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JP4443477B2 - トゥールビヨンを具備した時計において時間設定している間ムーブメントを停止する装置 - Google Patents

トゥールビヨンを具備した時計において時間設定している間ムーブメントを停止する装置 Download PDF

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Description

本発明は、トゥールビヨンを具備した時計において時間設定している間ムーブメントを停止する装置に関する。
トゥールビヨンは、回転するキャリッジを有し、このキャリッジ内で、テンプがキャリッジの回転軸を中心に振動し、ムーブメントを停止させる装置はこのテンプを手動でブロックする手段を、時計の周囲領域に有する。
時間設定の間、時計の制御ステム(真)から、キャリッジの如何なる場所でもトゥールビヨンのキャリッジ内のテンプの振動を停止できるような装置(「秒針停止(stop-second)」と称する)が、既に提案されている。このような装置は、正確な時間、例えば時計の針により指示された時間にムーブメントを動かすためものである。
この種の装置は、特許文献1でもあるドイツ特許出願第10160287A1号に開示されている。最新技術で公知のように、トゥールビヨンは、移動(回転)キャリッジを含む。このキャリッジは、全ての脱進機部材と、その中心にテンプを含む調速部材(regulating member)とを有する。ガンギカナ(escapement pinion)は、第2歯車の周囲で回転する。キャリッジは1分間に1回転し、垂直方向に時計が配置された時に精度の変動をなくしている。ムーブメントを停止するために、前掲の特許文献1は、2本の弾性アームを具備した可動スプリングを提案している。この各アーム端は、テンプを停止するため、テンプ周辺に弾性的に当接することのできるパッドとなる。この可動スプリングは、手動でも制御できる時間設定用クラウン(竜頭)で制御される。
国際公開パンフレット第03/048871号
しかし、この装置にはいくつかの欠点がある。その第1は、可動スプリングは、長寸のため製造が複雑であり調整も困難である。別の欠点は、このような長寸のスプリングは、時計にかかる衝撃により容易に変形し、時にはテンプをブロックしてしまうことがある。最後に、高級時計分野おいては、ワイヤ・スプリングあるいはストリップ・スプリングを使用することは通常控えられ、高級時計には不適切な解決法で魅力的ではない。
本発明は上記の欠点を解決し、段落0001と段落0002の記載した要望に応えたものである。かくして本発明においては、テンプをブロックする装置は、トゥールビヨンキャリッジ上に搭載され、前記テンプの周囲に接触可能な可動部材を有する。キャリッジ外に配置され手動操作される要素部品が、前記可動部材の少なくとも1個に作用したときに、テンプをブロックすることができる。
好ましい実施例においては、前記各可動部材はレバーである。このレバーの第1端はキャリッジ上に軸支され、第2端は前記テンプをブロックするパッドを有する。前記ブロックは、前記要素部品であるシュウが、時間設定ステム(真)により制御され前記レバー上を押すと行われ、そして各レバーはリターン・スプリングにより静止位置に戻る。
図1、2に示したトゥールビヨン1は、従来技術と同様、3本のピラー4を具備した回転するキャリッジ2を有する。キャリッジ2内には、脱進機部材とひげゼンマイ(balance spring)に関連したテンプ3が配置されている。この脱進機部材は、ガンギ車(escapement wheel)5とガンギカナ(escapement pinion)6とアンクル(pallet)7とを有する。秒針(second hand)は8で示されている。テンプ3はキャリッジの回転軸10を中心にキャリッジ2内で回転振動する。テンプ3の周囲は、ネジ部材(チラネジ)13を具備したテン輪(felloe)12を有する。図1−4は、前記テンプ3をブロックさせるために、テンプ3の周囲で機能する手動制御手段を示す。この手動制御手段は、前掲の特許文献1に開示されたようなトゥールビヨン・キャリッジの外側で、2本のアームを具備した可動スプリングで構成されるのではなくて、キャリッジ2に搭載され、テンプ3の周囲に接触でき、可動部材であるレバー14、15、16を用いている。これにより、要素部品であるシュウ17(この実施例の場合、キャリッジ2の外側に配置され、手動により操作/制御されるスライド・シュウ)により、前記可動部材の少なくとも1個の上に作用したときに、テンプ3を止める。
上記した可動部材の製造組立て方法と、時計の使用者がこれらの可動部材を手動で如何に制御するかを次に説明する。
図1を参照すると、トゥールビヨン1とその一部を展開した状態が示される。前記可動部材は、キャリッジ2に搭載されたレバー14、15、16である。各レバー14、15、16は、キャリッジ2の回転軸10を中心にした円弧の形態を採る外側エッジ18、19、20を有する。各レバーの第1端21は、キャリッジ上に軸支されており、その第2端22はテンプ3を停止させるパッド23、24、25を有する。図4から分かるように、この停止が行われるのは、時間設定ステム26により制御されたシュウ17がレバー14(より一般的にはレバー14、15、16の少なくとも1つのレバー)に圧力を加えた時である。図1、4は、シュウ17がレバーに対し圧力を加えるのを止めた時に、これらの各レバーが、キャリッジ2上に搭載されたリターン・スプリング28、29、30により戻された状態を示している。
図に示された実施例は、キャリッジ2に搭載され、キャリッジの全体を包囲する3本のレバー14、15、16を有する。これを行うために、前記キャリッジ2の周辺領域には、等間隔で分散配置された3個のネジ付きピン32が取り付けられている。そのうちの1個のみが図1で見ることができ、他の2つはネジ付きピン32にねじ込まれたより大きな寸法のネジ付きヘッド33により隠れている。各ネジ付きピンには、ソケット35、36、37が軸支されている。
図1から分かるように、ソケット35,36,37は、それぞれのレバー14、15、16の第1端21を形成する第1リング38、39、40と、リターン・スプリング28、29、30の第1端45を形成する第2リング42、43、44を搭載する。
図2には、リターン・スプリング28の第2端46が、キャリッジにより支持されているされている部材(この実施例の場合リターン・スプリング29)に当たっている状態が示されている。同じことがリターン・スプリング29、30についても言える。かくして例えば、シュウ17がレバー14に圧力を加えた時(図4に示す状態)、リターン・スプリング28は張り出し、その第2端46はリターン・スプリング29の第2リング43上をスライドする。
図に示した実施例においては、レバー14、15、16のそれぞれの静止位置は、図1、2から分かるように、キャリッジ2の一部を形成する停止部材47、48、49により決まる。レバー14、15、16のパッド23、24、25は、この停止部材に当たっている。
次に、シュウ17が時間設定ステム26により如何に制御されるかを示す。図3、4は、トゥールビヨン1が搭載される時計の一部の平面図である。トゥールビヨンに具備されたテンプ3がシュウ17により如何にブロックされるかは前に説明したとおりである。
図3、4に示すように、シュウ17はテール50を具備する。このテール50は時計のプレート(地板)に含まれる凹部51内でスライドする。テール50の端部は、オシドリ(pull-out piece)53により制御される接続ロッド52に取り付けられる。このオシドリ53は、時間設定ステム26により制御される。オシドリ53は、ジャンパー・スプリング54に作用して、時間設定ステム(竜頭)26の押し込み位置と引き出し位置を設定する。
図3は押し込み位置にある時間設定ステム26を示す。この位置は、時計を巻く位置である。この位置においては、シュウ17はトゥールビヨン1とそのテンプから切り離されている。
図4は引き出し位置にある時間設定ステム26を示す。これは時計の時間設定位置であり、時針と分針が竜頭を回転することにより調節される。この竜頭が時計の外部で時間設定ステム26のキャップを形成する。時間設定ステム26が引き出されると、シュウ17はトゥールビヨンの方向に移動し、圧力をレバー14、15、16の少なくとも1つ(この実施例においてはレバー14)にかける。レバー14に搭載されたパッド23は、テンプの部品(この場合テン輪12に搭載されたネジ部材(チラネジ)13の1つ)に半径方向から当たり、摩擦力によりテンプ3を一時的に停止(ブロック)する。このパッド23は、ある状態では、テン輪12に当たることもある。
レバー14、15、16の外側エッジ18、19、20は、キャリッジ2のピラー4の上方に配置されている(図1、2を参照)。かくして、シュウ17は、毎分1回転の速度で動くキャリッジのピラーとは干渉せず、前記レバー14,15,16に作用できる。パッド23、24、25は、テンプ3が停止したときに、過剰な応力を受けないようにするためにある程度の弾性を有する。シュウ17はレバーの外側エッジ18、19、20に向かって、凹部面56を有する。この凹部面56が前記の外側エッジに当たる。この凹部面56は、2つの隣接するレバーの外側端部を分離するギャップ57よりも長い。かくしてシュウ17の凹部面56は、トゥールビヨン・キャリッジが如何なる角度にあろうとも、1本又は2本のレバーに作用する。
上記の説明は、本発明による停止装置が、時計の最新技術に完全に適応した解決方法を提供する最高度の実施例である。実際にテンプに直接作用するワイヤ・スプリングあるいはストリップ・スプリングの使用を回避し、これにより本明細書で開示した従来技術の欠点を回避できる。
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
本発明のトゥールビヨンの一部展開図を含む斜視図。 組み立てられた状態の図1のトゥールビヨンの斜視図。 制御ステムが押し込まれた位置にある本発明のトゥールビヨンを具備した時計の部分平面図。 時間設定するために制御ステムが引き出された位置にある本発明のトゥールビヨンを具備した時計の部分平面図。
符号の説明
1 トゥールビヨン
2 キャリッジ
3 テンプ(テン輪)
4 ピラー
5 ガンギ車
6 ガンギカナ
7 アンクル
8 秒針
10 回転軸
12 テン輪
13 ネジ部材
14,15,16 レバー
17 シュウ
18,19,20 外側エッジ
21 第1端
22 第2端
23,24,25 パッド
26 時間設定ステム
28,29,30 リターン・スプリング
32 ネジ付きピン
33 ネジ付きヘッド
35,36,37 ソケット
38,39,40 第1リング
42,43,44 第2リング
45 第1端
46 第2端
47,48,49 停止部材
50 テール
51 凹部
52 接続ロッド
53 オシドリ
54 ジャンパー・スプリング
56 凹部面
57 ギャップ

Claims (8)

  1. トゥールビヨン(1)を具備した時計の針設定機構用の装置において、
    前記トゥールビヨンは、回転するキャリッジ(2)を有し、
    前記キャリッジ(2)内で、テンプ(3)がキャリッジ(2)の回転軸(10)を中心に振動し、
    前記装置は、時計の周辺領域において、前記テンプ(3)を手動でブロックするブロック手段を有し、
    前記ブロック手段は、前記キャリッジ(2)上に搭載され、前記テンプ(3)の周囲に接触可能な可動部材(14、15、16)を有し、
    要素部品(17)が、前記可動部材(14、15、16)の少なくとも1個に作用した時に、前記テンプ(3)をブロックし、
    前記要素部品は、前記キャリッジ(2)外に配置され、手動で操作される
    ことを特徴とするトゥールビヨンを具備した時計の針設定機構用の装置。
  2. 前記各可動部材は、レバー(14、15、16)であり、
    前記レバーの第1端(21)は、前記キャリッジ(2)に軸支され、
    前記レバーの第2端(22)は、前記要素部品であるシュウ(17)が、時間設定ステム(26)により制御され前記レバーに圧力を加えた時に、前記テンプ(3)をブロックするパッド(23、24、25)を有し、
    前記各レバー(14、15、16)は、リターン・スプリング(28、29、30)により静止位置に戻されるよう、構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 前記キャリッジ(2)の周辺領域に、等間隔に分散配置された3個のネジ付きピン(32)が固定され、
    各ネジ付きピン(32)に、ソケット(35、36、37)が軸支され、
    前記ソケットに、前記レバー(14、15、16)の第1端を形成する第1リング(38、39、40)と、前記リターン・スプリング(28、29、30)の第1端(45)を形成する第2リング(42、43、44)とが配置され、
    前記リターン・スプリングの第2端(46)は、隣のリターン・スプリング(29)の第2リング(43)上に留まる
    ことを特徴とする請求項2記載の装置。
  4. 前記各レバー(14、15、16)は、前記キャリッジ(2)の回転軸(10)を中心にした円弧の形状の外側エッジ(18、19、20)を有する
    ことを特徴とする請求項2記載の装置。
  5. 前記レバー(14、15、16)の外側エッジ(18、19、20)は、前記キャリッジ(2)のピラー(4)上方に配置される
    ことを特徴とする請求項4記載の装置。
  6. 前記レバー(14、15、16)の外側エッジ(18、19、20)に面して、前記シュウ(17)は、凹部面(56)を有し、
    前記凹部面(56)は、前記外側エッジに当たり、2つの隣り合うレバーのギャップ(57)よりも長い
    ことを特徴とする請求項2記載の装置。
  7. 前記レバー(14、15、16)の静止位置は、前記キャリッジ(2)の一部を構成する停止部材(47、48、49)により決定され、
    前記レバー(14、15、16)のパッド(23、24、25)は、前記停止部材に当たる
    ことを特徴とする請求項2記載の装置。
  8. 前記シュウ(17)は、テール(50)を有し、
    前記テール(50)は、時計のプレートに含まれる凹部(51)内をスライドし、
    前記テール(50)の端部は、時間設定ステム(26)により制御されるオシドリ(53)により制御される接続ロッド(52)に取り付けられ、
    前記オシドリ(53)は、ジャンパー・スプリング(54)に作用して、時間設定ステム(26)の押し込み位置と引き出し位置を規定する
    ことを特徴とする請求項2記載の装置。
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