JP4450316B2 - 車両用シート - Google Patents
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即ち、後方移動する可動フレームのエネルギーを回動中心軸を中心にヘッドレストの前方回動に変換させる着想のため、ヘッドレストと可動フレームとを直接フレームにより連結していたのである。
この構成では、必然的に可動フレームおよびフレームは着座者の背が当たる部分の背凭シート内に設けるので、着座フィーリングが低下する。
また、可動フレームは背凭シート内を後方に移動するから、その移動量に限界があり、そのため、ヘッドレストの移動量を大きくできず、ヘッドレストの移動量が着座者の頭部を支持に十分でなく、むち打ち症防止効果を十分に発揮できないという課題がある。
即ち、単にシーソーのように、可動フレームの後方移動量を回動中心を中心としてヘッドレストの前方移動に変換するのであるから、ヘッドレストの移動量には限界が生じる。
また、公知例では、ヘッドレストと可動フレームとを直接連結しているため、後突されて前方移動するヘッドレストが頭部を支持しても、可動フレームが後方移動するので、着座者の上体と頭部との前後位置の差が広がり、着座姿勢が悪化するという課題もある。
本願は、着座者の背中後方に位置する前後移動体によって着座者の後方移動荷重を検出する構成でありながら、ヘッドレストの移動量を十分に確保し、しかも、後突を検知するとき着座姿勢を崩さないように特段の工夫したものである。
本発明は、少なくとも着座者Tの頭部Hを支持する頭部支持部7にピラー8を設けて構成したヘッドレスト6を、着座者Tの後方に位置する背凭シート2内の後突感知体25の後方移動により、前方移動させて着座者Tの頭部Hを支持するように構成したものにおいて、前記ピラー8は左右方向のヘッドレスト取付杆10に取付け、ヘッドレスト取付杆10の左右側は一対の上側リンク杆15の上部に固定し、該上側リンク杆15の上下中間部は前記背凭シート2の背凭フレーム3に回動自在に回動軸16により軸着し、上側リンク杆15は回動軸16より上方部分を上リンクアーム部22に、回動軸16より下方部分を下リンクアーム部23に夫々形成し、上リンクアーム部22は下リンクアーム部23よりも長く形成し、下リンクアーム部23は下方に至るに従い前側に位置するように傾斜させ、下リンクアーム部23の下部に前記後突感知体25の後方移動により下動する伝動部材20の上部を取付け、該伝動部材20の下部は下側リンク26に取付け、該下側リンク26に前記後突感知体25を取付け、前記背凭シート2の背凭フレーム3には略四角形の一枚板状に形成したプレート体31をワイヤスプリング32を介して背凭フレーム3に前後移動自在に取付けて構成した板状支持材30を設け、前記プレート体31の後側に、該プレート体31の通常走行時における前後動を許容し、且つ、後突は感知しうる所定の間隔を設けて前記プレート体31とは独立して前記後突感知体25を配置し、前記プレート体31が前記後突感知体25に当接して該後突感知体25を後方移動させるように構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記板状支持材30のプレート体31は、略四角形の一枚板状で合成樹脂により着座者Tを支持しうる所定の強度を有しつつ弾性変形するように構成し、前記ワイヤスプリング32は、所定の弾性を有して前記プレート体31全体が面形状を保持したまま後方移動しうるように構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記ワイヤスプリング32は、前記上側ワイヤスプリング32Aと下側ワイヤスプリング32Bの上下2本並設し、該上側ワイヤスプリング32Aと下側ワイヤスプリング32Bの夫々は、何れも左右両端部を背凭フレーム3側に固定状態に取付け、その中間部をプレート体31に取付け、前記プレート体31は上側ワイヤスプリング32Aと下側ワイヤスプリング32Bにより上下左右4箇所で背凭フレーム3側に固定状態に取付けた車両用シートとしたものである。
本発明は、前記プレート体31の上縁は、平均的着座者Tの第九胸椎付近Xより上方に位置させ、前記ワイヤスプリング32のうち上側ワイヤスプリング32Aは、第九胸椎付近Xの後方に位置させた車両用シートとしたものである。
本発明は、前記プレート体31の上側部分34の上側側縁35は、略直線状に形成して、上側部分34が略同一の左右幅を有するように形成し、上側部分34の下方のプレート体31の上下中間のプレート中間部分36は、該プレート中間部分36の上下中間部分が最も幅狭の円弧形状になるように、その左右側縁を中間円弧部37に夫々形成し、該プレート中間部分36の後側に前記後突感知体25を配置した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記プレート中間部分36の下方のプレート体31の下側部分40は、左右両側に夫々側方に突き出る腸骨支持部41を形成し、腸骨支持部41より下側は下方に至るに従い幅狭の円弧形状の下側円弧部42に形成し、左右の下側円弧部42の合流部に下側に突き出る仙骨支持部43を形成し、ワイヤスプリング32のうち下側ワイヤスプリング32Bは、前記プレート中間部分36の最幅狭部分と前記腸骨支持部41との間の後側に位置させた車両用シートとしたものである。
請求項3の発明では、一層、着座者Tの状態の支持を確実にして、着座姿勢を安定させる。
請求項4の発明では、後突感知体25とプレート体31との干渉を防止でき、合理的構成にできる。
請求項5の発明では、腰部近傍に設けた後突感知体25により着座者Tの後方移動荷重を検出する構成でありながら、着座者Tの腰部の保持を良好にできる。
背凭シート2の上部にはヘッドレスト6を設ける。ヘッドレスト6の構成は任意であり、少なくとも着座者Tの頭部Hを支持する頭部支持部7と、前記背凭シート2に装着するためピラー8とを設けて構成している。
ヘッドレスト6のピラー8は左右方向のヘッドレスト取付杆10に設けたピラー支持部材1111に高さ調節自在に取付ける。ピラー8とピラー支持部材11の構成は公知であり、図示は省略するが、ピラー8に形成した係合凹部にピラー支持部材11に設けた係合部材を係合させて保持すればよい。
この場合、上側リンク杆15は、回動軸16より上側を上リンクアーム部22に形成し、回動軸16より下側を下リンクアーム部23に形成し、上リンクアーム部22と下リンクアーム部23は逆「く」の字形状に形成し、下リンクアーム部23よりも上リンクアーム部22を長く形成する。また、上側リンク杆15は、下リンクアーム部23が回動軸16を基準に下方に至るに従い前側に位置するように、傾斜させて取付ける。
この場合、後突感知体25が後方移動すると、下側リンク26は伝動部材20を下方に牽引し、伝動部材20は上側リンク杆15の下部を下方回動させ、上側リンク杆15の上部は前方回動してヘッドレスト6を前方移動させる。
なお、前記後突感知体25はクッション材4の後側に位置させるが、図6には背凭シート2の上部部分のクッション材4が図示されているため、後突感知体25とクッション材4とが重さなって図示されているが、これにより構成が限定されることはない。
しかして、前記下側リンク26および前記上側リンク杆15の各部材は板状に形成し、夫々、前記背凭フレーム3の左右側部フレーム17に取付けているので、左右の左右側部フレーム17の間には前記後突感知体25が位置するだけであり、着座者Tに着座時の違和感あるいは不快感を与えない。
即ち、従来の上下に並設したジグザグバネ構成では、着座者Tの上体は荷重により後方移動する各ジグザグバネにより「線」で支持されるので、着座姿勢が安定せず、後突のとき前方移動するヘッドレスト6が頭部Hを支持しても、着座者Tの上体が後方移動してしまって、頭部Hと上体との位置関係がかえって不安定になるが、本願では、板状支持材30により着座者Tの上体全体を「面」で支持できて、前方移動するヘッドレスト6が頭部Hを支持しているときに、板状支持材30が着座者Tの上体を「面」で支持するので、頭部Hを含めた着座者Tの着座姿勢を極めて安定させる。
板状支持材30は、前記プレート体31をジグザグスプリングやフォームドワイヤスプリング等のワイヤスプリング32を介して背凭フレーム3に前後移動自在に取付けて構成し、板状支持材30は面状態を保持したまま前後して着座者Tを支持する。
しかして、前記プレート体31の上縁は、中央部が低い円弧形状の上側円弧部33に形成し、上側円弧部33は平均的着座者Tの第九胸椎付近Xより上方に位置させる。
第九胸椎付近Xは、上体の重心位置であり、着座姿勢において脊柱の中でも変化しない部分(移動量の少)であり、プレート体31の上縁を第九胸椎付近Xより上方に位置させることで、板状支持材30は着座者Tの上体の重心位置を支持する。
しかして、前記上側円弧部33を有するプレート体31の上側部分34の上側側縁35は、略直線状に形成して、上側部分34が略同一の左右幅を有するように形成する。これにより、上側部分34は着座者Tの上体を面状態で支持できる。
上側部分34の下方のプレート体31のプレート中間部分36は、その上下中間部が最も幅狭になるように、その左右側縁を円弧形状の中間円弧部37に夫々形成する。着座者Tのウエスト近傍は、着座姿勢においてそれ程支持を必要とせず、むしろ圧迫による着座疲労・腰痛の原因となるので、プレート中間部分36の左右側縁は中間円弧部37に形成し、圧迫から着座者Tを開放する。また、着座者Tのウエスト近傍のサイズは個人差が大きく、この点でも、プレート体31のプレート中間部分36を中間円弧部37に形成すると、好適である。
即ち、背凭フレーム3に板状支持材30を設けたことで、板状支持材30の上端から下端の何れかの部分の後方に後突感知体25を設ければ後突を感知できるようになる点、板状支持材30のプレート中間部分36は後方移動量が大きく後突のとき後突感知体25を大きく移動させて確実に後突を感知できる点、また、後突感知体25を上方に設けると、その部分の板状支持材30を所定量後方移動させることになって、着座者Tの上体の支持が不足してしまう点等の理由から、プレート中間部分36の後方に後突感知体25を位置させる。
したがって、板状支持材30による着座者Tの支持と、後突感知体25による後突の感知の確実性とを両立させられる。
なお、通常走行中に掛かる荷重は板状支持材30のプレート体31が支持し、後突感知体25を後方移動させることはない。したがって、プレート体31と後突感知体25の間にはプレート体31が通常走行時における前後動を許容し、且つ、後突は感知しうる所定の間隔を設けることは言うまでもない。
即ち、骨盤の上部を形成する腸骨R部分近傍を腸骨支持部41により支持することで着座者Tの腰部を確実にホールドするようにしている。
同様に、着座者Tの仙骨S部分近傍を仙骨支持部43により支持することで着座者Tの腰部を確実にホールドする。
即ち、上側ワイヤスプリング32Aと下側ワイヤスプリング32Bにより着座者Tの第九胸椎付近および骨盤・仙骨近傍を支持することにより、着座者Tの背中(腰)は上下2点で支持され、上側ワイヤスプリング32Aと下側ワイヤスプリング32Bの間の背骨に掛かる圧力を抑制することで、着座時の疲労を軽減させる作用効果が期待でき、好適である。
また、骨盤・仙骨近傍に下側ワイヤスプリング32Bを設けているので、後突のときには板状支持材30の下側部分が「面」となって一体的に後方移動し、これにより後突感知体25を確実に後方移動させて、後突の感知を確実にする作用も期待している。
また、ワイヤスプリング32の左右中間部は、屈曲部44の所定部分を係止具45等の任意の構成により板状支持材30に固定する。
ヘッドレスト6のピラー8を支持するピラー支持部材11をヘッドレスト取付杆10に固定し、ヘッドレスト取付杆10の左右両側は夫々上側リンク杆15の上部に固定する。
各上側リンク杆15の上下中間部は回動軸16により側部フレーム17に取付け、上側リンク杆15の下端部に伝動部材20の上部を取付け、伝動部材20の下部は上部を側部フレーム17に取付けた下側リンク26の上下中間部に軸着し、下側リンク26の下部に後突感知体25の左右両側を連結状態に取付けているから、後方から衝撃を受けて慣性で着座者Tが後方へ移動すると、後突感知体25が後方移動し、後突感知体25の後方移動により下側リンク26が回動して伝動部材20を下方に牽引し、伝動部材20は上側リンク杆15の下リンクアーム部23を回動軸16中心に下方回動させ、上側リンク杆15の上部の上リンクアーム部22は回動軸16中心に前方回動し、ヘッドレスト取付杆10が回動軸16中心に前方回動し、これによりヘッドレスト6は回動軸16中心に前方移動する。
したがって、ヘッドレスト6は上側リンク杆15により前方回動して頭部Hを支持し、むち打ち症防止効果を奏する。
そのため、上側リンク杆15は、ヘッドレスト6を前方移動させるのに、下リンクアーム部23を後方移動させるので、下リンクアーム部23の作動方向がクッション材4を押す方向とは反対の後方回動となって、クッション材4の存在が下リンクアーム部23の作動を妨げることはなく、むしろ有効に作動するように作用し、合理的な構成となる。
したがって、下リンクアーム部23は回動軸16中心に後方移動するので、上側リンク杆15の作動の際、下リンクアーム部23はクッション材4や表皮部材5を前側に押す必要がなく、確実に作動する。
しかして、下側リンク26は、その上部を回動軸28により側部フレーム17に取付け、その下部に後突感知体25を取付軸27により取付け、側部フレーム17と取付軸27の間に伝動部材20の下部を軸29により取付けているから、下側リンク26は、取付軸27を力点、回動軸28を支点、軸29を作用点として梃の原理で後突感知体25の後方移動させる作動力を倍加して軸29を牽引する。
また、下側リンク26は、通常は下方に至るに従い前側に位置するように、傾斜させているから、後方から衝撃を受けた後突の際、下側リンク26は回動軸28中心に後方回動する。
したがって、上側リンク杆15、伝動部材20、下側リンク26の作動機構Sは、その前側にクッション材4および表皮部材5が存在しても、作動方向が後側方向となるので、クッション材4および表皮部材5による圧力の干渉を避けられ、後突感知体25の移動をヘッドレスト6に伝達するのときロスを極力排除でき、作動を確実にする。
そのため、従来の上下に並設して「線」で支持するジグザグバネ構成に比して格段に着座感を向上させる。
そして、「線」で支持するジグザグバネでは、後突のとき前方移動するヘッドレスト6によって頭部Hを支持しても、着座者Tの上体の支持不安定になって頭部Hと上体との位置関係がかえって悪化する惧れがあるが、本願では、板状支持材30により着座者Tの上体全体を「面」で支持するので、前方移動するヘッドレスト6と相俟って頭部Hおよび着座者Tの上体を良好に支持でき、頭部Hを含めた着座者Tの着座姿勢を極めて安定させる。
即ち、例えば、上下にプレート体31を分割して形成すると、上下のプレート体31の間の部分に荷重が掛かったとき、上下のプレート体31は夫々回転して荷重を確実に支持できないことがあるが、本願は、略四角形の一枚板状のプレート体31により板状支持材30を形成しているので、上下中間に掛かる荷重も板状支持材30全体により確実に受け止めて支持する。
したがって、この点でも、後突の着座者Tの状態を確実に支持する。
また、ワイヤスプリング32のうち上側ワイヤスプリング32Aは、第九胸椎付近Xの後方に位置させているから、上側ワイヤスプリング32Aによって着座者Tの上体に掛かる荷重を、一層、有効に且つ確実に支持する。
しかして、上側部分34の下方のプレート体31のプレート中間部分36は、該プレート中間部分36の上下中間部が最も幅狭の円弧形状になるように、その側縁を中間円弧部37に形成しているから、着座姿勢においてそれ程支持を必要としない着座者Tのウエスト近傍に掛かる圧迫を抑制し、疲労・腰痛を防止でき、また、着座者Tのウエスト近傍はサイズに個人差が大きが、広く対応した車両用シート1を提供できる。
また、板状支持材30のプレート体31の上部後側に後突感知体25を設けなくてすむので、後突のときの着座者Tの状態を板状支持材30が確実に支持できて、着座姿勢を安定させる点からも合理的構成となる。
また、本来、プレート体31と後突感知体25の移動方向は同じであるから両者の関係において、互いに干渉し合う事態は少ないが、プレート中間部分36の左右幅は他の部分のプレート体31に比して幅狭に形成しているので、後突感知体25と下側リンク26との取付部分に対するプレート体31の干渉を極力回避させられる。
したがって、板状支持材30による着座者Tの支持と、後突感知体25による後突の感知の確実性とを両立させられ、合理的構成となる。
また、腸骨支持部41より下側は下方に至るに従い幅狭の円弧形状の下側円弧部42に形成しているから、着座者Tの臀部の大殿筋に対する圧迫を抑制しつつ、大殿筋付近を確実にホールドして、腰部の着座姿勢を良好に安定させる。
また、左右の下側円弧部42の合流部に下側に突き出る仙骨支持部43を形成しているから、人体の骨格の構造上の剛体部分である仙骨を仙骨支持部43により支持することで、腰部を確実にホールドする。
また、板状支持材30のプレート体31は、上側ワイヤスプリング32Aと下側ワイヤスプリング32Bにより着座者Tの第九胸椎付近および骨盤・仙骨近傍を支持するしているから、着座者Tの背中(腰)は上下2点で支持され、上側ワイヤスプリング32Aと下側ワイヤスプリング32Bの間の背骨に掛かる圧力を抑制することで、着座時の疲労を軽減させる。
ワイヤスプリング32の上側ワイヤスプリング32Aと下側ワイヤスプリング32Bは、何れも左右両端部を背凭フレーム3に固定状態に取付け、その中間部は適宜上下方向に屈曲させた屈曲部44に形成しているから、屈曲部44により板状支持材30とワイヤスプリング32との位置ずれを防止して、板状支持材30が面状態で荷重支持するように作用する。
なお、背凭シートの腰部分を面状部材で支持するものとしてランバーサポート装置は周知であるが、ランバーサポートは面状当接部材を積極的に腰部分に押し付けて保持させるものであり、本願のような、プレート体31の単独の弾性変形と、プレート体31と背凭フレーム3との間のワイヤスプリング32の弾性変形等が絡みあって、支持させるものではない。
Claims (7)
- 少なくとも着座者Tの頭部Hを支持する頭部支持部7にピラー8を設けて構成したヘッドレスト6を、着座者Tの後方に位置する背凭シート2内の左右方向で上下に所定高さを有する後突感知体25の後方移動により、前方移動させて着座者Tの頭部Hを支持するように構成したものにおいて、前記後突感知体25は背凭シート2の少なくとも上下中間位置より下方に前記ヘッドレスト6とは別体に前記背凭シート2の背凭フレーム3に取付け、前記後突感知体25は、該後突感知体25の後方移動をリンク機構により前記ヘッドレスト6に伝達するように構成し、前記背凭シート2の背凭フレーム3には略四角形の一枚板状で所定の弾性を有するプレート体31をワイヤスプリング32を介して背凭フレーム3に前後移動自在に取付けて構成した板状支持材30を設け、前記プレート体31の後側に、該プレート体31の通常走行時における前後動を許容し、且つ、後突は感知しうる所定の間隔を設けて前記プレート体31とは独立して前記後突感知体25を配置し、後突時には前記プレート体31が前記後突感知体25に当接して該後突感知体25を後方移動させるように構成した車両用シート。
- 少なくとも着座者Tの頭部Hを支持する頭部支持部7にピラー8を設けて構成したヘッドレスト6を、着座者Tの後方に位置する背凭シート2内の後突感知体25の後方移動により、前方移動させて着座者Tの頭部Hを支持するように構成したものにおいて、前記ピラー8は左右方向のヘッドレスト取付杆10に取付け、ヘッドレスト取付杆10の左右側は一対の上側リンク杆15の上部に固定し、該上側リンク杆15の上下中間部は前記背凭シート2の背凭フレーム3に回動自在に回動軸16により軸着し、上側リンク杆15は回動軸16より上方部分を上リンクアーム部22に、回動軸16より下方部分を下リンクアーム部23に夫々形成し、上リンクアーム部22は下リンクアーム部23よりも長く形成し、下リンクアーム部23は下方に至るに従い前側に位置するように傾斜させ、下リンクアーム部23の下部に前記後突感知体25の後方移動により下動する伝動部材20の上部を取付け、該伝動部材20の下部は下側リンク26に取付け、該下側リンク26に前記後突感知体25を取付け、前記背凭シート2の背凭フレーム3には略四角形の一枚板状に形成したプレート体31をワイヤスプリング32を介して背凭フレーム3に前後移動自在に取付けて構成した板状支持材30を設け、前記プレート体31の後側に、該プレート体31の通常走行時における前後動を許容し、且つ、後突は感知しうる所定の間隔を設けて前記プレート体31とは独立して前記後突感知体25を配置し、前記プレート体31が前記後突感知体25に当接して該後突感知体25を後方移動させるように構成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2において、前記板状支持材30のプレート体31は、略四角形の一枚板状で合成樹脂により着座者Tを支持しうる所定の強度を有しつつ弾性変形するように構成し、前記ワイヤスプリング32は、所定の弾性を有して前記プレート体31全体が面形状を保持したまま後方移動しうるように構成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3において、前記ワイヤスプリング32は、前記上側ワイヤスプリング32Aと下側ワイヤスプリング32Bの上下2本並設し、該上側ワイヤスプリング32Aと下側ワイヤスプリング32Bの夫々は、何れも左右両端部を背凭フレーム3側に固定状態に取付け、その中間部をプレート体31に取付け、前記プレート体31は上側ワイヤスプリング32Aと下側ワイヤスプリング32Bにより上下左右4箇所で背凭フレーム3側に固定状態に取付けた車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記プレート体31の上縁は、平均的着座者Tの第九胸椎付近Xより上方に位置させ、前記ワイヤスプリング32のうち上側ワイヤスプリング32Aは、第九胸椎付近Xの後方に位置させた車両用シート。
- 請求項5において、前記プレート体31の上側部分34の上側側縁35は、略直線状に形成して、上側部分34が略同一の左右幅を有するように形成し、上側部分34の下方のプレート体31の上下中間のプレート中間部分36は、該プレート中間部分36の上下中間部分が最も幅狭の円弧形状になるように、その左右側縁を中間円弧部37に夫々形成し、該プレート中間部分36の後側に前記後突感知体25を配置した車両用シート。
- 請求項6において、前記プレート中間部分36の下方のプレート体31の下側部分40は、左右両側に夫々側方に突き出る腸骨支持部41を形成し、腸骨支持部41より下側は下方に至るに従い幅狭の円弧形状の下側円弧部42に形成し、左右の下側円弧部42の合流部に下側に突き出る仙骨支持部43を形成し、ワイヤスプリング32のうち下側ワイヤスプリング32Bは、前記プレート中間部分36の最幅狭部分と前記腸骨支持部41との間の後側に位置させた車両用シート。
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