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JP4464489B2 - 逆止弁 - Google Patents

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JP4464489B2
JP4464489B2 JP21441399A JP21441399A JP4464489B2 JP 4464489 B2 JP4464489 B2 JP 4464489B2 JP 21441399 A JP21441399 A JP 21441399A JP 21441399 A JP21441399 A JP 21441399A JP 4464489 B2 JP4464489 B2 JP 4464489B2
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裕規 五十嵐
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Surpass Industry Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体を一方向にのみ通過させる逆止弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の逆止弁を図5に示した。図の逆止弁1は、右から流入する流体の通過を許可し、左から流入する流体の通過を阻止するものである。
逆止弁1は、筒状に形成されたケーシング2と、ケーシング2内に設けられ流体が通過する流体孔7と、ケーシング2内に摺動可能に設けられ流体孔7を開放、閉塞する弁体3と、弁体3を流体孔7に付勢するスプリング4とを備えている。
弁体3は中空部5を形成する筒状であり、流体孔7側(入口側)を閉塞されている。また、側壁には、中空部5に連通する横孔6が設けられている。
閉状態においては弁体3がスプリング4によって流体孔7の縁部に付勢されるようになっており、このとき、流体孔7縁部との間で流体を密閉するOリング8が弁体3に設けられている。
【0003】
上記逆止弁においては、入口側の流体圧力よりも出口側の流体圧力が大きい場合には、逆止弁は閉となる。すなわち、スプリング4が弁体3を流体孔7の縁部に付勢していることにより、出口側からの入口側への流体の逆流を阻止する。
入口側の流体圧力が出口側の流体圧力より大きくなり、入口側の流体圧力がスプリング4の付勢力に対抗して弁体3を出口側に摺動させることにより、流体孔7が開放され、弁体3の横孔6、中空部5を経て流体が出口側へ流出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記逆止弁の閉状態においては、前記のようにスプリング4が弁体3を流体孔7の縁部に付勢している。
このため、入口側の流体圧力がスプリング4による付勢圧力より大きくならなければ、入口側の流体が逆止弁を通過することができない。すなわち、上記従来の逆止弁においては、たとえ入口側の流体圧力が出口側の流体圧力より大きくとも、その差が大きくなければ流体を流すことができない。
小さい圧力差であっても流体を流すことができるようにするには、弾性力の小さいスプリングを採用すればよい。しかし、スプリング4の弾性力を小さくすると、出口側の流体が入口側へ逆流する場合がある。このため、出口側の流体の逆流を防ぎつつ、小さい圧力の流体を流すことができないという問題があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明においては、逆流を防ぎつつ、小さい圧力の流体を通すことのできる逆止弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記従来の逆止弁においては、入口側の流体は、流体孔7の開口面積にて弁体3に圧力を作用している。入口側の流体圧力をより広い面積に作用させれば、同じ圧力でより大きな力をもってスプリング4の付勢力に対抗することができる。
本発明はこの原理を用いる。すなわち、本発明の逆止弁においては、ケーシングと、ダイヤフラム管部と該管部一端から延出したダイヤフラム本体とを備えたダイヤフラムと、ダイヤフラム管部に設けられたダイヤフラム側流路と、前記ダイヤフラム側流路を封止するバルブシートと、該バルブシート周囲に設けられたバルブシート側流路と、前記ダイヤフラム管部を前記バルブシートに付勢する付勢手段とを備え、前記ダイヤフラム本体の変形により、前記ダイヤフラム側流路とバルブシート側流路とが連通、分断され、前記バルブシート側流路の流体圧力が、前記ダイヤフラム本体全体に作用している。
具体的には図1に示されているように、バルブシート側流路30を介して、入口側の流体圧力を面積の広いダイヤフラム本体25bに作用させる。これにより、同じ圧力でもより大きな力を与えることができる。
なお、この符号Aで示す部分は付勢手段26によっては付勢されていないため、入口側の流体圧力の上昇により、内部(ダイヤフラム25とケーシング21とのわずかな隙間)に流体が流入し、ダイヤフラム本体25bに圧力を作用することができる。
【0007】
さらに、本発明においては、より効果的に入口側の流体圧力を作用させるために、ダイヤフラム本体の外周端をケーシングに固定する。この状態で、ダイヤフラム25は、図1および図4で示すように変形、移動する。ダイヤフラム本体25bの外周端25fが固定されているため、外周端部分を支点として、より小さい力でも出口側流体圧力に対抗してダイヤフラム本体25bを変形させることができる。
また、ダイヤフラム側流路をダイヤフラムの中央部に設け、前記付勢手段は、前記ダイヤフラム側流路の開口部の周囲をバルブシートに付勢して封止するようにしてもよい。具体的には、図1のように、ダイヤフラム中央部にダイヤフラム側流路25dを構成する管部25aを設け、付勢手段26は管部25a先端をバルブシート33に設けられたOリング32に付勢する。
【0008】
このように構成されていることにより、本発明においては、図1において示すように、出口側の流体圧力が大きい場合にはダイヤフラム25がバルブシート33のOリング32と密着してダイヤフラム側流路25dが封止され、バルブシート側流路30とダイヤフラム側流路25dとが分断される。
入口側の流体圧力がある程度大きくなると、付勢手段26に対抗してダイヤフラム25を図面左方向に移動させるので、図4に示すようにダイヤフラム25とバルブシート33のOリング32との密着が解除され、ダイヤフラム側流路25dの封止が解除されてバルブシート側流路30とダイヤフラム側流路25dとが連通する。
【0009】
また、図6に示すようにダイヤフラム本体が平板である場合、ダイヤフラム本体25bが破線のように移動した場合にダイヤフラム本体25bにテンションがかかりすぎ、破損を招くおそれがある。これを防止するためには、ダイヤフラム本体に膨出部を環状に設ける。例えば、図1に示すようにダイヤフラム本体25bに出口側に膨出する環状の嶺部(膨出部)25eを設ける。このようにすれば、図1から図4に示す状態に変形する際に、逆側に膨出するように嶺部25eが反転するので、ダイヤフラム本体25bにテンションを与えることがなく、破損が防止される。
なお、閉状態においてはダイヤフラム本体の形状を保持しておく必要がある。つまり、図7に示すようにダイヤフラム本体25bに膨出部が設けられているにもかかわらずそれに対応するケーシング21が平坦であると、出口側の流体圧力によってダイヤフラム本体25bが破線で示すように予期しない変形を起こし、破損を招くおそれがある。これを防ぐために、図1に示すように、ダイヤフラム本体25bの形状に対応するように、入口側
ハウジング21を形成すればよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、逆止弁は、入口側ハウジング21と出口側ハウジング22とからなるケーシングを備えている。
出口側ハウジング22は管状になっており、その中空部にダイヤフラム25、スプリング(付勢部材)26を収容している。
入口側ハウジング21と出口側ハウジング22のそれぞれ端部には、配管接続用のネジ溝21a、22aが設けられている。
【0011】
ダイヤフラム25は、図1、図3に示すように、管部25aと、管部25a一端から延出したダイヤフラム本体25bとを備えている。管部25aは流路25d(ダイヤフラム側流路)を形成すると共に、その他端には、径が拡大されたガイド部25cを備え、ダイヤフラム本体25bには出口側へ膨出する嶺部(膨出部)25eが環状に形成されている。また、ダイヤフラム本体25bの形状に合わせ、入口側ハウジング21の対応する部分が出口側へ膨出するように形成されている。
【0012】
入口側ハウジング21と出口側ハウジング22とは、ダイヤフラム本体25bの外周端25fを間に挟んでナット23によって相互に固定されている。また、入口側ハウジング21と出口側ハウジング22およびダイヤフラム本体25bの外周端25fは、Oリング31により密閉されている。
また、ダイヤフラム本体25bの外周端25fを固定された状態で、ダイヤフラム本体25bが弾性的に変形して、ダイヤフラム25が軸方向に摺動するようになっている。
【0013】
スプリング26は、一端が出口側ハウジング22に設けられたスプリング受け24に当接し、他端が前記管部25aのガイド部25cにガイドされて管部25aを入口側ハウジング21に設けられたバルブシート33に付勢している。より具体的には、バルブシート33に嵌合しているOリング32に付勢している。
バルブシート33周囲には、ダイヤフラム本体25bに臨んで周方向に3つの孔(バルブシート側流路)30が設けられている。この孔30は、閉状態においてはダイヤフラム本体25bにより閉塞されている。開状態においてはダイヤフラム25が摺動することにより管部25aとOリング32との密閉が解除され、孔30が開放されるようになっている。
【0014】
この逆止弁においては、出口側の流体圧力が入口側の流体圧力より大きい場合、または、入口側の流体圧力が出口側の流体圧力よりも大きいが、その差がわずかである場合、逆止弁は閉状態となる。すなわち、スプリング26がダイヤフラム25の管部25aをバルブシート33に付勢しているので、孔30が閉塞され、出口側から入口側への流体の逆流を阻止する。
【0015】
入口側の流体圧力が出口側の流体圧力よりもある程度大きい場合、ダイヤフラム25の管部25aがOリング32から離間して孔30が開放され、逆止弁は開状態となり、入口側から出口側へ流体を流出させる。この場合をより詳細に説明する。
閉状態においては、上記のように孔30が閉塞されている。この時、ダイヤフラム本体25bは図面左方向に入口側の流体による圧力を受けている。また、ダイヤフラム25は図面右方向に出口側流体による圧力とスプリング26による付勢力を受けている。
このとき、管部25aはOリング32に付勢されてて孔30は閉塞されているが、入口側の流体圧力はダイヤフラム本体25b全体に作用している。つまり、ダイヤフラム25は弾性的に変形可能であり、かつ、ダイヤフラム本体25bはスプリング26によって付勢されていないため、入口側流体は図1の領域Aで示すダイヤフラム本体25bと入口側ケーシング21との間の隙間に流入することができ、ダイヤフラム本体25bに圧力を作用することができる。
【0016】
入口側の流体圧力を徐々に高める場合を考えると、その圧力が出口側流体圧力より大きくなり、さらに、スプリング26による付勢力より大きくなった場合に、図4に示すようにダイヤフラム25が摺動して孔30を開放し、入口側流体が孔30、管部25aを経て出口側へ流出する。
このとき、本実施形態のダイヤフラム25と、図5の従来の逆止弁とを比較すると、従来の逆止弁においては入口側の流体圧力を流体孔7を介して弁体3の側面で受けるようになっている。そして、弁体3全体が図面左方向に摺動する。
本実施形態のダイヤフラム25は、ダイヤフラム本体25bにて圧力を受けるため、圧力を受ける面積が大きく、従来の逆止弁と比べてわずかな圧力でもスプリング26の付勢力に対向することができる。
更に、ダイヤフラム本体25bはその外周端25fを固定されている。したがって、外周端25fを支点とするてこの原理にて、小さい圧力でも出口側流体の圧力に対抗して容易にダイヤフラム25を摺動させることが可能である。
また嶺部25eが反転して逆側に膨出することにより、ダイヤフラム本体25bに過度のテンションを与えることなく、ダイヤフラム25の摺動に際して図1の状態から図4の状態に容易に変形することが可能である。
【0017】
このように、本実施形態に係る逆止弁においては、入口側の流体圧力が小さくても流体を通過させることができるので、スプリングの弾性力を小さくする必要がない。これにより、出口側の流体の逆流も防止することができる。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、外周端をケーシングに固定されたダイヤフラムで入口側流体の圧力を受ける。
したがって、小さい圧力でも付勢手段の付勢力に対抗し、弁を開状態とすることができる。付勢手段の付勢力を小さくする必要がないことから、出口側の流体の逆流も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態として示した逆止弁の正断面図であり、閉状態を示す図である。
【図2】 同逆止弁の入口側側面図である。
【図3】 同逆止弁に用いられるダイヤフラムの斜視図である。
【図4】 同逆止弁の正断面図であり、開状態を示す図である。
【図5】 従来の逆止弁の正断面図である。
【図6】 本発明に係る逆止弁の原理説明図である。
【図7】 本発明に係る逆止弁の原理説明図である。
【符号の説明】
21 入口側ハウジング(ケーシング)
22 出口側ハウジング(ケーシング)
25 ダイヤフラム
25b ダイヤフラム本体
25d ダイヤフラム側流路
25f 外周端
26 スプリング(付勢手段)
30 孔(バルブシート側流路)
32 Oリング
33 バルブシート

Claims (2)

  1. ケーシングと、
    ダイヤフラム管部と該管部一端から延出したダイヤフラム本体とを備え、前記ケーシングに該ダイヤフラム本体の外周端を固定されたダイヤフラムと、該ダイヤフラム管部に設けられたダイヤフラム側流路と、
    前記ダイヤフラム側流路を封止するバルブシートと、該バルブシート周囲に設けられたバルブシート側流路と、前記ダイヤフラム管部を前記バルブシートに付勢する付勢手段とを備え、
    前記ダイヤフラム本体の変形により、前記ダイヤフラム側流路とバルブシート側流路とが連通、分断され、
    流体の入口側の圧力は、前記ダイヤフラム本体全体に作用し、
    前記ダイヤフラム本体には環状に膨出する膨出部が形成され、
    前記ケーシングは、流体の入口側の入口側ハウジングと流体の出口側の出口側ハウジングとからなり、
    前記入口側ハウジングは、前記ダイヤフラム本体の形状に合わせ、対応する部分が出口側へ膨張するように形成され、
    前記ダイヤフラム側流路と前記バルブシート側流路とが連通するように、前記ダイヤフラムが摺動した際に、前記膨張部が反転して逆側に膨出することを特徴とする逆止弁。
  2. 請求項1記載の逆止弁において、
    前記ダイヤフラム側流路は、前記ダイヤフラム管部の中央部に設けられ、
    前記付勢手段は、前記ダイヤフラム側流路の開口部周囲を前記バルブシートに付勢して封止することを特徴とする逆止弁。
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