JP4412138B2 - 発光検出装置 - Google Patents
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Description
このコロナ放電を検出する装置としては、例えば特許文献1に記載されている検出装置がある。この検出装置では、コロナ放電が発生する際の超音波音を検出し、その検出に基づき音響の発生方向を特定してコロナ放電の有無及び位置を検出する。
また、磁歪振動音等が放電音に近似することから、コロナ放電が無いにもかかわらずコロナ放電を検出したと誤検出することがある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、より正確に且つより簡易な構成でコロナ放電等による異常発光の検出が可能な発光検出装置を提供することを課題としている。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した発光検出装置において、前記光学フィルタは、波長240nm〜280nmの範囲に存在する1または2以上のNe(ネオン)の輝線を通過させる狭帯域通過フィルタであることを特徴とするものである。
まず、放電現象と紫外線について説明する。
放電現象は、電磁波や超音波のほかに紫外線の放出を伴うことが知られている。放電は電界の影響を受けて励起状態になった気体の原子が自由電子を放出しイオン化されることによって引き起こされる。この時、イオン化された原子が自由電子を受け取って励起状態から基底状態に戻る過程で光が放射される。
ここで、電子の軌道がn=iからn=jに遷移した場合に放射される光の波長は次の式(1)で与えられる。
ここで、本願発明者は、各原子のイオン化電圧は、下記式(2)で与えられることに着目し、式(1)と式(2)からイオン化電圧が既知の気体の発光波長は下記式(3)で求めることができると考えた。
なお、以下の全実施形態では、紫外線発光の検出による発光検出装置の例として、コロナ放電の検出を行う放電検出装置を説明する。もちろん、何らかの不具合によって紫外線発光を発生する部位の検出であれば、コロナ放電の検出に限定されない。
まず、本実施形態の放電検出装置の構造について説明する。図3は、本装置の構成概要図である。
イメージインテンシファイア4Aは、可視化変換手段を構成し、微弱な紫外線像を検知・増倍してコントラストのついた像、つまり可視化した像に変換する装置である。なお、通常のCCDカメラは紫外線に対する感度を持っていないため放電現象を撮像することはできない。
本装置は、被写体10に鏡筒1の開口部を向け、その状態で2つのカメラ4,6の同期をとって作動させることで使用される。
被写体10からの光が鏡筒1に入射されると、その入射光は主反射鏡である凹面鏡2で反射し、対面配置されたUVフィルタ3の入射面に集中する。UVフィルタ3の入射面に入射した光のうち、UV−C領域の紫外線だけはUVフィルタ3を通過してICCDカメラ4で受光され、当該ICCDカメラ4で撮像された紫外線像は、画像処理部5に供給される。ここで、UV−C領域の紫外線は、地上に届いた太陽光には存在していないので、UVフィルタ3を通過した上記紫外線は、被写体10の発光による紫外線だけである。すなわち、ICCDカメラ4から出力される画像は、コロナ放電に対応した紫外線だけを表示する画像となる。
上記表示部7に表示される画像は、被写体10にコロナ放電の発生が無ければ、被写体10の可視像と真っ黒な画像との合成であるので、全体が均一的に若干薄暗くなった被写体10の画像である。一方、被写体10の一部で微小なコロナ放電が発生している場合には、紫外線像は、黒背景に対しそのコロナ放電が発生している部分だけが白っぽくなった画像となっているので、合成後の表示される画像にあっては、コロナ放電部分だけが白っぽく(明るく)表示される合成像となることで、コロナ放電の発生の有無及び位置を検出することができる。
また、光軸が同一となっている同一の入射した光から、上記紫外線像及び可視像を取得しているので、両画像と被写体10との間の距離によるずれがないので、合成がしやすい。なお、画像処理部5に入力される紫外線像と可視像との倍率が異なる場合には、等倍率となるように画像処理を行うが、同一視点からの像であるので、単に倍率を変更すればよい。
また、上記実施形態では、紫外線像と可視像とを画像処理部5で合成して表示部2に表示するようにしているが、これに限定されない。たとえば、紫外線像と可視像とを画像処理部5で等倍の大きさにして(画像処理部5への入力時点で等倍の場合には、この処理は不要である)、両画像を並べて表示部7に表示するようにしても良い。コロナ放電の位置の精度は若干劣るものの、コロナ放電の有無及びコロナ放電のだいたいの位置が特定可能となる。
また、上記実施形態の例では、UVフィルタ3には、249.7nmのNe(ネオン)の輝線を通過させる狭帯域通過フィルタを採用したが、これに限定されず、狭帯域通過フィルタは、波長240〜280nmの範囲に存在するUV−C紫外線のうち、他の波長のの1または2以上のNe(ネオン)の輝線を通過させる狭帯域通過フィルタによって観測してもよい。
本実施形態の基本構成は、図7に示すように、上記第1実施形態と同様であるが、上記UVフィルタ3の入射側表面3aを凸面仕上にした点が異なる。
凸面仕上にすることで、UVフィルタ3の表面で反射した光の焦点を凹面鏡2の後方位置に設定し、可視光CCDカメラ6を凹面鏡2の後に配設した例である。
図7中、符号8はUVレンズを表し、紫外線像の倍率をさらに高めている例である。符号9は通常のレンズである。
その他の構成や作用・効果などは上記実施形態と同様である。
本実施形態では、図8に示すように、UVフィルタ3の位置に副反射鏡としての凸面鏡11を配設し、当該凸面鏡11で反射した光を凹面鏡2の後方に集光させている。そして、上記凸面鏡11で反射した光を分光器12で2つの光路に分光し、一方の分光した光をUVフィルタ3に送り、他方を可視光CCDカメラ6に送っている。UVフィルタ3の後方には、上記第2実施形態のように、UVレンズ8を介してICCDカメラ4が配設されている。
本実施形態では、凹面鏡2で入射した光を反射して凸面鏡11(副反射鏡)に集光させ、その凸面鏡11で反射させた光を分光器12に送っている。続いて、分光器12で分光させて、それぞれのカメラ4,6に光が送られる。
その他の構成や、作用・効果は同様である。
上記第1実施形態の発光検出装置を、発電機の開放点検に持ち込み、部分放電の撮影を行なった。
この例の発電機は、約15年間に渡って稼働している発電機であり、近年、部分放電の上昇が認められたため、上記第1実施形態の発光検出装置で開放点検を実施した。点検に先立ち、発光検出装置で監視しながら部分放電試験を実施し、放電部位の特定を試みたところ、コイルエンドで発生していた部分放電を捉える事ができた。部分放電はコイルエンドのスロット出口付近でスポット的に発生していた。
このように、本発明の発光検出装置は、例えば、発電機・電動機等の部分放電試験に適用することで、放電部位の特定が容易にできると共に、補修が成功したか否かの確認も容易に行うことができることが確認された。
2 凹面鏡
3 UVフィルタ
4 ICCDカメラ
4A イメージインデンシファイア
4B カメラ本体
5 画像処理部
6 可視光CCDカメラ
7 表示部
8 UVレンズ
9 レンズ
10 被写体
11 凸面鏡(副反射鏡)
12 分光器
Claims (3)
- 鏡筒と、その鏡筒に入射した光を反射する凹面鏡と、その凹面鏡と対面配置されてUV−C領域の紫外線だけを通過させる光学フィルタと、光学フィルタ通過後の紫外線像を可視化する可視化変換手段と、その可視化変換手段が可視化した紫外線像を取得する第1画像取得手段と、上記光学フィルタで反射した光による可視像を取得する第2画像取得手段と、を備えることを特徴とする発光検出装置。
- 上記2つの画像取得手段で取得した画像に基づきコロナ放電の有無及び位置を特定することを特徴とする請求項1に記載した発光検出装置。
- 前記光学フィルタは、波長240nm〜280nmの範囲に存在する1または2以上のNe(ネオン)の輝線を通過させる狭帯域通過フィルタであることを特徴とする請求項1または2に記載した発光検出装置。
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