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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無数の連続気孔を有する多孔質体よりなる印字体を備えた連続捺印可能な印判であって、更に詳しくは、捺印動作と連動して回動する蓋体を一体的に備えた印判に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、多孔質体からなる印字体にインキを含浸させた連続捺印可能な印判は広く知られている。この種の印判は通常、未使用時においては印面を閉塞状態とするための印面キャップを装着して、印面にゴミや傷がついたり、印面から滲み出るインキにより他物が汚れるのを防止している。そして、使用時には印面キャップを取り外して捺印し、捺印を終えたら再度印面キャップを装着していたが、この印面キャップの着脱作業は使用者にとっては非常に煩わしいものであり、印面キャップを紛失してしまう恐れもあった。
【0003】
そこで、このような問題を解決した印判として、例えば実公昭53−44488号に開示されたものがある。この印判は、脚枠体の外周を上方より覆う外枠体を下方に押圧することにより、前記外枠体と連結されて前記脚枠体内に配設された印判主体が下降し、それに連動して前記脚枠体に枢着された蓋体が回動して、前記印判主体の下端に設けられた印字体の印面が開放状態となるもので、これにより捺印することができる。一方、捺印終了後は前記外枠体への押圧を解くことにより、前記外枠体と前記脚枠体の間に配設された弾発部材の弾発力により前記外枠体と前記印判主体が上昇し、それに連動して前記蓋体が開蓋時と逆方向に回動して印面を閉塞するものである。このように、一連の捺印動作と連動して回動する蓋体を一体的に備えた印判は、蓋体が分離不可能となっているので別体の印面キャップを着脱する印判のように印面キャップを紛失する恐れはなく、使用時における印面キャップの着脱作業も不要である。又、蓋体が外れる心配もないので、携帯にも便利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記したような従来の蓋体を一体的に備えた印判は、捺印のたびに蓋体が回動して開閉するために素早い連続捺印がしにくく、伝票などに連続的に捺印する際には非常に不便であった。
【0005】
又、前記したような従来の蓋体を一体的に備えた印判は印判主体を容易に着脱できる構成ではなく、印判全体を分解しなければ印判主体を取外すことはできなかった。このため、例えば、印字体の老朽化や印面に傷がついたことより鮮明捺印ができなくなるというような、印判主体だけを新品に交換すれば解消できるような不具合が起きたとしても、使用者は印判主体を取外して交換することは困難なので同種の印判を再度購入するしかなく、このことは使用者にとって不都合な点となっていた。
【0006】
更に、従来の蓋体を一体的に備えた印判に組み付けられている印判主体は、通常、蓋体を一体的に備えた印判専用に設計されたものであったため、他の種類の印判に組み付けられる印判主体を蓋体を一体的に備えた印判に流用したり、蓋体を一体的に備えた印判に組み付けられる印判主体を他の種類の印判に流用することができず、部品の共通化が図れなかった。
【0007】
そこで、本発明は前記した不具合を解消して、素早い連続捺印がしやすく、又、使用者が印判主体の着脱を容易に行えるようにして、印判主体を他の種類の印判に組み付けられるものと共通化できるようにした蓋体を一体的に備えた印判を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、上下端面が開口し側面に窓部2を有する脚枠体1と、前記脚枠体1内に昇降自在に設けられる内装体4と、前記脚枠体1の外周を上方より覆い前記内装体4と連動して昇降する外枠体23と、前記内装体4の下端に着脱自在に取付けられ下端に印字体13を備えてなる印判主体12と、前記脚枠体1の窓部2側に枢着され前記内装体4の昇降に連動して回動する蓋体17と、前記内装体4を常時上方に付勢して前記印字体13の印面を前記脚枠体1の下端開口より上方に位置させて前記蓋体17を閉蓋状態とする弾発部材32とを備えた印判において、前記内装体4の上部を中空状の筒部7として、前記外枠体23の上部に前記筒部7内に収まるカム部39Aを有する偏心カム39を回転自在に設け、前記筒部7の一側に前記カム部39Aが常時当接する弾性フック片33を設け、前記内装体4を下降させて前記蓋体17が開蓋状態にある時に前記偏心カム39を回転させると、前記弾性フック片33が外方に撓んで前記脚枠体1の上端内面1Aと係合し、前記内装体4を上昇不可能にロックすることを特徴とする印判である。
【0009】
又、前記偏心カム39に上下方向に貫通する貫通孔41を設け、該貫通孔41に下端が前記印判主体12の上面に当接する押し棒45を昇降自在に設け、この押し棒45を下降させると印判主体12が下方に押し出されるようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい一実施の形態を図1〜図7にて詳細に説明する。1は上下端面が開口した円筒状をしたプラスチック製の脚枠体で、側面には後述する蓋体17の側板部18と形状が合致する窓部2を設けてあり、該窓部2の開口縁対向位置には一対の軸受部3、3を設けてある。
【0011】
4はプラスチック製の内装体で、下端に印字体13を備えた印判主体12が着脱自在に取付けられる円形の印判取付部5と、印判取付部5の上端に対向して設けられる一対の側壁部6、6と、側壁部6、6の上端に設けられ上下端面が開口した円形中空状の筒部7とからなる。そして、印判取付部5の上端面中央には円形の貫通孔8を設けてあり、側壁部6、6の対向位置には該側壁部6の中間よりやや上方を上端9Aとして、該上端9Aから側壁部6の下方角部近傍の下端9Bまで下方に緩やかに湾曲して延びる略ノ字状の一対の案内孔9、9を設けてある。又、筒部7の一側面には該筒部7を断面C字状とする切欠部10を設けてあり、筒部7の側面上方対向位置には一対の係止孔11、11を設けてある。
【0012】
尚、本実施の形態では、切欠部10は側壁部6、6の2点間の中間に位置する部分に設けてあり、係止孔11、11は側壁部6、6と同側に設けてあるが、切欠部10を設ける位置は特に限定されるものではない。又、係止孔11、11も一対とすることに限定されるものではなく、例えば、筒部7の側面に切欠部10を避けて周方向に90°間隔で3ヶ所に設けても良い。
【0013】
この内装体4は、筒部7を上向きにして側壁部6、6間に形成された空間と脚枠体1の窓部2が連通状態となり、かつ、案内孔9、9の下端9B、9Bが窓部2側に向くようにして脚枠体1内に昇降自在に設けてあり、筒部7は脚枠体1の上端開口より突出して、脚枠体1の上端開口内で昇降自在となっている。そして、図2に示すように脚枠体1の上端内面1Aと側壁部6、6の上端が当接した時、内装体4は脚枠体1内の最上部に位置することとなり、この時、印判取付部5に装着された印判主体12の印字体13の印面は脚枠体1の下端開口より上方に位置するものとしている。
【0014】
印判主体12は、連続気孔を有する多孔質ゴムよりなる印字体13と該印字体13の上面に接触する図示しないインキ吸蔵体を主筒部14の下方で受金15により保持してなり、下端には印字体13の印面が露呈している。又、主筒部14の上方には前記インキ吸蔵体にインキを供給するための図示しないインキカートリッジを着脱自在に取付けてあり、主筒部14の上端にはそのインキカートリッジの着脱を行うための摘み部16が露呈している。この印判主体12は印面を下向きにして摘み部16の上面が印判取付部5の上端内面に当接するように印判取付部5内に圧入嵌合により着脱自在に取付けられている。このような構成の印判主体12は、例えば、公知の連続捺印可能な印判や筆記具後端に印判を備えた印判付筆記具等に組み付けられる印判主体(例えば、特開平9−39353号や特開平10−175359号に開示された印判部3)をそのまま流用することができる。
【0015】
17はプラスチック製の蓋体で、脚枠体1の窓部2に合致する形状の側板部18と、該側板部18の下部内側面に設けられた円形の閉塞部19と、側板部18の上部で二股状に分かれて内側に屈曲した一対の連結部20、20とからなる。そして、側板部18の側縁には脚枠体1の一対の軸受部3、3に対応する一対の軸21、21を設けてあり、連結部20、20の側縁には前記軸21、21と同方向に突出する一対の案内突起22、22を設けてある。
【0016】
この蓋体17は、脚枠体1内に内装体4が配設された状態で窓部2側から連結部20、20を側壁部6、6間の空間に挿入し、案内突起22、22を案内孔9、9に内側より嵌入して、更に軸21、21を軸受部3、3に位置させた状態で、内装体4と連結される。尚、案内突起22、22を案内孔9、9に嵌入する時、連結部20、20は二股状となっているため内側に撓むことができるので、この作業はスムーズに行うことができる。
【0017】
そして、図2に示すように内装体4が脚枠体1内の最上部に位置する時、案内突起22、22は案内孔9、9の下端9B、9Bに位置するものとしており、この時、蓋体17は閉蓋状態となって、側板部18は窓部2を閉塞し、閉塞部19は印字体13の印面を閉塞するものである。
【0018】
23は下端面が開口した円筒状をしたプラスチック製の外枠体で、脚枠体1よりも大径のものである。そして、外枠体23の上端中央には凹部24を設けてあり、外枠体23の上端内部であって凹部24の外周には環状溝25が形成されている。又、図6に示すように凹部24の底面26の中央には開口部27を設けてあり、底面26の外周縁には内装体4の筒部7に設けた一対の係止孔11、11に対応する一対の係止爪28、28を垂下して設けてある。更に、外枠体23の側面には蓋体17の側板部18が出没可能な大きさの切欠部29を設けてあり、該切欠部29の上方開口縁対向位置には一対のレール30、30を、切欠部29の上端開口縁には突起31をそれぞれ設けてある。
【0019】
この外枠体23は、脚枠体1の上端外面と外枠体23の環状溝25の間に弾発部材32を介在させた状態で内装体4と連結されるもので、脚枠体1の上方外周で内装体4と連動して昇降するものである。尚、本実施の形態では、弾発部材32としてコイルスプリングを使用している。そして、外枠体23の組み付けは、まず、外枠体23の環状溝25に弾発部材32の一端を支持させ、一方で、脚枠体1内の内装体4を最上部に位置させて脚枠体1の上端開口より筒部7を完全に突出させる。その状態で、外枠体23の下端開口より筒部7を挿入し、外枠体23の一対の係止爪28、28を筒部7の一対の係止孔11、11に係止させる。この時、側板部18が切欠部29と同位置になるように位置合わせをする。これにより、外枠体23は脚枠体1の上方外周を覆った状態で内装体4と連結され、筒部7の突出量に対応して脚枠体1の外周で昇降自在となる。尚、外枠体23を内装体4に連結させる際、筒部7の上端面と外枠体23の底面26の当接部分に接着剤を着けることにより、外枠体23と内装体4の連結状態をより強固なものとすることができる。
【0020】
そして、外枠体23を内装体4に連結させた時、一端が環状溝25にて支持された弾発部材32の他端が脚枠体1の上端外面にて支持され、外枠体23は弾発部材32の弾発力により常時上方に付勢されるので、外枠体23と連結状態にある内装体4も常時上方に付勢され、内装体4は常時脚枠体1内の最上部に位置することとなる。従って、蓋体17は常時は閉蓋状態となり、印字体13の印面は常時は脚枠体1の下端開口より上方に位置して閉塞部19により閉塞される。
【0021】
又、外枠体23を内装体4に連結させた時、脚枠体1の軸受部3、3に位置している蓋体17の軸21、21は、外枠体23の切欠部29近傍の内側面と軸受部3、3により回動自在に挟持された状態となって軸受部3、3より離脱できなくなるので、これにより蓋体17は分離不可能となって脚枠体1に確実に枢着された状態となる。つまり、外枠体23を内装体4に連結させる前では、蓋体17の軸21、21は脚枠体1の軸受部3、3に単に載置しただけで軸受部3、3より離脱してしまう状態にあるので、蓋体17の枢着は完了していないものであり、外枠体23を内装体4に連結させた時に、蓋体17の枢着が完了する。
【0022】
33は弾力性を有するプラスチック製の弾性フック片で、内側面上端には内方に突出する突出部34を設けてあり、該突出部34より下方の外側面には外方に突出した係合部35を設けてある。又、弾性フック片33の下端には該弾性フック片33と周縁で直角をなして連続する円形の固定板36を設けてあり、この固定板36の周縁であって弾性フック片33の対向位置には支え片37を設けてある。更に、固定板36の中心には円形の貫通孔38を設けてある。
【0023】
この弾性フック片33は内装体4と外枠体23を連結する前に内装体4の筒部7の切欠部10側に設けられるもので、固定板36を筒部7の下端内周面に圧入嵌合することにより設けられる。そして、弾性フック片33が切欠部10と平行な直立状態にある時、係合部35は切欠部10内に位置するものとなり、前記凹部24の底面26と脚枠体1の上端外面が当接した時、係合部35の上端は脚枠体1の上端内面1Aより僅かに下方に位置するものとなる。又、支え片37は筒部7内で固定板36が傾くのを防いで、固定板36をスムーズに圧入嵌合できるようにしたり、弾性フック片33を確実に撓ませるようにするものであり、この支え片37の外側面と筒部7の内側面を接着剤により接着することにより、弾性フック片33を確実に分離しないように筒部7に設けることができる。尚、この支え片37は必ずしも設ける必要はない。
【0024】
39はプラスチック製の偏心カムで、図7に示すように円形のカム部39Aと、カム部39Aの上面の中心から外れた位置に設けられた円柱状の連結軸40からなるものである。又、連結軸40の中心位置には上下方向に貫通する貫通孔41を設けてある。尚、カム部39Aの外径は前記筒部7の内径より小さく、カム部39Aは筒部7内に収まる大きさのものである。
【0025】
この偏心カム39は内装体4と外枠体23を連結する前に外枠体23に回転自在に組み付けられるもので、外枠体23の下端開口より連結軸40を上向きにして挿入して該連結軸40を外枠体23の開口部27を介して凹部24内に突出させ、その突出させた連結軸40を、凹部24内に収まる上端が開口した断面凹状の回転体42の底面中心に上下貫通して設けられた連結孔43に圧入嵌合することにより、回転体42と連結した状態で組み付けられる。従って、この偏心カム39は回転体42と連動して連結軸40を軸にして回転するものである。尚、本実施の形態では図1及び図7に示すように偏心カム39の連結軸40の外側面に縦リブ43を設ける一方、回転体42の連結孔43の内側面に縦リブ43と係合する縦溝44を設け、回転体42の回転を偏心カム39に確実に伝えるようにしてある。そして、偏心カム39を組み付けた外枠体23を、筒部7に弾性フック片33を設けた状態の内装体4に連結させた時、カム部39Aは筒部7内に収まって該筒部7内で回転自在となり、カム部39Aの外周面は弾性フック片33の突出部34に常時当接するものとなる。又、カム部39Aの外周面と突出部34との当接位置において、連結軸40からカム部39Aの外周面までの寸法が最小となっている時、弾性フック片33は直立状態となって係合部35は切欠部10内に位置するものとなる。
【0026】
45はプラスチック製の押し棒で、偏心カム39の貫通孔41に昇降自在に設けられるもので、上端には円形の押圧部46を設けてある。この押し棒45は、その下端を回転体42の上端開口より貫通孔41に挿入して、固定板36の貫通孔38と、内装体4の側壁部6、6の間と、印判取付部5の貫通孔8を貫通しているもので、更に押し棒45の外周面に設けた環状爪47は貫通孔41を貫通して偏心カム39の下方に位置するものとしてある。これにより、環状爪47は偏心カム39の下面と係合するので、押し棒45は上方に抜け止め状に組み付けらたものとなっている。
【0027】
そして、押し棒45の環状爪47とカム部39Aの下面が係合する時、押し棒45は最上部に位置することとなり、押し棒45が最上部に位置する時、押し棒45の下端は貫通孔8内に位置して印判取付部5に装着された印判主体12の摘み部16の上面に当接するものとしてある。又、押し棒45が最上部に位置する時、押圧部46は回転体42の上端開口部に位置して回転体42の底面との間に空間が形成されるものとしており、押し棒45はその空間分、即ち、押圧部46が回転体42の底面に当接するまで下降可能となっている。
【0028】
48は外枠体23の上端に着脱自在かつ回転自在に嵌着されるプラスチック製の外装キャップであり、該外装キャップ48を取外すことにより、回転体42とこの回転体42の上端開口部に位置する押圧部46が露呈するものとしてある。又、外装キャップ48の内周面対向位置には一対のリブ49、49を、回転体42の外周面上端の対向位置には一対の溝50、50をそれぞれ設けてあり、外装キャップ48を外枠体23に嵌着する際にリブ49、49と溝50、50を係合させてある。よって、この外装キャップ48を回転操作するとそれに連動して回転体42が回転し、回転体42に連結された偏心カム39が回転することとなる。
【0029】
51はプラスチック製のロック部材である。このロック部材51は、内面に外枠体23のレール30、30に対応する一対のレール溝52、52を設けてあり、該レール溝52、52に外枠体23のレール30、30を摺動自在に係止させることにより、外枠体23に摺動自在に取付けらている。そして、ロック部材51の下端内面には、該ロック部材51が最下部に位置する時に蓋体17の側板部18と当接する当接部53を設けてある。
【0030】
そして、このロック部材51が図2に示すように最下部に位置する時、当接部53が蓋体17の側板部18に当接して、内装体4は下降不可能にロックされる。これは、外枠体23を下方に押圧すると外枠体23と連結された内装体4が脚枠体1内を下降して、これに連動して蓋体17の案内突起22、22が案内孔9、9に沿って上端9A、9Aの方向に移動して脚枠体1に枢着された蓋体17が側板部18方向に回動しようとするが、当接部53が側板部18に当接していると蓋体17は側板部18方向への回動が阻止されるため、内装体4の下降も阻止されるからである。このように内装体4を下降不可能にロックしておけば、蓋体17を確実に閉蓋状態に保持して印字体13の印面を確実に閉塞状態に保持することができるので、保管時や携帯時等の未使用時において衣服や他物へのインキ汚れを防止することができる。一方、図3に示すようにロック部材51を上方に摺動させて当接部53と側板部18の当接を解くことによりロックを解除して、内装体4を下降可能とすることができる。
【0031】
尚、ロック部材51の内面には、内装体4を下降不可能にロックしている時に突起31と係合する係合溝54と、そのロックを解除して内装体4を下降可能としている時に突起31と係合する係合溝55をそれぞれ設けてあるので、ロック部材51はそれぞれの状態において確実に位置決めされる。よって、使用者の意に反してロック部材51の位置が変わることはない。
【0032】
次に、前記した本実施の形態における印判にて捺印する場合は、ロック部材51を上方に摺動させて当接部55と側板部18の当接を解いた後、外枠体23を弾発部材32の弾発力に抗して印面方向に押圧して下降させて、内装体4を脚枠体1内で下降させることにより捺印することができる。即ち、外枠体23を弾発部材32の弾発力に抗して印面方向に押圧して下降させると内装体4が脚枠体1内で下降し、それに連動して蓋体17の案内突起22、22は案内孔9、9に沿って上端9A、9Aの方向に移動を開始し、蓋体17は側板部18の方向に回動を始める。そして、外枠体23を更に下降させて図3に示すように凹部24の底面26と脚枠体1の上端外面が当接すると、外枠体23と内装体4はこれ以上下降できなくなり、最下部まで下降したこととなる。この時、案内突起22、22は案内孔9、9の上端9A、9Aに位置して蓋体17は開蓋状態となり、印字体13の印面は開放されて脚枠体1の下端開口にて露呈するので、これにより捺印することができる。
【0033】
一方、捺印終了後は、外枠体23への押圧を解くことにより外枠体23が弾発部材32の弾発力により上昇し、これにより内装体4も脚枠体1内を上昇するので、それに連動して蓋体17の案内突起22、22は案内孔9、9に沿って下端9B、9Bの方向に移動し、蓋体17は開蓋時とは逆方向に回動する。そして、図2に示すように側壁部6、6の上端が脚枠体1の上端内面1Aに当接した時、内装体4は脚枠体1内の最上部に位置して上昇不可能となり、案内突起22、22は案内孔9、9の下端9B、9Bに位置して蓋体17は閉蓋状態となって、閉塞部19が印字体13の印面を閉塞する。
【0034】
又、図3に示すように蓋体17を開蓋状態としている時に外装キャップ48を一方向に回転操作すると蓋体17を開蓋状態に保持することができる。即ち、蓋体17を開蓋状態としている時に外装キャップ48を一方向に回転操作すると、回転体42が回転すると共にそれと連動して偏心カム39が回転し、カム部39Aは弾性フック片33の突出部34に当接した状態で筒部7内を回転する。この時、偏心カム39はカム部39Aの上面に偏心させて設けた連結軸40を軸として回転するので、この回転により、カム部39Aの外周面と弾性フック片33の突出部34との当接箇所における連結軸40からカム部39Aの外周面までの寸法は変化することとなり、その寸法が長くなるにつれて、カム部39Aの外周面と常時当接している突出部34は外方に押圧され、その押圧により直立状態にあった弾性フック片33は外方に撓む。そして、連結軸40からカム部39Aの外周面までの寸法が最長となった時、図4に示すように筒部7の切欠部10内に位置していた係合部35は切欠部10より外方に完全に突出して脚枠体1の上端内面1Aの下方に位置し、この状態で蓋体17を開蓋状態としている押圧力を解くと、外枠体23と内装体4は弾発部材32の弾発力により上昇しようとするが、図4に示すように係合部35は脚枠体1の上端内面1Aと係合するため、内装体4は上昇不可能にロックされる。これにより、蓋体17を開蓋状態に保持することができ、印字体13の印面を脚枠体1の下端開口にて常時露呈した状態にすることができるので、素早い連続捺印も行いやすいものとなる。
【0035】
一方、蓋体17を閉蓋状態とするには、内装体4を上昇不可能にロックする時とは逆方向に外装キャップ48を回転操作して偏心カム39を回転させて、内装体4のロックを解除すれば良く、弾性フック片33の突出部34が位置する箇所における連結軸40からカム部39Aの外周面までの寸法が最短となった時、外方に撓んでいた弾性フック片33は図3に示すように元の位置まで復元して係合部35は切欠部10内に位置し、係合部35と脚枠体1の上端内面1Aとの係合が解かれて、内装体4のロックは解除される。これにより、内装体4は上昇可能となり、蓋体17を閉蓋状態とすることができる。
【0036】
尚、本実施の形態では、図7に示すようにカム部39Aの上面中央に径方向に延びる段部56を設ける一方、偏心カム39を外枠体23に組み付けた際にカム部39Aの上面と対向する凹部24の底面26に前記段部56と係合する規制リブ57を垂下して設けてある。よって、偏心カム39の回転は、内装体4が上昇不可能にロックされる位置とそのロックが解除される位置でそれぞれ規制されるので、使用者は内装体4が上昇不可能にロックされる位置と、そのロックが解除される位置の把握がしやすいものとなっている。
【0037】
次に、印判主体12の着脱方法について説明する。印判主体12の着脱は図4に示すように蓋体17を開蓋状態として内装体4を上昇不可能にロックした状態で行うものであり、内装体4を上昇不可能にロックした後、外装キャップ48を取外して回転体42の上端開口部にて露呈している押し棒45の押圧部46を下方に押圧して、押圧部46が回転体42の底面に当接するまで押し棒45を下降させる。すると、押し棒45の下端が摘み部16を下方に押圧して印判主体12を下方に押し出して、図5に示すように印判主体12の受金15が脚枠体1の下端開口より突出した状態となる。この突出した受金15の外周面を摘んで印判主体12を引き出すことにより、印判主体12を印判取付部5から取外すことができる。
【0038】
一方、印判主体12を取付ける場合は、蓋体17を開蓋状態として内装体4を上昇不可能にロックした状態で印判主体12を印判取付部5内に圧入嵌合すれば良く、摘み部16の上面が印判取付部5の上端内面に当接することにより、印判主体12の取付けが完了する。尚、印判主体12を印判取付部5内に圧入嵌合する際、押し棒45は印判主体12により押し上げられて上昇し、印判主体12の取付けが完了した時、押し棒45の環状爪47が偏心カム39の下面に当接して、押し棒45は最上部に位置する。
【0039】
以上が本発明の好ましい一実施の形態である。尚、前記した一実施の形態では、筒部7に設けた弾性フック片33は筒部7とは別体の弾力性を有するプラスチック成形品としていたが、この弾性フック片は筒部7に一体成形により設けることもできる。例えば、図8に示すように、プラスチック製の内装体4の筒部7の側面に2本のスリット7’、7’を設け、そのスリット7’、7’の間を弾力性を持つ弾性フック片33’とし、図9に示すようにその弾性フック片33’の上端を係合部35’とし、その弾性フック片33’の内側面上部に内方に突出して偏心カム39の外周面と常時当接する突出部34’を設けても良い。このような構成の場合、蓋体17を開蓋状態としている時に、偏心カム39の回転によりカム部39Aの外周面に当接している突出部34’が外方に押圧されて弾性フック片33’が外方に撓むと、該弾性フック片33’の係合部35’が筒部7の外側面より外方に突出して、この状態で外枠体23と内装体4が弾発部材32の弾発力により上昇しようとすると係合部35’が脚枠体1の上端内面1Aと係合するので、内装体4は上昇不可能にロックされる。
【0040】
又、前記した一実施の形態では、外枠体23の上端に外装キャップ48を着脱自在かつ回転自在に設け、この外装キャップ48を回転操作することにより回転体42を回転させて偏心カム39を回転させるものとしていたが、外装キャップ48は外枠体23に対して着脱自在とするだけで回転自在とせず、偏心カム39を回転させる際には外装キャップ48を取外して回転体42を回転操作するものとしても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の印判では、蓋体を開蓋状態として偏心カムを回転させることにより内装体を上昇不可能にロックすることができるので、蓋体を確実に開蓋状態に保持することができる。よって、捺印時に蓋体を開蓋状態に保持しておけば、印字体の印面を脚枠体の下端開口にて常時露呈した状態としておくことができるので、素早い連続捺印も非常に行いやすいものとなる。
【0042】
又、蓋体を開蓋状態に保持した状態で押し棒を下方に押圧して下降させることにより、内装体の下端に着脱自在に取付けられた印判主体を下方に押し出して脚枠体の下端開口より突出させることができるので、印判主体の取外し作業は蓋体を開蓋状態としたままで簡単に行うことができ、印判主体を取付ける際も、内装体を上昇不可能にロックして蓋体を開蓋状態に保持しておくことができるので、印判主体の取付け作業も簡単に行うことができる。
【0043】
更に、本発明の印判では印判主体を従来のように専用設計としなくても、他の種類の印判に組み付けられる印判主体をそのまま流用することが可能なので、これにより部品の共通化が図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の分解斜視図。、内装体を下降不可能にロックした時の断面図。
【図2】本発明の一実施の形態において蓋体を閉蓋状態とした時の断面図。
【図3】本発明の一実施の形態において蓋体を開蓋状態とした時の断面図。
【図4】本発明の一実施の形態において蓋体を開蓋状態として内装体を上昇不可能にロックした時の断面図。
【図5】図4の状態において押し棒を下降させた時の断面図。
【図6】本発明の一実施の形態における外枠体の底面図。
【図7】本発明の一実施の形態における偏心カムの斜視図。
【図8】弾性フック片の他の実施の形態を示す内装体の側面図。
【図9】弾性フック片の他の実施の形態を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 脚枠体
2 窓部
3 軸受部
4 内装体
5 印判取付部
6 側壁部
7 筒部
8 貫通孔
9 案内孔
10 切欠部
12 印判主体
13 印字体
17 蓋体
18 側板部
19 閉塞部
20 連結部
21 軸
22 案内突起
23 外枠体
30 レール
32 弾発部材
33 弾性フック片
34 突出部
35 フック部
39 偏心カム
39A カム部
40 連結軸
41 貫通孔
42 回転体
45 押し棒
48 外装キャップ
51 ロック部材
53 当接部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is a stamp capable of continuous printing provided with a printing body made of a porous body having an infinite number of continuous pores, and more specifically, integrally provided with a lid that rotates in conjunction with a printing operation. It is related to seals.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a stamp that can be continuously printed by impregnating ink into a printing body made of a porous material has been widely known. This type of stamp is usually fitted with a seal cap to keep the seal surface closed when not in use to prevent dirt or scratches on the seal surface or contamination of other objects by ink oozing from the seal surface. ing. And, when using it, the stamp cap was removed and stamped, and after the stamping was finished, the stamp cap was attached again, but this stamp cap was very troublesome for the user, and the stamp cap was lost. There was also a fear.
[0003]
Therefore, as a seal that solves such a problem, there is one disclosed in Japanese Utility Model Publication No. 53-44488, for example. In this stamp, the outer frame body that covers the outer periphery of the leg frame body from above is pressed downward, so that the stamp main body that is connected to the outer frame body and disposed in the leg frame body is lowered and interlocked therewith. Thus, the lid pivotally attached to the leg frame is rotated, and the printing surface of the printing body provided at the lower end of the main body of the stamp is opened, so that printing can be performed. On the other hand, after the stamping is finished, the outer frame body and the stamp main body are released by the elastic force of the elastic member disposed between the outer frame body and the leg frame body by releasing the pressure on the outer frame body. In conjunction with this, the lid rotates in the direction opposite to that when the lid is opened to close the marking surface. In this way, a stamp that is integrally provided with a lid that rotates in conjunction with a series of stamping operations cannot be separated, so the stamp surface is like a stamp that attaches or removes a separate stamp cap. There is no risk of losing the cap, and it is not necessary to attach or remove the stamp cap during use. Moreover, since there is no fear that the lid body will come off, it is convenient to carry.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above-mentioned stamps integrally provided with the lid body are difficult to perform quick continuous printing because the lid body rotates and opens and closes every time it is stamped. It was very inconvenient.
[0005]
Further, the conventional stamp integrally provided with the lid as described above is not configured so that the main body of the stamp can be easily attached and detached, and the main body of the stamp cannot be removed without disassembling the entire stamp. For this reason, for example, even if a problem that can be solved by replacing only the main stamper with a new one, such as aging of the printed body or the fact that the stamp surface is damaged, it becomes impossible to clear the stamp, the user Since it is difficult to remove and replace the stamp body, it is necessary to purchase the same kind of stamp again, which is inconvenient for the user.
[0006]
In addition, the stamp main body assembled to a stamp with a conventional lid is usually designed exclusively for stamps with an integral lid, so it can be assembled with other types of stamps. Can not be used for stamps with integrated lids, or used for stamps with integrated lids for other types of stamps. Could not be planned.
[0007]
Therefore, the present invention eliminates the above-mentioned problems, facilitates quick continuous stamping, and allows the user to easily attach and detach the stamp main body so that the stamp main body can be assembled to other types of stamps. An object of the present invention is to provide a stamp that is integrally provided with a lid that can be shared.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, the present invention provides a
[0009]
The
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a preferred embodiment of the present invention will be described in detail with reference to FIGS.
[0011]
[0012]
In the present embodiment, the
[0013]
The
[0014]
The stamp
[0015]
[0016]
The
[0017]
As shown in FIG. 2, when the
[0018]
[0019]
The
[0020]
When the
[0021]
Further, when the
[0022]
[0023]
The
[0024]
[0025]
The
[0026]
[0027]
When the
[0028]
A plastic
[0029]
[0030]
When the
[0031]
The inner surface of the
[0032]
Next, in the case of printing with the stamp in the above-described embodiment, after the
[0033]
On the other hand, after the stamping is finished, the
[0034]
Also, as shown in FIG. 3, when the
[0035]
On the other hand, in order to close the
[0036]
In the present embodiment, as shown in FIG. 7, a
[0037]
Next, a method for attaching and detaching the stamp
[0038]
On the other hand, when attaching the stamp
[0039]
The above is one preferable embodiment of the present invention. In the above-described embodiment, the
[0040]
In the above-described embodiment, the
[0041]
【The invention's effect】
As described above, in the stamp of the present invention, the interior body can be locked so as not to be raised by rotating the eccentric cam with the lid body in the open state, so that the lid body can be reliably held in the open state. Can do. Therefore, if the lid is kept open at the time of marking, the marking surface of the printed body can be kept exposed at the lower end opening of the leg frame, so that quick continuous marking is very easy to perform. It becomes.
[0042]
In addition, by pushing down the push bar while keeping the lid open, the stamp main body detachably attached to the lower end of the interior body is pushed downward to open the lower end of the leg frame. Since the seal body can be protruded more easily, the removal work of the main body of the stamp can be easily performed while the cover body is in the open state. Can be held in the open state, so that the stamp main body can be easily attached.
[0043]
Further, in the stamp of the present invention, the stamp main body assembled to other types of stamps can be used as it is without using a dedicated design as in the past, so that parts can be shared. Become.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded perspective view of an embodiment of the present invention. FIG. 6 is a cross-sectional view when the interior body is locked so as not to descend.
FIG. 2 is a cross-sectional view when a lid is in a closed state in an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view when the lid body is in an open state in the embodiment of the invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view when the interior body is locked so as not to be raised with the lid body in an open state in the embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a cross-sectional view when the push rod is lowered in the state of FIG. 4;
FIG. 6 is a bottom view of the outer frame body according to the embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a perspective view of an eccentric cam according to an embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a side view of an interior body showing another embodiment of an elastic hook piece.
FIG. 9 is a cross-sectional view of a main part showing another embodiment of an elastic hook piece.
[Explanation of symbols]
1 Leg frame
2 windows
3 Bearing part
4 interior
5 Stamp attachment
6 Side wall
7 cylinder
8 Through hole
9 Guide hole
10 Notch
12 Sealing subject
13 Printing body
17 Lid
18 Side plate
19 Blocking part
20 connecting part
21 axes
22 Guide protrusion
23 Outer frame
30 rails
32 bullet member
33 Elastic hook piece
34 Projection
35 Hook part
39 Eccentric cam
39A Cam part
40 connecting shaft
41 Through hole
42 Rotating body
45 push rod
48 Exterior cap
51 Locking member
53 Contact part
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