液晶フィルムのセロテープ剥離試験、鉛筆硬度試験の評価結果を示す。
フィルム番号 セロテープ剥離 鉛筆硬度
F1 100/100 2H
F2 100/100 2H
F3 100/100 2H
F4 100/100 2H
F5 100/100 2H
F35 100/100 2H
FK4(比較例1) 0/100 H
(セロテープ剥離試験)
比較例1の二官能のアクリレートを硬化して得た配向フィルム(FK4)のセロテープ剥離試験では、全てのますがはがれて残存は0であったが、本発明の化合物および組成物を硬化させて得られた配向フィルムは全く剥がれがなく、全てのますが残存した。
(鉛筆硬度試験)
組成物(CL1)〜(CL5)および化合物No.35より得られた配向フィルム(F1)〜(F5)および(F35)の鉛筆硬度はすべて2H程度を示した。
(耐熱性試験)
配向フィルム(F1)〜(F5)および(F35)の温度変化(20〜200℃)によるレタデーションの変化は3%以内であり、耐熱性の高いフィルムであった。

Claims (35)

  1. 式(1)で表される化合物。

    Figure 0004561218

    ここで、RおよびRは独立して、水素、メチルまたはエチルであり;RおよびRは独立して、水素、メチルまたはエチルであり、およびYは独立して、炭素数1〜のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH−は−O−置き換えられてもよく;AおよびAは独立して、1,4−シクロへキシレン1,4−フェニレンまたは少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた1,4−フェニレンあり;XおよびX −O−あり;XおよびXは独立して、−COO−または−OCO−あり;mおよびnは独立して、1または0である。
  2. 式(1)において、m=n=0である請求項に記載の化合物
  3. 式(1)において、m=n=1である請求項に記載の化合物
  4. 式(1)において、m=0、n=1である請求項に記載の化合物。
  5. 式(1)において、XおよびXは−O−であり、Xは−COO−であり、Xは−OCO−であり、m=n=0である請求項に記載の化合物。
  6. 式(1)において、XおよびXは−O−であり、Xは−COO−であり、Xは−OCO−であり、m=n=1である請求項に記載の化合物。
  7. 式(1)において、XおよびXは−O−であり、Xは−COO−であり、Xは−OCO−であり、m=1、n=0である請求項に記載の化合物。
  8. 以下の化学式で示される何れかの化合物。

    Figure 0004561218

    Figure 0004561218


    Figure 0004561218


    Figure 0004561218

    Figure 0004561218


    Figure 0004561218

    Figure 0004561218
  9. 少なくとも2つの化合物を含有し、そのうち少なくとも1つの化合物が請求項1〜の何れか1項に記載の化合物である液晶組成物。
  10. 液晶組成物において、化合物の全てが重合性化合物である請求項に記載の液晶組成物。
  11. 液晶組成物において、少なくとも1つの化合物が請求項1に記載の化合物であり、他の少なくとも1つの化合物が請求項1に記載の化合物とは異なる重合性化合物である請求項に記載の液晶組成物。
  12. 液晶組成物において、化合物の全てが請求項1に記載の化合物である請求項に記載の液晶組成物。
  13. 請求項1〜の何れか1項に記載の化合物の少なくとも1つと、式(M1)〜式(M8)で表される化合物から選択された少なくとも1つの重合性化合物とを含有する請求項に記載の液晶組成物。

    Figure 0004561218
    ここで、Rは独立して、水素、フッ素、塩素、−CNまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−または−CO−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;Rは独立して、水素または炭素数1〜5のアルキルであり;A、AおよびAは独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルまたはフルオレン−2,7−ジイルであり;Bは独立して、単結合、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲン、メチル若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイルまたはビフェニル−4,4’−ジイルであり;Bは独立して、単結合、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲン、メチル若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、ビフェニル−4,4’−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−クロロフルオレン−2,7−ジイルまたは9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルであり;ZおよびZは独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CHCH−または−C≡C−であり;XおよびXは独立して、単結合または−O−であり;qは独立して、1または0であり;o、pおよびrは独立して、0〜20の整数である。
  14. は独立して、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシまたは−CNであり;A、A及びAは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたは1若しくは2個の水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレンであり;Bは独立して、単結合、1,4−フェニレンまたは1若しくは2個の水素がフッ素、メチル若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレンであり;Bは独立して、単結合、1,4−フェニレン、1若しくは2個の水素がフッ素、メチル若しくはトリフルオロメチルで置き換えられた1,4−フェニレンまたは9−メチルフロオレン−2,7−ジイルであり;Z及びZは独立して、単結合、−COO−または−OCO−であり;o、p及びrは独立して、0〜10の整数である請求項13に記載の液晶組成物。
  15. 請求項1〜の何れか1項に記載の化合物の少なくとも1つと、式(M1)および式(M2)で表される化合物から選択された少なくとも1つの重合性化合物とを含有する請求項13または14に記載の液晶組成物。
  16. 請求項1〜の何れか1項に記載の化合物の少なくとも1つと、式(M3)および式(M4)で表される化合物から選択された少なくとも1つの重合性化合物とを含有する請求項13または14に記載の液晶組成物。
  17. 請求項1〜の何れか1項に記載の化合物の少なくとも1つと、式(M2)、式(M5)および式(M6)で表される化合物から選択された少なくとも1つの重合性化合物とを含有する請求項13または14に記載の液晶組成物。
  18. 請求項1〜の何れか1項に記載の化合物の少なくとも1つと、式(M2)、式(M7)および式(M8)で表される化合物から選択された少なくとも1つの重合性化合物とを含有する請求項13または14に記載の液晶組成物。
  19. 液晶組成物において、重合性基としてエポキシ基を有する化合物を少なくとも1つと、重合性基としてオキセタン基を有する化合物を少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項18の何れか1項に記載の液晶組成物。
  20. 請求項19の何れか1項に記載の組成物を重合することで得られる重合体。
  21. 請求項12に記載の組成物または請求項1に記載の少なくともひとつの化合物を重合することで得られる重合体。
  22. 請求項20または21に記載の重合体からなる光学異方性を有する成形体。
  23. 光学異方性を有する成形体の薄層における液晶骨格がハイブリッド配向を示す請求項20または21に記載の重合体からなる光学異方性を有する成形体。
  24. 光学異方性を有する成形体の薄層における液晶骨格がホモジニアス配向を示す請求項20または21に記載の重合体からなる光学異方性を有する成形体。
  25. 光学異方性を有する成形体の薄層における液晶骨格がチルト配向を示す請求項20または21に記載の重合体からなる光学異方性を有する成形体。
  26. 光学異方性を有する成形体の薄層における液晶骨格がホメオトロピック配向を示す請求項20または21に記載の重合体からなる光学異方性を有する成形体。
  27. カイラルネマチック相またはコレステリック相を有する請求項1319の何れか1項に記載の液晶組成物から得られる重合体からなる光学異方性を有する成形体であって、その薄層における液晶骨格が螺旋構造を呈する光学異方性を有する成形体。
  28. 波長350〜750nmのうち、一部またはすべての領域の光を選択的に反射する請求項27に記載の光学異方性を有する成形体。
  29. 波長100〜350nmの領域の光を反射する請求項27に記載の光学異方性を有する成形体。
  30. カイラルネマチック相またはコレステリック相で誘起された螺旋構造において、ピッチが光学異方性を有する成形体の厚さ方向に連続的に変化する請求項2729の何れか1項に記載の光学異方性を有する成形体。
  31. 請求項2230の何れか1項に記載の光学異方性を有する成形体から構成される光学補償素子。
  32. 請求項27に記載の光学異方性を有する成形体を使用した1/4波長機能板。
  33. 請求項27に記載の光学異方性を有する成形体を使用した1/2波長機能板。
  34. 請求項2230の何れか1項に記載の光学異方性を有する成形体と偏光板との組み合わせから構成される光学素子。
  35. 請求項2230の何れか1項に記載の光学異方性を有する成形体を含有する液晶表示素子。
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