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JP4485547B2 - 移動局、および、移動局における送信電力制御方法 - Google Patents

移動局、および、移動局における送信電力制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、移動局、および、移動局における送信電力制御方法に関する。
近年、インターネットの急速な普及、情報通信の多元化、大容量化、更には次世代インターネットの発展に向かう趨勢にあって、移動体通信における高速無線伝送を実現する次世代無線アクセス方式の研究開発が盛んに行われている。
このような高速無線通信では同一の無線環境でより高能率の通信を実現するためのダイバーシチ技術の開発は一つの鍵となっている。
特に基地局側の複数のアンテナから送信した信号を、受信端末(移動局)で受信し合成する送信ダイバーシチ技術は3GPP(3rd Generation Partnership Project)における標準化でマンダトリに規定されている。
特に移動局において基地局から送信された信号の位相を判定し、基地局に位相回転情報をフィードバックするクローズド型送信ダイバーシチはそのダイバーシチゲインの高さから現在の第3世代通信で幅広く用いられている。
また、次世代高速通信伝送では、受信端末の受信環境に応じてスループットが変動する適応変復調・誤り訂正符号化 (AMC: Adaptive Modulation and channel Coding)、パケットの再送・合成を行うハイブリッドARQ(Automatic Repeat Request) が適用されるため、多数のセルと同時に接続を行う従来のW−CDMA技術と異なり、最も受信環境の良いセルとのみ通信を行う方式が採用される。
図6および図7は送信ダイバーシチを採用する場合の位相の状態について説明するための概念図である。図6は、移動局からのフィードバック情報を用いない開ループ型送信ダイバーシチを表し、図7は移動局から送信されるフィードバック情報に基づいて送信信号の位相等を制御する閉ループ型送信ダイバーシチを表している。これら双方のモードは3GPPにおいて標準化されているW−CDMAシステムで採用されている。
図6において、同じ信号TSを基地局の2つのアンテナ(不図示)から信号TS1およびTS2として送信すると、これらは伝搬路である無線空間を経て信号RS1および信号RS2として移動局(不図示)に到達する。
これらの信号RS1および信号RS2を移動局で合成することにより、合成ゲインを得
ることが可能となるが、無線伝搬路で信号の位相が回転することにより、合成ゲインが得
られない場合が生じる。
即ち、図6の場合では、信号TS1については位相が回転することなく信号RS1とし
て移動局のアンテナに達する一方、信号TS2については位相が+90度回転した信号RS2として移動局のアンテナに達する。
従って、これら信号RS1および信号RS2を合成した場合、合成ゲインに偏りが生じ、所期のゲイン(理想的には、2倍)が得られないことになる。
これに対し、図7の閉ループ型送信ダイバーシチでは、移動局において送信アンテナ毎に区分して無線伝搬路での位相の回転量を割り出し、この結果に基づいて、予めアンテナ毎に位相をずらした信号を送信するように要求するフィードバック情報を移動局から基地局に送信する。
即ち、閉ループ型送信ダイバーシチでは、2つのアンテナから信号TS1およびTS2が無線空間を伝搬路すると図6を参照して既述のように信号TS2について位相が+90度回転した信号RS2として移動局のアンテナに達するところ、信号TS2をTS1に対し予め−90度回転した信号RS2として送信することによって、移動局に到達する信号RS1および信号RS2の位相を合わせ、所期のゲインを得るようにしている。
尚、3GPPにおいては、開ループ型送信ダイバーシチにはSTTD(Space Time block coding based Transmit Diversity)およびTSTD(Time Switched Transmit Diversity)があり、閉ループ型送信ダイバーシチには位相のみを制御するモード1と位相および振幅の双方を制御するモード2とが規定されている。
本発明は、後に詳述するように、閉ループ型送信ダイバーシチを適用した場合の課題に係るものであるが、上述のモード1であるかモード2であるかを問わないものであり、以下の説明では敢えてこれらのモードを区別していない。
図8は、従来の個別チャンネルを用いた通信の様子を表す概念図である。複数(図8では説明の便宜上2基)の基地局210および220と一の移動局100とが、上り制御チャンネル11、12、および、下り制御チャンネル21、22、ならびに下りデータチャンネル31、32によって結ばれている。
下りデータチャンネル31におけるデータの転送に係るタイミングやレート等が上り制御チャンネル11および下り制御チャンネル21の制御信号によって調整され、同様に、下りデータチャンネル32におけるデータの転送に係るタイミングやレート等が上り制御チャンネル12および下り制御チャンネル22の制御信号によって調整される。
図9は、3GPPで提案されているHSDPAにおけるように共通チャンネルを用いてデータの転送を行なう通信の様子を表す概念図である。
HSDPA(High Speed Downlink Packt Access)では、基地局210、220から移動局100への情報(データ)の伝送に用いる下りチャンネルとして高速下り共用チャネル31(HS−PDSCH:High-Speed Physical Downlink Shared Channel)が使用される。
即ち、HS−PDSCHは、各基地局210、220から複数の移動局100(図9では、説明の便宜上1基のみ図示)へのデータ送信に用いられる。
基地局210、220は複数の移動局100の各々に対するデータ送信を行うスケジュールを決定して、移動局100毎にタイミングを異にするようにしてデータを転送する。
HSDPAでは、各基地局210、220は、複数の移動局100の各々との間に、個別チャンネルであるDPCH(Dedicated Physical Channel)を設定する。
DPCHは、その下りチャンネル21,22により基地局210、220から移動局100へ制御情報を送信すると共に、上りチャンネル11、12により移動局100から基地局210、220へ制御信号を送信する。
以上のとおり、HSDPAでは、データの転送ついては、高速下り共用チャネル31を用いて一つの基地局210から送信され、他方、制御信号については、複数の基地局210、220とDPCH(その下りチャンネル21,22、および、上りチャンネル11,12)を用いて授受される。
次に、3GPPで規定されているハンドオーバ方式としてのソフトハンドオーバおよびハードハンドオーバについて説明する。
ソフトハンドオーバは、移動局100が複数の基地局210、220と同時にチャネルを設定するハンドオーバ方式である。このソフトハンドオーバ方式は図8におけるDPCHの設定について適用される。
各基地局210、220は、所定の電力で共通パイロット信号を送信しており、移動局100は、共通パイロット信号の受信電力が最大の基地局(例えば基地局210)とDPCHを設定するが、共通パイロット信号の受信電力が相対的に小さい別の基地局(例えば基地局220)についても受信電力の差が小さい場合には、該別の基地局ともDPCHを設定する。
即ち、同時に複数の基地局210および220とDPCHを設定し、移動局100が現在通信しているセル(データの転送を行なっている基地局210)との通信を継続させたまま、別のセル(基地局220)との通信が開始可能である。
これに対し、データの転送に係る高速下り共用チャネル31については、ハードハンドオーバ方式が適用される。
ハードハンドオーバは、移動に伴って接続する基地局を切り替えていくハンドオーバである。従って、ハードハンドオーバの際には、一旦現在の通信を切断し、その後新たに別のセルと通信を開始する。
次に、上述のソフトハンドオーバが適用されて同時に接続された状態にある各基地局210、220からの制御信号に基づく移動局100における送信電力制御(HSDPAにおける高速閉ループ型の送信電力制御)について説明する。
図10は、HSDPAにおける高速閉ループ型の送信電力制御の様子を表す概念図である。
図10(a)は、複数の基地局210および220と移動局100との間でソフトハンドオーバによるDPCHが設定され、且つ、そのうちの一の基地局210と移動局100との間でハードハンドオーバによる高速下り共用チャネルが設定されている様子を表す図である。
また、図10(b)は、DPCHの下りチャンネルを通して基地局210および220から移動局100に供給される制御信号と移動局100における送信電力の調整の様子を表す図である。
DPCHの上りチャンネルの送信電力制御では、基地局210および220は上り信号に含まれる個別パイロット信号を用いて、その受信SIR(Signal to Interference Ratio)を測定し、その測定値と所定の目標SIRとを比較する。
その測定値が目標SIRより小さい場合には、電力増加を指示するTPC(Transmit Power Control)ビットを、それ以外の場合は電力減少を指示するTPCビットを、DPCHの下りチャンネル(21、22)を通して移動局100に通知する。
移動局100は、そのTPCビットを受信し、該受信されたTPCビットに応じて、DPCHの上りチャンネル(11、12)の送信電力を増減する。
上りチャンネルの送信電力制御はソフトハンドオーバにより複数の基地局210および220から供給されるTPCビットに依拠して行なわれる。
このときのTPCビットの各値と移動局100における送信電力制御の増減が図10(b)に示すように実行される。
即ち、基地局210からDPCHの下りチャンネル21により移動局100に送られるTPCビットがDPCHの上りチャンネル11の送信電力増加を指示するものであり(図中upと表記)、且つ、基地局220からDPCHの下りチャンネル22により移動局100に送られるTPCビットもDPCHの上りチャンネル12の送信電力増加を指示するものであるとき、即ち、基地局210および220からのTPCビットが何れも「up」を指示するものであるときには、移動局100はDPCHの上りチャンネル11および12の送信電力を増加(図中、左端側に、移動局100の送信電力についてupと表記)させる。
上記とは反対に、基地局210および220からのTPCビットが何れも送信電力の減少を指示するものであるときには(図中downと表記)、移動局100はDPCHの上りチャンネル11および12の送信電力を減少させる(図中、右端側に、移動局100の送信電力についてdownと表記)。
これらに対し、基地局210および220からのTPCビットの何れか一方が送信電力の減少を指示するものであるときには(図中、何れかのTPCビットについてdownと表記)、移動局100はDPCHの上りチャンネル11および12の送信電力を減少させる(down)。
上述したところより容易に理解されるとおり、移動局100は、複数の基地局からそれぞれTPCビットを受信し、少なくとも1つのTPCビットが送信電力減少を指示するものであるときには、DPCHの送信電力を減少させ、それ以外の場合(即ち、全てのTPCビットが電力増加を指示するものであるとき)には、DPCHの上り送信電力を増加させる。
以上のような送信電力制御を行うことにより、1つの基地局において、上りチャンネルの受信品質が目標SIRを満足すると同時に、全ての基地局において、上りチャンネルの受信品質が目標SIRを超えることを防止し、上りチャンネルの干渉波電力が増加しないようにしている。
一方、DPCHの下りチャンネル(21、22)の送信電力制御では、移動局100は下りチャンネル(21、22)に含まれる個別パイロット信号を用いて、その受信SIRを測定し、その測定値と所定の目標SIRを比較する。
この比較において測定値が目標SIRより小さいと判断される場合には、電力増加を指示するTPCビットを、それ以外の場合は電力減少を指示するTPCビットを、DPCHの上りチャンネルを通して基地局210および220に送信する。
基地局210および220は、DPCHの上りチャンネルを通して送られる上述のようなTPCビットの値に応じて、DPCHの下りチャンネル(21、22)の送信電力を増減する。
茲に、上りチャンネルのDPCHは、DPCCH(Dedicated Physical Control Channel)とDPDCH(Dedicated Physical Data Channel)とから構成されており、DPCCHは個別パイロットチャネル(Pilot)と、送信電力の増減を指示するTPCビットと、送信ダイバーシチにおける位相調整のためのフィードバック情報であるFBI(Feed Back Information)とを含んでいる。
また、DPDCHは、ユーザ情報や制御情報を含むデータであり。このDPCCHとDPDCHとは互いに直交変調されて多重化されて送信される。
以上、図10(a)および 図10(b)を参照して説明したように、通信を行なう当事者(ユーザ)間での通信の本来の目的たるデータ(即ち、主情報)については高速下り共用チャネルによって、該当する一の基地局210と一の移動局100との間でハードハンドオーバによる主情報下りチャンネルが結ばれ、一方、既述の制御信号のような副情報については、下りおよび上りの各副情報チャンネル(DPCH)がソフトハンドオーバで結ばれる。
図10(b)を参照して説明したように、移動局100における送信電力制御は、高速下り共用チャネルが結ばれているメインブランチである基地局210からのTPCビットが送信電力の増加を指示するものであっても(同図中、基地局210からのTPCビットについてupと表記)、高速下り共用チャネルが結ばれていないサブブランチである基地局220からのTPCビットが送信電力の減少を指示するものであるときには(同図中、基地局220からのTPCビットについてdownと表記)、サブブランチからのTPCビット(down)に優先的に従ってDPCHの上りチャンネル11および12の送信電力を減少させることになる(down)。
この場合には、高速下り共用チャネルが結ばれているデータ信号送信基地局(メインブランチ)210と移動局100との通信については、基地局210側はFBI(送信電力制御に係るフィードバック信号)を含むDPCHの上りチャンネル11の送信電力を上げる要求を出しているにも関わらず、メインブランチではないサブブランチの基地局220からのTPCビットに従ってDPCHの上りチャンネルの送信電力を下げる方向に調節動作が行なわれてしまうといったアンバランスが生じてしまう。
上述のようなアンバランスが生じると、メインブランチである基地局210へのFBIについては所要の送信電力に満たない状態で送信が行なわれるためにエラーが生じ易くなり(ビット誤り率が増加し)、このようなFBIに依拠する送信ダイバーシチの位相制御は不調を来たし、結果的に高速下り共用チャネルを通して伝送される主情報たるデータの送信に係るスループットの低下を招来することになる。
図11は、フィードバック情報(FBI)に誤りがある状況下での送信ダイバーシチの様子を表す概念図である。
図11においても、図6および図7に表された送信ダイバーシチにおけると同様に、2つのアンテナ(不図示)から信号TS1およびTS2として送信された既知の信号が伝搬路である無線空間を経て信号RS1および信号RS2として移動局(不図示)に到達し、これら信号RS1および信号RS2が移動局で合成され(本来は)所期の合成ゲインを得ることになる。
既述のように、ループ型送信ダイバーシチでは、移動局において送信アンテナ毎に区
分して無線伝搬路での位相の回転量を割り出し、この結果に基づいて、予めアンテナ毎に
位相をずらした信号としてTS1およびTS2を送信するように要求するフィードバック
情報を移動局から基地局に送信する。
ところが、上述におけるような送信電力の制御に係るアンバランスが生じていると、フ
ィードバック情報自体が誤ったものとなって基地局に伝えられるため、このフィードバッ
ク情報を受けた基地局側では、誤ったフィードバック情報に応じてTS1に対するTS2の位相差を誤って設定してしまうことになる。
従って、このように不適切な位相差を持つ信号TS1およびTS2が無線空間を伝搬して信号RS1および信号RS2として移動局に到達するため、移動局に到達するこれらの信号RS1および信号RS2の位相は整合せず合成ゲインに偏りが生じてしまう。
閉ループ型送信ダイバーシチが図11を参照して説明したような状況にあるときには、既述のように、結果的に高速下り共用チャネルを通して伝送される主情報たるデータの送信に係るスループットが低下してしまうといった問題を惹起することになる。
このような問題を解決するためには、DPCHの上りチャンネルの送信電力を増大させることによってフィードバック情報の伝送におけるエラーの発生を低減させればよい。
しかしながら、DPCHの上りチャンネルの送信電力を無条件で増大させてしまうとDPCHの上りチャンネルの送信電力が必要以上に大きくなり、移動局の消費電力が増えると共に、上りチャンネルの干渉波電力が増加してしまうといった新たな問題を惹起してしまうことになる。
このような問題に対処しつつDPCHの上りチャンネルの送信電力を制御することによってフィードバック情報の伝送におけるエラーの発生を低減させようとする技術が既に提案されている(特許文献1、特許文献2等参照)。
特許文献1および特許文献2には、パケット送信基地局からの下り個別チャネルに含まれる送信電力制御情報のみに基づいて上り個別チャネルの送信電力制御を行なうといった技術が開示されている。
特許文献1および特許文献2に開示の技術は、換言すれば、メインブランチからの主情報のデータを受けるときには、このメインブランチからの下り制御チャンネルによるTPCビットにのみ従い、サブブランチの基地局からのTPCビットには影響されることなく、送信電力制御を行なおうとするものである。
特開2004−80235号公報(段落0021〜段落0025等) 特開2004−7030号公報(段落0021〜段落0027、段落0021〜段落0028等)
一方、昨今では、通信の品質を高水準に維持するために、種々の場所に基地局が設置されるようになっている。このため、屋内や駅の構内など設置のスペースが必ずしも十分確保され得ないような場所にも基地局が敢えて備えられるといったことも稀ではない。
このような極めて限定されたスペースに設置される基地局にあっては、必ずしも複数のアンテナを備えて送信ダイバーシチを行なうような比較的大型のタイプのものを採用することは許容されず、このため閉ループ型送信ダイバーシチは適用されない。
しかしながら、このような現実的な状況において、特許文献1および特許文献2に開示のような技術を単純に適用すると仮定した場合、メインブランチからの主情報のデータを受けるときには、一律に、このメインブランチからの下り制御チャンネルによるTPCビットにのみ従って送信電力制御を行なうことになる。
ところが、上述のような閉ループ型送信ダイバーシチが行なわれない状況下では、原理上、元々フィードバック情報に依拠して送信ダイバーシチにおける位相の調整が行なわれるといったことがないため、フィードバック情報自体の誤りを抑制するといったようなこととは本来的に無縁の状態にある。
このような状態にあっても、メインブランチからの主情報のデータを受けるときに一律にこのメインブランチからの下り制御チャンネルによるTPCビットにのみ従って上り制御チャンネルの送信電力制御を行なうことにすると、この下り制御チャンネルによるTPCビットが送信電力の増加を指示している限りは、移動局側は無条件で上り制御チャンネルの送信電力を増加させるように制御を実行してしまい、無用に電力を消費する場合が生じてしまうことになる。
通常電池駆動により作動し電源容量が限られている移動局にとっては、電力の消費を極限まで抑制して充電後の連続稼働時間を少しでも長く確保するといったことは最も強い要請の一つである。従って、上述のような無用な電力の消費を抑止することはこの種の移動局について極めて重要な技術課題である。
しかしながら、特許文献1および特許文献2では、このような現実的な技術課題について別段の視点が向けられることがなく、当然ながら、その解決手段についての開示や示唆は皆無である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、送信ダイバーシチが適用される条件下で移動局における送信電力制御に係る省電力特性を改善することの出来る移動局および移動局における送信電力制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するべく、本願では次に列記するような技術を提案する。
即ち、本発明の移動局は、ユーザ間での通信の目的とされる主情報の送信データをHSDPAに準拠した通信方式で該当する一の基地局から下りデータチャンネルを通して受信すると共に通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局から副情報下りチャンネルを通して受信可能に構成され、且つ、通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局に対して副情報上りチャンネルを通して送信可能に構成された移動局であって、
特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信さ
れた前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を
維持するために当該基地局が前記第1の副情報の送信を制御するためのフィードバック情
報を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局側に送信する閉ループ型送信ダイバーシ
チが適用される状況下にあるか否かを判別する通信方法判別部と、
複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび前記副情報上りチャンネルが接
続された状態にあるか否かを判別する通信基地局判別部と、
前記通信方法判別部によって前記閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあ
ると判別されており、且つ、前記通信基地局判別部によって複数の基地局との間で前記副
情報下りチャンネルおよび前記副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別され
ているときには、前記下りデータチャンネルが接続されている当該基地局からの前記第1
の副情報にのみ依拠して前記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する送信電力制御部
と、を備えている。
上記の移動局は、ユーザ間での通信の目的とされる例えばパケット化されたデータ等の
主情報の送信データをHSDPAに準拠した通信方式で該当する一の基地局からユーザ間での通信の目的とされる主情報の送信データをHSDPAに準拠した通信方式で該当する一の基地局からハードハンドオーバにより下りデータチャンネルを通して受信すると共に通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局からソフトハンドオーバにより副情報下りチャンネルを通して受信可能であり、且つ、通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局に対してソフトハンドオーバにより副情報上りチャンネルを通して送信可能である移動局における送信電力制御方法であって、
特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信さ
れた前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を
維持するために当該基地局が前記第1の副情報の送信を制御するために依拠するフィード
バック情報を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局側に発する閉ループ型送信ダイ
バーシチが適用される状況下にあるか否かを判別する第1ステップと、
前記複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび前記副情報上りチャンネル
が接続された状態にあるか否かを判別する第2ステップと、
前記第1ステップで前記閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあると判別
され、且つ、前記第2ステップで複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび
前記副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別されているときには、前記下りデータチャンネルが接続されている当該基地局からの前記第1の副情報にのみ依拠して前
記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する第3ステップと、
を含むを通して受信すると共に例えば制御情報等の通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局から副情報下りチャンネルを通して受信可能に構成され、且つ、例えば制御情報等の通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局に対して副情報上りチャンネルを通して送信可能に構成され、
通信方法判別部によって、基地局側から異なるアンテナを用いて送信された前記第1の
副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を維持するために
当該基地局が前記第1の副情報の送信を制御するためのフィードバック情報を含む前記第
2の副情報を生成して当該基地局側に送信する閉ループ型送信ダイバーシチが適用される
状況下にあることが判別され、且つ、通信基地局判別部によって、複数の基地局との間で
前記副情報下りチャンネルおよび前記副情報上りチャンネルが接続された状態にあること
が判別されたときに限って、前記主情報下りデータチャンネルが接続されている当該基地局からの前記第1の副情報にのみ依拠して前記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する。
このため、閉ループ型送信ダイバーシチが行なわれ且つ複数の基地局と結ばれていると
判別された場合、即ち、フィードバック情報が送信状態の制御のために有効に用いられる
状況下にある場合に限って、ユーザ間での通信の目的とされる主情報の送信データをHSDPAに準拠した通信方式で該当する一の基地局からハードハンドオーバにより下りデータチャンネルを通して受信すると共に通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局からソフトハンドオーバにより副情報下りチャンネルを通して受信可能であり、且つ、通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局に対してソフトハンドオーバにより副情報上りチャンネルを通して送信可能である移動局における送信電力制御方法であって、
特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信さ
れた前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を
維持するために当該基地局が前記第1の副情報の送信を制御するために依拠するフィード
バック情報を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局側に発する閉ループ型送信ダイ
バーシチが適用される状況下にあるか否かを判別する第1ステップと、
前記複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび前記副情報上りチャンネル
が接続された状態にあるか否かを判別する第2ステップと、
前記第1ステップで前記閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあると判別
され、且つ、前記第2ステップで複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび
前記副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別されているときには、前記下りデータチャンネルが接続されている当該基地局からの前記第1の副情報にのみ依拠して前
記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する第3ステップと、
を含むが接続されている当該基地局からの第1の副情報にのみ依拠して副情報上りチャンネルの送信電力が制御される。
従って、従来の技術におけるようにユーザ間での通信の目的とされる主情報の送信データをHSDPAに準拠した通信方式で該当する一の基地局からハードハンドオーバにより下りデータチャンネルを通して受信すると共に通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局からソフトハンドオーバにより副情報下りチャンネルを通して受信可能であり、且つ、通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局に対してソフトハンドオーバにより副情報上りチャンネルを通して送信可能である移動局における送信電力制御方法であって、
特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信さ
れた前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を
維持するために当該基地局が前記第1の副情報の送信を制御するために依拠するフィード
バック情報を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局側に発する閉ループ型送信ダイ
バーシチが適用される状況下にあるか否かを判別する第1ステップと、
前記複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび前記副情報上りチャンネル
が接続された状態にあるか否かを判別する第2ステップと、
前記第1ステップで前記閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあると判別
され、且つ、前記第2ステップで複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび
前記副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別されているときには、前記下りデータチャンネルが接続されている当該基地局からの前記第1の副情報にのみ依拠して前
記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する第3ステップと、
を含むが接続されているときにはフィードバック情報の有効性の如何に依らず一律に当該基地局からの第1の副情報にのみ依拠して副情報上りチャンネルの送信電力を無用に増加させるように制御して徒に電力を消費してしまうといったことが有効に回避され、移動局における省電力特性が改善される。
また、上記の移動局は、前記主情報に該当する送信データをHSDPAに準拠した通信
方式で前記下りデータチャンネルを通して受信可能に構成され得る。
移動局がこのように構成されているため、3GPPで提案されているHSDPAに準拠
した通信において、移動局における省電力特性が改善される。
また、上記の移動局は、前記第1の副情報には送信電力制御情報が含まれ、当該第1の
副情報を前記副情報下りチャンネルに該当する下り制御チャンネルを通して受信可能に構成され得る。
移動局がこのように構成された場合には、例えば3GPPで提案されているHSDPAに準拠した通信等において、良好な送信ダイバーシチが行なわれ、且つ、移動局における省電力特性が改善される。
また、上記の移動局は、前記第2の副情報には主情報の位相補正情報が含まれ、当該第2の副情報を前記副情報上りチャンネルに該当する上り制御チャンネルを通して送信可能に構成され得る。
移動局がこのように構成された場合には、例えば3GPPで提案されているHSDPAに準拠した通信等において、制御チャンネルのFBIに基づいて位相調整が適切に実行されて良好な送信ダイバーシチが行なわれ、且つ、移動局における省電力特性が改善される。
一方、本発明の移動局における送信電力制御方法は、ユーザ間での通信の目的とされる主情報の送信データをHSDPAに準拠した通信方式で該当する一の基地局からハードハンドオーバにより下りデータチャンネルを通して受信すると共に通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局からソフトハンドオーバにより副情報下りチャンネルを通して受信可能であり、且つ、通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局に対してソフトハンドオーバにより副情報上りチャンネルを通して送信可能である移動局における送信電力制御方法であって、
特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信さ
れた前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を
維持するために当該基地局が前記第1の副情報の送信を制御するために依拠するフィード
バック情報を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局側に発する閉ループ型送信ダイ
バーシチが適用される状況下にあるか否かを判別する第1ステップと、
前記複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび前記副情報上りチャンネル
が接続された状態にあるか否かを判別する第2ステップと、
前記第1ステップで前記閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあると判別
され、且つ、前記第2ステップで複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび
前記副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別されているときには、前記下りデータチャンネルが接続されている当該基地局からの前記第1の副情報にのみ依拠して前
記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する第3ステップと、を含む。
上記の送信電力制御方法では、ユーザ間での通信の目的とされる例えばパケットデータ
等の主情報の送信データをHSDPAに準拠した通信方式で該当する一の基地局からハードハンドオーバにより下りデータチャンネルを通して受信すると共に例えば制御情報のような通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局からソフトハンドオーバにより副情報下りチャンネルを通して受信可能であり、且つ、例えば制御情報のような通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局に対してソフトハンドオーバにより副情報上りチャンネルを通して送信可能である移動局が、
第1ステップで、特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテ
ナを用いて送信された前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該
受信に係る品質を維持するために当該基地局が前記第1の副情報の送信を制御するために
依拠するフィードバック情報を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局側に発する閉
ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあるか否かを判別し、且つ、
第2ステップで、複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび前記副情報上
りチャンネルが接続された状態にあるか否かを判別し、
前記第1ステップおよび第2ステップでの判別結果が何れも肯定的であるときには、第
3ステップで、前記下りデータチャンネルが接続されている当該基地局からの前記第1の副情報にのみ依拠して前記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する。
このため、閉ループ型送信ダイバーシチが行なわれ複数の基地局と結ばれている場合、
即ち、フィードバック情報が送信状態の制御のために有効に用いられる状況下にある場合
に限って、下りデータチャンネルがハードハンドオーバで接続されている当該基地局から
の第1の副情報にのみ依拠して副情報上りチャンネルの送信電力が制御される。
従って、従来の技術におけるように下りデータチャンネルが接続されているときにはフ
ィードバック情報の有効性の如何に依らず一律に当該基地局からの第1の副情報にのみ依
拠しソフトハンドオーバで結ばれた他の基地局からの信号に依らずに副情報上りチャンネ
ルの送信電力を無用に増加させるように制御して徒に電力を消費してしまうといったこと
が有効に回避され、移動局における省電力特性が改善される。
本発明によれば、閉ループ型送信ダイバーシチが有効に機能する状態が維持され、且つ、移動局における送信電力制御に係る省電力特性を改善することが出来る。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより本発明を明らかにする。
(本発明の実施の形態としての移動局の構成)
図1は、本発明の実施の形態としての移動局の構成を表す機能ブロック図である。
図1において、移動局100は、例えばHSDPAに準拠した通信方式に適合するものであり、ユーザ間での通信の目的とされる主情報(例えばパケットデータ等)を該当する一の基地局から例えばHS−PDSCH等であり得る主情報下りチャンネル(下りデータチャンネル)を通して受信すると共に通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報(例えばDPCHの下りチャンネルの制御情報等)を上述の一の基地局を含む複数の基地局から副情報下りチャンネル(下り制御チャンネル)を通して受信可能に構成され、且つ、通信の状態を維持するための関連する事象を表す情報であり主情報の位相補正情報を含む形態を採り得る第2の副情報(例えばDPCHの上りチャンネルの制御情報等)を上述の一の基地局を含む複数の基地局に対して副情報上りチャンネル(上り制御チャンネル)を通して送信可能に構成されている限りでは、従来のこの種の移動局と同様の形態を採り得る。
この移動局100と図示しない上述の各基地局とはアンテナ101を通して無線通信を行なう。
アンテナ101はRF信号に係る送受信の処理を行なうRF送受信部102の内部に備えられたアンテナ共用回路(Duplexer)によって送信および受信について共用される。
RF送受信部102には、それら自体は公知の増幅、周波数変換、復調、変調等の各機能部(何れもRF送受信部102内部に構成されるが、各個には図示を省略する)が備えられ、これらの機能部において所定のタイミングで各処理が実行されるように構成されている。
上述の復調機能部からの復調出力はチャネル分離回路(RF送受信部102内部に構成されている)によりユーザ間での通信の目的とされる主情報としての例えばパケットデータ等のユーザ情報と通信の状態を維持するための関連する事象を表す副情報(第1の副情報に該当するものであり、既述のDPCHの下りチャンネルを通して伝送される)としての各種制御情報とに分離される。
第1の副情報は通信方法判別部103および通信基地局判別部104にそれぞれ供給される。
通信方法判別部103は、特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信された第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を維持するために当該基地局が第1の副情報の送信を制御するためのフィードバック情報を含む第2の副情報を生成して当該基地局側に送信する(例えばDPCHの上りチャンネルを通して伝送する)閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあるか否かを判別する。
また、通信基地局判別部104は、通信方法判別部103によって上述の閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあると判別されているときに、複数の基地局との間で副情報下りチャンネルおよび副情報上りチャンネルが接続された状態にあるか否かを判別する。この判別は、例えば、上述のような接続が持たれている基地局の数を計数した結果に基づいて行なわれる。
通信方法判別部103および通信基地局判別部104における各判別結果を表す出力データが送信電力制御信号受信判別部105に供給される。
送信電力制御信号受信判別部105では、通信基地局判別部104の出力データから認識される接続先の基地局の数に応じて、各個の基地局からの制御信号を識別し、該当する基地局毎の送信電力制御信号(例えば、既述のTPCビットの形態を採る信号)を受信する。
更に、通信方法判別部103の出力データに基づいて、現在時点で閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあると判別され、且つ、通信基地局判別部104の出力データに基づいて複数の基地局と接続されていると認識されたときには、主情報を伝送する主情報下りチャンネルで結ばれた一の基地局であるデータ送信基地局(メインブランチ)から送信される送信電力制御信号(例えば、TPCビット)のみを上り副情報チャンネルの送信電力制御を行なう際に依拠すべき制御指令として判別し、該判別結果に合致する送信電力制御信号を送信電力決定部106に供給する。
送信電力決定部106は送信電力制御信号受信判別部105から供給された送信電力制御信号に基づいて上り副情報チャンネルの送信電力の値を割り出す。
該割り出された結果がRF送受信部102に供給され、上り副情報チャンネルの送信電力制御における目標値としてRF送受信部102での送信電力の調節動作が実行される。
本例での移動局100では、RF送受信部102、通信方法判別部103、通信基地局判別部104、送信電力制御信号受信判別部105、および、送信電力決定部106を含む系全体を統括的に管理するシステムコントローラ107が設けられている。
システムコントローラ107は、操作ボタン等を含む操作部(不図示)からユーザの操作を受付けて、通信に関する各所要の動作を実行すると共に、RF送受信部102で復調された受信情報をユーザに表示ないし音声出力し、また、送信する情報をRF送受信部102に供給する。
上述における通信に関する各所要の動作として、RF送受信部102、通信方法判別部103、通信基地局判別部104、送信電力制御信号受信判別部105、および、送信電力決定部106における処理の進捗の監視と制御(相互の作動タイミングの調整等を含む)等が含まれる。
フローチャートを参照して後述する移動局100における送信電力制御の作動シーケンスも、このシステムコントローラ107による統括的な管理下で逐次実行される。
尚、通信基地局判別部104によって複数の基地局との間で副情報下りチャンネルおよび副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別されているときには主情報下りチャンネルが接続されている当該基地局からの第1の副情報にのみ依拠して副情報上りチャンネルの送信電力を制御する送信電力制御部が、送信電力制御信号受信判別部105、送信電力決定部106、および、RF送受信部102の該当部、ならびに、システムコントローラ107の該当する機能部を含んで構成される。
(本発明の実施の形態としての移動局における送信電力制御動作)
図2は、図1の移動局における送信電力制御動作を表すフローチャートである。
先ず、通信方法判別部103によって、特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信された第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を維持するために当該基地局が第1の副情報の送信を制御するためのフィードバック情報を含む第2の副情報を生成して当該基地局側に送信する(例えばDPCHの上りチャンネルを通して伝送する)閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあるか否かを判別する(ステップS201)。
ステップS201で上述の閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあると判別されたときには(ステップS201:Yes)、通信基地局判別部104によって、複数の基地局との間で副情報下りチャンネルおよび副情報上りチャンネルが接続された状態にあるか否かを判別する(ステップS202)。
ステップS202で複数の基地局との間で副情報下りチャンネルおよび副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別されたときには(ステップS202:Yes)、送信電力制御信号受信判別部105によって、主情報を伝送する主情報下りチャンネルで結ばれた一の基地局であるデータ送信基地局(メインブランチ)から送信される送信電力制御信号(例えば、TPCビット)のみを上り副情報チャンネルの送信電力制御を行なう際に依拠すべき制御指令として判別する(ステップS203)。
ステップS203で上述のように判別された送信電力制御信号が、送信電力決定部106に、上り副情報チャンネルの送信電力の値を割り出すための信号として供給され、送信電力決定部106はこのようにして供給された送信電力制御信号に基づいて上り副情報チャンネルの送信電力の値を割り出し、この送信電力の値がRF送受信部102での送信電力の調節動作に供される。(ステップS204)。
尚、ステップS201で上述の閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にないと判別されたとき(ステップS201:No)、および、ステップS202で複数の基地局との間で副情報下りチャンネルおよび副情報上りチャンネルが接続された状態にはないと判別されたときには(ステップS202:No)、上述したような閉ループ型送信ダイバーシチは行なわれない状況にあり、通常のこの種の通信システムにおけるような公知の態様の送信電力制御が継続される。
以上、図2を参照して説明した送信電力制御動作において、ステップS201とステップS202とは、これらを実行する順序を入れ替えても、それらの後段での処理を行なうについて全く支障がない。この例を次に変形例として示す。
図3は、図2に係る変形例を表すフローチャートである。
先ず、通信基地局判別部104によって、複数の基地局との間で副情報下りチャンネルおよび副情報上りチャンネルが接続された状態にあるか否かを判別する(ステップS301)。
ステップS301で複数の基地局との間で副情報下りチャンネルおよび副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別されたときには(ステップS301:Yes)、次いで、通信方法判別部103によって、特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信された第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を維持するために当該基地局が第1の副情報の送信を制御するためのフィードバック情報を含む第2の副情報を生成して当該基地局側に送信する(例えばDPCHの上りチャンネルを通して伝送する)閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあるか否かを判別する(ステップS302)。
ステップS302で、上述の閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあると判別されたときには(ステップS302:Yes)、送信電力制御信号受信判別部105によって、主情報を伝送する主情報下りチャンネルで結ばれた一の基地局であるデータ送信基地局(メインブランチ)から送信される送信電力制御信号(例えば、TPCビット)のみを上り副情報チャンネルの送信電力制御を行なう際に依拠すべき制御指令として判別する(ステップS303)。
ステップS303で上述のように判別された送信電力制御信号が、送信電力決定部106に、上り副情報チャンネルの送信電力の値を割り出すための信号として供給され、送信電力決定部106はこのようにして供給された送信電力制御信号に基づいて上り副情報チャンネルの送信電力の値を割り出し、この送信電力の値がRF送受信部102での送信電力の調節動作に供される(ステップS304)。
尚、ステップS301で複数の基地局との間で副情報下りチャンネルおよび副情報上りチャンネルが接続された状態にはないと判別されたとき(ステップS301:No)、および、ステップS302で上述の閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にないと判別されたときには(ステップS302:No)、上述したような閉ループ型送信ダイバーシチが行なわれない状況にあり、通常のこの種の通信システムにおけるような公知の態様の送信電力制御が継続される。
以上、図1、図2および図3を参照して説明した移動局における送信電力制御は3GPPで提案されているHSDPAにおけるように共通チャンネルを用いてデータの転送を行なう通信に適用して有効である。
この場合、ユーザ間での通信の目的とされる主情報(パケットデータ等)は該当する一の基地局からハードハンドオーバにより主情報下りチャンネルを通して移動局に伝送され、上述の第1の副情報および第2の副情報は、前記一の基地局を含む複数の基地局との間で副情報下りチャンネルおよび副情報上りチャンネルを通してソフトハンドオーバにより授受される。
(本発明の実施の形態としての移動局における送信電力の増加および減少)
図4および図5は、図1、図2および図3を参照して説明した移動局における送信電力制御の様子(例えばHSDPAによりパケットデータ等の主情報を伝送する場合)を表す概念図である。
図4および図5において、図9および図10との対応部は同一の参照符号を付してある。
既述のように、HSDPAでは、基地局210、220から移動局100への情報(データ)の伝送に用いる下りチャンネルとして高速下り共用チャネル31(HS−PDSCH)が使用される。
基地局210、220は複数の移動局100(図4および図5では、説明の便宜上1基のみ図示)の各々に対するデータ送信を行うスケジュールを決定して、移動局100毎にタイミングを異にするようにしてデータを転送する。
HSDPAでは、各基地局210、220は、複数の移動局100の各々との間に、個別チャンネルである既述のDPCHを設定する。
DPCHは、その下りチャンネル21,22により基地局210、220から移動局100へ制御情報を送信すると共に、上りチャンネル11、12により移動局100から基地局210、220へ制御信号(TPCおよびFBI)を送信する。
図4の状態では、データの転送については、高速下り共用チャネル31を用いて一つの基地局210からハードハンドオーバで送信され、他方、制御信号については、複数の基地局210、220とDPCH(その下りチャンネル21、22、および、上りチャンネル11、12)を用いてソフトハンドオーバで授受される。
基地局210からDPCHの下りチャンネル21を通して送信電力の増加を指示するTPCビット(up)が送られ、同時に、基地局220からDPCHの下りチャンネル22を通して送信電力の減少を指示するTPCビット(down)が送られてきた場合を仮定する。
この場合に、本実施の形態の移動局100では、基地局210と閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあり且つ複数の基地局210、220と結ばれていると認識されたときには、図10(b)に示された従来の装置におけるように基地局220(図示の場合におけるサブブランチ)からの送信電力の減少を指示するTPCビット(down)に優先的に従うことなく、移動局210(図示の場合におけるメインブランチ)からの送信電力の増加を指示するTPCビット(up)に従ってDPCHの上りチャンネル11の送信電力を増加させるように送信電力制御を実行する。
従って、メインブランチに関するDPCHの上りチャンネルの送信電力を適切に制御することによってフィードバック情報の伝送におけるエラーの発生を低減させ主情報の伝送に係るスループットが高水準に維持される。
(本発明の実施の形態としての移動局に関する従来例との比較における特質)
本実施の形態の移動局では、特に、メインブランチからの主情報のデータを受けるときに、一律に、このメインブランチからの下り制御チャンネルによるTPCビットにのみ従って送信電力制御を行なうことはせず、閉ループ型送信ダイバーシチが行なわれる状況にあることが現実に検出され且つ複数の基地局と上述のように結ばれた状況にあると判別された場合に限って、メインブランチからの下り制御チャンネルによるTPCビットにのみ従って送信電力制御を行なう。
既述のように、屋内や駅の構内等々必ずしも閉ループ型送信ダイバーシチを行なうように構成されていない型式のものを含む種々の基地局が設備されている昨今の現実の状況において、フィードバック情報が送信状態の制御のために有効に用いられる状況下にある場合に限って、主情報下りチャンネルが(例えばハードハンドオーバで)接続されている当該基地局からの第1の副情報たるTPCビットにのみ依拠してフィードバック情報を伝送する副情報上りチャンネルの送信電力が制御される。
従って、従来の技術におけるように主情報下りチャンネルが接続されているときにはフィードバック情報の有効性の如何に依らず一律に当該基地局からの第1の副情報にのみ依拠しソフトハンドオーバで結ばれた他の基地局からの信号に依らずに副情報上りチャンネルの送信電力を無用に増加させるように制御してしまうために徒に電力を消費してしまうといった憂いが有効に回避され、移動局における省電力特性が改善される。
図5の状態は、データの転送ついては、高速下り共用チャネル31を用いて一つの基地局210からハードハンドオーバで送信され、他方、制御信号については、複数の基地局210、220とDPCH(その下りチャンネル21,22、および、上りチャンネル11,12)を用いてソフトハンドオーバで授受される点は既述の図4の場合と同様である。
しかし図5では図4の場合と異なり、基地局210からDPCHの下りチャンネル21を通して送信電力の減少を指示するTPCビット(down)が送られ、同時に、基地局220からDPCHの下りチャンネル22を通して送信電力の増加または減少の何れかを指示するTPCビット(up or down)が送られてきた場合を仮定している。
図5の場合においては、基地局220(図示の場合におけるサブブランチ)からのTPCビットが送信電力の増加または減少の何れを指示するものであっても(up or down)、これの影響を被ることなく、基地局210(図示の場合におけるメインブランチ)からの送信電力の減少を指示するTPCビット(down)に従ってDPCHの上りチャンネル11の送信電力を減少させるように送信電力制御を実行する。
従って、閉ループ型送信ダイバーシチが有効に機能する限りにおいてフィードバック情報が所要の範囲内の送信電力で送信されるように制御され、過剰な電力消費の発生が有効に回避されることになる。
(本発明の実施の形態としての移動局における送信電力制御方法)
以上説明した本発明の技術思想は、ユーザ間での通信の目的とされる主情報を該当する一の基地局(210)からハードハンドオーバにより主情報下りチャンネル(31)を通して受信すると共に通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報(TPC)を前記一の基地局を含む複数の基地局(210,220)からソフトハンドオーバにより副情報下りチャンネル(21,22)を通して受信可能であり、且つ、通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報(TPC,FBI)を前記一の基地局(210)を含む複数の基地局(210,220)に対してソフトハンドオーバにより副情報上りチャンネル(11,12)を通して送信可能である移動局(100)における送信電力制御方法であって、
特定の一の領域内の移動局(100)との通信を担う基地局(210)側から異なるアンテナを用いて送信された前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を維持するために当該基地局(210)が前記第1の副情報の送信を制御するために依拠するフィードバック情報(FBI)を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局(210)側に発する(11)閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあるか否かを判別する第1ステップ(ステップS201またはステップS302)と、
前記複数の基地局(210,220)との間で前記副情報下りチャンネル(21,22)および前記副情報上りチャンネル(11,12)が接続された状態にあるか否かを判別する第2ステップ(ステップS202またはステップS301)と、
前記第1ステップ(ステップS201またはステップS302)で前記閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあると判別され(ステップS201:Yes、ステップS302:Yes)、且つ、前記第2ステップ(ステップS202またはステップS301)で複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび前記副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別されているときには(ステップS202:Yes、ステップS301:Yes)、前記主情報下りチャンネル(31)が接続されている当該基地局(210)からの前記第1の副情報(21:TPC)にのみ依拠して前記副情報上りチャンネル(11)の送信電力を制御する第3ステップと(ステップS203+ステップS204、ステップS303+ステップS304)、
を含む送信電力制御方法としても要約される。
この送信電力制御方法では、ユーザ間での通信の目的とされる例えばパケットデータ等の主情報を該当する一の基地局(210)からハードハンドオーバにより主情報下りチャンネル(21)を通して受信すると共に例えば制御情報のような通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報(TPC)を前記一の基地局(210)を含む複数の基地局(210,220)からソフトハンドオーバにより副情報下りチャンネル(21,22)を通して受信可能であり、且つ、例えば制御情報(TPC,FBI)の様な通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報を前記一の基地局(210)を含む複数の基地局(210,220)に対してソフトハンドオーバにより副情報上りチャンネル(11,12)を通して送信可能である移動局(100)が、
第1ステップ(ステップS201またはステップS302)で、特定の一の領域内の移動局(100)との通信を担う基地局(210)側から異なるアンテナを用いて送信された前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を維持するために当該基地局(210)が前記第1の副情報の送信を制御するために依拠するフィードバック情報(FBI)を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局(210)側に発する閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあると判別し、且つ、
第2ステップ(ステップS202またはステップS301)で、複数の基地局(210,220)との間で前記副情報下りチャンネル(21,22)および前記副情報上りチャンネル(11,12)が接続された状態にあると判別したときには、
第3ステップ(ステップS203+ステップS204、ステップS303+ステップS304)で、前記主情報下りチャンネル(31)が接続されている当該基地局(210)からの前記第1の副情報(TPC)にのみ依拠して前記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する。
このため、閉ループ型送信ダイバーシチが行なわれ複数の基地局(210,220)と結ばれている場合、即ち、フィードバック情報が送信状態の制御のために有効に用いられる状況下にある場合に限って、主情報下りチャンネル(31)がハードハンドオーバで接続されている当該基地局(210)からの第1の副情報(TPC)にのみ依拠して副情報上りチャンネル(11)の送信電力が制御される。
従って、従来の技術におけるように主情報下りチャンネル(31)が接続されているときにはフィードバック情報の有効性の如何に依らず一律に当該基地局(210)からの第1の副情報(TPC)にのみ依拠しソフトハンドオーバで結ばれた他の基地局(220)からの信号に依らずに副情報上りチャンネル(11)の送信電力を無用に増加させるように制御して徒に電力を消費してしまうといったことが有効に回避され、移動局における省電力特性が改善される。
(まとめ)
このような移動局における省電力特性を改善する技術は、通常電池駆動により作動し電源容量が限られている移動局における電力の消費を極限まで抑制して充電後の連続稼働時間を少しでも長く確保したいといった最も強い要請に応え得る一つの方途を開くものである。
尚、以上説明した本発明の移動局および移動局における送信電力制御方法に係る技術は、所謂短距離無線通信のシステム乃至はこのシステムを構成する要素となる各通信装置にも適用することが可能である。
本発明は、基地局側の複数のアンテナから送信した信号を、受信端末(移動局)で受信し合成する送信ダイバーシチ技術におけるクローズド型送信ダイバーシチでの基地局における省電力化技術の実現に利用することができる。
本発明の実施の形態としての移動局の構成を表す機能ブロック図である。 図1の移動局における送信電力制御動作を表すフローチャートである。 図2に係る変形例を表すフローチャートである。 図1、図2および図3を参照して説明した移動局における送信電力制御の一つの場合の様子を表す概念図である。 図1、図2および図3を参照して説明した移動局における送信電力制御の他の場合の様子を表す概念図である。 移動局からのフィードバック情報を用いない開ループ型送信ダイバーシチを採用する場合の位相の状態について説明するための概念図である。 移動局から送信されるフィードバック情報に基づいて送信信号の位相等を制御する閉ループ型送信ダイバーシチを採用する場合の位相の状態について説明するための概念図である。 従来の個別チャンネルを用いた通信の様子を表す概念図である。 共通チャンネルを用いてデータの転送を行なう通信の様子を表す概念図である。 HSDPAにおける高速閉ループ型の送信電力制御の様子を表す概念図である。 フィードバック情報に誤りがある状況下での送信ダイバーシチの様子を表す概念図である。
符号の説明
11,12…上り制御チャンネル
21,22…下り制御チャンネル
31,32…下りデータチャンネル
100…移動局
101…アンテナ
102…RF送受信部
103…通信方法判別部
104…通信基地局判別部
105…送信電力制御信号受信判別部
106…送信電力決定部
107…システムコントローラ

Claims (4)

  1. ユーザ間での通信の目的とされる主情報の送信データをHSDPAに準拠した通信方式で該当する一の基地局から下りデータチャンネルを通して受信すると共に通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局から副情報下りチャンネルを通して受信可能に構成され、且つ、通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局に対して副情報上りチャンネルを通して送信可能に構成された移動局であって、
    特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信さ
    れた前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を
    維持するために当該基地局が前記第1の副情報の送信を制御するためのフィードバック情
    報を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局側に送信する閉ループ型送信ダイバーシ
    チが適用される状況下にあるか否かを判別する通信方法判別部と、
    複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび前記副情報上りチャンネルが接
    続された状態にあるか否かを判別する通信基地局判別部と、
    前記通信方法判別部によって前記閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあ
    ると判別されており、且つ、前記通信基地局判別部によって複数の基地局との間で前記副
    情報下りチャンネルおよび前記副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別され
    ているときには、前記ユーザ間での通信の目的とされる主情報の送信データをHSDPAに準拠した通信方式で該当する一の基地局からハードハンドオーバにより下りデータチャンネルを通して受信すると共に通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局からソフトハンドオーバにより副情報下りチャンネルを通して受信可能であり、且つ、通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局に対してソフトハンドオーバにより副情報上りチャンネルを通して送信可能である移動局における送信電力制御方法であって、
    特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信さ
    れた前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を
    維持するために当該基地局が前記第1の副情報の送信を制御するために依拠するフィード
    バック情報を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局側に発する閉ループ型送信ダイ
    バーシチが適用される状況下にあるか否かを判別する第1ステップと、
    前記複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび前記副情報上りチャンネル
    が接続された状態にあるか否かを判別する第2ステップと、
    前記第1ステップで前記閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあると判別
    され、且つ、前記第2ステップで複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび
    前記副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別されているときには、前記下りデータチャンネルが接続されている当該基地局からの前記第1の副情報にのみ依拠して前
    記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する第3ステップと、
    を含むが接続されている当該基地局からの前記第1
    の副情報にのみ依拠して前記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する送信電力制御部
    と、を備えていることを特徴とする移動局。
  2. ユーザ間での通信の目的とされる主情報を該当する一の基地局から主情報下りチャンネルを通して受信すると共に通信の状態を維持するための関連する事象を表す情報としての送信電力制御情報を含む第1の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局から下り制御チャンネルを通して受信可能に構成され、且つ、通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局に対して副情報上りチャンネルを通して送信可能に構成された移動局であって、
    特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信さ
    れた前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を
    維持するために当該基地局が前記第1の副情報の送信を制御するためのフィードバック情
    報を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局側に送信する閉ループ型送信ダイバーシ
    チが適用される状況下にあるか否かを判別する通信方法判別部と、
    複数の基地局との間で前記下り制御チャンネルおよび前記副情報上りチャンネルが接
    続された状態にあるか否かを判別する通信基地局判別部と、
    前記通信方法判別部によって前記閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあ
    ると判別されており、且つ、前記通信基地局判別部によって複数の基地局との間で前記下り制御チャンネルおよび前記副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別され
    ているときには、前記主情報下りチャンネルが接続されている当該基地局からの前記第1
    の副情報にのみ依拠して前記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する送信電力制御部
    と、
    を備えていることを特徴とする移動局。
  3. ユーザ間での通信の目的とされる主情報を該当する一の基地局から主情報下りチャンネル
    を通して受信すると共に通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報を
    前記一の基地局を含む複数の基地局から副情報下りチャンネルを通して受信可能に構成さ
    れ、且つ、通信の状態を維持するための関連する事象を表す情報としての主情報の位相補正情報を含む第2の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局に対して上り制御チャンネルを通して送信可能に構成された移動局であって、
    特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信さ
    れた前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を
    維持するために当該基地局が前記第1の副情報の送信を制御するためのフィードバック情
    報を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局側に送信する閉ループ型送信ダイバーシ
    チが適用される状況下にあるか否かを判別する通信方法判別部と、
    複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび前記上り制御チャンネルが接
    続された状態にあるか否かを判別する通信基地局判別部と、
    前記通信方法判別部によって前記閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあ
    ると判別されており、且つ、前記通信基地局判別部によって複数の基地局との間で前記副
    情報下りチャンネルおよび前記上り制御チャンネルが接続された状態にあると判別され
    ているときには、前記主情報下りチャンネルが接続されている当該基地局からの前記第1
    の副情報にのみ依拠して前記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する送信電力制御部
    と、
    を備えていることを特徴とする移動局。
  4. ユーザ間での通信の目的とされる主情報の送信データをHSDPAに準拠した通信方式で該当する一の基地局からハードハンドオーバにより下りデータチャンネルを通して受信すると共に通信の状態を維持するための関連する事象を表す第1の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局からソフトハンドオーバにより副情報下りチャンネルを通して受信可能であり、且つ、通信の状態を維持するための関連する事象を表す第2の副情報を前記一の基地局を含む複数の基地局に対してソフトハンドオーバにより副情報上りチャンネルを通して送信可能である移動局における送信電力制御方法であって、
    特定の一の領域内の移動局との通信を担う基地局側から異なるアンテナを用いて送信さ
    れた前記第1の副情報を受信合成して得た合成副情報の状態に応じて該受信に係る品質を
    維持するために当該基地局が前記第1の副情報の送信を制御するために依拠するフィード
    バック情報を含む前記第2の副情報を生成して当該基地局側に発する閉ループ型送信ダイ
    バーシチが適用される状況下にあるか否かを判別する第1ステップと、
    前記複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび前記副情報上りチャンネル
    が接続された状態にあるか否かを判別する第2ステップと、
    前記第1ステップで前記閉ループ型送信ダイバーシチが適用される状況下にあると判別
    され、且つ、前記第2ステップで複数の基地局との間で前記副情報下りチャンネルおよび
    前記副情報上りチャンネルが接続された状態にあると判別されているときには、前記下りデータチャンネルが接続されている当該基地局からの前記第1の副情報にのみ依拠して前
    記副情報上りチャンネルの送信電力を制御する第3ステップと、を含む移動局における送信電力制御方法。
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