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JP4420475B2 - Thin film semiconductor manufacturing method - Google Patents

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JP4420475B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば薄膜トランジスタ等の半導体素子よりなる単体半導体装置、あるいは複数の半導体素子からなる半導体集積回路(IC)、ICカード、太陽電池等の各種半導体装置を構成することのできる薄膜半導体の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
単体半導体装置、半導体集積回路、ICカード、太陽電池等の各種半導体装置を構成するに、その厚さを充分薄くすることによって、機器の小型化をはかるとか、例えば太陽電池において、光−電気の変換効率を高めるとか、さらに薄膜化によってフレキシブル化して、各種機器の組み立ての簡易化、使用上の便益化等をはかることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した諸目的から、薄膜半導体を、低コストをもって容易、確実に得ることができるようにした薄膜半導体の製造方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明による薄膜半導体の製造方法においては、半導体基体表面を、陽極化成の電流密度を順次大きくなるように3段階に変化させて段階的に、多孔質の表面層と、該表面層下に形成され表面層に比し多孔率が大きい中間多孔率層と、この中間多孔率層内部表面層および中間多孔率層に比し多孔率が大きい高多孔率層とを形成した多孔質層に変化させる工程と、その後、H雰囲気中でアニール処理して、多孔質層表面を滑らかにし、高多孔率層と中間多孔率層との界面の強度を弱める工程と、多孔質層に半導体膜を形成する工程と、半導体膜を上記多孔質層を介して半導体基体から剥離する工程と、多孔質層の半導体基体に残存する多孔質膜を化学薬品によるエッチングによって除去する多孔質層の除去工程とを有することを特徴とする。
【0005】
上述の本発明製造方法によれば、半導体基体表面に多孔質層を形成し、これの上に半導体膜を形成し、この半導体膜を多孔質層における強度の低下を利用して半導体基体から剥離して、剥離された半導体膜によって薄膜半導体を構成するので、その厚さは、半導体膜の厚さによって制御できることからこれを十分薄く、例えばフレキシブルな薄膜半導体として構成することができる。
多孔質層が、表面層と、中間多孔率層と、高多孔率層の、多孔率の異なる3層を有して形成されるので、機械的強度の低下した高多孔率層から容易に剥離される。また、表面層と高多孔率層との間に中間多孔率層が形成されるので、この中間多孔率層がバッファ層として作用し、表面層と高多孔率層との間の歪みが緩和され、結晶性の良い半導体膜の成長ができる。
雰囲気中でアニール処理することにより、多孔質層表面を滑らかにし、高多孔率層と中間多孔率層との界面の強度を弱める工程を有するので、より結晶性のよい半導体膜の成長ができ、また多孔質層での剥離がし易くなる。
【0006】
そして、本発明製造方法によれば、半導体基体表面に形成した多孔質層上に半導体薄膜を形成し、これを、多孔質層で分離するものであるが、更に、本発明におては、上述の方法によって薄膜半導体の作製に用いられた半導体基体を、再び同様の方法の繰り返しによって半導体膜、したがって、薄膜半導体の作製を行う半導体基体として利用する。すなわち、上述した半導体膜の剥離を多孔質層において行うが、この剥離が、多孔質層の膜厚方向の半導体基体との界面(半導体基体との界面とは半導体基体の多孔質化されていない部分との界面を指称する。)で剥離される態様によらず、多孔質層内で分離する態様となる場合において、半導体膜の剥離後の状態で、半導体基体のその剥離面に多孔質層の一部が残存することになるが、この場合において、本発明方法においては、この半導体基体側に残存する多孔質膜をエッチング除去することから、再び、この半導体基体を用いる場合において、特に、この半導体基体表面自体を多孔質層に変化させる方法による場合においても、多孔質膜の除去がなされ、半導体基体表面は、清浄な結晶性にすぐれた表面とされることから、多孔質層を再現性良く所定の多孔質性を有する多孔質層として形成することができ、これの上に形成する半導体膜においても、再現性よく安定して目的の特性を有する半導体膜、したがって薄膜半導体を構成することができる。
【0007】
したがって、本発明製造方法によれば、容易、且つ確実に、量産的に、したがって、低コストをもって薄膜半導体の製造を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明においては、半導体基体表面を例えば陽極化成によって変化させて、多孔質層を形成する。この多孔質層は、互いに多孔率(ポロシティ)が異なる2層以上の層からなる多孔質層とする。そして、この多孔質層の表面に半導体膜をエピタキシャル成長し、これに回路素子もしくは集積回路を形成する。その後このエピタキシャル半導体膜を多孔質層を介して、半導体基体から剥離して目的とする薄膜半導体装置を製造する。
【0009】
一方、残された半導体基体は、再び上述した薄膜半導体の製造に繰り返して使用されが、特に本発明においては、その再利用に先立って多孔質層の、半導体基体に残存する多孔質膜をエッチング除去する多孔質膜の除去工程を行う。
【0010】
この半導体基体に残存する多孔質膜のエッチング除去工程は、化学薬品によるエッチングと、その後の陽極化成による電解エッチングとによることができる。このエッチングの化学薬品は、フッ硝酸の混合液、あるいはフッ硝酸と酢酸の混合液、またはフッ硝酸と過酸化水素水との混合液を用いることができる。
【0011】
また、この繰り返し使用されてその厚さが薄くなった半導体基体は、これ自体を薄膜半導体として用いることができる。
【0012】
多孔質層の形成工程においては、その表面に面して多孔率が低い層を形成し、多孔質化がされない半導体基体に近い側すなわち内部側に多孔率が高い層を形成する。
【0013】
また、多孔質層形成工程において、例えば多孔率が低い表面層と、この表面層と半導体基体との間に形成され、多孔率が表面層のそれより高い中間多孔率層と、この中間多孔率層内もしくはこの中間多孔率層の下層すなわち多孔質化がなされていない半導体基体との界面に形成され、中間多孔率層より高い多孔率を有する高多孔率層とを形成することができる。
【0014】
多孔質層を形成する陽極化成においては、半導体基体表面を低電流密度で陽極化成する工程と、その後、高電流密度で陽極化成する工程とをとる。
【0015】
また、陽極化成において、半導体基体表面を低電流密度で陽極化成する工程と、更にこの低電流密度よりも少し高い中間低電流密度で陽極化成する工程と、更にこれより高電流密度で陽極化成する工程とをとることができる。
【0016】
また、陽極化成において、その高電流密度での陽極化成は、高電流密度の通電を間欠的に行うようにすることができる。
【0017】
また、多孔質層を形成する陽極化成における、中間低電流密度での陽極化成において、その電流密度を漸次大きくすることができる。
【0018】
陽極化成は、フッ化水素とエタノールを含有する電解溶液中、あるいはフッ化水素とメタノールを含有する電解溶液中で行うことができる。
【0019】
また、陽極化成工程において、電流密度を変更するに際して、電解溶液の組成も変更することができる。
【0020】
多孔質層を形成した後は、水素ガス雰囲気中で加熱することが好ましい。また、多孔質層を形成した後の、水素ガス雰囲気中での加熱工程の前に、多孔質層を熱酸化することが好ましい。
【0021】
半導体基体は、これの上に形成する、すなわちこの半導体基体の表面の多孔質層上に形成する半導体膜に応じて、例えば、Si単結晶,多結晶,SiGe,GaAs,GaP等による半導体基体を用いることができる。例えば化合物半導体による薄膜半導体を形成する場合においては、半導体基体として化合物半導体基体を用いる。そして、この多孔質層上に化合物半導体をエピタキシャル成長させれば、例えばSi半導体基体上に化合物半導体をエピタキシャル成長させる場合よりも格子不整合を小さくすることができることから良好な結晶性をもつ薄膜化合物半導体を形成することができる。SiGe,GaAs,GaP等による半導体基体のいづれにおいても、陽極化成を行うことによってその表面に多孔質層を形成することができる。
【0022】
半導体基体の形状は、種々の構成を採るこができる。例えばウェファ状すなわち円板状、あるいは基体表面が曲面を有する単結晶引上げによる円柱体状インゴットによるなど、種々の形状とすることができる。
【0023】
また、半導体基体は、n型もしくはp型の不純物がドープされた半導体基体あるいは、不純物を含まない半導体基体によって構成することができる。しかし、陽極化成を行う場合は、p型の不純物が高濃度にドープされた低比抵抗の半導体基体いわゆるp+ のSi基体を用いることが好ましい。この半導体基体としてp+ 型Si基体を用いるときは、p型不純物の例えばボロンBが、約1019atoms/cm3 程度にドープされ、その抵抗が0.01〜0.02Ωcm程度のSi基板を用いることが望ましい。そして、このp+ 型Si基体を陽極化成すると、基板表面とほぼ垂直方向に細長く伸びた微細孔が形成され、結晶性を維持したまま多孔質するため、望ましい多孔質層が形成される。
【0024】
このように結晶性を維持したまま多孔質された多孔質層上に、半導体膜をエピタキシャル成長する。この半導体膜は、単層の半導体膜によって構成することもできるし、2層以上の複層半導体膜とすることができる。
【0025】
このように、半導体基体上にエピタキシャル成長した半導体膜は、半導体基体から剥離するが、この剥離に先立って例えば半導体膜上に、フレキシブル樹脂シート等による支持基板を接合してこの支持基板とエピタキシャル半導体膜とを一体化した後、エピタキシャル半導体膜を支持基板と共に、半導体基体から、この半導体基体に形成した多孔質層を介して剥離することができる。
【0026】
この支持基板は、フレキシブルシートに限られるものでなくガラス基板、樹脂基板あるいは例えば所要のプリント配線がなされたフレキシブル、もしくは剛性いわゆる堅い(リジッド)透明プリント基板によって構成することもできるものである。
【0027】
半導体基体表面には、多孔率を異にする2層以上からなる多孔質層を形成する。最表面の多孔質層は、その多孔率が比較的小さく緻密な多孔質層として形成し、この多孔質層上に良好にエピタキシャル半導体膜を成長させることができるようにし、またこの表面層より内側すなわち下層側においては比較的多孔率の高い多孔質層を基体面に沿って形成することによってこれ自体の高多孔率化による機械的強度の低下、あるいはこの多孔質層と他との格子定数の相違に基く歪みによって脆弱化し、この層においてエピタキシャル半導体膜の剥離、すなわち分離を容易に行うことができる。例えば、超音波印加によって分離させることができる程度に弱い多孔質層を形成することも可能となる。
【0028】
多孔質層の表面より内側に形成する多孔率を大きくした層は、その多孔率が大きいほど上述の剥離が容易になるが、この多孔率が余り大きいと、上述したエピタキシャル半導体膜の剥離処理前に、剥離を発生させたり、多孔質層に破損を来すおそれがあることから、この多孔率の大なる層における多孔率は、40%以上70%以下とする。
【0029】
また、多孔質層に多孔率の大なる層を形成する場合、その多孔率が大きくなるにつれ歪みが大きくなり、この歪の影響が多孔質層の表面層にまで及ぶと、表面層に亀裂を発生させるおそれが生じてくる。また、このように多孔質層の表面にまで歪の影響が生じると、これの上にエピタキシャル成長させる半導体膜に結晶欠陥を発生させる。そこで、多孔質層には、その多孔率が高い層と多孔率の低い表面層との間に、歪みを緩和するバッファ層として、表面層よりは多孔率が高く、かつ高多孔率層に比しては多孔率が低い中間多孔率を有する中間多孔率層を形成する。このようにすることにより、高多孔率層の多孔率を、上述のエピタキシャル半導体膜の剥離を確実に行うことができる程度に大きくし、しかも結晶性にすぐれたエピタキシャル半導体膜の形成を可能にする。
【0030】
上述した半導体基体表面の多孔質化の陽極化成は、公知の方法、例えば伊藤らによる表面技術Vol.46,No.5,pp.8〜13,1995〔多孔質Siの陽極化成〕に示された方法によることができる。すなわち、例えば図7にその概略構成図を示す2重セル法で行うことができる。この方法は、第1および第2の槽1Aおよび1Bを有する2槽構造の電解溶液槽1が用いられる。そして、両槽1Aおよび1B間に多孔質層を形成すべき半導体基体11を配置し、両槽1Aおよび1B内に、直流電源2が接続された対の白金電極3Aおよび3Bの各一方が配置される。電解溶液槽1の第1および第2の槽1Aおよび1B内には、それぞれ例えばフッ化水素HFとエタノールC2 5 OHとを含有する電解溶液4、あるいはフッ化水素HFとメタノールCH3 OHとを含有する電解溶液4が収容され、第1および第2の槽1Aおよび1Bにおいて電解溶液4に半導体基体11の両面が接触するように配置され、かつ両電極3Aおよび3Bが電解溶液4に浸漬配置される。そして、半導体基体11の多孔質層を形成すべき表面側の槽1A内の電解溶液4に浸漬されている電極3A側を負極側として、直流電源2が接続されて両電極3Aおよび3B間に通電がなされる。このようにすると、半導体基体11側を陽極側、電極3Aを陰極側とする給電がなされ、これにより、半導体基板の電極3A側に対向する表面が侵蝕されて多孔質化する。
【0031】
この2槽セル法によるときは、オーミック電極を半導体基体に被着形成することが不要となり、このオーミック電極から不純物が半導体基体に導入することが回避される。
【0032】
そしてこの陽極化成における条件の選定により、形成される多孔質層の構造が相当に変化するものであり、これによってこれの上に形成する前述したエピタキシャル半導体膜の結晶性および剥離性が変化する。
【0033】
多孔率を異にする2層以上の層からなる多孔質層を形成するには、陽極化成処理において、電流密度が異なる2段階以上の多段階陽極化成法を採用する。具体的には、表面に多孔率が低いすなわち口径の小さい微細孔による比較的緻密な低多孔率の多孔質層を作製するため、まず、低電流密度で第1陽極化成を施す。多孔質層の膜厚は時間に比例するので、所望する膜厚になるような時間で陽極化成を行う。その後、かなり高い電流密度で第2陽極化成を行えば、最初に形成された低多孔率の多孔質層の下側に多孔率の大きい高多孔率の多孔層が形成される。すなわち、少くとも多孔率の低い低多孔率質層と、多孔率の高い高多孔率層を有する多孔質層が形成される。
【0034】
そして、この場合、低多孔率の多孔質層と、高多孔率の多孔質層との界面付近には、両者の格子定数の違いにより大きな歪みが生じる。この歪みがある値以上になると、多孔質層は2つに分離する。したがって、この歪みによる分離あるいは、多孔率による機械的強度の低下による分離が生じるか、生じないかという境界条件付近の陽極化成条件で多孔質層を形成すれば、この多孔質層上に成長させた半導体膜、例えばエピタキシャル半導体膜は、この多孔質層を介して容易に分離することができる。
【0035】
この場合の、低電流密度の第1陽極化成は、例えば0.01〜0.02Ωcmのp型シリコン単結晶基体を用い、HF:C2 5 OH=1:1(HFが49%溶液、エタノールが95%溶液での体積比)(以下同様)のとき、0.5〜10mA/cm2 程度の低電流密度で数分間から数十分間行う。また、高電流密度の第2陽極化成は、例えば40〜300mA/cm2 程度の電流密度で、1〜10秒間、好ましくは3秒間前後の時間で行う。
【0036】
上述した第1および第2の2段階の陽極化成では、多孔質層内部の高多孔質層で発生する歪みがかなり大きくなるため、多孔質層の表面までこの歪みの影響が及び、この場合、前述したように、亀裂の発生や、これの上に形成するエピタキシャル半導体膜に結晶欠陥を発生させるおそれが生じる。そこで、多孔質層において、低多孔率の表面層と高多孔率層との間に、これらによって発生する歪みを緩和するバッファー層として、表面層よりは多孔率が高く、かつ高多孔率層に比しては多孔率が低い中間多孔率層を形成する。具体的には、最初に低電流密度の第1陽極化成を行い、次いで第1陽極化成よりもやや高い電流密度の第2陽極化成を行って、その後それらよりもかなり高い電流密度で第3陽極化成を行う。第1陽極化成の条件は、特に制限されないが、例えば0.01〜0.02Ωcmのp型シリコン単結晶基体を用い、電解溶液としてHF:C2 5 OH=1:1を用いるとき、0.5〜3mA/cm2 未満程度、第2陽極化成の電流密度は例えば3〜20mA/cm2 程度、第3陽極化成の電流密度は、例えば40〜300mA/cm2 程度で行うことが好ましい。例えば1mA/cm2 の電流密度で陽極化成を行うと、多孔率は約16%程度、7mA/cm2 の電流密度で陽極化成を行うと、多孔率は約26%、200mA/cm2 の電流密度で陽極化成を行うと、多孔率は約60〜70%程度になる。このような陽極化成を行った多孔質層上にエピタキシャル成長を行うと、結晶性のよいエピタキシャル半導体膜が成膜できる。
【0037】
また、上述したように電流密度を3段階とする陽極化成を行う場合、第1陽極化成で形成される多孔率が低い表面層はそのまま低い多孔率を保ち、第2陽極化成で形成される多孔率がやや高い中間多孔率層、すなわちバッファー層は、表面層より内側、すなわち表面層と多孔質化がされていない半導体基体との界面に形成されて、多孔質層は表面層と中間多孔率層との2層構造となる。また、上述の第3陽極化成で形成される多孔率の高い高多孔率層は、原理は不明であるが、その電流密度を90mA/cm2 程度以上とすると、第2陽極化成で形成した中間多孔率層内にすなわち中間多孔質層の厚さ方向の中間部に形成される。
【0038】
また中間多孔率層の形成において、この中間多孔率層を形成する陽極酸化を多段階もしくは漸次例えば通電電流密度を変化する条件下で行うことによって、低多孔率表面層と、高多孔率層との間に階段的にもしくは傾斜的にその多孔率を、表面層から高多孔率層側に向かって高めた中間多孔率層を形成する。このようにすれば、表面層と高多孔率層との間の歪みは、より緩和されて、さらに確実に結晶性のよいエピタキシャル半導体膜をエピタキシャル成長することができる。
【0039】
ところで、分離面は、最後に行う多孔率の大きい剥離層とその直前に行う多孔率の小さいバッファー層との界面で格子定数の違いによる歪みが大きくかかることによって形成することができるが、この最後の陽極化成を行うときに工夫をすると、分離面がより分離しやすくなる。それは、最後の高電流密度の陽極化成で、例えば時間を3秒間一定に通電するのではなく、1秒間の通電の後、陽極化成を一旦停止して、所要時間経過後、例えば1分程度放置した後、同じまたは異なる高電流密度でまた1分間の通電を行って陽極化成を停止し、また所要時間経過後、例えば1分程度放置した後、再度同じまたは異なる高電流密度で1秒間通電を行って陽極化成を停止するという間欠的に通電する方法である。この方法を使用して適当な陽極化成条件を選ぶと、剥離層が半導体基板との界面すなわち多孔質層の最下面に形成され、分離面は上記のような中間多孔質層すなわちバッファー層の内部ではなく、多孔質層の半導体基板との界面で分離される。そして半導体基体側表面は電解研磨される。
【0040】
この場合、多孔質層における歪みが生じる高多孔質層と表面とが最大限に離間し、中間多孔率層によるバッファー効果が最大限に発揮されることになり、良好な結晶性を有するエピタキシャル半導体膜を形成することができる。また、このように中間多孔質層が表面側にのみ形成されるので多孔質層の全体の厚さを小さくすることができ、この多孔質層を形成するための半導体基板の消耗厚さを減らすことができて、この半導体基体の繰り返し使用回数を大とすることができる。
【0041】
このように、陽極化成条件の選定により、分離面においては、歪が大きく掛かるようにし、しかもこの歪みの影響が半導体膜のエピタキシャル成長面に与えられないようにすることができる。
【0042】
また、多孔質層上に、結晶性良く半導体のエピタキシャル成長を行うには、多孔質層の表面層の結晶成長の種となる微細孔を小さくすることが望まれる。このように表面層の微細孔を小さくする手段の一つとしては、陽極化成にあたって電解液中のHF濃度を濃くする方法がある。すなわち、この場合、まず表面層を形成する低電流陽極化成では、HF濃度の濃い電解溶液を使用する。次にバッファー層となる中間多孔率層を形成し、その後、電解溶液のHF濃度を下げてから、最後に高電流密度の陽極化成を行う。このようにすることによって、表面層の微細孔の微細化をはかることができることによって、これの上に結晶性の良いエピタキシャル半導体膜を形成することができるものであり、しかも高多孔率層においては、多孔率を必要充分に高くできるので、エピタキシャル半導体膜の剥離は良好に行うことができる。
【0043】
この多孔質層の陽極化成における電解溶液の変更は、例えば表面層の形成においては、電解溶液として、例えばHF:C2 5 OH=2:1による電解溶液を使用した陽極化成を行い、バッファー層としての中間多孔率層の形成においては、やや薄いHF濃度の電解溶液、例えばHF:C2 5 OH=1:1による電解溶液を使用した陽極化成を行い、さらに高多孔率層を形成においては、電解溶液は、さらにHF濃度を薄くして、例えばHF:C2 5 OH=1:1〜1:2の電解溶液を用いた高電流密度の陽極化成を行う。
【0044】
なお、上述した多孔質層の形成において、表面層の形成から中間多孔率層の形成にかけて、電流密度を変化させるとき、一旦陽極化成を停止してから、次の陽極化成を行う通電を開始する手順によることもできるし、一旦陽極化成を停止することなくすなわち通電を停止することなく、連続して電流密度を変化させて行うこともできる。
【0045】
また、陽極化成を行う際は、光を遮断した暗所で行うことが好ましい。これは、光を照射すると、多孔質層の表面に凹凸が多くなり、結晶性の良好なエピタキシャル半導体膜を得ることが困難になることによる。
【0046】
なお、陽極化成されたシリコンの多孔質層は、可視発光素子として利用できる。この場合、上記と逆に光を照射しながら陽極化成することが好ましく、これにより発光効率が上昇する。更に、酸化させると、波長にブルーシフトが起こる。また、半導体基体は、p型でもn型でもよいが、不純物を導入しない高抵抗のものの方が好ましい。
【0047】
以上の工程により、表面(片面または両面)に多孔質層が形成された半導体基板を得ることができる。なお、多孔質層全体の膜厚は、特に制限されないが、1〜50μm、好ましくは3〜15μm、通常8μm程度の厚さとすることができる。多孔質層全体の厚さは、半導体基板をできる限り繰り返し使用できるようにするためにできるだけ薄くすることが好ましい。
【0048】
また、多孔質層上に、半導体膜を成膜するに先立って、多孔質層をのアニールを行うことが好ましい。このアニールは、水素ガス雰囲気中での熱処理、すなわち水素アニールを挙げることができる。この水素アニールを行うときは、多孔質層の表面に形成された自然酸化膜の完全な除去、および多孔質層中の酸素原子を極力除去することができ、多孔質層の表面が滑らかになり、良好な結晶性を有するエピタキシャル半導体膜を形成することができる。同時にこの前処理によって、高多孔率層と中間多孔率層との界面の強度を一層弱めることができて、エピタキシャル半導体膜の基板からの分離をより容易に行うことができる。この場合の水素アニールは、例えば950℃〜1150℃程度の温度範囲で行う。
【0049】
また、水素アニールの前に、多孔質層を低温酸化させると、多孔質層の内部は酸化されるので、水素ガス雰囲気中での熱アニールを施しても多孔質層には大きな構造変化が生じない。つまり、多孔質層の表面への剥離層からの歪みが伝わりにくくなり、良質な結晶性のエピタキシャル半導体膜を成膜することができる。この場合の低温酸化は、例えばドライ酸化雰囲気中で400℃で1時間程度で行うことができる。
【0050】
そして、上述したように多孔質層表面に半導体のエピタキシャル成長を行う。この半導体のエピタキシャル成長は、単結晶半導体基板の表面に形成された多孔質層は、多孔質ながら結晶性を保っていることから、この多孔質層上へのエピタキシャル成長は可能である。この多孔質層表面へのエピタキシャル成長は、例えばCVD法により、例えば700℃〜1100℃の温度で行うことができる。
【0051】
また、上述した水素アニール、および半導体のエピタキシャル成長のいずれにおいても、半導体基体を所定の基体温度に加熱する方法としては、いわゆるサセプタ加熱方式によることもできるし、半導体基体自体に直接電流を流して加熱する通電加熱方式等を採ることができる。
【0052】
多孔質層上に成長させる半導体膜は、単層半導体膜とすることも複数の半導体層の積層による複層半導体膜とすることができる。また、この半導体膜は半導体基体と同じ物質でもよいし、異なる物質でもよい。例えば、単結晶Si半導体基体を用い、その表面に形成した多孔質層にSi、あるいはGaAs等の化合物半導体、またはシリコン化合物、例えばSi1-y Gey をエピタキシャル成長するとか、これらを適宜組み合わせ積層する等、種々のエピタキシャル成長を行うことができる。
【0053】
また、半導体膜には、その成長に際してn型もしくはp型の不純物を導入することができる。あるいは、半導体膜の成膜後に、イオン注入、拡散等によって不純物の導入を全面もしくは選択的に行うこともできる。この場合、その使用目的に応じて、導電型、不純物の濃度、種類の選択がなされる。
【0054】
また、半導体膜の厚さも、薄膜半導体の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、半導体集積回路を薄膜半導体に形成する場合、半導体素子の動作層は数μm程度の厚さであるので、例えば5μm程度の厚さに形成することができる。
【0055】
上述のようにして得られたエピタキシャル半導体膜の表面には、やや凹凸があり、この半導体膜に対する回路素子もしくは集積回路の形成工程で行われる例えばフォトリソグラフィ工程におけるフォトレジストに対する露光処理での露光装置のマスク合わせの精度が低下するなどの不都合が生じる場合は、半導体膜表面を研磨することが好ましい。この場合、多孔質層が脆く、弱くなっているので、この多孔質層に負担がかからない弱い研磨を行う。
【0056】
次に、半導体装置を構成する場合においては、回路素子もしくは集積回路を、半導体膜に形成する。例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)や、CMOS(Complementary Matal Oxide Semiconductor )など、半導体素子、あるいはこれらの素子を組み合わせた集積回路を形成する。これら回路素子もしくは集積回路は、通常一般の半導体製造技術によることができる。その製造は、例えば拡散炉、イオン注入装置、露光装置、CVD(化学的気相成長)装置、スパッタ装置、洗浄装置、ドライエッチング装置、エピタキシャル成長装置等を使用して半導体基体に形成できる全ての回路素子もしくは集積回路に適用できる。また、回路素子もしくは集積回路としては例えば、ダイオード、トランジスタ等の各半導体素子、デジタルまたはアナログIC、フラッシュメモリ等その種類を問わず、例えば太陽電池を構成することもできる。
【0057】
このように、半導体膜に回路素子もしくは集積回路が形成された薄膜半導体装置は、その全体を絶縁層によって被覆しておくことが好ましい。
【0058】
このように、回路素子もしくは集積回路を形成して後、この半導体膜、すなわち薄膜半導体装置に、支持基板を接合する。この支持基板は、例えば樹脂基板、ガラス基板、金属基板、セラミック基板などその種類に制限はない。例えば、ICカードを構成するフレキシブル基板やカバーシートなどに貼り付け、ICカードを構成するようにしてもよい。また、支持基板にも、回路素子もしくは集積回路を形成することもできるものであり、プリント基板等によって構成することができる。この支持基板の接合方法は、例えば接着剤、半田、粘着材等による接合によることができ、その接合強度は、後に行う多孔質層を介しての剥離強度以上の接合強度、すなわち剥離に要する力で接合が破壊することのない程度の接合強度とされ、この支持基板と半導体膜とが一体化して、半導体基体から半導体膜を剥がすことができる程度の接着強度を示す接合剤が用いられる。
【0059】
このようにして、支持基板と半導体膜とを一体化させた後、これを半導体基体から多孔質層を内部での破壊によって剥離させる。この剥離は、高多孔質層を有する多孔質層においては、その高多孔質層で容易に分離される。
【0060】
このようにして剥離のなされた半導体膜の、半導体基体からの剥離面には、多孔質層が残存している場合があり、この多孔質層は、必要により、研磨、エッチングなどでこれを除去する。また、除去せずにそのままでもよい。あるいは、剥離面の保護のために、保護膜を被着するとか、保護基板例えば樹脂基板を貼り合わせてもよい。
【0061】
以上のように製造された薄膜半導体もしくはこれによる半導体装置は、極めて薄いエピタキシャル成長による半導体膜による薄膜半導体に回路素子もしくは集積回路が形成されたもので、フレキシブルで、かつ薄いという特性を利用して、例えばICカードをはじめとして、携帯機器等の電子機器に応用が可能であり、近年の軽薄短小に適応したものである。
【0062】
一方、分離された半導体基体は、その表面を研磨して再び使用する。例えば1回の薄膜半導体装置の製作に消費される基板の厚さは約3〜20μm程度であるため、10回の繰り返し使用でも消費される厚さは約30〜200μmである。そのため、高価な単結晶の半導体基体を繰り返し使用できるので、本発明方法は、極めて低コスト、かつ低エネルギーで薄膜半導体装置を製造することができる。なお、半導体基体表面に消費した分のエピタキシャル成長を行えば、永久に同一の半導体基体を用いることができ、更に低コスト、低エネルギーで薄膜半導体装置を製造することができる。
【0063】
次に、本発明の実施例を挙げて説明する。しかしながら、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
【0064】
〔実施例1〕
図1および図2はこの実施例の工程図を示す。
先ず、高濃度にボロンがドープされて、比抵抗が例えば0.01〜0.02Ωcm)とされた単結晶Siによるウエファ状の半導体基体11を用意した(図1A)。

そして、この半導体基体11の表面を陽極化成して半導体基体11の表面に多孔質層を形成した。この実施例においては、図7で説明した2槽構造の陽極化成装置を用いて陽極化成を行った。すなわち、第1および第2の各槽1Aおよび1B間に単結晶Siによる半導体基体11を配置し、両槽1Aおよび1Bには、共にHF:C2 5 OH=1:1を注入した。そして、これら各電解溶液槽1Aおよび1Bの電解溶液4中に浸漬配置したPt電極3Aおよび3B間に直流電源2によって電流を流した。
【0065】
まず、電流密度を、1mA/cm2 の低電流として、これを8分間通電させた。これにより、口径が小さい微細孔を有し、緻密な多孔率が16%で厚さが1.7μmの多孔質層を構成する表面層12Sが形成された(図1B)。多孔質層の表面における微細孔が小さいと、後に行うH2 アニールによって多孔質層の表面がより平坦で滑らかになり、後にこれの上にエピタキシャル成長するSiエピタキシャル半導体膜の結晶性がより向上するという効果がある。
その後、一旦通電を停止する。次に、電流密度を7mA/cm2 として、8分間の通電を行った。このようにすると、表面層12S下に、この表面層に比し多孔率が大きい、多孔率26%で厚さ6.3μmの中間多孔率層12Mが形成された(図1C)。
その後、再び通電を停止する。次に、電流密度を200mA/cm2 に上げて3秒間の通電を行った。このようにすると、中間多孔率層12Mの内部に、すなわち中間多孔率層12Mによって上下から挟み込まれるように、表面層12Sおよび中間多孔率層12Mに比し高い多孔率の約60%の多孔率で約0.05μmの厚さの高多孔率層12Hが形成される(図1D)。このようにして、表面層12Sと、中間多孔率層12Mと、高多孔率層12Hとによる多孔質層12が形成される。
【0066】
このように形成された多孔質層12は、中間多孔率層12Mと高多孔率層12Hとの多孔率が大きく相違するので、これら界面および界面近傍に大きな歪が生じ、この付近の強度が極端に弱くなる。しかしながら、この歪は、高多孔率層12Hと表面層12Sとの間に中間多孔率層12Mが存在することによって、これがバッファーとして作用し、この歪みにより影響を大きく受けやすい多孔質層の表面への歪みの影響を緩和することができる。したがって、この歪みによって、後に多孔質層上に行うエピタキシャル成長の結晶性への影響を効果的に回避できる。
【0067】
その後、後に行うエピタキシャル成長がなされる常圧Siエピタキシャル成長装置において、多孔質層12を有する半導体基体11を、H2 雰囲気中で1100℃の加熱すなわちアニール処理を行った。このアニールは、室温から1100℃まで約20分掛けて昇温し、1100℃で約30分間のアニールを行った。このH2 アニールにより、口径の小さい微細孔による表面層が平坦で滑らかになる。同時に、多孔質層12の内部では、中間多孔率層12Mと、高多孔率層12Hの界面付近において、分離強度が、よりいっそう弱くなった。
【0068】
その後、H2 アニールを行った常圧Siエピタキシャル成長装置において、多孔質層12上すなわち表面層12S上にSiのエピタキシャル成長を行ってSi半導体膜13を形成した(図2E)。このエピタキシャル成長は、先のH2 雰囲気中アニール温度の1100℃から1030℃まで降温して、SiH4 ガスを用いたSiエピタキシャル成長を17分間行った。これより多孔質層12上に結晶性に優れた、厚さ約5μmのSiエピタキシャル半導体膜13が形成された。
【0069】
このとき、Siエピタキシャル半導体膜13表面に、凹凸があるときは、この表面を研磨する。高多孔率層12Hは、上述した歪と、これが高多孔率をもっていわば霜柱状とされて脆弱化されて分離強度が非常に弱くなっているので、これを破損することがないように、弱い力での研磨を行った。これによって、エピタキシャル半導体膜13の表面はより平坦になった。このようにしたことによって、例えば露光装置のマスク合わせにおいて、より高精度に行うことができる。
【0070】
半導体膜13を、半導体基体11から分離する。まず、接着剤60を介してPET(ポリエチレンテレフタレート)シートよりなる支持基板61を、半導体膜13上に接合する(図2F)。
【0071】
このときの支持基板61の接着強度は、多孔質層12による半導体基体11からの分離強度よりも強い強度、すなわち分離に際して支持基板61に剥離が生じない程度の接着強度とする。
【0072】
次に、半導体基体11と支持基板61との間に両者を引き離す方向の外力を与える。このようにすると、前述したように弱い強度とされた多孔質層12の高多孔率層12Hもしくはその近傍で分離が生じ、半導体基体11から支持基板61とともに集積回路が形成された半導体膜13が剥離される(図2G)。
【0073】
このようにすると、フレキシブルな基板61に被着形成された例えば厚さ5μmのフレキシブルな半導体膜13が形成される。
【0074】
そして、この場合、半導体基体11の、半導体膜13との分離面には、上述したH2 雰囲気中アニールによって再結晶化された多孔質層12の残存による膜厚5μmの多孔質膜22が存在する。
【0075】
この半導体基体11に残存する多孔質膜22をエッチング除去する。この多孔質膜22のエッチングは、化学薬品この例ではフッ硝酸すなわちフッ酸HFと硝酸HNO3 と水H2 Oとの混合液によるエッチング液に、半導体基体11を浸漬する。このようにして多孔質膜22をエッチング除去する(図2H)。
【0076】
そして、更に、この半導体基体11を、上述の図7で示した陽極化成装置を用いて電解研磨を行う。この場合、両槽1Aおよび1Bには、共にHF:C25 OH=1:2とした電解溶液を注入する。そして、Pt電極3Aおよび3B間に200mA/cm2 、15秒の通電を行った。このとき、半導体基体11の表面が電解研磨され、基体表面には結晶性の良い面が露呈した。
【0077】
このようにして、結晶性の良い面が露呈した半導体基体11を再利用して、これに、前述した図1〜図2で説明した工程を繰り返し、複数枚の薄膜半導体を得ることができる。
【0078】
〔実施例2〕
この実施例においても、実施例1と同様の方法によって、図1A〜図1Dで説明した工程を採って、半導体基体11の表面に、表面層12Sと、中間多孔率層12M内に、高多孔率層12Hが形成されてなる多孔質層12を形成する。
【0079】
そして、この実施例においては、この多孔質層12の形成の後に、拡散炉を用いて、酸素雰囲気中で、400℃で1時間のアニールを行った。この処理によって多孔質層12の内部が酸化され、この後に行うH2 雰囲気中でのアニールによっても多孔質層に大きな構造変化が生じないようにすることができ、高多孔率層12Hの界面近傍に生じる歪の表面層12Sへの影響をより効果的に回避することができる。
【0080】
その後、実施例1におけると同様に、常圧Siエピタキシャル成長装置によってH2 雰囲気中でのアニールを行い、その後実施例1と同様にSiエピタキシャル成長によって厚さ5μmの結晶性にすぐれた半導体膜13の成膜を行った(図2E)。
【0081】
この場合においても、Siエピタキシャル半導体膜13表面に、凹凸があるときは、この表面を研磨する。高多孔率層12Hは、上述した歪と、これが高多孔率をもっていわば霜柱状とされて脆弱化されて分離強度が非常に弱くなっているので、これを破損することがないように、弱い力での研磨を行った。これによって、エピタキシャル半導体膜13の表面はより平坦になった。このようにしたことによって、例えば露光装置のマスク合わせにおいて、より高精度に行うことができる。
【0082】
半導体膜13を、実施例1と同様の方法によって、半導体基体11から分離する。(図2F,図2G)。
【0083】
このようにして、実施例1におけると同様に、フレキシブルな基板61に被着形成された例えば厚さ5μmのフレキシブルな半導体膜13が形成される。
【0084】
そして、この場合においても、半導体基体11の、半導体膜13との分離面には、上述したH2 雰囲気中アニールによって再結晶化された多孔質層12の残存による膜厚5μmの多孔質膜22が存在する。
【0085】
その後、この実施例においては、この半導体基体11に残存する多孔質膜22を、フッ酸と、過酸化水素H22 と、水H2 Oとの混合液によるエッチング液に半導体基体11を浸漬することによってエッチング除去する(図2H)。
【0086】
そして、更に、この半導体基体11を、上述の図7で示した陽極化成装置を用いて電解研磨を行う。この場合、両槽1Aおよび1Bには、共にHF:C25 OH=1:2とした電解溶液を注入する。そして、Pt電極3Aおよび3B間に200mA/cm2 、15秒の通電を行った。このとき、半導体基体11の表面が電解研磨され、基体表面には結晶性の良い面が露呈した。
【0087】
このようにして、結晶性の良い面が露呈した半導体基体11を再利用して、これに、同様の工程を繰り返して、複数枚の薄膜半導体を得ることができる。
【0088】
次に、本発明を太陽電池を製造する場合の一実施例を説明する。
【0089】
〔実施例3〕
図3〜図4を参照して説明するが、この実施例においても、実施例1と同様の方法によって図1A〜Dに示す工程をとって、半導体基体11の表面に陽極化成によって、表面層12Sと、中間多孔率層12Mと、これの内部に形成された高多孔率層12Hによる多孔質層12を形成する。そして、実施例1で説明したと同様のH2 雰囲気中でのアニールを行い、その後、半導体膜13のエピタキシャル成長を行った(図3A)。この実施例における半導体膜13は、p+ −p- −n+ 3層構造による。
【0090】
この半導体膜13のエピタキシャル成長は、H2 雰囲気中アニールを行った常圧Siエピタキシャル成長装置に、SiH4 ガスとB2 6 ガスとを用いたエピタキシャル成長を3分間行って、ボロンBが1019atoms/cm3 にドープされたp+ Siによる第1の半導体層131を形成し、次に、B2 6 ガスの流量を変更して、Siエピタキシャル成長を10分間行って、ボロンBが1016atoms/cm3 にドープされた低濃度のp- Siによる第2の半導体層132を形成し、更にB26 ガスに換えてPH3 ガスを供給して、エピタキシャル成長を4分間行って、p- エピタキシャル半導体層132上に、リンPが1019atoms/cm3 の高濃度にドープされたn+ Siによる第3の半導体層133を形成して、第1〜第3のエピタキシャル半導体層131〜133よりなるp+ −p- −n+ 構造の半導体膜13を形成した。
【0091】
次に、この実施例においては、半導体膜13上に表面熱酸化によってSiO2 膜すなわち透明の絶縁膜16を形成し、フォトリソグラフィによるパターンエッチングを行って電極ないしは配線とのコンタクトを行う開口16Wを形成する(図3B)。この開口16Wは、所要の間隔を保持して図においては紙面と直交する方向に延長するストライプ状に平行配列して形成することができる。このように形成したSiO2 膜により、界面でのキャリア発生や再結合を極力少なくすることが可能である。
【0092】
そして、全面的に金属膜の蒸着を行い、フォトリソグラフィによるパターンエッチングを行って受光面側の電極ないしは配線17を、ストライプ状開口16Wに沿って形成する(図4C)。この電極ないしは配線17を形成する金属膜は、例えば厚さ30nmのTi膜、厚さ50nmのPd、厚さ100nmのAgを順次蒸着し、さらにこれの上にAgメッキを行うことによって形成した多層構造膜によって構成し得る。その後400℃で20〜30分間のアニールを行った。
【0093】
次に、この実施例においては、ストライプ状の電極ないしは配線17上に、それぞれこれらに沿って導電線41、この実施例では金属ワイヤを接合し、これの上に透明の接着剤21によって、透明基板42を接合する(図4D)。電極ないしは配線17への導電性41の接合は、半田付けによることができる。そして、これら導電線41は、その一端もしくは他端を、電極ないしは配線17よりそれぞれ長くして外方に導出する。
【0094】
その後、半導体基体11と透明基板42とに、互いに引き離す外力を与える。このようにすると、多孔質層12の脆弱な高多孔率層12Hもしくはその近傍で半導体基体11と、エピタキシャル半導体膜13とが分離され、透明基板42上に、エピタキシャル半導体膜13が接合された薄膜半導体23が得られる(図5E)。
【0095】
この場合、薄膜半導体23の裏面には、多孔質層12が残存するが、これの上に銀ペーストを塗布し、更に金属板を接合して他方の裏面電極24を構成する。このようにして、透明基板42にp+ −p- −n+ 構造の薄膜半導体23が形成された太陽電池が構成される(図5F)。この金属電極24は、太陽電池裏面の素子層保護膜としても機能する。
【0096】
このようにして形成した太陽電池は、受光側電極ないしは配線17が、透明基板42によって覆われているにもかかわらず、これからの電気的外部導出が導電線41によってなされていることから、外部との電気的接続が容易になされる。また、例えば上述の実施例におけるように、エピタキシャル半導体膜13に対し、すなわち太陽電池の活性部に対しそれぞれコンタクトされた複数の各電極ないしは配線17からそれぞれ導電線41の導出を行うようにしたことから、太陽電池の直列抵抗を充分小とすることができる。
【0097】
そして、太陽電池、すなわち半導体膜13を剥離した半導体基体11に対して実施例1におけると同様のエッチングおよび電解エッチングを行う。
すなわち、フッ硝酸によるエッチングによって多孔質膜22をエッチング除去し、更に、この半導体基体11を、上述の図7で示した陽極化成装置を用いて電解研磨を行う。この場合、両槽1Aおよび1Bには、共にHF:C25 OH=1:2とした電解溶液を注入する。そして、Pt電極3Aおよび3B間に200mA/cm2 、15秒の通電を行った。このとき、半導体基体11の表面が電解研磨され、基体表面には結晶性の良い面が露呈した(図6)。
【0098】
このようにして、結晶性の良い面が露呈した半導体基体11に、前述したと同様の半導体膜13の形成を工程等を繰り返し、複数枚の太陽電池を得ることができる。
【0099】
尚、上述した各例においてはエピタキシャル半導体膜の半導体基体11からの剥離を、互いに引き離す外力を与えて剥離した場合であるが、或る場合は超音波振動によって剥離することができる。
【0100】
上述した各例において陽極化成において、電流密度が大きい場合や、長時間通電によって、半導体例えばSiの剥離が発生してこれによるSiくずが発生して装置内例えば電解溶液槽等に付着した場合は、半導体基体11を取り出して後、槽内にフッ硝酸液を注入することによって不要なSiの付着物を溶解除去することができる。
また、陽極化成を行う装置としては、図7の例に限らず、単槽構造において半導体基体を浸漬させる装置を用いることができる。
【0101】
また、薄膜半導体、太陽電池を製造することによって厚さが減少した半導体基体に対し、この減少した厚さに見合った厚さの半導体のエピタキシャル成長を行って、上述した薄膜太陽電池の製造を繰返し行うようにすることによって、永久的に同一の半導体基体の使用が可能となるので、更に低コスト、低エネルギーで太陽電池を製造することができる。
【0102】
上述した本発明製造方法によれば、半導体基体は、表面に多孔質層を形成し、これの上に半導体のエピタキシャル成長を行って、これを剥離するので半導体基体は多孔質化された厚さだけが消耗されるものであるが、上述したエピタキシャル半導体膜の形成および剥離の後は、半導体基体表面をエッチングおよび電解エッチングによって除去するので、再びこの半導体基体11を繰り返し使用して目的とする薄膜半導体、すなわち薄膜半型の、例えばフレキシブルな各種半導体装置を複数製造することができることから、安価に製造できる。
【0103】
また、半導体基体11が多孔質層の形成によって、これが薄くなるが、半導体基体11に、この厚さの減少に相当する厚さの半導体をエピタキシャル成長することによってその厚さの補償を行うようにすることもできる。また、厚さの補償を行わない場合において、その厚さが薄くなった場合には、この半導体基体自体によって薄膜半導体として用いることができ、例えば太陽電池の製造もできるものである。したがって、半導体基体は、最終的に無効となることなく、殆ど無駄なく使用ができることから、これによってもコストの低減化をはかることができる。
【0104】
また、本発明製造方法において、最終的に電解エッチングを行うときは、その後に連続して、次の多孔質層12の形成工程を行うことができる。
【0105】
また、上述の製造方法によれば、半導体膜13上に、支持基板42接合して基板とエピタキシャル半導体膜とを一体化させた後、基板をエピタキシャル半導体膜と共に、半導体基体から剥離する方法を採ることができるので、この基板の種類には制限はなく、フレキシブルプリント基板、リジッドなプリント基板、金属板、セラミック、ガラス、樹脂等、従来からの半導体技術の常識では到底考えられなかったような基板上に薄膜単結晶半導体を形成するとか、太陽電池を形成できる。
【0106】
また、単に単一多孔率を有する多孔質層上に半導体層をエピタキシャル成長させる方法にする場合は、その半導体膜の結晶性を良好にするには、結晶成長の核となる多孔質層の多孔率を小さくする必要があることから、陽極化成に当たってち、電流密度を低くして、電解溶液のHF混合比を多くする必要がある。ところが、このように、多孔率を低くすると、多孔質層が硬くなり、エピタキシャル半導体膜の分離が難しくなる。そこで、分離強度を弱くするために多孔率を上げようと、例えば陽極化成の条件のうち、電流密度を高くして、電解溶液のHF混合比を少なくすると、この場合は分離は容易になるが、エピタキシャル半導体膜の結晶性が極端に悪くなる。ところが上述した方法によるときは、多孔質層の表面部分の多孔率を小さくして、多孔質層内部の多孔率が大きいという2面性の性質をもつ多孔質層を形成するので、多孔質層上にエピタキシャル半導体膜を良好に形成でき、しかも、エピタキシャル半導体膜を容易に分離できる。例えば、超音波により容易に分離させることができる程度の弱い多孔質層を形成することも可能である。
【0107】
また、多孔質層に形成する高多孔率層は、多孔率が大きいほど剥離が容易になるが、歪みが大きく、その影響が多孔質層の表面層にまで及ぼしてしまう。このため、表面層に亀裂が生じることもある。また、エピタキシャル成長を行う際、エピタキシャル半導体膜に欠陥を生じさせる原因となる。ところが、上述した方法では、多孔率の非常に高い層と多孔率の低い表面層との間に、これらの層から発生する歪みを緩和するバッファー層として、表面層よりやや多孔率の高い中間多孔率層を形成することにより、剥離が容易で良質のエピタキシャル半導体膜を形成できる。
【0108】
また、上述の方法において高電流密度での陽極化成において、電流を間欠的に流すときは、多孔質層に高多孔率層を半導体基板側界面またはその近傍に形成することができるものであり、この場合、表面と剥離層となる高多孔質層とを最大限に離間させることができ、そのためバッファー層を薄くでき、その分多孔質層の厚さを減らし、半導体基体の厚さ減方向の消費を少なくすることができ、コストを更に低下させることが可能となる。
【0109】
また、低電流密度での陽極化成において、電流を漸次増大させることにより、多孔質層の表面層と剥離層との間のバッファー層の多孔率を内部に行くに従い漸次増大させるように形成するときは、バッファー層の機能を更に良好にすることができる。
【0110】
また、陽極化成を、フッ化水素とエタノールを含有する電解溶液、あるいは、フッ化水素とメタノールの混合液中で行うことにより、多孔質層を容易に形成することができる。この場合、陽極化成の電流密度を変える際に、この電解溶液の組成も変えることにより、多孔率の調整範囲が更に大きくなる。
【0111】
また、陽極化成中の光の照射を回避すれば、多孔質層の表面の凹凸の発生を軽減ないしは回避できて、良好な結晶性を有するエピタキシャル半導体膜を形成することができる。
【0112】
また、多孔質層を形成した後、水素ガス雰囲気中で加熱することにより、多孔質層の表面層の表面はなめらかになり、良好な結晶性を有するエピタキシャル半導体膜を形成することができた。
また、多孔質層を形成した後、水素ガス雰囲気中での加熱工程の前に、多孔質層を熱酸化することにより、多孔質層の内部が酸化されるので、次工程の水素中アニールを施しても、多孔質層には大きな構造変化が生じ難くなり、多孔質層の表面に内部からの歪みが伝わり難くなるため、結晶性の良好なエピタキシャル半導体膜を形成することができる。
【0113】
【発明の効果】
上述の本発明製造方法によれば、半導体基体表面に多孔質層を形成してこれの上に半導体膜を成長させ、これを多孔質層において半導体基体から剥離することによって結晶性にすぐれた薄膜半導体を容易、確実に、安価に製造することができるものであるが、更に本発明においては、残された半導体基体を多孔質層の除去によって、再利用できるようにしたことから半導体基体の有効利用がなされ、より安価に構成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施例の工程図(その1)である。
A〜Dは、その各工程の断面図である。
【図2】本発明方法の一実施例の工程図(その2)である。
E〜Hは、その各工程の断面図である。
【図3】本発明方法の他の実施例の工程図(その1)である。
AおよびBは、その各工程の断面図である。
【図4】本発明方法の他の実施例の工程図(その2)である。
CおよびDは、その各工程の断面図である。
【図5】本発明方法の他の実施例の工程図(その3)である。
E〜Fは、その各工程の断面図である。
【図6】本発明方法の他の実施例の工程図(その4)である。
【図7】本発明方法を実施する陽極化成装置の一例の構成図である。
【符号の説明】
11 半導体基体、12 多孔質層、12M 中間多孔率層、12H 高多孔率層、13 半導体膜、131 第1の半導体膜、132 第2の半導体膜、133 第3の半導体膜、41 導電線、42 透明基板
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides a thin film semiconductor that can constitute a single semiconductor device made of a semiconductor element such as a thin film transistor, or various semiconductor devices such as a semiconductor integrated circuit (IC), an IC card, and a solar cell made of a plurality of semiconductor elements. Related to the method.
[0002]
[Prior art]
To configure various semiconductor devices such as a single semiconductor device, a semiconductor integrated circuit, an IC card, and a solar cell, the thickness of the device is sufficiently reduced to reduce the size of the device. For example, in a solar cell, It is possible to increase the conversion efficiency or make it flexible by reducing the film thickness, thereby simplifying the assembly of various devices and improving the convenience of use.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides a method of manufacturing a thin film semiconductor that can obtain a thin film semiconductor easily and reliably at low cost from the above-mentioned objects.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
  In the method of manufacturing a thin film semiconductor according to the present invention, the surface of the semiconductor substrate isChange the anodizing current density in three steps so as to increase gradually, step by step,A porous surface layer, an intermediate porosity layer formed under the surface layer and having a higher porosity than the surface layer, and the inside of the intermediate porosity layerofA high porosity layer having a larger porosity than the surface layer and the intermediate porosity layer;FormedChanging to a porous layer and then H2Annealing in atmospheredo itSmoothing the surface of the porous layer, weakening the strength of the interface between the high porosity layer and the intermediate porosity layer, forming the semiconductor film on the porous layer, and passing the semiconductor film through the porous layer It is characterized by having a step of peeling from the semiconductor substrate and a step of removing the porous layer by removing the porous film remaining on the semiconductor substrate of the porous layer by chemical etching.
[0005]
  According to the manufacturing method of the present invention described above, a porous layer is formed on the surface of a semiconductor substrate, a semiconductor film is formed on the porous layer, and the semiconductor film is peeled off from the semiconductor substrate by utilizing a decrease in strength in the porous layer. Then, since the thin film semiconductor is constituted by the peeled semiconductor film, the thickness can be controlled by the thickness of the semiconductor film, so that it can be constituted sufficiently thin, for example, as a flexible thin film semiconductor.
  The porous layer is formed with three layers with different porosities: surface layer, intermediate porosity layer, and high porosity layer, so it can be easily peeled off from the high porosity layer with reduced mechanical strength. Is done. In addition, since an intermediate porosity layer is formed between the surface layer and the high porosity layer, this intermediate porosity layer acts as a buffer layer, and the strain between the surface layer and the high porosity layer is alleviated. A semiconductor film with good crystallinity can be grown.
  H 2 By annealing in the atmosphere, it has a step of smoothing the porous layer surface and weakening the strength of the interface between the high porosity layer and the intermediate porosity layer, so that a semiconductor film with better crystallinity can be grown. Moreover, it becomes easy to peel in the porous layer.
[0006]
According to the production method of the present invention, the semiconductor thin film is formed on the porous layer formed on the surface of the semiconductor substrate, and this is separated by the porous layer. The semiconductor substrate used for manufacturing the thin film semiconductor by the above-described method is used again as a semiconductor substrate for manufacturing a semiconductor film, and thus a thin film semiconductor, by repeating the same method. That is, the above-described peeling of the semiconductor film is performed in the porous layer, and this peeling is performed at the interface with the semiconductor substrate in the film thickness direction of the porous layer (the interface with the semiconductor substrate is not made porous). In the case where the separation is performed in the porous layer, regardless of the mode of separation in (2), the porous layer is formed on the surface of the semiconductor substrate after the semiconductor film is peeled. However, in this case, in the method of the present invention, the porous film remaining on the semiconductor substrate side is removed by etching. Even in the case of changing the surface of the semiconductor substrate itself into a porous layer, the porous film is removed and the surface of the semiconductor substrate is excellent in clean crystallinity. It can be formed as a porous layer having a predetermined porous property with good actuality, and a semiconductor film formed on the porous layer can be formed with a semiconductor film having a desired characteristic stably with good reproducibility, and thus a thin film semiconductor. can do.
[0007]
Therefore, according to the manufacturing method of the present invention, a thin film semiconductor can be manufactured easily and reliably in mass production, and therefore at low cost.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described.
In the present invention, the surface of the semiconductor substrate is changed by, for example, anodization to form a porous layer. This porous layer is a porous layer composed of two or more layers having different porosities. Then, a semiconductor film is epitaxially grown on the surface of the porous layer, and a circuit element or an integrated circuit is formed thereon. Thereafter, the epitaxial semiconductor film is peeled off from the semiconductor substrate through the porous layer to produce a target thin film semiconductor device.
[0009]
On the other hand, the remaining semiconductor substrate is repeatedly used for the production of the thin film semiconductor described above. In particular, in the present invention, the porous film remaining on the semiconductor substrate is etched prior to the reuse. A removal process of the porous film to be removed is performed.
[0010]
The step of removing the porous film remaining on the semiconductor substrate can be performed by etching with chemicals and subsequent electrolytic etching by anodization. As a chemical for this etching, a mixed solution of hydrofluoric acid, a mixed solution of hydrofluoric acid and acetic acid, or a mixed solution of hydrofluoric acid and hydrogen peroxide can be used.
[0011]
In addition, the semiconductor substrate that has been repeatedly used to reduce its thickness can be used as a thin film semiconductor.
[0012]
In the step of forming the porous layer, a layer having a low porosity is formed facing the surface, and a layer having a high porosity is formed on the side close to the semiconductor substrate that is not made porous, that is, on the inner side.
[0013]
Further, in the porous layer forming step, for example, a surface layer having a low porosity, an intermediate porosity layer formed between the surface layer and the semiconductor substrate, and having a porosity higher than that of the surface layer, and the intermediate porosity. A high-porosity layer that is formed in the layer or at the lower layer of the intermediate porosity layer, that is, at the interface with the semiconductor substrate that has not been made porous, and has a higher porosity than the intermediate porosity layer can be formed.
[0014]
In the anodization for forming the porous layer, a step of anodizing the surface of the semiconductor substrate at a low current density and a step of anodizing at a high current density are performed thereafter.
[0015]
In the anodization, the step of anodizing the surface of the semiconductor substrate at a low current density, the step of anodizing at an intermediate low current density slightly higher than this low current density, and the anodization at a higher current density than this step. Process.
[0016]
Further, in the anodization, the anodization at the high current density can intermittently energize the high current density.
[0017]
In addition, in the anodization at an intermediate low current density in the anodization for forming the porous layer, the current density can be gradually increased.
[0018]
Anodization can be performed in an electrolytic solution containing hydrogen fluoride and ethanol, or in an electrolytic solution containing hydrogen fluoride and methanol.
[0019]
In the anodizing step, the composition of the electrolytic solution can be changed when changing the current density.
[0020]
After forming the porous layer, it is preferable to heat in a hydrogen gas atmosphere. Moreover, it is preferable to thermally oxidize a porous layer before the heating process in hydrogen gas atmosphere after forming a porous layer.
[0021]
The semiconductor substrate is formed thereon, that is, depending on the semiconductor film formed on the porous layer on the surface of the semiconductor substrate, for example, a semiconductor substrate made of Si single crystal, polycrystal, SiGe, GaAs, GaP or the like is used. Can be used. For example, in the case of forming a thin film semiconductor using a compound semiconductor, a compound semiconductor substrate is used as the semiconductor substrate. If a compound semiconductor is epitaxially grown on this porous layer, for example, a lattice mismatch can be made smaller than when a compound semiconductor is epitaxially grown on a Si semiconductor substrate, so that a thin film compound semiconductor having good crystallinity can be obtained. Can be formed. In any of the semiconductor substrates such as SiGe, GaAs, and GaP, a porous layer can be formed on the surface by anodizing.
[0022]
Various shapes can be adopted as the shape of the semiconductor substrate. For example, various shapes such as a wafer shape, that is, a disk shape, or a cylindrical ingot formed by pulling a single crystal having a curved substrate surface can be used.
[0023]
The semiconductor substrate can be constituted by a semiconductor substrate doped with n-type or p-type impurities, or a semiconductor substrate not containing impurities. However, in the case of anodizing, a low resistivity semiconductor substrate so-called p-type doped with a high concentration of p-type impurities.+It is preferable to use a Si substrate. As this semiconductor substrate, p+When using a type Si substrate, p-type impurities such as boron B are about 1019atoms / cmThreeIt is desirable to use a Si substrate that is doped to the extent that the resistance is about 0.01 to 0.02 Ωcm. And this p+When the type Si substrate is anodized, fine pores elongated in a direction substantially perpendicular to the substrate surface are formed, and the pores are maintained while maintaining the crystallinity, so that a desirable porous layer is formed.
[0024]
A semiconductor film is epitaxially grown on the porous layer thus made porous while maintaining its crystallinity. This semiconductor film can be composed of a single-layer semiconductor film or a multi-layer semiconductor film having two or more layers.
[0025]
As described above, the semiconductor film epitaxially grown on the semiconductor substrate is peeled off from the semiconductor substrate. Prior to this peeling, for example, a support substrate such as a flexible resin sheet is joined on the semiconductor film, and the support substrate and the epitaxial semiconductor film are bonded. Then, the epitaxial semiconductor film can be peeled from the semiconductor substrate together with the supporting substrate through a porous layer formed on the semiconductor substrate.
[0026]
The support substrate is not limited to a flexible sheet, and can be constituted by a glass substrate, a resin substrate, or a flexible or rigid so-called rigid transparent printed substrate on which a required printed wiring is made, for example.
[0027]
A porous layer composed of two or more layers having different porosities is formed on the surface of the semiconductor substrate. The outermost porous layer is formed as a dense porous layer having a relatively small porosity so that an epitaxial semiconductor film can be satisfactorily grown on the porous layer, and the inner side of the surface layer That is, on the lower layer side, by forming a porous layer having a relatively high porosity along the substrate surface, the mechanical strength is lowered by increasing the porosity of the porous layer itself, or the lattice constant between this porous layer and others is reduced. The layer is weakened by strain based on the difference, and the epitaxial semiconductor film can be easily peeled off, that is, separated in this layer. For example, it is possible to form a porous layer that is weak enough to be separated by application of ultrasonic waves.
[0028]
The layer formed on the inner side of the surface of the porous layer with the increased porosity becomes easier as the porosity increases. However, if the porosity is too high, the above-described epitaxial semiconductor film may be peeled off. In addition, peeling may occur or the porous layer may be damaged. Therefore, the porosity of the layer having a large porosity is set to 40% or more and 70% or less.
[0029]
In addition, when a layer having a high porosity is formed in the porous layer, the strain increases as the porosity increases. When the influence of this strain reaches the surface layer of the porous layer, the surface layer is cracked. There is a risk of generating it. Further, when the influence of strain occurs on the surface of the porous layer in this way, crystal defects are generated in the semiconductor film epitaxially grown thereon. Therefore, the porous layer has a higher porosity than the surface layer as a buffer layer to relieve strain between the layer with high porosity and the surface layer with low porosity. Thus, an intermediate porosity layer having an intermediate porosity with a low porosity is formed. By doing so, the porosity of the high-porosity layer is increased to such an extent that the above-described epitaxial semiconductor film can be reliably peeled off, and an epitaxial semiconductor film having excellent crystallinity can be formed. .
[0030]
The above-mentioned anodization of the surface of the semiconductor substrate is performed by a known method, for example, surface technology Vol. 46, no. 5, pp. 8-13, 1995 [Anodic conversion of porous Si]. That is, for example, it can be performed by the double cell method whose schematic configuration is shown in FIG. In this method, an electrolytic solution tank 1 having a two-tank structure having first and second tanks 1A and 1B is used. Then, a semiconductor substrate 11 on which a porous layer is to be formed is disposed between both tanks 1A and 1B, and each one of a pair of platinum electrodes 3A and 3B connected to a DC power source 2 is disposed in both tanks 1A and 1B. Is done. In the first and second tanks 1A and 1B of the electrolytic solution tank 1, for example, hydrogen fluoride HF and ethanol C are respectively provided.2HFiveElectrolytic solution 4 containing OH, or hydrogen fluoride HF and methanol CHThreeAn electrolytic solution 4 containing OH is accommodated, the first and second tanks 1A and 1B are disposed so that both surfaces of the semiconductor substrate 11 are in contact with the electrolytic solution 4, and both electrodes 3A and 3B are disposed in the electrolytic solution 4. Soaked in. Then, the DC power source 2 is connected between the electrodes 3A and 3B with the electrode 3A side immersed in the electrolytic solution 4 in the tank 1A on the surface side where the porous layer of the semiconductor substrate 11 is to be formed as the negative electrode side. Energization is performed. In this way, power is supplied with the semiconductor substrate 11 side as the anode side and the electrode 3A as the cathode side, whereby the surface of the semiconductor substrate facing the electrode 3A side is eroded and becomes porous.
[0031]
When this two-cell method is used, it is not necessary to deposit the ohmic electrode on the semiconductor substrate, and the introduction of impurities from the ohmic electrode into the semiconductor substrate is avoided.
[0032]
The structure of the porous layer to be formed changes considerably depending on the selection of conditions in this anodization, and this changes the crystallinity and peelability of the above-described epitaxial semiconductor film formed thereon.
[0033]
In order to form a porous layer composed of two or more layers having different porosities, a multi-step anodizing method having two or more steps with different current densities is employed in the anodizing treatment. Specifically, in order to produce a relatively dense porous layer having a low porosity on the surface, that is, a fine pore having a small diameter, first, the first anodization is performed at a low current density. Since the film thickness of the porous layer is proportional to time, the anodization is performed in a time period that achieves a desired film thickness. Thereafter, if the second anodization is performed at a considerably high current density, a porous layer having a high porosity and a high porosity is formed below the porous layer having a low porosity formed first. That is, a porous layer having a low porosity layer having a low porosity and a high porosity layer having a high porosity is formed.
[0034]
In this case, a large strain is generated in the vicinity of the interface between the porous layer having a low porosity and the porous layer having a high porosity due to the difference in lattice constant between the two. When this strain exceeds a certain value, the porous layer separates into two. Therefore, if a porous layer is formed under an anodizing condition in the vicinity of the boundary condition of whether or not separation due to this strain or mechanical strength due to porosity will occur, it will be grown on this porous layer. A semiconductor film such as an epitaxial semiconductor film can be easily separated through this porous layer.
[0035]
In this case, the first anodization with a low current density uses, for example, a p-type silicon single crystal substrate of 0.01 to 0.02 Ωcm, and HF: C2HFiveWhen OH = 1: 1 (volume ratio of HF in 49% solution and ethanol in 95% solution) (hereinafter the same), 0.5 to 10 mA / cm2It is performed for several minutes to several tens of minutes at a low current density. Further, the second anodization with a high current density is, for example, 40 to 300 mA / cm.2The current density is about 1 to 10 seconds, preferably about 3 seconds.
[0036]
In the first and second two-stage anodization described above, the strain generated in the highly porous layer inside the porous layer becomes considerably large. Therefore, the influence of this strain extends to the surface of the porous layer. As described above, the generation of cracks and the possibility of generating crystal defects in the epitaxial semiconductor film formed thereon are caused. Therefore, the porous layer has a higher porosity than the surface layer as a buffer layer to relieve the distortion generated between the surface layer having a low porosity and the high porosity layer. An intermediate porosity layer having a lower porosity is formed. Specifically, the first anodization with a low current density is first performed, then the second anodization with a slightly higher current density than the first anodization is performed, and then the third anode with a much higher current density than those. Perform formation. The conditions for the first anodization are not particularly limited. For example, a p-type silicon single crystal substrate of 0.01 to 0.02 Ωcm is used, and HF: C is used as the electrolytic solution.2HFiveWhen using OH = 1: 1, 0.5 to 3 mA / cm2The current density of the second anodization is, for example, 3 to 20 mA / cm.2The current density of the third anodization is, for example, 40 to 300 mA / cm.2It is preferable to carry out at a degree. For example, 1 mA / cm2When anodization is performed at a current density of about 16%, the porosity is about 7 mA / cm.2When anodizing at a current density of about 26%, the porosity is about 200 mA / cm.2When anodizing is performed at a current density of about 60 to 70%. When epitaxial growth is performed on the anodized porous layer, an epitaxial semiconductor film with good crystallinity can be formed.
[0037]
Further, as described above, when anodizing with three stages of current density is performed, the surface layer with low porosity formed by the first anodizing maintains the low porosity as it is, and the porosity formed by the second anodizing is maintained. A slightly higher intermediate porosity layer, i.e., a buffer layer, is formed inside the surface layer, i.e., at the interface between the surface layer and the non-porous semiconductor substrate. It becomes a two-layer structure with a layer. In addition, the principle of the high porosity layer formed by the above-described third anodization is not known, but the current density is 90 mA / cm.2If it is more than about, it is formed in the intermediate porosity layer formed by the second anodization, that is, in the intermediate portion in the thickness direction of the intermediate porous layer.
[0038]
Further, in the formation of the intermediate porosity layer, the anodic oxidation for forming the intermediate porosity layer is performed in a multi-stage or gradually under, for example, a condition in which the energization current density is changed, so that the low porosity surface layer, the high porosity layer, An intermediate porosity layer is formed in which the porosity is increased stepwise or inclined from the surface layer toward the high porosity layer. In this way, the strain between the surface layer and the high porosity layer is further relaxed, and an epitaxial semiconductor film with good crystallinity can be epitaxially grown more reliably.
[0039]
By the way, the separation surface can be formed by applying a large strain due to the difference in lattice constant at the interface between the release layer having a large porosity performed last and the buffer layer having a low porosity performed immediately before. If the device is devised when anodizing is performed, the separation surface is more easily separated. It is the last anodization with a high current density. For example, it is not energized for a period of 3 seconds, but after an energization for 1 second, the anodization is temporarily stopped and left for about 1 minute after the required time has elapsed. After that, the anodization is stopped by energizing for 1 minute at the same or different high current density, and after leaving the required time, for example, after leaving for about 1 minute, the energization is again performed for 1 second at the same or different high current density. This is a method of intermittently energizing to stop the anodization. When an appropriate anodization condition is selected using this method, a release layer is formed at the interface with the semiconductor substrate, that is, the lowermost surface of the porous layer, and the separation surface is the inside of the intermediate porous layer, that is, the buffer layer as described above. Instead, they are separated at the interface of the porous layer with the semiconductor substrate. The surface of the semiconductor substrate side is electropolished.
[0040]
In this case, the highly porous layer where distortion occurs in the porous layer and the surface are separated as much as possible, and the buffer effect by the intermediate porosity layer is maximized, and the epitaxial semiconductor has good crystallinity. A film can be formed. In addition, since the intermediate porous layer is formed only on the surface side in this way, the entire thickness of the porous layer can be reduced, and the consumption thickness of the semiconductor substrate for forming this porous layer is reduced. Therefore, the number of repeated use of the semiconductor substrate can be increased.
[0041]
As described above, by selecting the anodizing conditions, a large strain can be applied to the separation surface, and the influence of this strain can be prevented from being applied to the epitaxial growth surface of the semiconductor film.
[0042]
Further, in order to perform semiconductor epitaxial growth on the porous layer with good crystallinity, it is desired to reduce the micropores that become seeds for crystal growth on the surface layer of the porous layer. As one of means for reducing the micropores in the surface layer as described above, there is a method of increasing the HF concentration in the electrolytic solution in anodizing. That is, in this case, first, in the low current anodization for forming the surface layer, an electrolytic solution having a high HF concentration is used. Next, an intermediate porosity layer serving as a buffer layer is formed. After that, the HF concentration of the electrolytic solution is lowered, and finally anodization with a high current density is performed. By doing so, the fine pores of the surface layer can be made finer, so that an epitaxial semiconductor film with good crystallinity can be formed thereon, and in the high porosity layer, Since the porosity can be made sufficiently high, the epitaxial semiconductor film can be peeled off satisfactorily.
[0043]
The change of the electrolytic solution in the anodization of the porous layer is, for example, as the electrolytic solution in the formation of the surface layer, for example, HF: C2HFiveAnodization using an electrolytic solution with OH = 2: 1 is performed, and in forming an intermediate porosity layer as a buffer layer, an electrolytic solution having a slightly lower HF concentration, for example, HF: C2HFiveWhen anodization using an electrolytic solution with OH = 1: 1 is performed and a high porosity layer is formed, the electrolytic solution is further reduced in HF concentration, for example, HF: C2HFiveAnodization with a high current density is performed using an electrolytic solution of OH = 1: 1 to 1: 2.
[0044]
In the formation of the porous layer described above, when the current density is changed from the formation of the surface layer to the formation of the intermediate porosity layer, the anodization is temporarily stopped and then energization for the next anodization is started. It can also be carried out by changing the current density continuously without stopping anodization, that is, without stopping energization.
[0045]
Moreover, when performing anodization, it is preferable to carry out in the dark place which blocked light. This is because when the light is irradiated, the surface of the porous layer becomes uneven, making it difficult to obtain an epitaxial semiconductor film with good crystallinity.
[0046]
The anodized porous silicon layer can be used as a visible light emitting device. In this case, it is preferable to perform anodization while irradiating light contrary to the above, thereby increasing the light emission efficiency. Further, when oxidized, a blue shift occurs in the wavelength. Further, the semiconductor substrate may be p-type or n-type, but is preferably a high-resistance substrate that does not introduce impurities.
[0047]
Through the above steps, a semiconductor substrate having a porous layer formed on the surface (one side or both sides) can be obtained. The film thickness of the entire porous layer is not particularly limited, but can be 1 to 50 μm, preferably 3 to 15 μm, and usually about 8 μm. The total thickness of the porous layer is preferably as thin as possible so that the semiconductor substrate can be used as repeatedly as possible.
[0048]
Moreover, it is preferable to anneal the porous layer prior to forming the semiconductor film on the porous layer. This annealing can include heat treatment in a hydrogen gas atmosphere, that is, hydrogen annealing. When performing this hydrogen annealing, the natural oxide film formed on the surface of the porous layer can be completely removed, and oxygen atoms in the porous layer can be removed as much as possible, and the surface of the porous layer becomes smooth. An epitaxial semiconductor film having good crystallinity can be formed. At the same time, the pretreatment can further weaken the strength of the interface between the high porosity layer and the intermediate porosity layer, and the epitaxial semiconductor film can be more easily separated from the substrate. In this case, the hydrogen annealing is performed in a temperature range of about 950 ° C. to 1150 ° C., for example.
[0049]
In addition, if the porous layer is oxidized at a low temperature before hydrogen annealing, the inside of the porous layer is oxidized, so that a large structural change occurs in the porous layer even if thermal annealing is performed in a hydrogen gas atmosphere. Absent. That is, it becomes difficult for the strain from the release layer to be transmitted to the surface of the porous layer, and a high-quality crystalline epitaxial semiconductor film can be formed. In this case, the low-temperature oxidation can be performed in a dry oxidation atmosphere at 400 ° C. for about 1 hour, for example.
[0050]
Then, as described above, the semiconductor is epitaxially grown on the porous layer surface. In the epitaxial growth of this semiconductor, since the porous layer formed on the surface of the single crystal semiconductor substrate is porous, it maintains its crystallinity, so that it can be epitaxially grown on this porous layer. The epitaxial growth on the surface of the porous layer can be performed, for example, at a temperature of 700 ° C. to 1100 ° C., for example, by a CVD method.
[0051]
In both of the above-described hydrogen annealing and semiconductor epitaxial growth, a method of heating the semiconductor substrate to a predetermined substrate temperature can be a so-called susceptor heating method, or heating by direct current flow to the semiconductor substrate itself. It is possible to adopt an electric heating method or the like.
[0052]
The semiconductor film grown on the porous layer can be a single-layer semiconductor film or a multilayer semiconductor film formed by stacking a plurality of semiconductor layers. The semiconductor film may be the same material as the semiconductor substrate or a different material. For example, a single-crystal Si semiconductor substrate is used, and a compound layer such as Si or GaAs or a silicon compound such as Si is used for the porous layer formed on the surface thereof.1-yGeyVarious epitaxial growths can be performed, for example, by epitaxially growing them, or by appropriately combining and laminating them.
[0053]
Further, n-type or p-type impurities can be introduced into the semiconductor film during the growth. Alternatively, after the semiconductor film is formed, impurities can be introduced over the entire surface or selectively by ion implantation, diffusion, or the like. In this case, the conductivity type, impurity concentration, and type are selected according to the purpose of use.
[0054]
Further, the thickness of the semiconductor film can be appropriately selected according to the use of the thin film semiconductor. For example, when the semiconductor integrated circuit is formed on a thin film semiconductor, the operating layer of the semiconductor element has a thickness of about several μm, and thus can be formed to a thickness of about 5 μm, for example.
[0055]
The surface of the epitaxial semiconductor film obtained as described above has a slight unevenness, and an exposure apparatus for exposing the photoresist in a photolithography process, for example, performed in the process of forming a circuit element or an integrated circuit on the semiconductor film. In the case where inconvenience such as a decrease in the accuracy of mask alignment occurs, it is preferable to polish the surface of the semiconductor film. In this case, since the porous layer is fragile and weak, weak polishing is performed so as not to burden the porous layer.
[0056]
Next, in the case of configuring a semiconductor device, a circuit element or an integrated circuit is formed on a semiconductor film. For example, a semiconductor element such as a DRAM (Dynamic Random Access Memory) or a CMOS (Complementary Matal Oxide Semiconductor) or an integrated circuit combining these elements is formed. These circuit elements or integrated circuits can usually be obtained by general semiconductor manufacturing techniques. For example, all circuits that can be formed on a semiconductor substrate using a diffusion furnace, ion implantation apparatus, exposure apparatus, CVD (chemical vapor deposition) apparatus, sputtering apparatus, cleaning apparatus, dry etching apparatus, epitaxial growth apparatus, etc. It can be applied to an element or an integrated circuit. In addition, as a circuit element or an integrated circuit, for example, each semiconductor element such as a diode or a transistor, a digital or analog IC, a flash memory, or the like can be used, for example, a solar cell.
[0057]
As described above, the thin film semiconductor device in which a circuit element or an integrated circuit is formed on a semiconductor film is preferably covered entirely with an insulating layer.
[0058]
Thus, after forming a circuit element or an integrated circuit, a support substrate is joined to this semiconductor film, that is, a thin film semiconductor device. The support substrate is not limited in its type such as a resin substrate, a glass substrate, a metal substrate, and a ceramic substrate. For example, the IC card may be configured by being attached to a flexible substrate or a cover sheet that constitutes the IC card. Further, a circuit element or an integrated circuit can also be formed on the support substrate, and can be constituted by a printed circuit board or the like. This support substrate bonding method can be performed by, for example, bonding with an adhesive, solder, adhesive, or the like, and the bonding strength is equal to or higher than the peeling strength through the porous layer performed later, that is, the force required for peeling. Therefore, the bonding strength is such that the bonding does not break, and a bonding agent is used which exhibits an adhesive strength that can be used to integrate the supporting substrate and the semiconductor film and peel the semiconductor film from the semiconductor substrate.
[0059]
Thus, after integrating a support substrate and a semiconductor film, a porous layer is peeled from this by a destruction inside. This peeling is easily separated in the porous layer having the highly porous layer.
[0060]
A porous layer may remain on the peeled surface of the semiconductor film thus peeled from the semiconductor substrate, and this porous layer is removed by polishing, etching or the like, if necessary. To do. Further, it may be left without being removed. Alternatively, a protective film may be attached or a protective substrate such as a resin substrate may be bonded to protect the peeling surface.
[0061]
A thin film semiconductor manufactured as described above or a semiconductor device using the thin film semiconductor has a circuit element or an integrated circuit formed on a thin film semiconductor by an extremely thin epitaxial growth, and is flexible and thin. For example, it can be applied to an electronic device such as an IC card and a portable device, and is adapted to lightness, thinness and smallness in recent years.
[0062]
On the other hand, the separated semiconductor substrate is used again after its surface is polished. For example, since the thickness of the substrate consumed for manufacturing one thin film semiconductor device is about 3 to 20 μm, the thickness consumed even after 10 repeated uses is about 30 to 200 μm. Therefore, since an expensive single crystal semiconductor substrate can be used repeatedly, the method of the present invention can manufacture a thin film semiconductor device with extremely low cost and low energy. If the epitaxial growth for the amount consumed on the surface of the semiconductor substrate is performed, the same semiconductor substrate can be used permanently, and a thin film semiconductor device can be manufactured at low cost and low energy.
[0063]
Next, examples of the present invention will be described. However, the present invention is not limited to this embodiment.
[0064]
[Example 1]
1 and 2 show process diagrams of this embodiment.
First, a wafer-like semiconductor substrate 11 made of single crystal Si doped with boron at a high concentration and having a specific resistance of, for example, 0.01 to 0.02 Ωcm was prepared (FIG. 1A).
.
Then, the surface of the semiconductor substrate 11 was anodized to form a porous layer on the surface of the semiconductor substrate 11. In this example, anodization was performed using the two-tank structure anodizing apparatus described in FIG. That is, a semiconductor substrate 11 made of single crystal Si is disposed between the first and second tanks 1A and 1B, and both tanks 1A and 1B are both HF: C.2HFiveOH = 1: 1 was injected. Then, a current was passed by the DC power source 2 between the Pt electrodes 3A and 3B immersed in the electrolytic solutions 4 of the electrolytic solution tanks 1A and 1B.
[0065]
First, the current density is 1 mA / cm.2This was energized for 8 minutes. As a result, a surface layer 12S constituting a porous layer having fine pores with a small diameter, a dense porosity of 16%, and a thickness of 1.7 μm was formed (FIG. 1B). If the micropores on the surface of the porous layer are small, H to be performed later2By annealing, the surface of the porous layer becomes flatter and smoother, and there is an effect that the crystallinity of the Si epitaxial semiconductor film epitaxially grown on the surface is further improved.
Thereafter, the energization is temporarily stopped. Next, the current density is 7 mA / cm.2As a result, energization was performed for 8 minutes. Thus, an intermediate porosity layer 12M having a porosity of 26% and a thickness of 6.3 μm was formed under the surface layer 12S (FIG. 1C).
Thereafter, the energization is stopped again. Next, the current density is 200 mA / cm.2And then energized for 3 seconds. In this way, the porosity of about 60% of the porosity higher than that of the surface layer 12S and the intermediate porosity layer 12M so as to be sandwiched from above and below by the intermediate porosity layer 12M. Thus, a high porosity layer 12H having a thickness of about 0.05 μm is formed (FIG. 1D). In this way, the porous layer 12 is formed by the surface layer 12S, the intermediate porosity layer 12M, and the high porosity layer 12H.
[0066]
The porous layer 12 thus formed has a large difference in porosity between the intermediate porosity layer 12M and the high porosity layer 12H, so that a large strain is generated at these interfaces and in the vicinity of the interfaces, and the strength in the vicinity thereof is extremely high. Weakens. However, this strain acts as a buffer due to the presence of the intermediate porosity layer 12M between the high porosity layer 12H and the surface layer 12S, and the surface of the porous layer is greatly affected by this strain. The effect of distortion can be mitigated. Therefore, this strain can effectively avoid the influence of the epitaxial growth performed later on the porous layer on the crystallinity.
[0067]
Thereafter, in a normal pressure Si epitaxial growth apparatus in which epitaxial growth performed later is performed, the semiconductor substrate 11 having the porous layer 12 is made to be H2Heating at 1100 ° C., that is, annealing treatment was performed in the atmosphere. In this annealing, the temperature was raised from room temperature to 1100 ° C. over about 20 minutes, and annealing was performed at 1100 ° C. for about 30 minutes. This H2Annealing makes the surface layer of fine holes with a small diameter flat and smooth. At the same time, in the porous layer 12, the separation strength became even weaker in the vicinity of the interface between the intermediate porosity layer 12 </ b> M and the high porosity layer 12 </ b> H.
[0068]
Then H2 In the annealed atmospheric Si epitaxial growth apparatus, Si was epitaxially grown on the porous layer 12, that is, the surface layer 12S, to form the Si semiconductor film 13 (FIG. 2E). This epitaxial growth is the same as the previous H2 The annealing temperature in the atmosphere is lowered from 1100 ° C. to 1030 ° C., and SiHFourSi epitaxial growth using gas was performed for 17 minutes. As a result, a Si epitaxial semiconductor film 13 having excellent crystallinity and a thickness of about 5 μm was formed on the porous layer 12.
[0069]
At this time, if the surface of the Si epitaxial semiconductor film 13 is uneven, this surface is polished. The high-porosity layer 12H has the above-described strain and is made into a frost column shape with a high porosity, so that it is weakened and the separation strength is very weak. Polishing was performed. As a result, the surface of the epitaxial semiconductor film 13 became flatter. By doing in this way, it can perform with higher precision, for example in mask alignment of an exposure apparatus.
[0070]
The semiconductor film 13 is separated from the semiconductor substrate 11. First, a support substrate 61 made of a PET (polyethylene terephthalate) sheet is bonded onto the semiconductor film 13 via an adhesive 60 (FIG. 2F).
[0071]
The adhesive strength of the support substrate 61 at this time is set to a strength stronger than the separation strength from the semiconductor substrate 11 by the porous layer 12, that is, an adhesive strength that does not cause the support substrate 61 to be peeled off during the separation.
[0072]
Next, an external force is applied between the semiconductor substrate 11 and the support substrate 61 in a direction to separate them. Thus, as described above, separation occurs at or near the high-porosity layer 12H of the porous layer 12 having weak strength, and the semiconductor film 13 in which an integrated circuit is formed from the semiconductor substrate 11 together with the support substrate 61 is formed. It is peeled off (FIG. 2G).
[0073]
In this way, the flexible semiconductor film 13 having a thickness of, for example, 5 μm and formed on the flexible substrate 61 is formed.
[0074]
In this case, the separation surface of the semiconductor substrate 11 from the semiconductor film 13 has the above-described H2 There is a porous film 22 having a thickness of 5 μm due to the remaining porous layer 12 recrystallized by annealing in the atmosphere.
[0075]
The porous film 22 remaining on the semiconductor substrate 11 is removed by etching. The porous film 22 is etched by chemicals, in this example, hydrofluoric acid, that is, hydrofluoric acid HF and nitric acid HNO.ThreeAnd water H2 The semiconductor substrate 11 is immersed in an etching solution using a mixed solution with O. In this way, the porous film 22 is removed by etching (FIG. 2H).
[0076]
Further, this semiconductor substrate 11 is subjected to electropolishing using the anodizing apparatus shown in FIG. In this case, both tanks 1A and 1B have both HF: C2 HFiveAn electrolytic solution with OH = 1: 2 is injected. And, 200 mA / cm between the Pt electrodes 3A and 3B2For 15 seconds. At this time, the surface of the semiconductor substrate 11 was electrolytically polished, and a surface with good crystallinity was exposed on the substrate surface.
[0077]
In this manner, the semiconductor substrate 11 having a surface with good crystallinity is reused, and the steps described with reference to FIGS. 1 and 2 described above are repeated, whereby a plurality of thin film semiconductors can be obtained.
[0078]
[Example 2]
Also in this example, the process described in FIGS. 1A to 1D is performed in the same manner as in Example 1, and the surface layer 12S and the intermediate porosity layer 12M are formed on the surface of the semiconductor substrate 11 with a high porosity. The porous layer 12 formed with the rate layer 12H is formed.
[0079]
In this example, after the porous layer 12 was formed, annealing was performed at 400 ° C. for 1 hour in an oxygen atmosphere using a diffusion furnace. By this treatment, the inside of the porous layer 12 is oxidized, and the H which is performed thereafter2 It is possible to prevent a large structural change from occurring in the porous layer even by annealing in the atmosphere, and to more effectively avoid the influence of the strain generated near the interface of the high porosity layer 12H on the surface layer 12S. Can do.
[0080]
After that, as in Example 1, the atmospheric pressure Si epitaxial growth apparatus was used to produce H2 Annealing was performed in an atmosphere, and then a semiconductor film 13 having excellent crystallinity with a thickness of 5 μm was formed by Si epitaxial growth as in Example 1 (FIG. 2E).
[0081]
Even in this case, if the surface of the Si epitaxial semiconductor film 13 is uneven, this surface is polished. The high-porosity layer 12H has the above-described strain and is made into a frost column shape with a high porosity, so that it is weakened and the separation strength is very weak. Polishing was performed. As a result, the surface of the epitaxial semiconductor film 13 became flatter. By doing in this way, it can perform with higher precision, for example in mask alignment of an exposure apparatus.
[0082]
The semiconductor film 13 is separated from the semiconductor substrate 11 by the same method as in the first embodiment. (FIG. 2F, FIG. 2G).
[0083]
In this manner, the flexible semiconductor film 13 having a thickness of, for example, 5 μm and formed on the flexible substrate 61 is formed as in the first embodiment.
[0084]
Also in this case, the separation surface of the semiconductor substrate 11 from the semiconductor film 13 is not limited to the H described above.2 There is a porous film 22 having a thickness of 5 μm due to the remaining porous layer 12 recrystallized by annealing in the atmosphere.
[0085]
Thereafter, in this embodiment, the porous film 22 remaining on the semiconductor substrate 11 is replaced with hydrofluoric acid and hydrogen peroxide H.2 O2 And water H2 Etching is removed by immersing the semiconductor substrate 11 in an etching solution of a mixed solution with O (FIG. 2H).
[0086]
Further, this semiconductor substrate 11 is subjected to electropolishing using the anodizing apparatus shown in FIG. In this case, both tanks 1A and 1B have both HF: C2 HFiveAn electrolytic solution with OH = 1: 2 is injected. And, 200 mA / cm between the Pt electrodes 3A and 3B2For 15 seconds. At this time, the surface of the semiconductor substrate 11 was electrolytically polished, and a surface with good crystallinity was exposed on the substrate surface.
[0087]
In this manner, a plurality of thin film semiconductors can be obtained by reusing the semiconductor substrate 11 having a surface with good crystallinity and repeating the same process.
[0088]
Next, an embodiment of manufacturing the solar cell according to the present invention will be described.
[0089]
Example 3
3 to 4, in this embodiment, the surface layer is formed by anodizing the surface of the semiconductor substrate 11 by performing the steps shown in FIGS. The porous layer 12 is formed by 12S, the intermediate porosity layer 12M, and the high porosity layer 12H formed therein. And the same H as explained in Example 12 Annealing was performed in the atmosphere, and then the semiconductor film 13 was epitaxially grown (FIG. 3A). The semiconductor film 13 in this embodiment is p+-P--N+With a three-layer structure.
[0090]
The epitaxial growth of the semiconductor film 13 is H2 In the atmospheric pressure Si epitaxial growth apparatus that has been annealed in the atmosphere, SiHFourGas and B2H6Epitaxial growth using gas is performed for 3 minutes, and boron B is 1019atoms / cmThreeP doped in+A first semiconductor layer 131 made of Si is formed, and then B2H6By changing the gas flow rate, Si epitaxial growth is performed for 10 minutes, and boron B is 1016atoms / cmThreeP doped at low concentration-A second semiconductor layer 132 made of Si is formed, and B2 H6PH instead of gasThreeGas is supplied and epitaxial growth is performed for 4 minutes.-On the epitaxial semiconductor layer 132, phosphorus P is 1019atoms / cmThreeHighly doped n+A third semiconductor layer 133 made of Si is formed, and p made of the first to third epitaxial semiconductor layers 131 to 133 is formed.+-P--N+A semiconductor film 13 having a structure was formed.
[0091]
Next, in this embodiment, SiO 2 is formed on the semiconductor film 13 by surface thermal oxidation.2A film, that is, a transparent insulating film 16 is formed, and pattern etching by photolithography is performed to form an opening 16W that makes contact with an electrode or wiring (FIG. 3B). The openings 16W can be formed in parallel with a stripe shape extending in a direction orthogonal to the paper surface in the drawing while maintaining a required interval. SiO formed in this way2The film can minimize the generation of carriers and recombination at the interface.
[0092]
Then, a metal film is deposited on the entire surface, and pattern etching by photolithography is performed to form electrodes or wirings 17 on the light receiving surface side along the stripe-shaped openings 16W (FIG. 4C). The metal film forming this electrode or wiring 17 is a multilayer formed by, for example, sequentially depositing a Ti film with a thickness of 30 nm, Pd with a thickness of 50 nm, and Ag with a thickness of 100 nm, and further performing Ag plating thereon. It may be constituted by a structural film. Thereafter, annealing was performed at 400 ° C. for 20 to 30 minutes.
[0093]
Next, in this embodiment, a conductive wire 41, a metal wire in this embodiment is joined to the striped electrodes or wirings 17 along these, respectively, and a transparent adhesive 21 is used on the conductive wire 41. The substrate 42 is bonded (FIG. 4D). Bonding of the conductive member 41 to the electrode or the wiring 17 can be performed by soldering. These conductive wires 41 are led out outward by making one end or the other end longer than the electrode or wiring 17.
[0094]
Thereafter, an external force is applied to the semiconductor substrate 11 and the transparent substrate 42 to separate them from each other. In this way, the semiconductor substrate 11 and the epitaxial semiconductor film 13 are separated at or near the fragile high porosity layer 12H of the porous layer 12, and the thin film in which the epitaxial semiconductor film 13 is bonded on the transparent substrate 42. A semiconductor 23 is obtained (FIG. 5E).
[0095]
In this case, although the porous layer 12 remains on the back surface of the thin film semiconductor 23, a silver paste is applied on the porous layer 12, and a metal plate is further bonded to form the other back electrode 24. In this way, p is applied to the transparent substrate 42.+-P--N+A solar cell in which a thin film semiconductor 23 having a structure is formed is formed (FIG. 5F). The metal electrode 24 also functions as an element layer protective film on the back surface of the solar cell.
[0096]
In the solar cell thus formed, the light receiving side electrode or the wiring 17 is covered with the transparent substrate 42, but the electrical external derivation from this is performed by the conductive wire 41. Can be easily connected. Further, for example, as in the above-described embodiment, the conductive line 41 is led out from each of the plurality of electrodes or wirings 17 that are in contact with the epitaxial semiconductor film 13, that is, the active part of the solar cell. Thus, the series resistance of the solar cell can be made sufficiently small.
[0097]
Then, the same etching and electrolytic etching as in Example 1 are performed on the solar cell, that is, the semiconductor substrate 11 from which the semiconductor film 13 has been peeled off.
That is, the porous film 22 is removed by etching with hydrofluoric acid, and the semiconductor substrate 11 is electropolished using the anodizing apparatus shown in FIG. In this case, both tanks 1A and 1B have both HF: C2 HFiveAn electrolytic solution with OH = 1: 2 is injected. And, 200 mA / cm between the Pt electrodes 3A and 3B2For 15 seconds. At this time, the surface of the semiconductor substrate 11 was electrolytically polished, and a surface with good crystallinity was exposed on the surface of the substrate (FIG. 6).
[0098]
In this way, a plurality of solar cells can be obtained by repeating the process of forming the semiconductor film 13 similar to that described above on the semiconductor substrate 11 having a surface with good crystallinity exposed.
[0099]
In each of the above-described examples, the epitaxial semiconductor film is peeled off from the semiconductor substrate 11 by applying an external force that separates the epitaxial semiconductor films from each other. However, in some cases, the epitaxial semiconductor film can be peeled off by ultrasonic vibration.
[0100]
In each of the examples described above, when the current density is large in the anodization or when the semiconductor, for example, Si is peeled off due to a long-time energization, the silicon waste is generated and adhered to the electrolytic solution tank, etc. in the apparatus. Then, after removing the semiconductor substrate 11, unnecessary Si deposits can be dissolved and removed by injecting a hydrofluoric acid solution into the tank.
The apparatus for performing anodization is not limited to the example of FIG. 7, and an apparatus for immersing a semiconductor substrate in a single tank structure can be used.
[0101]
In addition, the above-described thin film solar cell is repeatedly manufactured by epitaxially growing a semiconductor having a thickness corresponding to the reduced thickness on a semiconductor substrate whose thickness is reduced by manufacturing the thin film semiconductor and the solar cell. By doing so, since the same semiconductor substrate can be used permanently, a solar cell can be manufactured at lower cost and lower energy.
[0102]
According to the manufacturing method of the present invention described above, the semiconductor substrate is formed with a porous layer on the surface, the semiconductor is epitaxially grown on the semiconductor layer, and the semiconductor substrate is peeled off. However, since the surface of the semiconductor substrate is removed by etching and electrolytic etching after the formation and peeling of the epitaxial semiconductor film described above, the target thin film semiconductor is repeatedly used again. That is, since a plurality of various thin-film semiconductor devices, for example, flexible semiconductor devices, can be manufactured, it can be manufactured at low cost.
[0103]
Further, although the semiconductor substrate 11 is thinned by forming the porous layer, the thickness of the semiconductor substrate 11 is compensated by epitaxially growing a semiconductor having a thickness corresponding to the thickness reduction. You can also. Further, when the thickness is not compensated when the thickness is not compensated, the semiconductor substrate itself can be used as a thin film semiconductor, and for example, a solar cell can be manufactured. Therefore, the semiconductor substrate can be used almost without waste without finally becoming ineffective, and this can also reduce the cost.
[0104]
In the production method of the present invention, when electrolytic etching is finally performed, the next porous layer 12 forming step can be performed continuously thereafter.
[0105]
Further, according to the above-described manufacturing method, after the support substrate 42 is bonded onto the semiconductor film 13 to integrate the substrate and the epitaxial semiconductor film, the substrate is peeled off from the semiconductor substrate together with the epitaxial semiconductor film. Therefore, there are no restrictions on the type of this substrate, and flexible printed circuit boards, rigid printed circuit boards, metal plates, ceramics, glass, resins, etc., which have never been considered by conventional common sense in semiconductor technology A thin film single crystal semiconductor can be formed thereon, or a solar cell can be formed.
[0106]
In addition, when a method of epitaxially growing a semiconductor layer on a porous layer having a single porosity is used, in order to improve the crystallinity of the semiconductor film, the porosity of the porous layer serving as the nucleus of crystal growth Since it is necessary to reduce the rate, it is necessary to reduce the current density and increase the HF mixing ratio of the electrolytic solution after anodization. However, when the porosity is lowered as described above, the porous layer becomes hard and separation of the epitaxial semiconductor film becomes difficult. Therefore, in order to increase the porosity in order to weaken the separation strength, for example, if the current density is increased and the HF mixing ratio of the electrolytic solution is reduced in the anodizing conditions, separation is facilitated in this case. The crystallinity of the epitaxial semiconductor film is extremely deteriorated. However, when the above-described method is used, the porosity of the surface portion of the porous layer is reduced to form a porous layer having a two-sided property that the porosity inside the porous layer is large. The epitaxial semiconductor film can be satisfactorily formed thereon, and the epitaxial semiconductor film can be easily separated. For example, it is possible to form a porous layer that is weak enough to be easily separated by ultrasonic waves.
[0107]
In addition, the higher the porosity layer formed in the porous layer, the easier the peeling is as the porosity is increased, but the greater the strain, the greater the influence on the surface layer of the porous layer. For this reason, a crack may arise in a surface layer. In addition, when performing epitaxial growth, it causes a defect in the epitaxial semiconductor film. However, in the above-described method, an intermediate porosity having a slightly higher porosity than the surface layer is used as a buffer layer that relieves strain generated from these layers between the layer having a very high porosity and the surface layer having a low porosity. By forming the rate layer, it is possible to form a high-quality epitaxial semiconductor film that is easy to peel off.
[0108]
Further, in the anodization at a high current density in the above method, when the current is intermittently passed, a high porosity layer can be formed in the porous substrate side interface or in the vicinity thereof, In this case, the surface and the highly porous layer serving as the peeling layer can be separated as much as possible, so that the buffer layer can be thinned, and accordingly the thickness of the porous layer is reduced, and the thickness of the semiconductor substrate is reduced. Consumption can be reduced, and the cost can be further reduced.
[0109]
In addition, when anodizing at a low current density, by gradually increasing the current, the porosity of the buffer layer between the surface layer and the release layer of the porous layer is gradually increased toward the inside. Can further improve the function of the buffer layer.
[0110]
Moreover, a porous layer can be easily formed by performing anodization in the electrolytic solution containing hydrogen fluoride and ethanol, or the liquid mixture of hydrogen fluoride and methanol. In this case, when changing the current density of the anodization, the range of adjusting the porosity is further increased by changing the composition of the electrolytic solution.
[0111]
Further, if the irradiation of light during anodization is avoided, the generation of irregularities on the surface of the porous layer can be reduced or avoided, and an epitaxial semiconductor film having good crystallinity can be formed.
[0112]
Further, by forming the porous layer and then heating in a hydrogen gas atmosphere, the surface of the surface layer of the porous layer became smooth, and an epitaxial semiconductor film having good crystallinity could be formed.
In addition, after the porous layer is formed and before the heating step in the hydrogen gas atmosphere, the porous layer is thermally oxidized to oxidize the inside of the porous layer. Even if applied, it is difficult for a large structural change to occur in the porous layer, and strain from the inside is hardly transmitted to the surface of the porous layer, so that an epitaxial semiconductor film with good crystallinity can be formed.
[0113]
【The invention's effect】
According to the above-described manufacturing method of the present invention, a porous layer is formed on the surface of a semiconductor substrate, a semiconductor film is grown on the porous layer, and the thin film having excellent crystallinity is peeled off from the semiconductor substrate in the porous layer. Semiconductors can be manufactured easily, reliably and inexpensively. However, in the present invention, the remaining semiconductor substrate can be reused by removing the porous layer. It is used and can be configured at a lower cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a process diagram (part 1) of an embodiment of the method of the present invention;
A to D are sectional views of the respective steps.
FIG. 2 is a process diagram (part 2) of an embodiment of the method of the present invention;
EH is sectional drawing of each process.
FIG. 3 is a process chart (part 1) of another embodiment of the method of the present invention;
A and B are sectional views of the respective steps.
FIG. 4 is a process diagram (2) of another embodiment of the method of the present invention;
C and D are sectional views of the respective steps.
FIG. 5 is a process diagram (3) of another embodiment of the method of the present invention;
EF is sectional drawing of each process.
FIG. 6 is a process diagram (part 4) of another embodiment of the method of the present invention;
FIG. 7 is a configuration diagram of an example of an anodizing apparatus for carrying out the method of the present invention.
[Explanation of symbols]
11 Semiconductor substrate, 12 Porous layer, 12M Intermediate porosity layer, 12H High porosity layer, 13 Semiconductor film, 131 First semiconductor film, 132 Second semiconductor film, 133 Third semiconductor film, 41 Conductive line, 42 Transparent substrate

Claims (9)

半導体基体表面を、陽極化成の電流密度を順次大きくなるように3段階に変化させて段階的に、多孔質の表面層と、該表面層下に形成され該表面層に比し多孔率が大きい中間多孔率層と、該中間多孔率層内部上記表面層および上記中間多孔率層に比し多孔率が大きい高多孔率層とを形成した多孔質層に変化させる工程と、
その後、H雰囲気中でアニール処理して、上記多孔質層表面を滑らかにし、上記高多孔率層と上記中間多孔率層との界面の強度を弱める工程と、
上記多孔質層に半導体膜を形成する工程と、
上記半導体膜を上記多孔質層を介して上記半導体基体から剥離する工程と、
上記多孔質層の上記半導体基体に残存する多孔質膜を化学薬品によるエッチングによって除去する多孔質層の除去工程と
を有することを特徴とする薄膜半導体の製造方法。
The surface of the semiconductor substrate is changed in three stages so that the anodization current density is increased in order, and the porosity is increased in a stepwise manner compared to the porous surface layer and the surface layer formed under the surface layer. Changing to a porous layer formed with an intermediate porosity layer, and the surface layer inside the intermediate porosity layer and a high porosity layer having a higher porosity than the intermediate porosity layer;
Thereafter, the then annealed in an H 2 atmosphere, to smooth the surface of the porous layer, weakening the strength of the interface between the high porosity layer and the intermediate porosity layer step,
Forming a semiconductor film on the porous layer;
Peeling the semiconductor film from the semiconductor substrate through the porous layer;
And a step of removing the porous layer of the porous layer remaining on the semiconductor substrate by etching with chemicals.
上記半導体基体に残存する多孔質膜のエッチングによる除去工程の後に陽極化成による電解エッチングを行う
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
The method for producing a thin film semiconductor according to claim 1, wherein electrolytic etching by anodization is performed after the step of removing the porous film remaining on the semiconductor substrate by etching.
上記化学薬品は、フッ硝酸の混合液、あるいはフッ硝酸と酢酸の混合液、またはフッ硝酸と過酸化水素水との混合液とする
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
2. The method of manufacturing a thin film semiconductor according to claim 1, wherein the chemical is a mixed solution of hydrofluoric acid, a mixed solution of hydrofluoric nitric acid and acetic acid, or a mixed solution of hydrofluoric nitric acid and hydrogen peroxide. .
上記多孔質層に形成する半導体膜がエピタキシャル半導体膜である
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
The method for producing a thin film semiconductor according to claim 1, wherein the semiconductor film formed on the porous layer is an epitaxial semiconductor film.
上記半導体膜に回路素子もしくは集積回路を形成した後、上記半導体膜を上記多孔質層を介して上記半導体基体から剥離する工程を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
2. The method of manufacturing a thin film semiconductor according to claim 1, wherein after forming a circuit element or an integrated circuit on the semiconductor film, a step of peeling the semiconductor film from the semiconductor substrate through the porous layer is performed. .
上記半導体基体が、Si,SiGe,GaAs,GaPのいずれかによる
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
The method of manufacturing a thin film semiconductor according to claim 1, wherein the semiconductor substrate is made of any one of Si, SiGe, GaAs, and GaP.
上記多孔質層に半導体膜を形成する工程の後に、上記半導体膜表面を平坦研磨する工程を経る
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
The method for producing a thin film semiconductor according to claim 1, wherein after the step of forming a semiconductor film on the porous layer, a step of flat polishing the surface of the semiconductor film is performed.
上記多孔質層に半導体膜を形成する工程の後に、上記半導体膜上に接着剤を介して支持基板を接合する工程を経て後、上記半導体膜を上記多孔質層を介して上記半導体基体から剥離する工程を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体の製造方法。
After the step of forming the semiconductor film on the porous layer, the step of bonding a support substrate onto the semiconductor film via an adhesive, and then peeling the semiconductor film from the semiconductor substrate via the porous layer The method for manufacturing a thin film semiconductor according to claim 1, wherein the step of:
上記支持基板がポリエチレンテレフタレートシートより成る
ことを特徴とする請求項8に記載の薄膜半導体の製造方法。
The method for manufacturing a thin film semiconductor according to claim 8, wherein the support substrate is made of a polyethylene terephthalate sheet.
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