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JP4476809B2 - エレベータの駆動装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エレベータのかごを昇降させるためのエレベータの駆動装置に関するものである。
従来、乗客の輸送能力を向上させるためのエレベータ装置として、例えば特開昭59−133188号公報には、同一昇降路内を2つのかごが昇降されるワンシャフト・ダブルカー方式のエレベータ装置が示されている。この従来のエレベータ装置では、2つのかごを昇降させるために別体の2台の巻上機が用いられている。各巻上機は、昇降路の上部の機械室内に設置されている。このため、機械室のスペースがエレベータ装置全体の省スペース化の妨げとなっていた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、設置するためのスペースを小さくすることができるエレベータの駆動装置を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータの駆動装置は、第1主索により吊り下げられた第1かごと、第2主索により吊り下げられた第2かごとを独立して昇降させるエレベータの駆動装置であって、環状の第1モータ部と、第1モータ部により回転され、第1主索が巻き掛けられる第1駆動綱車部を含む環状の第1回転体とを有する第1巻上機、及び第1巻上機の内側に配置された第2モータ部と、第2モータ部により回転され、第2主索が巻き掛けられる第2駆動綱車部を含む第2回転体とを有する第2巻上機を備えているものである。
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す縦断面図、
図2は図1の駆動装置を示す正面図、
図3は図2のIII−III線に沿った断面図である。
図4は、この発明の実施の形態2による駆動装置を示す一部破断正面図、
図5は図4のV−V線に沿った断面図である。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す縦断面図である。図において、昇降路1内には、複数本の第1主索2により上かご3及び上かご用釣合おもり4が吊り下げられている。また、昇降路1内には、複数本の第2主索5により下かご6及び下かご用釣合御おもり7が吊り下げられている。上かご3は下かご6の上方に配置され、上かご用釣合おもり4は下かご用釣合おもり7の下方に配置されている。なお、図1では、第1主索2と第2主索5との区別のため、第1主索2を太線で示している。また、図1では、簡単のため、第1主索2及び第2主索5の本数をそれぞれ1本として示している。
上かご3の下部には、第1主索2が巻き掛けられた一対の上かご吊り車8が設けられている。下かご6の下部には、第2主索5が巻き掛けられた一対の下かご吊り車9が設けられている。上かご用釣合おもり4の上部には、第1主索2が巻き掛けられた釣合おもり吊り車10が設けられている。
昇降路1内の上端部には、第1主索2が巻き掛けられた上かご用第1返し車11、及び第2主索5が巻き掛けられた下かご用第1返し車12が設けられている。昇降路1内の上端部近傍には、第1主索2が巻き掛けられた上かご用第2返し車13、及び第2主索5が巻き掛けられた下かご用第2返し車14が設けられている。昇降路1の底部には、上かご3及び上かご用釣合おもり4を昇降させ、下かご6及び下かご用釣合おもり7をも昇降させる駆動装置15が設置されている。
図2は図1の駆動装置15を示す正面図、図3は図2のIII−III線に沿った断面図である。図において、駆動装置15は、環状の第1巻上機16と、第1巻上機16の制動装置である第1ブレーキ装置17と、第1巻上機16の内側に一部が配置された第2巻上機18と、第2巻上機18の制動装置である第2ブレーキ装置19と、第1巻上機16、第1ブレーキ装置17、第2巻上機18及び第2ブレーキ装置19を支持する支持体20とを備えている。
支持体20は、昇降路1の底部に対して固定されている。また、支持体20は、支持フレーム21と、支持フレーム21に固定された主軸22とを有している。支持フレーム21は、主軸22が固定された支持フレーム本体23と、支持フレーム本体23から延出され、主軸22と同軸となるように配置された支持円筒部24とを有している。支持円筒部24の延出長さは、主軸22の長さよりも短くなっている。支持円筒部24の外周面には、環状の第1巻上機16が取り付けられている。主軸22には、第2巻上機18が取り付けられている。
第1巻上機16は、支持円筒部24の支持フレーム本体23側の外周面に取り付けられた環状の第1モータ部25と、支持円筒部24に回転自在に取り付けられた環状の第1回転体26とを有している。
第1回転体26は、支持円筒部24の先端部側に第1ベアリング27を介して取り付けられた第1回転体本体28と、第1回転体本体28の外周部から支持フレーム本体23側へ延出されて第1モータ部25の周囲に配置された第1回転体円筒部29と、第1回転体円筒部29の一部の外周部及び第1回転体本体28の外周部に形成された第1駆動綱車部30とを有している。第1駆動綱車部30には、第1主索2が巻き掛けられる。第1回転体26の回転軸線は、主軸22の軸線と同軸となっている。
第1モータ部25は、支持円筒部24の外周面に固定された環状の第1固定子31と、第1固定子31に対向するように第1回転体円筒部29の内面に固定された複数の永久磁石である第1電機子32とを有している。第1電機子32は、主軸22の軸線を中心に環状に配置されている。第1回転体26は、第1固定子31への通電により主軸22の軸線を中心に回転される。
第1ブレーキ装置17は、第1駆動綱車部30の外周端部から延出された第1ブレーキディスク33と、第1ブレーキディスク33に接離可能な第1制動片である第1ブレーキパッド34と、第1ブレーキパッド34を第1ブレーキディスク33に接離させる第1駆動機構35とを有している。第1ブレーキディスク33は、主軸22の軸線に対して垂直方向へ延出されており、第1回転体26と一体に回転される。
第1ブレーキパッド34は、第1ブレーキディスク33の周方向に間隔を置いて2箇所配置されている(図2)。ここでは、第1ブレーキパッド34は、主軸22の軸線に関して対称の位置に配置されている。第1駆動機構35は、第1ブレーキディスク33の周方向について第1ブレーキパッド34と同位置に配置されている(図2)。各第1駆動機構35は、支持体20に着脱可能に取り付けられている。第1ブレーキパッド34は、各第1駆動機構35と第1及び第2の主索2,5とが接触しないように配置されている。ここでは、第1ブレーキパッド34は、主軸22の軸線を通る鉛直面上に配置されている(図2)。
各第1駆動機構35は、第1ブレーキパッド34が貼り付けられた第1アクチュエータ部36と、第1ブレーキパッド34が第1ブレーキディスク33に接する方向へ第1アクチュエータ部36を付勢する付勢部である第1制動ばね37と、第1制動ばね37の付勢に逆らって第1ブレーキパッド34を第1ブレーキディスク33から開離させる第1電磁マグネット38とを有している。
また、各第1駆動機構35は、第1ブレーキ装置17の作動時に、第1ブレーキディスク33に対して各第1ブレーキパッド34を互いに微少時間差で接触させるようになっている。第1ブレーキディスク33の回転は、第1ブレーキパッド34の第1ブレーキディスク33への接触により制動される。
第2巻上機18は、主軸22の支持フレーム本体23側の部分に取り付けられた第2モータ部40と、主軸22に回転自在に取り付けられた第2回転体41とを有している。第2回転体41の外径は、第1回転体26の外径よりも小さくなっている。
第2回転体41は、主軸22の先端部側に第2ベアリング42を介して取り付けられた第2回転体本体43と、第2回転体本体43の外周部から支持フレーム本体23側へ延出されて第2モータ部40の周囲に配置された第2回転体円筒部44と、第2回転体円筒部44の外周部の一部及び第2回転体本体43の外周部に形成された第2駆動綱車部45とを有している。
第2回転体円筒部44の大部分は、支持円筒部24の内側に配置されている。第2駆動綱車45は、支持円筒部24の延出端部よりも反支持フレーム本体23側の第2回転体41の外周部に形成されている。第2駆動綱車部45には、第2主索5が巻き掛けられる。第2回転体41の回転軸線は、主軸22の軸線と同軸となっている。
第2モータ部40は、主軸22に固定された第2固定子46と、第2固定子46に対向するように第2回転体円筒部44の内面に固定された複数の永久磁石である第2電機子47とを有している。第2電機子47は、主軸22の軸線を中心に環状に配置されている。第2回転体41は、第2固定子46への通電により主軸22の軸線を中心に回転される。
第2ブレーキ装置19は、第2駆動綱車部45の外周部分から延出された第2ブレーキディスク48と、第2ブレーキディスク48の両側面に接離可能な第2制動片である一対の第2ブレーキパッド49と、第2ブレーキパッド49を第2ブレーキディスク48に接離させる第2駆動機構50とを有している。第2ブレーキディスク48の外径は、第1ブレーキディスク33の外径よりも小さくなっている。第2ブレーキディスク48は、主軸22の軸線に対して垂直方向へ延出されており、第2回転体41と一体に回転される。
主軸22の先端部には、各第2駆動機構50を支持する支持プレート51が固定ナット54により固定されている。各第2駆動機構50は、支持プレート51に着脱可能に取り付けられている。
第2ブレーキパッド49は、第2ブレーキディスク48の周方向に間隔を置いて2箇所配置されている(図2)。ここでは、第2ブレーキパッド49は、主軸22の軸線に関して対称の位置に配置されている。第2駆動機構50は、第2ブレーキディスク48の周方向について第2ブレーキパッド49と同位置に配置されている(図2)。第2ブレーキパッド49は、各第2駆動機構50と第1及び第2主索2,5とが接触しないように配置されている。ここでは、第2ブレーキパッド49は、主軸22の軸線を通る水平面上に配置されている。即ち、各第1ブレーキパッド34及び第2ブレーキパッド49は、主軸22の軸線方向に沿って見たときに第1駆動機構35と第2駆動機構50とが重ならないように配置されている(図2)。
各第2駆動機構50は、第2ブレーキパッド49が貼り付けられた第2アクチュエータ部51と、第2ブレーキパッド49が第2ブレーキディスク48に接する方向へ第2アクチュエータ部51を付勢する付勢部である第2制動ばね52と、第2制動ばね52の付勢に逆らって第2ブレーキパッド49を第2ブレーキディスク48から開離させる第2電磁マグネット53とを有している。
また、各第2駆動機構50は、第2ブレーキ装置19の作動時に、第2ブレーキディスク48に対して各第2ブレーキパッド49を互いに微少時間差で接触させるようになっている。第2ブレーキディスク48の回転は、第2ブレーキパッド49の第2ブレーキディスク48への接触により制動される。
次に、動作について説明する。上かご3が昇降される際には、第1電磁マグネット38への通電により、第1ブレーキ装置17の作動が解除される。これと同時に、第1駆動綱車部30が第1モータ部25の駆動により回転され、上かご3が昇降される。
上かご3が停止される際には、第1電磁マグネット38への通電が微少時間差のタイミングで遮断され、各箇所の第1ブレーキパッド34が互いに微少時間差で第1ブレーキディスク33に接触する。この第1ブレーキ装置17の作動により、第1ブレーキディスク33の回転は制動される。上かご3は、第1ブレーキディスク33の制動により停止される。
下かご6が昇降される際には、第2電磁マグネット53への通電により、第2ブレーキ装置19の作動が解除される。これと同時に、第2駆動綱車部45が第2モータ部40の駆動により回転され、下かご6が昇降される。
下かご6が停止される際には、第2電磁マグネット53への通電が微少時間差のタイミングで遮断され、各箇所の第2ブレーキパッド49が互いに微少時間差で第2ブレーキディスク48に接触する。この第1ブレーキ装置19の作動により、第2ブレーキディスク48の回転は制動される。下かご6は、第2ブレーキディスク48の制動により停止される。
このようなエレベータ装置では、環状の第1巻上機16の内側に第2巻上機18の第2モータ部40が配置されているので、第1巻上機16により上かご3を昇降させ、第2巻上機18により下かご6を昇降させることができ、しかも設置スペースを縮小することができる。このことから、ワンシャフト・ダブルカー方式のエレベータ装置においても駆動装置15を昇降路1内に容易に設置することができ、エレベータ装置全体の省スペース化を実現することができ、建物の空間を有効利用することができる。
また、第1ブレーキディスク33は第1回転体26の外周部から径方向外側へ延出され、第2ブレーキディスク48は第2回転体41の外周部から径方向外側へ延出されているので、駆動装置15の厚さ(主軸22の軸線方向長さ)を必要以上に大きくすることなく、容易に第1回転体26及び第2回転体41の回転を制動することができる。
また、第1ブレーキディスク33は第1駆動綱車部30から延出され、第2ブレーキディスク28は第2駆動綱車部45から延出されているので、駆動装置15の厚さを必要以上に大きくすることなく、容易に第1回転体26及び第2回転体41の回転を制動することができる。
また、第1ブレーキパッド34は第1ブレーキディスク33の周方向に間隔を置いて2箇所配置され、第1駆動機構35は第1ブレーキディスク33の周方向について各第1ブレーキパッド34と同位置に配置されているので、各第1駆動機構35への負担が分散され、必要な制動力を確保したまま各第1駆動機構35を小形化することができ、第1ブレーキ装置17全体を小型化することができる。
また、第2ブレーキパッド49は、第2ブレーキディスク48の周方向に間隔を置いて2箇所配置されており、第2駆動機構50は第2ブレーキディスク48の周方向について各第2ブレーキパッド49と同位置に配置されているので、各第2駆動機構50への負担が分散され、必要な制動力を確保したまま各第2駆動機構50を小形化することができ、第2ブレーキ装置19全体を小型化することができる。
また、各第1駆動機構35は、第1ブレーキ装置17の作動時に、第1ブレーキディスク33に対して各第1ブレーキパッド34を互いに微少時間差で接触させるようになっているので、第1ブレーキパッド34の第1ブレーキディスク33に対する接触音の発生に時間的ずれが生じ、第1ブレーキパッド34の第1ブレーキディスク33に対する接触音を小さくすることができる。
また、各第2駆動機構50は、第2ブレーキ装置19の作動時に、第2ブレーキディスク48に対して各第2ブレーキパッド49を互いに微少時間差で接触させるようになっているので、第2ブレーキパッド49の第2ブレーキディスク48に対する接触音の発生に時間的ずれが生じ、第2ブレーキパッド49の第2ブレーキディスク48に対する接触音を小さくすることができる。
また、各第1ブレーキパッド34及び第2ブレーキパッド49は、主軸22の軸線方向に沿って見たときに第1駆動機構35と第2駆動機構50とが重ならないように配置されているので、一方向から保守点検作業を行うことができ、保守点検のために確保されるスペースを小さくすることができる。
なお、上記の例では、第2駆動綱車部45の外径が第1駆動綱車部30の外径よりも小さくなっているが、第1駆動綱車部30の外径と第2駆動綱車部45の外径とを同一としてもよい。また、第1駆動綱車部30の外径に対して第2駆動綱車部45の外径を大きくしてもよい。
また、上記の例では、第1ブレーキパッド34及び第2ブレーキパッド49はそれぞれ2箇所に配置されているが、これに限定されず、3箇所以上に配置してもよい。この場合、第1駆動機構35及び第2駆動機構50も、第1ブレーキパッド34及び第2ブレーキパッド49に対応して配置される。
また、上記の例では、第2回転体41を主軸22に対して回転させるようにしたが、主軸22を第2回転体41と一体に回転するようにしてもよい。この場合、主軸22は、第2固定子46に対して回転される。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2によるエレベータの駆動装置を示す一部破断正面図である。また、図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。図において、駆動装置15(エレベータ用巻上機)のフレーム61は、一方の側面(一方側)に開口した受け部62(凹部)を有している。フレーム61には、受け部62を貫通した主軸63(軸)が固定されている。
フレーム61の外周部には、円筒状(環状)の第1回転体64がベアリングを介して枢着されている。第1回転体64は、主軸63と同軸に配置されている。第1回転体64の外周面の一部には、第1主索2(上かご用主索)が巻き掛けられる第1駆動綱車部68が形成されている。
フレーム61と第1回転体64との間には、環状の第1モータ部65(第1電動機)が配置されている。第1モータ部65は、第1回転体64の内周面に固定された複数の永久磁石である第1電機子66と、フレーム61の外周面に固定され、第1電機子66に対向する第1固定子67とを有している。第1回転体64は、第1固定子67への通電により主軸63の軸線を中心に回転される。なお、第1巻上機69は、第1モータ部65と第1回転体64とを有している。
受け部62内には、一方側に開口した窪み部70(凹所)を有する第2回転体71が嵌合状態に配置されている。第2回転体71は、主軸63にベアリングを介して枢着されている。第2回転体71の外周面の他方の側面寄りの一部には、第2主索5が巻き掛けられる第2駆動綱車部72が形成されている。第1駆動綱車部68は、第2駆動綱車部72よりも一方の側面寄りに配置されている。
フレーム61と第2回転体71との間には、環状の第2モータ部73(第2電動機)が配置されている。第2モータ部73は、第2回転体71の外周面に固定された複数の永久磁石である第2電機子74と、フレーム61に固定され、第2電機子74に対向する第2固定子75とを有している。第2回転体71は、第2固定子75への通電により受け部62内で主軸63の軸線を中心に回転される。なお、第2巻上機76は、第2モータ部73と第2回転体71とを有している。
第1回転体64の径方向外側には、第1回転体に対応した第1制動機、即ち第1回転体64の回転を制動可能な第1ブレーキ装置77が配置されている。第1ブレーキ装置77は、フレーム61に搭載されている。また、第1ブレーキ装置77は、第1回転体64の外周面に形成された第1制動面87に接離可能な第1制動片である第1ブレーキパッド78と、第1ブレーキパッド78を第1回転体64に接離させる第1駆動機構79とを有している。第1回転体64の回転は、第1ブレーキパッド78の第1回転体64への接触により制動される。
第1駆動機構79は、第1ブレーキパッド78が設けられた(装着された)第1アクチュエータ部80(第1制動腕)と、第1ブレーキパッド78が第1制動面87に接する方向へ第1アクチュエータ部80を付勢する付勢部である第1制動ばね81と、第1制動ばね81の付勢に逆らって第1ブレーキパッド78を第1制動面87から開離させる第1電磁マグネット88(第1電磁石機構)とを有している。第1ブレーキパッド78は、第1制動面87に対向している。第1ブレーキパッド78は、第1制動ばね81により第1アクチュエータ部80を介して第1制動面87に接触して押圧され、第1電磁マグネット88への通電により第1制動面87から開離される。
窪み部70内には、第2回転体71に対応した第2制動機、即ち第2回転体71の回転を制動可能な第2ブレーキ装置82が配置されている。第2ブレーキ装置82は、主軸63に装着されている。また、第2ブレーキ装置82は、窪み部70の内周面に形成された第2制動面89に接離可能な第2制動片である第2ブレーキパッド83と、第2ブレーキパッド83を第2回転体71に接離させる第2駆動機構84とを有している。第2回転体71の回転は、第2ブレーキパッド83の第2回転体71への接触により制動される。
第2駆動機構84は、第2ブレーキパッド83が設けられた(装着された)第2アクチュエータ部85と、第2ブレーキパッド83が第2制動面89に接する方向へ第2アクチュエータ部85を付勢する付勢部である第2制動ばね86(図5)と、第2制動ばね86の付勢に逆らって第2ブレーキパッド83を第2制動面89から開離させる第2電磁マグネット90(第2電磁石機構)とを有している。第2マグネット90は、主軸63に装着されている。また、第2ブレーキパッド83は、第2制動面89に対向している。第2ブレーキパッド83は、第2制動ばね86により第2アクチュエータ部85を介して第2制動面89に接触して押圧され、第2電磁マグネットへの通電により第2制動面89から開離される。他の構成は実施の形態1と同様である。
上記のようなエレベータ装置の運転は、第1巻上機69及び第2巻上機76が関連して駆動されるように、図示しない制御装置により管制制御される。即ち、上かご2及び下かご6は、駆動装置15が管制制御されることにより、互いに衝突しないように相互に連係して昇降路1内を昇降される。
このようなエレベータ装置は、ワンシャフト・ダブルカー方式のエレベータ装置であるので、一基のエレベータ装置に相当する昇降スペースによって輸送能力が向上し、エレベータ装置が設置された建物の空間が有効利用される。また、第1巻上機69及び第2巻上機76が一つのフレーム61に設けられて一体とされているので、昇降路1での水平投影面における駆動装置15の設置所要面積が減少し、建物の空間の利用効率を向上させることができ、またエレベータ装置の設置費用を節減することができる。
また、第1ブレーキ装置77は第1回転体64の外側に配置され、第2ブレーキ装置82は第2回転体71に設けられた窪み部70内に配置されているので、駆動装置15の厚さ(主軸63の軸線方向長さ)を必要以上に大きくすることなく、第1回転体64及び第2回転体71の回転を容易に制動することができる。即ち、駆動装置15内の空間を有効利用することができて、駆動装置15を小形化でき設置所要面積を節減することができる。従って、エレベータ装置が設置された建物の空間の利用効率を向上させることができ、またエレベータ装置の設置費用を節減することができる。
また、受け部62及び窪み部70は、同一の側(一方側)へ開口されているので、一方側からの作業によって第2ブレーキ装置82を窪み部70内に容易に着脱することができる。このことから、保守点検作業用のスペースを縮小することができると共に、第2ブレーキ装置82の保守点検作業を容易にすることができる。さらに、昇降路1内の他のエレベータ機器(図示しない)の配置の自由度も増すので、エレベーターが設置された建物の空間の利用効率が向上しエレベーターの設置費用を節減することができる。
また、フレーム61の一方側に開口した窪み部70に対応した位置には、第2ブレーキ装置82が配置され、第1回転体64の外周側で、かつ、フレーム61の受け部62開口部と同一の側には、第1ブレーキ装置77が配置されることにより、即ち第1ブレーキ装置77及び第2ブレーキ装置82が一方側から作業可能に配置されることにより、第1及び第2のブレーキ装置77,82の保守点検作業を同一の側(受け部62の開口側)から行うことができ、保守点検作業用のスペースをさらに縮小することができる。また、保守点検作業をさらに容易にすることができる。これにより、昇降路1内の他のエレベータ機器(図示しない)の配置の自由度を増加させることができる。
また、フレーム61の受け部62に嵌合状態に配置されて、主軸63に枢着された第2回転体71が受け部62に設けられ、円筒状の第1回転体64がフレーム61の外周に枢着されている。これにより、駆動装置15を小形化でき設置所要面積を節減することができる。したがって、建物の空間の利用効率が向上しエレベータ装置の設置費用を節減することができる。

Claims (11)

  1. 第1主索により吊り下げられた第1かごと、第2主索により吊り下げられた第2かごとを独立して昇降させるエレベータの駆動装置であって、
    環状の第1モータ部と、上記第1モータ部により回転され環状の第1回転体とを有する第1巻上機、及び
    上記第1巻上機の内側に配置された第2モータ部と、上記第2モータ部により回転され、上記第2主索が巻き掛けられる第2駆動綱車部を含む第2回転体とを有する第2巻上機
    を備え、
    上記第1回転体は、上記第1モータ部の周囲に配置された第1回転体円筒部と、上記第1回転体円筒部の外周部に形成され、上記第1主索が巻き掛けられる第1駆動綱車部とを有しているエレベータの駆動装置。
  2. 上記第1回転体の回転軸線に対して垂直方向へ上記第1回転体の外周から延出され、上記第1回転体と一体に回転される第1ブレーキディスクと、上記第1ブレーキディスクに接離可能な第1制動片と、上記第1ブレーキディスクに対して接離する方向へ上記第1制動片を変位させる第1駆動機構とを有し、上記第1ブレーキディスクの回転を制動する第1ブレーキ装置、及び
    上記第2回転体の回転軸線に対して垂直方向へ上記第2回転体の外周から延出され、上記第2回転体と一体に回転される第2ブレーキディスクと、上記第2ブレーキディスクに接離可能な第2制動片と、上記第2ブレーキディスクに対して接離する方向へ上記第2制動片を変位させる第2駆動機構とを有し、上記第2ブレーキディスクの回転を制動する第2ブレーキ装置
    をさらに備えている請求項1に記載のエレベータの駆動装置。
  3. 上記第1ブレーキディスクは上記第1駆動綱車部から延出され、上記第2ブレーキディスクは上記第2駆動綱車部から延出されている請求項2に記載のエレベータの駆動装置。
  4. 上記第1制動片は、上記第1ブレーキディスクの周方向に間隔を置いて複数配置され、
    上記第1駆動機構は、上記第1ブレーキディスクの周方向について各上記第1制動片と同位置に複数配置されている請求項2に記載のエレベータの駆動装置。
  5. 各第1駆動機構は、第1ブレーキ装置の作動時に、上記第1ブレーキディスクに対して各上記第1制動片を互いに微少時間差で接触させる請求項4に記載のエレベータの駆動装置。
  6. 上記第2制動片は、上記第2ブレーキディスクの周方向に間隔を置いて複数配置され、
    上記第2駆動機構は、上記第2ブレーキディスクの周方向について各上記第2制動片と同位置に複数配置されている請求項2に記載のエレベータの駆動装置。
  7. 各第2駆動機構は、第2ブレーキ装置の作動時に、上記第2ブレーキディスクに対して各上記第2制動片を互いに微少時間差で接触させる請求項6に記載のエレベータの駆動装置。
  8. 上記第1回転体の回転を制動可能な第1ブレーキ装置、及び
    上記第2回転体の回転を制動可能な第2ブレーキ装置
    をさらに備え、
    上記第2回転体には窪み部が設けられており、上記第1ブレーキ装置は上記第1回転体の外周側に配置され、上記第2ブレーキ装置は上記窪み部内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの駆動装置。
  9. 一方の側面に開口した受け部を有するフレーム、
    このフレームの受け部を貫通して設けられた軸、
    一方の側面に開口した窪み部が設けられて上記フレームの受け部に嵌合状態に配置され上記軸に枢着された第2回転体、
    この第2回転体の外周に設けられた第2電機子及び上記フレームの受け部における上記第2電機子と対向した内面に設けられた第2固定子巻線からなる第2電動機、
    上記第2回転体における他方の側面寄りの外周に形成された第2駆動綱車、
    円筒状をなし内面を介して上記フレームの外周に枢着された第1回転体、
    この第1回転体の内周に設けられた第1電機子及び上記フレームの上記第1電機子と対向した外面に設けられた第1固定子巻線からなる第1電動機、
    上記第1回転体の外周に形成されて一方の側面寄りに配置された第1駆動綱車
    を備えたことを特徴とするエレベータの駆動装置。
  10. 第2回転体の窪み部内に設けられた第2ブレーキ装置と、第1回転体の外周に設けられた第1ブレーキ装置とを備えたことを特徴とする請求項9に記載のエレベータの駆動装置。
  11. 第1回転体の外周に設けられた第1ブレーキ装置を、フレームにおける一方の側面に開口した受け部対応位置に配置された第2ブレーキ装置と同一の側に配置されたものとしたことを特徴とする請求項10に記載のエレベータの駆動装置。
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