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JP4423199B2 - ポリスルファンの変換法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、HS合成の際に形成されるガス流からポリスルファンを除去するための方法に関する。
背景
水素および硫黄からHSを製造する方法において、ポリスルファン(H)が一般に、粗ガス中に≧400vpm(100万分の1体積)の程度の量で、副生成物として見いだされ、かつガス流が圧縮される場合には、ポリスルファンは無制御にHSおよび硫黄に分解する。このことは、周辺パイプおよびバルブを含む圧縮領域の全体で不所望な硫黄の沈殿に導く。
ポリスルファンが熱力学的に不安定であり、分解する、特に加熱する際に分解する傾向を有することは公知である(M. Schmidt, W. Siebert: "Sulfane" in Comprehensive Inorganic Chemistry, vol. 2, sect. 2.1, Pergamon Press, Oxford 1973, 826-842)。
ガラス容器の表面上のアルカリの痕跡は元素硫黄の沈殿に導く。
しかしながら、この発見は多かれ少なかれ純粋な形で存在するポリスルファンでの調査からのものである。
勿論、原則的に大希釈で存在するポリスルファンにも適用される。
しかしながら、この場合には濃度比の影響を考慮しなければならない。
前記条件下に、ポリスルファンは熱力学的平衡:
Figure 0004423199
において、同時にポリスルファンの分解生成物を表す硫化水素中に大希釈で存在している。
Sの高濃度は平衡を左側にシフトさせるように思われ、ポリスルファンの硫化水素および硫黄への分解は非優先反応であろう。
本発明の課題は、ポリスルファンを実質的に完全に除去する方法を提供し、設備のパイプ中で硫黄が沈着することを防止することである。
発明の概要
本発明は、HS含量>80体積%、有利に>95体積%およびポリスルファン(H、n=2〜8)>100〜2000vpm、特に>400〜1500vpmを有する粗ガスを場合により多工程洗浄システム中を導通し、水および/またはメタノール、有利には塩基性水性および/またはメタノール系と接触させ、かつポリスルファンが開始値に対して>50%〜>99.5%減少した純粋なガスを獲得することを特徴とする、硫化水素の製造の間に形成された粗ガスからポリスルファンを除去する方法を提供する。
ポリスルファンの量は、場合により2000vpmより多くてもよい。
発明の詳細な説明
噴射式洗浄装置を有利に使用し、これは他の洗浄装置と同様1.05〜10バール(絶対)(bara)、有利に1.05〜2バール(絶対)の圧力で操作することができる。
しかしながら、選択的に圧力をかけないで操作を実施することもできる。特にアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属酸化物の0.5〜20質量%、有利に0.5〜10質量%水溶液またはメタノール溶液、特にKOH/KHSまたはNaOH/NaHS溶液を洗浄液として使用する。
硫化水素はガス流が洗浄液を通過する間に形成される。
他の塩基性酸化物または水酸化物、特にアルカリ土類金属水酸化物またはアルカリ土類金属酸化物の適当な濃度の溶液、有利にはカルシウムの水酸化物または酸化物の適当な濃度の溶液を使用することもできる。
ポリスルファンは、同様に、アンモニア、一般式(C2n+1NH(ここで、n=1、2、3;x=2、3;y=0、1を有する)の有機アミンまたは一般式(C2n+1O)NH(ここで、n=1、2、3;x=2、3;y=0、1を有する)のアミノアルコールの1〜20%、有利に1〜10質量%濃度の水性および/またはメタノール性溶液でガス流から除去される。
好適な温度範囲は一般的に0〜150℃、特に10〜60℃である。
一般に、精製されるべき粗ガスのガス速度0.1〜25m/s、特に10〜22m/sで、ポリスルファンは粗ガス中の開始含量に対して>50〜>99.5%、有利に>70〜>99.5%の減少度でガス流から除去される。
粗ガス中の>500vpmの含量に関しては、これは純粋ガス中の<10vpmへの減少に相当する。
ポリスルファンの変換の際に形成される硫黄は、相応するポリスルフィドの形成の結果としての他のものと混じって、溶液中に行く。固体の形で沈殿した硫黄は場合により好適な濾過装置で取り除くことができる。洗浄液は循環し、ポリスルフィド/硫黄の積載に対応して排出される。この洗浄液は、排出速度および蒸発することもある溶剤の量に対応して一杯に注がれる。噴射式洗浄装置の後に存在するポリスルファンの任意の残量(一般に開始量の≦20%)を除去するために、HS−含有ガスを一般に洗浄カラムまたは充填床中で、対流で(対流洗浄装置)、前記溶液で後処理する。混入液滴をデミスターシステムを用いて分離する。精製HSのガス流中に残留するスルファンの任意の量は、ダウン・フロー吸着床(活性炭、ゼオライト)中で分解することもでき、形成された硫黄を分別することもできる。
分析
粗ガスおよび純粋ガス中のスルファン濃度の分析的収集はオンラインUV測定を用いて実施する。これと平行して洗浄液中の硫黄含量およびHS−含有ガス流中のスルファンおよび硫黄濃度を必要とされる湿式化学手段を用いて測定する。
本発明による方法を用いて、ダウン・フロー法において、例えば圧縮段階において、不所望な硫黄沈殿が回避される程度に、ポリスルファンを減少させることが可能である。
ポリスルファン含量>400〜2000vpmの粗ガスを使用する。
ポリスルファン濃度はHS反応器中での反応条件に依存する。
比較例1
S粗ガスを腐蝕ラシッヒ・リング約7 lを充填する吸着カラム中を導通した。ポリスルファンの分解により生成した硫黄は充填体の表面に沈殿した。減少度25%が達せられた。吸着床の有効寿命は20時間であった。
比較例2
S粗ガスをSiO支持体約7 lで充填された吸着カラム中を20Nm/hで導通した。ポリスルファンの分解により生じた硫黄は充填体の表面に沈殿した。減少度50%が達せられた。吸着床の有効寿命は48時間であった。
例1
S粗ガスを最初に水のみで操作される噴射式洗浄装置中を、次いで活性炭(粒径5〜6mm)約12 lで充填された吸着カラム中を、200Nm/hで60時間導通した。吸着カラムに入る前の減少度75%が、カラムの後は>99%の値が測定された。
例2
S粗ガスを、メタノールを供給する噴射式洗浄装置中を、48時間200Nm/hで導通した。粗ガスに対して、>50%の減少度が達せられた。
例3
S粗ガスを、メタノール/トリエタノールアミン混合物(5%トリエタノールアミン)で処理される洗浄カラム中を、24時間10Nm/hで導通した。ポリスルファンの分解の結果として形成された硫黄は洗浄液中に溶ける。80%の減少度が達せられた。
例4
S粗ガスを、メタノール/NaOH混合物(5%NaOH)を供給する噴射式洗浄装置中を、400時間200Nm/hで導通した。99%の減少度が達せられた。
約200時間の作動時間の後に沈殿した硫黄をインライン濾過を用いて洗浄器循環から除去した。
例5
S粗ガスを、水/KOH混合物(12%KOH)を供給する噴射式洗浄装置中を、200時間200Nm/hで導通した。99.5%の減少度が達せられた。

Claims (9)

  1. 硫化水素の製造の間に形成された粗ガスからポリスルファンを除去する方法において、HS含量>80体積%およびポリスルファン(H、n=2〜8)含量>100〜2000vpmを有する粗ガスを洗浄システム中を導通し、そこで水および/またはメタノールと接触させ、かつ純粋なガスを獲得することを特徴とする、ポリスルファンの除去法。
  2. 粗ガスがポリスルファン含量>400〜1500vpmを有する、請求項1記載の方法。
  3. アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物の0.5〜20質量%水溶液および/またはメタノール溶液を洗浄液として使用する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 一般式(C2n+1NH(ここで、n=1、2、3;x=2、3;y=0、1を表す)の有機アミン;一般式(C2n+1O)NH(ここで、n=1、2、3;x=2、3;y=0、1を表す)のアミノアルコールまたはアンモニアの水溶液および/またはメタノール溶液1〜20質量%を洗浄液として使用する、請求項1又は2記載の方法。
  5. 噴射式洗浄装置を使用する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  6. 獲得された純粋なガスを水溶液またはメタノール溶液での対流洗浄装置中で後処理する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  7. ポリスルファンが減少したガスを吸着床を介して導通する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  8. 粗ガス中に含有されるポリスルファンが純粋ガス中で、粗ガス中での開始値に対して5%超〜99.5%の率で減少している、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  9. 方法を温度0〜150℃で実施する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
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