JP4481125B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
一方、例えば通勤電車の中で仕事をする場合等、周りの人から画面を覗かれては困ることがあり、このような場合にはディスプレイの観察者のみに見え、他人からは見えないような視野角の制御が望まれる。このような要求に対して、例えば図10に示すようなルーバータイプのコントラスト向上シートが開発されて使用されている。ルーバータイプのコントラスト向上シートは、外光を遮光してコントラストを上げる効果を示し、例えば、ルーバーにおける二重像(ゴーストと称する。)の発生を減少させたコントラスト向上シートが開示されている(特許文献1〜特許文献3参照。)。特許文献1の第5図には、ゴーストの説明図が記載されている。
本発明においては、プリズムレンズは連続プリズム形状がより好ましい。
本発明においては、観察者に好ましい上方の適正な視野角を30°〜60°と設定し、それに対応してプリズムレンズの緩斜面の角度を定めている。
すなわち、視野角を30°とするとプリズムレンズの緩斜面の角度は約20°、視野角45°とすると緩斜面の角度は約12°、視野角60°とすると緩斜面の角度は約5°となる。
また、本発明において、プリズムレンズの角度を変えて、上側を緩斜面、下側を急斜面とするのは、外光は上方から入射する場合が多く、それをシート裏面のプリズムレンズで効果的に反射させ、楔形部で吸収し、観察者側に行かせないようにするためである。
本発明において、プリズムレンズの急斜面の角度は、プリズムレンズ製造上の制約とコントラスト向上効果により好ましい角度範囲が設定される。
プリズムレンズの急斜面の角度が、90°を超えるとレンズの製造が困難となり、50°未満ではコントラストが低下する。
上記のように、上方から入射した外光は、プリズムレンズで反射されて楔形部で吸収され、コントラストが向上する。
一方、映像源側からの映像光はプリズムレンズにより若干下向きになるが、指向性の少ない拡散光を用いるディスプレイの場合には、視野角にはほとんど影響しない。
楔形部を略等脚台形とすることにより、楔形部の上底面の頂角が鈍角となり、楔形部を作製するための金型等が容易に製造でき、さらに楔形部の強度が向上し、高品質のコントラスト向上シートを安定して製造することができる。
本発明においては、映像光を楔形部の斜面で反射し、視野角を広くするために、上記の角度範囲を好ましい角度としている。
角度θが15°を超えると、十分なコントラスト向上効果もしくは視野角制御効果を達成するために、ブラックストライプBSの幅を広くする必要が生じるので、光の利用効率が低下し、輝度が低下してしまう。
さらに、BS幅が広いと製造がより難しくなるという問題を生じる。
また、本発明においては、断面形状楔形部の斜面部分が出光面の法線となす角度θは、必ずしも楔形部の上下で同一角度である必要はなく、上下の角度が0°〜15°の範囲内において、例えば、0°と10°のように、異なる角度を有することも可能である。
Nx−Ny≧−0.01
なる関係を有することを特徴とする。
本発明において、屈折率Nxと屈折率Nyとの屈折率差をほとんどなくすことにより、楔形部に小さい角度で入射した光は全反射せずに楔形部に吸収され、実質的にゴーストの発生が抑えられる。
Nx−Ny=−0.01の場合は、斜面に対して約84°以上の角度で入射する映像光は全反射するが、この範囲であれば実質的に問題となるレベルのゴーストにはならない。
Nx−Nyが−0.01未満では、観察者側の位置の10°〜30°辺りにゴーストの影響が生じてきて好ましくない。
図1は、本発明の第一の実施形態にかかるコントラスト向上シートS1の一方向の断面を示す図である。図1においては、図面右側に映像光源が配置されて拡散光が出射され、図面の左側に観察者が位置している。このコントラスト向上シートS1は、観察者側から映像源方向に順に、観察者側ベースシート11、レンズ部12、映像源側ベースシート13が貼り合わされて形成されており、映像源側ベースシート13の映像源側には連続プリズム形状のプリズムレンズ15が設けられている。レンズ部12は、屈折率がN1の物質で形成されている。さらに、図では上下に隣接する2つのレンズ部12の斜辺に挟まれた部分の断面形状は楔形部をなし、レンズ部12と同一又は異なる材料物質が充填され、屈折率N2を有する物質で埋められている。以後の説明においてはこの屈折率N2の物質で埋められている部分を「楔形部14」という。楔形部14の断面形状は、映像源からの拡散光を効率良く全反射するために、略三角形又は略台形をなすものであり、楔形部は映像源側もしくは観察者側に先端を有するものである。図1においては、楔形部14は略台形をなし、観察者側に幅広の下底面、映像源側に先端となる幅の狭い上底面を備えている。
(式1) N2−N1≧−0.01
また、楔形部14とレンズ部12とが接する斜面が、出光面の法線V(当該コントラスト向上シートS1のレンズ部に対する垂直入射光に平行な線)となす角度は所定の角度θ1に形成されている。θ1は0°〜15°の範囲である。
図2は、第二の実施形態にかかるコントラスト向上シートS2の一方向の断面を示す図である。図2においても、図面右側に映像光源が配置され、図面の左側に観察者が位置している。このコントラスト向上シートS2は、観察者側から映像源方向に順に、観察者側ベースシート21、レンズ部22、映像源側ベースシート23が貼り合わされて形成されており、映像源側ベースシート23の映像源側には連続プリズム形状のプリズムレンズ25が設けられている。レンズ部22は、屈折率がN1の物質で形成されている。さらに、図では上下に隣接する2つのレンズ部22の斜面に挟まれた断面形状台形の部分は、屈折率N2を有する物質で埋められている。以後の説明においてはこの屈折率N2の物質で埋められている部分を「楔形部24」という。楔形部24は、観察者側に幅広の下底面、映像側に先端である幅の狭い上底面を備えている。
ことができる。
図3は、本発明の第三の実施形態のコントラスト向上シートS3を示している。このコントラスト向上シートS3は、観察者側から映像源側方向に順に、映像源側ベースシート31、レンズ部32、観察者側ベースシート33が貼り合わされて配置されており、映像源側ベースシート33の映像源側には連続プリズム形状のプリズムレンズ35が設けられている。レンズ部32は屈折率N1を有する物質により形成されている。上下方向に隣接するレンズ部32の間に挟まれた楔形部34は映像源側に先端を有し、楔形部34の内部には、レンズ部32の屈折率N1と略同一の屈折率を有する物質が充填されている。さらに、図において楔形部34の斜面および上底面は、屈折率N2を備え透明な物質により形成された層36(以下「透明屈折率層36」という。)により形成されている。
図4は、本発明の第四の実施形態にかかるコントラスト向上シートS4の断面を示している。このコントラスト向上シートS4は、観察者側から映像源側の方向に順に、映像源側ベースシート41、レンズ部42、観察者側ベースシート43が貼り合わされて配置されており、映像源側ベースシート43の映像源側には連続プリズム形状のプリズムレンズ45が設けられている。レンズ部42は屈折率N1を有する物質により形成されている。さらに、図面の上下方向に隣接する2つのレンズ部42にはさまれた断面形状台形の部分には、屈折率N2を備えた透明な物質(以下において「透明屈折率物質46」という。)中に光吸収粒子48が添加された材料で充填されている。以降の説明においては、この透明屈折率物質46が充填されている部分を「楔形部44」と呼ぶ。断面形状台形の楔形部44は、観察者側に下底面、映像源側に先端である上底面を備えている。
図5は、本発明の第五の実施形態のコントラスト向上シートS5を示している。このコントラスト向上シートS5も、観察者側から映像源方向に順に、観察者側ベースシート51、レンズ部52、映像源側ベースシート53が貼り合わされて配置されており、映像源側ベースシート53の映像源側には連続プリズム形状のプリズムレンズ55が設けられている。レンズ部52は屈折率N1を有する物質により形成されている。上下方向に隣接するレンズ部52の間に挟まれた部分は、断面形状台形の楔形部54を形成し、映像源側に先端を有し、楔形部54の斜面および上底面は、屈折率N2を備え透明な物質により形成された層56(以下「透明屈折率層56」という。)により形成されている。さらに、楔形部54の内部には、N2より高い屈折率を有する物質中に光吸収粒子58が添加された材料が充填されている。
また、第四の実施形態及び第五の実施形態におけるコントラスト向上シートS4、S5における光吸収粒子48、58は、楔形部44、54の全体の体積に対して10〜50体積%であることが好ましい。かかる比率を維持することによって、十分な光吸収効果を保ちつつ、容易な製造条件を与えることができる。
図6は、楔形部64の斜面部分の形状が別な態様を示すコントラスト向上シートの断面図である。この楔形部64は断面形状が台形をなすが、楔形部64の2つの斜面部分が出光面の法線となす各々の角度が異なっており、図6においては、紙面の上側の角度θ61が下側の角度θ62より大きく、例えば、図6では、上側の角度θ61が10°、下側の角度θ62は0°の場合を例示している。図6に示すように、楔形部64の斜面部分の上側の角度が下側の角度より大きい状態にて、楔形部を水平方向に配列させた横ストライプで表示装置に用いることにより、映像源からの上方向の光に対して透過率が高く、観察者側の輝度をより向上させることができる。
本発明のコントラスト向上シートは、OLED、PDP(プラズマディスプレイパネル)等、他のディスプレイにも適用することができる。
図4に示すような、観察者側ベースシート、レンズ部、映像源側にプリズムレンズを設けた映像源側ベースシートより構成され、断面形状等脚台形の楔形部を有し、映像源側に幅の狭い先端部を持ち、さらに図示はされていないが、台形部の下底面にブラックストライプBSを設けたコントラスト向上シートを下記仕様にて作製した。BS率はコントラスト向上シートの楔形部下底面に形成されたブラックストライプBSの面積比率を示し、台形テーパー角度は台形の斜面部分が出光面の法線となす角度(θ)である。
BS率:25%
レンズ間ピッチ:0.1mm
レンズ部材料(樹脂)屈折率:1.56
楔形部材料屈折率:1.56
楔形部上底面幅:7μm
台形テーパー角度:5°
黒色光吸収粒子粒径:5μm
プリズムレンズ角度:上側緩斜面;10°、下側急斜面;60°
上記のシートは、特に上方からの外光に対して明室コントラストが向上し、さらに入射角度の大きい光は楔形部で吸収されるので、輝度はほとんど減少せず、またゴーストも抑えられたコントラスト向上シートが得られた。
断面形状台形の楔形部を有し、図6に示すように、台形の上側斜面のテーパーを10°、下側斜面のテーパーを0°とし、それ以外の条件は実施例1と同じであるコントラスト向上シートを作製した。
このコントラスト向上シートもコントラストが高く、入射角度の大きい光は楔形部で吸収されるので、輝度はほとんど減少せず、ゴーストが抑えられたコントラスト向上シートが得られた。
プリズムレンズの上側緩斜面の角度を変えた以外は、実施例1と同じ条件で数種類のコントラスト向上シートを作製し、それらのシートを液晶表示装置の前面に順次設置し、視野角の好ましさとコントラストの良否を、目視による○×判定で比較した。その結果、および総合評価を表1に示す。
プリズムレンズの下側急斜面の角度を変えた以外は、実施例1と同じ条件で数種類のコントラスト向上シートを作製した。緩斜面の角度は実施例1と同じ10°である。作製した数種類のシートを液晶表示装置の前面に順次設置し、製造上の制約とコントラストの良否を、目視による○×判定で比較した。その結果、および総合評価を表2に示す。
に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定さ
れるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に
反しない範囲で適宜変更可能である。
11、21、31、41、51、61、71 観察者側ベースシート
12、22、32、42、52、62、72 レンズ部
13、23、33、43、53、63、73 映像源側ベースシート
14、24、34、44、54、64、74 楔形部
15、25、35、45、55、65、75 プリズムレンズ
15a、25a、35a、45a、55a プリズムレンズの緩斜面
15b、25b、35b、45b、55b プリズムレンズの急斜面
36、56 透明屈折率層
46 透明屈折率物質
48、58 光吸収粒子
80 表示装置
L11、L12、L13、L21、L22、L23、L31、L32、L33、L41、 L42、L43、L51、L52、L53、L6 光線
L14、L24、L34、L44、L54 光
L15、L25、L35、L45、L55、L16、L26、L36、L46、L56 外光
S9 プリズムレンズを設けていないコントラスト向上シート
91 観察者側ベースシート
92 レンズ部
93 映像源側ベースシート
94 楔形部
L95、L96、L97 外光
Claims (12)
- 映像光を発する映像源と、前記映像源よりも観察者側に配置されるコントラスト向上シートとを備える表示装置であって、
前記コントラスト向上シートは、断面形状が台形のレンズ部が所定の間隔で配列されるとともに、隣り合う前記レンズ部間の楔形部は、前記レンズ部と、同一又は異なる材料が充填され、前記楔形部は、映像源側もしくは観察者側に先端を有し、かつ、光吸収効果を有し、
前記コントラスト向上シートを構成するシートの最も映像源側であるシート面に、プリズムレンズが設けられ、
前記プリズムレンズは、前記シート面を底面とする三角柱プリズムが配列されており、前記三角柱プリズムが前記底面となす角度が、法線を上向きに持つ5°〜20°の緩斜面と法線を下向きに持つ50°〜90°の急斜面とを備える
ことを特徴とする表示装置。 - 前記プリズムレンズは垂直方向に光を制御することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記楔形部の断面形状が観察者側に幅広の下底面を有する略台形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
- 前記楔形部の斜面部分が出光面の法線となす角度をθとしたとき、θが0°〜15°の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記楔形部の少なくとも斜面部分を構成する材料の屈折率Nxと、前記レンズ部を構成する材料の屈折率Nyとの間に
Nx−Ny≧−0.01
なる関係を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記楔形部に光吸収粒子が添加されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記楔形部が略台形であって、前記光吸収粒子の平均粒径が1μm以上で、前記略台形の上底面の幅以下であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
- 前記光吸収粒子の添加量が10〜50体積%であることを特徴とする請求項6又は7に記載の表示装置。
- 前記コントラスト向上シートは、少なくとも一面側に、AR、AS、AG、タッチセンサーのうちのいずれか、又はこれらの内複数の付加機能が付与されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記楔形部の2つの斜面部分が出光面の法線となす各々の角度が異なっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記楔形部の2つの斜面部分が前記出光面の法線となす各々の角度は、上側の角度が下側の角度より大きいことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 前記コントラスト向上シートを、前記断面形状が台形の前記レンズ部が横ストライプとなる形態で用いることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示装置。
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