JP4466941B2 - 陳列棚用表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デパート、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター等の商品売場において、商品陳列棚に陳列している商品の分類・価格等の商品に関する情報を表示する陳列棚用表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デパート、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター等の商品売場において、陳列棚に陳列されている商品に関する情報は、陳列棚の前端部に値札等の表示カードを配置して示すのが一般的である。ここに開示される商品に関する情報とは、棚の所定幅の領域に陳列されている同一商品からなる商品群毎に設定された共通の情報、例えば、5段仕様の陳列棚の上から2番目の棚の右半分を洗剤メーカーX社の洗剤Xaが20個の商品群をなし奥行きに5個で4列の幅を占めて陳列されている場合には洗剤Xaの商品名、値段、キャッチコピー、商品管理用バーコード等の個別具体的な情報を、主に商品群毎に一つ表示しているが、商品売場を巡る客が、いずれの棚にいかなる分類の商品群を陳列しているかを一目で認識させるのは困難である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば、陳列棚を横目に見て通路に沿って歩いている客が、通路に沿って並んでいる陳列棚A,B,C,Dには化粧品が陳列されているとか、通路に沿って並んでいる陳列棚E,F,G,Hにはクリーニング関連商品が陳列されており更に陳列棚Eの全段には衣料用洗剤が陳列されているとか、陳列棚に陳列された商品について、化粧品・クリーニング関連商品等の大分類に関する情報、衣料用洗剤・柔軟剤等の中分類に関する情報等の陳列された商品の分類に関する情報を陳列棚の前端部に様々な仕様にて配置された表示カードで認識するには、表示そのものが小さく困難である。これは、陳列棚の前端部における商品の取り出しに支障が生じないようにするために必然的に生じる表示カード等の表示具のサイズ面の制約によるものである。したがって、現実には、客は陳列された商品のパッケージ等を俯瞰して、そのパッケージの形・パッケージの色・パッケージに大きく示された商品名を手掛かりとして、この棚には化粧品(シェービングクリーム)が並んでいる、液体洗剤が並んでいる等と認識している。
【0004】
そこで、このような商品カードに表示される商品名・価格等の同一商品からなる商品群毎に設定された共通の情報とは別の情報、具体的には、陳列している商品の分類を示したりする手段として、同じ分類に属する商品群(X社の衣料用洗剤Xaが20個、X社の衣料用洗剤Xbが20個、Y社の衣料用洗剤Yaが20個…)を揃えて、少なくとも同じ棚には同じ分類に属する商品群が並ぶように、できれば同じ陳列棚を構成する全ての棚には同じ分類に属する商品群が並ぶように、商品群毎にまとめて商品を並べた陳列棚を構成し、この陳列棚の正面上方に通路に平行する方向を向いた看板を天井から吊るして、この看板に表示された情報によって、この看板の下方の陳列棚に並べられた商品の分類を示したり、或いは陳列棚と通路の間に看板を床面に置いて、この看板の奥方の陳列棚に並べられた商品の分類を示したりするのが一般的である。このようなものとして、陳列棚の前端部から通路側にホルダーを延伸させ、このホルダーに客と向き合う方向、すなわち陳列棚前端部と直交する方向に表示カードを配置することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかし、天井に吊り下げる看板は、商品売場における商品陳列の変更に柔軟に対応することができない。また、床置きの看板は商品陳列の変更に柔軟に対応することはできるが、歩行中の客、特に子供と衝突等の人身事故につながるので安全面での問題が大きい。これに対して、特許文献1の表示カードは、これらの問題点をクリアするものの、表示カード自体を大きくすることが難しく、看板がクリアした一目で客に商品の分類を認識させるという課題を完全に解決し得るものではない。
【0006】
これらを全て解決する手段として、化粧品売場等で行われている、化粧品メーカー毎にその社名等を表示した専用の陳列コーナーを特設し、同じメーカーの商品のみを揃えて分類して陳列する方法があるが、これは既存設備の更新を余儀なくされ、設備コストを増加させる。また、商品売場の商品レイアウトは、季節に応じて変更したり、商品の売れ行きに応じて変化させるものであるから、特設した陳列コーナーの設備が使えなくなることもあり、設備投資におけるリスクが大きく、化粧品メーカー等の専用店・直営店においてはなし得るが、通常、複数社の商品を扱うスーパー等の商品売場においては現実的ではない。
【0007】
【特許文献1】
実開平5−4182号公報
【特許文献2】
実開平5−29073号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、これらの実状に鑑みて鋭意検討した結果、デパート、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター等の商品売場において、商品陳列棚に陳列している商品の分類・価格等の商品に関する情報を表示する表示装置を開発するにあたっては、以下の4点の課題を解決し得るものでなければならないとの結論に達した。
【0009】
すなわち、第1の課題は、商品売場において既存設備の改造や工事をすることなく、容易に設置可能な構造とし、陳列の変更に素早く対応できるものとしなければならないということであり、第2の課題は、表示装置と客が衝突して人身事故を引き起こすことがないよう、安全な構造を採用しなければならないということであり、第3の課題は、売場内の通路を歩行中の客が一目で認識できる、アイキャッチ性の優れたものでなければならないということであり、第4の課題は、表示装置が商品を陳列する商品売場のイメージを損なうものであってはならないということである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の陳列棚用表示装置は、商品売場にて販売される最小単位における形及び価格を同じくする同一商品からなる商品群を複数陳列する陳列棚において陳列している商品に関する分類及び価格を含む情報を表示する陳列棚用表示装置であって、この陳列棚用表示装置は、陳列棚に載置される表示ケース本体と、陳列している商品の分類を示す第一の表示シートと、商品群毎に設定された価格含む情報を一枚のシートに示してなる複数枚の第二の表示シートとの組み合わせからなり、第一の表示シートの示す商品の分類中に複数枚の第二の表示シートの示す複数の商品群が含まれるものであり、表示ケース本体は、陳列棚の幅方向に配された棚部材に載せるための水平部分と、水平部分の前端から起立する逆溝状の起立部分と、起立部分の前面との間に上からの隙間を形成するように配置された第一の表示カバーと、この第一の表示カバーの前面との間に上からの隙間を形成するように平行に配置され第一の表示カバーよりも背の低い第二の表示カバーとから構成されており、前記第一の表示シートは、表示ケース本体の幅に相当する長さを有する横長の帯状で且つその全体が商品の分類に応じた基調色を有し、表示ケース本体における起立部分と第一の表示カバーとの間の隙間に略全幅にわたって担持されており、前記第二の表示シートは、第一の表示シートよりも背の低い矩形状で、表示ケース本体における第一の表示カバーと第二の表示カバーとの間の隙間に間欠的に担持されていることを特徴としている。
【0011】
更に、第一の表示シートは、その両側に商品の分類を示す文字情報を有していることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明に係る陳列棚用表示装置の一例を表示ケース本体と第一の表示シート及び第二の表示シートとが離間した状態で示す斜視図であり、図2は表示ケース本体の長さ方向に直交する面での断面図であり、図3は本発明に係る陳列棚用表示装置の一例を表示ケース本体と第一の表示シート及び第二の表示シートとを組み立てた状態で示す斜視図である。なお、表示ケース本体の長さは陳列棚の幅に合わせる長尺状のものであり、図1及び図3では図面配置の都合上実際のものに比べて長さ方向を相対的に短く描いてある。
【0015】
表示ケース本体10は、陳列棚の幅方向に配された棚部材に載せるための水平部分11と、水平部分11の前端から起立する逆溝状の起立部分12と、起立部分12の前面との間に上からの隙間を形成するように平行に配置された第一の表示カバー13と、第一の表示カバー13の前面との間に上からの隙間を形成するように平行に配置され第一の表示カバー13よりも背の低い第二の表示カバー14とから構成されている。
【0016】
表示ケース本体10の水平部分11は、商品を載せる棚部材(全面一枚の棚板・棚幅の長さの板を複数枚スノコ状に並べる)に載せる部分であって、上面に商品を直接置いたり、アクリル板やボール紙等の下敷きを一枚挟んで商品を載せたりする部分である。また、起立部分12は、水平部分11に連接して同一部材を曲げて起立させたものであり、棚前端部の棚上方空間に表示シートを起立状態に保持するため、前面については垂直方向から一定の角度を付けている。すなわち、水平に対して90度に起立していることは必ずしも必要ではなく、見やすいように適当な角度を付けてあればよい。通常、これら水平部分11と起立部分12はアクリル等の透明なプラスチックの押出し成形品で構成されるが、特にこれに限定されるものではない。
【0017】
第一の表示カバー13は、第一の表示シート21を保持する隙間を形成するためのものであって、図2に示すように、第一の表示カバー13の下側端部を起立部分12の前板の下側端部とを細板15を挟んで取り付けている。この細板15は長さ5ミリ程度であって、第一の表示シート21を保持するために必要な所要の隙間を形成するための厚みを有しており、この細板15の厚みの間隔を保って第一の表示カバー13は起立部分12の前板に対して平行に配置されることになる。ここで、第一の表示カバー13は下側端部のみが固定されており、第一の表示シート21を挿入する上側端部は固定されていないので、第一の表示カバー13は片持ち状態となっており、第一の表示カバー13は傾いているので、その材質によっては自重により上側端部の隙間を閉じる向きに撓むことがあり、厳密には隙間は平行にはなっていない。更に、第一の表示カバー13は、この表示シート21が外部から目視できる状態に担持する必要があるため、第一の表示カバー13は、透明でなければならない。しかも、後述するように表示シート21はそれが示す分類に応じた基調色を有しておりこの色を情報として示す必要があるため、この色に影響を与えないようにするため、無色透明が好ましい。高さは、表示ケース本体10の起立部分12と同じ程度とするのが好ましいが、多少低くしてもよい。すなわち、起立部分12との間に段差を設けると、表示シート21を抜く時に指をかけやすいからである。
【0018】
第二の表示カバー14は、第二の表示シート22を保持する隙間を形成するためのものであって、図2に示すように、第二の表示カバー14の下側端部を第一の表示カバー13の前板の下側端部とを細板16を挟んで取り付けている。この細板16は長さ5ミリ程度であって、第二の表示シート22を保持するために必要な所要の隙間を形成するための厚みを有しており、この細板16の厚みの間隔を保って第二の表示カバー14は第一の表示カバー13の前板に対して平行に配置されることになる。ここで、第二の表示カバー14は下側端部のみが固定されており、第二の表示シート22を挿入する上側端部は固定されていないので、第二の表示カバー14は片持ち状態となっており、第二の表示カバー14は傾いているので、その材質によっては自重により上側端部の隙間を閉じる向きに撓むことがあり、厳密には隙間は平行にはなっていない。更に、第二の表示カバー14は、この表示シート22が外部から目視できる状態に担持する必要があるため、第二の表示カバー14は、透明でなければならない。しかも、無色透明が好ましい。高さは、表示ケース本体10の起立部分12の半分程度とするのが好ましいが、第二の表示シート22が保持されさえすれば特に限定はない。
【0019】
表示ケース本体10の各部品を同じアクリル板又はポリプロピレン(PP)板等の透明部材で構成する場合、その作製方法の一例を挙げると次のようである。まず、水平部分11と起立部分12を有する長尺状の押出し成形品と、第一の表示カバー13及び第二の表示カバー14となる2枚の板を準備するとともに、起立部分12と第一の表示カバー13との間、第一の表示カバー13と第二の表示カバー14との間にそれぞれ挟持させるための幅5ミリ程度の2枚の細板15,16を準備する。これらは全て棚幅に相当する同一の長さに切断したものである。そして、図2に示すように、起立部分12の外側に、細板15、第一の表示カバー13、細板16、第二の表示カバー14の順で接着することにより表示ケース本体10を作製する。
【0020】
第一の表示シート21は、表示ケース本体10における起立部分12と第一の表示カバー13との間の隙間に略全幅にわたって担持されるものであり、表示ケース本体10の幅に相当し同時に表示ケース本体10を設置する陳列棚の棚部材の幅に相当する長さを有することになる横長の帯状であって、一定の基調色を有しており、表面に第一の情報(商品の分類、種類、カテゴリー的なもの)が表示されている。この表示を端部に配置したのは、中央付近では第二の表示シート2により隠れてしまうことを避けるためであり、両側に配するのが好ましいが、片側だけでも問題ない。
【0021】
ここで、第一の情報とは、具体的に次のようなものを言う。例えば、スーパーマーケット等の商品売場が仕入れた全商品のうちでクリーニング商品という広い範疇(大分類)に含まれる商品を対象とした場合では、これらは、X社の衣料用洗剤Xaが20個、X社の衣料用洗剤Xbが20個、Y社の衣料用洗剤Yaが20個…という具合に同一商品からなる集合である商品群に区分することができ、これらの商品群が多数存在する状態であるが、これら多数の商品群を複数に分類する指標となる情報が第一の情報であって、A:部分洗い、B:衣料用洗剤、C:自然派洗剤、D:洗濯補助剤、E:おしゃれ着用洗剤、F:漂白剤、G:柔軟剤という具合に7種類に分類したものである。また、基調色として、それぞれの分類に異なる色を対応させるようにする。例えば、Aは水色、Bは青色、Cは黄緑色、Dは山吹色、Eは紫色、Fはコバルトブルー色、Gは紅色という具合である。ここでは、第一の情報(多数の商品群を分類する指標)を商品の種類としたが、この他にもA:X社製品で水色、B:Y社製品で青色、C:Z社製品で黄緑色…とメーカーにより分類してもよく、店舗面積が小さく、大量の商品を陳列しない商品売場においては、この商品売場が仕入れた全商品を対象として、A:クリーニング商品で水色、B:家電商品で青色、C:化粧品で黄緑色、D:食料品で山吹色…と最初の説明で使用した広い範疇により分類しても良い。
【0022】
第一の表示シート21は、横長の白紙に所定の基調色を全体に印刷し、両端に分類を示す文字を印刷したものを多面に印刷し、これを断裁して制作する。或いは、色付の紙を購入して両端に分類を示す文字を印刷したものを多面に印刷し、これを断裁して制作する。さらに、横長の白紙に所定の基調色を全体に印刷する際に、両端に分類を示す文字部分には印刷しないことで白抜きの表示を形成したものを多面に印刷し、これを断裁して制作する。さらに、分類を示す文字以外にも分類を示す絵やマーク(衣料用洗剤ならシャツの絵)を追加してもよい。
【0023】
第二の表示シート22は、表示ケース本体10における第一の表示カバー13と第二の表示カバー14との間の隙間に間欠的に担持されるもので、長方形のカードであって、横の長さは5〜10cm程度と第一の表示シート21に比べて短いサイズであり、スーパー等の小売店側が商品毎に設定(同一の商品は同じ場所に集めて陳列販売するので、商品群毎に設定)する第二の情報(商品の名前、メーカー名、販売価格、管理用バーコード、キャッチコピーなど)が表示されている。
【0024】
ここで、第二の情報とは、例えば、前記の如く第一の情報をA〜Fの7種類に分類した場合に、Bの衣料用洗剤の表示の後方で同一商品からなる集合である商品群毎に区分けして陳列された商品について商品群毎の商品に関する情報を示すものであり、例えば、右端の陳列棚の上から3段目には衣料用洗剤の商品が陳列されており、右からX社の衣料用洗剤Xa、X社の衣料用洗剤Xb、Y社の衣料用洗剤Yaと3つの商品群に区分されて陳列している場合には、右端の商品群には、その商品群に属する商品Xaに関する情報、具体的には「製品名:衣料用洗剤Xa、メーカー名:X社、当社販売価格:350円、油汚れに強い酵素パワー等」という主に小売店側が客に示したい情報を付与する。
【0025】
商品群について説明すると、上記のように同一商品からなる集合であり、これは、小売店は同一商品については同一の価格等の条件で販売するため、原則的に同一商品は同じ所に集めて陳列することにより生じるものである。ここで断っておくが、同一商品からなる商品群とは単に商品名が同じものを集めたものではなく、同じ商品名でもサイズが異なったり、小売店の販売形態が異なったりした場合には商品群も異なることになる。例えば、衣料用洗剤Xaの大箱10個と衣料用洗剤Xaの小箱10個は異なる商品群になり、衣料用洗剤Xbの小箱3個セットで10セットと衣料用洗剤Xbの小箱30個は異なる商品群となり、柔軟材Zaの容器タイプ10個と柔軟材Zaの詰換え用パック10個は異なる商品群となる。換言すれば、大箱と小箱(サイズの相違)、容器タイプと詰替え用パック(メーカー側が設定した販売形態の相違)、セット売りとバラ売り(小売店側が設定した販売形態の相違)等のように、最終的に販売する場合の、最小単位における形・価格等が異なるものは別商品であり同一商品ではない。
【0026】
第二の表示カバー14の高さを第一の表示カバー13より低くしたのは、第二の表示シート22の高さが本来的に第一の表示シート21より低くなっており、この第二の表示シート22の高さに第二の表示カバー14の高さを第一の表示シート21の高さに第一の表示カバー13の高さを合わせたことに起因するものであって、第二の表示シート22の高さを第一の表示シート21より低くした理由は、図3に示すように、間欠的に第一の表示シート21を覆うように配置される第二の表示シート22が、第一の表示シート21の色の帯を完全に切断することがないようにするためである。先に説明したように、第一の表示シート21は、第一の表示シート21が表示する商品の分類(第一の情報)を両端に設けられた文字情報のみで示すのではなく、全体に設けられた基調色(図3に示す斜線)によっても示すことになり、重要な要素である。この基調色は第二の表示シート22が担持された部分は遮蔽されて見えないが、第二の表示シート22の高さを第一の表示シート21の高さより低くすることにより、少なくとも第一の表示シート21の上側の帯は切れることなく棚全幅に配置されることになり、第一の表示シート22は上側の基調色を棚全幅に切れることなく表示することで基調色に対応した商品の分類を表示する。ただし、表示ケース本体10に挿入した状態で、第二の表示シート22の上端位置が第一の表示シート21の上端位置よりも低くすることは必須となるが、第一の表示カバー13と第二の表示カバー14の高さの違いは必須ではないと解される。すなわち、第一の表示カバー13と第二の表示カバー14を同じ高さにしても、このような表示ケース本体10に挿入した状態で、第二の表示シート22の上端位置が第一の表示シート21の上端位置よりも低く設定されるのであれば問題はない。しかし、両者の高さが同じようだと、第二の表示カバー14の奥に第二の表示シート22が落ち込むことになり、しかも間欠的に挿入するため第一の表示シート21のように両端から引き出すことも困難であり、更に頻繁に交換せざるを得ない第二の表示シート22の情報の性質を考えれば得策ではない。
【0027】
次に、本発明の陳列棚用表示装置を設置する方法について、図4に示す如く5段の陳列棚30を5台並べて25個の棚を形成し、それらの棚にクリーニング関連商品を陳列する場合を例に挙げて説明する。
【0028】
ここで、棚に陳列するクリーニング関連商品は、前記したものと同じ7つの分類(A:部分洗い、B:衣料用洗剤、C:自然派洗剤、D:洗濯補助剤、E:おしゃれ着用洗剤、F:漂白剤、G:柔軟剤)に区分されるものとし、1つの棚には同じ分類の商品をまとめて配置するものである。更に、商品1個の陳列状態で棚を占める面積はサイズは同一でセット売りはないものとし、商品は奥行きに5個並べて1列をなし、棚には8列並べることができ、25個の棚には1000個の商品を陳列することができると想定する。
【0029】
まず、棚に陳列するクリーニング関連商品は、全部で1000個あり、メーカーX、Y、Z三社から納入されるとして、倉庫にメーカー別に収納されており、その商品の内訳は、部分洗い洗剤AX1が40個、部分洗い洗剤AX2が40個、部分洗い洗剤AX3が40個、衣料用洗剤BX1が40個、衣料用洗剤BX2が40個、衣料用洗剤BX3が40個、自然補助剤CX1が20個、自然補助剤CX2が20個、自然補助剤CX3が20個、自然補助剤CX4が20個、おしゃれ着用洗剤EX1が80個、おしゃれ着用洗剤EX2が80個、漂白剤FX1が20個、柔軟剤GX1が20個、柔軟剤GX2が20個、柔軟剤GX3が20個、柔軟剤GX4が20個、部分洗い洗剤AY1が20個、部分洗い洗剤AY2が20個、衣料用洗剤BY1が20個、衣料用洗剤BY2が20個、衣料用洗剤BY3が20個、洗濯補助剤DY1が40個、漂白剤FY1が20個、柔軟剤GY1が20個、柔軟剤GY2が20個、部分洗い洗剤AZ1が20個、部分洗い洗剤AZ2が20個、衣料用洗剤BZ1が20個、自然補助剤CZ1が20個、自然補助剤CZ2が20個、洗濯補助剤DZ1が20個、洗濯補助剤DZ2が20個、柔軟剤GZ1が20個、柔軟剤GZ2が20個、柔軟剤GZ3が40個ある。
【0030】
次に、これらの商品群36群で総計1000個の商品を、商品の種類を指標(第一の情報)として区分すると、A:部分洗い洗剤は「部分洗い洗剤AX1が40個、部分洗い洗剤AX2が40個、部分洗い洗剤AX3が40個、部分洗い洗剤AY1が20個、部分洗い洗剤AY2が20個、部分洗い洗剤AZ1が20個、部分洗い洗剤AZ2が20個」7群で合計200個、B:衣料用洗剤は「衣料用洗剤BX1が40個、衣料用洗剤BX2が40個、衣料用洗剤BX3が40個、衣料用洗剤BY1が20個、衣料用洗剤BY2が20個、衣料用洗剤BY3が20個、衣料用洗剤BZ1が20個」7群で合計200個、C:自然派洗剤は「自然補助剤CX1が20個、自然補助剤CX2が20個、自然補助剤CX3が20個、自然補助剤CX4が20個、自然補助剤CZ1が20個、自然補助剤CZ2が20個」6群で合計120個、D:洗濯補助剤は「洗濯補助剤DY1が40個、洗濯補助剤DZ1が20個、洗濯補助剤DZ2が20個」3群で合計80個、E:おしゃれ着用洗剤は「おしゃれ着用洗剤EX1が80個、おしゃれ着用洗剤EX2が80個」2群で合計160個、F:漂白剤は「漂白剤FX1が20個、漂白剤FY1が20個」2群で合計40個、G:柔軟剤は「柔軟剤GX1が20個、柔軟剤GX2が20個、柔軟剤GX3が20個、柔軟剤GX4が20個、柔軟剤GY1が20個、柔軟剤GY2が20個、柔軟剤GZ1が20個、柔軟剤GZ2が20個、柔軟剤GZ3が40個」9群で合計200個に区分される。
【0031】
次に、これらの36群で総計1000個の商品を陳列する陳列棚の25段の棚に陳列する商品の種類を決定する。
具体的には、1段で40個並べられ、A:部分洗い洗剤は7群で合計200個で5段、B:衣料用洗剤は7群で合計200個で5段、C:自然派洗剤は6群で合計120個で3段、D:洗濯補助剤は3群で合計80個で2段、E:おしゃれ着用洗剤は2群で合計160個で4段、F:漂白剤は2群で合計40個で1段、G:柔軟剤は9群で合計200個で5段必要になるので、これを左上を始点として、左端の陳列棚の上から1段目から5段目までの5段(全段)には、A:部分洗い洗剤を陳列し、左から2個目の陳列棚の上から1段目から5段目までの5段(全段)にはB:衣料用洗剤を陳列し、左から3個目の陳列棚の上から1段目から3段目までの3段にはC:自然派洗剤を陳列し、左から3個目の陳列棚の上から4段目から5段目までの2段にはD:洗濯補助剤を陳列し、左から4個目の陳列棚の上から1段目から4段目までの4段にはE:おしゃれ着用洗剤を陳列し、左から4個目の陳列棚の上から5段目のみの1段にはF:漂白剤を陳列し、左から5個目つまり右端の陳列棚の上から1段目から5段目までの5段(全段)にはG:柔軟剤を陳列するよう割り振る。
【0032】
次に、先の棚と商品の種類の組み合わせを考慮して、36群で総計1000個の商品を25段の棚のいずれの部分に並べるかを決定する。
部分洗い洗剤AX1(40個)を左端の陳列棚の上から1段目に、部分洗い洗剤AX2(40個)を左端の陳列棚の上から2段目に、部分洗い洗剤AX3(40個)を左端の陳列棚の上から3段目に、部分洗い洗剤AY1(20個)を左端の陳列棚の上から4段目の左半分に、部分洗い洗剤AY2(20個)を左端の陳列棚の上から4段目の右半分に、部分洗い洗剤AZ1(20個)を左端の陳列棚の上から5段目の左半分に、部分洗い洗剤AZ2(20個)を左端の陳列棚の上から5段目の右半分に、衣料用洗剤BX1(40個)を左から2個目の陳列棚の上から1段目に、衣料用洗剤BX2(40個)を左から2個目の陳列棚の上から2段目に、衣料用洗剤BX3(40個)を左から2個目の陳列棚の上から3段目に、衣料用洗剤BY1(20個)を左から2個目の陳列棚の上から4段目の左半分に、衣料用洗剤BY2(20個)を左から2個目の陳列棚の上から4段目の右半分に、衣料用洗剤BY3(20個)を左から2個目の陳列棚の上から5段目の左半分に、衣料用洗剤BZ1(20個)を左から2個目の陳列棚の上から5段目の右半分に、自然補助剤CX1(20個)を左から3個目の陳列棚の上から1段目の左半分に、自然補助剤CX2(20個)を左から3個目の陳列棚の上から1段目の右半分に、自然補助剤CX3(20個)を左から3個目の陳列棚の上から2段目の左半分に、自然補助剤CX4(20個)を左から3個目の陳列棚の上から2段目の右半分に、自然補助剤CZ1(20個)を左から3個目の陳列棚の上から3段目の左半分に、自然補助剤CZ2(20個)を左から3個目の陳列棚の上から3段目の右半分に、洗濯補助剤DY1(40個)を左から3個目の陳列棚の上から4段目に、洗濯補助剤DZ1(20個)を左から3個目の陳列棚の上から5段目の左半分に、洗濯補助剤DZ2(20個)を左から3個目の陳列棚の上から5段目の右半分に、おしゃれ着用洗剤EX1(80個)を左から4個目の陳列棚の上から1段目と2段目に、おしゃれ着用洗剤EX2(80個)を左から4個目の陳列棚の上から3段目と4段目に、漂白剤FX1(20個)を左から4個目の陳列棚の上から5段目の左半分に、漂白剤FY1(20個)を左から4個目の陳列棚の上から5段目の右半分に、柔軟剤GX1(20個)を右端の陳列棚の上から1段目の左半分に、柔軟剤GX2(20個)を右端の陳列棚の上から1段目の右半分に、柔軟剤GX3(20個)を右端の陳列棚の上から2段目の左半分に、柔軟剤GX4(20個)を右端の陳列棚の上から2段目の右半分に、柔軟剤GY1(20個)を右端の陳列棚の上から3段目の左半分に、柔軟剤GY2(20個)を右端の陳列棚の上から3段目の右半分に、柔軟剤GZ1(20個)を右端の陳列棚の上から4段目の左半分に、柔軟剤GZ2(20個)を右端の陳列棚の上から4段目の右半分に、柔軟剤GZ3(40個)を右端の陳列棚の上から5段目に陳列するよう割り振る。
【0033】
次に、第一の表示シートと第二の表示シートを準備する。第一の表示シートは棚に一枚準備し合計25枚揃えることになり、A(部分洗い)5枚、B(衣料用洗剤)5枚、C(自然派洗剤)3枚、D(洗濯補助剤)2枚、E(おしゃれ着用洗剤)4枚、F(漂白剤)1枚、G(柔軟剤)5枚となる。第二の表示シートは商品群に一枚準備し合計36枚揃えることになるが、一つの商品群が複数の棚に並べられる場合は棚毎に準備すべきであるので、おしゃれ着用洗剤EX1(80個)については2枚、おしゃれ着用洗剤EX2(80個)については2枚準備することになり、最終的には合計38枚揃えることになる。なお、1段の棚を40個の同一商品からなる商品群が並べられている場合、1枚の第二の表示シートとせず、2枚準備して間欠的に並べて表示してもよい。商品群1つにつき第二の表示シート1枚としたのは、消費者が複数の商品群が陳列されていると間違って認識せず、更には、第一の情報シートを出来るだけ隠さないようにするためであり、これらの問題がなければ枚数は自由である。
【0034】
次に、第一の表示シート21及び第二の表示シート22のいずれをも挿入していない状態の透明な表示ケース本体10を25個準備し、これらをそれぞれ棚の前端に沿わせて置き、必要に応じて、表示ケース本体10における水平部分11の上に棚面の全面を覆う板などを置く。ここで水平部分11を全幅に渡って両面テープにて棚部材に貼着しても構わない。この状態を示したのが図4である。
【0035】
次いで、棚毎の商品の種類と個別の商品群の配置決定に基づき、商品を棚に並べていく。そして、25枚の表示シート21を表示ケース本体10における起立部分12と第一の表示カバー13との間の隙間に差し込む。図5はA〜Fの分類を表す第一の表示シートを図示のように割り当てて差し込んだ状態(陳列した商品は図示せず)を示している。
【0036】
続いて、38枚の商品群毎の第二の表示シート22を、陳列した商品群の前の位置にそれぞれ配置する、具体的には表示ケース本体10における第一の表示カバー13と第二の表示カバー14との間の隙間に差し込む。図6は36の商品群の情報を表す第二の表示シートを図示のように割り当てて差し込んだ状態(陳列した商品は図示せず)を示している。
【0037】
このように、表示ケース本体10に第一の表示シート21と第二の表示シート22を取り付けた後、店長等の責任者が通路側から表示装置を俯瞰し、必要ならば配列を変更するなどの微調整の指示を行い、これに応じた第一の表示シート21及び第二の表示シート22の交換と商品の入替えを行う。また、時間によって販売価格が変わったり、今週金曜から半額にしたりする場合には、その情報を表示した第二の表示シート22を準備して交換する。
【0038】
【発明の効果】
本発明の陳列棚用表示装置は次のような効果を奏する。
【0039】
第1に、この種の陳列棚用表示装置は、商品売場において既存設備の改造や工事をすることなく、容易に設置可能な構造とし、陳列の変更に素早く対応できるものとしなければならないが、本発明の陳列棚用表示装置は、棚とは別体の表示ケース本体と2種類の表示シートを組み合わせることで制作でき、棚に置くだけでよく、陳列の変更に素早く対応できる。
【0040】
第2に、この種の陳列棚用表示装置は、表示ケース本体と客が衝突して人身事故を引き起こすことがないよう、安全な構造を採用しなければならないが、本発明の陳列棚用表示装置は、プラスチック製の表示ケース本体と紙の表示シートの組み合わせにして軽くすることが可能であり、このようにすることで落下しても事故は起きない。さらに、表示ケース本体の水平部分には板と商品が置かれるので落下自体が起きないし、陳列棚の幅方向に長いので両面テープで固定すれば相当強固に固定できる。
【0041】
第3に、この種の陳列棚用表示装置は、売場内の通路を歩行中の客が一目で認識できる、所謂アイキャッチ性に優れたものでなければならないが、本発明の陳列棚用表示装置を用いることにより、店内を歩行する客は、通路に沿って店内を歩行する時に横長の色の付いた帯が視覚に入ってくるので、表示される第一の情報の色帯部分を必ず見ることになり、この情報を見ながら視線を横にして棚正面を見るので、通常の棚板前端に設けられた第一の情報(色の帯と、両端の種類の情報)とその手前の第二の情報及び後方の商品パッケージが視覚に入ってくることとなる。したがって、これらが渾然一体となり、客の視覚に認識されるので、アイキャッチ性に優れる。特に、棚のほぼ全幅に途切れることなく、第一の表示シートの色の帯を設けることができるので、第一の表示シートが示す商品の分類例えば商品種類毎の区分を容易に認識させることができ、この点でもアイキャッチ性を高めることができる。
【0042】
第4に、この種の陳列棚用表示装置は、表示ケース本体が商品を陳列する売場のイメージを損なうものであってはならないが、本発明の陳列棚用表示装置は、棚に装着する仕様になっており、棚と表示ケース本体は一体となることから、棚に表示装置が装着された状態で全体的な意匠性を醸し出すので、全体的に統一感を持たせることができる。特に、棚の前端に色の帯が途切れることなく形成されることになり、既設の陳列棚に特設コーナーの如き高級感、統一感を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る陳列棚用表示装置の一例を表示ケース本体と第一の表示シート及び第二の表示シートとが離間した状態で示す斜視図である。
【図2】表示ケース本体の長さ方向に直交する面での断面図である。
【図3】本発明に係る陳列棚用表示装置の一例を表示ケース本体と第一の表示シート及び第二の表示シートとが組み合わされた状態で示す斜視図である。
【図4】本発明の陳列棚用表示装置を設置する方法を説明するための陳列棚の正面図である。
【図5】本発明の陳列棚用表示装置を設置する方法を説明するための陳列棚の正面図である。
【図6】本発明の陳列棚用表示装置を設置する方法を説明するための陳列棚の正面図である。
【符号の説明】
10 表示ケース本体
11 水平部分
12 起立部分
13 第一の表示カバー
14 第二の表示カバー
15,16 細板
21 第一の表示シート
22 第二の表示シート
30 陳列棚
Claims (2)
- 商品売場にて販売される最小単位における形及び価格を同じくする同一商品からなる商品群を複数陳列する陳列棚において陳列している商品に関する分類及び価格を含む情報を表示する陳列棚用表示装置であって、この陳列棚用表示装置は、陳列棚に載置される表示ケース本体と、陳列している商品の分類を示す第一の表示シートと、商品群毎に設定された価格含む情報を一枚のシートに示してなる複数枚の第二の表示シートとの組み合わせからなり、前記第一の表示シートの示す商品の分類中に前記複数枚の第二の表示シートの示す複数の商品群が含まれるものであり、前記表示ケース本体は、陳列棚の幅方向に配された棚部材に載せるための水平部分と、水平部分の前端から起立する逆溝状の起立部分と、起立部分の前面との間に上からの隙間を形成するように配置された第一の表示カバーと、この第一の表示カバーの前面との間に上からの隙間を形成するように平行に配置され第一の表示カバーよりも背の低い第二の表示カバーとから構成されており、前記第一の表示シートは、表示ケース本体の幅に相当する長さを有する横長の帯状で且つその全体が商品の分類に応じた基調色を有し、表示ケース本体における起立部分と第一の表示カバーとの間の隙間に略全幅にわたって担持されており、前記第二の表示シートは、第一の表示シートよりも背の低い矩形状で、表示ケース本体における第一の表示カバーと第二の表示カバーとの間の隙間に間欠的に担持されていることを特徴とする陳列棚用表示装置。
- 第一の表示シートは、その両側に商品の分類を示す文字情報を有していることを特徴とする請求項1に記載の陳列棚用表示装置。
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