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JP4439706B2 - 表面実装機および部品実装システム - Google Patents

表面実装機および部品実装システム Download PDF

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JP4439706B2
JP4439706B2 JP2000292268A JP2000292268A JP4439706B2 JP 4439706 B2 JP4439706 B2 JP 4439706B2 JP 2000292268 A JP2000292268 A JP 2000292268A JP 2000292268 A JP2000292268 A JP 2000292268A JP 4439706 B2 JP4439706 B2 JP 4439706B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の作業位置に搬入、位置決めしたプリント基板等の基板に対してIC等の電子部品を部品供給部から取り出して実装する表面実装機およびこの表面実装機を備えた部品実装システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、コンベアにより所定の作業位置にプリント基板を搬入、位置決めし、この状態で吸着ヘッドを有する移動可能なヘッドユニットによりIC等の電子部品を部品供給部から吸着してプリント基板上の所定位置に装着する表面実装機(以下、実装機と略す)は一般に知られている。
【0003】
上記のような実装機は、通常、単独で使用されるよりも他の種類の装置と共にシステム化されて使用されるケースが多く、例えば実装処理前にプリント基板上にクリームはんだ等を塗布するディスペンサーや、実装処理後にはんだを加熱乾燥させるリフロー等の各種装置と共に使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなシステムでは、ディスペンサー、実装機、リフローの順にプリント基板が順次搬送されながら各装置の処理が並行して行われることにより、各装置において連続して効率的にプリント基板が処理され得るようになっている。
【0005】
ところが、実装機においては吸着ヘッドによる部品の吸着ミス等により処理時間が変動するため、例えばディスペンサーの処理が終了した時点でも実装機側での処理が終了していない場合が起り得る。
【0006】
この場合、従来の実装機では、プリント基板を一枚ずつ実装機に搬入して作業位置に位置決めするように構成されているため、実装機側での処理が終了するまで次のプリント基板(ディスペンサーでの処理が終了したプリント基板)を実装機に搬入することができなかった。つまり、実装処理が終了するまでの間、ディスペンサーを待機させておく必要があり極めて能率が悪かった。従って、この点を改善することが望まれている。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、部品実装システムを効率良く稼働させることにより、一連の基板の処理作業を効率よく行わせることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の表面実装機は、コンベアにより所定の搬入位置から作業位置に基板を搬送するとともに作業位置において基板を位置決めし、この基板に対して移動可能なヘッドユニットにより部品を実装する実装処理を行う表面実装機において、搬入位置から前記作業位置までの間に、実装処理が行われていない複数枚の未処理基板が配列可能となるように前記搬入位置から前記作業位置までの寸法設定された前記コンベアと、前記コンベアにより前記作業位置まで搬送されてきた基板を停止させるためのストッパ機構と、前記作業位置に配置され、基板を拘束してその移動を阻止する作動状態と基板の移動を許容する退避状態とに切り換え可能な第1基板拘束機構と、前記作業位置の直ぐ上流側の位置に配置され、基板を拘束してその移動を阻止する作動状態と基板の移動を許容する退避状態とに切り換え可能な第2基板拘束機構と、前記作業位置における基板の有無を検知する第1基板検知センサと、前記作業位置の直ぐ上流側の位置における基板の有無を検知する第2基板検知センサと、前記第1、第2基板検知センサによる基板の検知に基づき前記コンベア、前記ストッパ機構および前記第1、第2基板拘束機構を駆動制御する制御手段とを備え、前記ストッパ機構は、搬送中の基板の先端部分に当接してその移動を停止させる作動状態と基板の移動を許容する退避状態とに切り換え可能に設けられ、前記第2基板拘束機構は、基板の搬送方向と直交する方向に進退可能に支持されるクランプ部材を有し、前記作動状態ではこのクランプ部材が上記コンベアによる基板の搬送経路内に突出して基板側部に圧接し、前記退避状態では前記クランプ部材が上記搬送経路外に待避するように設けられており、前記制御手段は、基板を前記作業位置に拘束して当該基板に実装処理を行うべく前記第1基板検知センサによる基板の検知に基づきまず前記ストッパ機構を作動状態に切り換えた後に前記第1基板拘束機構を作動状態に切り換え、その後前記コンベアを停止させるとともに当該基板に対する実装処理後、当該基板を前記作業位置から搬出すべく前記コンベアを作動させるとともに前記ストッパ機構および前記第1基板拘束機構を退避状態に切り換え、さらに前記第2基板検知センサにより基板が検知された時点で先行する基板が前記第1基板検知センサにより検知されている場合には、前記第2基板検知センサにより検知された後続の基板を前記作業位置の直ぐ上流側の位置で待機させるべく前記第2基板拘束機構を作動状態に切り換えるとともに前記先行する基板の実装処理後、前記後続の基板を前記作業位置に搬送すべく前記第2基板拘束機構を退避状態に切り換えるものである(請求項1)。
【0009】
この表面実装機によると、第1基板拘束機構により作業位置で基板を拘束して当該基板に実装処理を施す一方で、コンベアを作動させて基板を搬送し、この基板を第2基板拘束機構により拘束することにより次の基板を表面実装機内に待機させておくことができる。この際、コンベアは、搬入位置から作業位置までの間に基板を配列できるようにその寸法が設定されているため、第2基板拘束機構により拘束されている基板を先頭に基板を待機させることができる。従って、実装処理に要する時間の変動等に拘わらず、例えば一定タイミングで基板(未処理基板)を表面実装機に搬入することが可能となる。また、作業位置における基板の有無に応じて、コンベアにより搬送されてくる基板をそのまま作業位置まで搬送する場合と、搬送されてくる基板を作業位置よりも上流側の位置で拘束して待機させる場合との切換えが自動的に行われる。
【0010】
より具体的な構成として、前記第1基板拘束機構は、基板の搬送方向と直交する方向に進退可能に支持されるクランプ部材を有し、前記作動状態ではこのクランプ部材が上記コンベアによる基板の搬送経路内に突出して基板側部に圧接し、前記退避状態では前記クランプ部材が上記搬送経路外に待避するように設けられてるものである(請求項2)。
【0011】
この構成によれば、クランプ部材が基板に圧接することによりその摩擦力で作業位置の基板が移動不能な状態に拘束される。
【0012】
また、本発明の部品実装システムは、基板に対して部品の実装処理を施す表面実装機と、前記実装処理に先立って所定の前処理を施す前処理機とを備えた部品実装システムにおいて、前記表面実装機として、請求項1又は2に記載の表面実装機を備えているものである(請求項3)。
【0013】
このシステムによれば、表面実装機が上記のように実装処理中であっても基板を搬入できるように構成されているので、表面実装機における実装処理時間の変動に拘わらず、前処理機での処理済みの基板を表面実装機に搬入することができる。そのため、前処理機の稼働率を向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0015】
図1は本発明に係る実装機を概略的に示している。なお、同図には、方向関係を明確にするために、X−Y座標軸を示している。
【0016】
この図に示すように、実装機の基台1上には、搬送ラインを構成する一対のベルトコンベア2a,2b(以下、コンベア2a,2bと略す)が配設されており、プリント基板3がこのコンベア2a,2b上を搬送されて所定の作業位置に位置決めされるようになっている。なお、コンベア2a,2bの具体的な構成については後に詳述する。
【0017】
上記コンベア2a,2bの両側にはそれぞれ部品供給部4が配置されている。これらの部品供給部4には多数列のテープフィーダー4aが備えられており、各テープフィーダー4aは、それぞれIC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ部品を所定間隔おきに収納、保持したテープがリールから導出されるように構成されるとともに、テープ送り出し端には送り機構が具備され、後述のヘッドユニット5により部品がピックアップされるにつれてテープが間欠的に送り出されるようになっている。
【0018】
一方、基台1の上方には、部品装着用のヘッドユニット5が装備され、このヘッドユニット5がX軸方向(コンベアコンベア2a,2bの方向)およびY軸方向(水平面上でX軸と直交する方向)に移動することができるようになっている。
【0019】
すなわち、上記基台1上には、Y軸方向に延びる一対の固定レール7と、Y軸サーボモータ9により回転駆動されるボールねじ軸8とが配設され、上記固定レール7上にヘッドユニット支持部材11が配置されて、この支持部材11に設けられたナット部分12が上記ボールねじ軸8に螺合している。また、上記支持部材11には、X軸方向に延びるガイド部材14と、X軸サーボモータ15により駆動されるボールねじ軸13とが配設され、上記ガイド部材14にヘッドユニット5が移動可能に保持され、このヘッドユニット5に設けられたナット部分(図示せず)が上記ボールねじ軸13に螺合している。そして、Y軸サーボモータ9の作動によりボールねじ軸8が回転して上記支持部材11がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ15の作動によりボールねじ軸13が回転してヘッドユニット5が支持部材11に対してX軸方向に移動するようになっている。
【0020】
上記ヘッドユニット5には、部品を吸着するための吸着ヘッド(図示せず)が搭載され、例えば、複数の吸着ヘッドがX軸方向に並べて配設されている。
【0021】
各ヘッドは、それぞれヘッドユニット5のフレームに対して昇降及び回転が可能となっており、サーボモータを駆動源とする昇降駆動手段および回転駆動手段により駆動されるようになっている。また、上記各ヘッドの下端には部品吸着用のノズルが設けられており、部品吸着時には、電磁バルブ等を介して図外の負圧供給手段からノズル先端に負圧が供給されることにより、その負圧による吸引力で部品が吸着されるようになっている。
【0022】
なお、図1中、符号17は、基台1上に設置されたCCDカメラからなる部品認識用カメラで、各ヘッドによる部品吸着後、ヘッドユニット5の移動に応じて各吸着部品がこのカメラ17上にセットされることにより吸着部品を撮像するようになっている。
【0023】
図2〜図4は、上記コンベア2a,2baの具体的な構成を示している。
【0024】
これらの図に示すように、各コンベア2a,2bはX軸方向に延び、コンベア左端の搬入位置Lから搬入されるプリント基板3をコンベア中央部(X軸方向中央部)に設定された作業位置Waまで搬送し、さらに実装処理が終了したプリント基板3を右端の搬出位置Uまで搬送するように構成されている。
【0025】
コンベア2a,2bにおいて上記作業位置Waより上流側の部分は、複数のプリント基板3を連続的に(隙間なく連続して)一列に配列した状態で待機させ得るように搬入位置Lから作業位置Waまでの寸法が設定されているとともに、この作業位置Waの直ぐ上流側に後述する第2クランプ機構70Bが設けられおり、これにより複数毎の未処理基板3を上記作業位置Waの上流側に一列に配列した状態で待機させるためのバッファ部を構成している。なお、当実施形態では、図2に一点鎖線で示すように作業位置Waの上流側に、5枚のプリント基板3を待機させることできるようにコンベア2a,2bが寸法設定されている。
【0026】
コンベア2a,2bは、その間隔が調整可能となっており、プリント基板3のサイズに応じて間隔が設定されることによりサイズの異なる複数種類の基板を搬送できるように構成されている。具体的には以下のように構成されている。
【0027】
すなわち、上記コンベア2a,2baは、プリント基板3の搬送部を構成するX軸方向に細長のフレーム20a,20bを有しており、これらフレーム20a,20bうち一方側(前側;図2では下側)のフレーム20aが一対の脚部22を介して基台1に固定されている。
【0028】
前側のフレーム20aの各脚部22に対向する位置には、Y軸方向に所定距離を隔てて支持部材24が基台1に固定されるとともに、Y軸方向に延びる互いに平行な一対の固定ロッド25が配設され、これら固定ロッド25の両端部がそれぞれフレーム20aの脚部22および上記支持部材24に支持され、後側のフレーム20bがこれら固定ロッド25にスライド自在に装着されている。また、上記各固定ロッド25の下方に、Y軸方向に延びる互いに平行な一対のボールねじ軸26が配設され、これらボールねじ軸26の両端部がそれぞれ各脚部22及び各支持部材24に亘って回転自在に支持されるとともに、このボールねじ軸26が後側のフレーム20bに設けられたナット部分23にそれぞれ螺合している。さらに、各ボールねじ軸26の前端部分が前側のフレーム20aを貫通して前方に突出し、この突出部分にそれぞれプーリ30が取付けられてこれら両プーリ30に亘ってタイミングベルト31が装着されるとともに、一方側のボールねじ軸26に操作用のハンドル32が装着されている。すなわち、このハンドル32を手動で正逆回転すると、これに伴い両ボールねじ軸26が同期して回転し、これにより図4の二点鎖線に示すように後側のフレーム20aが固定ロッド25に沿ってY軸方向に移動してコンベア2a,2bの間隔を調整できるようになっている。
【0029】
各コンベア2a,2bは、搬入位置Lから作業位置Waにプリント基板3を搬送する搬入用ベルト34Aと、作業位置Waから搬出位置Uにプリント基板3を搬送する搬出用ベルト34Bを各フレーム20a,20bに有しており、これらのベルト34A,34Bを独立して駆動することにより、プリント基板3の搬入と搬出を独立して行えるように構成されている。
【0030】
すなわち、図2及び図3に示すように、各フレーム20a,20bの左側端部近傍にそれぞれ駆動プーリ35が配設されるとともに、搬入位置Lおよび作業位置Waの近傍にそれぞれ従動プーリ36が配設され、これらプーリ35,36に亘って無端状の搬入用ベルト34Aが装着されている。また、左側の固定ロッド25の左方にY軸方向に延びる同期シャフト37が設けられ、この同期シャフト37が両駆動プーリ35に貫通して装着されるとともに、後側の駆動プーリ35に対してスプラインで結合されている。そして、前側のフレーム20aの左端近傍にサーボモータ38が固定され、このサーボモータ38と同期シャフト37に固定された伝動プーリ39とに亘って駆動ベルト40が装着されている。
【0031】
また、各フレーム20a,20bの右側端部近傍にそれぞれ駆動プーリ45が配設されるとともに、作業位置Waおよび搬出位置Uの近傍にそれぞれ従動プーリ46が配設され、これらプーリ45,46に亘って搬出用ベルト34Bが装着されている。また、右側の固定ロッド25の右方に同期シャフト47が設けられ、この同期シャフト47が両駆動プーリ45に貫通装着されるとともに、後側の駆動プーリ45に対してスプラインで結合されている。そして、前側のフレーム20aの右端近傍にサーボモータ48が固定され、このサーボモータ48と同期シャフト47に固定された伝動プーリ49とに亘って駆動ベルト40が装着されている。
【0032】
そして、上記サーボモータ38の作動により同期シャフト37を介して前後の駆動プーリ35が回転駆動され、これによりコンベア2a,2bの各搬入用ベルト34Aが同期して周回移動する一方、サーボモータ48が作動すると、同期シャフト47を介して前後の駆動プーリ45が回転駆動され、これによりコンベア2a,2bの各搬出用ベルト34Bが同期して周回移動するようになっている。
【0033】
上記コンベア2a,2bのうち、後側のコンベア2bには、図2に示すように作業位置Waに到達したプリント基板3を停止させるためのストッパ機構60と、作業位置Waにおいてプリント基板3を保持するための第1クランプ機構70A(第1基板拘束機構)と、作業位置Waの直ぐ上流側でプリント基板3を待機状態に保持するための第2クランプ機構70B(第2基板拘束機構)とが設けられている。
【0034】
ストッパ機構60は、図5に示すように、当接部61を上端部に具備した可動フレーム62を有している。この可動フレーム62は、前記フレーム20bに固定された上下方向のレール63に移動可能に装着されており、同フレーム20bに固定されたエアシリンダ64の作動に応じて上記当接部61がプリント基板3の搬送経路内に突入する作動状態と(同図の二点鎖線に示す位置)、当接部61が搬送経路下方に待避する待避状態(同図の実線に示す位置)とに切換えられ、上記作動状態のときに上記当接部61によりプリント基板3の移動を阻止するように構成されている。
【0035】
第1クランプ機構70Aおよび第2クランプ機構70Bは、基本的に同一の構成を有しており、図6および図7に示すように、それぞれフレーム20bに固定されたガイド部材72によってY軸方向にスライド可能に支持されるクランプ部材71を有している。クランプ部材71には、その後側にY軸方向(プリント基板3の搬送方向と直交する方向)に延びる軸体73が固定されており、この軸体73がエアシリンダ76に連結された連結板75に遊嵌状態で挿通されて反対側から抜け止めされるとともに、クランプ部材71と連結板75との間においてこの軸体73にコイルばね74が装着されている。そして、エアシリンダ76の作動に伴い上記クランプ部材71がプリント基板3の搬送経路内に突出する作動状態と(図6の二点鎖線に示す状態)、クランプ部材71が上記搬送経路から外側に待避する待避状態(図6の実線に示す位置)とに切換えられ、上記作動状態のときにプリント基板3に対してその側方からクランプ部材71が弾性的に当接することによりコンベア2a,2b上にプリント基板3を保持するように構成されている。
【0036】
また、後側のコンベア2bには、さらに作業位置Waに到達したプリント基板3を位置決めするためのプッシュアップ機構80が設けられている。このプッシュアップ機構80は詳しく図示していないが、コンベア2a,2bによる基板の搬送経路下方の待避位置と、搬送経路上方に位置する作動位置とに変位可能に構成されており、実装処理の際には、上記作動位置に切換えられ、裏側からプリント基板3を押し上げることによりコンベア2a,2bからプリント基板3をリフトアップした状態で位置決めするようになっている。
【0037】
また、前側のコンベア2aには、搬送中のプリント基板3を検知するための第1基板検知センサ81(第1基板検知手段)および第2基板検知センサ82(第2基板検知手段)がそれぞれ各クランプ機構70A,70Bに対応して設けられている。各基板検知センサ81,82は、例えばコンベア2a,2bにおけるプリント基板3の搬送面を挟んで光の照射部と受光部とを上下に備えたフォトインタラプタで、プリント基板3により照射光が遮断されることによりプリント基板3を検知するように構成されている。
【0038】
なお、上記クランプ機構70A,70Bおよび各基板検知センサ81,82の配置は以下のように設定されている。
【0039】
すなわち、第1クランプ機構70Aは、図2に示すように、例えばストッパ機構60によって作業位置Waに停止されたプリント基板3の中央(X軸方向中央)をクランプするように配置されており、基板検知センサ81は、ストッパ機構60から所定距離L1(L1<プリント基板3のX軸方向寸法)だけ上流側に配置されている。また、第2基板検知センサ82は、複数毎のプリント基板3が連続して(すなわちプリント基板3が隙間なく連続した状態で)搬送されてきた際に、先頭のプリント基板3(の先端)が基板検知センサ81に検知された時点で次ぎのプリント基板3を検知し得るように配置され、さらに第2クランプ機構70Bは、この第2基板検知センサ82によるプリント基板3の検知に基づいて当該プリント基板3をクランプできるように配置されている。
【0040】
図8は、上記実装機の制御系を示している。なお、この図は、一連の実装動作のうち主にコンベア2a,2bによるプリント基板3の搬送を制御する部分を示している。
【0041】
この図に示すように、上記実装機は、論理演算を実行する周知のCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROMおよび装置動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM等から構成されるコントローラ90を有している。
【0042】
このコントローラ90には、プリント基板3の搬送および部品の装着等の一連の実装動作を統括的に制御する主制御手段91(制御手段)、コンベア2a,2bの駆動を制御するコンベア駆動制御手段92、第1、第2クランプ機構70A,70Bの駆動を制御するクランプ駆動制御手段93およびストッパ機構60の駆動を制御するストッパ駆動制御手段94等が含まれており、コンベア2a,2bの各サーボモータ38,48が主制御手段91に、クランプ機構70A,70Bの各エアシリンダ76がクランプ駆動制御手段93に、ストッパ機構60のエアシリンダ64がストッパ駆動制御手段94にそれぞれ接続されている。また、第1基板検知センサ81および第2基板検知センサ82がそれぞれ上記主制御手段91に接続されている。
【0043】
そして、実装時には、予め記憶されたデータに従ってプリント基板3の搬入、位置決めおよび搬出を行うべく、各サーボモータ38,48等が各駆動制御手段92〜94を介して主制御手段91により制御されるようになっている。
【0044】
次に、プリント基板3の搬送動作制御について図9のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0045】
実装機が起動され、例えば作業開始信号が主制御手段91に入力されると、まず、コンベア2a,2bが駆動され、プリント基板3が搬入位置Lからコンベア2a,2b上に搬入される(ステップS1)。この際、例えばコンベア2a,2bは、搬入用ベルト34Aのみが駆動され、搬出用ベルト34Bは停止されている。また、ストッパ機構60、クランプ機構70A,70Bはいずれも待避状態とされている。
【0046】
次いで、基板検知センサ81により先頭のプリント基板3が検知されたか否かが判断され、検知されたと判断されるとストッパ機構60が作動状態に切換えられる(ステップS3)。このようにストッパ機構60が作動状態に切換えられると、当接部61によりプリント基板3の搬送が阻止され、これによりプリント基板3が作業位置Waに停止される。
【0047】
そして所定時間Tが経過したか否かが判断され、経過したと判断されると第1クランプ機構70Aが作動状態に切換えられてプリント基板3が作業位置Waにクランプされるとともに、コンベア2a,2bが停止されて部品の実装処理が開始される(ステップS4〜S6)。なお、ステップS4の所定時間Tは、プリント基板3が第1基板検知センサ81により検知された後、プリント基板3が作業位置Waにセットされ、さらにプッシュアップ機構80によりリフトアップされた状態で位置決めされるまでの時間とされている。
【0048】
部品の実装処理は、X軸サーボモータ15及びY軸サーボモータ9の駆動により、ヘッドユニット5が部品供給部4と作業位置Waにクランプされたプリント基板3との間を往復移動しながら、吸着ヘッドにより部品供給部4から部品をピックアップしてプリント基板3上に順次装着することにより行われる。
【0049】
次に、当該プリント基板3の実装処理が終了した否かが判断され、終了したと判断されると、コンベア2a,2b(搬出用ベルト34B)が駆動されるとともに、第1クランプ機構70Aおよびストッパ機構60がそれぞれ待避状態に切換えられ、これによりプリント基板3がコンベア2a,2bにより搬送されて搬出位置Uから搬出される(ステップS7〜S9)。
【0050】
このようなプリント基板3の搬送動作において、上記第2クランプ機構70Bは図10のフローチャートに示すように制御される。
【0051】
すなわち、まず、第2基板検知センサ82によりプリント基板3が検知されたか否かが判断され、検知された場合には、さらに第1基板検知センサ81によりプリント基板3が検知されているか否かが判断される(ステップS11,ステップS12)。
【0052】
ここで、検知されていると判断された場合、すなわち既に作業位置Waにプリント基板3がセットされている場合(あるいはセットされる直前の場合)には、第2クランプ機構70Bが作動状態に切換えられ、これにより第2基板検知センサ82に検知された当該プリント基板3、つまり作業位置Waにセットされているプリント基板3(あるいはセットされる直前のプリント基板3)の次ぎに処理するプリント基板3がコンベア2a,2b上にクランプされる(ステップS13)。これにより当該プリント基板3がコンベア2a,2b上に待機状態に保持されることとなる。
【0053】
次いで、作業位置Waのプリント基板3の実装処理が終了したか否かが判断され、終了したと判断された場合には、第2クランプ機構70Bが待避状態に切換えられ(ステップS14)。これによりプリント基板3のクランプ状態が解除されて、当該プリント基板3が作業位置Waへと搬送される。
【0054】
なお、ステップS12において第1基板検知センサ81によりプリント基板3が検知されていないと判断された場合には、ステップS11にリターンされる。
【0055】
以上のような制御によると、具体的に以下のようにしてプリント基板3が搬送されることとなる。
【0056】
すなわち、搬入位置Lからコンベア2a,2b上にプリント基板3(第1番目の基板)が搬入されると、当該プリント基板3は作業位置Waまで搬送され、ここでコンベア2a,2bからリフトアップされた状態で位置決めされて実装処理に供され、処理後、搬出位置Uまで搬送されて搬出される。
【0057】
そして、上記のようなプリント基板3(第1番目の基板)の実装処理中に次のプリント基板3(第2番目の基板)が搬入位置Lから搬入されると、第2基板検知センサ82の位置まで当該プリント基板3が搬送され、この時点で、実装処理が終了していない場合には、第2クランプ機構70Bが作動して当該プリント基板3(第2番目の基板)がコンベア2a,2b上で待機状態に保持される。なお、このように第2クランプ機構70Bが作動してプリント基板3(第2番目の基板)が待機状態にあるときに、さらに次のプリント基板3(第3番目の基板)が搬入された場合には、待機中のプリント基板3(第2番目の基板)に当接する位置まで当該プリント基板3が搬送され、待機中のプリント基板3に当接して一列に並んだ状態で停止される。こうして、実装処理中に複数のプリント基板3が順次搬入された場合には、第2クランプ機構70Bによりクランプされているプリント基板3を先頭に、作業位置Waの上流側に各プリント基板3が一列に配列された状態で待機状態に保持されることとなる。
【0058】
そして、作業位置Waのプリント基板3の実装処理が終了し、当該プリント基板3(第1番目の基板)が搬出された時点で、作業位置Waの上流側に待機中のプリント基板3がある場合には、第2クランプ機構70Bによるクランプ状態が解除されて待機中のプリント基板3(第2番目の基板)が作業位置Waにセットされ、実装処理に供されることとなる。
【0059】
以上のようにこの実装機によれば、実装処理中に未処理のプリント基板3を実装機内に搬入、待機させておくことができるため、前処理機としてのディスペンサーや後処理機としてのリフローと共に部品実装システムを構成するような場合、つまりディスペンサーにおいてクリームはんだ等を塗布したプリント基板を上記実装機に搬入し、ここで部品の実装処理を施した後、リフローで乾燥処理を施すようにシステムを構成する場合に、当該システムを効率的に稼働させることができるようになる。
【0060】
すなわち、実装機では吸着ヘッドによる部品の吸着ミス等により処理時間が変動するため、例えばディスペンサーの処理が終了した時点でも実装処理が終了していない場合があり、この場合、従来の実装機では、実装処理中のプリント基板の処理が終了するまで次のプリント基板(ディスペンサーにおける処理済みのプリント基板)を実装機に搬入することができなかった。つまり、プリント基板の搬入タイミングが制限されていた。そのため、実装処理が終了するまでの間、ディスペンサーを待機させる必要がありディスペンサーの稼働効率が悪かった。これに対して、上記の実装機にれば、実装処理中に未処理のプリント基板3を実装機内に搬入して待機させておくことができるため、待機可能な基板数(実施形態では5枚)の範囲内であれば、タイミング的な制限を受けることなくディスペンサー側から実装機側へプリント基板3を搬入することができる。従って、従来のようにディスペンサーを一時的に待機させるということが少なくなり、その結果、システム全体を効率的に稼働させなが一連の基板の処理作業を効率よく行わせることが可能となる。
【0061】
なお、上記の実施形態では、基板拘束機構として第2クランプ機構70Bを設け、これによりプリント基板3を側方からクランプすることにより未処理のプリント基板3をコンベア2a,2b上で待機させるように構成しているが、基板拘束機構としてこれ以外の構成を採用してもよい。例えば、第2クランプ機構70Bのかわりに、ストッパ機構60と同一構成のストッパ機構を作業位置Waの上流側に配設してプリント基板3を待機させるようにしてもよい。また、プリント基板3をその裏側から持ち上げるリフトアップ機構を設け、これによりプリント基板3をコンベア2a,2bからリフトアップすることによりプリント基板3を待機させるようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、コンベアにより所定の搬入位置から作業位置に基板を搬送して部品の実装処理を施す表面実装機において、搬入位置から作業位置までの間に未処理基板を配列できるようにコンベアを構成し、さらに作業位置の直ぐ上流側に、基板を拘束してその移動を阻止する基板拘束機構(第2基板拘束機構)を設けることにより、作業位置での実装処理中であっても未処理基板を表面実装機内に搬入して待機させておくことができるようにしたため、実装処理に要する時間の変動等に拘わらず、特定のタイミングで基板(未処理基板)を表面実装機内に搬入することが可能となる。
【0063】
従って、表面実装機の上流側にディスペンサー等の前処理機を配置することにより構成される部品実装システム等においては、実装処理中であってもディスペンサーから表面実装機へ基板を搬入することが可能となり、その結果、部品実装システム全体を効率的に稼働させながら一連の基板の処理作業を効率よく行わせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る表面実装機を示す平面図である。
【図2】 表面実装機のコンベア(搬送装置)を示す平面図である。
【図3】 コンベアの構成を示す正面図である。
【図4】 コンベアの構成を示す図2のA−A断面図である。
【図5】 ストッパ機構の構成を示す図2のB−B断面図である。
【図6】 第1クランプ機構(第2クランプ機構)の構成を示す平面図である。
【図7】 第1クランプ機構(第2クランプ機構)の構成を示す図6のC−C断面図である。
【図8】 表面実装機の制御系(プリント基板の搬送制御)を示すブロック図である。
【図9】 プリント基板の搬送動作の制御例を示すフローチャートである。
【図10】 第2クランプ機構の制御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2a,2b コンベア
3 プリント基板
60 ストッパ機構
70A 第1クランプ機構(第1基板拘束機構)
70B 第2クランプ機構(第2基板拘束機構)

Claims (3)

  1. コンベアにより所定の搬入位置から作業位置に基板を搬送するとともに前記作業位置において基板を位置決めし、この基板に対して移動可能なヘッドユニットにより部品を実装する実装処理を行う表面実装機において、
    前記搬入位置から前記作業位置までの間に、実装処理が行われていない複数枚の未処理基板が配列可能となるように前記搬入位置から前記作業位置までの寸法設定された前記コンベアと、
    前記コンベアにより前記作業位置まで搬送されてきた基板を停止させるためのストッパ機構と、
    前記作業位置に配置され、基板を拘束してその移動を阻止する作動状態と基板の移動を許容する退避状態とに切り換え可能な第1基板拘束機構と、
    前記作業位置の直ぐ上流側の位置に配置され、基板を拘束してその移動を阻止する作動状態と基板の移動を許容する退避状態とに切り換え可能な第2基板拘束機構と、
    前記作業位置における基板の有無を検知する第1基板検知センサと、
    前記作業位置の直ぐ上流側の位置における基板の有無を検知する第2基板検知センサと、
    前記第1、第2基板検知センサによる基板の検知に基づき前記コンベア、前記ストッパ機構および前記第1、第2基板拘束機構を駆動制御する制御手段とを備え、
    前記ストッパ機構は、搬送中の基板の先端部分に当接してその移動を停止させる作動状態と基板の移動を許容する退避状態とに切り換え可能に設けられ、
    前記第2基板拘束機構は、基板の搬送方向と直交する方向に進退可能に支持されるクランプ部材を有し、前記作動状態ではこのクランプ部材が上記コンベアによる基板の搬送経路内に突出して基板側部に圧接し、前記退避状態では前記クランプ部材が上記搬送経路外に待避するように設けられており、
    前記制御手段は、基板を前記作業位置に拘束して当該基板に実装処理を行うべく前記第1基板検知センサによる基板の検知に基づきまず前記ストッパ機構を作動状態に切り換えた後に前記第1基板拘束機構を作動状態に切り換え、その後前記コンベアを停止させるとともに当該基板に対する実装処理後、当該基板を前記作業位置から搬出すべく前記コンベアを作動させるとともに前記ストッパ機構および前記第1基板拘束機構を退避状態に切り換え、さらに前記第2基板検知センサにより基板が検知された時点で先行する基板が前記第1基板検知センサにより検知されている場合には、前記第2基板検知センサにより検知された後続の基板を前記作業位置の直ぐ上流側の位置で待機させるべく前記第2基板拘束機構を作動状態に切り換えるとともに前記先行する基板の実装処理後、前記後続の基板を前記作業位置に搬送すべく前記第2基板拘束機構を退避状態に切り換えることを特徴とする表面実装機。
  2. 記第1基板拘束機構は、基板の搬送方向と直交する方向に進退可能に支持されるクランプ部材を有し、前記作動状態ではこのクランプ部材が上記コンベアによる基板の搬送経路内に突出して基板側部に圧接し、前記退避状態では前記クランプ部材が上記搬送経路外に待避するように設けられてることを特徴とする請求項1に記載の表面実装機。
  3. 基板に対して部品の実装処理を施す表面実装機と、前記実装処理に先立って所定の前処理を施す前処理機とを備えた部品実装システムであって、
    前記表面実装機として、請求項1又は2に記載の表面実装機を備えていることを特徴とする部品実装システム。
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