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JP4551561B2 - Vacuum film forming apparatus parts, vacuum film forming apparatus using the same, and target apparatus - Google Patents

Vacuum film forming apparatus parts, vacuum film forming apparatus using the same, and target apparatus Download PDF

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JP4551561B2 JP2000399263A JP2000399263A JP4551561B2 JP 4551561 B2 JP4551561 B2 JP 4551561B2 JP 2000399263 A JP2000399263 A JP 2000399263A JP 2000399263 A JP2000399263 A JP 2000399263A JP 4551561 B2 JP4551561 B2 JP 4551561B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパッタリング装置やCVD装置などの真空成膜装置に用いられる真空成膜装置用部品とそれを用いた真空成膜装置、およびスパッタリング装置などに用いられるターゲット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体部品や液晶部品などにおいては、スパッタリング法やCVD法などの成膜方法を利用して各種の配線や電極などを形成している。具体的には、半導体基板やガラス基板などの被成膜基板上に、スパッタリング法やCVD法などを適用して、Al、Ti、Mo、W、Mo−W合金などの導電性金属薄膜、あるいはMoSi2、WSi2、TiSi2などの導電性を有する金属化合物薄膜、TiNやTaNなどの金属化合物薄膜を形成している。これら各薄膜は配線層、電極層、バリア層、下地層(ライナー材)などとして利用される。
【0003】
ところで、上述したような薄膜の形成に使用されるスパッタリング装置やCVD装置などの真空成膜装置においては、成膜工程中に成膜装置内に配置されている各種部品にも成膜材料が付着、堆積することが避けられない。このような部品上に付着、堆積した成膜材料(付着膜)は、成膜工程中に部品から剥離することによって、ダストの発生原因となっている。このようなダストが成膜基板上の膜中に混入すると、配線形成後にショートやオープンなどの配線不良を引き起こし、製品歩留りの低下を招くことになる。
【0004】
このようなことから、従来の真空成膜装置においては、防着板やターゲットの固定部品などの装置構成部品を、ターゲット材もしくはそれと熱膨張率が近い材料で形成したり、あるいは装置構成部品の表面にターゲット材もしくはそれと熱膨張率が近い材料の被膜を形成することが実施されている(例えば特開昭60-26659号公報、特開昭63-161163号公報、特開昭63-243269号公報など参照)。このような構成に基づいて、装置構成部品と成膜材料との熱膨張率の差に基づく付着膜の剥がれを防止している。
【0005】
しかしながら、真空成膜装置の装置構成部品自体をターゲット材などで形成した場合、部品強度の低下などを招くおそれがある。さらに、部品上に付着した成膜材料(付着膜)自体の応力によって、付着膜が剥がれるおそれがある。一方、部品表面にターゲット材の被膜を形成した場合、その形成方法によっては被膜自体が剥がれやすいというような問題がある。
【0006】
さらに、特開昭61-56277号公報には、部品表面にAlやMoの溶射膜を形成すると共に、溶射膜の表面粗さを200μm以上とすることが記載されている。ここでは、溶射膜の表面粗さに基づいて、部品上に付着した成膜材料の剥離を防止している。溶射膜を利用した成膜装置用部品は、例えば特開平9-272965号公報にも記載されている。ここでは、装置構成部品の表面に形成された溶射膜のガス残存量を10Torr・cc/g以下としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の溶射膜を使用した成膜装置の構成部品は、主として溶射膜表面の大きな表面粗さに基づいて、部品表面に付着した成膜材料(付着膜)の剥離を防止しようとするものである。このような付着膜の剥離防止対策はある程度の効果が得られているものの、溶射膜の表面粗さに起因して付着膜表面に大きな凹凸が生じ、この付着膜表面の大きな凹凸が逆に微細なダスト(パーティクル)の発生原因となっている。さらに、部品表面に付着した成膜材料の内部応力に基づく付着膜の剥離もダストの発生原因となっている。
【0008】
特に、最近の半導体素子においては、64M、256M、1Gというような高集積度を達成するために、配線幅を0.3μm、0.18μm、さらには0.1μm以下というように、極めて狭小化することが求められている。このように狭小化された配線およびそれを有する素子においては、例えば直径0.2μm程度の極微小粒子(微小パーティクル)が混入しても、配線不良や素子不良などを引起こすことになる。
【0009】
このような極めて過酷な条件に対して、上述したような従来のダスト防止対策(パーティクル防止対策)では、高集積化された半導体素子などの製造歩留りを高めることが困難とされている。そこで、高密度配線を有する半導体素子などの製造歩留りを高めるために、装置構成部品に起因する微細なダスト(パーティクル)の発生を抑制することが強く望まれている。また、ダストの問題は成膜装置の構成部品に限らず、スパッタリングターゲット、あるいはスパッタリングターゲットを冷却保持するバッキングプレートにおいても同様な問題が発生している。
【0010】
さらに、装置構成部品などの表面に単に溶射膜を形成しただけでは、溶射膜の内部に残留する応力によって、溶射膜自体が剥がれやすいという問題がある。溶射膜やその上に付着した成膜材料(付着膜)の剥離が発生すると急激にダストの発生量が増加するため、通常は装置のクリーニングを実施したり、あるいは部品の交換が必要となる。クリーニングや部品の交換は、装置稼働率の低下原因となるため、結果的に成膜コストの上昇を招くことになる。そこで、例えば溶射膜の剥離を抑制することによって、装置構成部品の長寿命化を図ることが強く望まれている。
【0011】
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、成膜工程中に付着する成膜材料からのダストの発生を大幅に抑制すると共に、付着した膜自体の剥離を安定かつ有効に防止することを可能にした真空成膜装置用部品およびターゲット装置を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、成膜工程中に付着した膜や溶射膜の剥離を安定かつ有効に防止し、装置クリーニングや部品の交換などに伴う成膜コストの増加を抑えると共に、ダストの発生を抑制することを可能にした真空成膜装置用部品およびターゲット装置を提供することにある。さらに、ダストの混入を防止し、高集積化された半導体素子などへの対応を図ると共に、稼働率の改善により成膜コストの低減を図ることを可能にした真空成膜装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空成膜装置用部品は、部品本体と、前記部品本体上に形成され、軟金属材料からなる応力緩和層を有する第1の被膜と、前記第1の被膜上に形成され、前記第1の被膜とは異なる材料からなる第2の被膜とを含む溶射膜とを具備し、前記溶射膜はビッカース硬さがHv30以下のAl系溶射膜、ビッカース硬さがHv100以下のCu系溶射膜、ビッカース硬さがHv200以下のNi系溶射膜、ビッカース硬さがHv300以下のTi系溶射膜、ビッカース硬さがHv300以下のMo系溶射膜およびビッカース硬さがHv500以下のW系溶射膜から選ばれる少なくとも1つの低硬度被膜を有し、前記応力緩和層は前記Al系溶射膜または前記Cu系溶射膜からなることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の真空成膜装置は、真空容器と、前記真空容器内に配置される被成膜試料保持部と、前記真空容器内に前記被成膜試料保持部と対向して配置される成膜源と、前記成膜源を保持する成膜源保持部と、前記被成膜試料保持部または成膜源保持部の周囲に配置された防着部品とを具備する。このような真空成膜装置において、被成膜試料保持部、成膜源保持部および防着部品から選ばれる少なくとも1つは、上記した本発明の真空成膜装置用部品からなることを特徴としている。
【0023】
本発明においては、真空成膜装置用部品の部品本体の表面に設けられた溶射膜の少なくとも一部として、上述したようなビッカース硬さを有するAl系溶射膜、Cu系溶射膜、Ni系溶射膜、Ti系溶射膜、Mo系溶射膜、およびW系溶射膜から選ばれる少なくとも1つの低硬度被膜を用いている。
【0024】
ここで、従来の溶射膜には溶射形成時に生じた内部応力が残存しており、これにより外的な応力が負荷された際に溶射膜の内部で破壊が起こりやすくなっている。これが溶射膜自体の剥離の原因になっている。これに対して、本発明では通常の溶射膜に比べて軟化させた溶射膜を用いている。軟化させた溶射膜は内部応力(残留応力)が緩和されているため、成膜工程時に外部応力が負荷された際に、溶射膜内部からの破壊を有効に抑制することができる。これによって、溶射膜自体の剥離を防ぐことが可能となる。さらに、溶射膜を低硬度化することによって、その上に付着した成膜材料(付着膜)の内部応力も緩和することができる。
従って、溶射膜上の付着膜自体の剥離も抑制することが可能となる。
【0025】
これらによって、溶射膜やその上に堆積する付着膜の剥離によるダスト(パーティクル)の発生を抑えることができるだけでなく、装置クリーニングや部品交換の回数を大幅に減らすことができる。ダスト(パーティクル)の発生量の低減は、真空成膜装置で形成する各種の膜、さらにはそれを用いた素子や部品などの歩留り向上に大きく寄与する。また、装置クリーニングや部品交換回数の低減は、装置稼働率の向上、ひいては成膜コストの削減に大きく寄与する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0027】
図1は、本発明の真空成膜装置用部品の一実施形態の要部構成を示す断面図である。同図に示す真空成膜装置用部品1は、部品本体(基材)2の表面に設けられた溶射膜3を有している。なお、部品本体2の構成材料は特に限定されるものではないが、例えば装置部品の構成材料として一般的なステンレス材などを用いることができる。部品本体2の溶射膜形成面2aは、アンカー効果が得られるように、予めブラスト処理などで荒らしておくことが好ましい。
【0028】
上記した溶射膜3はパーティクルの発生を低減するために、溶射膜3の表面形態が制御可能な溶射法を適用して形成することが好ましい。具体的には、部品本体2の構成材料や形状、使用される環境条件、溶射材料などに応じて、プラズマ溶射法、超高速フレーム溶射法などを適宜選択して使用する。溶射膜3は部品本体2に対する密着力に優れる。さらに、成膜工程中の温度上昇に基づく部品本体2と溶射膜3との界面からの剥離などを防止する上で、溶射膜3は部品本体2との熱膨張率の差が20×10-6/K以下の金属材料で形成することが好ましい。より好ましい熱膨張率の差は15×10-6/K以下であり、望ましくは10×10-6/K以下である。
【0029】
溶射膜3は、その上に付着する成膜材料(付着膜)との熱膨張差による剥離を防止する上で、成膜材料との熱膨張率の差が15×10-6/K以下の材料で形成することが好ましい。より好ましい熱膨張率の差は10×10-6/K以下であり、望ましくは5×10-6/K以下である。成膜材料との関係のみを考えた場合、溶射膜3は成膜材料と同一材料で形成することが好ましい。成膜する膜が合金膜や化合物膜などの場合には、溶射膜3は成膜材料(成膜源)を構成する少なくとも1種の金属元素を含む材料で形成することが好ましい。このような条件を満足させることによって、溶射膜3上に付着した成膜材料の熱膨張差に基づく剥離を抑制することができる。
【0030】
溶射膜3は異なる材料からなる2層以上の被膜で構成されている。2層以上の被膜を有する溶射膜3としては、例えば部品本体2上に形成された応力緩和層(第1の被膜)と、この応力緩和層上に形成された熱膨張緩和層(第2の被膜)とを有する構造が挙げられる。
【0031】
応力緩和層にはAl、Cuもしくはそれらの合金などの軟金属材料を用いる。熱膨張緩和層には付着膜との熱膨張差が小さい金属材料を用いる。これら各層の部品本体2や成膜材料との具体的な熱膨張率の差は上記した通りである。なお、表面側に耐食性に優れた溶射膜を形成する構造、部品本体2と成膜材料との熱膨張差を緩和するように、熱膨張率が異なる2層以上の溶射膜を順に形成した構造などを採用することも可能である。
【0032】
溶射膜3は成膜工程中に付着、堆積した成膜材料(付着膜)の剥離防止膜として機能する。ここで、真空成膜装置用部品1の表面がある程度の凹凸状態を有していれば、ある程度の厚さまでは付着膜の剥離を抑制することができる。しかし、付着膜の厚さが厚くなると容易に剥離する傾向にある。これは付着膜の厚さが増加するに伴って内部応力が大きくなり、これに基づいて付着膜の剥離が発生するためである。
【0033】
溶射膜3は気孔を多数含む内部構造などにより付着膜の内部応力を吸収する作用を有し、付着膜の剥離防止に対して有効に機能する。ただし、単に溶射しただけでは溶射膜の表面粗さが大きくなる。このために、付着膜からの粒子の脱落や付着膜自体の剥離が生じやすくなる。さらに、単に溶射しただけでは溶射膜の内部に応力が残存し、この内部応力により溶射膜自体の剥離が生じやすくなる。
【0034】
本発明においては、溶射膜の表面粗さに基づく粒子の脱落や付着膜自体の剥離を抑制するために、溶射膜3の表面粗さをJIS B 0601-1994で規定する局部山頂の平均間隔Sで50〜150μmの範囲、最大谷深さRvおよび最大山高さRpでそれぞれ20〜70μmの範囲とすることが好ましい。このような適度な表面粗さを有する溶射膜3によれば、その上に堆積した付着膜からの粒子の段落、さらには付着膜自体の剥離を安定的に抑制することが可能となる。
【0035】
表面粗さの1つのパラメータである局部山頂の平均間隔Sは、図2に示すように、表面粗さ測定機で求めた粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さLだけ抜き取り、隣り合う局部山頂間に対応する平均線の長さ(S1、S2、…Sn)を求め、これら測定値の平均値(mm)を示すものである。最大谷深さRvおよび最大山高さRpは図3に示すように、表面粗さ測定機で求めた粗さ曲線を基準長さLに区切り、各基準長さ毎に平均線から最も深い谷底までの深さRviおよび平均線から最も高い山頂までの高さRpiを求め、これら谷深さRviおよび山高さRpiの最大値(RvおよびRp)を示すものである。
【0036】
従来の装置構成部品の表面に適用されていた溶射膜のように、溶射膜表面の表面粗さが大きいと、その上に堆積する付着膜も凹凸状態となり、付着粒子が脱落しやすい形態で堆積することになる。さらに、付着膜が厚くなると内部応力が増大し、凹凸に起因して付着膜中に生じる段差部分に亀裂が発生しやすくなる。これは付着膜の剥がれを助長する。このような溶射膜の大きな表面粗さに基づく粒子の脱落や付着膜の剥離を防ぐために、本発明では上記した局部山頂の平均間隔S、最大谷深さRvおよび最大山高さRpにより規定される表面粗さを有する溶射膜3を適用している。
【0037】
表面の局部山頂の平均間隔Sが50〜150μmの範囲の溶射膜3によれば、その上に堆積する付着膜が安定な柱状構造で成長し、粒子の脱落や付着膜の剥離を防ぐことができる。局部山頂の平均間隔Sが50μm未満であると、その上に堆積する付着膜が不安定な粒子構造で成長し、付着膜の剥離や粒子の脱落が生じやすくなる。一方、局部山頂の平均間隔Sが150μmを超えると、付着膜の密着力が低下しすぎるため、逆に付着膜の剥離が生じやすくなる。付着膜の剥離をより有効に防止する上で、溶射膜3表面の局部山頂の平均間隔Sは70〜100μmの範囲とすることがより好ましく、望ましくは75〜90μmの範囲である。
【0038】
さらに、表面の最大谷深さRvおよび最大山高さRpがそれぞれ20〜70μmの範囲の溶射膜3によれば、付着粒子を溶射膜面上により均一に堆積させることが可能となるため、粒子の脱落、言い換えるとパーティクルの発生を防ぐことができる。
【0039】
すなわち、最大谷深さRvおよび最大山高さRpがそれぞれ70μmを超えると、付着粒子の堆積が不均一になる。具体的には、谷部に部分的に空孔が生じたり、また山部の斜影効果で付着粒子の堆積が不均一になる。このような付着粒子の堆積状態は非常に不安定であるため、付着膜から粒子の脱落が生じる。さらに、付着膜の堆積形状に高さの差が生じ、高い部分に堆積する粒子の付着力が低下することによって、粒子の脱落が生じる。
【0040】
一方、最大谷深さRvおよび最大山高さRpがそれぞれ20μm未満であると、付着膜の密着力が低下して、付着膜の剥離が生じやすくなる。粒子の脱落(パーティクルの発生)をより効果的に防ぐと共に、付着膜の耐久性を高めるために、溶射膜3の最大谷深さRvおよび最大山高さRpはそれぞれ30〜60μmの範囲とすることがより好ましく、望ましくはそれぞれ30〜40μmの範囲である。
【0041】
溶射膜3はその形成過程に基づいて複雑な表面形態を有することから、付着膜に対して良好な密着性を示す。ただし、その表面粗さが大きくなりすぎると、上述したように粒子の脱落や付着膜の剥離が発生する。このようなことから、溶射膜3の表面粗さをJIS B 0601-1994で規定する算術平均粗さRaで表した場合、算術平均粗さRaは5〜15μmの範囲であることが好ましい。
【0042】
溶射膜3表面の算術平均粗さRaが15μmを超えると、溶射膜3表面の凹凸が大きくなりすぎて、付着膜がパーティクルの発生しやすい付着形態となる。さらに、付着膜が溶射膜3全体に付着せずに空孔が残るため、そこを起点として付着膜の剥離が起こるおそれがある。ただし、溶射膜3表面の算術平均粗さRaが5μm未満であると、付着膜の保持力が低下して、付着膜が容易に剥離するおそれがある。溶射膜3表面の算術平均粗さRaは8〜12μmの範囲とすることがより好ましく、さらに好ましくは10〜12μmの範囲である。
【0043】
上述したような表面粗さを有する溶射膜3は、例えば粉末原料を用いる粉末式フレーム溶射やプラズマ溶射を適用すると共に、粉末原料の粒径を制御することにより得ることができる。粉末式フレーム溶射においては、特に超高速フレーム溶射を適用することが好ましい。超高速フレーム溶射やプラズマ溶射を実施する際の具体的な条件は、原料粉末の材質などに応じて適宜設定する。例えば、粒径が揃った原料粉末を用いて、超高速フレーム溶射やプラズマ溶射を実施することによって、上述したような適度な表面粗さを有する溶射膜3が得られる。さらに、溶射後に表面クリーニングなどを施すことによっても、溶射膜3の表面粗さを調整することができる。溶射膜3の表面粗さを制御するためのさらに具体的な条件としては、電流、電圧、ガス流量、溶射距離、原料粉末の供給量などの溶射条件を適宜変更することなどが挙げられる。
【0044】
溶射膜3による付着膜の剥離防止効果を得る上で、溶射膜3の膜厚は適度に調整することが好ましい。このような点から溶射膜3の膜厚は50〜500μmの範囲とすることが好ましい。溶射膜3は前述したように付着膜の内部応力を低減する効果を有しているが、この応力低減効果は厚さにより異なる。溶射膜3の厚さが50μm未満であると、応力低減効果が低下して付着膜が剥がれやすくなる。一方、500μmを超えると溶射膜3自体に大きな内部応力が発生し、これにより溶射膜3自体の剥離が発生しやすくなる。溶射膜3の膜厚は、上記した効果がより良好に得られる100〜300μmの範囲とすることがより好ましく、さらに好ましくは200〜250μmの範囲である。
【0045】
上述した溶射膜3は、その表面粗さを局部山頂の平均間隔Sで50〜150μmの範囲、最大谷深さRvおよび最大山高さRpでそれぞれ20〜70μmの範囲としているため、付着膜からの粒子の脱落、すなわちパーティクルの発生を有効に抑制することが可能となる。さらに、溶射膜3の表面粗さに基づいて、付着膜の剥離を防ぐことができる。
【0046】
このように、付着膜からの粒子の脱落や付着膜の剥離に基づくパーティクルの発生を大幅に抑制することによって、真空成膜装置で形成する各種の膜、さらにはそれを用いた素子や部品などの製造歩留りを大幅に高めることが可能となる。
さらに、付着膜の剥離を抑制することによって、装置のクリーニング回数を減らすことができる。装置のクリーニング回数の低減は、成膜装置の稼働率の向上、ひいては成膜コストの削減に大きく寄与する。
【0047】
本発明においては、溶射膜3の内部応力に基づく溶射膜自体の剥離を抑制するために、ビッカース硬さがHv30以下のAl系溶射膜、ビッカース硬さがHv100以下のCu系溶射膜、ビッカース硬さがHv200以下のNi系溶射膜、ビッカース硬さがHv300以下のTi系溶射膜、ビッカース硬さがHv300以下のMo系溶射膜およびビッカース硬さがHv500以下のW系溶射膜から選ばれる少なくとも1つの低硬度被膜を溶射膜3に適用している
【0048】
これら溶射膜の好ましい硬度は、Al系溶射膜はHv25以下、Cu系溶射膜はHv80以下、Ni系溶射膜はHv150以下、Ti系溶射膜はHv250以下の、Mo系溶射膜はHv250以下、W系溶射膜はHv400以下である。さらに好ましい硬度は、Al系溶射膜はHv20以下、Cu系溶射膜はHv70以下、Ni系溶射膜はHv100以下、Ti系溶射膜はHv200以下の、Mo系溶射膜はHv200以下、W系溶射膜はHv350以下である。
【0049】
ここで、本発明で規定する溶射膜のビッカース硬さは、以下のようにして測定した値を示すものとする。すなわち、まず溶射膜3の表面を研磨して平坦化する。次いで、平坦化した面に荷重200gでダイヤモンド圧子を30秒間押し付ける。これにより生じた圧痕の長さをXおよびY方向に測定し、その平均長さからビッカース硬さ値に変換する。このような測定を5回行い、その平均値を本発明のビッカース硬さとする。
【0050】
溶射膜3は、上記した低硬度の金属溶射膜のうち2つ以上の低硬度被膜の積層膜で構成してもよい。2層以上の被膜で構成された溶射膜3、そのうちの少なくとも1層が低硬度被膜であればよい。
【0051】
上述したような硬度を有する溶射膜(低硬度被膜)3は、例えば溶射後にアニーリング処理を施して軟化させることにより得ることができる。溶射膜3を低硬度化して内部応力を十分に緩和することによって、成膜工程時に外部応力(例えば熱応力)が負荷された際に、溶射膜3の内部からの破壊の進行を有効に抑制することができる。これによって、溶射膜3自体の剥離を防ぐことが可能となる。上記した各金属溶射膜の硬度がそれぞれ上述した値を超えているということは、内部応力が十分に緩和されていないことを意味する。そのような溶射膜3では内部破壊やそれに基づく剥離の進行を抑制することができない。
【0052】
ここで、上述した各金属溶射膜はそれぞれ単体金属膜に必ずしも限られるものではなく、各金属を主体とする合金膜も含むものである。ただし、溶射膜3の低硬度化などの観点からはそれぞれ単体金属膜、すなわちAl溶射膜、Cu溶射膜、Ni溶射膜、Ti溶射膜、Mo溶射膜、W溶射膜であることが好ましい。これら各金属溶射膜のより好ましいビッカース硬さは、Al溶射膜ではHv25以下、Cu溶射膜ではHv75以下、Ni溶射膜ではHv150以下、Ti溶射膜ではHv250以下、Mo溶射膜ではHv250以下、W溶射膜ではHv450以下である。
【0053】
なお、合金膜としては、Al−Cu合金膜、Al−Ti合金膜、Cu−Al合金膜、Cu−Zn合金膜、Ni−Al合金膜、Ni−Cr合金膜、Ti−Al合金膜、Mo−Ta合金膜、Mo−W合金膜などを適用することができる。
【0054】
溶射膜3の低硬度化のためのアニーリング処理は、溶射膜3の形成材料にもよるが、例えば真空雰囲気、不活性雰囲気、還元性雰囲気などの各種雰囲気中にて、Al単層の場合には200〜450℃、Cu単層の場合には300〜900℃、Ni単層の場合には300〜900℃、Ti単層の場合には300〜900℃、Mo単層およびW単層の場合には300〜1200℃の温度で実施することが好ましい。
【0055】
処理温度があまり低いと溶射膜3の内部応力を十分に緩和することができず、上記したような低硬度を達成することができないおそれがある。一方、処理温度があまり高いと部品本体2に熱変形が生じたり、また溶射膜3に剥がれが生じるおそれがある。金属溶射膜のより好ましいアニーリング温度は、Al単層の場合には250〜350℃、Cu単層の場合には600〜800℃、Ni単層の場合には450〜750℃、Ti単層の場合には350〜650℃、Mo単層およびW単層の場合には600〜900℃の範囲である。
【0056】
溶射膜3を2層以上の被膜の積層膜で構成する場合には、融点が低い材料の温度を基準にしてアニーリング処理を実施することが好ましい。積層構造の溶射膜3の好ましいアニーリング温度は、使用した材料により異なる。表1は積層構造の溶射膜3の好ましいアニーリング温度の代表例を示している。
【0057】
【表1】

Figure 0004551561
【0058】
上述した溶射膜3は、内部応力を緩和した低硬度被膜(低硬度の金属溶射膜)を適用しているため、溶射膜3自体の剥離を有効に抑制することが可能となる。さらに、溶射膜3を低硬度化することによって、その上に付着した成膜材料(付着膜)の内部応力も緩和することができる。従って、溶射膜3上の付着膜自体の剥離も抑制することが可能となる。
【0059】
これらによって、溶射膜3やその上に堆積した付着膜の剥離に起因する装置クリーニングや部品交換の回数を大幅に減らすことが可能となる。言い換えると、装置構成部品1の寿命を大幅に延ばすことができる。このように、装置構成部品1を長寿命化することによって、成膜装置の稼働率の向上、ひいては成膜コストの削減を達成することが可能となる。さらに、溶射膜3やその上の付着膜の剥離に起因するダストの発生も抑えられるため、真空成膜装置で形成する各種の膜、それを用いた素子や部品などの歩留りを高めることができる。
【0061】
本発明の装置構成部品において、溶射膜3の具体的な構成としては、例え図5に示す構造が挙げられる。図4は参考例であり、成膜材料との熱膨張率の差が15×10-6/K以下の金属材料からなる熱膨張緩和層4のみで構成した溶射膜3を示している。図5は軟金属材料からなる応力緩和層5と、成膜材料との熱膨張率の差が15×10-6/K以下の金属材料からなる熱膨張緩和層4との積層膜で構成した溶射膜3を示している。図5に示す積層型の溶射膜3において、応力緩和層5は熱膨張緩和層4の下地層として設けられており、部品本体2と熱膨張緩和層4との間に介在されている。
【0062】
溶射膜3を応力緩和層5と熱膨張緩和層4との積層膜で構成する場合、熱膨張緩和層4の厚さは50〜150μmの範囲とすることが好ましく、応力緩和層5の厚さは100〜300μmの範囲とすることが好ましい。溶射膜3の全体の厚さは前述した通りである。熱膨張緩和層4の厚さが50μm未満であると、その機能が十分に得られないおそれがある。また、応力緩和層5の厚さが100μm未満であると、その機能が十分に得られないおそれがある。ただし、熱膨張緩和層4および応力緩和層5の一方を厚くしすぎると、相対的に他方の厚さが薄くなるため、熱膨張緩和層4の厚さは150μm以下とすることが好ましく、応力緩和層5の厚さは300μm以下とすることが好ましい。
【0063】
溶射膜3を構成する金属材料の種類は、その用途に応じて適宜選択される。例えば、図5に示した熱膨張緩和層4に低硬度被膜を適用する場合には、成膜材料(付着膜)の種類に応じて、Al系溶射膜、Cu系溶射膜、Ti系溶射膜、Ni系溶射膜、Mo系溶射膜、W系溶射膜の中から適宜に選択して使用される。このように、熱膨張緩和層4は上述した低硬度被膜で構成することが好ましいが、これら以外の材料や硬度を適用することも可能である。
【0064】
低硬度被膜からなる熱膨張緩和層4によれば、それ自体の内部応力の緩和による剥離の抑制効果に加えて、その上に付着した成膜材料(付着膜)の内部応力の緩和効果も期待できる。すなわち、成膜材料が溶射膜3上に付着して堆積していく際に、その内部には応力が生じる。この成膜材料の付着堆積時に生じる内部応力は、溶射膜3を低硬度化することで緩和することができる。従って、溶射膜3上の付着膜自体の剥離も抑制することが可能となる。
【0065】
さらに、軟金属材料からなる応力緩和層5に、本発明の低硬度被膜適用される。応力緩和層5に適用される低硬度被膜としては、ビッカース硬さがHv30以下のAl系溶射膜、ビッカース硬さがHv100以下のCu系溶射膜挙げられる。これらの低硬度被膜を応力緩和層5に適用することによって、軟金属材料による応力緩和効果をより一層高めることが可能となる。
【0066】
なお、溶射膜3を構成する金属膜は、上述した低硬度被膜に限られるものではなく、例えばTa系溶射膜やFe基合金(例えばステンレス)系の溶射膜などを使用することもできる。また、熱膨張緩和層4や応力緩和層5以外の機能層に溶射膜3を使用する場合には、その用途に応じて適宜金属材料を選択して使用する。
【0067】
上述した本発明の装置構成部品1は、スパッタリング装置やCVD装置などの真空成膜装置の構成部品として用いられるものである。装置構成部品1は、成膜工程中に成膜材料が付着する部品であれば種々の部品に対して適用可能である。さらに、装置構成部品1の溶射膜3を構成する金属材料は、適用する成膜装置や成膜工程などに応じて適宜選択して使用されるものである。
【0068】
例えば、半導体素子の製造工程において、Ti系のバリア膜をスパッタ成膜する場合には、Al系溶射膜5/Ti系溶射膜4の積層膜などが使用される。WSix電極をスパッタ成膜する場合には、Al系溶射膜5/W系溶射膜4の積層膜などが使用される
【0069】
なお、本発明の真空成膜装置用部品を適用し得る成膜工程は、半導体素子や液晶表示素子の製造工程に限られるものではなく、各種記録媒体や記録再生用ヘッドの製造工程、薄膜コンデンサや抵抗器などの電子部品の製造工程、ガラス部品の製造工程などに対しても適用可能である。
【0070】
さらに、本発明の装置構成部品1はCVD装置に適用することも可能である。CVD装置に本発明の装置構成部品1を適用した具体例としては、表面に溶射膜を形成したCVD用電極などが挙げられる
【0071】
前述した溶射膜はターゲット装置に対しても適用することが可能である。すなわち、ターゲット本体の非エロージョン領域に溶射膜を形成する場合、あるいはターゲットを保持するためのバッキングプレート本体の表面に溶射膜を形成する場合においても、前述した構成を有する溶射膜を適用することができる。
【0072】
図6は参考例によるターゲット装置の概略構成を示す図である。同図に示すターゲット装置は、ターゲット本体11と、このターゲット本体11を保持するバッキングプレート12とを有している。ターゲット本体11の中心部分や外周部分は、実質的にはスパッタされず、非エロージョン領域Aとなる。なお、領域Bはエロージョン領域を示している。
【0073】
上述したターゲット本体11の非エロージョン領域Aには、スパッタされた粒子が再付着する。このような非エロージョン領域Aの付着物が剥離した場合においても、他の部品からの付着物の剥離と同様に配線膜などの不良原因となる。従って、ターゲット本体11の非エロージョン領域Aには、前述した真空成膜装置用部品の実施形態で説明した構成、材質、硬度、表面粗さ、膜厚などを有する溶射膜3が形成されている。ターゲット本体11の非エロージョン領域Aに、前述した本発明による溶射膜3を予め形成しておくことによって、付着物の剥離に伴う配線不良や素子不良などを防止することができる。
【0074】
また、バッキングプレート12の露出表面にもスパッタされた粒子が再付着する。このようなバッキングプレート12の露出表面に対して、前述した本発明による溶射膜3を予め形成しておくことによっても、付着物の剥離に伴う配線不良や素子不良などを防止することができる。このバッキングプレートは、バッキングプレート本体12と、その露出表面に形成された溶射膜3とにより構成されたものである。
【0075】
次に、本発明の真空成膜装置の実施形態について説明する。図7は本発明の真空成膜装置をスパッタリング装置に適用した一実施形態の要部構成を示す図である。同図において、11はバッキングプレート12に固定されたスパッタリングターゲットである。成膜源としてのスパッタリングターゲット11の外周部下方には、アースシールド13が設けられている。アースシールド13の下方には、さらに上部防着板14および下部防着板15が配置されている。
【0076】
被成膜試料である基板16は、スパッタリングターゲット11と対向配置するように、被成膜試料保持部であるプラテンリング17により保持されている。これらは図示を省略した真空容器内に配置されている。真空容器には、スパッタガスを導入するためのガス供給系(図示せず)と真空容器内を所定の真空状態まで排気する排気系(図示せず)とが接続されている。
【0077】
この実施形態のスパッタリング装置においては、アースシールド13、上部防着板14、下部防着板15およびプラテンリング17を、上述した本発明の真空成膜装置用部品1で構成している。真空成膜装置用部品1の具体的な構成は前述した通りである。さらに、この実施形態において、スパッタリングターゲット11の非エロージョン領域には同様な溶射膜3が設けられている。バッキングプレート12の露出表面にも同様な溶射膜3が設けられている。なお、溶射膜3はいずれもスパッタリングターゲット11からスパッタされた粒子が付着する面に形成されている。
【0078】
上述したスパッタリング装置においては、成膜工程中にアースシールド13、上部防着板14、下部防着板15、プラテンリング17、スパッタリングターゲット11、バッキングプレート12などの表面にスパッタされた成膜材料(ターゲット11の構成材料)が付着するが、この付着物の剥離は部品表面の溶射膜3により安定かつ有効に防止される。また、溶射膜3自体も安定で長寿命である。
【0079】
これらによって、ダストおよびパーティクルの発生量、さらには基板16に形成される膜中への混入量を大幅に抑制することができる。従って、64M、256M、1Gというような高集積度の半導体素子や液晶表示素子などの製造歩留りを大幅に高めることが可能となる。すなわち、配線幅が0.2μm以下というように狭小でかつ高密度の配線網を形成する配線膜であっても、微小パーティクル(例えば直径0.2μm以上)の混入を大幅に抑制できることから、配線不良を大幅に低減することが可能となる。これにより、素子歩留りが向上する。
【0080】
さらに、付着物や溶射膜3自体の剥離を安定かつ有効に抑制することが可能であることから、装置クリーニングや部品交換の回数を大幅に減らすことができる。この装置クリーニングや部品交換回数の低減に基づいて、スパッタリング装置の稼働率の向上を図ることができる。すなわち、スパッタリング装置のランニングコストを低減することができ、ひいては各種薄膜の成膜コストを削減することが可能となる。
【0081】
なお、上記実施形態においては、アースシールド13、上部防着板14、下部防着板15、プラテンリング17、スパッタリングターゲット11、バッキングプレート12を本発明の部品で構成した例について説明したが、これら以外にターゲット外周押え(図示せず)、シャッタ(図示せず)などを本発明の真空成膜装置用部品で構成することも有効である。さらに、これら以外の部品についても、成膜工程中に成膜材料の付着が避けられない部品であれば、本発明の真空成膜装置用部品は有効に機能する。
【0082】
このように、本発明の真空成膜装置は被成膜試料保持部、成膜源保持部、防着部品などから選ばれる少なくとも1つを、本発明の真空成膜装置用部品で構成することによって、上述したような優れた効果を示すものである。さらに、ターゲットやバッキングプレートに本発明を適用した場合においても同様な効果を得ることができる。
【0083】
なお、上記実施形態では本発明の真空成膜装置をスパッタリング装置に適用した例について説明したが、これ以外に真空蒸着装置(イオンプレーティングやレーザーアブレーションなどを含む)、CVD装置などに対しても本発明の真空成膜装置は適用可能であり、上述したスパッタリング装置と同様な効果を得ることができる。
【0084】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例について述べる。
【0085】
実施例1、比較例1
まず、図7に示したスパッタリング装置のアースシールド13、上部防着板14、下部防着板15およびプラテンリング17を、SUS 304製基材の表面にプラズマ溶射法で厚さ250μmのAl溶射膜と厚さ100μmのTi溶射膜を順に形成した作製した。これら各部品を使用して、マグネトロンスパッタリング装置を構成した。
【0086】
Al溶射は、粉末の平均粒径が52μmのAl溶射原料を用いて、電流500A、電圧80Vの条件で実施した。Ti溶射は、粉末の平均粒径が65μmのTi溶射原料を用いて、電流500A、電圧65Vで実施した。溶射時の雰囲気はそれぞれArとH2の混合雰囲気とし、Arを73L/minで供給すると共に、H2を8L/minで供給した。各部品にはTi溶射面をクリーニング処理した後、アニーリング処理および脱ガス処理として真空中にて350℃×3hrの条件で熱処理を施した。
【0087】
Ti溶射膜の表面粗さは、局部山頂の平均間隔Sが83μm、最大谷深さRvが36μm、最大山高さRpが42μmであった。これら表面粗さはテーラーホブリン社製の表面粗さ測定機S4Cを用いて測定した値である。さらに、各溶射膜の硬度はアニーリング処理後において、Al溶射膜がHv20、Ti溶射膜がHv230であった。
【0088】
このようなマグネトロンスパッタリング装置に高純度Tiターゲット11をセットし、マグネトロンスパッタリングを行って、まず8インチウェーハ上にTi薄膜を形成した。さらに、その上にN2ガスを導入しながらマグネトロンスパッタリングを行って、TiN薄膜を形成した。得られたTi/TiN薄膜の表面形態を電子顕微鏡で拡大して観察したところ、良好な形態を有していた。さらに、Ti/TiN薄膜上の直径0.2μm以上のパーティクル数を測定した。このような操作を連続して行い、パーティクル数の変化を調査した。その結果を図8に示す。
【0089】
一方、本発明との比較例1として、上記実施例1と同様な各部品を以下のようにして作製した。まず、SUS 304製基材の表面にアーク溶射法で厚さ100μmのAl溶射膜を形成し、さらにプラズマ溶射法で厚さ250μmのTi溶射膜を形成した。これら各部品を使用して、マグネトロンスパッタリング装置を構成した。各部品はTi溶射面のクリーニング処理を行った後、マグネトロンスパッタリング装置に組込んだ。また、Ti溶射膜の表面粗さは、局部山頂の平均間隔Sが126μm、最大谷深さRvが75μm、最大山高さRpが85μmであった。各溶射膜の硬度は、Al溶射膜がHv35、Ti溶射膜がHv380であった。
【0090】
上記した比較例1によるマグネトロンスパッタリング装置を用いて、実施例1と同様にして8インチウェーハ上にTi/TiN薄膜を形成し、パーティクル数の変化を調べた。その結果を図8に併せて示す。また、比較例1のTi/TiN膜の表面形態を電子顕微鏡で拡大して観察したところ、実施例1に比べて劣るものであった。
【0091】
図8から明らかなように、実施例1によるマグネトロンスパッタリング装置はパーティクル発生量が150ロットまで安定して少ないのに対して、比較例1によるマグネトロンスパッタリング装置では突発的にパーティクルが発生していると共に、全体的なパーティクル発生量も多いことが分かる。これらから、実施例1の溶射膜によりパーティクルの発生を有効にかつ安定して防止できることが確認された。
【0092】
実施例2、比較例2
上記した実施例1と同様にして、表2に示すAl溶射膜とTi溶射膜の積層膜を形成した各部品を用いて、それぞれマグネトロンスパッタリング装置を構成した。溶射膜の最表面の表面粗さおよび各溶射膜の硬度は表2に示す通りである。溶射膜の表面粗さは粉末粒径により調整した。溶射膜の硬度はアニール条件により調整した。
【0093】
これら各マグネトロンスパッタリング装置を用いて、実施例1と同様にして8インチウェーハ上にTi/TiN薄膜を形成し、このTi/TiN薄膜上の直径0.2μm以上のパーティクル数を測定した。この薄膜形成を連続して行い、パーティクルが増加するまでのロット数で、剥離が発生するまでの寿命を調べた。また、150ロットによるパーティクル数の平均値を調べた。それらの結果を表2に示す。
【0094】
【表2】
Figure 0004551561
【0095】
参考、比較例3
まず、溶射原料として粉末粒径が40〜150μmの範囲で粒径分布が異なるTi溶射原料を複数用意した。これらTi溶射原料を用いて、図7に示したスパッタリング装置のアースシールド13、上部防着板14、下部防着板15およびプラテンリング17の各部品(SUS304製基材)に対して、プラズマ溶射法で厚さ200μmのTi溶射膜をそれぞれ形成した。次いで、Ti溶射面をクリーニング処理した後、真空中にて300〜500℃×3hrの条件で熱処理を施した。各Ti溶射膜の表面粗さは表3に示す通りである。
【0096】
次に、これら各部品をマグネトロンスパッタリング装置に組込み、それぞれ実施例1と同様にして8インチウェーハ上にTi/TiN薄膜を形成した。このTi/TiN薄膜上の直径0.2μm以上のパーティクル数を測定した。この薄膜形成を連続して行い、150ロットによるパーティクル数の平均値を調べた。その結果を表3に示す。なお、表3中の比較例3は、アーク溶射法でTi溶射膜を形成する以外は同様な部品を用いた場合の結果である。
【0097】
【表3】
Figure 0004551561
【0098】
表3から明らかなように、参考によるマグネトロンスパッタリング装置では、パーティクルの発生量が比較例3に比べて非常に少ないことが分かる。従って、膜(Ti/TiN薄膜)の歩留りを大幅に高めることが可能となる。
【0099】
参考、比較例4
溶射原料として粉末粒径が40〜120μmの範囲で粒径分布が異なるAl溶射原料を複数用意した。これらAl溶射原料を用いて、図7に示したスパッタリング装置のアースシールド13、上部防着板14、下部防着板15およびプラテンリング17の各部品(SUS 304製基材)に対して、プラズマ溶射法で厚さ200μmのAl溶射膜をそれぞれ形成した。次いで、Al溶射面をクリーニング処理した後、真空中にて300〜500℃×3hrの条件で熱処理を施した。各Al溶射膜の表面粗さは表4に示す通りである。
【0100】
次に、上記した各部品を高純度タングステンシリサイド(WSi2.8)ターゲットを有するマグネトロンスパッタリング装置に組込み、それぞれ8インチウェーハ上にWSix薄膜を形成し、このWSix薄膜上の直径0.2μm以上のパーティクル数を測定した。この薄膜形成を連続して行い、200ロットによるパーティクル数の平均値を調べた。その結果を表4に示す。なお、表4中の比較例4は、アーク溶射法でAl溶射膜を形成する以外は同様な部品を用いた場合の結果である。
【0101】
【表4】
Figure 0004551561
【0102】
表4から明らかなように、参考例2によるマグネトロンスパッタリング装置では、パーティクルの発生量が比較例4に比べて非常に少ないことが分かる。従って、膜(WSix薄膜)の歩留りを大幅に高めることが可能となる。
【0103】
実施例、比較例5
溶射原料として粉末粒径が40〜150μmの範囲で粒径分布が異なるTi溶射原料を複数用意した。これらTi溶射原料を用いて、図7に示したスパッタリング装置のアースシールド13、上部防着板14、下部防着板15およびプラテンリング17の各部品(SUS 304製基材)に対して、プラズマ溶射法で厚さ200μmのAl溶射膜を形成し、さらにプラズマ溶射法で厚さ80μmのTi溶射膜を形成した。次いで、Ti溶射面をクリーニング処理した後、真空中にて300〜500℃×3hrの条件でアニーリング処理を施した。これら各溶射膜の硬度を表5に示す。
【0104】
次に、これら各部品をマグネトロンスパッタリング装置に組込み、それぞれ実施例1と同様にして8インチウェーハ上にTi/TiN薄膜を形成した。この薄膜形成を連続して行い、パーティクル数が増加するまでのロット数で、剥離が発生するまでの寿命を調べた。その結果を表5に示す。なお、表5中の比較例5は、アニーリング処理を施さない以外は同様な溶射膜を形成した部品を用いた場合の結果である。
【0105】
【表5】
Figure 0004551561
【0106】
表5から明らかなように、実施例によるマグネトロンスパッタリング装置はパーティクル発生量が急激に増加するまでのロット数、すなわち剥離寿命が長く、長期間にわたって安定して使用することができる。このことはスパッタリング装置の稼働率を高めることが可能であることを意味し、装置のランニングコストの低減、ひいては成膜コストの削減に大きく貢献する。
【0107】
実施例、比較例6
溶射原料として粉末粒径が40〜120μmの範囲で粒径分布が異なるAl溶射原料を複数用意した。Al溶射原料を用いて、図7に示したスパッタリング装置のアースシールド13、上部防着板14、下部防着板15およびプラテンリング17の各部品(SUS 304製基材)に対して、プラズマ溶射法で厚さ200μmのAl溶射膜を形成し、さらにその上にプラズマ溶射法で厚さ100μmのW溶射膜を形成した。次いで、W溶射面をクリーニング処理した後、真空中にて300〜500℃×3hrの条件でアニーリング処理を施した。これら各溶射膜の硬度を表6に示す。
【0108】
次に、上記した各部品を高純度タングステンシリサイド(WSi2.8)ターゲットを有するマグネトロンスパッタリング装置に組込み、それぞれ8インチウェーハ上にWSix薄膜を形成した。このWSix薄膜の形成を、直径0.2μm以上のパーティクル数を測定しながら連続して行い、パーティクル数が増加するまでのロット数で、剥離が発生するまでの寿命を調べた。その結果を表6に示す。なお、表6中の比較例6は、アニーリング処理を施さない以外は同様な溶射膜を形成した部品を用いた場合の結果である。
【0109】
【表6】
Figure 0004551561
【0110】
表6から明らかなように、実施例によるマグネトロンスパッタリング装置はパーティクル発生量が急激に増加するまでのロット数、すなわち剥離寿命が長く、長期間にわたって安定して使用することができる。このことはスパッタリング装置の稼働率を高めることが可能であることを意味し、装置のランニングコストの低減、ひいては成膜コストの削減に大きく貢献する。
【0111】
参考
図7に示したスパッタリング装置のアースシールド13、上部防着板14、下部防着板15およびプラテンリング17の各部品(SUS 304製基材)に対して、表7に示す各溶射膜をプラズマ溶射法でそれぞれ形成した。次いで、各溶射面をクリーニング処理した後、表7に示す条件でアニーリング処理を施した。これら各溶射膜の表面粗さおよび硬度は表7に示す通りである。
【0112】
なお、各溶射膜の形成条件(プラズマ溶射条件)は、Alについては粉末原料の粒径45〜90μm、電流500A、電圧75V、Ar流量73L/min、H2流量8L/minとした。Cuは粉末原料の粒径30〜90μm、電流500A、電圧65V、Ar流量73L/min、H2流量5L/minとした。Wは粉末原料の粒径45μm以下、電流500A、電圧65V、Ar流量39L/min、H2流量10L/minとした。Moは粉末原料の粒径45μm以下、電流500A、電圧67V、Ar流量39L/min、H2流量12/minとした。Niは粉末原料の粒径45〜75μm、電流500A、電圧60V、Ar流量39L/min、H2流量6.5L/minとした。Taは粉末原料の粒径30〜80μm、電流550A、電圧68V、Ar流量39L/min、H2流量12L/minとした。SUS 304は粉末原料の粒径40〜90μm、電流500A、電圧65V、Ar流量39L/min、H2流量10L/minとした。
【0113】
次に、これら各部品をマグネトロンスパッタリング装置に組込み、それぞれ8インチウェーハ上に表7に示す薄膜を形成した。これら各薄膜上の直径0.2μm以上のパーティクル数を測定した。この薄膜形成を連続して行い、パーティクルが増加するまでのロット数で、剥離が発生するまでの寿命を調べた。また、150ロットによるパーティクル数の平均値を調べた。それらの結果を表7に示す。
【0114】
【表7】
Figure 0004551561
【0115】
実施例
図7に示したスパッタリング装置のアースシールド13、上部防着板14、下部防着板15およびプラテンリング17の各部品に対して、表8に示す2層積層構造の各溶射膜(下層はAl溶射膜)をそれぞれ形成した。次いで、各溶射面をクリーニング処理した後、表8に示す条件でアニーリング処理を施した。これら各溶射膜の表面粗さおよび硬度は表8に示す通りである。
【0116】
なお、各部品の基材は、表8中の試料No5についてはAl合金を使用し、それ以外についてはSUS 304を使用した。また、各溶射膜の形成条件は、基本的には参考と同一とした。ただし、表8中の試料No3のAl溶射膜は、直径1.6mmのAl線材を溶射原料として用いて、電流200A、電圧30Vの条件でアーク溶射して形成した。
【0117】
次に、これら各部品をマグネトロンスパッタリング装置に組込み、それぞれ8インチウェーハ上に表8に示す薄膜を形成した。これら各薄膜上の直径0.2μm以上のパーティクル数を測定した。この薄膜形成を連続して行い、パーティクルが増加するまでのロット数で、剥離が発生するまでの寿命を調べた。また、150ロットによるパーティクル数の平均値を調べた。それらの結果を表8に示す。
【0118】
【表8】
Figure 0004551561
【0119】
実施例
図7に示したスパッタリング装置のアースシールド13、上部防着板14、下部防着板15およびプラテンリング17の各部品に対して、表9に示す2層積層構造の各溶射膜(下層はCu溶射膜)をそれぞれ形成した。次いで、各溶射面をクリーニング処理した後、表9に示す条件でアニーリング処理を施した。これら各溶射膜の表面粗さおよび硬度は表9に示す通りである。
【0120】
なお、各部品の基材は、表9中の試料No3と試料No4についてはTi合金を使用し、それ以外についてはSUS 304を使用した。また、各溶射膜の形成条件は、基本的には参考と同一とした。ただし、表9中の試料No1、No2、No3、No4、No5、No6による各Cu溶射膜は、直径1.6mmのCu線材を溶射原料として用いて、電流200A、電圧30Vの条件でアーク溶射して形成した。
【0121】
次に、これら各部品をマグネトロンスパッタリング装置に組込み、それぞれ8インチウェーハ上に表9に示す薄膜を形成した。これら各薄膜上の直径0.2μm以上のパーティクル数を測定した。この薄膜形成を連続して行い、パーティクルが増加するまでのロット数で、剥離が発生するまでの寿命を調べた。また、150ロットによるパーティクル数の平均値を調べた。それらの結果を表9に示す。
【0122】
【表9】
Figure 0004551561
【0123】
参考
図7に示したスパッタリング装置のアースシールド13、上部防着板14、下部防着板15およびプラテンリング17の各部品(SUS 304製基材)に対して、表10に示す2層積層構造の各溶射膜(下層はNi溶射膜)をプラズマ溶射法でそれぞれ形成した。次いで、各溶射面をクリーニング処理した後、表10に示す条件でアニーリング処理を施した。これら各溶射膜の表面粗さおよび硬度は表10に示す通りである。なお、各溶射膜の形成条件は参考例3と同一とした。
【0124】
次に、これら各部品をマグネトロンスパッタリング装置に組込み、それぞれ8インチウェーハ上に表10に示す薄膜を形成した。これら各薄膜上の直径0.2μm以上のパーティクル数を測定した。この薄膜形成を連続して行い、パーティクルが増加するまでのロット数で、剥離が発生するまでの寿命を調べた。また、150ロットによるパーティクル数の平均値を調べた。それらの結果を表10に示す。
【0125】
【表10】
Figure 0004551561
【0126】
参考例
図7に示したスパッタリング装置のアースシールド13、上部防着板14、下部防着板15およびプラテンリング17の各部品(SUS 304製基材)に対して、プラズマ溶射法で厚さ約200μmのTi溶射膜をそれぞれ形成した。また、ターゲット11としては高純度Tiを使用し、またバッキングプレート12にはAlを使用した。ターゲット11の外周部の非エロージョン領域、およびバッキングプレート12の表面にも、同様にプラズマ溶射法で厚さ約200μmのTi溶射膜を形成した。
【0127】
次に、これらTi溶射膜を形成した各部品、ターゲットおよびバッキングプレートのTi溶射面をクリーニング処理した後、真空中にて350℃×3hrの条件で熱処理を施した。各Ti溶射膜の表面粗さは、局部山頂の平均間隔Sが72μm、最大谷深さRvが45μm、最大山高さRpが42μmであった。また、Ti溶射膜の硬度はHv205であった。
【0128】
上述した各部品、ターゲットおよびバッキングプレートをマグネトロンスパッタリング装置に組込んで、実施例1と同様にして、8インチウェーハ上にTi/TiN薄膜を形成した。このTi/TiN薄膜上の直径0.2μm以上のパーティクル数を測定した。この薄膜形成を連続して行い、パーティクルが増加するまでのロット数で剥離寿命を調べた。また、150ロットによるパーティクル数の平均値を調べた。剥離寿命は144ロット、パーティクル数の平均値は14個であった。
【0129】
この参考例においては、ターゲットおよびバッキングプレートに溶射しない場合と比較して、突発的に発生するパーティクルがなくなり、また全体のパーティクル数は半減した。これらのことから、パーティクルの発生を有効かつ安定して防止できることが確認された。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の真空成膜装置用部品によれば、成膜工程中に付着する成膜材料の剥離を安定かつ有効に防止できると共に、クリーニングや部品の交換回数を削減することができる。従って、このような真空成膜装置用部品を有する真空成膜装置によれば、配線膜や素子の不良発生原因となる膜中へのパーティクルの混入を抑制することが可能となると共に、装置稼働率の向上により成膜コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による真空成膜装置用部品の要部構成を示す断面図である。
【図2】 本発明で適用した表面粗さのうち局部山頂の平均間隔Sを説明するための図である。
【図3】 本発明で適用した表面粗さのうち最大谷深さRvおよび最大山高さRpを説明するための図である。
【図4】 図1に示す真空成膜装置用部品における溶射膜の第1の具体例の構成を模式的に示す断面図である。
【図5】 図1に示す真空成膜装置用部品における溶射膜の第2の具体例の構成を模式的に示す断面図である。
【図6】 本発明のターゲット装置を適用したスパッタリングターゲットの一実施形態の概略構成を示す断面図である。
【図7】 本発明の真空成膜装置を適用したスパッタリング装置の一実施形態の要部構成を示す図である。
【図8】 本発明の実施例1によるスパッタリング装置を使用した際のパーティクル数の変化を比較例1のスパッタリング装置と比較して示す図である。
【符号の説明】
1……真空成膜装置用部品,2……部品本体(基材),3……溶射膜,11……スパッタリングターゲット,12……バッキングプレート,13……アースシールド,14、15……防着板,16……被成膜基板,17……プラテンリング[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vacuum film forming apparatus component used in a vacuum film forming apparatus such as a sputtering apparatus or a CVD apparatus, a vacuum film forming apparatus using the same, and a target apparatus used in the sputtering apparatus.
[0002]
[Prior art]
In semiconductor components, liquid crystal components, and the like, various wirings, electrodes, and the like are formed using a film forming method such as a sputtering method or a CVD method. Specifically, a conductive metal thin film such as Al, Ti, Mo, W, or Mo—W alloy is applied to a deposition substrate such as a semiconductor substrate or a glass substrate by sputtering or CVD, or MoSi2, WSi2TiSi2A metal compound thin film having conductivity such as TiN or a metal compound thin film such as TaN is formed. Each of these thin films is used as a wiring layer, an electrode layer, a barrier layer, an underlayer (liner material), and the like.
[0003]
By the way, in the vacuum film forming apparatus such as the sputtering apparatus and the CVD apparatus used for forming the thin film as described above, the film forming material is also adhered to various components arranged in the film forming apparatus during the film forming process. Inevitable to deposit. The film-forming material (adhesion film) adhered and deposited on such parts causes dust generation by peeling off from the parts during the film-forming process. When such dust is mixed in the film on the film formation substrate, wiring defects such as short circuit and open are formed after the wiring is formed, resulting in a decrease in product yield.
[0004]
For this reason, in the conventional vacuum film forming apparatus, the apparatus component parts such as the deposition plate and the target fixing part are formed of the target material or a material having a thermal expansion coefficient close to that of the target material, or A film of a target material or a material having a thermal expansion coefficient close to that of the target material is formed on the surface (for example, JP-A-60-26659, JP-A-63-161163, JP-A-63-243269). (See publications). Based on such a configuration, the adhesion film is prevented from being peeled off based on the difference in thermal expansion coefficient between the apparatus component and the film forming material.
[0005]
However, when the component parts themselves of the vacuum film forming apparatus are formed of a target material or the like, there is a risk that the strength of the parts will be reduced. Furthermore, the attached film may be peeled off due to the stress of the film forming material (attached film) itself attached onto the component. On the other hand, when a coating film of a target material is formed on the surface of a component, there is a problem that the coating film itself is easily peeled depending on the forming method.
[0006]
Further, JP-A-61-56277 describes that a sprayed film of Al or Mo is formed on the surface of a component and that the surface roughness of the sprayed film is 200 μm or more. Here, peeling of the film forming material adhering to the component is prevented based on the surface roughness of the sprayed film. A part for a film forming apparatus using a sprayed film is also described in, for example, Japanese Patent Laid-Open No. 9-272965. Here, the residual gas amount of the sprayed film formed on the surface of the apparatus component is set to 10 Torr · cc / g or less.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Components of conventional film forming apparatuses using sprayed films are intended to prevent peeling of film forming materials (adhered films) adhering to the parts surface mainly based on the large surface roughness of the sprayed film surface. . Although such a measure to prevent peeling of the adhesion film has achieved a certain degree of effect, large irregularities are generated on the surface of the adhesion film due to the surface roughness of the sprayed film. This is the cause of generation of dust (particles). Furthermore, peeling of the attached film based on the internal stress of the film forming material attached to the surface of the component is also a cause of dust generation.
[0008]
In particular, in recent semiconductor devices, in order to achieve a high degree of integration such as 64M, 256M, and 1G, the wiring width can be extremely narrowed to 0.3 μm, 0.18 μm, and even 0.1 μm or less. It has been demanded. In such a narrowed wiring and an element having the wiring, even if extremely fine particles (fine particles) having a diameter of, for example, about 0.2 μm are mixed, wiring defects or element defects are caused.
[0009]
Under such severe conditions, the conventional dust prevention measures (particle prevention measures) as described above make it difficult to increase the manufacturing yield of highly integrated semiconductor elements and the like. Therefore, in order to increase the manufacturing yield of semiconductor elements having high-density wiring, it is strongly desired to suppress the generation of fine dust (particles) due to device components. Further, the problem of dust is not limited to the components of the film forming apparatus, and the same problem occurs in the sputtering target or a backing plate that cools and holds the sputtering target.
[0010]
Furthermore, there is a problem that if the sprayed film is simply formed on the surface of an apparatus component or the like, the sprayed film itself is easily peeled off due to the stress remaining inside the sprayed film. When the thermal spray film or the film forming material (adhered film) adhered thereon is peeled off, the amount of dust generated increases rapidly, so that it is usually necessary to clean the apparatus or replace parts. Cleaning and replacement of parts cause a reduction in apparatus operating rate, resulting in an increase in film formation cost. Therefore, for example, it is strongly desired to extend the life of the device component parts by suppressing the peeling of the sprayed film.
[0011]
The present invention has been made to cope with such a problem, and greatly suppresses the generation of dust from the film forming material adhering during the film forming process, and stably and effectively removes the adhering film itself. An object of the present invention is to provide a vacuum film forming apparatus component and a target apparatus which can be prevented. Another object of the present invention is to stably and effectively prevent peeling of a film or a sprayed film adhered during the film forming process, to suppress an increase in film forming cost due to apparatus cleaning or replacement of parts, and to generate dust. An object of the present invention is to provide a vacuum film forming apparatus component and a target apparatus that can suppress the above-described problem. Furthermore, it is intended to provide a vacuum film forming apparatus that prevents dust from being mixed in and is compatible with highly integrated semiconductor elements and the like, and that can reduce the film forming cost by improving the operation rate. It is aimed.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
  The vacuum film forming apparatus component of the present invention is formed on a component main body, a first film formed on the component main body and having a stress relaxation layer made of a soft metal material, and the first film, A sprayed coating including a second coating made of a material different from the first coating, and the sprayed coating is an Al-based sprayed film having a Vickers hardness of Hv30 or less, and a Cu-based sprayed having a Vickers hardness of Hv100 or less. Film, Ni-type sprayed film with Vickers hardness of Hv200 or less, Ti-type sprayed film with Vickers hardness of Hv300 or less, Mo-type sprayed film with Vickers hardness of Hv300 or less, and W-type sprayed film with Vickers hardness of Hv500 or less Has at least one low hardness coating selectedThe stress relaxation layer is made of the Al-based sprayed film or the Cu-based sprayed film.It is characterized by this.
[0016]
  The vacuum film forming apparatus of the present invention,trueAn empty container, a film formation sample holder disposed in the vacuum container, a film formation source disposed opposite to the film formation sample holder in the vacuum container, and the film formation source A film forming source holding unit, and a deposition part disposed around the film forming sample holding unit or the film forming source holding unit. In such a vacuum film forming apparatus, at least one selected from the film formation sample holding part, the film forming source holding part, and the deposition preventing part is the above-described vacuum film forming apparatus part of the present invention.GoodsIt is characterized by
[0023]
  In the present invention, the surface of the component body of the vacuum film forming apparatus componentProvided inAs at least a part of the sprayed film, the above-mentioned Al-based sprayed film having Vickers hardness, Cu-based sprayed film, Ni-based sprayed film, Ti-based sprayed film, Mo-based sprayed film, and W-based sprayed film are selected. At least one low hardness coating is used.
[0024]
Here, the internal stress generated at the time of thermal spray formation remains in the conventional thermal spray film, and thus, when an external stress is applied, the internal thermal spray film is easily broken. This causes peeling of the sprayed film itself. On the other hand, in the present invention, a sprayed film softened as compared with a normal sprayed film is used. Since the internal thermal stress (residual stress) is relaxed in the softened sprayed film, it is possible to effectively suppress breakage from the inside of the sprayed film when an external stress is applied during the film forming process. This makes it possible to prevent the sprayed film itself from being peeled off. Furthermore, by reducing the hardness of the sprayed film, the internal stress of the film forming material (adhered film) adhered thereon can be relaxed.
Accordingly, it is possible to suppress peeling of the adhesion film itself on the sprayed film.
[0025]
By these, not only the generation of dust (particles) due to the peeling of the sprayed film and the adhesion film deposited thereon can be suppressed, but also the number of times of device cleaning and parts replacement can be greatly reduced. Reduction of the generation amount of dust (particles) greatly contributes to improvement in yield of various films formed by a vacuum film forming apparatus, and further, elements and parts using the films. Further, the reduction of the number of times of apparatus cleaning and part replacement greatly contributes to the improvement of the apparatus operating rate and consequently the film formation cost.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, modes for carrying out the present invention will be described.
[0027]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a main configuration of an embodiment of a vacuum film forming apparatus component according to the present invention. A vacuum film forming apparatus component 1 shown in FIG. 1 has a sprayed film 3 provided on the surface of a component main body (base material) 2. In addition, although the constituent material of the component main body 2 is not specifically limited, For example, a general stainless material etc. can be used as a constituent material of an apparatus component. The sprayed film forming surface 2a of the component body 2 is preferably roughened in advance by blasting or the like so as to obtain an anchor effect.
[0028]
The above-described sprayed film 3 is preferably formed by applying a spraying method in which the surface form of the sprayed film 3 can be controlled in order to reduce the generation of particles. Specifically, a plasma spraying method, an ultra high-speed flame spraying method, or the like is appropriately selected and used according to the constituent material and shape of the component main body 2, the environmental conditions used, the spraying material, and the like. The sprayed film 3 is excellent in adhesion to the component body 2. Further, in order to prevent peeling from the interface between the component body 2 and the sprayed film 3 due to the temperature rise during the film forming process, the thermal spray film 3 has a difference in thermal expansion coefficient from the component body 2 of 20 × 10.-6It is preferable to form with a metal material of / K or less. More preferable difference in thermal expansion coefficient is 15 × 10-6/ K or less, preferably 10 × 10-6/ K or less.
[0029]
The thermal spray film 3 has a thermal expansion coefficient difference of 15 × 10 5 with respect to the film forming material in order to prevent peeling due to the difference in thermal expansion from the film forming material (adhering film) adhered thereon.-6It is preferable to form with / K or less material. More preferable difference in coefficient of thermal expansion is 10 × 10-6/ K or less, preferably 5 × 10-6/ K or less. When only considering the relationship with the film forming material, it is preferable to form the thermal spray film 3 with the same material as the film forming material. When the film to be formed is an alloy film or a compound film, the sprayed film 3 is preferably formed of a material containing at least one kind of metal element constituting the film forming material (film forming source). By satisfying such a condition, it is possible to suppress peeling based on a difference in thermal expansion of the film forming material attached on the sprayed film 3.
[0030]
  Thermal spray film 3Is differentConsists of two or more layers of materialHas been. As the sprayed film 3 having two or more layers, for example, a stress relaxation layer (first coating) formed on the component body 2 and a thermal expansion relaxation layer (second layer) formed on the stress relaxation layer. And a structure having a coating).
[0031]
  For the stress relaxation layer,Al, Cu,Alternatively, a soft metal material such as an alloy thereof is used. A metal material having a small difference in thermal expansion from the attached film is used for the thermal expansion relaxation layer. The specific difference in thermal expansion coefficient between the component main body 2 and the film forming material of each layer is as described above. In addition, the structure which forms the sprayed film excellent in corrosion resistance on the surface side, the structure which formed the sprayed film of the two or more layers from which a thermal expansion coefficient differs in order so that the thermal expansion difference of the component main body 2 and the film-forming material may be eased It is also possible to adopt.
[0032]
The sprayed film 3 functions as an anti-peeling film for the film forming material (adhered film) deposited and deposited during the film forming process. Here, if the surface of the vacuum film forming apparatus component 1 has a certain degree of unevenness, peeling of the adhesion film can be suppressed with a certain thickness. However, when the thickness of the adhesion film increases, it tends to peel off easily. This is because the internal stress increases as the thickness of the adhesion film increases, and the adhesion film peels off based on this.
[0033]
The sprayed film 3 has an action of absorbing the internal stress of the adhered film by an internal structure including many pores, and functions effectively for preventing the adhered film from peeling. However, simply spraying increases the surface roughness of the sprayed film. For this reason, dropping off of the particles from the adhesion film and peeling of the adhesion film itself are likely to occur. Furthermore, if the thermal spraying is merely performed, stress remains in the thermal sprayed film, and the thermal sprayed film itself tends to peel off due to the internal stress.
[0034]
  In the present invention, MeltIn order to suppress the drop-off of particles based on the surface roughness of the sprayed film and the peeling of the adhered film itself, the surface roughness of the sprayed film 3 is 50 to 150 μm with an average interval S of local peaks defined in JIS B 0601-1994. Range, maximum valley depth Rv and maximum peak height Rp,It is preferable to do.According to the sprayed film 3 having such an appropriate surface roughness, it is possible to stably suppress the separation of the particles from the deposited film deposited thereon and further the peeling of the deposited film itself.
[0035]
As shown in FIG. 2, the average distance S between the local peaks, which is one parameter of the surface roughness, is extracted from the roughness curve obtained by the surface roughness measuring device by the reference length L in the direction of the average line. The length of the average line between adjacent local summits (S1, S2... Sn) And shows the average value (mm) of these measured values. As shown in FIG. 3, the maximum valley depth Rv and the maximum peak height Rp are obtained by dividing the roughness curve obtained by the surface roughness measuring machine into the reference length L, and from the average line to the deepest valley bottom for each reference length. Depth Rvi and the height Rpi from the average line to the highest peak are obtained, and the maximum values (Rv and Rp) of the valley depth Rvi and the mountain height Rpi are shown.
[0036]
If the surface roughness of the sprayed film surface is large, like the sprayed film applied to the surface of conventional equipment components, the deposited film deposited on the surface becomes uneven, and the deposited particles are easily deposited. Will do. Furthermore, as the adhesion film becomes thicker, the internal stress increases, and cracks are likely to occur in the stepped portion generated in the adhesion film due to unevenness. This promotes peeling of the adhered film. In order to prevent the drop of particles and the peeling of the adhered film due to such a large surface roughness of the sprayed film, the present invention is defined by the above-described average distance S between the local peaks, the maximum valley depth Rv, and the maximum peak height Rp. A sprayed film 3 having a surface roughness is applied.
[0037]
According to the sprayed film 3 in which the average distance S between the local peaks on the surface is in the range of 50 to 150 μm, the deposited film deposited thereon grows with a stable columnar structure, and prevents the falling off of the particles and the peeling of the adhered film. it can. When the average distance S between the local peaks is less than 50 μm, the adhesion film deposited thereon grows with an unstable particle structure, and the adhesion film is likely to be peeled off or the particles fall off. On the other hand, if the average distance S between the local peaks exceeds 150 μm, the adhesion force of the adhesion film is too low, and the adhesion film tends to peel off. In order to more effectively prevent the adhesion film from peeling off, the average interval S between the local peaks on the surface of the sprayed film 3 is more preferably in the range of 70 to 100 μm, and more preferably in the range of 75 to 90 μm.
[0038]
Furthermore, according to the sprayed film 3 having the maximum valley depth Rv and the maximum peak height Rp in the range of 20 to 70 μm, the adhered particles can be deposited more uniformly on the sprayed film surface. Dropping off, in other words, generation of particles can be prevented.
[0039]
That is, when the maximum valley depth Rv and the maximum peak height Rp each exceed 70 μm, the deposition of adhered particles becomes non-uniform. Specifically, pores are partially formed in the valleys, and the deposition of adhered particles becomes uneven due to the oblique effect of the peaks. Since the deposition state of such adhered particles is very unstable, the particles fall off from the adhered film. Further, a difference in height occurs in the deposited shape of the adhesion film, and the adhesion force of the particles deposited in a high portion is reduced, so that the particles fall off.
[0040]
On the other hand, when the maximum valley depth Rv and the maximum peak height Rp are each less than 20 μm, the adhesion force of the adhesion film is lowered, and the adhesion film is easily peeled off. The maximum valley depth Rv and the maximum peak height Rp of the sprayed film 3 should be in the range of 30 to 60 μm, respectively, in order to more effectively prevent particle dropout (particle generation) and increase the durability of the deposited film. Are more preferable, and each desirably has a range of 30 to 40 μm.
[0041]
Since the sprayed film 3 has a complicated surface form based on its formation process, it exhibits good adhesion to the deposited film. However, if the surface roughness becomes too large, the particles fall off or the attached film peels as described above. For this reason, when the surface roughness of the sprayed film 3 is expressed by the arithmetic average roughness Ra specified in JIS B 0601-1994, the arithmetic average roughness Ra is preferably in the range of 5 to 15 μm.
[0042]
When the arithmetic average roughness Ra on the surface of the sprayed film 3 exceeds 15 μm, the unevenness on the surface of the sprayed film 3 becomes too large, and the attached film is in an attached form in which particles are easily generated. Furthermore, since the adhering film does not adhere to the entire sprayed film 3 and the pores remain, there is a possibility that the adhering film may be peeled off starting from that. However, if the arithmetic average roughness Ra on the surface of the sprayed film 3 is less than 5 μm, the holding power of the attached film is lowered and the attached film may be easily peeled off. The arithmetic average roughness Ra of the surface of the sprayed film 3 is more preferably in the range of 8 to 12 μm, and further preferably in the range of 10 to 12 μm.
[0043]
The sprayed film 3 having the surface roughness as described above can be obtained by, for example, applying powder flame spraying or plasma spraying using a powder raw material and controlling the particle size of the powder raw material. In powder flame spraying, it is particularly preferable to apply ultra-high speed flame spraying. Specific conditions for performing ultra-high-speed flame spraying or plasma spraying are appropriately set according to the material of the raw material powder. For example, the sprayed film 3 having an appropriate surface roughness as described above can be obtained by performing ultrahigh-speed flame spraying or plasma spraying using a raw material powder having a uniform particle size. Furthermore, the surface roughness of the sprayed film 3 can also be adjusted by performing surface cleaning after spraying. More specific conditions for controlling the surface roughness of the sprayed film 3 include appropriately changing the spraying conditions such as current, voltage, gas flow rate, spraying distance, and supply amount of raw material powder.
[0044]
In order to obtain the effect of preventing the adhesion film from peeling off by the sprayed film 3, it is preferable to adjust the film thickness of the sprayed film 3 appropriately. From such points, the thickness of the sprayed film 3 is preferably in the range of 50 to 500 μm. As described above, the thermal spray film 3 has an effect of reducing the internal stress of the adhesion film, but this stress reduction effect varies depending on the thickness. When the thickness of the sprayed film 3 is less than 50 μm, the stress reducing effect is reduced and the attached film is easily peeled off. On the other hand, when the thickness exceeds 500 μm, a large internal stress is generated in the sprayed film 3 itself, and thus the sprayed film 3 itself is easily peeled off. The film thickness of the sprayed film 3 is more preferably in the range of 100 to 300 μm, more preferably in the range of 200 to 250 μm, in which the above-described effects can be obtained better.
[0045]
  AboveMeltingThe spray film 3 has a surface roughness in the range of 50 to 150 μm at the average interval S of the local peaks, and a range of 20 to 70 μm in the maximum valley depth Rv and the maximum peak height Rp, respectively. Omission, that is, generation of particles can be effectively suppressed. Further, the adhesion film can be prevented from peeling based on the surface roughness of the sprayed film 3.
[0046]
In this way, various films formed by the vacuum film-forming apparatus, and elements and parts using the film are greatly suppressed by greatly reducing the generation of particles based on the falling off of the particles from the attached film and the peeling of the attached film. It is possible to significantly increase the manufacturing yield of the.
Furthermore, the number of cleanings of the apparatus can be reduced by suppressing the peeling of the adhered film. The reduction in the number of cleanings of the apparatus greatly contributes to the improvement of the operating rate of the film forming apparatus and consequently the film forming cost.
[0047]
  In the present invention, MeltIn order to suppress the peeling of the sprayed film 3 based on the internal stress of the sprayed film 3, an Al-based sprayed film having a Vickers hardness of Hv30 or less, a Cu-based sprayed film having a Vickers hardness of Hv100 or less, and a Vickers hardness of Hv200 or less. At least one low hardness coating selected from a Ni-based sprayed film, a Ti-based sprayed film with a Vickers hardness of Hv300 or less, a Mo-based sprayed film with a Vickers hardness of Hv300 or less, and a W-based sprayed film with a Vickers hardness of Hv500 or less. Applied to sprayed film 3.
[0048]
The preferred hardness of these sprayed films is Hv25 or less for Al-based sprayed film, Hv80 or less for Cu-based sprayed film, Hv150 or less for Ni-based sprayed film, Hv250 or less for Ti-based sprayed film, Hv250 or less for Mo-based sprayed film, W The system sprayed film is Hv400 or less. Further preferable hardness is Hv20 or less for Al-based sprayed film, Hv70 or less for Cu-based sprayed film, Hv100 or less for Ni-based sprayed film, Hv200 or less for Ti-based sprayed film, Hv200 or less for Mo-based sprayed film, W-based sprayed film Is below Hv350.
[0049]
Here, the Vickers hardness of the sprayed film defined in the present invention is a value measured as follows. That is, the surface of the sprayed film 3 is first polished and flattened. Next, a diamond indenter is pressed against the flattened surface with a load of 200 g for 30 seconds. The length of the resulting indentation is measured in the X and Y directions, and the average length is converted into a Vickers hardness value. Such measurement is performed 5 times, and the average value is taken as the Vickers hardness of the present invention.
[0050]
  The sprayed film 3 is one of the above-described low hardness metal sprayed films.ofYou may comprise by the laminated film of a 2 or more low-hardness film.2More layersConsisted ofThermal spray film 3IsOf these, at least one layer may be a low hardness coating.
[0051]
The sprayed film (low-hardness film) 3 having the hardness as described above can be obtained by, for example, performing an annealing process after the spraying and softening. By reducing the hardness of the thermal spray film 3 and sufficiently reducing internal stress, it is possible to effectively suppress the progress of destruction from the inside of the thermal spray film 3 when an external stress (for example, thermal stress) is applied during the film forming process. can do. This makes it possible to prevent the sprayed film 3 itself from peeling off. That the hardness of each metal spray film described above exceeds the above-described value means that the internal stress is not sufficiently relaxed. Such a sprayed film 3 cannot suppress the internal destruction and the progress of peeling based thereon.
[0052]
Here, each metal sprayed film described above is not necessarily limited to a single metal film, but includes an alloy film mainly composed of each metal. However, from the standpoint of reducing the hardness of the sprayed film 3, it is preferable to use a single metal film, that is, an Al sprayed film, a Cu sprayed film, a Ni sprayed film, a Ti sprayed film, a Mo sprayed film, or a W sprayed film. More preferable Vickers hardness of each metal sprayed film is Hv25 or less for Al sprayed film, Hv75 or less for Cu sprayed film, Hv150 or less for Ni sprayed film, Hv250 or less for Ti sprayed film, Hv250 or less for Mo sprayed film, W sprayed. In the film, it is Hv450 or less.
[0053]
As the alloy film, Al-Cu alloy film, Al-Ti alloy film, Cu-Al alloy film, Cu-Zn alloy film, Ni-Al alloy film, Ni-Cr alloy film, Ti-Al alloy film, Mo A Ta alloy film, a Mo—W alloy film, or the like can be applied.
[0054]
Although the annealing treatment for reducing the hardness of the sprayed film 3 depends on the material for forming the sprayed film 3, for example, in the case of an Al single layer in various atmospheres such as a vacuum atmosphere, an inert atmosphere, and a reducing atmosphere. 200-450 ° C, 300-900 ° C for Cu single layer, 300-900 ° C for Ni single layer, 300-900 ° C for Ti single layer, Mo single layer and W single layer In some cases, it is preferable to carry out at a temperature of 300 to 1200 ° C.
[0055]
If the treatment temperature is too low, the internal stress of the sprayed film 3 cannot be sufficiently relaxed, and the low hardness as described above may not be achieved. On the other hand, if the processing temperature is too high, the component main body 2 may be thermally deformed or the sprayed film 3 may be peeled off. The more preferable annealing temperature of the metal sprayed film is 250 to 350 ° C. for the Al single layer, 600 to 800 ° C. for the Cu single layer, 450 to 750 ° C. for the Ni single layer, and the Ti single layer In the case of 350 to 650 ° C., the range of 600 to 900 ° C. in the case of Mo single layer and W single layer.
[0056]
In the case where the thermal spray film 3 is constituted by a laminated film of two or more layers, it is preferable to carry out the annealing process based on the temperature of the material having a low melting point. The preferable annealing temperature of the sprayed film 3 having a laminated structure varies depending on the material used. Table 1 shows typical examples of preferable annealing temperatures of the sprayed film 3 having a laminated structure.
[0057]
[Table 1]
Figure 0004551561
[0058]
  AboveMeltingSince the low-hardness coating (low-hardness metal sprayed film) in which the internal stress is relaxed is applied to the sprayed film 3, it is possible to effectively suppress peeling of the sprayed film 3 itself. Furthermore, by reducing the hardness of the sprayed film 3, the internal stress of the film forming material (adhered film) adhered thereon can be relaxed. Accordingly, it is possible to suppress peeling of the adhesion film itself on the sprayed film 3.
[0059]
As a result, it is possible to greatly reduce the number of times the apparatus is cleaned and parts are replaced due to the peeling of the sprayed film 3 and the adhesion film deposited thereon. In other words, the life of the device component 1 can be greatly extended. Thus, by extending the lifetime of the apparatus component 1, it is possible to improve the operating rate of the film forming apparatus and thus reduce the film forming cost. Further, since the generation of dust due to the peeling of the sprayed film 3 and the adhesion film thereon can be suppressed, the yield of various films formed by a vacuum film forming apparatus, elements and components using the film can be increased. .
[0061]
  In the apparatus component of the present invention, the specific configuration of the sprayed film 3 is, for example,IfThe structure shown in FIG. 5 is mentioned. Figure 4It is a reference example,Difference in coefficient of thermal expansion from film forming material is 15 × 10-6The thermal spray film 3 comprised only by the thermal expansion relaxation layer 4 which consists of a metal material below / K is shown. FIG. 5 shows that the difference in thermal expansion coefficient between the stress relaxation layer 5 made of a soft metal material and the film forming material is 15 × 10.-6The thermal spray film 3 comprised by the laminated film with the thermal expansion relaxation layer 4 which consists of a metal material below / K is shown. In the multilayer sprayed film 3 shown in FIG. 5, the stress relaxation layer 5 is provided as a base layer of the thermal expansion relaxation layer 4 and is interposed between the component main body 2 and the thermal expansion relaxation layer 4.
[0062]
When the thermal spray film 3 is composed of a laminated film of the stress relaxation layer 5 and the thermal expansion relaxation layer 4, the thickness of the thermal expansion relaxation layer 4 is preferably in the range of 50 to 150 μm. Is preferably in the range of 100 to 300 μm. The total thickness of the sprayed film 3 is as described above. If the thickness of the thermal expansion relaxation layer 4 is less than 50 μm, the function may not be sufficiently obtained. If the thickness of the stress relaxation layer 5 is less than 100 μm, the function may not be sufficiently obtained. However, if one of the thermal expansion relaxation layer 4 and the stress relaxation layer 5 is made too thick, the thickness of the other is relatively reduced. Therefore, the thickness of the thermal expansion relaxation layer 4 is preferably 150 μm or less, The thickness of the relaxing layer 5 is preferably 300 μm or less.
[0063]
  The kind of metal material constituting the sprayed film 3 is appropriately selected according to the application. For exampleThe figureWhen a low hardness coating is applied to the thermal expansion relaxation layer 4 shown in FIG. 5, an Al-based sprayed film, a Cu-based sprayed film, a Ti-based sprayed film, a Ni-based film is used depending on the type of film forming material (adhesion film). A sprayed film, a Mo-based sprayed film, and a W-based sprayed film are appropriately selected and used. Thus, although it is preferable to comprise the thermal expansion relaxation layer 4 with the low hardness film mentioned above, it is also possible to apply materials and hardness other than these.
[0064]
According to the thermal expansion relaxation layer 4 made of a low-hardness film, in addition to the effect of suppressing peeling due to the relaxation of its own internal stress, the effect of relaxing the internal stress of the film deposition material (adhesion film) deposited thereon is also expected. it can. That is, when the film forming material adheres and accumulates on the sprayed film 3, a stress is generated therein. The internal stress generated during the deposition of the film forming material can be reduced by reducing the hardness of the sprayed film 3. Accordingly, it is possible to suppress peeling of the adhesion film itself on the sprayed film 3.
[0065]
  Furthermore, the stress relaxation layer 5 made of a soft metal material is used.IsThe low hardness coating of the present inventionButApplied. The low hardness coating applied to the stress relaxation layer 5 includes an Al-based sprayed film having a Vickers hardness of Hv30 or less, and a Cu-based sprayed film having a Vickers hardness of Hv100 or less.ButCan be mentioned. By applying these low hardness coatings to the stress relaxation layer 5, the stress relaxation effect of the soft metal material can be further enhanced.
[0066]
The metal film constituting the sprayed film 3 is not limited to the above-described low-hardness film, and for example, a Ta-based sprayed film or a Fe-based alloy (for example, stainless steel) -based sprayed film can be used. Moreover, when using the sprayed film 3 for functional layers other than the thermal expansion relaxation layer 4 and the stress relaxation layer 5, a metal material is appropriately selected and used according to the application.
[0067]
The apparatus component 1 of the present invention described above is used as a component of a vacuum film forming apparatus such as a sputtering apparatus or a CVD apparatus. The apparatus component 1 can be applied to various components as long as the deposition material adheres during the deposition process. Further, the metal material constituting the sprayed film 3 of the apparatus component 1 is appropriately selected and used according to the applied film forming apparatus, film forming process, and the like.
[0068]
  For example, in the manufacturing process of a semiconductor device, when a Ti-based barrier film is formed by sputtering, an Al-based sprayed film 5 / Ti-based sprayed film 4 is laminated.MembraneWhich is used. WSixWhen the electrode is formed by sputtering, a laminated film of Al-based sprayed film 5 / W-based sprayed film 4 or the like is used..
[0069]
The film forming process to which the vacuum film forming apparatus component of the present invention can be applied is not limited to the manufacturing process of the semiconductor element and the liquid crystal display element, but the manufacturing process of various recording media and recording / reproducing heads, the thin film capacitor The present invention can also be applied to the manufacturing process of electronic parts such as resistors and resistors, and the manufacturing process of glass parts.
[0070]
  Furthermore, the apparatus component 1 of the present invention can be applied to a CVD apparatus. Specific examples of applying the apparatus component 1 of the present invention to a CVD apparatus include a CVD electrode having a sprayed film formed on the surface thereof..
[0071]
  Mentioned aboveThe sprayed film can also be applied to the target device. That is, when forming a sprayed film on the non-erosion region of the target body, or when forming a sprayed film on the surface of the backing plate body for holding the target, it is possible to apply the sprayed film having the above-described configuration. it can.
[0072]
  FIG.Reference exampleIt is a figure which shows schematic structure of the target apparatus by. The target device shown in FIG. 1 has a target body 11 and a backing plate 12 that holds the target body 11. The central portion and the outer peripheral portion of the target body 11 are not substantially sputtered and become a non-erosion region A. Region B represents an erosion region.
[0073]
The sputtered particles reattach to the non-erosion region A of the target main body 11 described above. Even when such deposits in the non-erosion region A are peeled off, it causes a defect such as a wiring film as in the case of the deposits peeled off from other parts. Therefore, in the non-erosion region A of the target main body 11, the sprayed film 3 having the configuration, material, hardness, surface roughness, film thickness, etc. described in the embodiment of the vacuum film forming apparatus component described above is formed. . By previously forming the above-mentioned sprayed film 3 according to the present invention in the non-erosion region A of the target main body 11, it is possible to prevent a wiring defect or an element defect due to the peeling of the deposit.
[0074]
In addition, the sputtered particles reattach to the exposed surface of the backing plate 12. By previously forming the above-described sprayed film 3 according to the present invention on the exposed surface of the backing plate 12, it is possible to prevent wiring defects and element defects due to the peeling of the deposits. This backing plate is composed of a backing plate body 12 and a sprayed film 3 formed on the exposed surface thereof.
[0075]
Next, an embodiment of the vacuum film forming apparatus of the present invention will be described. FIG. 7 is a diagram showing a configuration of a main part of one embodiment in which the vacuum film forming apparatus of the present invention is applied to a sputtering apparatus. In the figure, reference numeral 11 denotes a sputtering target fixed to a backing plate 12. An earth shield 13 is provided below the outer periphery of the sputtering target 11 as a film forming source. Below the earth shield 13, an upper protection plate 14 and a lower protection plate 15 are further arranged.
[0076]
A substrate 16 that is a film formation sample is held by a platen ring 17 that is a film formation sample holder so as to face the sputtering target 11. These are arranged in a vacuum vessel (not shown). A gas supply system (not shown) for introducing sputtering gas and an exhaust system (not shown) for exhausting the inside of the vacuum container to a predetermined vacuum state are connected to the vacuum container.
[0077]
In the sputtering apparatus of this embodiment, the earth shield 13, the upper deposition plate 14, the lower deposition plate 15, and the platen ring 17 are constituted by the above-described vacuum film deposition apparatus component 1 of the present invention. The specific configuration of the vacuum film forming apparatus component 1 is as described above. Further, in this embodiment, a similar sprayed film 3 is provided in the non-erosion region of the sputtering target 11. A similar sprayed film 3 is also provided on the exposed surface of the backing plate 12. The sprayed film 3 is formed on the surface to which particles sputtered from the sputtering target 11 adhere.
[0078]
In the sputtering apparatus described above, the film-forming material sputtered on the surface of the earth shield 13, the upper deposition plate 14, the lower deposition plate 15, the platen ring 17, the sputtering target 11, the backing plate 12, etc. during the deposition process. Although the constituent material of the target 11 is attached, the exfoliation of the attached matter is stably and effectively prevented by the sprayed film 3 on the surface of the component. The sprayed film 3 itself is also stable and has a long life.
[0079]
As a result, the generation amount of dust and particles, and further, the mixing amount into the film formed on the substrate 16 can be greatly suppressed. Therefore, it is possible to greatly increase the manufacturing yield of highly integrated semiconductor elements such as 64M, 256M, and 1G and liquid crystal display elements. In other words, even with a wiring film that forms a narrow and high-density wiring network such as a wiring width of 0.2 μm or less, the inclusion of minute particles (for example, a diameter of 0.2 μm or more) can be greatly suppressed. It can be greatly reduced. Thereby, element yield improves.
[0080]
Furthermore, since it is possible to stably and effectively suppress the peeling of the deposits and the sprayed film 3 itself, the number of times of device cleaning and parts replacement can be greatly reduced. The operating rate of the sputtering apparatus can be improved based on the reduction in the number of times the apparatus is cleaned and the parts are replaced. That is, the running cost of the sputtering apparatus can be reduced, and as a result, the deposition cost of various thin films can be reduced.
[0081]
In the above embodiment, an example in which the earth shield 13, the upper deposition plate 14, the lower deposition plate 15, the platen ring 17, the sputtering target 11, and the backing plate 12 are configured with the components of the present invention has been described. In addition, it is also effective to configure the target outer periphery presser (not shown), the shutter (not shown), etc. with the vacuum film forming apparatus parts of the present invention. Furthermore, with regard to other parts as well, the vacuum film forming apparatus component of the present invention functions effectively as long as the deposition material cannot be avoided during the film forming process.
[0082]
As described above, the vacuum film forming apparatus of the present invention comprises at least one selected from the film formation sample holding unit, the film forming source holding unit, the adhesion preventing part, etc., with the vacuum film forming apparatus parts of the present invention. Thus, the excellent effect as described above is exhibited. Furthermore, similar effects can be obtained when the present invention is applied to a target or a backing plate.
[0083]
In the above embodiment, an example in which the vacuum film forming apparatus of the present invention is applied to a sputtering apparatus has been described, but other than this, a vacuum deposition apparatus (including ion plating and laser ablation), a CVD apparatus, etc. The vacuum film-forming apparatus of the present invention is applicable, and the same effect as the above-described sputtering apparatus can be obtained.
[0084]
【Example】
Next, specific examples of the present invention will be described.
[0085]
Example 1 and Comparative Example 1
First, the ground shield 13, the upper deposition plate 14, the lower deposition plate 15, and the platen ring 17 of the sputtering apparatus shown in FIG. A Ti sprayed film having a thickness of 100 μm was sequentially formed. Using these components, a magnetron sputtering apparatus was constructed.
[0086]
The Al spraying was carried out using an Al spraying raw material having an average particle diameter of 52 μm and a current of 500 A and a voltage of 80 V. Ti spraying was performed at a current of 500 A and a voltage of 65 V using a Ti spraying raw material having an average particle diameter of 65 μm. The atmosphere during spraying is Ar and H, respectively.2In addition to supplying Ar at 73 L / min, H2Was supplied at 8 L / min. Each component was subjected to a cleaning process on the Ti sprayed surface, and then subjected to a heat treatment in vacuum at 350 ° C. for 3 hours as an annealing process and a degassing process.
[0087]
As for the surface roughness of the Ti sprayed film, the average interval S between the local peaks was 83 μm, the maximum valley depth Rv was 36 μm, and the maximum peak height Rp was 42 μm. These surface roughnesses are values measured using a surface roughness measuring machine S4C manufactured by Taylor Hoblin. Further, the hardness of each sprayed film was Hv20 for the Al sprayed film and Hv230 for the Ti sprayed film after the annealing treatment.
[0088]
A high-purity Ti target 11 was set in such a magnetron sputtering apparatus, and magnetron sputtering was performed to first form a Ti thin film on an 8-inch wafer. Furthermore, N on it2Magnetron sputtering was performed while introducing a gas to form a TiN thin film. When the surface form of the obtained Ti / TiN thin film was observed with an electron microscope, it had a good form. Furthermore, the number of particles having a diameter of 0.2 μm or more on the Ti / TiN thin film was measured. Such an operation was continuously performed, and the change in the number of particles was investigated. The result is shown in FIG.
[0089]
On the other hand, as Comparative Example 1 with the present invention, the same components as in Example 1 were produced as follows. First, an Al sprayed film having a thickness of 100 μm was formed on the surface of a SUS 304 substrate by arc spraying, and a Ti sprayed film having a thickness of 250 μm was further formed by plasma spraying. Using these components, a magnetron sputtering apparatus was constructed. Each component was assembled in a magnetron sputtering apparatus after cleaning the Ti sprayed surface. As for the surface roughness of the Ti sprayed film, the average interval S between the local peaks was 126 μm, the maximum valley depth Rv was 75 μm, and the maximum peak height Rp was 85 μm. The hardness of each sprayed film was Hv35 for the Al sprayed film and Hv380 for the Ti sprayed film.
[0090]
Using the magnetron sputtering apparatus according to Comparative Example 1 described above, a Ti / TiN thin film was formed on an 8-inch wafer in the same manner as in Example 1, and the change in the number of particles was examined. The results are also shown in FIG. Further, when the surface morphology of the Ti / TiN film of Comparative Example 1 was observed with an electron microscope, it was inferior to that of Example 1.
[0091]
As is clear from FIG. 8, the magnetron sputtering apparatus according to Example 1 stably generates a small amount of particles up to 150 lots, whereas the magnetron sputtering apparatus according to Comparative Example 1 generates particles suddenly. It can be seen that the overall particle generation amount is large. From these, it was confirmed that the generation of particles can be effectively and stably prevented by the sprayed film of Example 1.
[0092]
Example 2 and Comparative Example 2
In the same manner as in Example 1 described above, a magnetron sputtering apparatus was configured using each component on which a laminated film of an Al sprayed film and a Ti sprayed film shown in Table 2 was formed. Table 2 shows the surface roughness of the outermost surface of the sprayed film and the hardness of each sprayed film. The surface roughness of the sprayed film was adjusted by the powder particle size. The hardness of the sprayed film was adjusted according to the annealing conditions.
[0093]
Using each of these magnetron sputtering apparatuses, a Ti / TiN thin film was formed on an 8-inch wafer in the same manner as in Example 1, and the number of particles having a diameter of 0.2 μm or more on the Ti / TiN thin film was measured. This thin film was continuously formed, and the life until peeling occurred was examined by the number of lots until the number of particles increased. In addition, the average number of particles from 150 lots was examined. The results are shown in Table 2.
[0094]
[Table 2]
Figure 0004551561
[0095]
referenceExample1Comparative Example 3
  First, a plurality of Ti spraying materials having different particle size distributions in the range of 40 to 150 μm in the powder particle size were prepared as spraying materials. Plasma spraying is performed on each component (base material made of SUS304) of the earth shield 13, the upper deposition plate 14, the lower deposition plate 15 and the platen ring 17 of the sputtering apparatus shown in FIG. A Ti sprayed film having a thickness of 200 μm was formed by the above method. Next, after cleaning the Ti sprayed surface, heat treatment was performed in a vacuum at 300 to 500 ° C. for 3 hours. Table 3 shows the surface roughness of each Ti sprayed film.
[0096]
Next, each of these components was incorporated into a magnetron sputtering apparatus, and a Ti / TiN thin film was formed on an 8-inch wafer in the same manner as in Example 1. The number of particles having a diameter of 0.2 μm or more on the Ti / TiN thin film was measured. This thin film was continuously formed, and the average number of particles from 150 lots was examined. The results are shown in Table 3. In addition, the comparative example 3 in Table 3 is a result at the time of using the same components except forming a Ti sprayed film by the arc spraying method.
[0097]
[Table 3]
Figure 0004551561
[0098]
  As is clear from Table 3,referenceExample1It can be seen that the amount of generated particles is much smaller than that of Comparative Example 3 in the magnetron sputtering apparatus according to FIG. Therefore, the yield of the film (Ti / TiN thin film) can be significantly increased.
[0099]
referenceExample2Comparative Example 4
  A plurality of Al spraying materials having different particle size distributions in the range of 40 to 120 μm in powder particle size were prepared as the spraying materials. Using these Al spraying raw materials, plasma is applied to each of the components (base material made of SUS 304) of the earth shield 13, upper deposition plate 14, lower deposition plate 15 and platen ring 17 of the sputtering apparatus shown in FIG. An Al sprayed film having a thickness of 200 μm was formed by spraying. Next, after cleaning the Al sprayed surface, heat treatment was performed in a vacuum at 300 to 500 ° C. for 3 hours. The surface roughness of each Al sprayed film is as shown in Table 4.
[0100]
Next, each of the above-described components is replaced with high-purity tungsten silicide (WSi).2.8) Built in magnetron sputtering equipment with target, WSi on 8 inch wafer eachxA thin film is formed and this WSixThe number of particles having a diameter of 0.2 μm or more on the thin film was measured. This thin film was continuously formed, and the average number of particles in 200 lots was examined. The results are shown in Table 4. In addition, the comparative example 4 in Table 4 is a result at the time of using the same components except forming an Al sprayed film by the arc spraying method.
[0101]
[Table 4]
Figure 0004551561
[0102]
  As is clear from Table 4,referenceIt can be seen that in the magnetron sputtering apparatus according to Example 2, the amount of particles generated is much smaller than that in Comparative Example 4. Therefore, the film (WSixIt is possible to significantly increase the yield of the thin film.
[0103]
Example3Comparative Example 5
  A plurality of Ti spraying materials having different particle size distributions in the range of 40 to 150 μm in the powder particle size were prepared as the spraying materials. Using these Ti sprayed raw materials, plasma is applied to each component (base material made of SUS 304) of the earth shield 13, the upper deposition plate 14, the lower deposition plate 15 and the platen ring 17 of the sputtering apparatus shown in FIG. An Al sprayed film having a thickness of 200 μm was formed by spraying, and a Ti sprayed film having a thickness of 80 μm was further formed by plasma spraying. Next, after the Ti sprayed surface was cleaned, annealing was performed in a vacuum at 300 to 500 ° C. for 3 hours. Table 5 shows the hardness of each sprayed film.
[0104]
Next, each of these components was incorporated into a magnetron sputtering apparatus, and a Ti / TiN thin film was formed on an 8-inch wafer in the same manner as in Example 1. This thin film was continuously formed, and the life until peeling occurred was examined by the number of lots until the number of particles increased. The results are shown in Table 5. In addition, Comparative Example 5 in Table 5 is a result in the case of using a part on which a similar sprayed film is formed except that the annealing treatment is not performed.
[0105]
[Table 5]
Figure 0004551561
[0106]
  As is clear from Table 5, the examples3The magnetron sputtering apparatus according to the method has a long number of lots until the amount of particles generated increases rapidly, that is, has a long peeling life, and can be used stably over a long period of time. This means that it is possible to increase the operating rate of the sputtering apparatus, which greatly contributes to the reduction of the running cost of the apparatus, and hence the film forming cost.
[0107]
Example4Comparative Example 6
  A plurality of Al spraying materials having different particle size distributions in the range of 40 to 120 μm in powder particle size were prepared as the spraying materials. Plasma spraying is performed on each component (base material made of SUS 304) of the ground shield 13, the upper deposition plate 14, the lower deposition plate 15 and the platen ring 17 of the sputtering apparatus shown in FIG. An Al sprayed film having a thickness of 200 μm was formed by this method, and a W sprayed film having a thickness of 100 μm was further formed thereon by a plasma spraying method. Next, the W sprayed surface was subjected to a cleaning treatment, and then an annealing treatment was performed in a vacuum at 300 to 500 ° C. for 3 hours. Table 6 shows the hardness of each sprayed film.
[0108]
Next, each of the above-described components is replaced with high-purity tungsten silicide (WSi).2.8) Built in magnetron sputtering equipment with target, WSi on 8 inch wafer eachxA thin film was formed. This WSixThe thin film was formed continuously while measuring the number of particles having a diameter of 0.2 μm or more, and the life until peeling occurred was examined by the number of lots until the number of particles increased. The results are shown in Table 6. In addition, Comparative Example 6 in Table 6 is a result in the case of using a component on which a similar sprayed film is formed except that the annealing treatment is not performed.
[0109]
[Table 6]
Figure 0004551561
[0110]
  As is apparent from Table 6, the examples4The magnetron sputtering apparatus according to the method has a long number of lots until the amount of particles generated increases rapidly, that is, has a long peeling life, and can be used stably over a long period of time. This means that it is possible to increase the operating rate of the sputtering apparatus, which greatly contributes to the reduction of the running cost of the apparatus, and hence the film forming cost.
[0111]
referenceExample3
  Each sprayed film shown in Table 7 is plasma applied to each part (base material made of SUS 304) of the earth shield 13, upper deposition plate 14, lower deposition plate 15, and platen ring 17 of the sputtering apparatus shown in FIG. 7. Each was formed by thermal spraying. Next, each sprayed surface was cleaned and then annealed under the conditions shown in Table 7. Table 7 shows the surface roughness and hardness of each sprayed film.
[0112]
In addition, the formation conditions (plasma spraying conditions) of each sprayed film are as follows. For Al, the particle size of the powder raw material is 45 to 90 μm, current 500 A, voltage 75 V, Ar flow rate 73 L / min, H2The flow rate was 8 L / min. Cu is the particle size of powder raw material 30 ~ 90μm, current 500A, voltage 65V, Ar flow rate 73L / min, H2The flow rate was 5 L / min. W is powder raw material particle size 45μm or less, current 500A, voltage 65V, Ar flow rate 39L / min, H2The flow rate was 10 L / min. Mo is powder raw material particle size 45μm or less, current 500A, voltage 67V, Ar flow rate 39L / min, H2The flow rate was 12 / min. Ni is powder raw material particle size 45-75μm, current 500A, voltage 60V, Ar flow rate 39L / min, H2The flow rate was 6.5 L / min. Ta is powder raw material particle size 30-80μm, current 550A, voltage 68V, Ar flow rate 39L / min, H2The flow rate was 12 L / min. SUS 304 is a powder raw material particle size 40-90μm, current 500A, voltage 65V, Ar flow rate 39L / min, H2The flow rate was 10 L / min.
[0113]
Next, each of these components was incorporated into a magnetron sputtering apparatus, and a thin film shown in Table 7 was formed on each 8-inch wafer. The number of particles having a diameter of 0.2 μm or more on each thin film was measured. This thin film was continuously formed, and the life until peeling occurred was examined by the number of lots until the number of particles increased. In addition, the average number of particles from 150 lots was examined. The results are shown in Table 7.
[0114]
[Table 7]
Figure 0004551561
[0115]
Example5
  For each component of the earth shield 13, the upper deposition plate 14, the lower deposition plate 15, and the platen ring 17 of the sputtering apparatus shown in FIG. Each of the sprayed films was formed. Next, after each sprayed surface was cleaned, annealing was performed under the conditions shown in Table 8. Table 8 shows the surface roughness and hardness of each sprayed coating.
[0116]
  As the base material of each part, Al alloy was used for sample No. 5 in Table 8, and SUS 304 was used for the other parts. Also, the formation conditions of each sprayed film are basicallyreferenceExample3It was the same. However, the Al sprayed film of Sample No. 3 in Table 8 was formed by arc spraying under the conditions of a current of 200 A and a voltage of 30 V using an Al wire having a diameter of 1.6 mm as a spraying raw material.
[0117]
Next, each of these components was incorporated into a magnetron sputtering apparatus, and a thin film shown in Table 8 was formed on each 8-inch wafer. The number of particles having a diameter of 0.2 μm or more on each thin film was measured. This thin film was continuously formed, and the life until peeling occurred was examined by the number of lots until the number of particles increased. In addition, the average number of particles from 150 lots was examined. The results are shown in Table 8.
[0118]
[Table 8]
Figure 0004551561
[0119]
Example6
  For each component of the earth shield 13, the upper deposition plate 14, the lower deposition plate 15 and the platen ring 17 of the sputtering apparatus shown in FIG. Each of the sprayed films was formed. Next, each sprayed surface was cleaned and then annealed under the conditions shown in Table 9. Table 9 shows the surface roughness and hardness of each sprayed coating.
[0120]
  In addition, as the base material of each part, Ti alloy was used for Sample No. 3 and Sample No. 4 in Table 9, and SUS 304 was used for the others. Also, the formation conditions of each sprayed film are basicallyreferenceExample3It was the same. However, each of the thermal spray coatings of samples No. 1, No. 2, No. 3, No. 4, No. 5, and No. 6 in Table 9 is arc sprayed using a Cu wire with a diameter of 1.6 mm as a thermal spraying material under the conditions of current 200A and voltage 30V. Formed.
[0121]
Next, each of these components was incorporated into a magnetron sputtering apparatus, and a thin film shown in Table 9 was formed on each 8-inch wafer. The number of particles having a diameter of 0.2 μm or more on each thin film was measured. This thin film was continuously formed, and the life until peeling occurred was examined by the number of lots until the number of particles increased. In addition, the average number of particles from 150 lots was examined. The results are shown in Table 9.
[0122]
[Table 9]
Figure 0004551561
[0123]
referenceExample4
  For each component (SUS 304 base material) of the earth shield 13, the upper deposition plate 14, the lower deposition plate 15 and the platen ring 17 of the sputtering apparatus shown in FIG. Each sprayed film (the lower layer is a Ni sprayed film) was formed by plasma spraying. Next, each sprayed surface was cleaned and then annealed under the conditions shown in Table 10. Table 10 shows the surface roughness and hardness of each sprayed film. The conditions for forming each sprayed film were the same as those in Reference Example 3.
[0124]
Next, each of these components was incorporated into a magnetron sputtering apparatus, and a thin film shown in Table 10 was formed on each 8-inch wafer. The number of particles having a diameter of 0.2 μm or more on each thin film was measured. This thin film was continuously formed, and the life until peeling occurred was examined by the number of lots until the number of particles increased. In addition, the average number of particles from 150 lots was examined. The results are shown in Table 10.
[0125]
[Table 10]
Figure 0004551561
[0126]
Reference example5
  Each component (SUS 304 base material) of the earth shield 13, the upper deposition plate 14, the lower deposition plate 15 and the platen ring 17 of the sputtering apparatus shown in FIG. 7 has a thickness of about 200 μm by plasma spraying. Ti sprayed films were formed respectively. Further, high purity Ti was used as the target 11 and Al was used for the backing plate 12. Similarly, a Ti sprayed film having a thickness of about 200 μm was formed on the non-erosion region of the outer peripheral portion of the target 11 and the surface of the backing plate 12 by the plasma spraying method.
[0127]
Next, after cleaning the Ti sprayed surface of each component, target, and backing plate on which these Ti sprayed films were formed, heat treatment was performed in a vacuum at 350 ° C. for 3 hours. As for the surface roughness of each Ti sprayed film, the average interval S between the local peaks was 72 μm, the maximum valley depth Rv was 45 μm, and the maximum peak height Rp was 42 μm. Further, the hardness of the Ti sprayed film was Hv205.
[0128]
Each component, target, and backing plate described above were incorporated into a magnetron sputtering apparatus, and a Ti / TiN thin film was formed on an 8-inch wafer in the same manner as in Example 1. The number of particles having a diameter of 0.2 μm or more on the Ti / TiN thin film was measured. This thin film was continuously formed, and the peeling life was examined by the number of lots until the number of particles increased. In addition, the average number of particles from 150 lots was examined. The peel life was 144 lots, and the average number of particles was 14.
[0129]
  This reference example5In comparison with the case where no thermal spraying was performed on the target and the backing plate, there were no suddenly generated particles, and the total number of particles was halved. From these facts, it was confirmed that the generation of particles can be effectively and stably prevented.
[0130]
【The invention's effect】
  As described above, the vacuum film forming apparatus part of the present inventionTo goodsAccordingly, it is possible to stably and effectively prevent peeling of the film forming material attached during the film forming process, and it is possible to reduce the number of times of cleaning and parts replacement. Therefore, such a vacuum film forming apparatus partHave goodsAccording to the vacuum film forming apparatus, it is possible to suppress the mixing of particles into the film that causes the defect of the wiring film or the element, and to reduce the film forming cost by improving the apparatus operating rate. it can.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a main configuration of a vacuum film forming apparatus component according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram for explaining an average interval S between local peaks in the surface roughness applied in the present invention.
FIG. 3 is a diagram for explaining a maximum valley depth Rv and a maximum peak height Rp among the surface roughness applied in the present invention.
4 is a cross-sectional view schematically showing a configuration of a first specific example of a sprayed film in the vacuum film forming apparatus component shown in FIG. 1. FIG.
FIG. 5 is a cross-sectional view schematically showing a configuration of a second specific example of a sprayed film in the vacuum film forming apparatus component shown in FIG. 1;
FIG. 6 is a cross-sectional view showing a schematic configuration of an embodiment of a sputtering target to which the target device of the present invention is applied.
FIG. 7 is a diagram showing a main configuration of an embodiment of a sputtering apparatus to which the vacuum film-forming apparatus of the present invention is applied.
FIG. 8 is a diagram showing a change in the number of particles when using the sputtering apparatus according to Example 1 of the present invention in comparison with the sputtering apparatus of Comparative Example 1;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Components for vacuum film-forming apparatus, 2 ... Parts main body (base material), 3 ... Sprayed film, 11 ... Sputtering target, 12 ... Backing plate, 13 ... Earth shield, 14, 15 ... Prevention Substrate, 16 ... deposition substrate, 17 ... platen ring

Claims (10)

真空成膜装置の構成部品であって、
部品本体と、
前記部品本体上に形成され、軟金属材料からなる応力緩和層を有する第1の被膜と、前記第1の被膜上に形成され、前記第1の被膜とは異なる材料からなる第2の被膜とを含む溶射膜とを具備し、
前記溶射膜は、ビッカース硬さがHv30以下のAl系溶射膜、ビッカース硬さがHv100以下のCu系溶射膜、ビッカース硬さがHv200以下のNi系溶射膜、ビッカース硬さがHv300以下のTi系溶射膜、ビッカース硬さがHv300以下のMo系溶射膜およびビッカース硬さがHv500以下のW系溶射膜から選ばれる少なくとも1つの低硬度被膜を有し、
前記応力緩和層は前記Al系溶射膜または前記Cu系溶射膜からなることを特徴とする真空成膜装置用部品。
A component of a vacuum deposition apparatus,
A component body;
A first film formed on the component body and having a stress relaxation layer made of a soft metal material; and a second film formed on the first film and made of a material different from the first film; A sprayed coating containing
The sprayed film includes an Al-based sprayed film having a Vickers hardness of Hv30 or less, a Cu-based sprayed film having a Vickers hardness of Hv100 or less, a Ni-based sprayed film having a Vickers hardness of Hv200 or less, and a Ti-based film having a Vickers hardness of Hv300 or less. sprayed film, Vickers hardness have at least one low hardness coating Hv300 following Mo-based sprayed film and the Vickers hardness is selected from Hv500 following W-based sprayed film,
The component for a vacuum film-forming apparatus, wherein the stress relaxation layer is made of the Al-based sprayed film or the Cu-based sprayed film .
請求項1記載の真空成膜装置用部品において、
前記第2の被膜は、成膜材料との熱膨張率の差が15×10-6/K以下の金属材料からなる熱膨張緩和層を有し、前記熱膨張緩和層が前記低硬度被膜からなることを特徴とする真空成膜装置用部品。
In the vacuum deposition apparatus parts as claimed in claim 1 Symbol placement,
The second coating has a thermal expansion relaxation layer made of a metal material having a thermal expansion coefficient difference of 15 × 10 −6 / K or less from the film forming material, and the thermal expansion relaxation layer is formed from the low hardness coating. A component for a vacuum film-forming apparatus.
請求項記載の真空成膜装置用部品において、
前記熱膨張緩和層は、前記部品本体との熱膨張率の差が20×10-6/K以下の前記金属材料からなることを特徴とする真空成膜装置用部品。
In the vacuum film-forming apparatus component according to claim 2 ,
The component for a vacuum film forming apparatus, wherein the thermal expansion relaxation layer is made of the metal material having a difference in thermal expansion coefficient from the component main body of 20 × 10 −6 / K or less.
請求項1ないし請求項のいずれか1項記載の真空成膜装置用部品において、
前記溶射膜は、最表面の表面粗さがJIS B 0601−1994で規定する算術平均粗さRaで5〜15μmの範囲であることを特徴とする真空成膜装置用部品。
The vacuum film forming apparatus component according to any one of claims 1 to 3 ,
The thermal sprayed film has a surface roughness of the outermost surface in the range of 5 to 15 μm as an arithmetic average roughness Ra specified by JIS B 0601-1994.
請求項1ないし請求項のいずれか1項記載の真空成膜装置用部品において、
前記低硬度被膜のビッカース硬さは、前記低硬度被膜の表面を研磨して平坦化し、この平坦化された面に荷重200gでダイヤモンド圧子を30秒間押し付けてビッカース硬さ値を測定し、この測定を5回行った平均値を示すことを特徴とする真空成膜装置用部品。
In the vacuum film forming apparatus component according to any one of claims 1 to 4 ,
The Vickers hardness of the low hardness coating is obtained by polishing and flattening the surface of the low hardness coating, pressing a diamond indenter with a load of 200 g on the flattened surface for 30 seconds, and measuring the Vickers hardness value. The average value which performed 5 times is shown, The components for vacuum film-forming apparatuses characterized by the above-mentioned.
請求項1ないし請求項のいずれか1項記載の真空成膜装置用部品において、
前記溶射膜は50〜500μmの範囲の厚さを有することを特徴とする真空成膜装置用部品。
In the vacuum film-forming apparatus component according to any one of claims 1 to 5 ,
The component for a vacuum film forming apparatus, wherein the sprayed film has a thickness in the range of 50 to 500 μm.
請求項記載の真空成膜装置用部品において、
前記応力緩和層は100〜300μmの範囲の厚さを有し、かつ前記熱膨張緩和層は50〜150μmの範囲の厚さを有することを特徴とする真空成膜装置用部品。
In the vacuum film-forming apparatus component according to claim 2 ,
The component for a vacuum film forming apparatus, wherein the stress relaxation layer has a thickness in the range of 100 to 300 μm, and the thermal expansion relaxation layer has a thickness in the range of 50 to 150 μm.
真空容器と、
前記真空容器内に配置される被成膜試料保持部と、
前記真空容器内に前記被成膜試料保持部と対向して配置される成膜源と、
前記成膜源を保持する成膜源保持部と、
前記被成膜試料保持部または前記成膜源保持部の周囲に配置された防着部品とを具備し、
前記被成膜試料保持部、前記成膜源保持部および前記防着部品から選ばれる少なくとも1つが、請求項1ないし請求項のいずれか1項記載の真空成膜装置用部品からなることを特徴とする真空成膜装置。
A vacuum vessel;
A film formation sample holder disposed in the vacuum vessel;
A film forming source disposed in the vacuum container so as to face the film forming sample holder;
A film forming source holding unit for holding the film forming source;
An adhesion prevention part disposed around the film formation sample holding unit or the film formation source holding unit,
The deposition target sample holder, at least one selected from the deposition source holding unit and the deposition-preventing component, in that it consists of a vacuum deposition apparatus parts according to any one of claims 1 to 7 A vacuum deposition system that is characterized.
請求項記載の真空成膜装置において、
前記真空成膜装置用部品の表面に形成された前記溶射膜は、前記成膜源を構成する少なくとも1種の金属材料を含む被膜を有することを特徴とする真空成膜装置。
The vacuum film forming apparatus according to claim 8 .
The vacuum film forming apparatus, wherein the sprayed film formed on a surface of the vacuum film forming apparatus component has a film containing at least one metal material constituting the film forming source.
請求項または請求項記載の真空成膜装置において、
前記成膜装置はスパッタリング装置であることを特徴とする真空成膜装置。
In the vacuum film-forming apparatus of Claim 8 or Claim 9 ,
The vacuum film forming apparatus, wherein the film forming apparatus is a sputtering apparatus.
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