JP4446653B2 - 衝突対象判別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突対象判別装置にかかり、特に、衝突対象が歩行者である場合に、歩行者への衝撃を吸収するためのエアバッグ装置を有するフードエアバッグシステムや、歩行者への衝撃を吸収するためにフードをリフトアップするフードリフトアップシステム等の歩行者を保護するためのシステムを搭載した車両に適用可能な衝突対象判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
走行中の車両が歩行者に衝突すると、衝突された歩行者は、衝突時の車速の違いによって、跳ね上げられるか、あるいは下半身を車体前部によって払われて、車体前部のフード上等に二次衝突することが知られており、このフード上等に歩行者が二次衝突する際の衝撃を吸収するために、フード上等にエアバッグ装置を展開させ、このエアバッグによりフード上面等に二次衝突する際の衝撃を吸収して、歩行者を保護するフードエアバッグシステムが提案されている。
【0003】
フードエアバッグシステムは、上述のように歩行者を保護するためのものであるため、フードエアバッグシステムのエアバッグ装置の展開は、車両の衝突対象が歩行者か否かを判別することによって、衝突が保護対象の時に確実にエアバッグ装置を展開することが望まれている。
【0004】
フードエアバッグシステムに用いられる衝突対象判別装置としては、例えば、特開平8−216826号公報に記載の技術、特開2000−326808号公報に記載の技術、特開平10−194158号公報に記載の技術などが提案されている。
【0005】
特開平8−216826号公報に記載の技術では、略水平方向前方からの荷重を検出するバンパセンサと、略垂直方向上方からの荷重を検出するフードセンサとを設けて、バンパセンサがオンすると共に、フードセンサがオンした場合には、衝突対象が歩行者と判断してフードエアバッグ装置を展開させ、バンパセンサがオンしてフードセンサがオンしない場合には、衝突対象が歩行者以外の建造物等であると判断してフードエアバッグ装置を展開しないようにしている。
【0006】
また、特開2000−326808号公報に記載の技術では、異なる衝突対象が衝突面に衝突したときにおける衝突面に一定間隔を隔てて配設された対向電極と該対向電極の間に介挿された弾性体で構成された誘電体からなる衝突検出手段の衝突に伴う静電容量変化に注目して、歩行者が衝突する時には、歩行者以外の車両及び障害物等と異なり衝突直前に静電容量が低下した後衝突に伴い静電容量が増加していることから、衝突に先立つ静電容量の低下を検出すると共に、衝突に伴う静電容量の増加を検出することにより、衝突対象を判別している。
【0007】
また、特開平10−194158号公報に記載の技術では、加速度センサによって衝突を検出して、歩行者との衝突と軽衝突とを、一定の閾値と持続時間で区別することが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−216826号公報に記載の技術では、2つのセンサの検出及び検出順位に基づいて衝突対象を判別しているので、衝突時の車速等の衝突条件によっては、バンパセンサがオンすると共に、フードセンサがオンしてしまい、衝突対象が歩行者でない場合にも歩行者であると判別してしまうことが考えられる、という問題がある。
【0009】
また、特開2000−326808号公報に記載の技術では、衝突対象が歩行者であることを判別するために、静電容量の低下を検出すると共に、衝突に伴う静電容量の増加を検出しており、判別のための前記静電容量の増加検出の判断が難しい、という問題がある。
【0010】
さらには、特開平10−194158号公報に記載の技術では、高速で歩行者と衝突した場合の加速度センサの検出値と、低速度で歩行者以外の車や建造物等に衝突した場合の加速度センサの検出値が比較的似ており、判別が難しい、という問題がある。
【0011】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、衝突対象を好適に判別することができる衝突対象判別装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、車両の衝突によって発生する減速度を検出する検出手段と、衝突後の減速度に対する判別閾値であって、衝突検出時に対応して予め定めた基準値から時間経過に伴って増加する、衝突対象を判別するための判別閾値を設定する設定手段と、衝突時の衝突速度を検出する衝突速度検出手段と、前記衝突速度検出手段の検出結果に基づいて、衝突検出時から衝突対象を判別する判別時間を設定する判別時間設定手段と、前記判別時間設定手段によって設定された前記判別時間内に前記検出手段の検出結果が前記判別閾値を超えない場合に、衝突対象を歩行者として判別する判別手段と、を備えることを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、検出手段では、車両の衝突によって発生する減速度が検出される。
【0014】
ここで、衝突時に変化する減速度は、衝突対象が歩行者の場合と、建造物や他の車両等の場合とで、異なる変化となる。すなわち、衝突対象が歩行者の場合には、衝突してから時間の経過と共に、大きな減速度が発生し、衝突対象が建造物や他の車両等の場合には、衝突直後に大きな減速度が発生する。
【0015】
そこで、設定手段では、衝突後の減速度に対する判別閾値であって、衝突検出時に対応して予め定めた基準値から時間経過に伴って増加する、衝突対象を判別するための判別閾値が設定される。閾値の設定は、例えば、時々刻々と増加する閾値、一定の値となる区間を含んで増加する閾値、階段状に増加する閾値、これらを組み合わせた閾値等が上げられる。
【0016】
すなわち、検出手段によって検出された減速度が当該閾値を超えた場合に衝突対象が建造物や他の車両等と判別することができ、当該閾値を超えない場合に衝突対象が歩行者であると判別することができる。
また、衝突速度検出手段では衝突時の衝突速度が検出され、判別時間設定手段では、衝突速度検出手段の検出結果に基づいて、衝突検出時から衝突対象を判別する判別時間が設定される。
【0017】
そして、判別手段では、判別時間設定手段によって設定された判別時間内で検出手段の検出結果が判別閾値を超えない場合に、衝突対象が歩行者として判別される。従って、判別手段では、検出手段の検出結果及び設定手段によって設定される判別閾値に基づいて衝突対象を好適に判別することができる。
【0018】
なお、本発明の衝突対象判別装置は、フードエアバッグシステムやフードリフトアップシステム等の歩行者への衝撃吸収を行う歩行者保護のためのシステムに適用することが可能である。
【0021】
請求項2に記載の発明は、車両の衝突によって発生する減速度及び前記減速度の積分値を表す速度変化量を検出する物理量検出手段と、衝突後の減速度に対する判別閾値であって、衝突検出時に対応して予め定めた基準値から前記速度変化量の増加に伴って増加する、衝突対象を判別するための判別閾値を設定する閾値設定手段と、衝突時の衝突速度を検出する衝突速度検出手段と、前記衝突速度検出手段の検出結果に基づいて、衝突検出時から衝突対象を判別する判別時間を設定する判別時間設定手段と、前記判別時間設定手段によって設定された前記判別時間内に前記物理量検出手段の検出結果が前記判別閾値を超えない場合に、衝突対象を歩行者として判別する衝突判別手段と、を備えることを特徴としている。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、物理量検出手段では、車両の衝突によって発生する減速度及び速度変化量が検出される。
【0023】
ここで、衝突時に変化する減速度及び速度変化量は、衝突対象が歩行者の場合と、建造物や他の車両等の場合とで、異なる変化となる。すなわち、衝突対象が歩行者の場合の方が、速度変化量に対する減速度が小さい傾向にあり、速度変化量の増加に伴って減速度が増加する傾向を有する。
【0024】
そこで、閾値設定手段では、衝突後の減速度に対する判別閾値であって、衝突検出時に対応して予め定めた基準値から速度変化量の増加に伴って増加する、衝突対象を判別するための判別閾値が設定される。これによって、物理量検出手段によって検出された減速度が当該閾値を超えた場合に衝突対象が建造物や他の車両等と判別することができ、当該閾値を超えない場合に衝突対象が歩行者であると判別することができる。
また、衝突速度検出手段では衝突時の衝突速度が検出され、判別時間設定手段では、衝突速度検出手段の検出結果に基づいて、衝突検出時から衝突対象を判別する判別時間が設定される。
【0025】
そして、判別手段では、判別時間設定手段によって設定された判別時間内で物理量検出手段の検出結果が判別閾値を超えない場合に、衝突対象が歩行者として判別される。従って、判別手段では、物理量検出手段の検出結果及び閾値設定手段によって設定される判別閾値に基づいて衝突対象を好適に判別することができる。
【0026】
なお、本発明の衝突対象判別装置は、フードエアバッグシステムやフードリフトアップシステム等の歩行者への衝撃吸収を行う歩行者保護のためのシステムに適用することが可能である。
【0028】
なお、請求項1又は請求項2に記載の発明は、請求項3に記載の発明のように、前記判別手段の判別結果に基づいて衝突対象が歩行者の場合に、車両フードのエアバック装置を作動させる作動手段を更に備えるようにしてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。なお、本実施形態はフードエアバッグシステムに本発明を適用したものである。
【0030】
図1には、本発明の実施の形態に係わるフードエアバッグシステム10の概略構成を示し、図2には、フードエアバッグシステム10の車両12における配置を示す。
【0031】
本発明の実施の形態に係わるフードエアバッグシステム10は、バンパセンサ14、車速センサ16、周知の構造とされたエアバッグ装置18、及び当該エアバッグ装置18の展開制御を行うエアバッグECU20によって主に構成されている。
【0032】
図2に示すように、バンパセンサ14は、車両のフロントバンパ22に設けられており、建造物や歩行者等に対する衝突を検出するようになっており、衝突によって発生する車両の前後方向の減速度や衝突対象への接触を検出することによって衝突検出がなされる。例えば、バンパセンサ14は、前方からの水平方向に入力される荷重によって圧縮されると導通して検出信号を、エアバッグECU20に送るものを適用可能であり、金属微粒子を混練したシリコンゴムを帯状に形成した加圧導電ゴムを、平編導線束からなる2枚の電極によって両側から挟み、その外側をシリコンゴムで一体に被覆して長尺に形成したもので、フロントバンパ22の内部のバンパリィンホースの前方側に取り付けられた緩衝材であるバンパフォームと、このバンパフォームの外側を覆うバンパ表皮との間に、前記電極と加圧導電ゴムが車両前後方向に積層された状態で、フロントバンパの略全長に亘って設ける。そして、フロントバンパ22の一部に車両前方の水平方向からの荷重が加わると、加圧導電ゴムが両電極が導通してこのバンパセンサがオンし、検出信号がエアバッグECU20に出力されるように構成することができる。
【0033】
エアバッグ装置18は、車両のカウル部内に設けられ、エアバッグECU20がエアバッグ装置18のインフレータに電流を流すことによって、インフレータからのガスによってケース内に折り畳んで収納されたエアバッグ袋体18Aが、ケースの上部を破って、フード24の後部上とフロントシールドガラス26の前部上に展開するようになっている。
【0034】
エアバッグECU20は、図2に示すように、車両の車室内に設けられ、例えば、センターコンソールとフロアパネル間、運転席又は助手席シート下、インストルメントパネル内等に配置され、図1に示すように、CPU30、ROM32、RAM34、I/O36がバス38にそれぞれ相互接続されたマイクロコンピュータで構成されている。
【0035】
ROM32には、エアバッグ装置18を作動させるための種々のプログラム及びエアバッグ装置18を作動させるための閾値等が記憶されており、RAM34には各種センサによる検出信号等が記憶される。そして、CPU30の制御によってエアバッグ装置18の展開制御がなされるようになっている。
【0036】
また、エアバッグECU20には、車両のフロアに加わる減速度等を検出するフロアGセンサ40がI/O36を介して接続されており、当該フロアGセンサ40は、エアバッグECU20内に内蔵されて構成されている。なお、フロアGセンサ40は、エアバッグECU20に内蔵しなくてもよく、例えばフロントサイドメンバ等、エアバッグECU20とは別の位置に設けるようにしてもよい。
【0037】
また、I/O36には、バンパセンサ14、エアバッグ装置18、及び車速センサ16が接続されている。車速センサ16は、車両の速度を検出する周知の車速センサを適用することができ、エアバッグECU20に車速信号が入力されるようになっている。
【0038】
ところで、衝突によって車両に発生する減速度Gは、衝突対象が歩行者の場合と、建造物や他の車両等の場合とで、以下のような特徴を有している。
【0039】
衝突対象が歩行者の場合には、図3の実線で示すように、歩行者の全身が車両に乗った段階で大きな減速度Gが発生し、衝突の後半に大きな減速度Gが発生する。
【0040】
一方、衝突対象が建造物や他の車両等の軽衝突では、図3の点線(追突(低速))で示すように、最初に比較的大きな減速度Gが発生した後に低くなる。
【0041】
従って、高速で歩行者と衝突した場合と低速で建造物や他の車両等に衝突した場合に、衝突対象を判別するための閾値を一定の値としたのでは、衝突対象が歩行者であるか建造物や他の車両であるか区別できない場合がある。
【0042】
そこで、本発明の実施の形態に係わるフードエアバッグシステム10では、図3の一点鎖線で示すように、衝突検出後に予め定めた基準値Sに対する衝突からの時間経過に伴って増加する値を含むように衝突対象を判別するための閾値が予め設定されており、当該閾値がROM32に記憶されている。すなわち、時々刻々と増加傾向となるように閾値が設定されている。これによって衝突対象が歩行者であることを好適に判別することが可能となる。
【0043】
ここで、図3では、歩行者が標準的な体格の上限である場合の減速度G発生を示す。本実施の形態では、標準的な体格の上限である歩行者をモデルとして、衝突対象を判別するための閾値を設定する。これによって、多くの歩行者の衝突を判別することが可能となる。
【0044】
また、タイミングよくエアバッグ装置18を展開させるために、図4に示すように、衝突速度に応じてエアバッグ装置18を展開させる着火信号を出力する時間が予め設定させており、当該時間もROM32に記憶されている。すなわち、衝突速度に応じて歩行者と軽衝突の判別時間Δtが変化するようになっている。
【0045】
なお、フロアGセンサ40は本発明の検出手段に相当し、エアバッグECU20は本発明の設定手段及び判別手段に相当する。
【0046】
続いて、上述のように構成されたフードエアバッグシステム10のエアバッグECU20で行われるエアバッグ装置18の展開処理について図5のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
本発明の実施の形態に係わるフードエアバッグシステム10では、衝突を検出するためにバンパセンサ14からの信号を常時検出するようになっている。すなわち、ステップ100では、バンパセンサ14がオンか否か判定され、バンパセンサ14から衝突を検出した信号が入力したか否かが常時監視され、バンパセンサ14がオンとなった場合にステップ102へ移行する。
【0048】
ステップ102では、車両速度が測定される。すなわち、車速センサ16から入力される車速信号に基づいて衝突時の衝突速度が算出される。衝突速度はバンパセンサ14がオンとなったタイミングの車速信号から算出することができる。なお、歩行者の衝突では、衝突時の車速≒衝突速度とすることができる。なお、当該ステップ102は本発明の衝突速度検出手段に相当する。
【0049】
続いてステップ104では、上述の歩行者と軽衝突の判別時間Δtが設定される。なお、当該ステップ104は本発明の判別設定手段に相当する。
【0050】
ステップ106では、車両に発生する減速度Gが測定される。すなわち、フロアGセンサ40より得られる信号から車両発生減速度Gが測定される。
【0051】
ステップ108では、車両発生減速度Gのレベルが、衝突対象が歩行者である場合のレベルか否か判定される。該判定は、車両発生減速度Gのレベルが、上述の時々刻々と変化する閾値を超えたか否かによって判定される。すなわち、衝突対象を判別するための閾値が時々刻々と増加傾向となるように変化するので、閾値を超えない場合に衝突対象が歩行者レベルであると判別し、閾値を超えた場合に衝突対象が建造物や他の車両等のレベルであると判別することによって、衝突対象を好適に判別することができる。
【0052】
ステップ108の判定が否定された場合には、衝突対象が建造物や他の車両等と判断し、それらとの衝突現象が終わる予め設定された一定時間(例えば0.5秒等)待機した後、ステップ100に戻って上述の処理が繰り返される。また、ステップ108の判定が肯定された場合には、ステップ110へ移行して、歩行者と軽衝突の判別時間Δtを経過したか否か判定される。すなわち、エアバッグ装置18を展開するタイミングであるか否かが判定され、該判定が否定された場合には、ステップ106へ移行し歩行者と軽衝突の判別時間Δtが経過するまで上記処理を繰り返してステップ112へ移行する。
【0053】
ステップ112では、エアバッグ装置18が展開される。すなわち、衝突対象が歩行者であることが判別され、衝突速度に適した展開タイミングのときに、CPU30が着火信号をエアバッグ装置18に出力することによって、エアバッグ装置18のインフレータに電流が流れ、インフレータからのガスによってケース内に折り畳んで収納されたエアバッグ袋体18Aが、ケースの上部を破って、フード24の後部とフロントシールドガラス26の前部上に展開される。これによって、歩行者への衝突の衝撃が吸収されて歩行者が保護される。
【0054】
このように、本発明の実施の形態に係わるフードエアバッグシステム10では、図3に示すように、衝突対象が歩行者の場合に車両に発生する減速度Gが衝突後半に増加する傾向があり、衝突対象が建造物や他の車両等の場合に車両に発生する減速度Gが衝突直後に比較的大きな減速度Gが発生することから、車両に発生する減速度Gについて、衝突対象を判別するための閾値を時々刻々と増加傾向となるように設定することによって、衝突対象が歩行者である場合には、当該閾値を超えることがなく、衝突対象が建造物や他の車両等の場合には、当該閾値を超えるので、当該閾値と検出された減速度Gに基づいて、衝突対象を好適に判別することができる。
【0055】
また、衝突速度に応じて歩行者と軽衝突の判別時間を変化させているので、衝突速度に応じて適切なタイミングでエアバッグ装置18を展開することができる。
【0056】
なお、上記の実施の形態では、衝突時に予め定めた基準値に対して衝突からの時間経過に伴って増加した値を含むように、すなわち増加傾向となるように衝突対象を判別するための閾値を図3に示すようにようにしていたが、これに限るものではなく、時々刻々と増加傾向となるように衝突を判別するための閾値を設定すればよい。例えば、図6(A)に示すように、衝突時に予め定めた基準値S1からt時間までに減速度Ga増加するように閾値(所定時間まで右上がり直線になるように)を設定してもよいし、図6(B)に示すように、右上がりの直線と曲線となるように設定してもよいし、図6(C)に示すように、右上がりの段階線となるように設定してもよいし、これらを組み合わせるようにしてもよい。
【0057】
また、上記の実施の形態では、バンパセンサ14によって衝突の有無を検出するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、衝突の有無の検出はフロントバンパ等に設けられ減速度を検出するバンパGセンサを用いてもよいし、図6(E)に示すように、フロアGセンサ40の出力値に対して、衝突対象を判別するための閾値の他に、衝突の有無を検出する閾値を設けるようにしてもよい。これによっても上記の実施の形態と同様の作用を得ることができる。
【0058】
また、上記の実施の形態では、車両に発生する物理量として減速度を検出するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、物理量として減速度の他に、車両の速度変化量を検出するようにしてもよく、衝突瞬間からの速度変化量の増加に応じて車体発生Gに対する閾値を、図6(F)に示すように、設定するようにしてもよい。
【0059】
この場合、速度変化量は、車両に発生する減速度の発生Gの積分から求めることができる。なお、図7には、速度変化量に対する車体発生G(減速度)の波形例を示す。図7には、高速で歩行者に衝突した場合の波形と、低速で建造物等に衝突した場合を示す。速度変化量に対して歩行者に衝突した場合の方が発生Gが小さいので、速度変化量の増加に伴って増加した値を含むように衝突対象を判別するための減速度に対する閾値を設定することによっても上記の実施の形態と同様の作用を得ることができる。
【0060】
また、上記の実施の形態では、フロアGセンサ40を用いて車両に発生する物理量としての減速度を検出するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、フロントサイドメンバ部等に設けられるサテライトGセンサを用いるようにしてもよい。
【0061】
さらに、上記の実施の形態では、フードエアバッグシステム10に本発明を適用したが、これに限るものではなく、例えば、図8に示すように、衝突対象が歩行者の場合にフード24を図8矢印Z方向にリフトアップして歩行者への衝撃を吸収するフードリフトアップシステムに本発明を適用することもできる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、衝突のタイミングから時々刻々と増加するように衝突対象を判別するための物理量に対する閾値を設定することによって、当該閾値と衝突時に発生する物理量に基づいて、衝突対象を好適に判別することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるフードエアバッグシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わるフードエアバッグシステムの車両における配置を示す図である。
【図3】車両に発生する減速度G及び衝突判別の閾値を表すグラフである。
【図4】判別時間Δtを表すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態に係わるフードエアバッグシステムにおけるエアバッグ装置の展開処理を示すフローチャートである。
【図6】衝突判別の閾値のその他の例を示す図である。
【図7】速度変化量に対する車体発生G(減速度)の波形例を示す図である。
【図8】フードリフトアップシステムを示す図である。
【符号の説明】
10 フードエアバッグシステム
16 車速センサ
20 エアバッグECU
30 CPU
32 ROM
34 RAM
36 I/O
38 バス
40 フロアGセンサ
Claims (3)
- 車両の衝突によって発生する減速度を検出する検出手段と、
衝突後の減速度に対する判別閾値であって、衝突検出時に対応して予め定めた基準値から時間経過に伴って増加する、衝突対象を判別するための判別閾値を設定する設定手段と、
衝突時の衝突速度を検出する衝突速度検出手段と、
前記衝突速度検出手段の検出結果に基づいて、衝突検出時から衝突対象を判別する判別時間を設定する判別時間設定手段と、
前記判別時間設定手段によって設定された前記判別時間内に前記検出手段の検出結果が前記判別閾値を超えない場合に、衝突対象を歩行者として判別する判別手段と、
を備えた衝突対象判別装置。 - 車両の衝突によって発生する減速度及び前記減速度の積分値を表す速度変化量を検出する物理量検出手段と、
衝突後の減速度に対する判別閾値であって、衝突検出時に対応して予め定めた基準値から前記速度変化量の増加に伴って増加する、衝突対象を判別するための判別閾値を設定する閾値設定手段と、
衝突時の衝突速度を検出する衝突速度検出手段と、
前記衝突速度検出手段の検出結果に基づいて、衝突検出時から衝突対象を判別する判別時間を設定する判別時間設定手段と、
前記判別時間設定手段によって設定された前記判別時間内に前記物理量検出手段の検出結果が前記判別閾値を超えない場合に、衝突対象を歩行者として判別する衝突判別手段と、
を備えた衝突対象判別装置。 - 前記判別手段の判別結果に基づいて衝突対象が歩行者の場合に、車両フードのエアバック装置を作動させる作動手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衝突対象判別装置。
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