JP4404308B2 - 水溶性モノアゾ化合物、インク組成物および着色体 - Google Patents
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Description
従来、万年筆、フェルトペン等のインク及びインクジェット記録用インクとしては、水溶性染料を水性媒体中に溶解したインクが使用されており、これらの水溶性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく一般に水溶性有機溶剤が添加されている。これらの従来のインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求され、また形成される画像には、耐水性、耐湿性、耐光性等の堅牢度が求められていた。
水溶性及び鮮明性の優れるインクジェット用のイエローの色素骨格としては、ピラゾロンアゾ化合物の下記式(5)で示されるC.I.アシッドイエロー23(例えば、特許文献1〜4参照)あるいは特許文献4で提案されたもの等が挙げられるが色相、鮮明性、耐光性、耐水性、耐湿性、耐ガス性及び溶解安定性のすべてを満足させるものは得られていない。また、特許文献5に本発明の化合物に類似した化合物が記載されているが、インクジェット用途及びそれに適する上記性能についての記載はない。
即ち、本発明は
(1)下記式(1)で示される水溶性モノアゾ化合物又はその塩、
(2)式(1)中のR1が水素原子またはメチル基、Y1がカルボキシル基、Y2がヒドロキシル基、Y3がスルホン酸基で、かつその位置が4位、Y4及びY5がそれぞれ水素原子である(1)に記載の水溶性モノアゾ化合物又はその塩、
(3)色素成分として、(1)または(2)に記載の水溶性モノアゾ化合物またはその塩を含有することを特徴とするインク組成物、
(4)水溶性有機溶剤を含有する(3)に記載のインク組成物、
(5)インクジェット記録用である(3)または(4)に記載のインク組成物、
(6)インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インク組成物として(3)から(5)のいずれか一項に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法、
(7)被記録材が情報伝達用シートである(6)に記載のインクジェット記録方法、
(8)情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受像層を有する用紙である(7)に記載のインクジェット記録方法、
(9)(1)または(2)に記載の水溶性モノアゾ化合物又はその塩、または(3)から(5)のいずれか一項に記載のインク組成物で着色された着色体、
(10)着色がプリンタによりなされた(9)に記載の着色体、
(11)(3)から(5)のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ、
に関する
本発明の水溶性モノアゾ化合物は遊離酸の形で下記式(1)で表される。
式(1)中のR1、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5の特に好ましい組み合わせは、R1が水素原子またはメチル基、Y1がカルボキシル基、Y2がヒドロキシル基。Y3がスルホン酸基でかつその位置が4位、Y4及びY5がそれぞれ水素原子である場合である。
式(2)のX1〜X4におけるアルキル基の例としてはメチル基、エチル基等があげられ、ヒドロキシアルキル基の例としてはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基等があげられ、更にヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル基、2−ヒドロキシエトキシエチル基、3−ヒドロキシエトキシプロピル基、3−ヒドロキシエトキシブチル基、2−ヒドロキシエトキシブチル基等があげられる。
本発明の式(1)の水溶性モノアゾ化合物を含む反応液は、インク組成物の製造に直接使用する事が出来る。しかし、反応液から単離し、乾燥、例えばスプレー乾燥させ、次にインク組成物に加工することもできる。本発明の記録用インク組成物は、本発明の化合物を水溶液中に通常0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは2〜10質量%含有する。本発明のインク組成物中、水溶性有機溶剤は通常0〜30質量%、インク調製剤は通常0〜5質量%含有する。
これらのうち好ましいものは2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、モノ、ジ又はトリエチレングリコール、ジプロピレングリコールであり、より好ましくは2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチレングリコールである。
式(1)の化合物の反応液を直接インク組成物の製造に使用する際には、金属陽イオンの塩化物、硫酸塩等の無機物の含有量が少ないものを用いるのが好ましく、その含有量の目安は例えば1質量%以下程度である。無機物の少ない色素を製造するには、例えば逆浸透膜による方法等で、脱塩処理すればよい。
また本発明の式(1)で表される化合物を公知のイエロー色素と併用してもよい。また他の色、例えばブラック色素の色相を調整する為、あるいはマゼンタ色素やシアン色素と混合して、レッドインクやグリーンインクを調整する為に式(1)で表される化合物を用いることもできる。
2−アミノ−安息香酸−5−スルホンアミド21.6部を水400部で溶解し、亜硝酸ナトリウム7.2部を加えた。この溶液を5〜10℃の5%塩酸255部中に1時間かけて滴下した後、10℃以下で1時間攪拌し、ジアゾ化反応を行った。生成したジアゾニウム塩中に、水50部に1−p−スルホフェニル−5−ピラゾロン−3−カルボン酸28.4部を懸濁させた液を投入し、水酸化ナトリウム溶液を用いてpH6〜7、5〜10℃で3時間攪拌した。得られた反応液をろ過後、ろ液を熱風乾燥機(80℃)で全乾燥し、色素粉末50.0部を得た。この色素粉末を水200部、メタノール450部中に投入し、1時間攪拌後、ろ過した。得られたウエットケーキを熱風乾燥機(80℃)で全乾燥することにより、式(3)で示される化合物(水中でのλmax 408nm)45.0部を得た。
2−アミノ−安息香酸−5−N−メチルスルホンアミド23.0部を水400部で溶解し、亜硝酸ナトリウム7.2部を加えた。この溶液を5〜10℃の5%塩酸255部中に1時間かけて滴下した後、10℃以下で1時間攪拌し、ジアゾ化反応を行った。生成したジアゾニウム塩中に、水50部に1−p−スルホフェニル−5−ピラゾロン−3−カルボン酸28.4部を懸濁させた液を投入し、水酸化ナトリウム溶液を用いてpH6〜7、5〜10℃で3時間攪拌した。得られた反応液をろ過後、ろ液を熱風乾燥機(80℃)で全乾燥し、色素粉末52.0部を得た。この色素粉末を水200部、メタノール450部中に投入し、1時間攪拌後、ろ過した。得られたウエットケーキを熱風乾燥機(80℃)で全乾燥することにより、式(4)で示される化合物(水中でのλmax408nm)46.3部を得た。
(A)インクの調製
上記実施例1、2で得られた各化合物を用いて表2に示した組成の液体を調製し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により各インクジェット記録用インク組成物を得た。また水はイオン交換水を使用した。尚、インク組成物のpHがpH=8〜9、総量100部になるように水、アンモニア水を加えた。実施例1、実施例2で得られた化合物を用いた試験をそれぞれ実施例4、実施例5とする。
実施例1または実施例2の化合物 3.0部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
イソプロピルアルコール 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
サーフィノール104PG50(日信化学社製) 0.1部
水+アンモニア水 77.9部
計 100.0部
C.I.アシッドイエロー23 3.0部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
イソプロピルアルコール 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
サーフィノール104PG50(日信化学社製) 0.1部
水+アンモニア水 77.9部
計 100.0部
インクジェットプリンタ(キヤノン社製 Pixus 550i)を用いて、色素受容層を有する光沢紙1(キヤノン社製 プロフェッショナルフォトペーパー PR−101)、光沢紙2(エプソン社製 PM写真用紙<光沢> KA420PSK)の2種にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、反射濃度が数段階の階調が得られるように画像パターンを作り、黄色の印字物を得た。
耐光試験、耐オゾン試験は試験前の印刷物の反射濃度D値が1に最も近い部分で行った。また、反射濃度は測色システム「GRETAG SPM50:GRETAG社製」を用いて測色した。
光沢紙1と光沢紙2にプリントした試験片を恒温恒湿器(応用技研産業(株)製)を用いて50℃、90%RHで7日間放置し、試験前後の染料の滲みを目視により判定した。結果を表4に示す。評価基準は以下のようである。
○ 染料の滲みがほとんど見られない。
△ 染料の滲みがやや見られる。
× 染料の滲みがかなり見られる。
耐湿性
実施例4(光沢紙1) △
実施例4(光沢紙2) ○
実施例5(光沢紙1) △
実施例5(光沢紙2) ○
比較例1(光沢紙1) ×
比較例1(光沢紙2) ×
光沢紙1と光沢紙2にプリントした試験片をキセノンウェザオメータCi4000(ATLAS社製)を用い、0.36W/平方メートル照度で50時間照射し、試験前後の反射濃度比(試験後の反射OD値 / 試験前の反射OD値 ×100)から試験後の残存率を求めた。
結果を表5に示す。
耐光性(残存率%)
実施例4(光沢紙1) 79
実施例4(光沢紙2) 86
実施例5(光沢紙1) 68
実施例5(光沢紙2) 84
比較例1(光沢紙1) 66
比較例1(光沢紙2) 73
光沢紙1と光沢紙2にプリントした試験片をオゾンウェザーメーター(スガ試験機社製)を用いてオゾン濃度40ppm、湿度60%RH、温度24℃の環境下に3時間、6時間放置した。試験後の残存率の結果を表6に示す。
耐オゾン性(残存率%)
3時間 6時間
実施例4(光沢紙1) 87 80
実施例4(光沢紙2) 87 70
実施例5(光沢紙1) 78 69
実施例5(光沢紙2) 83 77
比較例1(光沢紙1) 55 45
比較例1(光沢紙2) 44 22
Claims (11)
- 式(1)中のR1が水素原子またはメチル基、Y1がカルボキシル基、Y2がヒドロキシル基、Y3がスルホン酸基で、かつその位置が4位、Y4及びY5がそれぞれ水素原子である請求項1に記載の水溶性モノアゾ化合物又はその塩
- 色素成分として、請求項1または2に記載の水溶性モノアゾ化合物またはその塩を含有することを特徴とするインク組成物
- 水溶性有機溶剤を含有する請求項3に記載のインク組成物
- インクジェット記録用である請求項3または4に記載のインク組成物
- インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インク組成物として請求項3から5のいずれか一項に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法
- 被記録材が情報伝達用シートである請求項6に記載のインクジェット記録方法
- 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受像層を有する用紙である請求項7に記載のインクジェット記録方法
- 請求項1または2に記載の水溶性モノアゾ化合物又はその塩、または請求項3から5のいずれか一項に記載のインク組成物で着色された着色体
- 着色がプリンタによりなされた請求項9に記載の着色体
- 請求項3から5のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ
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