JP4436040B2 - 電子監視タグ - Google Patents
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Description
【関連出願の相互参照】
該当無し
【0002】
【連邦援助の研究又は開発に関する声明】
該当無し
【0003】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、電子物品監視タグ及び関係した分離器に関し、より具体的には、改良された分離機構を備える電子物品監視(EAS)タグに関する。
関連技術の説明
電子物品監視システムは当該技術分野にて周知であり、在庫管理及び管理された区域からの物品の盗難防止又は同様の無権限の除去を防止するために使用されている。典型的に、かかるシステムにおいて、管理された区域から除去される物品が横切らなければならない監視区域を確立するため、システム送信機及びシステム受信機が使用されている。
【0004】
EASタグは物品の各々に固着されており、該EASタグは、システム送信機により監視区域内に送信された信号と相互作用し得るようにされたマーカ又はセンサを有している。この相互作用によって、監視区域内で更なる信号が確立され、この更なる信号は、システム受信機によって受信される。従って、タグを付けた物品が監視区域を通過したとき、タグを付した物品がその区域内に無権限にて存在することを明らかにする信号がシステム受信機によって受信される。
【0005】
特定型式のEASタグは再使用可能な設計とされており、このため、タグを物品に固着する解放可能な取り付け装置を有している。かかる取り付け装置は、権限のある者によってのみ解放され、このためタグをその物品から無権限で除去することが回避されるような更なる設計とされている。この目的のため、多くの取り付け装置は、関連する特殊な工具又は分離機構を使用してのみ解放可能とされる。
【0006】
取り付け装置及び関係した分離器を採用するEASタグは、1976年3月9日付けでハンブル(Humble)らに対して発行され且つ本発明と同一の譲受人に譲渡された、「再使用可能な安全保護タグ(REUSABLE SECURITY TAG)」という名称の米国特許第3,942,829号に記載されている。米国特許第3,942,829号のEASタグは、タグ本体と、鋲組立体の形態をした取り付け装置とを備えている。鋲組立体は、拡大頭部と、物品を穿刺する働きをし、また、タグ本体内に受け入れられ且つ固定される尖った端部を有する鋲本体とを備えている。この組立体は、物品及びタグを互いに固着する。
【0007】
米国特許第3,942,829号のタグにおいて、鋲は、拡張可能なジョー部を有するクラッチロック(clutch lock)として形成されたばね止め具を使用してタグ本体に固定される。物品を穿刺したならば、尖った鋲の端部はタグ本体内に受け入れられ且つクラッチロックのジョー部の間に固着される。このことは、鋲及びタグ本体を係止して、物品に対するEASタグを形成し、このため、タグ及び物品を互いに容易に分離させることはできない。
【0008】
権限のある者が鋲をクラッチロックから解放し、従って、タグを物品から解放することができるようにするため、米国特許第3,942,829号は、タグ本体を把持し且つ該タグ本体に曲げ力を加える分離器機構を利用する。この力は、クラッチロックのジョー部が拡がり、これにより、鋲を解放するようにクラッチロックを変形させるのに十分である。次に、物品及びタグが互いに分離するように鋲をタグ本体から除去することができる。
【0009】
クラッチロックを変形させるべくタグ本体を十分に曲げることが可能であるようにするには、米国特許第3,942,829号のタグ本体は可撓性の材料で出来たものでなければならない。典型的に、例えば、ポリプロピレンのような、可撓性のプラスチック材料が使用されている。しかし、かかる材料は、割れ且つ損傷し易い。このことは、タグの係止作用をタグのEASセンサ部分から分離し又は露出させ且つ機能させなくする可能性を増す点にて不利益となり勝ちである。
【0010】
更に、米国特許第3,942,829号のタグ本体は、その曲げを容易にし得るように比較的大きい寸法でなければならない。このことは、同様に、大きいタグを使用することは、タグが取り付けられる物品の審美的な外観を損なうから、不利益となり勝ちである。
【0011】
米国特許第3,942,829号のばね止め具の1つの変形例が、コンパクトディスク用のいわゆる留め装置内に内蔵される、別の型式のEAS安全保護装置が既知である。この型式の装置は、1991年7月16日付けでバザード(Buzzard)らに対して発行され且つ本発明とその同一の譲受人に譲渡された、「コンパクトディスクパッケージ等用の留め装置(KEEPER FOR COMPACT DISC PACKAGE OR THE LIKE)という名称の米国特許第5,031,756号に開示されている。
【0012】
米国特許第5,031,756号の留め装置は、硬いプラスチック製フレームを備えている。フレームの一側部には、鋲状のボタン組立体と、米国特許第3,942,829号におけるようなばね止め具とを収容する拡張部分が設けられている。この場合、ボタン組立体を第一の位置に係止するためばね止め具が使用される。この位置において、ボタン組立体の尖った端部がフレーム内に突き出して、コンパクトディスクを保持する厚紙容器を穿刺し且つフレームに対して保持する。その結果、フレームと共に、コンパクトディスクを無権限で除去すると、同様に、フレーム内に内蔵されたEASセンサが検出可能な信号を発生させ、EASシステムに警告する。
【0013】
米国特許第5,031,756号の留め装置において、フレームの拡張部分には、対向する線形スロットが設けられており、該スロットは、ばね止め具のジョー部の間の領域に達する。傾斜面付きの線形指状体をこれらのスロット内に挿入することにより、指状体はこの領域内に案内され、ジョー部が外方に曲がるようにする。このことは、ボタンを解放してボタンを厚紙容器から引出すことを可能にする。次に、容器及びその収容されたコンパクトディスクをフレームから分離させることができる。
【0014】
米国特許第5,031,756号の留め装置は、硬いフレーム内に米国特許第3,942,829号の型式のばね止め具を利用するが、該留め装置には、幾つかの欠点もある。1つの欠点は、ばね止め具に達する線形スロットが止め具を一直線上で視認でき、ばね止め具に接近することを許容する点である。このことは、ジョー部を開けようとして線状の物をスロット内に挿入することを可能にするから、止め具を機能させなくする可能性を増大させる。別の欠点は、分離器の指状体はばね止め具のジョー部の間の領域内に受け入れなければならないため、その指状体は高精度であることが必要とされる点である。このことは、分離器のコスト及び複雑さを増すこととなる。
【0015】
その開示内容を参考として引用し本明細書に含めた、1995年6月20日付けでニギエン.ティー(Nguyen.T)、その他に対して発行され且つ本発明と同一の譲受人に譲渡された、「円弧状の通路を有する安全保護タグ及びその分離器装置(SECURITY TAG HAVING ARCUATE CHANNEL AND DETACHER APPARATUS FOR SAME)」という名称の米国特許第5,426,419号には、上記の不利益な点のないEASタグが開示されている。EASタグは、関連した分離器装置の円弧状プローブをタグの円弧状通路内に挿入してばね止め具機構を解放するという容易且つ簡単な方法にて物品から解放し得るようにされた硬いタグ本体を有している。ばね止め具機構は、タグ本体の一部分の開口部内に挿入されたとき、拘束される物品を通して挿入し得るようにされた鋲組立体の除去を防止する解放可能な係止機構である。米国特許第5,426,419号のEASタグは、上記のタグよりも機能を失わせ難いが、以下に詳細に記載するように、関係した分離器装置の円弧状プローブを模擬し得るように円弧状に曲げた比較的硬い金属の一部分を挿入することで機能させなくすることができる。
【0016】
【発明の簡単な概要】
本発明の原理に従って、タグがタグ本体を備え、また、タグ本体を物品に取り付ける取り付け組立体を有するEASタグが提供される。取り付け組立体は、タグ本体内に受け入れることのできる部分を有しており、タグ本体には、その取り付け組立体の部分が引出されるのを解放可能に防止する防止機構が設けられている。タグ本体内の通路を画成する構造体は、円弧状の通路を画成する。この通路は、防止機構まで達し且つ該防止機構を解放すべく該防止機構まで円弧状プローブを案内することを許容する。防止機構を解放すると、取り付け組立体の部分を引出し、これにより取り付け組立体及び物品をタグ本体から分離することを許容する。円弧状通路内の当接機構は、円弧状プローブの円弧状の形状にほぼ形成された比較的硬いワイヤを防止機構を解放させるのに十分深く、円弧状通路内に挿入することを防止する。
【0017】
以下に説明する本発明の実施の形態において、取り付け組立体は、頭部及び鋲本体を有する鋲を備えており、鋲本体は、第一の開口部を通してタグ本体内に受け入れ可能である取り付け機構の一部分である。防止機構は、鋲本体を受け入れ且つ把持し、これにより鋲本体がタグ本体から引出されるのを防止する、受け入れ及び把持機構を備えている。受け入れ及び把持機構の解放部分は、係合したとき、受け入れ及び把持機構を解放させ、これにより鋲本体を引出すことを許容する。タグ本体の第二の開口部は円弧状通路に達する一方、該通路は、受け入れ及び把持機構の解放部分に達し、円弧状プローブが該受け入れ及び把持機構に係合して解放させることを許容する。
【0018】
本発明の別の面において、当接機構は、円弧状プローブの相応する「L」字形状体を受け入れるほぼ「L」字形の開口部を形成する垂直及び水平開口部を有するほぼ平面状の硬い部材であり、その硬い部材は、円弧状通路内にてほぼ垂直に配置可能であり、円弧状プローブを円弧状通路内に挿入し、防止機構を解放するとき、円弧状プローブの「L」字形の垂直部材が緊密に貫通することを許容するような垂直開口部の寸法及び配置とされている。
【0019】
当接機構は、成形したワイヤの挿入を防止するばね入口組立体を備えることができ、該ばね入口組立体は、成形されたワイヤを拘束し且つワイヤを円弧状通路内に更に挿入するのを防止する拘束部を備えることができる。該拘束部は、ばね部材の一端に配置され、該ばね部材は、EASタグ本体に取り付け可能であり、また、該拘束部を円弧状通路の壁に対し且つ硬い部材の垂直開口部の前方で偏倚させる。円弧状プローブを円弧状通路内に挿入したとき、「L」字形の円弧状プローブの水平部材がばね部材の偏倚力に抗して押し、拘束部は硬い部材の垂直開口部から押されて円弧状プローブが緊密に貫通するのを許容する。該拘束部はばね部材の端部の曲がった部分とすることができる。
【0020】
本発明の上記及びその他の特徴並びにその他の面は、添付図面と共に以下の詳細な説明を読むことにより一層明らかになるであろう。
【0021】
図1乃至図7には、その内容を参考として引用し本明細書に含め、その説明の一部を以下に記載する、米国特許第5,426,419号に開示された本発明の原理によるEASタグ1のいろいろな図面が図示されている。EASタグ1の改良である本発明について以下に詳細に説明する。図1に図示するように、タグ1は、頂部壁2Eによって接続された側壁2A、2B、2C、2Dを有する上側ハウジング2を備えている。タグ1は、また底部壁3Eによって接続された側壁3A、3B、3C、3Dを有する下側ハウジング3も備えている。上側ハウジング2及び下側ハウジング3は、相応し又は関係した側壁対(2A、3A)、(2B、3B)、(2C、3C)及び(2D、3D)に沿って接続され又は合わされて閉じたタグ本体1Aを形成する。
【0022】
ハウジング2、3は、硬質材料すなわち硬い材料で出来たものであることが好ましい。使用可能な硬い材料すなわち硬質材料は、例えば、射出成形ABSプラスチックのような硬質プラスチックとすることが考えられる。プラスチックが使用される場合、ハウジングの合わさる側壁は超音波溶接1B又は同様の接続機構によって接続することができる。
【0023】
タグ1は、拡大した鋲頭部4Aと、スロット又は溝4C及び尖った前端4D(図1、図2及び図6A参照)が設けられた細長い鋲本体4Bとを有するものとして図示した鋲組立体4を更に備えている。鋲組立体4は、EASタグ1によって保護すべき物品51にタグ本体1Aを取り付けるために使用される。
【0024】
タグ1を感知し、このため、タグ及び取り付けた物品51の存在を検出するため、ハウジング2、3の壁2E、3Eの内面2F、3Fにはフレーム部材2G、3Gが設けられており、これらのフレーム部材は、共にEASセンサ5を受け入れる内部キャビティ1Cを画成する(図2、図3及び図4A参照)。EASセンサ5は検出可能な信号を発生させ、また米国特許第4,510,489号及び米国特許第4,510,490号に開示されたような音共振型磁気センサとすることができる。センサ5に対して使用可能であるその他の可能な磁気EASセンサは、米国特許第4,686,516号及び米国特許第4,797,658号に開示したものとすることが考えられ、また、可能なRF EASセンサは、米国特許第4,429,302号及び米国特許第4,356,477号に開示されたようなものとすることが考えられる。
【0025】
上述したように、物品51は鋲組立体4によってタグ本体1Aに接続される。このことは、鋲本体4Bを上側ハウジング2の壁2Eの開口部2H内に挿入することで行われる。鋲本体4Bを完全に挿入したとき、その尖った鋲端部4Dは、下側ハウジングの壁3Eの内面3Fから伸びる直立のキャビティ又はカラー3H内に受け入れられる。一方、鋲頭部4Aは、壁2Eの上面2Jの凹状領域2I内に座す。このようにして、物品51は鋲頭部4Aと該鋲壁との間に保持される。
【0026】
以下により詳細に説明する部材6が、鋲本体がタグ本体から引出されるのを解放可能に防止すべくタグ本体1A内に設けられている。鋲組立体4B及び物品51は、このように部材6によってEASタグに解放可能に係止された状態となる。
【0027】
EASタグ1は、更に、権限のある者以外の者が部材6にアクセスして該部材を解放することが困難であるようにされている。この目的のため、タグ本体1Aは、部材6へのアクセスがタグ本体1Aの1つ又は2つ以上の内壁と、側壁、上壁及び下壁の一部分とにより画成された円弧状通路7(図1、図3、図4A、図4B、図6A及び図6B参照)を通じて行われるような形態とされている。この形態により、部材6に到達し且つ該部材を解放し、従って鋲組立体4及び物品をタグ本体1Aから分離させるためには特殊な円弧状プローブ8が必要とされる。
【0028】
図示するように、円弧状通路7は湾曲した内壁7Aによって画成される。この壁は底部ハウジング3の内面3Fから上方に伸びて上側ハウジング2の内面2Fに当接する。壁7Aは、底部ハウジング3の側壁3Dから更に隔てられ、その外端7A′は、側壁3Aの内側湾曲部分3A′にて終わっている。壁3Aの内側湾曲部分3A′がある結果、下側ハウジング3の側壁3A、3Dの間に空間すなわちスロット9Aが形成される。
【0029】
スロット9Aは、上側ハウジング2の側壁2A、2Dの間で同様のスロット9Bと協働し、通路7の外端7′に入り又は該外端にアクセスするための第二の開口部9を画成する。この入口点にて、側壁2Aは、また部分2A′にて内方に湾曲し、該部分2A′は下側ハウジング3の側壁3Aの湾曲した側壁部分3A′と合わさる。
【0030】
通路7は、上側ハウジング2の内面2Fから下方に伸びる第二の湾曲壁7Bによって更に画成される(図4A及び図7参照)。壁7Bは、湾曲壁7Aの内端7A″の外方に配置され且つこの内端を越えてフレーム部材2Gまで伸びている。
【0031】
壁7Bが存在することは、部材6に隣接するその内端7″にて通路7の形態を変化させ又は変更することになる(図6B参照)。この形態の変化又は変更は、プローブ8が通路を貫通し且つ部材6にアクセスするために嵌まらなければならない、通路7に対するキー溝を画成することになる。
【0032】
図示するように、壁7Bは通路の断面をほぼ矩形からほぼL字形に変化させる。このことは、図1の線B−Bに沿って示した図7の断面図に図示されており、このため、通路の端部7″の断面を見ることができる。
【0033】
図6A及び図6Bは、部材6及び円弧状通路7を保持する下側ハウジング3の断面の拡大図である。図6Aにおいて、円弧状プローブ8は、通路7内に受け入れられ且つ部材6を解放する目的のため、部材6まで通路7によって案内される状態で示してある。理解し得るように、プローブ8の前端8AはL字形となるよう凹状に形成されており、このため、通路の内端7″により画成されたL字形のキー溝に嵌まる。図6Bには、通路から引出された状態のプローブ8が図示されている。
【0034】
通路7の内端7″に隣接して、下側ハウジング2及び上側ハウジング3には更なる湾曲壁9、11が設けられており、これらの湾曲壁は、端部壁2D、3Dに当接する壁部分9A、11Aにて終わっている。壁9、11は通路7の外方にあり、端部壁2D、3Dと共に取込み領域13を画成し、この取込み領域は部材6へのアクセスを阻止する。この領域は、部材6に到達しようとして権限無しでタグ本体1Aの通路7内に物品が挿入されるのを阻止する安全手段を提供する。
【0035】
上述したように、部材6は、鋲本体4Bがタグ本体1Aから引出されるのを解放可能に防止し得るようにされている。より具体的には、本発明に従って、部材6は、円弧状通路7内を移動する円弧状プローブ8を介して鋲本体4Bの解放に特に対処し得るようにされている。部材6は、図6A、図6Bの詳細図及び図5の分解図に図示されている。
【0036】
図示するように、部材6は、止め具本体14と、ジョー部15、16とを有するばね止め具の形態をしている。止め具本体は、ジョー部15の横方向に伸びる取り付け部分14Aと、ジョー部16の横方向に伸びる解放部分14Bとを備えている。取り付け部分14Aは、取り付け開口14A´を有している。
【0037】
ジョー部15、16の各々は、止め具本体14の面の外方に且つ他方のジョー部に向けて内方に伸びている。ジョー部15、16は、更に、対面する端縁15A、16Aにて終わっている。これらの端縁は、互いの方向に向けて内方に止め具本体14の共通の端縁14Cから伸び、次に、互いに外方に湾曲して離れ、鋲本体4Bを受け入れる開口14C′(典型的に、円形又は楕円形)を画成する。その後、端縁15A、16Aは、整合状態で連続しており、止め具本体14の細長い横方向スロット14Dにて終わっている。後者のスロットは、止め具本体の端縁14Cに対向する更なる止め具本体の端縁14Eの内方に位置している。
【0038】
横方向に伸びる更なる細長いばねスリーブすなわちアーム17は、接続領域18によって、取り付け部分14Aと境を接する端縁14Eの側部14E´に取り付けられる。スリーブ17は、端縁14Eの長さに沿って且つ止め具本体の面外にも伸びている。
【0039】
ばね止め具14を取り付け且つ支持するため、タグ本体1Aの下側ハウジング3は、張出し部21Aと、支持壁22、23、24とを有する中空の円形の取り付け部21を備えている(図2、図3、図6A及び図6B参照)。止め具は、取り付け部分14Aの開口14A′を介して取り付け部21に取り付けられ、取り付け部分の領域は、張出し部21Aの上に支持された開口14A′に接続する。上側ハウジング3の円形壁25及びこのハウジングの中央の円筒状スタッド26(図2及び図4A参照)は取り付け部分14Aが回転するのを許容しつつ、取り付け部分14Aをその取り付けられた位置に保つ。このように、ばね止め具14は、以下により詳細に説明するように、取り付け部分の周りで回動可能である。
【0040】
取り付け部分14Aの後端14A´´及び取り付け部分14Aを解放部分14Bに接続する止め具の横方向部分は支持壁22、24の上に支持される一方、解放部分は壁23により支持される。ばねスリーブ17は、一端17Aが支持壁24のスロット24A内にある状態で静止する。
【0041】
鋲本体4Bの尖った端部4Dが、上側ハウジング2の開口部2Hを通って下方向に導入されたとき、ジョー部15、16の上方でばね止め具本体14の中空部分内に嵌まる形状とされ且つ開口部2Hを保持する部分である、上側ハウジングの部分2Kは、鋲本体をジョー部の対面する端縁15A、16Aにより画成された開口14C′に向ける。このことは、ジョー部が拡がる、すなわち開放するようにし、また鋲本体4Bがジョー部を貫通することを許容する。
【0042】
所望のスロット4Cにて、すなわち鋲頭部4A及び物品51を上側ハウジング2の壁2Eに対し緊密に嵌まるようにするスロットにて鋲の下方への移動が停止されたとき、ジョー部15、16は後退し且つ鋲本体4Bを把持する。この位置において、ジョー部15、16は鋲4が上方に移動するのを防止する。このように、鋲4及び物品51はタグ本体1Aに対し係止した状態となる。
【0043】
鋲4をタグ本体1Aから解放するため、プローブをその後端8Bの周りで回転させることにより円弧状プローブ8をタグ本体1Aの開口部内に導入する。これによって、プローブのL字形の前端8Aが通路7のL字形の内端7″に到達し且つその内部に進む迄、プローブが通路7内に移動し且つ該通路によって案内されるようにする。このことは、プローブの端部8Aを止め具本体14の解放部分14Bと境を接する共通の端縁14Cの部分に接触させることになる。
【0044】
次に、プローブ8の回転動作を続けると、解放部分14Bに力が加えられる。一方、この力は、止め具本体14を取り付け部21の上で支持領域14Aの周りで回転させる。このように、開口14C′の壁に作用するカラー3Hによって静止状態に保持された鋲本体4Bの力によってジョー部15、16を拡げる、すなわち開放させることが可能となる。このように、開口14C′は拡張して、鋲本体4Bをジョー部の握り、すなわち把持から解放する。これにより、鋲4は、鋲頭部4Aに加わる上向きの力を介してジョー部を経て上方向に移動し、これにより、鋲本体4Bをタグ本体1Aから及び物品51をタグ1から引出し且つ分離させることが可能となる。
【0045】
プローブ8によって加えられた平面内力(in−plane force)の結果、ばね止め具本体14が回転する間、継手18におけるばねアーム17が圧縮される。鋲4がタグ本体1Aから分離された後、プローブ8は逆方向に回転させる。この逆回転により、プローブ8が通路7から引出されるとき、プローブはばね止め具14の解放部分14Aから非係合状態となる。このように、ばね止め具14に加わる力が除去され、ばねアーム17は拡張する。これにより、ばね止め具14は支持領域14Aの周りで反対方向に回転する。これにより、ばね止め具14はその当初の位置まで戻され、鋲本体4Bが再度入って、物品をタグ1に再度取り付けるのを待つ。
【0046】
円弧状の分離プローブ8を内蔵し、上述したように、プローブを回転させ、鋲4をタグ1から分離させるために使用することのできる分離組立体は、その内容を参考として引用し本明細書に含めた、米国特許第5,426,419号に詳細に記載されている。タグ1のばね止め具14は、ばね薄板金属にて製造することが可能であることを認識すべきである。一方、プローブ8は焼入れ工具鋼にて製造することができる。
【0047】
上述したように、ESAタグ1は、権限のある者以外の者が部材6にアクセスして鋲組立体4を解放することが困難となるように成されている。しかし、機械的把持力を非係止状態にするため一般的な電気「添えテープ(fish tape)」の曲がった片を使用することにより、機能しなくなるようにされている。添えテープは、電線を導管を通して引張るために使用される比較的硬いが、曲げ可能な鋼線である。
【0048】
図8には、円弧状プローブ8に類似するように形成された添えテープ50の一部分が図示されている。添えテープ50は、多岐に亙る寸法にて利用可能であり、図6Bに図示するように、プローブの端部8Aに形成された「L」字形の垂直部材を模擬する矩形の断面52を有している。成形された添えテープ50は、該テープが部材6内に且つ該部材に対して操作される迄、円弧状通路7内に挿入され、次に、上述したように該部材を回転させて鋲組立体4を解放させることができる。成形された添えテープ50は、部材6に係合して鋲4を解放すべく円弧状通路7内に押し込まれたとき、その形態を保持するのに十分なほど強力である。以下に説明するように、かかる機能喪失を防止する解決策は、添えテープ又はその他の硬い及び(又は)半可撓性のワイヤを部材6に到達し且つ鋲組立体4を解放すべく十分な深さまで円弧状通路7内に挿入することが極めて困難となるようにEASタグ1を改変することである。
【0049】
図9及び図10を参照すると、焼入れ鋼とすることのできる硬い当接部54が図10に図示するように、円弧状通路7内に配置されている。当接部54は通路7の末端であるが、通路7が部材6に到達する前の位置に配置される。このように、当接部54は円弧状通路7を部材6を取り巻くチャンバから隔離する。当接部54は垂直開口部すなわちスロット56を有しており、該開口部すなわちスロット56は、円弧状通路7の頂部から内壁7Aに沿って伸びており、また、プローブの端部8Aに形成された「L」字形の垂直部材58が緊密に貫通することを許容するのに丁度、十分に広く且つ長いが、それ以上、広くはない。例えば、幅約0.889mm(約0.035インチ)の垂直部材58の場合、垂直スロット56の幅は約1.016mm(約0.040インチ)としなければならない。当接部54は、焼入れ鋼の場合、約0.381mm(約0.015インチ)のような十分な厚さであるが、使用される材料の硬さに依存して異なる厚さとすることができる。当接部54は、円弧状通路7の側壁内に強固に取り付けられ且つ好ましくは垂直方向に向くようにする。当該実施例の場合、約1.016mm(約0.040インチ)以上の厚さにて成形された添えテープ50は、当接部54を通って部材6まで達することはできない。当接部54は、また円弧状プローブ8の水平部材62に対する水平開口部すなわちスロット60も有している。水平スロット60は、分離器とEASタグ1との間の相違を許容し、また、ユーザがEASタグを分離器内で強固に保持しないことを許容し得るように垂直スロット56よりも幅が広くなければならない。分離器は、米国特許第5,426,419号及び米国特許第5,535,606号に詳細に開示されている。タグ1を分離器内で強固に締め付けないことにより、タグ1は鋲4を解放させることができず、分離を繰り返さなければならない。円弧状プローブ8がタグ1に対して僅かに垂直方向に整合外れ状態となっても何ら損傷は生じない。当接部54が所要位置にあり、また狭小な水平スロット60を有するならば、僅かな垂直方向の整合外れは円弧状プローブ8が水平スロット60から離れ、当接部54の中実部分に係合し、このため、タグ1及び(又は)分離器を損傷させる可能性がある。タグ1が分離器内に緊密に水平方向に収納されることで整合状態が正確に制御されるから、垂直部材58及び垂直スロット56の整合は心配しなくてよい。
【0050】
図11を参照すると、本発明の第二の面は、より薄く成形された添えテープ50が部材6を取り巻くチャンバに入るのを阻止すべくばね入口65を使用する。これを実現するため、図10及び図12に図示するように、板ばね64が円弧状通路7の外壁3D内に取り付けられている。板ばね64は、通路7の高さよりも僅かに短く、このため、板ばねは通路を横断して妨害されずに移動することができる。薄いこと(焼入れ鋼にて製造したとき、〜0.381mm(〜0.015インチ))が好ましい板ばね64は、通路7内へのほぼ中間位置から通路を対角状に横切って伸び、当接部54にほぼ接触し且つ内端7A″に近い内側通路壁7Aに接触する箇所にて終わる。板ばね64の当接端部は、板ばね本体67に対して約90°曲がった伸長部を有しており、拘束部66を形成する。焼入れ鋼の場合、約1.575mm(約0.062インチ)とすることのできる曲がった部分は通路7の内壁7Aに向けて曲がっている。拘束部66は、板ばね64によって偏倚され内側通路壁7Aに形成された溝68に入る。拘束部66の垂直方向高さは、板ばね本体67の高さから当接部54の垂直スロット56の高さまで低下し且つ該垂直スロットと整合されている。板ばね64は、当接部54の一体部分とする又は別個に形成することができる、一体部分とすることは典型的に製造上、望ましい。
【0051】
図12を参照すると、薄く成形された添えテープ50は、当接部54の垂直スロット56に向けて円弧状通路7を通って移動するとき、該テープは、板ばね64に斜めに係合し且つ板ばねの偏倚力に抗して押して、拘束部66を垂直スロット56の前方に配置する。このように、成形された添えテープ50の端部は、拘束部66によって部材6に接近しないように停止される。厚い又は薄い断面幅にて成形された添えテープ50の双方が同一の仕方にて拘束される。
【0052】
再度、図10を参照すると、円弧状プローブ8が垂直スロット56に向けて円弧状通路7を通って移動するとき、水平脚部62は、図11に図示した箇所69付近にて拘束部66の下方で板ばね64に係合し、該板ばねをその偏倚力に抗して通路7の外壁3Dに向けて押す。水平部材62の幅のため、板ばね64は、垂直スロット56から離れるのに十分移動して円弧状プローブ8が部材6を取り巻くチャンバに入るのを許容し、部材6に係合し且つ鋲組立体4を解放する。このように、部材6を成形された添えテープ50と係合させようとする試みは妨害されるが、円弧状プローブ8は通路7を完全に横断し部材6に係合し且つ鋲4を解放させることができる。
【0053】
成形された添えテープ50を捩り且つ押すことにより拘束部66が垂直スロット56の側部に対して作用するのを防止するのを助けるため、その偏倚力に抗して押すための板ばね64の利用可能な表面積を減少させることができる。このように、図10に図示するように、プローブ8の水平部材62の「入口を開ける」ことを許容しつつ、図11に図示するように、板ばね64の下側部分70は最小とされる。添えテープ50が拘束部66の下方で且つ水平スロット60を通じて作用するならば、添えテープ50の端部52は部材6の下方に配置され、部材6を係合させることができず、鋲組立体4は解放されないであろう。
【0054】
図13には、監視区域302を通過するとき、EAS鋲100を検出し又は感知するために使用されるEASシステム301が図示されている。EASタグ100は、本発明を含み得るように改変された、上記に記載したEASタグ1である。質問信号が送信装置303を介して区域302内に送信される。タグ100内のセンサ5が送信された信号と相互作用することで生じる信号は、検出及び警報装置305と連絡する受信機304にて受信される。該装置は、受信した信号を検出し且つタグ100及び物品51が監視区域302内に存在することを示す警報を発生させる。
【0055】
システム301内の装置303、304、305に対して使用される特定の形態は、センサの特定の性質に依存する。上述した特許に開示されたセンサの型式の場合、これらの特許に開示された型式の装置も使用可能である。
【0056】
上述した構成は本発明の適用例を示す、多数の可能な特定の実施の形態を単に示すものに過ぎないことが理解されよう。本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、本発明の原理に従って多数の及び各種のその他の構成が容易に案出可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術のEASタグ及び本発明の原理による関係した分離器プローブを示す図である。
【図2】 図1の線A−Aに沿った図1のEASタグの断面図である。
【図3】 図1のEASタグの下側ハウジングの内部の図である。
【図4】 4Aは、図1のEASタグの上側ハウジングの内部の図である。
4Bは、図1のEASタグの上側ハウジングの外部の図である。
【図5】 図1のEASタグにて使用されるばね止め具の分解図である。
【図6】 6Aは、プローブがタグの円弧状通路内に挿入された状態の図1のEASタグの下側ハウジングの内部の部分図である。
6Bは、プローブがタグの円弧状通路から引出された状態の図1のEASタグの下側ハウジングの内部の部分図である。
【図7】 プローブがタグの円弧状通路内に挿入された状態の図1の線B−Bに沿った図1のEASタグの断面図である。
【図8】 図1のEASタグを駄目にするために使用される成形した添えテープの斜視図である。
【図9】 本発明の当接部の斜視図である。
【図10】 円弧状プローブを備え且つ本発明を含む状態で示した図1のEASタグの下側部分の頂面図である。
【図11】 本発明の当接部及びばね入口の斜視図である。
【図12】 成形された添えテープを備え且つ本発明を含む状態で示した図1のEASタグの下側部分の頂面図である。
【図13】 本発明のEASタグと共に使用される物品の電子監視システムのブロック図である。
Claims (4)
- タグ本体(1A)と、
前記タグ本体(1A)を物品(51)に取り付け、該タグ本体(1A)内に受け入れられる一の部分(4B)を有する取り付け手段(4)と、
前記タグ本体内(1A)にある防止手段(6)であって、前記取り付け手段(4)の前記部分(4B)が、前記タグ本体(1A)から引出されることを、解放可能に防止する、防止手段と、
前記タグ本体(1A)内にあり、前記タグ本体(1A)の外部から前記防止手段(6)まで伸びる円弧状通路(7)を画成する手段であって、前記円弧状通路(7)が、円弧状プローブ(8)を受け入れ且つ前記防止手段(8)まで案内し、前記取り付け手段(4)の前記部分(4B)が前記タグ本体(1A)から引出されることを防止する前記防止手段(6)を解放する、手段と、を備えるEASタグにおいて、
前記円弧状通路(7)内にある当接手段であって、当該当接手段は、比較的硬いワイヤ(50)が、前記防止手段(6)を解放するために十分に深く前記円弧状通路内(7)に挿入されることを防止し、前記硬いワイヤ(50)は前記円弧状プローブ(8)のほぼ円弧状の形状にて形成される、当接手段を備えることを特徴とするEASタグ。 - 請求項1に記載のEASタグにおいて、前記当接手段(54)がほぼ平面状の硬い部材であり、当該硬い部材が垂直開口部(56)及び水平開口部(60)を有し、前記垂直開口部及び前記水平開口部がほぼ「L」字形の開口部を形成し、前記ほぼ「L」字形の開口部が前記円弧状プローブの相応する「L」字形を受け入れ、前記硬い部材が、前記円弧状通路(7)に対しほぼ垂直に配置可能であり、前記防止手段(6)を解放すべく前記円弧状プローブ(8)が前記円弧状通路(7)内に挿入されたとき、前記垂直開口部(56)の寸法及び配置により、前記円弧状プローブ(8)の前記「L」字形(8A)の垂直部材(58)が緊密に通過することが許容される、EASタグ。
- 請求項2に記載のEASタグにおいて、前記当接手段(54)が、前記硬いワイヤ(50)の挿入を防止するばね入口組立体(65)を備え、当該ばね入口組立体(65)が拘束手段(66)を備え、当該拘束手段が、前記硬いワイヤ(50)を拘束し且つ前記円弧状通路(7)内への前記硬いワイヤ(50)の更なる挿入を防止し、前記拘束手段(66)がばね部材(64)の一端に配置され、前記ばね部材(64)が前記タグ本体(1A)に取り付け可能であり且つ前記拘束手段を前記円弧状通路(7)の壁(7A)に対して且つ前記硬い部材内の前記垂直開口部(56)の前方にて偏倚させ、前記「L」字形の円弧状プローブ(8A)の水平部材(62)が、前記円弧状プローブ(8)を前記円弧状通路(7)内に挿入したとき、前記ばね部材(64)の偏倚力に抗して押し、前記拘束手段(66)は前記硬い部材の前記垂直開口部(56)から押出されて、前記円弧状プローブ(8A)がそこを緊密に通過することを許容する、EASタグ。
- 請求項3に記載のEASタグにおいて、前記拘束手段(66)が前記ばね部材(64)の端部の曲がった部分である、EASタグ。
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