以下、添付図を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1に、本発明の基板処理装置および平流し型基板搬送装置を適用できる一構成例としての塗布現像処理システムを示す。この塗布現像処理システム10は、クリーンルーム内に設置され、たとえばLCD(液晶ディスプレイ)用のガラス基板を被処理基板とし、LCD製造プロセスにおいてフォトリソグラフィー工程の中の洗浄、レジスト塗布、プリベーク、現像およびポストベーク等の一連の処理を行うものである。露光処理は、この処理システムに隣接して設置される外部の露光装置12で行われる。
この塗布現像処理システム10は、中心部に横長のプロセスステーション(P/S)16を配置し、その長手方向(X方向)両端部にカセットステーション(C/S)14とインタフェースステーション(I/F)18とを配置している。
カセットステーション(C/S)14は、システム10のカセット搬入出ポートであり、角型のガラス基板Gを多段に積み重ねるようにして複数枚収容可能なカセットCを水平方向たとえばY方向に4個まで並べて載置可能なカセットステージ20と、このステージ20上のカセットCに対して基板Gの出し入れを行う搬送機構22とを備えている。搬送機構22は、基板Gを保持できる手段たとえば搬送アーム22aを有し、X,Y,Z,θの4軸で動作可能であり、隣接するプロセスステーション(P/S)16側と基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
プロセスステーション(P/S)16は、システム長手方向(X方向)に延在する平行かつ逆向きの一対のラインA,Bに各処理部をプロセスフローまたは工程の順に配置している。より詳細には、カセットステーション(C/S)14側からインタフェースステーション(I/F)18側へ向う上流部のプロセスラインAには、洗浄プロセス部24と、第1の熱的処理部26と、塗布プロセス部28と、第2の熱的処理部30とを横一列に配置している。一方、インタフェースステーション(I/F)18側からカセットステーション(C/S)14側へ向う下流部のプロセスラインBには、第2の熱的処理部30と、現像プロセス部32と、脱色プロセス部34と、第3の熱的処理部36とを横一列に配置している。このライン形態では、第2の熱的処理部30が、上流側のプロセスラインAの最後尾に位置するとともに下流側のプロセスラインBの先頭に位置しており、両ラインA,B間に跨っている。
両プロセスラインA,Bの間には補助搬送空間35が設けられており、基板Gを1枚単位で水平に載置可能なシャトル38が図示しない駆動機構によってライン方向(X方向)で双方向に移動できるようになっている。
上流部のプロセスラインAにおいて、洗浄プロセス部24は、平流し方式の基板洗浄装置であり、ラインAに沿って搬入ユニット(IN)40、エキシマUV照射ユニット(e−UV)41およびスクラバ洗浄ユニット(SCR)42を一列に配置している。エキシマUV照射ユニット(e−UV)41およびスクラバ洗浄ユニット(SCR)42は、基板Gを平流しでラインAの方向に搬送しながら基板Gに乾式洗浄およびスクラビング洗浄をそれぞれ施すようになっている。
洗浄プロセス部24の下流側に隣接する第1の熱的処理部26は、プロセスラインAに沿って中心部に縦型の搬送機構46を設け、その前後両側に複数の枚葉式オーブンユニットを基板受け渡し用のパスユニットと一緒に多段に積層配置してなる多段ユニット部またはオーブンタワー(TB)44,48を設けている。
たとえば、図2に示すように、上流側のオーブンタワー(TB)44には、基板搬入用のパスユニット(PASSL)50、脱水ベーク用の加熱ユニット(DHP)52,54およびアドヒージョンユニット(AD)56が下から順に積み重ねられる。ここで、パスユニット(PASSL)50は、スクラバ洗浄ユニット(SCR)42からの洗浄処理の済んだ基板Gを第1の熱的処理部26内に搬入するためのスペースを提供する。下流側のオーブンタワー(TB)48には、基板搬出用のパスユニット(PASSR)60、基板温度調整用の冷却ユニット(CL)62,64およびアドヒージョンユニット(AD)66が下から順に積み重ねられる。ここで、パスユニット(PASSR)60は、第1の熱的処理部26で所要の熱処理の済んだ基板Gを下流側の塗布プロセス部28へ搬出するためのスペースを提供する。
図2において、搬送機構46は、鉛直方向に延在するガイドレール68に沿って昇降移動可能な昇降搬送体70と、この昇降搬送体70上でθ方向に回転または旋回可能な旋回搬送体72と、この旋回搬送体72上で基板Gを支持しながら前後方向に進退または伸縮可能な搬送アームまたはピンセット74とを有している。昇降搬送体70を昇降駆動するための駆動部76が垂直ガイドレール68の基端側に設けられ、旋回搬送体72を旋回駆動するための駆動部78が昇降搬送体70に取り付けられ、搬送アーム74を進退駆動するための駆動部80が回転搬送体72に取り付けられている。各駆動部76,78,80はたとえば電気モータ等で構成されてよい。
上記のように構成された搬送機構46は、高速に昇降ないし旋回運動して両隣のオーブンタワー(TB)44,48の中の任意のユニットにアクセス可能であり、補助搬送空間38側のシャトル40とも基板Gを受け渡しできるようになっている。
第1の熱的処理部26の下流側に隣接する塗布プロセス部28は、図1に示すように、レジスト塗布ユニット(CT)82と減圧乾燥ユニット(VD)84とをプロセスラインAに沿って一列に配置している。塗布プロセス部28内の構成は後に詳細に説明する。
塗布プロセス部28の下流側に隣接する第2の熱的処理部30は、上記第1の熱的処理部26と同様の構成を有しており、両プロセスラインA,Bの間に縦型の搬送機構90を設け、プロセスラインA側(最後尾)に一方のオーブンタワー(TB)88を設け、プロセスラインB側(先頭)に他方のオーブンタワー(TB)92を設けている。
図示省略するが、たとえば、プロセスラインA側のオーブンタワー(TB)88には、最下段に基板搬入用のパスユニット(PASSL)が配置され、その上にプリベーク用の加熱ユニット(PREBAKE)がたとえば3段積みに重ねられてよい。また、プロセスラインB側のオーブンタワー(TB)92には、最下段に基板搬出用のパスユニット(PASSR)が配置され、その上に基板温度調整用の冷却ユニット(COL)がたとえば1段重ねられ、その上にプリベーク用の加熱ユニット(PREBAKE)がたとえば2段積みに重ねられてよい。
第2の熱的処理部30における搬送機構90は、両オーブンタワー(TB)88,92のそれぞれのパスユニット(PASSL),(PASSR)を介して塗布プロセス部28および現像プロセス部32と基板Gを1枚単位で受け渡しできるだけでなく、補助搬送空間38内のシャトル40や後述するインタフェースステーション(I/F)18とも基板Gを1枚単位で受け渡しできるようになっている。
下流部のプロセスラインBにおいて、現像プロセス部32は、基板Gを水平姿勢で搬送しながら一連の現像処理工程を行う、いわゆる平流し方式の現像ユニット(DEV)94を含んでいる。
現像プロセス部32の下流側には脱色プロセス部34を挟んで第3の熱的処理部36が配置される。脱色プロセス部34は、基板Gの被処理面にi線(波長365nm)を照射して脱色処理を行うためのi線UV照射ユニット(i−UV)96を備えている。
第3の熱的処理部36は、上記第1の熱的処理部26や第2の熱的処理部30と同様の構成を有しており、プロセスラインBに沿って縦型の搬送機構100とその前後両側に一対のオーブンタワー(TB)98,102を設けている。
図示省略するが、たとえば、上流側のオーブンタワー(TB)98には、最下段に基板搬入用のパスユニット(PASSL)が置かれ、その上にポストベーキング用の加熱ユニット(POBAKE)がたとえば3段積みに重ねられてよい。また、下流側のオーブンタワー(TB)102には、最下段にポストベーキング・ユニット(POBAKE)が置かれ、その上に基板搬出および冷却用のパス・クーリングユニット(PASSR・COL)が1段重ねられ、その上にポストベーキング用の加熱ユニット(POBAKE)が2段積みに重ねられてよい。
第3の熱的処理部36における搬送機構100は、両多段ユニット部(TB)98,102のパスユニット(PASSL)およびパス・クーリングユニット(PASSR・COL)を介してそれぞれi線UV照射ユニット(i−UV)96およびカセットステーション(C/S)14と基板Gを1枚単位で受け渡しできるだけでなく、補助搬送空間38内のシャトル40とも基板Gを1枚単位で受け渡しできるようになっている。
インタフェースステーション(I/F)18は、隣接する露光装置12と基板Gのやりとりを行うための搬送装置104を有し、その周囲にバッファ・ステージ(BUF)106、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108および周辺装置110を配置している。バッファ・ステージ(BUF)106には定置型のバッファカセット(図示せず)が置かれる。エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108は、冷却機能を備えた基板受け渡し用のステージであり、プロセスステーション(P/S)16側と基板Gをやりとりする際に用いられる。周辺装置110は、たとえばタイトラー(TITLER)と周辺露光装置(EE)とを上下に積み重ねた構成であってよい。搬送装置104は、基板Gを保持できる手段たとえば搬送アーム104aを有し、隣接する露光装置12や各ユニット(BUF)106、(EXT・COL)108、(TITLER/EE)110と基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
図3に、この塗布現像処理システムにおける処理の手順を示す。先ず、カセットステーション(C/S)14において、搬送機構22が、ステージ20上のいずれかのカセットCの中から1つの基板Gを取り出し、プロセスステーション(P/S)16の洗浄プロセス部24に搬入する(ステップS1)。
洗浄プロセス部24において、基板Gはコロ搬送により搬入部(IN)40から搬出部(OUT)43までプロセスラインA方向に平流しで搬送され、途中のエキシマUV照射ユニット(e−UV)41およびスクラバ洗浄ユニット(SCR)42で洗浄処理を施される。すなわち、エキシマUV照射ユニット(e−UV)41では、基板Gの上面(被処理面)に紫外線が照射され、紫外線オゾン洗浄で有機物が除去される(ステップS2)。また、スクラバ洗浄ユニット(SCR)42では、基板Gの表面がロールブラシで擦られ、スクラビング洗浄によって基板表面の異物が取り除かれる(ステップS3)。そして、スクラビング洗浄の後に基板Gはリンス液で洗浄され、最後にエアーナイフ等によって液切り(乾燥)が行われる。
スクラバ洗浄ユニット(SCR)42内で洗浄処理の済んだ基板Gは、第1の熱的処理部26の上流側オーブンタワー(TB)44内のパスユニット(PASSL)50に平流しで搬入される。
第1の熱的処理部26において、基板Gは搬送機構46により所定のシーケンスで所定のオーブンユニットに順次移送される。たとえば、基板Gは、最初にパスユニット(PASSL)50から加熱ユニット(DHP)52,54の1つに移され、そこで脱水処理を受ける(ステップS4)。次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)62,64の1つに移され、そこで一定の基板温度まで冷却される(ステップS5)。しかる後、基板Gはアドヒージョンユニット(AD)56に移され、そこで疎水化処理を受ける(ステップS6)。この疎水化処理の終了後に、基板Gは冷却ユニット(COL)62,64の1つで一定の基板温度まで冷却される(ステップS7)。最後に、基板Gは下流側オーブンタワー(TB)48内のパスユニット(PASSR)60に移される。
このように、第1の熱的処理部26内では、基板Gが、搬送機構46を介して上流側の多段オーブンタワー(TB)44と下流側のオーブンタワー(TB)48との間で任意に行き来できるようになっている。なお、第2および第3の熱的処理部30,36でも同様の基板搬送動作が行なわれる。
第1の熱的処理部26で上記のような一連の熱的または熱系の処理を受けた基板Gは、下流側オーブンタワー(TB)48内のパスユニット(PASSR)60から塗布プロセス部28のレジスト塗布ユニット(CT)82へ移される。
レジスト塗布ユニット(CT)82において、基板Gは、後述するように長尺型のレジストノズルを用いるスピンレス法により基板上面(被処理面)にレジスト液を塗布される。次いで、基板Gは、下流側隣の減圧乾燥ユニット(VD)84で減圧による乾燥処理を受ける(ステップS8)。
上記のようなレジスト塗布処理を受けた基板Gは、減圧乾燥ユニット(VD)84から隣の第2の熱的処理部30の上流側オーブンタワー(TB)88内のパスユニット(PASSL)に搬入される。
第2の熱的処理部30内で、基板Gは、搬送機構90により所定のシーケンスで所定のユニットに順次移送される。たとえば、基板Gは、最初にパスユニット(PASSL)から加熱ユニット(PREBAKE)の1つに移され、そこでプリベーキングの加熱処理を受ける(ステップS9)。次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)の1つに移され、そこで一定の基板温度まで冷却される(ステップS10)。しかる後、基板Gは下流側オーブンタワー(TB)92側のパスユニット(PASSR)を経由して、あるいは経由せずにインタフェースステーション(I/F)18側のエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108へ受け渡される。
インタフェースステーション(I/F)18において、基板Gは、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108から周辺装置110の周辺露光装置(EE)に搬入され、そこで基板Gの周辺部に付着するレジストを現像時に除去するための露光を受けた後に、隣の露光装置12へ送られる(ステップS11)。
露光装置12では基板G上のレジストに所定の回路パターンが露光される。そして、パターン露光を終えた基板Gは、露光装置12からインタフェースステーション(I/F)18に戻されると(ステップS11)、先ず周辺装置110のタイトラー(TITLER)に搬入され、そこで基板上の所定の部位に所定の情報が記される(ステップS12)。しかる後、基板Gはエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108に戻される。インタフェースステーション(I/F)18における基板Gの搬送および露光装置12との基板Gのやりとりは搬送装置104によって行われる。
プロセスステーション(P/S)16では、第2の熱的処理部30において搬送機構90がエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108より露光済の基板Gを受け取り、プロセスラインB側のオーブンタワー(TB)92内のパスユニット(PASSR)を介して現像プロセス部32へ受け渡す。
現像プロセス部32では、該オーブンタワー(TB)92内のパスユニット(PASSR)から受け取った基板Gを現像ユニット(DEV)94に搬入する。現像ユニット(DEV)94において基板GはプロセスラインBの下流に向って平流し方式で搬送され、その搬送中に現像、リンス、乾燥の一連の現像処理工程が行われる(ステップS13)。
現像プロセス部32で現像処理を受けた基板Gはそのまま平流しで下流側隣の脱色プロセス部34へ搬入され、そこでi線照射による脱色処理を受ける(ステップS14)。脱色処理の済んだ基板Gは、第3の熱的処理部36の上流側オーブンタワー(TB)98内のパスユニット(PASSL)に搬入される。
第3の熱的処理部36において、基板Gは、最初に該パスユニット(PASSL)から加熱ユニット(POBAKE)の1つに移され、そこでポストベーキングの加熱処理を受ける(ステップS15)。次に、基板Gは、下流側オーブンタワー(TB)102内のパスクーリング・ユニット(PASSR・COL)に移され、そこで所定の基板温度に冷却される(ステップS16)。第3の熱的処理部36における基板Gの搬送は搬送機構100によって行われる。
カセットステーション(C/S)14側では、搬送機構22が、第3の熱的処理部36のパスクーリング・ユニット(PASSR・COL)から塗布現像処理の全工程を終えた基板Gを受け取り、受け取った基板Gをステージ20上のいずれかのカセットCに収容する(ステップS1)。
この塗布現像処理システム10においては、たとえば洗浄プロセス部24に本発明を適用することができる。以下、図4〜図21を参照して本発明を洗浄プロセス部24に適用した実施形態を説明する。
図4に本発明の一実施形態による洗浄プロセス部24の全体構成を示し、図5に搬送路上の主要な処理部の構成を示す。この洗浄プロセス部24は、棒状のコロ112を水平なY方向に対して所定の角度φだけ傾斜させてX方向(プロセスラインAの方向)に所定のピッチで敷設してなる傾斜型の搬送路114を有し、この搬送路114に沿って隔壁116を介して6つのプロックまたはモジュールM1〜M6を一列に配置している。隔壁116には、搬送路114を通すためのスリット118が形成されている。
これら6つのモジュールM1〜M6のうち、搬送路114の最上流端に位置する1番目のモジュールM1は搬入ユニット(IN)40を構成し、2番目のモジュールM2はエキシマUV照射ユニット(e−UV)41を構成し、残りの4つのモジュールM3,M4,M5,M6はスクラバ洗浄ユニット(SCR)42を構成する。
搬入ユニット(IN)40は、カセットステーション(C/S)14の搬送機構22から基板Gを水平状態で受け取り、基板Gの姿勢を水平姿勢から傾斜姿勢に変換したうえで、基板Gを傾斜搬送路114上に載置またはローディングするようになっており、後述する基板姿勢変換機構120等を備えている。
エキシマUV照射ユニット(e−UV)41は、搬送路114の上方に紫外線ランプ122を収容してなるランプ室124を設けている。図5Aに示すように、ランプ室124も水平線(Y方向)に対して所定の角度φだけ傾斜してコロ112ないし搬送路114と平行に対向している。紫外線ランプ122は、たとえば誘電体バリア放電ランプからなり、有機汚染の洗浄に好適な波長172nmの紫外線(紫外エキシマ光)を直下の搬送路114上の基板Gに石英ガラス窓126を通して照射するようになっている。紫外線ランプ122の背後または上には横断面円弧状の凹面反射鏡123が設けられている。
スクラバ洗浄ユニット(SCR)42において、モジュールM3はスクラビング洗浄室を構成し、室内には搬送路114に沿って薬液供給ノズル128、ロールブラシ130、洗浄スプレー管132等が配置されている。モジュールM4はリンス室を構成し、室内には搬送路114の上方にリンスノズル134が配置されている。モジュールM5は乾燥室を構成し、室内には搬送路114の上方にエアナイフ136が配置されている。図5Bおよび図5Cに示すように、ロールブラシ130およびリンスノズル134も水平線(Y方向)に対して所定の角度φだけ傾斜してコロ112ないし搬送路114と平行に対向している。図示しないが、薬液供給ノズル128、洗浄スプレー管132、エアナイフ136等もリンスノズル134と同様に長尺状に形成され、水平線(Y方向)に対して所定の角度φだけ傾斜している。なお、処理室M3,M4,M5の下部には、搬送路114の下に落ちた液を受け集めるためのパン138,140,142がそれぞれ設けられている。各パンの底に設けられた排液口には回収系統または排液系統の配管が接続されている。
最後尾のモジュールM6は、傾斜型の搬送路114を水平型の搬送路144に切り替える搬送路切替部を構成する。室内には基板Gを傾斜姿勢から水平姿勢に変換するための後述する基板姿勢変換機構146が設けられている。水平搬送路144は、水平のコロ148をX方向に所定のピッチで敷設してなり、下流側隣のユニット、つまり第1の熱的処理部26の上流側オーブンタワー(TB)44内のパスユニット50(図2)に引き込まれている。
ここで、この洗浄プロセス部24における全体の動作および作用を説明する。 搬入ユニット(IN)40には、隣の搬送機構22から基板Gが傾斜搬送路114の真上に設定された所定の搬入位置に水平状態で搬入される。基板姿勢変換機構120は、該搬入位置から基板Gを下方に下ろしながら基板Gの姿勢を水平姿勢から傾斜姿勢に変換し、傾斜姿勢で基板Gを搬送路114に設定されたローディング位置に載置する。
搬送路114を構成するコロ112は、回転駆動シャフトやギア等の伝動機構を介して電気モータの駆動力により基板Gを前進させる向きに回転する。こうして搬送路114に載った基板Gは直ちに隣のエキシマUV照射ユニット(e−UV)41へ向けて搬送される。通常、LCD用の基板Gは長方形に形成されており、その長手方向が搬送方向と平行になる向きで搬送路114上を搬送される。
エキシマUV照射ユニット(e−UV)41では、図5Aに示すように、ランプ室124内の紫外線ランプ122より発せられた紫外線が石英ガラス窓126を透過して搬送路114上の基板Gに照射される。この紫外線により基板表面付近の酸素が励起されてオゾンが生成され、このオゾンによって基板表面の有機物が酸化・気化して除去される。エキシマUV照射ユニット(e−UV)41を抜けると、次に基板Gはスクラバ洗浄ユニット(SCR)42のスクラビング洗浄室M3に搬入される。
スクラビング洗浄室M3内で、基板Gは最初に薬液ノズル128よりたとえば酸またはアルカリ系の薬液を吹き掛けられる。次いで、基板Gはロールブラシ130の下を擦りながら通り抜ける。ロールブラシ130は、図示しないブラシ駆動部の回転駆動力で搬送方向と対抗する向きに回転し、基板表面の異物(塵埃、破片、汚染物等)を擦り取る。その直後に、洗浄スプレー管132が基板Gに洗浄液たとえば純水を吹き掛け、基板上に浮遊している異物を洗い流す。基板Gは搬送路114上で傾斜姿勢をとっているため、基板表面から擦り取られた異物は薬液や洗浄液と一緒に重力で基板G上を低い方へと移動し、基板Gの下端側の縁から下方のパン138に落下する。
スクラビング洗浄室M3の次に基板Gはリンス処理室M4を通過する。リンス処理室M4では、リンスノズル134が搬送路114上の基板Gにリンス液たとえば純水を供給する。これによって、スクラビング洗浄室M3から持ち込まれた基板G上の液(異物が浮遊している液)がリンス液に置換される。この場面でも、基板Gは傾斜姿勢になっているため、基板G上の液は重力で低い方へと流れ、基板Gの下端側の縁から下方のパン140に落下する。
リンス処理室M4の次に基板Gは乾燥処理室M5に送られる。乾燥処理室M5では、搬送路114上を傾斜姿勢で搬送される基板Gに対して、エアナイフ136がナイフ状の鋭利な気体流たとえばエアを当てる。これにより、基板Gに付いていた液はエアの風力で払い落とされ、下方のパン142に落下する。
乾燥処理室M5で液切りされた基板Gはそのまま搬送路114に乗って搬送路切替部M6に送られる。搬送路切替部M6では、基板姿勢変換機構146により基板Gの姿勢がそれまでの傾斜姿勢から水平姿勢に変換されるのと同時に基板Gが傾斜搬送路114から水平搬送路144に乗り移る。水平搬送路144を構成するコロ148は、傾斜搬送路114の搬送駆動系から独立した搬送駆動部の駆動力で基板Gを前進させる向きに回転する。こうして、水平搬送路144に乗り移った基板Gは下流側隣のユニット、つまり第1の熱的処理部26の上流側オーブンタワー(TB)44内のパスユニット50(図2)に向けて搬送される。
上記のように、この実施形態の洗浄プロセス部24は、一定角度φに傾斜したコロ112を一定ピッチで並べて傾斜搬送路114を構成し、この傾斜搬送路114上を移動する傾斜姿勢の基板Gに対して紫外線オゾン洗浄、スクラビング洗浄、リンス処理、乾燥処理を順次施すようにしている。スクラビング洗浄やリンス処理では、傾斜姿勢の基板G上から異物や液が重力によって速やかに流し落とされるため、処理時間の短縮が図れるだけでなく、パーティクルの再付着を防止し、洗浄液やリンス液の使用量を大幅に節約することができる。また、リンス処理後に基板上に残る液膜が薄くなるので、乾燥処理で使用するエアー用力も大幅に節減できる。
また、この洗浄プロセス部24では、搬入ユニット(IN)40において、隣の搬送機構22から水平状態で搬入された基板Gが無理なストレスを受けることなく安全に傾斜搬送路114にローディングされるようになっている。以下、 図6〜図14を参照して搬入ユニット(IN)40の構成および作用を詳細に説明する。
図6および図7は、搬入ユニット(IN)40内の要部の構成を示す平面図および側面図である。搬入ユニット(IN)40内には、床に固定されたフレーム150が縦横に組まれており、このフレーム150に傾斜搬送路114のコロ112、基板姿勢変換機構120、搬送駆動部152およびインバッファ154等が取り付けられている。
より詳細には、コロ112の両端は、フレーム150に固定された左右一対の軸受156に所定角度(φ)傾いた姿勢で回転可能に支持されている。さらに、コロ112の中心部もフレーム150に固定された軸受158に回転可能に支持されている。コロ112は、一定の太さ(径)を有する剛体のシャフトからなり、シャフトの両端部に基板Gの両側端(長辺縁部)を支持する円筒形のローラ部112aを取り付け、シャフト中間部に基板Gの中間部を支持する複数の円筒形ローラ部112bを取り付けている。両端のローラ部112a、特に下端のローラ部112aには基板Gの下端側の側面を受ける鍔状の太径部が一体に形成されている。
搬送駆動部152は、フレーム150に固定された電気モータ160と、この電気モータ160の回転駆動力を各コロ112に伝えるための伝動機構とを有する。この伝動機構は、電気モータ160の回転軸に無端ベルト164を介して接続された搬送方向(X方向)に延びる回転駆動シャフト166と、この回転駆動シャフト166と各コロ112とを作動結合する交差軸型のギア168とで構成されている。
基板姿勢変換機構120は、フレーム150に上向きに固定された複数本のエアシリンダ170と、これらのエアシリンダ170のピストンロッドに結合された板状のリフトベース172と、このリフトベース172に搬送方向(X方向)に所定の間隔を置いて取り付けられた複数の回動または旋回型のリフタ174とを有している。
各々のリフタ174は、Y方向に延びる棒状または板状の梃部176と、この梃部176に長手方向に適当な間隔を置いて上向きに取り付けられた複数本のリフトピン178と、梃部176を鉛直面内で回転可能に支持するためのヒンジ部180と、梃部176を回動または旋回駆動するためのエアシリンダ186とを有している。ここで、ヒンジ部180は、コロ112の上端部側でリフトベース172より鉛直上方に延びる支持棒175の上端に取り付けられ、梃部176の一端部に結合されている。一方、エアシリンダ186は、コロ112の下端部側でリフトベース172より鉛直下方に延びる支持棒または支持板177の下端部と梃部176の中間部ないし他端部との間にヒンジ部182,184を介して上向きに取り付けられている。なお、エアシリンダ186は、シリノイド(商品名)等のリニアアクチエータで代用することも可能である。
各々のリフタ174には、基板Gを傾斜姿勢で支持する際にその下端側の側面を受けるための基板サイド支持部183も取り付けられている。この構成例における基板サイド支持部183は、梃部176の先端部にリフトピン178とほぼ同じ長さ(高さ)で取り付けられている支持棒185と、この支持棒185の先端にて搬送方向(X方向)と平行な水平の回転軸を中心として回転可能に取り付けられている円柱または円筒形のローラ187とで構成されている。
図7は、リフタ174が可動範囲内の最も低い位置つまり原位置または復動位置に退避している状態を示している。この状態では、リフトベース昇降用のエアシリンダ170のピストンロッドが後退し、梃旋回用のエアシリンダ186のピストンロッドも後退しており、梃部176はコロ112とほぼ平行な傾斜姿勢でコロ112の真下にいて、各リフトピン178の先端がコロ112(搬送路114)の下に潜っている。
インバッファ154は、上流側隣(図6において左隣)の搬送機構22(図1)より搬送アーム22aに載って水平状態で搬入される基板Gを搬送路114の真上に設定された搬入位置で受け取り、受け取った基板Gを水平姿勢のまま一時的に、つまり基板姿勢変換機構120へ渡すまで支持する。図示の構成例におけるインバッファ154は、基板昇降領域の周囲に設置された鉛直方向に延びる複数本の回転軸188と、各々の回転軸188の下端部に結合された回転駆動部たとえばロータリシリンダ190と、各々の回転軸188の上端から水平方向に延びる水平支持アーム192と、各々の水平支持アーム192に取り付けられた鉛直上方に延びる複数本の支持ピン194とで構成されている。各水平支持アーム192は、フレーム150に固定された各ロータリシリンダ190の回転駆動によって基板昇降領域の外側の原位置または復動位置と内側の往動位置との間で回動または旋回移動するようになっている。図7は、インバッファ154の各水平支持アーム192が基板昇降領域内の往動位置で基板Gを水平に支持している状態を示している。
次に、図7〜図14につき搬入ユニット(IN)40の作用を説明する。カセットステーション(C/S)14から新規の基板Gが搬入されるときは、搬入ユニット(IN)40内でインバッファ154が予め水平支持アーム192を基板昇降領域内の往動位置で待機させておく。そこに、搬送機構22が、上流側(図6において左側)から搬送アーム22aを挿入し、基板Gを水平状態でインバッファ154の支持ピン194の上に渡す。この時、基板姿勢変換機構120は、図7に示すように、リフタ174およびリフトベース172を原位置または復動位置に退避させている。
搬送機構22の搬送アーム22aが基板Gをインバッファ154に渡して搬入ユニット(IN)40から退出すると、その後に基板姿勢変換機構120がリフトベース172およびリフタ174を図7の原位置から図8および図9の各段階を経て図10の往動位置まで上昇移動させる。上記のようにリフタ174は搬送方向(X方向)に所定の間隔を置いて複数設けられているので、全部のリフタ174を一斉に同じタイミングで運動させる。
詳細には、図8および図9に示すように、リフトベース昇降用のエアシリンダ170がピストンロッドを前進または伸長させることにより、リフトベース172が水平姿勢で上昇し、リフトベース172に取り付けられている各部(特にリフタ174)が一緒に上昇する。それと同時に、梃旋回用の各エアシリンダ186がピストンロッドを前進または伸長させることにより、各リフタ174において梃部176が最上部のヒンジ部180を中心として最下部の先端部つまり基板サイド支持部183側の端部を上昇させる方向に旋回運動する。各エアシリンダ186の両端のヒンジ部182,184は梃部176の旋回運動に追従して回転するようになっている。
こうして、梃部176が旋回しながら搬送路114のコロ112の間を上方に通り抜け、リフトピン178と基板サイド支持部183はインバッファ154の高さ位置に向かって上昇する。そして、往動位置に達すると、図10に示すように、各リフタ174のリフトピン178がインバッファ154の支持ピン194を僅かに越える高さまで上昇して水平になり、基板Gを水平状態で支持ピン194から受け取る。この際、基板サイド支持部183のローラ187に基板Gの一側縁部が当接するときは、ローラ187が回転して基板Gをリフトピン178上に案内する。
上記のようにしてインバッファ154の支持ピン194からリフタ174のリフトピン178への基板Gの受け渡しが済むと、インバッファ154は各水平支持アーム192を旋回させて基板昇降領域の外へ退避させる。その直後に、基板姿勢変換機構120がリフトベース172およびリフタ174を図10の原位置から図11、図12および図13の各段階を経て図14の復動位置まで移動させる。
詳細には、図11および図12に示すように、リフトベース用のエアシリンダ170がピストンロッドを後退または短縮させることにより、リフトベース172が水平姿勢で下降し、リフトベース172に取り付けられている各部(特にリフタ174)が一緒に下降する。それと同時に、梃旋回用の各エアシリンダ186がピストンロッドを後退または短縮させることにより、各リフタ174において梃部176がヒンジ部180を中心に基板サイド支持部183側の端部を下降させる方向に旋回運動する。この時も、各エアシリンダ186の両端のヒンジ部182,184が梃部176の旋回運動に追従して回転する。こうして、梃部176が旋回しながら搬送路114のコロ112の間を下方に通り抜け、リフトピン178や基板サイド支持部183はコロ112の両端支持部112aおよび中間支持部112bの高さ位置に向かって下降する。この間、基板Gはリフトピン178上で水平姿勢から傾斜姿勢に変わり、基板Gの下端側の側面は基板サイド支持部183のローラ187によって支持され、かつ位置合わせされる。この位置合わせのために基板Gをリフトピン178上で滑りやすくしてもよく、たとえばピン先端部を滑りやすい材質で構成するか、あるいはピン先端に自由回転可能な球体を取り付ける構成としてもよい。
そして、図13に示すように、下降の途中で、リフタ174の各リフトピン178の上端を通る面(リフタ174の基板支持面)がコロ112の各ローラ部112a,112bの上端を通る面(コロ112の基板支持面)とほぼ同一の傾斜面となり、リフタ174のリフトピン178に支持されている基板Gは同時にコロ112のローラ部112a,112bにも支持されるようになる。そして、ここからリフタ174が更に下降することにより、リフタ174のリフトピン178や基板サイド支持部183は基板Gから離れ、代わってコロ112のローラ部112a,112bが基板Gを載せて支持するようになる。こうして、基板Gはコロ112と同じ角度傾斜した姿勢で搬送路114上の設定位置に載置またはローディングされる。なお、リフタ174は、コロ112に基板Gを渡す直前に旋回運動を停止または終了して、コロ112と平行な傾斜姿勢をとるのが好ましい。
ローディングの後に基板Gは搬送路114上をコロ搬送によって下流側の処理部へ送られる。なお、コロ搬送の駆動系を搬送路114に沿って複数に分割することも可能である。たとえば、搬入ユニット(IN)40に専用の駆動部152を設け、ユニット内のコロ112をローディング中は静止させておいてローディング完了後に起動(回転)させることも可能である。
上記のように、この搬入ユニット(IN)40では、傾斜搬送路114の上方でインバッファ154が搬送機構22より搬入された基板Gを水平状態で受け取る。そして、基板姿勢変換機構120が、リフタ174を傾斜搬送路114の下からコロ112の間を通り抜けてインバッファ154を越える高さ位置まで上昇させて基板Gを水平状態で引き取り、インバッファ154が退避した後にリフタ174を原位置まで下降させ、その下降の途中に旋回運動も行わせてリフタ174上で基板Gの姿勢を水平姿勢から傾斜搬送路114とほぼ同じ角度の傾斜姿勢に変換し、傾斜搬送路114(コロ112)の上に基板Gを該傾斜姿勢で平行に載置するようにしている。このようなローディング方式によれば、リフタ174から傾斜搬送路114へ基板Gを移載する際に基板Gに応力を掛けずに(撓ませずに)済み、基板Gのデバイス形成面における回路素子や配線等を安全に保つことができる。
図示の構成例では、図7および図14に示すように、リフタ174を傾斜搬送路114(コロ112)と平行な傾斜姿勢で傾斜搬送路114の真下の原位置に退避させる。この構成においては、リフタ174の可動範囲ないし占有スペースを最小限にし、昇降駆動部や旋回駆動部の小型化および省力化を図ることができる。もっとも、リフタ174を任意の姿勢で原位置に待機させることも可能であり、任意の姿勢で、たとえば最初から水平姿勢でインバッファ154まで向かわせることも可能である。また、インバッファ154を省いて、搬送機構22からリフタ174が基板Gを水平状態で直接受け取ることも可能である。
また、この構成例では、傾斜搬送路114上で基板Gの下端側の側面をコロ112の鍔付きローラ部112aで支持するようにしている。他の構成例として、図15に示すように、傾斜搬送路114の下端線に沿って一定の間隔で配置した円柱状のガイドローラ192によって基板Gの下端側面を支持ないし案内する構成も可能である。この場合、ガイドローラ192の外周面が基板Gの下端側面と平行に接触するように、ガイドローラ192の軸を鉛直線Nから傾斜搬送路114と等しい角度(φ)だけ傾斜させるのが好ましい。さらに、上記のようなローディング時に基板Gの案内(落とし込み)をスムースに行えるように、ガイドローラ192の上端部192aをテーパに形状するのも好ましい。
次に、図16〜図19を参照して本発明の一実施形態における搬送路切替部M6の構成および作用を説明する。
図16および図17は、搬送路切替部M6内の要部の構成を示す平面図および側面図である。搬送路切替部M6内にも、固定フレーム150が縦横に組まれており、このフレーム150に傾斜搬送路114のコロ112、水平搬送路144のコロ148、基板姿勢変換機構146等が取り付けられている。
図16に示すように、搬送路切替部M6内で傾斜搬送路114のコロ[112]と水平搬送路144のコロ148とが搬送方向(X方向)に沿ってハーフピッチで交互に配置されている。水平搬送路144のコロ148は、フレーム150に固定された左右一対の軸受200と中心部の軸受201に水平な姿勢で回転可能に支持されている。水平コロ148は、一定の太さ(径)を有する剛体のシャフトからなり、シャフトの両端部に基板Gの両側端(長辺縁部)を支持する円筒形ローラ部148aを取り付け、シャフト中間部に基板Gの中間部を支持する複数の円筒形ローラ部148bを取り付けている。両端のローラ部148aには基板Gの両側面を支持する太径の鍔部が一体に形成されている。図16に示すように、水平搬送路144のコロ148は下流側隣(右隣)のパスユニット(PASSL)50にも延長して敷設されている。
水平搬送系の駆動部202は、搬送路114,144を挟んで傾斜搬送系の駆動部152と反対側に配置され、フレーム150に固定された電気モータ204と、この電気モータ204の回転駆動力を各水平コロ148に伝えるための伝動機構とを有する。この伝動機構は、電気モータ204の回転軸に無端ベルト208を介して接続された搬送方向(X方向)に延びる回転駆動シャフト210と、この回転駆動シャフト210に各水平コロ148を作動結合する交差軸型のギア212とで構成されている。
搬送路切替部M6における傾斜搬送路114のコロ[112]は、他の区間における傾斜コロ112とは異なり、傾斜角度を一定範囲内で変えられる構成になっている。より詳細には、コロ[112]の一端の軸受156Rがフレーム150に固定される一方で、他端の軸受156Lがアーム状支持部材214およびヒンジ部216を介してエアシリンダ218のピストンロッドに結合されている。エアシリンダ218は、その下端部がヒンジ部220を介してフレーム150に上向きに取り付けられている。エアシリンダ218がピストンロッドを伸縮させると、コロ[112]が軸受156R付近に設けられた支持部を支点として鉛直面内で回動ないし旋回するようになっている。
一実施例によれば、各々のコロ[112]に個別のアーム状支持部材214およびヒンジ部216を介して個別のエアシリンダ218が接続される。この場合は、全てのコロ[112]を同じタイミングで一斉(並列的)に旋回運動させることも可能であり、各々のコロ[112]を異なるタイミングで個別に旋回運動させることも可能である。別の実施例によれば、全てのコロ[112]に一体的なアーム状支持部材214および1つのヒンジ部216を介して1つのエアシリンダ218が接続される。この場合は、全てのコロ[112]を常に同じタイミングで並列的に旋回運動させることになる。
また、搬送路切替部M6内のコロ[112]は、他の区間と同様に、軸受156Rより外側の延長部分で傾斜搬送系の交差軸ギア168に接続されている。搬送路切替部M6における交差軸ギア168は、非接触のマグネット型が好ましい。
この実施形態では、コロ[112]を旋回運動させるコロ旋回機構(エアシリンダ218、ヒンジ部216,220、アーム状支持部材214)と傾斜搬送路114の可動式コロ112と水平搬送路144の固定(水平)コロ148とが協働して基板姿勢変換機構146を構成している。なお、図16では、図解の便宜上、コロ旋回機構を省いている。
次に、搬送路切替部M6における作用を説明する。上述したように、前段の乾燥処理室M5で液切りされた基板Gが傾斜搬送路114上をコロ搬送によって搬送路切替部M6まで送られてくる(図4)。搬送路切替部M6内では、図17に示すように、傾斜搬送路114のコロ[112]を他の区間のコロ112と平行な傾斜姿勢に保ち、乾燥処理室M5からの基板Gを迎える。この時、傾斜搬送駆動部152の交差軸ギア168は、磁気的にかみあっていて、回転駆動シャフト166をコロ[112]に動力伝達可能に接続している。また、コロ旋回機構では、エアシリンダ218がピストンロッドを伸長させて、コロ[112]の旋回端部(軸受156L側の端部)を旋回範囲内の最も高い位置に保持している。水平搬送路144のコロ148は全長に亘って傾斜搬送路114のコロ[112]よりも低い位置にある。
基板Gが搬送路切替部M6内の全てのコロ[112]の上に載る位置に着くと、傾斜搬送系の駆動部202が停止して、基板Gが位置決めされる。次いで、コロ旋回機構が作動してコロ[112]を図17の位置から図18の段階を経て図19の位置まで旋回運動させる。
より詳細には、エアシリンダ218がピストンロッドを一定のストロークだけ後退(短縮)させる。これにより、アーム状支持部材214を介してコロ[112]の回動端(軸受156L側の端部)が下ろされ、コロ[112]は軸受156Rを支点として鉛直面内で回動ないし旋回する。このコロ[112]の旋回運動の中で、基板Gは図17の傾斜姿勢からコロ[112]と一体に傾斜角を徐々に小さくし、途中で水平状態になる。図示省略するが、基板Gがコロ[112]上で水平状態になる時は、コロ[112]と水平搬送路144のコロ148とが面一になり、基板Gはコロ[112]のローラ部112a,112bだけでなくコロ148のローラ部148a,148bにも載る。ここから、コロ[112]が更に下方に旋回移動することにより、コロ[112]は基板Gから離れ、専らコロ148が基板Gを支持するようになる。コロ[112]が旋回終点(旋回範囲内の最も低い位置)に達した状態では、図19に示すように、コロ[112]の回動端(軸受156L側の端部)が支点側の他端部よりも一定値以上低い逆向きの傾斜姿勢となり、コロ[112]は全長に亘って水平搬送路144のコロ148よりも低くなる。このとき、傾斜搬送駆動部152の交差軸ギア168は、磁気的にかみあわなくなり(外れてしまい)、回転駆動シャフト166の動力をコロ[112]に伝達できない状態になっている。
上記のようにして傾斜搬送路114のコロ[112]から水平搬送路144のコロ148への基板Gの移し変えが済むと、水平搬送系の駆動部202が作動して基板Gは水平搬送路144上でコロ搬送により後段のパスユニット(PASSL)50へ送られる。
この構成例では、搬送路切替部M6内の水平搬送路144がパスユニット(PASSL)50からの延長として敷設され、搬送路切替部M6内の水平コロ148は下流側つまりパスユニット(PASSL)50内の水平コロ148と共通の駆動部202および伝動機構(164,166,168)によって駆動される。一方で、搬送路切替部M6内の傾斜搬送路114は乾燥処理部M5からの延長として敷設され、搬送路切替部M6内の傾斜コロ[112]は上流側の傾斜コロ112と共通の駆動部152および伝動機構(208,210,212)によって駆動される。これにより、搬送路切替部M6内に専用の搬送駆動部が要らず、搬送路切替のための搬送機構や搬送制御を簡便にすることができる。もっとも、搬送路切替部M6内に専用の搬送駆動部を設ける構成も可能である。
さらに、上記のように、搬送路切替部M6内の各々の傾斜コロ[112]を個別のエアシリンダ218で独立的に旋回運動させる構成によれば、搬送タクトを短くすることができる。すなわち、図20に模式的に示すように、基板Giの乗り換えが済んで水平搬送路144のコロ搬送が開始されると、この基板Giが搬送路切替部M6から出て行かないうちに、基板Giが頭上を去ったものから、つまり上流側から順に傾斜コロ[112]を個別に傾斜搬送路114の位置(図17の位置)へ戻し、上流側から傾斜搬送路114上をコロ搬送されて来る次の基板Gi+1を搬送路切替部M6内に迎え入れることができる。これにより、搬送路114,144上で連続(相前後)してコロ搬送される2つの基板Gi,Gi+1間の距離間隔を可及的に小さくし、搬送タクトを短縮することができる。
以上、本発明の好適な一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で他の実施形態や種々の変形が可能である。
たとえば、上記した実施形態は、洗浄プロセス部24の搬送路切替部M6において、平流しの搬送路を傾斜型の搬送路114から水平型の搬送路144に切り替えるものであった。本発明によれば、図21Aに模式的に示すように、上記実施形態の搬送路切替部M6を水平型の搬送路144から傾斜型の搬送路114に切り替えるアプリケーションに転用または適用することができる。
この場合、基板Gは上流側より水平搬送路144上をコロ搬送によって搬送路切替部M6まで送られてくる。搬送路切替部M6内では、傾斜搬送路114のコロ[112]を水平コロ144よりも低い位置(図19の位置)に待機させておいて基板Gを迎える。基板Gが搬送路切替部M6内に着いて位置決めされると、コロ旋回機構が作動してコロ[112]を図19の位置から図18の段階を経て図17の位置まで旋回運動させる。より詳細には、エアシリンダ218がピストンロッドを一定のストロークだけ前進(伸長)させる。これにより、アーム状支持部材214を介してコロ[112]の回動端(軸受156L側の端部)が上げられ、コロ[112]は軸受156Rを支点として鉛直面内で回動ないし旋回する。この旋回運動の中で、コロ[112]は図19の下向きの傾斜姿勢から傾斜角を徐々に小さくし、途中で水平状態になる。図示省略するが、コロ[112]が水平状態になる時は、コロ[112]と水平搬送路144のコロ148とが面一になり、基板Gはコロ148のローラ部148a,148bだけでなくコロ[112]のローラ部112a,112bにも載る。ここから、コロ[112]が更に上方へ旋回移動することにより、基板Gはコロ144から離れてコロ[112]だけで支持されるようになる。コロ[112]が旋回終点(旋回範囲内の最も高い位置)に達した状態(図17)では、他の区間のコロ112と同じ角度の傾斜姿勢で面一になる。それと同時に、傾斜搬送駆動部152の交差軸ギア168が、磁気的にかみあうようになって、回転駆動シャフト166の動力をコロ[112]に伝達できる状態となる。
上記のようにして水平搬送路144のコロ148から傾斜搬送路114のコロ[112]への基板Gの移し変えが済むと、傾斜搬送系の駆動部152が作動して基板Gは傾斜搬送路114上でコロ搬送により後段の処理部(図示せず)へ送られる。
この実施例においても、搬送路切替部M6内の各々の傾斜コロ[112]を個別のエアシリンダ218で独立的に旋回運動させる構成によって、搬送タクトを短くすることができる。すなわち、図21Aに模式的に示すように、基板Giの乗り換えが済んで傾斜搬送路114のコロ搬送が開始されると、この基板Giが搬送路切替部M6から出て行かないうちに、基板Giが直下を去ったものから、つまり上流側から順に傾斜コロ[112]を個別に水平搬送路144よりも低い位置(図19の位置)へ戻し、上流側から水平搬送路144上をコロ搬送されて来る次の基板Gi+1を搬送路切替部M6内に迎え入れることができる。これにより、搬送路144,114上で連続(相前後)してコロ搬送される2つの基板Gi,Gi+1間の距離間隔を可及的に小さくし、搬送タクトを短縮することができる。
上記した実施形態はスクラビング洗浄を行う洗浄処理装置に係るものであったが、本発明はスクラビング以外の洗浄たとえばブロー洗浄を行う洗浄処理装置にも適用可能であり、さらには洗浄処理装置以外の基板処理装置にも適用可能である。たとえば、上記のような塗布現像処理システムにおいては現像ユニット(DEV)94にも適用可能である。すなわち、現像ユニット(DEV)94においては、上記のように、基板GがプロセスラインBの下流に向って平流し方式で搬送され、その搬送中に現像、リンス、乾燥等の一連の現像処理工程が行われる。ここで、現像処理部には水平搬送路(144)を敷設し、リンス処理部および乾燥処理部には傾斜搬送路(114)を敷設し、上記実施形態と同様の搬送路切替部(M6)によって水平搬送路(144)から傾斜搬送路(114)に切り替えることができる。また、該乾燥処理部の後段または下流側で該傾斜搬送路(114)を別個の搬送路切替部(M6)によって別個の水平搬送路(144)に切り替えることも可能である。
本発明における被処理基板はLCD基板に限らず、他のFPD用基板、半導体ウエハ、CD基板、ガラス基板、フォトマスク、プリント基板等も可能である。