JP4494562B2 - 太陽光発電用電力変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池の直流電力を交流電力に変換して出力する太陽光発電用電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力変換装置として、太陽電池で発電した直流電力を、商用周波数の交流に変換して商用系統と連系し、交流電力を系統に送り出す太陽光発電用系統連系インバータ(以下「PVインバータ」という)がある。
【0003】
かかるPVインバータには、その内部に絶縁トランスを設けて直流部と交流部とを電気的に絶縁する絶縁トランス方式のPVインバータと、絶縁トランスを用いないトランスレス方式のPVインバータとがあり、トランスレス方式のPVインバータは、絶縁トランス方式のPVインバータに比べて、低価格化、小型軽量化、総合効率が高いといった利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、国内の電力需要家が利用している系統電圧の種類には、単相2線式や単相3線式あるいは三相3線式や三相4線式があるが、特に多く利用されている三相3線式においては、V相が接地される、いわゆる三相3線式V相接地方式が多く採用されている。すなわち、V相が接地され、V相には対地間電位が発生しない。
【0005】
この三相3線式V相接地方式の系統電源3に、従来より一般的に使用されているフルブリッジのインバータ回路50で構成された三相出力のPVインバータを、絶縁トランス無しで接続連系する、すなわち、上述のトランスレス方式のPVインバータを用いると、図6に示されるように、PVインバータ入力の直流部の対地間電位が商用周波数、商用電圧で変動し、直流部の対地間容量には交流電圧が印加されたのと同じこととなり、その結果、直流部と対地との間に対地間浮遊容量C5,C6を介して漏れ電流が流れる。特に、太陽電池2は、対地間容量が大きく、また、太陽電池2は屋外に設置されるため雨天等では、対地間容量が増大し、漏れ電流も大きくなるという問題がある。なお、図6において、12はLCフィルタである。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたものであって、国内で多く利用されている三相3線式V相接地方式の系統と連系しても、インバータの直流部の対地間電位が変動しないトランスレス方式の太陽光発電用電力変換装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
【0008】
すなわち、本発明は、太陽電池からの直流電力を三相出力の交流電力に変換し、一相を接地した三相の系統と連系して交流電力を該系統に送り出す太陽光発電用電力変換装置において、スイッチング素子2個の直列回路の2組を有するインバータ回路を備え、このインバータ回路の直流入力部間に直流電圧を分圧する複数のコンデンサを直列接続し、前記三相出力の1つとして該コンデンサの接続部から1本の出力線を引き出し、前記三相出力の他の2つとして前記各組のスイッチング素子の中間点からそれぞれ2本の出力線を引き出してハーフブリッジインバータ回路の構成とし、該コンデンサの接続部から引き出された出力線を前記接地した相に接続し、前記ハーフブリッジインバータ回路から前記接地した相以外の2つの相にそれぞれ電流が出力されるように制御し、前記ハーフブリッジインバータ回路の前段にDC/DCコンバータを設け、前記DC/DCコンバータは、該DC/DCコンバータの直流入力部間に接続された平滑用コンデンサと、この平滑用コンデンサに昇圧用チョークコイルを介して並列に接続されたスイッチング素子2個の直列回路と、この直列回路と前記ハーフブリッジインバータ回路の直列接続された前記複数のコンデンサとの間に接続されたダイオードと、前記平滑用コンデンサよりも入力側に接続されたチョークコイルとを備え、該DC/DCコンバータの前記直列回路の中間点を、前記ハーフブリッジインバータ回路の前記複数のコンデンサの前記接続部に接続し、前記DC/DCコンバータに入力される入力電圧と入力電圧の目標値との偏差を第1増幅器で増幅してコンパレータにて駆動信号生成用の基準信号と比較して前記DC/DCコンバータの一方のスイッチング素子の駆動信号を生成し、前記複数のコンデンサの出力電圧の偏差を第2増幅器で増幅して加算器で前記第1増幅器の出力と加算してコンパレータにて駆動信号生成用の基準信号と比較して前記DC/DCコンバータの他方のスイッチング素子の駆動信号を生成するフィードバック回路を設けたことを特徴としている。
【0009】
本発明によると、スイッチング素子2個の直列回路の2組を有するインバータ回路の直流入力部間に直流電圧を分圧する複数のコンデンサを直列接続し、三相出力の1つとして該コンデンサの接続部から1本の出力線を引き出し、前記三相出力の他の2つとして各組のスイッチング素子の中間点からそれぞれ2本の出力線を引き出してハーフブリッジインバータ回路の構成とし、該コンデンサの接続部から引き出された出力線を前記接地した相に接続しているので、三相3線式V相接地方式の系統と連系しても直流部の対地間電位変動を抑制することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を図面に基づいて説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一つの実施の形態に係る太陽光発電用電力変換装置としてのPVインバータを備えるシステムの構成図である。
【0012】
同図において、1は太陽電池2と三相3線式V相接地方式の系統電源3との間に配置された本発明に係るPVインバータであり、このPVインバータ1は、直流入力用端子台TA1、交流出力用端子台TA2、コンデンサC1,C2、IGBTなどのスイッチング素子2個の直列回路の2組Q1,Q2;Q3,Q4、チョークコイルL1,L2およびコンデンサC3,C4からなるLCフィタを備えている。なお、C5,C6は、太陽電池2の対地間浮遊容量であり、この対地間浮遊容量C5,C6は、上述のように雨天においては大きな値を示すものである。
【0013】
直流電圧を分圧する両コンデンサC1,C2は、直列に接続されて直流入力用端子台TA1の正負の直流入力部(+)(−)間に並列に接続されている。これらコンデンサC1,C2それぞれの容量は、等しいことが理論上は最も好ましいが、容量的に近似したコンデンサを使用していれば、制御回路4の制御によって漏れ電流の発生防止の制御が可能となる。また、両直流入力部(+)(−)間に並列に接続されるコンデンサの数は、この実施の形態では、2つであったけれども、2つに限定されるものではなく、複数のコンデンサの接続部と一方の直流入力部(+)との間の容量と、複数のコンデンサの接続部(−)と他方の直流入力部との間の容量とが等しければよい。
【0014】
また、両コンデンサC1,C2の接続中央部(中電位点)から出力線OL2が引き出されて交流出力用端子台TA2の交流出力部▲2▼に接続されている。
【0015】
インバータ回路を構成するスイッチング素子2個の直列回路の2組Q1,Q2;Q3,Q4の各組の直列回路の中間点から出力線OL1,OL3がそれぞれ引き出されて交流出力用端子台TA2の交流出力部▲1▼,▲3▼にそれぞれ接続されている。
【0016】
このPVインバータ1の交流出力用端子台TA2の交流出力部▲1▼,▲2▼,▲3▼には、系統電源3のU相、V相およびW相がそれぞれ接続され、V相が接地されている。すなわち、三相3線式V相接地方式の系統電源3が接続されて連系される。
【0017】
制御回路4は、インバータ回路の各スイッチング素子Q1〜4のオンオフ動作を制御するものであり、太陽電池2から最大電力を取り出すように制御する。
【0018】
この制御回路4は、スイッチング素子Q1,Q2で構成されるアーム、すなわち、交流出力部▲1▼からは、U相電流を出力し、スイッチング素子Q3,Q4とから構成されるアーム、すなわち、交流出力部▲3▼からは、W相電流を出力するように制御する。V相電流は、U相とW相との電流の合計が流れる。ここで、V相は、接地相であるが、V相は、スイッチング素子に接続されているわけではなく、コンデンサC1,C2に接続されているだけなので、直列に接続されたコンデンサC1,C2の中間部の電位が、接地電位に安定的に固定されることになる。
【0019】
すると、PVインバータ1の直流入力の電位は変動しないため、太陽電池2の対地間浮遊容量C5,C6へ流れる漏れ電流が少なくなる。
【0020】
すなわち、このようにスイッチング素子Q1〜Q4及びコンデンサC1,C2から構成されるハーフブリッジ回路5においては、V相は、コンデンサC1,C2の接続点中央部電位となり、直流入力部(+)と直流入力部(−)の直流電圧は、対地との間で変動しないから、漏れ電流の発生は防止されることになる。
【0021】
このように、連系される系統が、V相接地の三相3線式の場合、太陽電池2の対地間浮遊容量C5,C6へ流れる漏れ電流を、絶縁トランスが無くとも少なくできることになり、これによって、絶縁トランス方式のPVインバータを用いる従来例に比べて、低価格化、小型軽量化、総合効率の改善を図ることができ、また、回路構成が簡素化されて信頼性も向上する。
【0022】
なお、コンデンサC1,C2は、その容量のバラツキなどによって均等に充電するのが容易でないので、破線で示されるように各コンデンサC1,C2にバランス用の抵抗器R1,R2を並列に接続するのが好ましい。
【0023】
(実施の形態2)
図2は、本発明の他の実施の形態のPVインバータ11を備えるシステムの構成図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0024】
この実施の形態のPVインバータ11は、図1のハーフブリッジインバータ回路5の前段に、倍電圧方式のDC/DCコンバータ6を設けたものである。
【0025】
このDC/DCコンバータ6は、制御回路41によってオンオフが制御される2個のスイッチング素子Q5,Q6の直列回路と、平滑用のコンデンサC7と、昇圧用のチョークコイルL3と、ダイオードD1,D2と、チョークコイルL4とを備えており、スイッチング素子Q5,Q6の中央部(中間点)とコンデンサC1,C2の中央部とを接続している。
【0026】
昇圧用のチョークコイルL3は、図示した極性で+と−とのラインに接続するように1個設けてもよいが、+と−とのラインに各々1個ずつ設けてもよいし、さらには、+または−の一方のラインに1個設けてもよい。
【0027】
平滑用のコンデンサC7よりも入力側に設けられるチョークコイルL4は、十分に大きなインダクタンス値を持ったリアクトルであって、図示した極性で+と−とのラインに接続するように1個設けてもよいが、+と−とのラインに各々1個ずつ設けてもよい。このチョークコイルL4は、DC/DCコンバータ6のスイッチング素子Q5,Q6が、高周波スイッチングされことによって太陽電池2の対地間浮遊容量C5,C6を介して流れる高周波の漏れ電流を阻止するためのものである。
【0028】
スイッチング素子Q5の正極側がダイオードD1を介してコンデンサC1の正極側に接続され、コンデンサC2の負極側がダイオードD2を介してスイッチング素子Q6の負極側に接続される。
【0029】
このDC/DCコンバータ6は、入力電圧である太陽電池2の電圧を目標の電圧になるよう制御するものであり、太陽電池2の電圧が目標の電圧より高い場合は、DC/DCコンバータ6のスイッチング素子Q5,Q6のON時間を増やしてDC/DCコンバータ6はより大きな電力を出力し、太陽電池2の電圧を下げるように動作する。また、太陽電池2の電圧が目標の電圧よりも低い場合は、DC/DCコンバータ6のスイッチング素子Q5,Q6のON時間を減らしてDC/DCコンバータ6はより小さな電力を出力し、太陽電池2の電圧を上げるように動作する。
【0030】
このような制御によって、DC/DCコンバータ6は、入力電圧である太陽電池2の動作電圧を目標値に制御し、この目標値を適宜変化させることによって、太陽電池2から最大の電力を得ることのできる太陽電池電圧を探し、その電圧近辺で動作する。
【0031】
ここで、DC/DCコンバータ6の出力電圧、すなわち、ハーフブリッジインバータ回路5の入力電圧は、インバータ回路5の出力を増減して一定の電圧を維持するように制御される。
【0032】
すなわち、ハーフブリッジインバータ回路5は、コンデンサC1,C2の合計の電圧を一定にするように制御されているが、これだけでは、コンデンサC1とC2との電圧が均等にならないので、コンデンサC1とC2との電圧を均等に充電するために、DC/DCコンバータ6の制御回路41には、均等充電のためのフィードバック回路を付加している。
【0033】
図3は、このフィードバック回路の構成図である。先ず、入力電圧制御は、DC/DCコンバータ6に入力される入力電圧と、制御回路41内部の指令に基づく入力電圧の目標値との偏差を、増幅回路7で増幅してコンパレータ8を介してスイッチング素子Q5の駆動信号を生成するものであり、一方、出力電圧のバランス制御は、コンデンサC1,C2の出力電圧の偏差を、増幅器9で増幅して加算器10で増幅器7の出力と加算してコンパレータ11を介してスイッチング素子Q6の駆動信号を生成するものであり、両駆動信号は、位相が180度ずれている。
【0034】
DC/DCコンバータ6のスイッチング素子Q5,Q6は、これら駆動信号により動作し、スイッチング素子Q5,Q6のON時間は、出力電力を大きくしたいときには次第に長くなり、最終的には、かなりの部分のON時間が重なることとなる。
【0035】
なお、フィードバック回路によってコンデンサC1,C2の均等充電を行うので、上述の実施の形態1のように、バランス用の抵抗器R1,R2を設ける必要がない。
【0036】
このDC/DCコンバータ6によって太陽電池2の出力電圧を昇圧するので、太陽電池2の動作電圧をより広く取ることができる利点がある。また、ハーフブリッジインバータ回路は、フルブリッジインバータ回路に比べて高い直流入力電圧を必要とするが、このDC/DCコンバータ6は、倍電圧方式であるので、低い入力電圧から高い電圧に昇圧する際でも、効率良く昇圧できる利点がある。さらにまた、直列に接続されたコンデンサC1,C2の各々の電圧を均等に充電することができる。
【0037】
このように高い直流電圧が必要とされ、コンデンサを複数個直列に接続する必要があるハーフブリッジインバータ回路に最適な回路方式のDC/DCコンバータ6である。
【0038】
その他の構成および効果は、上述の実施の形態1と同様である。
【0039】
(実施の形態3)
なお、DC/DCコンバータは、倍電圧方式に代えて、図4に示されるように、平滑用のコンデンサC7、昇圧用チョークコイルL3、スイッチング素子Q5およびダイオードD1からなる昇圧チョッパ方式のDC/DCコンバータ61としてもよい。
【0040】
(その他の実施の形態)
図2に示した平滑用コンデンサC7は、図5に示されるようにDC/DCコンバータ6の直流入力部間に直接接続するようにしてもよい。
【0041】
なお、制御回路は、系統との連系運転を行わない自立運転出力(一定交流電圧出力)を行う場合には、運転モードを指定することにより、三相3線式、単相2線式あるいは単相3線式に対応した制御を行うので、必要に応じて、三相3線式、単相2線式あるいは単相3線式の自立運転出力を選択することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、スイッチング素子2個の直列回路の2組を有するインバータ回路の直流入力部間に直流電圧を分圧する複数のコンデンサを直列接続し、三相出力の1つとして該コンデンサの接続部から1本の出力線を引き出し、前記三相出力の他の2つとして前記各組のスイッチング素子の中間点からそれぞれ2本の出力線を引き出してハーフブリッジインバータ回路の構成とし、該コンデンサの接続部から引き出された出力線を前記接地した相に接続するので、三相3線式V相接地方式の系統と連系しても直流部の対地間電位変動を抑制することができ、トランスが無くても対地間浮遊容量を介して流れる漏れ電流を少なくできることになり、これによって、絶縁トランスを備えた電力変換装置に比べて、低価格化、小型軽量化および総合効率の改善を図ることができる。
【0043】
また、倍電圧方式のDC/DCコンバータを組み合わせることにより、太陽電池の動作電圧範囲を広くすることができ、低い入力電圧からでも効率よく昇圧できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係るPVインバータを備えるシステムの構成図である。
【図2】本発明の他の実施の形態のシステムの構成図である。
【図3】フィードバック回路の構成図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態のシステムの構成図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態のシステムの構成図である。
【図6】従来例の構成図である。
【符号の説明】
1 PVインバータ
2 太陽電池
3 系統電源
5 ハーフブリッジインバータ回路
6 DC/DCコンバータ
Claims (2)
- 太陽電池からの直流電力を三相出力の交流電力に変換し、一相を接地した三相の系統と連系して交流電力を該系統に送り出す太陽光発電用電力変換装置において、
スイッチング素子2個の直列回路の2組を有するインバータ回路を備え、このインバータ回路の直流入力部間に直流電圧を分圧する複数のコンデンサを直列接続し、前記三相出力の1つとして該コンデンサの接続部から1本の出力線を引き出し、前記三相出力の他の2つとして前記各組のスイッチング素子の中間点からそれぞれ2本の出力線を引き出してハーフブリッジインバータ回路の構成とし、該コンデンサの接続部から引き出された出力線を前記接地した相に接続し、前記ハーフブリッジインバータ回路から前記接地した相以外の2つの相にそれぞれ電流が出力されるように制御し、
前記ハーフブリッジインバータ回路の前段にDC/DCコンバータを設け、前記DC/DCコンバータは、該DC/DCコンバータの直流入力部間に接続された平滑用コンデンサと、この平滑用コンデンサに昇圧用チョークコイルを介して並列に接続されたスイッチング素子2個の直列回路と、この直列回路と前記ハーフブリッジインバータ回路の直列接続された前記複数のコンデンサとの間に接続されたダイオードと、前記平滑用コンデンサよりも入力側に接続されたチョークコイルとを備え、該DC/DCコンバータの前記直列回路の中間点を、前記ハーフブリッジインバータ回路の前記複数のコンデンサの前記接続部に接続し、
前記DC/DCコンバータに入力される入力電圧と入力電圧の目標値との偏差を第1増幅器で増幅してコンパレータにて駆動信号生成用の基準信号と比較して前記DC/DCコンバータの一方のスイッチング素子の駆動信号を生成し、前記複数のコンデンサの出力電圧の偏差を第2増幅器で増幅して加算器で前記第1増幅器の出力と加算してコンパレータにて駆動信号生成用の基準信号と比較して前記DC/DCコンバータの他方のスイッチング素子の駆動信号を生成するフィードバック回路を設けたことを特徴とする太陽光発電用電力変換装置。 - 太陽電池からの直流電力を三相出力の交流電力に変換し、一相を接地した三相の系統と連系して交流電力を該系統に送り出す太陽光発電用電力変換装置において、
スイッチング素子2個の直列回路の2組を有するインバータ回路を備え、このインバータ回路の直流入力部間に直流電圧を分圧する複数のコンデンサを直列接続し、前記三相出力の1つとして該コンデンサの接続部から1本の出力線を引き出し、前記三相出力の他の2つとして前記各組のスイッチング素子の中間点からそれぞれ2本の出力線を引き出してハーフブリッジインバータ回路の構成とし、該コンデンサの接続部から引き出された出力線を前記接地した相に接続し、前記ハーフブリッジインバータ回路から前記接地した相以外の2つの相にそれぞれ電流が出力されるように制御し、
前記ハーフブリッジインバータ回路の前段にDC/DCコンバータを設け、前記DC/DCコンバータは、該DC/DCコンバータの直流入力部間に直接接続された平滑用コンデンサと、この平滑用コンデンサにチョークコイルと昇圧用チョークコイルとを介して並列に接続されたスイッチング素子2個の直列回路と、この直列回路と前記ハーフブリッジインバータ回路の直列接続された前記複数のコンデンサとの間に接続されたダイオードとを備え、該DC/DCコンバータの前記直列回路の中間点を、前記ハーフブリッジインバータ回路の前記複数のコンデンサの前記接続部に接続し、
前記DC/DCコンバータに入力される入力電圧と入力電圧の目標値との偏差を第1増幅器で増幅してコンパレータにて駆動信号生成用の基準信号と比較して前記DC/DCコンバータの一方のスイッチング素子の駆動信号を生成し、前記複数のコンデンサの出力電圧の偏差を第2増幅器で増幅して加算器で前記第1増幅器の出力と加算してコンパレータにて駆動信号生成用の基準信号と比較して前記DC/DCコンバータの他方のスイッチング素子の駆動信号を生成するフィードバック回路を設けたことを特徴とする太陽光発電用電力変換装置。
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