JP4445299B2 - 不揮発性メモリ評価方法 - Google Patents
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Description
メモリセル110に対してデータを書き込む際には、例えば図9に示すように、メモリセル110のゲート端子G,ドレイン端子Dおよびソース端子Sにそれぞれワード線(Word Line)121,ビット線(Bit Line)131およびソース線(Source Line)を介して10V,5V,0Vを印加することにより、メモリセル110のフローティングゲート111に電子(e-;ホットエレクトロン)をチャージする。このようにフローティングゲート111に電子(e-)がチャージされた状態で、メモリセル110はオフ状態となり例えばデータ“0”を保持した状態になる。逆に、フローティングゲート111に電子(e-)がチャージされていない状態で、メモリセル110はオン状態となり例えばデータ“1”を保持した状態になる。
〔1〕第1実施形態(第1の手法)の説明
電子や正孔(ホットホール)は、低温ほど高いエネルギをもちエネルギ障壁を飛び越えて移動しやすい性質をもつ。従って、不揮発性メモリに対する書込/消去時に低温状態(例えば−40℃〜−20℃)とすることでホットホールの発生が増加する。本発明の第1実施形態としての不揮発性メモリ評価方法(第1の手法)は、このような点に着眼したもので、低温状態で不揮発性メモリに対する書込を行なうことにより、通常の書込/消去で発生するホットホールよりも多くのホットホールを人為的に且つ加速的に生じさせ、その後の非高温放置試験において、高温加速を行なうことなく実時間試験を短縮したものである。
まず、図1を参照しながら本発明の第1実施形態としての不揮発性メモリ評価方法(第1の手法)の手順を概略的に説明する。
第1の手法では、不揮発性メモリ(被試験素子)100に対する書込/消去を、書込/読出制御部200により、通常使用時の動作温度(常温)で所定回数(例えば50万回)繰り返し実行してから(矢印A1参照)、その不揮発性メモリ100を低温槽300に入れる(矢印B1参照)。このように低温槽300に不揮発性メモリ100を入れた状態、つまり通常使用時の動作温度よりも低い温度条件下(例えば−40℃〜−20℃)で、書込/読出制御部200により、少なくとも1回だけ不揮発性メモリ100に対する書込を行なう(矢印A2参照)。これにより、通常の書込/消去で発生するホットホールよりも多くのホットホールが、不揮発性メモリ100におけるフローティングゲート(図8〜図11の符号111参照)とドレインとの間に発生することになる。
まず、不揮発性メモリ100に対する書込/消去を常温で所定回数(例えば50万回)繰り返し実行してから(ステップS11,S12)、その不揮発性メモリ100を低温槽300に入れる(ステップS13)。このように低温槽300に不揮発性メモリ100を入れた状態、つまり常温よりも低い温度条件下(例えば−40℃〜−20℃)で1回だけ不揮発性メモリ100に対する書込を行なう(ステップS14)。
〔2〕第2実施形態(第2の手法)の説明
本発明の第2実施形態としての不揮発性メモリ評価方法(第2の手法)は、後述するようなアバランシェ効果を用いるものである。図4に示すように、メモリセル(図5,図8〜図11の符号110参照)のゲート電圧(電位)Vgが低く閾値近辺の中間電位にあると、ホットホールが増加する傾向がある。従って、本発明の第2実施形態としての不揮発性メモリ評価方法(第2の手法)では、不揮発性メモリにおいてゲート電圧Vgが通常の動作電圧でない前記中間電位となるようにコントロールし、低電圧にて不揮発性メモリに対する書込を行なうことにより、通常の書込/消去で発生するホットホールよりも多くのホットホールを人為的に且つ加速的に生じさせ、その後の非高温放置試験において、高温加速を行なうことなく実時間試験を短縮したものである。なお、図4は第2実施形態において印加されるゲート電圧Vg(通常使用時のゲート電圧および中間電位)について説明するためのグラフである。
また、ワード線選択部120Aは、不揮発性メモリ100Aに設けられたテストピン(図示省略)に接続されており、このテストピンからの切換信号が、後述するゲート電圧切換手段に入力されるようになっている。
FET126および127は、それぞれ電源系123および124をワード線121へ接続するためのもので、FET126,127のゲートにHigh状態の信号が入力されると、それぞれ電源系123,124がワード線121に接続され、通常使用時のゲート電圧もしくは前記中間電位が、ゲート電圧Vgとして各メモリセル110のゲートに印加されるようになっている。
〔3〕第3実施形態の説明
本発明の第3実施形態としての不揮発性メモリ評価方法は、第1実施形態で説明した第1の手法と第2実施形態で説明した第2の手法とを組み合わせたものである。
図7に示すように、第3実施形態においても、まず、不揮発性メモリ100Aに対する書込/消去を常温常圧(通常使用時の動作温度かつ通常使用時のゲート電圧)で所定回数(例えば50万回)繰り返し実行してから(ステップS51,S52)、その不揮発性メモリ100Aを低温槽300(図1参照)に入れるとともに、その不揮発性メモリ100Aのゲート電圧を低電圧(前記中間電位)に切換・設定する(ステップS53)。このように低温槽300に不揮発性メモリ100を入れた状態、つまり常温よりも低い温度条件下(例えば−40℃〜−20℃)で、且つ、ゲート電圧を低電圧に切り換えた状態で、1回だけ不揮発性メモリ100に対する書込を行なう(ステップS54)。これにより、低温状態であることに加え、上述のごときアバランシェ効果が作用し、通常の書込/消去で発生するホットホールよりも多くのホットホールが、不揮発性メモリ100Aにおけるフローティングゲートとドレインとの間に発生することになる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述した各実施形態のステップS14,S34,S54では、被試験素子に対して1回だけ書込を行なっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、書込/消去を複数回繰り返し行なってもよい。
(付記1)
通常使用時の動作温度よりも低い温度条件下で評価対象の不揮発性メモリに対する書込を行なうことにより、該不揮発性メモリにおけるフローティングゲートとドレインとの間に、通常の書込/消去で発生する正孔よりも多くの正孔を発生させてから、
該不揮発性メモリを前記通常使用時の動作温度で放置し、該正孔に対する該不揮発性メモリの動作を評価することを特徴とする、不揮発性メモリ評価方法。
該不揮発性メモリに対する書込/消去を前記通常使用時の動作温度で所定回数繰り返し実行してから前記通常使用時の動作温度よりも低い温度条件下で少なくとも1回だけ該不揮発性メモリに対する書込を行なうことにより、通常の書込/消去で発生する正孔よりも多くの該正孔を発生させることを特徴とする、付記1記載の不揮発性メモリ評価方法。
通常使用時のゲート電圧よりも低い閾値近辺の中間電位をゲート電圧として印加しながら評価対象の不揮発性メモリに対する書込を行なうことにより、該不揮発性メモリにおけるフローティングゲートとドレインとの間に、通常の書込/消去で発生する正孔よりも多くの正孔を発生させてから、
該不揮発性メモリを前記通常使用時の動作温度で放置し、該正孔に対する該不揮発性メモリの動作を評価することを特徴とする、不揮発性メモリ評価方法。
該不揮発性メモリに対する書込/消去を前記通常使用時のゲート電圧で所定回数繰り返し実行してから前記中間電位をゲート電圧として印加した状態で少なくとも1回だけ該不揮発性メモリに対する書込を行なうことにより、通常の書込/消去で発生する正孔よりも多くの該正孔を発生させることを特徴とする、付記3記載の不揮発性メモリ評価方法。
通常使用時の動作温度よりも低い温度条件下で且つ通常使用時のゲート電圧よりも低い閾値近辺の中間電位をゲート電圧として印加しながら評価対象の不揮発性メモリに対する書込を行なうことにより、該不揮発性メモリにおけるフローティングゲートとドレインとの間に、通常の書込/消去で発生する正孔よりも多くの正孔を発生させてから、
該不揮発性メモリを前記通常使用時の動作温度で放置し、該正孔に対する該不揮発性メモリの動作を評価することを特徴とする、不揮発性メモリ評価方法。
該不揮発性メモリに対する書込/消去を前記通常使用時の動作温度およびゲート電圧で所定回数繰り返し実行してから、前記通常使用時の動作温度よりも低い温度条件下で且つ前記中間電位をゲート電圧として印加した状態で少なくとも1回だけ該不揮発性メモリに対する書込を行なうことにより、通常の書込/消去で発生する正孔よりも多くの該正孔を発生させることを特徴とする、付記5記載の不揮発性メモリ評価方法。
該不揮発性メモリを低温槽に入れることにより前記通常使用時の動作温度よりも低い温度条件下に置くことを特徴とする、付記1,付記2,付記5,付記6のいずれか一項に記載の不揮発性メモリ評価方法。
(付記8)
該不揮発性メモリ上に、前記通常使用時のゲート電圧と前記中間電位とのいずれか一方を選択的に切り換えてゲート電圧として印加するためのゲート電圧切換手段を予めそなえておき、
該正孔に対する該不揮発性メモリの動作を評価する際には該ゲート電圧切換手段を用いて前記中間電位をゲート電圧として印加させることを特徴とする、付記3〜付記6のいずれか一項に記載の不揮発性メモリ評価方法。
通常使用時のゲート電圧を印加するための第1電源と、
動作評価時にフローティングゲートとドレインとの間に通常の書込/消去で発生する正孔よりも多くの正孔を発生させるために用いられ、前記通常使用時のゲート電圧よりも低い閾値近辺の中間電位をゲート電圧として印加するための第2電源と、
該第1電源による前記通常使用時のゲート電圧と該第2電源による前記中間電位とのいずれか一方を選択的に切り換えてゲート電圧として印加するためのゲート電圧切換手段とをそなえたことを特徴とする、不揮発性メモリ。
101 セルアレイ
110 メモリセル
111 フローティングゲート
120,120A ワード線選択部
121 ワード線
122 アドレスデコーダ
123 第1電源系
124 第2電源系
125 コンパレータ(ゲート電圧切換手段)
126,127 FET(ゲート電圧切換手段)
128 インバータ(ゲート電圧切換手段)
130 書込制御部
131 ビット線
140 センスアンプ部
150 データセレクタ部
160 制御部
200 書込/読出制御部
300 低温槽
Claims (4)
- 評価対象の不揮発性メモリに対する書込/消去を通常使用時の動作温度で所定回数繰り返し実行してから前記通常使用時の動作温度よりも低い温度条件下で少なくとも1回だけ該不揮発性メモリに対する書込を行なうことにより、該不揮発性メモリにおけるフローティングゲートとドレインとの間に、通常の書込/消去で発生する正孔よりも多くの正孔を発生させてから、
該不揮発性メモリを前記通常使用時の動作温度で放置し、該正孔に対する該不揮発性メモリの動作を評価することを特徴とする、不揮発性メモリ評価方法。 - 評価対象の不揮発性メモリに対する書込/消去を通常使用時のゲート電圧で所定回数繰り返し実行してから前記通常使用時のゲート電圧よりも低い閾値近辺の中間電位をゲート電圧として印加した状態で少なくとも1回だけ該不揮発性メモリに対する書込を行なうことにより、該不揮発性メモリにおけるフローティングゲートとドレインとの間に、通常の書込/消去で発生する正孔よりも多くの正孔を発生させてから、
該不揮発性メモリを前記通常使用時の動作温度で放置し、該正孔に対する該不揮発性メモリの動作を評価することを特徴とする、不揮発性メモリ評価方法。 - 評価対象の不揮発性メモリに対する書込/消去を通常使用時の動作温度およびゲート電圧で所定回数繰り返し実行してから、前記通常使用時の動作温度よりも低い温度条件下で且つ前記通常使用時のゲート電圧よりも低い閾値近辺の中間電位をゲート電圧として印加した状態で少なくとも1回だけ該不揮発性メモリに対する書込を行なうことにより、該不揮発性メモリにおけるフローティングゲートとドレインとの間に、通常の書込/消去で発生する正孔よりも多くの正孔を発生させてから、
該不揮発性メモリを前記通常使用時の動作温度で放置し、該正孔に対する該不揮発性メモリの動作を評価することを特徴とする、不揮発性メモリ評価方法。 - 該不揮発性メモリ上に、前記通常使用時のゲート電圧と前記中間電位とのいずれか一方を選択的に切り換えてゲート電圧として印加するためのゲート電圧切換手段を予めそなえておき、
該正孔に対する該不揮発性メモリの動作を評価する際には該ゲート電圧切換手段を用いて前記中間電位をゲート電圧として印加させることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の不揮発性メモリ評価方法。
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