JP4474994B2 - 空気調和システム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和システム101の概略の構成図である。空気調和システム101は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、屋内の暖房を行うことが可能なシステムである。
熱源ユニット102は、例えば、屋外に設置されており、主として、圧縮機121と、利用側熱交換器としての熱媒体−冷媒熱交換器122と、膨張機構123と、熱源側熱交換器124とを含む蒸気圧縮式の冷媒回路120を有しており、熱媒体−冷媒熱交換器122において建物Uの屋内の暖房に使用される熱媒体を加熱することが可能である。
給気装置103は、建物Uの屋内に屋外空気(図1にOAとして図示)を供給する装置であり、本実施形態において、主として、屋外から屋内に屋外空気を換気用空気として給気する給気口(図示せず)と、屋内から屋外に屋内空気(図1にRAとして図示)を排気する排気口(図示せず)と、排気口に設けられ屋内から屋外に屋内空気の一部を排出空気(図1にEAとして図示)として排気する排気ファン131とを有している。そして、排気ファン131を運転することによって、屋内の換気を行うことができるようになっている。尚、本実施形態においては、排気ファン131を用いて屋内の換気を行っているが、例えば、給気口に給気ファンを設けることによって屋内の換気を行うようにしたり、排気ファン及び給気ファンの両方を設けることによって屋内の換気を行うようにしてもよい。
加湿装置182は、例えば、屋内に配置されており、給気装置103によって屋内に供給される換気用空気の加湿を行う給水式の加湿装置であり、本実施形態において、給水配管181を通じて供給される水を換気用空気に噴霧するスプレーノズル182aを有する加湿装置である。給水配管181を通じて加湿装置182に供給される水としては、水道水等を用いることができる。尚、加湿装置としては、水を換気用空気に直接接触させるものであればよいため、スプレーノズルの代わりに、エアワッシャーを用いてもよい。
熱媒体回路104は、熱媒体−冷媒熱交換器122において加熱された熱媒体の熱を屋内に放熱する屋内暖房装置としてのラジエーター141、ファンコンベクター142及び床暖房装置143と、給気装置103によって屋内に供給される換気用空気を熱媒体−冷媒熱交換器122において加熱された熱媒体の熱により加熱する外気加熱用熱交換装置144と、給水配管181を通じて加湿装置182に供給される水を加熱する給水加熱用熱交換装置191とを有しており、ラジエーター141、ファンコンベクター142、床暖房装置143、外気加熱用熱交換装置144及び給水加熱用熱交換装置191と熱媒体−冷媒熱交換器122との間で熱媒体を循環させる回路である。
次に、本実施形態の空気調和システム101の動作について、図1〜図4を用いて説明する。ここで、図2は、空気調和システム101の動作を示す温度−エントロピー線図である。図3は、空気調和システム101の動作を示す圧力−エンタルピー線図である。図4は、空気調和システム101の動作を示す空気線図である。
本実施形態の空気調和システム101には、以下のような特徴がある。
本実施形態の空気調和システム101の比較例として、図5に示されるような空気調和システム901が考えられる。この比較例の空気調和システム901は、本実施形態の空気調和システム101と同様の熱源ユニット102と、給気装置103と、ラジエーター141、ファンコンベクター142、熱媒体循環ポンプ145及び外気加熱用熱交換装置144を有する熱媒体回路904とを備えている。このような空気調和システム901では、加湿装置182を有していないため、屋内の暖房を行う際に、換気用空気(図5にOAとして図示)が外気加熱用熱交換装置144によって加熱されただけの状態で、屋内に供給されることになる。このため、換気用空気(図6にSA3として図示)の温度は、屋内空気の温度(図6にRAとして図示)と同じ程度の温度(図6では、約20℃)となり、屋内の換気のために屋内に供給される換気用空気によるコールドドラフトを防ぐことは可能である。ところが、換気用空気の絶対湿度は、屋内空気の絶対湿度(図6では、相対湿度50%に相当)に比べて非常に低いため、換気用空気が屋内において屋内空気に混合されると、屋内空気の湿度が低下することになる。
比較例の空気調和システム901では、熱媒体回路904が給水加熱用熱交換装置191を有していないため、熱媒体−冷媒熱交換器122において冷媒と熱交換を行うことによって加熱された熱媒体は、図2、図3及び図5に示されるように、点Woの状態から点Wi3の状態に移行して、再び、熱媒体−冷媒熱交換器122に戻されるように熱媒体回路104内を循環することになる。これに伴って、冷媒は、図2及び図3に示されるように、圧縮機121の吸入側における点Rcの状態から点Woに対応する点Riの状態、点Wi3に対応する点Ro3の状態、点Re1の状態に順次移行して、再び、圧縮機121の吸入されるように冷媒回路120内を循環することになる。ここで、従来の空気調和システム901における熱源ユニット102のCOP(蒸発側基準)は、図3に示されるように、点Rc→点Ri→点Ro3→点Re3→点Rcの冷凍サイクルにおける蒸発側のエンタルピー差Δh3の値と圧縮機121における消費動力に相当するエンタルピー差Δhcの値とを除算した値(=Δh3/Δhc)である。
本実施形態の空気調和システム101では、熱源ユニット102の蒸気圧縮式の冷媒回路120内を流れる冷媒としてCO2を使用しているため、圧縮機121の吐出側における冷媒温度を高くすることができてラジエーター141、ファンコンベクター142、床暖房装置143、外気加熱用熱交換装置144及び給水加熱用熱交換装置191において利用可能な温度レベルを高くすることができる。これにより、快適な屋内の暖房が実現されている。
上述の空気調和システム101においては、給水加熱用熱交換装置191が、ラジエーター141、ファンコンベクター142、床暖房装置143及び外気加熱用熱交換装置144において放熱されて最も温度が低くなった熱媒体が供給されるように熱媒体回路104に接続されているが、給水加熱用熱交換装置191が、熱媒体−冷媒熱交換器122において加熱された直後の高温の熱媒体が供給されるように熱媒体回路104に接続されていてもよい。
上述の空気調和システム101においては、給水加熱用熱交換装置191(2台設置する場合には、第1及び第2給水加熱用熱交換装置192、193)が、熱媒体回路104に接続されており、熱媒体の熱により加湿装置182に供給される水を加熱するように構成されているが、給水加熱用熱交換装置191(2台設置する場合には、第1及び第2給水加熱用熱交換装置192、193)が冷媒回路120に接続されていてもよい。
上述の変形例1及び変形例2の図8や図11に示される空気調和システム101において、第1及び第2給水加熱用熱交換装置192、193の両方を熱媒体回路104又は冷媒回路120のいずれか一方に接続した構成について説明したが、これに限定されず、第1及び第2給水加熱用熱交換装置192、193のいずれか一方を熱媒体回路104に接続し、他方を冷媒回路120に接続するようにしてもよい。
上述の実施形態及び変形例の空気調和システム101においては、換気用空気の加湿を行う加湿装置としてスプレーノズルやエアワッシャ−を用いた加湿装置182を採用したが、これに限定されず、水蒸気を透過する性質を有する透湿膜を用いたもの採用してもよい。
上述の変形例4の空気調和システム101においては、給気装置103によって屋内に供給される換気用空気を加熱する外気加熱用熱交換装置144が熱媒体回路104に接続されているが、これを省略して、加湿装置の透湿膜モジュールを外気加熱用熱交換装置としても機能させるようにしてもよい。
上述の変形例5の空気調和システム101においては、外気加熱用熱交換装置144が省略されるとともに、加湿装置184の透湿膜モジュール184aを外気加熱用熱交換装置としても機能させるようにしているが、さらに、熱媒体回路104の熱媒体を水にするとともに、給水加熱用熱交換装置191を省略し、熱媒体回路104内を流れる水を加湿装置に供給される水として使用するようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
102 熱源ユニット
103 給気装置
104 熱媒体回路
104a、104b 分割熱媒体回路
120 冷媒回路
121 圧縮機
122 熱媒体−冷媒熱交換器(利用側熱交換器)
123 膨張機構
124 熱源側熱交換器
141 ラジエーター(屋内暖房装置)
142 ファンコンベクター(屋内暖房装置)
143 床暖房装置(屋内暖房装置)
182、183、184、185 加湿装置
183a、184a、185a 透湿膜モジュール(透湿膜)
191、192、193 給水加熱用熱交換装置
Claims (8)
- 屋内の暖房を行うことが可能な空気調和システムであって、
圧縮機(121)と、熱源側熱交換器(124)と、膨張機構(123)と、利用側熱交換器(122)とを含む蒸気圧縮式の冷媒回路(120)を有し、前記利用側熱交換器において屋内の暖房に使用される熱媒体を加熱することが可能な熱源ユニット(102)と、
屋内に屋外空気を換気用空気として供給する給気装置(103)と、
前記換気用空気の加湿を行う給水式の加湿装置(182、183、184、185)と、
前記利用側熱交換器において加熱された熱媒体の熱を屋内に放熱する1以上の屋内暖房装置(141、142、143)を有しており、前記屋内暖房装置と前記利用側熱交換器との間で熱媒体を循環させる熱媒体回路(104)と、
前記加湿装置で使用される水を前記熱源ユニットで発生する熱を利用して加熱する給水加熱用熱交換装置(191)とを備え、
前記給水加熱用熱交換装置(191)は、第1給水加熱用熱交換装置(192)と、第2給水加熱用熱交換装置(193)とを有しており、
前記第1及び第2給水加熱用熱交換装置は、前記熱媒体回路(104)に接続されており、
前記熱媒体回路は、前記利用側熱交換器(122)において加熱された熱媒体が、前記第1給水加熱用熱交換装置、前記屋内暖房装置(141、142、143)、前記第2給水加熱用熱交換装置の順に供給されるように、前記利用側熱交換器に接続されている、
空気調和システム(101)。 - 屋内の暖房を行うことが可能な空気調和システムであって、
圧縮機(121)と、熱源側熱交換器(124)と、膨張機構(123)と、利用側熱交換器(122)とを含む蒸気圧縮式の冷媒回路(120)を有し、前記利用側熱交換器において屋内の暖房に使用される熱媒体を加熱することが可能な熱源ユニット(102)と、
屋内に屋外空気を換気用空気として供給する給気装置(103)と、
前記換気用空気の加湿を行う給水式の加湿装置(182、183、184、185)と、
前記利用側熱交換器において加熱された熱媒体の熱を屋内に放熱する1以上の屋内暖房装置(141、142、143)を有しており、前記屋内暖房装置と前記利用側熱交換器との間で熱媒体を循環させる熱媒体回路(104)と、
前記加湿装置で使用される水を前記熱源ユニットで発生する熱を利用して加熱する給水加熱用熱交換装置(191)とを備え、
前記給水加熱用熱交換装置(191)は、第1給水加熱用熱交換装置(192)と、第2給水加熱用熱交換装置(193)とを有しており、
前記第1給水加熱用熱交換装置は、前記圧縮機(121)から前記利用側熱交換器(122)に送られる冷媒が供給されるように、前記冷媒回路(120)に接続されており、
前記第2給水加熱用熱交換装置は、前記利用側熱交換器から前記膨張機構(123)に送られる冷媒が供給されるように、前記冷媒回路に接続されている、
空気調和システム(101)。 - 屋内の暖房を行うことが可能な空気調和システムであって、
圧縮機(121)と、熱源側熱交換器(124)と、膨張機構(123)と、利用側熱交換器(122)とを含む蒸気圧縮式の冷媒回路(120)を有し、前記利用側熱交換器において屋内の暖房に使用される熱媒体を加熱することが可能な熱源ユニット(102)と、
屋内に屋外空気を換気用空気として供給する給気装置(103)と、
前記換気用空気の加湿を行う給水式の加湿装置(182、183、184、185)と、
前記利用側熱交換器において加熱された熱媒体の熱を屋内に放熱する1以上の屋内暖房装置(141、142、143)を有しており、前記屋内暖房装置と前記利用側熱交換器との間で熱媒体を循環させる熱媒体回路(104)と、
前記加湿装置で使用される水を前記熱源ユニットで発生する熱を利用して加熱する給水加熱用熱交換装置(191)とを備え、
前記給水加熱用熱交換装置(191)は、第1給水加熱用熱交換装置(192)と、第2給水加熱用熱交換装置(193)とを有しており、
前記第1給水加熱用熱交換装置は、前記圧縮機(121)から前記利用側熱交換器(122)に送られる冷媒が供給されるように、前記冷媒回路(120)に接続されており、
前記第2給水加熱用熱交換装置は、前記熱媒体回路(104)に接続されており、
前記熱媒体回路は、前記利用側熱交換器において加熱された熱媒体が、前記屋内暖房装置(141、142、143)、前記第2給水加熱用熱交換装置の順に供給されるように、前記利用側熱交換器に接続されている、
空気調和システム(101)。 - 屋内の暖房を行うことが可能な空気調和システムであって、
圧縮機(121)と、熱源側熱交換器(124)と、膨張機構(123)と、利用側熱交換器(122)とを含む蒸気圧縮式の冷媒回路(120)を有し、前記利用側熱交換器において屋内の暖房に使用される熱媒体を加熱することが可能な熱源ユニット(102)と、
屋内に屋外空気を換気用空気として供給する給気装置(103)と、
前記換気用空気の加湿を行う給水式の加湿装置(182、183、184、185)と、
前記利用側熱交換器において加熱された熱媒体の熱を屋内に放熱する1以上の屋内暖房装置(141、142、143)を有しており、前記屋内暖房装置と前記利用側熱交換器との間で熱媒体を循環させる熱媒体回路(104)と、
前記加湿装置で使用される水を前記熱源ユニットで発生する熱を利用して加熱する給水加熱用熱交換装置(191)とを備え、
前記給水加熱用熱交換装置(191)は、第1給水加熱用熱交換装置(192)と、第2給水加熱用熱交換装置(193)とを有しており、
前記第1給水加熱用熱交換装置は、前記熱媒体回路(104)に接続されており、
前記熱媒体回路は、前記利用側熱交換器(122)において加熱された熱媒体が、前記第1給水加熱用熱交換装置、前記屋内暖房装置(141、142、143)の順に供給されるように、前記利用側熱交換器に接続されており、
前記第2給水加熱用熱交換装置は、前記利用側熱交換器から前記膨張機構(123)に送られる冷媒が供給されるように、前記冷媒回路に接続されている、
空気調和システム(101)。 - 前記加湿装置(183、184)は、水蒸気を透過させる透湿膜(183a、184a)を有しており、前記給水加熱用熱交換装置(191)によって加熱された水を換気用空気に前記透湿膜を介して接触させることによって、前記換気用空気を加湿することが可能である、請求項1〜4のいずれかに記載の空気調和システム(101)。
- 前記熱媒体回路(104)内を流れる熱媒体は、水であり、
前記加湿装置(185)は、前記熱媒体回路(104)に接続され、水蒸気を透過させる透湿膜(185a)を有しており、前記熱媒体回路内を循環する熱媒体としての水を前記換気用空気に前記透湿膜を介して接触させることによって、前記換気用空気を加熱するとともに加湿することが可能である、
請求項1〜4のいずれかに記載の空気調和システム(101)。 - 前記熱媒体回路(104)は、前記加湿装置(185)と前記利用側熱交換器(122)との間で熱媒体を循環させる第1分割熱媒体回路(104a)と、前記屋内暖房装置(141、142、143)と前記利用側熱交換器との間で熱媒体を循環させる第2分割熱媒体回路(104b)とから構成されている、請求項6に記載の空気調和システム(101)。
- 前記冷媒回路(104)内を流れる冷媒は、CO2である、請求項1〜7のいずれかに記載の空気調和システム(101)。
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