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JP4472247B2 - 植物生長促進剤 - Google Patents

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JP4472247B2
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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、植物生長促進剤に係り、特に、トマトや白菜、キャベツ、ナス等の野菜を始めとする植物の生長を促進して、その早期収穫を可能とする植物生長促進剤に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来より、野菜等を始めとする植物の生長促進や、その品質向上等を目的として、様々な植物生長調整剤や植物生長促進剤、生理活性促進剤等が、提案されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1〜6には、核酸やヌクレオチド類、ヌクレオシド類等の核酸系成分を、有効成分の一つとして用いた例が、開示されている。
【0004】
具体的には、特許文献1には、β−インドール酢酸系化合物若しくはコルヒチンと、核酸分解生成物とを有効成分とする植物生長調整剤が提案され、液剤や粉剤、固形剤、水和剤等の形態において、使用することが出来ることが、明らかにされている。また、特許文献2には、クロルフェノキシ酢酸系化合物やβ−ナフトキシ酢酸系化合物等の植物ホルモン剤と、核酸乃至はその分解生成物とを含有する果菜類の生長調整剤が提案され、水溶剤や液剤、乳剤、水和剤、エアロゾル剤等の形態において、植物体に散布処理することにより、果実の肥大化促進等の効果が得られることが、明らかにされている。更に、特許文献3には、ヌクレオチド類やヌクレオシド類を、特定の濃度で含有する溶液を、成熟した観葉植物の葉や葉の茎、柄の切口に接触せしめることにより、観葉植物の葉持ちを向上せしめる方法が、提案されている。更に、特許文献4では、海藻を堆肥化したものに、核酸等の有効成分を混合してなる生理活性促進剤が提案され、固形物や粉末の状態で土壌に散布したり、水溶液として、葉面散布したり土壌中に散布することにより、植物の成長を促進出来ると共に、有害微生物の繁殖を抑制することが出来ることが、明らかにされている。そして、特許文献5には、ヌクレオシド類であるイノシンと、塩化カルシウムとを、所定量において含む混合溶液を、生花に使用して、切花を長持ちさせる方法が開示されている。加えて、特許文献6には、ヌクレオシド類であるイノシンを有効成分として含有する植物根の生長促進剤が提案され、これを土壌に施用することで、植物の根の生育が促進されることが、明らかにされている。
【0005】
また、特許文献7には、上述せる如き核酸系成分ではなく、キチンカルシウムを、有効成分として含有する植物成長促進剤が、提案されており、キチンや、その脱アセチル化物であるキトサンによって、植物の根に危害を加える微細物等に対する、植物の自己防御機構が発現され得ることが、明らかにされている。
【0006】
さらに、特許文献8には、キチンを主成分とし、該キチンに対して、所定量の核酸を加えた混合物を、水溶液の状態で用いる生理活性促進剤が、提案されている。また、特許文献9には、CNキチンや核酸等を使用した、きのこ類の栽培方法が、提案されている。
【0007】
しかしながら、上述せる如き、核酸系成分やキチン等を有効成分として含有する植物生長促進剤にあっては、何れも、その生長促進作用において未だ改善の余地が存しているのである。
【0008】
【特許文献1】
特公昭39−22919号公報
【特許文献2】
特公昭49−16310号公報
【特許文献3】
特公昭54−17670号公報
【特許文献4】
特開平4−77381号公報
【特許文献5】
特開昭50−68848号公報
【特許文献6】
特開平10−182317号公報
【特許文献7】
特開平8−157310号公報
【特許文献8】
特開平2−48508号公報
【特許文献9】
特許第2873947号公報
【0009】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、植物に対して、より一層優れた生長促進作用を発現し得る植物生長促進剤を、提供することにある。
【0010】
【解決手段】
そして、本発明者等は、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、イノシン酸若しくはその塩及びグアニル酸若しくはその塩からなる群より選ばれた特定の核酸系成分に、キチンとキトサンを組み合わせ、これを、粉末形態において、苗床等となる土壌(用土)に施用すると、それらを単独で用いた場合や、それらのうちの2種を選択して組み合わせて用いた場合に比して、より一層優れた生長促進効果が得られることを、見出したのである。
【0011】
従って、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、イノシン酸若しくはその塩及びグアニル酸若しくはその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物と共に、キチン及びキトサンを有効成分として含有し、それらが粉末形態において配合されていることを特徴とする植物生長促進剤を、その要旨とするものである。
【0012】
このように、本発明にあっては、(A)イノシン酸若しくはその塩及びグアニル酸若しくはその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物と、(B)キチンと、(C)キトサンとからなる3成分が、有効成分として組み合わされて、用いられているところから、植物に対して、より一層優れた生長促進作用を発現せしめることが可能となったのである。しかも、粉末形態において配合されているところから、そのような植物生長促進剤を土壌に混和しても、土壌の団粒化が阻害されるようなことは、全くないのである。
【0013】
ところで、そのような本発明に従う植物生長促進剤の好ましい態様の一つによれば、前記化合物、前記キチン及び前記キトサンは、それらの合計量に対して、それぞれ、5〜90重量%、5〜90重量%及び1〜50重量%の割合において配合せしめられていることが、望ましい。
【0014】
また、本発明における好ましい態様の他の一つによれば、上述せる如き植物生長促進剤は、土壌に対して、0.03〜3.0重量%の割合となるように混和されることが、望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
ここにおいて、本発明に従う植物生長促進剤は、トマトやキャベツ、白菜、ナス、キュウリ等の野菜を始めとする、植物全般に対して用いられ得るものであって、イノシン酸若しくはその塩及びグアニル酸若しくはその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の特定の核酸系成分(A成分)と、キチン(B成分)と、キトサン(C成分)とを、必須の有効成分として組み合わせ、そして、それらA〜C成分の3種の成分を粉末形態において配合することによって、得られるものである。
【0017】
そして、本発明において、上述せる如き必須の有効成分の一つである特定の核酸系成分としては、イノシン酸若しくはその塩及びグアニル酸若しくはその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種、或いは、2種以上が適宜に選択されて、粉末形態において、用いられることとなる。また、かかる核酸系成分は、一般に、水溶性を呈するものであり、植物の根等から、吸収され易いといった特徴を有している。なお、核酸系成分としては、一般に、各種のものが知られているが、その中でも、本発明にあっては、イノシン酸若しくはその塩及び/又はグアニル酸若しくはその塩が、特に優れた生長促進作用を発揮するものであるところから、有利に用いられるのである。
【0019】
ここにおいて、上述せる如きイノシン酸やグアニル酸等の特定の核酸系成分は、その製造方法が何等限定されるものではなく、公知の各種の手法で製造されたものが、何れも採用され得るのである。例えば、上記イノシン酸やグアニル酸の製造方法としては、(1)酵母RNAをカビ又は放線菌由来の酵素で分解して作る酵素分解法や、(2)微生物を用いて直接製造する、直接発酵法、(3)発酵法と化学合成を組み合わせた、発酵・合成折衷法等があり、これらの手法で製造されたイノシン酸やグアニル酸の何れもが、好適に用いられ得るのである。
【0020】
ところで、上述せる如き核酸系成分は、商業的に入手可能であって、例えば、大象株式会社製の「味元」、大日本明治製糖製や味の素株式会社製、協和発酵工業株式会社製の各調味料等を挙げることが出来、そのような市販品が、適宜に選択されて、用いられ得るのである。
【0021】
また、上述せる如き核酸系成分の配合割合としては、特に制限されるものではないものの、3つの有効成分(核酸系成分、キチン、キトサン)による植物の生長促進効果を相乗的に発揮させるためには、それら3成分の合計量の5〜90重量%、更に好ましくは、10〜70重量%、特に好ましくは、42.5〜49.5重量%であることが望ましい。けだし、かかる配合割合が過小である場合には、核酸系成分を添加することによる効果が得られず、また、かかる配合割合が過大である場合には、製品コストが高くなると共に、他の2成分(キチン、キトサン)の配合割合が必然的に少なくなって、3成分を組み合わせることによって得られる相乗的な効果が充分に得られなくなるからである。
【0022】
一方、本発明に従う植物生長促進剤の必須成分の一つであるキチンは、よく知られているように、カニやエビ等の甲殻類の殻を原料とし、それを化学処理することにより得られるものであり、β−1,4−ポリ−N−アセチルグルコサミンの化学構造を有し、水に不溶なものである。具体的には,カニガラ等の甲殻類を、希水酸化ナトリウム等で除タンパクする一方、希塩酸等で脱灰することにより得られるものであり、このようなキチンの粉末を植物生長促進剤の有効成分の一つとして配合することで、微生物等に対する植物の抗菌作用が有利に発現され、植物の病気の発生を抑制することが可能となると共に、植物の生長が促進され、野菜等の収穫量が向上すると共に、その品質も高められ得るようになる。
【0023】
なお、そのようなキチンとしては、β−1,4−ポリ−N−アセチルグルコサミンの化学構造を有するものであれば、その分子量や製造方法等は、特に限定されるものではないのであるが、生長促進効果のより一層の向上を図るためには、粒度の小さい粉末状のものが、好適に用いられることとなる。また、キチンにあっても、商業的に入手可能であって、例えば、甲陽ケミカル株式会社製の「キチンTC−L」、焼津水産化学工業株式会社製の「キチンPSH」、共和テクノス株式会社製の精製キチン、大日精化工業株式会社製の「キチンDS」及び「キチンP]等の市販品を適宜に選択して用いることも可能である。
【0024】
また、かかるキチンの配合割合にあっても、上記核酸系成分と同様に、特に制限されるものではないものの、3つの有効成分による植物の生長促進効果を相乗的に発揮させるためには、それら3成分の合計量の5〜90重量%、更に好ましくは、10〜70重量%、特に好ましくは、42.5〜49.5重量%であることが望ましい。けだし、かかる配合割合が過小である場合には、キチンを添加することによる効果が得られず、また、かかる配合割合が過大である場合には、他の2成分(核酸系成分、キトサン)の配合割合が必然的に少なくなって、3成分を組み合わせることによって得られる相乗的な効果が充分に得られなくなるからである。
【0025】
また一方、本発明に従う植物生長促進剤の必須成分の一つであるキトサンは、上記したキチンの脱アセチル化物であり、主として、β−1,4−ポリグルコサミンの化学構造を有し、水に不溶なものである。具体的に、キチンからキトサンを得る方法としては、キチンを、濃水酸化ナトリウム等で化学処理することにより脱アセチル化を行ったり、或いは酵素処理を行なうことにより脱アセチル化を行なう手法がある。そして、このように、従来から公知の各種手法にて製造されるキトサンの粉末を、植物生長促進剤の有効成分の一つとして配合することで、微生物等に対する植物の抗菌作用が有利に発現され、植物の病気の発生を抑制することが可能となると共に、植物の生長が促進され、野菜等の収穫量が向上すると共に、その品質も高められ得るようになる。
【0026】
なお、上記したキトサンとしては、β−1,4−ポリグルコサミンの化学構造を有するものであれば、その分子量や、脱アセチル化度、製造方法等は、特に限定されるものではないのであるが、生長促進効果のより一層の向上を図るためには、粒度の小さい粉末状のものが、好適に用いられることとなる。また、キトサンにあっても、商業的に入手可能であって、例えば、甲陽ケミカル株式会社製の「コーヨーキトサンFL−80]や「コーヨーキトサンFM−80」、焼津水産化学工業株式会社製の「キトサンLL−40」や「キトサンLL」、共和テクノス株式会社製の「フローナックNSW」や「フローナックC」、「フローナックS」、大日精化工業株式会社製の「ダイキトサンFP」や「ダイキトサンFP−S」等の市販品を、適宜に選択して用いることも可能である。
【0027】
また、そのようなキトサンの配合割合にあっても、特に制限されるものではないものの、3つの有効成分による植物の生長促進効果を相乗的に発揮させるためには、それら3成分の合計量の1〜50%重量%、更に好ましくは、1〜15重量%であることが望ましい。けだし、かかる配合割合が過小である場合には、キトサンを添加することによる効果が得られず、また、かかる配合割合が過大である場合には、他の2成分(核酸系成分、キチン)の配合割合が必然的に少なくなって、3成分を組み合わせることによって得られる相乗的な効果が充分に得られなくなるからである。
【0028】
かくして、上述せる如き3つの有効成分の粉末、つまり、核酸系成分の粉末とキチン粉末とキトサン粉末とを、必須の構成成分として組み合わせて、従来から公知の各種の混合手法によって、混合せしめることにより、本発明に従う粉末状の植物生長促進剤が調製されることとなる。なお、そのような3成分を含有する植物生長促進剤には、更に、上記した3成分の他にも、グルコサミンや、N−アセチルグルコサミン、乾燥酵母、化成肥料、有機質肥料、鉱物、ビタミン、ミネラル等の成分を混合、含有せしめることが出来、そのような成分が、更に混合されることによって、更なる生育促進効果及び品質向上効果等といった利点が得られるようにもなる。
【0029】
以上の如くして得られる本発明に従う植物生長促進剤にあっては、有効成分として、核酸系成分とキチンとキトサンとが含有せしめられているところから、それらを単独で用いる場合や、それらのうちの2種を組み合わせて用いる場合には得られないような植物に対する生長促進効果が相乗的に発揮され得るようになるのである。
【0030】
ここにおいて、上述せる如き本発明に従う植物生長促進剤は、トマトやキャベツ、白菜、ナス、キュウリ等の野菜を始めとする、植物全般に用いられ得るのであるが、これらの植物の中でも、トマトやナス、タバコ等のナス科植物や、白菜やキャベツ等のアブラナ科植物の生長を、特に有利に促進せしめることが出来るのである。
【0031】
また、本発明に従う植物生長促進剤は、上述せる如き3つの有効成分が、粉末形態において配合されているところから、苗床や、通常の栽培土等として用いられる土壌(用土)に対して、有利に施用され得るのであり、そのような粉末状の植物生長促進剤が土壌に混和せしめられても、土壌の団粒化が阻害されるようなことは全くない特徴を発揮するものである。
【0032】
なお、そのような植物生長促進剤を土壌に施用するに際して、植物生長促進剤を混和する割合としては、生長促進効果が有利に発現され得るように、土壌と植物生長促進剤とを合わせた合計量の0.03〜3.0重量%、更に好ましくは、2.5〜3.0重量%となるような割合が好適に採用され得る。何故ならば、かかる混和割合が少な過ぎる場合には、充分な効果が得られなくなる恐れがあるからであり、また多量に含有させても、それに見合う効果を期待し得ず、経済性の面からしても好ましくなくなるからである。但し、植物生長促進剤に、核酸系成分やキチン、キトサンの3つの有効成分以外の成分が含有せしめられている場合には、それら3つの成分の合計量が、上記した範囲となるように混和されることが望ましいことは、勿論、言うまでもないところである。
【0033】
【実施例】
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが理解されるべきである。
【0034】
<試験例1>
先ず、核酸系成分として、ヌクレオチド類である5′−イノシン酸二ナトリウム(IMP)と5′−グアニル酸二ナトリウム(GMP)とが1:1の重量比で混合されてなる市販品:大象(株)製味元(純度:99%以上)を準備する一方、5′−イノシン酸二ナトリウムそのものを準備した。また、キチンとして、甲陽ケミカル株式会社製キチンTC−L(粒度:80メッシュパス、分子量:50万〜数百万程度)を準備する一方、キトサンとして、甲陽ケミカル株式会社のコーヨーキトサンFL−80(粒度:80メッシュパス、脱アセチル化度:87.9%、分子量:数百万)を準備した。
【0035】
そして、下記表1及び表2に示されるNo.1〜28の処理区が、該表1及び表2に示される施用量となるように、上記で準備した各種成分を混合せしめて粉末状の植物生長促進剤を調製すると共に、得られた植物生長促進剤を、用土(スーパーミックスA:株式会社サカタ製、N:P25:K2O=180:120:220mg/l)に混和せしめた。
【0036】
また、7×14穴のプラグトレイを半截し、49穴としたものを、各処理区当たり1トレイずつ準備し、上記で準備された土を、それぞれ収容することにより、播種床を準備した。
【0037】
そして、2002年8月29日に、上記の各処理区の播種床に、それぞれ、供試品種として、桃太郎T−93(トマト)を播種した。なお、かかる試験は、ビニールハウス内で行なった。
【0038】
播種21日目に、各処理区当たり10個体ずつ無作為に抜き取り、育苗期におけるトマトの生育調査を行ない、得られた結果を、下記表1及び表2に併せ示した。なお、調査項目は、草丈、最大葉長、最大葉幅、本葉数、地上部及び地下部の乾物重とした。また、地上部の乾物重と地下部の乾物重については、得られた結果を、それぞれ、図1及び図2にグラフとして示した。
【0039】
【表1】
Figure 0004472247
【0040】
【表2】
Figure 0004472247
【0041】
上記表1,2及び図1,2から明らかなように、核酸系成分とキチンとキトサンとの3成分が含有せしめられた処理区にあっては、それら3成分のうちの1成分又は2成分が含有せしめられた処理区に比して、トマトの生長が促進せしめられていることが分かる。また、核酸系成分の配合量やキチンの配合量が増加するに連れて、生長が促進せしめられることも分かる。特に、No.23〜26の処理区は、3成分を組み合わせることにより、生長促進効果が相乗的に高められていることが、認められるのである。
【0042】
<試験例2>
上記の試験例1と同様に、核酸系成分(IMP:GMP=1:1)、キチン及びキトサンを準備すると共に、市販の植物生長促進剤として、ヒノキエキス等の成分からなる「HB−101」(株式会社フローラ製)の1000倍水溶液、及び主成分が、分子量1〜5万の低分子キトサンである「バイオキトサンG−1」(山陰建設工業株式会社製)の200倍水溶液と、試作品である、100%のエンテロバクタークロアカエからなる「カレンジー」(山陰建設工業株式会社製)の200倍水溶液を準備した。なお、HB−101及びバイオキトサンG−1は、植物の生育促進や増収効果があるとされるものであり、また、カレンジーは、ナス科植物の根に寄生し、生育を促進したり、病害の感染を防ぐ効果があるとされるものである。
【0043】
そして、上記した核酸系成分、キチン、キトサン、HB−101、バイオキトサンG−1及びカレンジーを、用土(スーパーミックスA)に混和乃至は散布せしめることにより、下記(イ)〜(チ)の8種類の処理区の土を調製した(但し、イは、無処理であり、また、HB−101、バイオキトサンG−1及びカレンジーにあっては、上記した各々の希釈液を、それぞれ、後述するプラグトレイの1トレイ当たり、1リットルとなるように、各々の散布を行なった)。また、84穴プラグトレイを、各処理区当たり2トレイずつ準備し、そこに、各処理区の土を、それぞれ収容することにより、播種床とし、2002年5月13日に、桃太郎T−93(トマト)を播種した。なお、かかる試験は、ビニールハウス内で行なった。
−処理区−
(イ)無処理
(ロ)HB−101
(ハ)バイオキトサンG−1
(ニ)カレンジー
(ホ)キチン(0.5wt%)
(ヘ)キトサン(0.5wt%)
(ト)核酸系成分(0.1wt%)
(チ)核酸系成分(0.1wt%)+キチン(0.5wt%)+キトサン(0.5wt%)
(*但し、括弧内の濃度は、用土中に占める各成分量)
【0044】
播種23日後の2002年6月5日に、幼苗を、黒色ビニールポット(φ9cm)に移植し育苗した。培養土としては、野菜の床土(N:P25:K2O=290:1000:200mg/l)に、元肥として千代田(日産化学製、N:P25:K2O=15:15:10mg/l)を、1ポット当たり2g施用したものを採用した。また、(ロ)〜(ニ)の処理区にあっては、育苗ポットで栽培中に、3回、HB−101の1000倍希釈液、バイオキトサンG−1の200倍希釈液及びカレンジーの200倍希釈液を、それぞれ、1ポット当たり500ml散布した。
【0045】
また一方、播種22日目及び播種39日目に、各処理区当たり10個体ずつ無作為に抜き取り、トマトの生育調査を行ない、得られた結果を、それぞれ、下記表3及び表4に併せ示した。なお、調査項目は、播種22日目のものに関しては、草丈、葉長、最長根長、地上部及び地下部の乾物重とする一方、播種39日目のものについては、草丈、最大葉長、最大葉幅、本葉数、茎径、最長根長、地上部及び地下部の乾物重とした。また、播種22日目及び播種39日目における地上部・地下部の乾物重については、得られた結果を、それぞれ、図3及び図4に、グラフとして示した。
【0046】
【表3】
Figure 0004472247
【0047】
【表4】
Figure 0004472247
【0048】
さらに、播種日から各花房(第1花房〜第3花房)の1番花開花までに要する日数を調査し、得られた結果を、それぞれ、図5〜7に、グラフとして示した。
【0049】
上記表3,4及び図3〜7から明らかなように、核酸系成分とキチンとキトサンとの3成分が含有せしめられた処理区チにあっては、他の処理区に比して、トマトの生長が促進せしめられ、トマトの早期収穫が可能となることが、分かる。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従う植物生長促進剤にあっては、(A)イノシン酸若しくはその塩及びグアニル酸若しくはその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上と、(B)キチンと、(C)キトサンの3成分が、有効成分として、組み合わされて、用いられているところから、それらを単独で用いた場合や、それらのうちの2種を選択して組み合わせて用いた場合に比して、より一層優れた生長促進効果が得られるのである。従って、このような本発明に従う植物生長促進剤を、市場規模の大きなトマト等の生育に用いれば、早期収穫や、収穫物の品質向上等の付加価値が得られるようになる。
【0051】
また、本発明に従う植物生長促進剤は、粉末形態において配合されているところから、土壌に混和しても、土壌の団粒化が阻害されるようなことはないといった利点も享受され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1において、地上部乾物重の結果を示すグラフである。
【図2】試験例1において、地下部乾物重の結果を示すグラフである。
【図3】試験例2において、播種22日目の乾物重の結果を示すグラフである。
【図4】試験例2において、播種39日目の乾物重の結果を示すグラフである。
【図5】試験例2において、第1花房の1番花開花までに要する日数を示すグラフである。
【図6】試験例2において、第2花房の1番花開花までに要する日数を示すグラフである。
【図7】試験例2において、第3花房の1番花開花までに要する日数を示すグラフである。

Claims (3)

  1. イノシン酸若しくはその塩及びグアニル酸若しくはその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物と共に、キチン及びキトサンを有効成分として含有し、それらが粉末形態において配合されていることを特徴とする植物生長促進剤。
  2. 前記化合物、前記キチン及び前記キトサンが、それらの合計量に対して、それぞれ、5〜90重量%、5〜90重量%及び1〜50重量%の割合において配合せしめられている請求項1に記載の植物生長促進剤。
  3. 土壌に対して、0.03〜3.0重量%の割合となるように混和される請求項1又は請求項2に記載の植物生長促進剤。
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