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JP4336725B2 - インクジェット装置およびその制御方法 - Google Patents

インクジェット装置およびその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェットヘッドから微小液滴を吐出するインクジェット装置に関し、より詳細には、インクジェット装置に備えられている、インクを供給するシステムに関する。
インクジェットヘッドを用いて微小量の種々のインクを吐出するインクジェット装置は、民生用のプリンタとして広く普及している。さらに、近年、インクジェット装置は、産業用途の製造装置として注目されている。例えば、インクジェット装置は、液晶表示装置の製造に使用する装置としての適用が期待されている。より詳細には、液晶表示装置の製造工程の内、フォトリソグラフィ技術を用いて行われていた工程にインクジェット装置を導入することが期待されている。
従来、フォトリソグラフィ技術を用いて行われていた工程としては、例えば、カラーフィルタにおける画素を形成する工程、および液晶層を一定の厚さに形成するためのスペーサを形成する工程などが挙げられる。2つの上記工程を、インクジェット装置を用いて行えば、液晶表示装置の製造コストの削減が見込まれる。インクジェット装置を用いて基板上に画素を形成するには、赤、青および緑の3種類のインクを基板上の微小な領域へ塗布すればよい。また、インクジェット装置を用いて上記スペーサを形成するには、ビーズを含有するインクを基板上に所定の量だけ塗布すればよい。
ここで、上述のようなビーズを含有するインクは、直径数μm程度の樹脂製のビーズを溶媒中に分散させたインクである。このため、ビーズを含有するインクを長時間滞留させておくと、溶媒中に分散しているビーズが沈降または凝集することがある。ビーズが沈降または凝集すると、インクジェットヘッドにインク供給を行う配管内、またはインクジェットヘッド内部などにおいてビーズが詰まることがある。インクジェット装置内においてビーズが詰まると、インクジェットヘッドによるインクの吐出動作が不安定になる。このほかにも、ビーズが沈降または凝集すると、インクに含まれるビーズの密度が局所的に変化する。このため、1滴のインクに含まれるビーズの数にばらつきが生じる。つまり、吐出するインクの滴数を揃えても、対象物に付着するビーズの数が場所によって大きく変わってしまうことがある。結果として、所望の領域に所望の機能を有するスペーサを形成することが困難になる。
インク成分の沈降または凝集に起因する上述のような問題は、ビーズを含有するインクに限って生じる訳ではない。インク成分の沈降または凝集は、インクの主溶媒との比重が大きく異なる、または比較的大きい固形成分を含有するインクにおいて生じ易い。このため、例えば、顔料を含有するインク、または金属を含有するインク等においても同様の問題が発生する。
したがって、上述のような固形成分を含有するインクを、インクジェット装置によって、対象物へ適切に塗布するためには、固形成分の沈降または凝集を防ぐ措置が必要である。固形成分の沈降または凝集を防ぐ措置としては、例えば、固形成分が沈降または凝集する時間よりも短い間隔を空けて、または常にインクを流動させて、インクを攪拌することなどが挙げられる。
特許文献1には、インクジェット塗装時にインクを常時流動させ、インク中の顔料成分が沈降するのを防止するための技術が開示されている。特許文献1のインクジェット塗装装置(インクジェット装置)には、インクを溜め置くインク貯留部と、インクを噴射するインク室とをつなぐインク供給路(インク流路)にポンプが配設され、かつポンプからインク貯留部に第1インク返送路が設けられるとともに、インク室からインク貯留部に第2インク返送路が設けられている。上記インクジェット装置は、上記構成によって、インクジェット塗装時に、ポンプの作動によって加圧状態にあるインクをインク貯留部からインク室に供給し、供給したインクによってインク室を充填する一方、インク貯留部からのインクの一部をインク室に供給せずに、第1インク返送路を通じてインク貯留部に返送し、かつインク室内に供給したインクの一部を第2インク返送路を通じてインク貯留部に返送する。よって、上記インクジェット装置は、インクを常時循環流動させることができるため、インク中の顔料成分が沈降するのを防止することができる。
また、特許文献2には、インクジェット式記録ヘッド(インクジェットヘッド)の第1インク導入口がチューブによりカートリッジに収容されているインク袋に接続され、サブタンクがインクジェットヘッドの第2インク導入口とチューブにより接続されているインクジェット式記録装置(インクジェット装置)が開示されている。さらに、上記インクジェット装置において、カートリッジ6は、エアポンプ40と接続され、キャリッジとカートリッジとは高低差を有するように配置されている。このため、エアポンプによってカートリッジを加圧すると、インクはサブタンクに流入し、エアポンプがインクによって満たされると、インクは水頭差によってカートリッジに逆流する。よって、安定してインクを吐出し、インクジェットヘッドにおける気泡の排除、インクの造膜、およびインクの粘度の増加を防止することができる。
なお、特許文献2には固形成分の沈降を抑制するという効果について記載されていないが、上記インクジェット装置において、キャリッジとカートリッジとの間をインクが往復する。このため、インクが攪拌されて固形成分の沈降を抑制することができると考えられる。
特開2003−53213号公報(平成15年2月25日公開) 特開平10−114081号公報(平成10年5月6日公開)
特許文献1に記載のインクジェット装置において、インク貯留部とインク室とを繋ぐインク流路にインクを送るポンプが配置されている。インクを送るポンプとしては、通常、ダイヤフラムポンプまたはチューブポンプなどが使用される。
ダイヤフラムポンプは、ダイヤフラムを駆動して、一定量の液体を吸引し、かつ排出する。ダイヤフラムの駆動によって送り出すべき液体を吸引するとき、液体の流路内の圧力が低下する。ダイヤフラムの駆動によって送り出すべき液体を排出するとき、液体の流路内の圧力が上昇する。つまり、ダイヤフラムポンプを用いて液体を移動させると、周期的に液体の流路内の圧力が上下動する。
チューブポンプは、ローラなどの押圧部材を用いてチューブを押しつぶし、長さ方向へしごくという動作によって、チューブ内の液体を移動させる。そして、チューブが押圧部材から離れると、復元したチューブに液体が流入する。これらの動作を繰り返して、チューブポンプは、チューブ内の液体を移動させる。このため、チューブ内の液体は、断続的に一定量だけ脈打つようにして移動する。よって、ダイヤフラムポンプと同様に、チューブポンプにおいても、チューブ内の液体の圧力が周期的に上下動する。なお、チューブポンプを用いれば、液体はチューブとしか接触しないため、汚染のおそれが少ない。このため、インクジェット装置におけるインクを送るためのポンプとしては、チューブポンプが使用されることが多い。
以上のように、インク室と繋がっているインク流路に、チューブポンプのような圧力の変動を生じるポンプを配置すると、ポンプの動作による圧力の変動がインク流路内のインクに伝わる。上記圧力の変動によって、インク噴射口であるノズルにおいてインクが形成しているメニスカスが破られる。結果として、ノズルからインクがこぼれる、またはノズルから外気が侵入するおそれがある。よって、特許文献1に記載のインクジェット装置においては、ノズルにおけるインクによって形成されているメニスカスを維持するための手段を講じる必要がある。
また、特許文献2に記載のインクジェット装置において、サブタンクからカートリッジにインクを戻すために、水頭差を利用している。このため、サブタンクは、カートリッジの上方に配置しなければならない。さらに、サブタンクからカートリッジへ戻るインクの流速は、サブタンクとカートリッジとの間の高低差に依存する。つまり、インクジェット
装置の主要な構成の配置に多くの制限が加えられる。
例えば、インクを所望の流速によってサブタンクからカートリッジへ戻すためには、サブタンクからインクジェットヘッドまでの流路抵抗の大きさ、およびサブタンクとカートリッジとの間の高低差を考慮して配置しなければならない。つまり、装置の主要な構成の配置をあらかじめ設計し、インクの流速を最適化する必要がある。特に、インク流路の流路抵抗が高い場合、所望の流速を実現するためには、サブタンクとカートリッジとの間の高低差を大きくせざるを得ない。よって、インクの流速を最適化するために装置を大型化しなければならないなど、構成要素のそれぞれを別個に設計および配置することが困難である。
さらに、完成した後のインクジェット装置において、状況に応じてインクの流速を変更することが困難である。よって、インクの流速を変更するには、ふたたび、装置全体の構成を再設計し、大幅な改造を施す必要がある。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、インクを安定して吐出し、かつ自由度の高い設計が可能なインクジェット装置およびインクジェット装置の制御方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のインクジェット装置は、
インクを吐出するインクジェットヘッドを備えるインクジェット装置であって、
可撓性を有するインク貯留部を内部に個別に収め、かつ内部の圧力を制御可能な複数の密閉容器と、
上記インクジェットヘッドを介して、複数の上記インク貯留部のそれぞれを互いに繋ぐ第1のインク流路と、
をさらに備えている。
上記構成において、密閉容器内部の圧力(以下、“密閉容器の圧力”と記載する)のそれぞれは、制御される(変化する)。密閉容器の圧力の変化は、密閉容器に収められている可撓性を有するインク貯留部に作用する。例えば、一方の密閉容器の圧力がをもう一方の密閉容器の圧力に比べて上昇すると、一方の密閉容器内に配置したインク貯留部内部のインクを押し出す作用が働き、インクは、1つのインク貯留部からもう1つのインク貯留部へ送り出される。
ここで、密閉容器の圧力は、例えば密閉容器の圧力を検知する圧力センサ、および密閉容器内の圧力を変化させるポンプを用いて制御可能である。ここで、密閉容器の圧力を変化させるポンプは、密閉容器内の空気などの流体を移動させる機能を有するポンプである。このようなポンプを、例えば、複数の密閉容器のそれぞれに1つずつ配置して、密閉容器内部とその外部とにおける空気を移動させることによって密閉容器内部の圧力を変化させることができる。また、例えば、このようなポンプを、2つの密閉容器と接続して、1つの密閉容器からもう1つの密閉容器へ、またはその逆方向へ流体(気体など)を移動するような構成を採っても良い。
以上のことから、上記構成において、インクは、1つのインク貯留部ともう1つのインク貯留部との間(第1のインク流路)を、インクジェットヘッドを通過して行き来することができる。そして、インクは、第1のインク流路を行き来することによって、攪拌される。このため、インクに沈降または凝集し易い固形成分が含まれていたとしても、上記固形成分は、インク中において均一に分散した状態を維持している。つまり、インクジェットヘッドに送られたインクは、常に一定の濃度の固形成分を含有している。よって、インクジェットヘッドの吐出口(ノズル)に上記固形成分が詰まったり、ノズルから吐出されたインクの成分にばらつきが生じたりしない。言い換えると、ノズルおよびインクを良好な状態に維持し続けることができる。結果として、上記インクジェット装置は、所望の量(または数)の成分を含有するインクを、常に精度よく対象物に吐出することができる。
また、インク貯留部は、可撓性を有しているため、圧力の変動または物理的な衝撃などを吸収または減衰させる緩衝材としても機能する。このため、例えば、第1のインク流路以外のインク流路にポンプが配置されていても、第1のインク流路に急激な圧力の変動または衝撃が伝わることがない。つまり、第1のインク流路は、インク貯留部によって、外部または他の構成からの衝撃または圧力の変動から保護されている。
また、例えば、ポンプを用いて2つの密閉容器の圧力差を大きく設定すれば、第1のインク流路を移動するインクの流速を速くすることができる。一方、ポンプを用いて2つの密閉容器の圧力差を小さく設定すれば、第1のインク流路を移動するインクの流速を遅くすることができる。つまり、圧力制御が可能な2つの密閉容器を用いて、第1のインク流路を流れるインクの流速を自由に変えることができる。言い換えると、第1のインク流路を流れるインクの流速を、装置の設計上の問題(構成要素の配置または形状など)と切り離して設定することができる。よって、構成要素の配置または形状についての選択範囲が非常に幅広く、自由度の高い設計が可能である。
以上のことから、上記構成を有することによって、インクを安定して吐出し、かつ自由度の高い設計が可能なインクジェット装置を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明のインクジェット装置において、
複数の上記インク貯留部のそれぞれを互いに繋ぐ第2のインク流路と、
上記第1のインク流路および上記第2のインク流路のそれぞれに、少なくとも1つずつのインク流路を開閉する開閉部と、
をさらに備えていることが好ましい。
上記構成において、第2のインク流路とは、例えば、インクジェットヘッドを介さずに、インク貯留部の内部を繋ぐインクの流路である。この場合に、まず、第1のインク流路に形成された開閉手段を閉じて、第1のインク流路を閉じる。そして、第2のインク流路に形成された開閉手段を開いて、第2のインク流路を開く。この状態において、1つの密閉容器からもう1つの密閉容器にインクが移動するように、密閉容器の圧力を変化させる。このとき、インクは、第1のインク流路を流れずに、第2のインク流路を流れる。つまり、インクはインクジェットヘッドを通過しない。このため、ノズルにおけるインクのメニスカスを維持することを考慮しなくてもよい。よって、2つの密閉容器の間の圧力差を大きくして、インクの流速を上げても不具合が生じない。インクの流速を上げることができるので、インクに含まれる固形成分をより十分に攪拌することができる。
また、上述のように、開閉手段を用いてインクを流す流路として、第1のインク流路または第2のインク流路のいずれかを選択することができる。ここで、例えば、第1のインク流路を、1つのインク貯留部からもう1つのインク貯留部へインクを送る流路としてのみ使用する。一方、第2のインク流路を、もう1つのインク貯留部から1つのインク貯留部へインクを送る流路としてのみ使用する。この場合、インクは、2つのインク流路を通って、2つのインク貯留部の間を一定の方向に循環することができる。インクが循環する方向を一定にすることによって、以下のような問題を解決することができる。
例えば、インクが第1のインク流路を往復して、2つのインク貯留部を行き来する場合、第1のインク流路の全体におけるインクの圧力を一定に維持するための制御が複雑になることがある。第1のインク流路の内、(a)1つのインク貯留部とインクジェットヘッドとの間、および(b)もう1つのインク貯留部とインクジェットヘッドとの間のインクの流れに対する抵抗(以下、“流路抵抗”と記載する)が等しくない場合を例にして、上記問題について説明する。
上述のように、流路抵抗が(a)および(b)の間において等しくない場合に、1つの密閉容器の圧力をP1に設定し、かつもう1つの密閉容器の圧力をP2に設定する(P1>P2)。これにより、1つのインク貯留部からもう1つのインク貯留部にインクが送られる(往路)。つづいて、1つの密閉容器の圧力をP2に設定し、かつもう1つの密閉容器の圧力をP1に設定する。これにより、もう1つのインク貯留部から1つのインク貯留部にインクが送られる(復路)。2つの上記操作を同じ時間だけ行ったとすると、インクの流量は、往路と復路と間において等しい。しかし、1つのインク貯留部からインクジェットヘッドのノズルまでの流路抵抗と、該インクジェットヘッドのノズルからもう1つのインク貯留部までの流路抵抗とが完全に一致しない限り、往路と復路との間には、流路抵抗に基づく圧力損失の過程に差がある。このため、インクジェットヘッドのノズルにおいてインクの圧力に差が生じる。このとき、インクジェットヘッドのノズルにおいて形成されるメニスカスの位置がずれるため、ノズルから吐出されるインクの体積が変動するおそれがある。
したがって、送液方向が往路または復路のいずれの方向であっても、インクジェットヘッドを動作させる場合には、上記2つの流路抵抗の差を求める必要がある。求めた流路抵抗の差に基づく圧力損失の過程を考慮して、送液時における第1のインク貯留部に加える圧力と第2のインク貯留部に加える圧力とを制御する必要がある。よって、送液時におけるインク貯留部(または密閉容器)の圧力の制御が複雑になる。また、往路と復路とにおける流路抵抗の計測に含まれる誤差成分は、インクジェットヘッドにおける圧力変化を引き起こす成分となる。
以上のような理由から、第2のインク流路をさらに設けて、インクを一定方向に循環させることによって、装置の制御を簡略化する、または無駄な動作に代えてインクの攪拌を効率的に行う動作を行うことができる。また、インクが一定方向に循環するので、インクに混じった不純物を取り除くフィルタを一箇所に設ければよいので、構成を簡略化することができる。
また、本発明のインクジェット装置において、
複数の上記インク貯留部のいずれかにインクを補給するインク補給部とをさらに備え、
上記インク補給部は、上記第2のインク流路を介して、複数の上記インク貯留部と繋がっており、
上記第2のインク流路の上記インク補給部の前後には上記開閉部が設けられていることが好ましい。
上記構成において、インク補給部を備えているため、インク貯留部には、多量のインクを貯留しておく必要がない。よって、インク貯留部を小型化することができる。インク貯留部の小型化に伴い、密閉容器も小型化することできる。特に、密閉容器は、内部と外部との圧力差に耐え得る堅牢な構造が要求されるため、大きな重量を有している。よって、密閉容器の小型化は、同時に軽量化にも繋がる。さらに、密閉容器の容積が小さくなるので、圧力制御に要する構成の小型化および低電力化も実現できる。言い換えると、インク貯留部、密閉容器および圧力制御部は、実質的に、インクジェットヘッドにインクを供給するための構成であればよく、インクの流速の設定およびインクの循環などを行うことができる構成であればよい。
ここで、例えば、2つの密閉容器のいずれか一方をインクカートリッジとして用いる場合、密閉容器の着脱のために、密閉容器と他の構成(圧力制御部および複数のインク流路など)とが着脱可能な状態において接続されている必要がある。このため、密閉容器と他の構成との接続箇所における形状などが複雑になり易い。上述のように、上記構成において、インク貯留部にインクを補給するインク補給部を備えているため、密閉容器と他の構成とが着脱可能に接続されている必要がない。よって、密閉容器と他の構成とをより自由に設計することができる。
また、インク補給部において、安定した吐出を行うための処理をインクに施してもよい。安定した吐出を行うための処理とは、インクを攪拌または脱気することなどである。インクの脱気は、インクの溶存空気を除去することである。空気を含み易いインクを使用すると、インクジェットヘッドによるインクの吐出時に気泡が生じやすい。気泡は、吐出不良の原因の1つであるため、インクに含まれる空気を除去することが好ましい。インクの攪拌または脱気によって、固形成分が均一に分散している、または余分な空気を含んでいないインクをインク貯留部に供給することができる。
なお、インク補給部は、密閉容器に収める必要がないため、インクを攪拌または脱気するための構成の追加を容易に行うことができる。具体的には、インク補給部に機械的な振動を加えて攪拌する構成を容易に付加することができる。さらに、上記構成において、インク補給部を挟む2つの開閉部を閉じれば、インク補給部におけるインクの圧力の変動は、インクジェットヘッドに伝わらない。よって、第1の流路にインクを流しながら、インクの脱気または攪拌などの動作を行うことができる。
さらに、上記構成を有することによって、第2のインク流路を通って戻ってきたインクを脱気または攪拌することができる。よって、インクジェットヘッドによる吐出時にインクが気泡を含んでしまった場合であっても、インクを安定した吐出に適した状態に戻すことができる。つまり、第2のインク流路を用いたインクの攪拌または脱気などという動作と同時に、インクの補給を行うことができる。
また、本発明のインクジェット装置において、
複数の上記インク貯留部のいずれかにインクを補給するインク補給部と、
上記インク補給部と複数の上記インク貯留部のいずれかとを互いに繋ぐ第3のインク流路と、
上記第3のインク流路を開閉する開閉部と、
をさらに備えていることが好ましい。
上記構成において、インク補給部をさらに備えているため、上述のような理由によって、密閉容器の小型化および軽量化、ならびに圧力制御に要する構成の小型化および低電力化を実現することができる。また、密閉容器と他の構成とをより自由に設計することができる。また、インクを攪拌または脱気するための構成の追加を容易に行うことができる。
さらに、第3のインク流路は、インク補給部からインク貯留部へ必要な量のインクを供給するための流路としてのみ使用すればよい。よって、第2のインク流路にインク補給部を設ける場合と比較して、インク流路のそれぞれと他の構成とを複雑に接続する必要がなくなる。なお、第1のインク流路において、インクを循環させているときには、例えば、第3のインク流路を開閉手段によって閉じればよい。
また、本発明のインクジェット装置において、
上記インク補給部の容積は、複数の上記インク貯留部の容積のいずれよりも大きいことが好ましい。
インク貯留部の容積を大きくすれば、インクの攪拌または脱気などの処理を、装置全体が有する大部分のインクに対して施すことができる。よって、上記処理を効率的に行うことができる。
また、上述のように、インク貯留部を、インクジェットヘッドにインクを送ることを主たる目的とする構成として用いることができる。よって、インクを送る流速、または第2のインク流路を用いてインクを戻すタイミングなど、インクジェットヘッドへのインク供給に要求される条件に応じてインク容量を決定すればよい。つまり、大きな容量を有するインク貯留部を用いる必要がない。結果として、第1のインク貯留部を内部に配置する圧力制御可能な密閉容器を小型化することができる。
密閉容器には、大気圧からみて、負圧または正圧に耐える構造が要求される。つまり、密閉容器は、比較的に堅牢な容器であることが求められるため、重量が大きくなる傾向にある。ここで、上述のように、小型のインク貯留部を採用することができるので、密閉容器が有する内部空間を小さくしてもよい。つまり、密閉容器を小型に設計することによって、軽量化が可能になる。
さらに、インク補給部の容量を比較的大きくすることによって、インク消費に伴うインクの充填、またはインク貯留部そのものを交換する作業の頻度を下げることができる。
また、本発明のインクジェット装置において、
上記インク補給部のインクに含まれる気体を除去する脱気部をさらに備えていることが好ましい。
上記構成によれば、インク補給部内にあるインクの溶存空気は、脱気部へと移送され、当該脱気部において除去される。また、脱気部におけるインクに含まれる空気の除去は、例えば、第1のインク流路によって、1つのインク貯留部からもう1つのインク貯留部へインクを送る(インクジェットヘッドにインクを供給する)という動作と独立して、同時に行うことができる。これは、第2または第3のインク流路に形成された開閉手段を閉じることによって、インク補給部とインク貯留部との間におけるインクの行き来が遮断されるためである。そして、上記インクジェットヘッドにインクを供給するという動作と、上記インク補給部内にあるインクを脱気部へ移送するという動作とを独立して行うことができるので、インクジェットヘッドへのインクの供給時におけるインクの流速と、インク補給部におけるインクの脱気時におけるインクの流速とのそれぞれを、独立に所望の速度に制御することができる。つまり、インクジェットヘッドへのインクの供給には、インクに含まれる固形成分を均一に分散させるために適切な流速に設定する。一方、インク補給部におけるインクの脱気には、効率的にインクに含まれる空気を除去するための流速に設定する。
以上のことから、インクを安定した吐出に適する状態に維持することが容易なインクジェット装置を提供することができる。
また、本発明のインクジェット装置において、
上記インク補給部には、上記インク補給部内のインクを攪拌する攪拌部が接続されていることが好ましい。
上記構成において、攪拌部としては、例えば、インク補給部を振動させることによってインク補給部内のインクを攪拌する構成などが挙げられる。このため、インク補給部内のインクにおいても、固形成分を均一に分散させることができる。もし、2つのインク貯留部の間においてインクを行き来させることだけでは、インクに含まれる固形成分が均一に分散されていなかったとしても、十分にインクを攪拌することができる。
ここで、インク補給部は、インク貯留部にインクを供給することができれば、配置する位置には制限がない。よって、攪拌部の動作によって生じる振動または圧力変動が第1のインク流路内にあるインクに伝わるような位置に、攪拌部が接続されたインク補給部を配置する必要がない。したがって、インク補給部の配置さえ考慮すれば、攪拌部によってインク補給部を激しく攪拌しても、インクジェットヘッドのノズルからインクが飛び出す、またはノズルから空気が侵入することはない。
よって、インクを安定した吐出に適する状態に維持することが容易なインクジェット装置を提供することができる。
また、本発明のインクジェット装置において、
複数の上記インク貯留部のそれぞれは、上記インクジェットヘッドのノズルよりも、鉛直方向に対して上方に配置されていることが好ましい。
インクジェット装置によるインクの吐出において、安定してインクを吐出するために、インクジェットヘッドのノズルにおいてインクが形成しているメニスカスが安定している必要がある。また、メニスカスは、ノズルよりも内部に凹んだ状態に維持されていることが、インクの安定した吐出には好ましい。メニスカスを上記状態に維持するには、外部の圧力(大気圧など)よりもノズルにおけるインクの圧力を低く(負に)設定する必要がある。
ここで、ノズルにおけるインクの圧力を負に設定するために水頭差を利用する場合、インク貯留部をノズルよりも低い位置にインク貯留部を配置する必要がある。通常、ノズルと被吐出物とは、1mm以下の間隔を空けて配置されている。このため、インク貯留部は、被吐出物を迂回してノズルの下方に配置されることとなる。特に、1辺が2m以上もある大型のガラス基板にインクを吐出する場合には、インクの流路が長大になる。このように、水頭差を利用すると、装置の配置に種々の制限が生じてしまう。
上述のように、本発明に係るインクジェット装置において、圧力制御部は、インク貯留部の位置に関わらず、2つのインク貯留部の圧力を自由に変えることができる。よって、インク貯留部の配置場所に関わらず、上記圧力を制御することによってメニスカスが安定している、所望の状態を保持させることができる。したがって、インクの吐出に必要な構成のすべてを、無理なくインクジェットヘッドよりも上方に配置することができる。結果として、インクジェット装置の構成を簡略化することができる。
また、本発明のインクジェット装置において、
複数の上記インク貯留部のそれぞれが、鉛直方向に対して等しい高さに配置されており、
複数の上記密閉容器のそれぞれを互いに繋ぐ気体の流路と、
上記気体の流路を開閉する開閉手段と、をさらに備えている
ことが好ましい。
上記構成において、2つのインク貯留部が同じ高さに配置されている。このため、2つのインク貯留部の間において、水頭差が生じない。そして、密閉容器が、開閉する気体の流路によって繋がっている。よって、開閉手段を開くと、2つの密閉容器内部の圧力は、同じになる。
ここで、インクジェット装置に何らかの異常が発生し、制御不能になったとする。このとき、2つの密閉容器の間の圧力差を放置すると、1つのインク貯留部にインクが流入しつづける。このため、1つのインク貯留部には、許容量を越えてインクが満たされるおそれがある。結果として、1つのインク貯留部への負荷が異常に増大して、インク貯留部の損傷に繋がり易い。
しかし、上記構成によって、インクジェット装置に何らかの異常が発生したときに開閉手段を開けば、2つの密閉容器の間における圧力差がなくなる。よって、2つのインク貯留部の間における、インク送り(インクの行き来)を速やかに停止させることができる。また、例えば、開閉手段として、電源OFF時に開く(ノーマリオープン)電磁弁を用いれば、停電時には自動的にインク送りが停止する。つまり、インクジェット装置が圧力の制御が不能な状態に陥っても、インク貯留部の破損を抑制することができる。
さらに、2つの密閉容器を大気に開放して2つの密閉容器の圧力を同じにした場合には、2つのインク貯留部における水頭差によってノズルからインクが漏れ出すおそれがある。しかし、上記構成において、2つのインク貯留部の間に水頭差が生じない。よって、2つの密閉容器内部の圧力の平均を、あらかじめ大気圧よりも低くなるように設定しておけば、開閉手段を開いてもノズルからインクが漏れ出すおそれがない。
また、本発明のインクジェット装置において、
上記第1のインク流路におけるインクの流れに抵抗を加える抵抗部をさらに備えていることが好ましい。
上記構成において、抵抗部とは、例えば、インク流路の他の箇所よりも狭まった箇所のような流路抵抗の高い箇所である。このため、抵抗部を挟んで両側にあるインク流路には、圧力差が生じる。また、抵抗部における流路抵抗が大きいほど、インク流路の全体における流路抵抗の大きさは、抵抗部における流路抵抗に近似していく。
ここで、例えば、1つのインク貯留部とインクジェットヘッドとの間には抵抗部を設けずに、もう1つのインク貯留部とインクジェットヘッドとの間に抵抗部を設けたとする。このとき、1つのインク貯留部とインクジェットヘッドとの間の圧力損失は、ほとんど無視してもよい程度である。また、もう1つのインク貯留部とインクジェットヘッドとの間の圧力損失は、抵抗部による圧力損失にほぼ等しい。この状態において、圧力制御部を操作して、1つのインク貯留部からもう1つのインク貯留部にインクを移動させる。
このとき、1つのインク貯留部からインクジェットヘッドを経て、抵抗部に至るまでのインク流路の圧力は、1つのインク貯留部の圧力に依存する。よって、1つのインク貯留部の圧力を変えることによって、インクジェットヘッドのノズルにおける圧力を制御することができる。1つのインク貯留部とノズルとの間の水頭差を考慮して、ノズルにおけるインクのメニスカスが維持されるように、1つのインク貯留部の圧力を設定すればよい。そして、もう1つのインク貯留部から抵抗部までのインク流路の圧力は、もう1つのインク貯留部の圧力に依存する。また、インクの流量は、1つのインク貯留部に対するもう1つのインク貯留部の圧力差によって、制御することができる。もう1つのインク貯留部の圧力を、所望のインクの流量が得られるように、1つのインク貯留部の圧力よりも低く設定する。通常、インクジェットヘッドを挟んで両側にあるインク流路間の流路抵抗の比がおよそ10倍になるように、抵抗部の流路抵抗を設定すれば、ノズルにおけるメニスカスの維持とインクの流量とを、別個のパラメータとして制御することができる。
以上をまとめると、ノズルにおけるメニスカスの維持には、1つのインク貯留部の圧力を、インクの流量を決定するには、もう1つのインク貯留部の圧力を、それぞれ別個に制御すればよい。すなわち、安定してインクを吐出するための、圧力の設定が容易である。
また、本発明のインクジェット装置において、
複数の上記密閉容器のそれぞれに対応して、同数の圧力制御部が設けられていることが好ましい。
上記構成を有することによって、圧力制御部として種々の構成を用いて、2つの密閉容器の圧力を独立して制御することができる。
本発明のインクジェット装置の制御方法は、上記課題を解決するために、
上記インクジェット装置の制御方法であって、
上記密閉容器の間に圧力差を生じさせることによって、上記第1のインク流路によって上記インクを送液させながら、上記インクジェットヘッドを動作させて上記インクを吐出させるステップ
を包含する。
上記構成において、圧力制御部が複数の密閉容器の間に圧力差を生じさせることによって、1つのインク貯留部からもう1つのインク貯留部に向かって、インクが第1のインク流路およびインクジェットヘッドを移動する(インクが送液される)。よって、インクジェットヘッドの動作によって吐出されるインクは、1つのインク貯留部からもう1つのインク貯留部へ送られているインクである。つまり、インクジェットヘッドの動作によって吐出されるインクは、常に、攪拌された状態である。よって、固形成分が均一に分散しているインクを、長時間に渡って安定して吐出することができる。このように、上記インクジェット装置と同様の効果を奏する。
また、本発明のインクジェット装置の制御方法は、
上記インクジェット装置の制御方法であって、
上記開閉手段によって上記第2のインク流路を閉じて、一方の上記インク貯留部から他方の上記インク貯留部に対して、上記第1のインク流路にインクを流しながら、インクジェットヘッドを動作させてインクを吐出するステップと、
上記開閉手段によって上記第1のインク流路を閉じて、他方の上記インク貯留部から一方の上記インク貯留部に対して、上記第2のインク流路にインクを流すステップと、
を包含することが好ましい。
上記構成を有することによって、少なくともインクジェットヘッドにインクを供給する際、送液方向を一方向に規定することができる。すなわち、上記構成によって、インクジェットヘッドのノズルにおけるインクの圧力を一定に維持することが容易となる。
また、各ステップにおいてインクの流速を変化させて送液を行うことができる。よって、各ステップにおける送液速度(インクの流速)を最適化することができる。
また、本発明のインクジェット装置の制御方法において、
上記第2のインク流路を流れるインクの流速が、上記第1のインク流路を流れるインクの流速よりも速いことが好ましい。
第1のインク流路によってインクを送液させるステップにおいては、インクジェットヘッドを動作させながらインクを送液する。このため、送液に伴って生じる圧力損失を抑えるべきである。上記ステップにおいては第1のインク流路におけるインク中の固形成分の沈降が抑制できるレベルの送液速度を設定すれば良い。
しかし、このような送液速度では、一方のインク袋内のインクが十分に攪拌されない場合がある。この場合、第2のインク流路によって他方のインク袋内のインクを一方のインク袋に戻すステップにおいて、インクの送液速度を上げて設定すれば良い。十分な送液速度によって一方のインク袋にインクを送液することによって、一方のインク袋内のインクを十分に攪拌することができる。なお、他方のインク袋内のインクを第2のインク流路によって一方のインク袋に戻すステップは、インクジェットヘッドの動作を行わないステップである。上記のように、インク送液速度を上げれば迅速に次のステップに移行できるので、インクジェット動作を行わない非実行時間を短縮させ、稼働率を上げるという効果も奏する。
また、本発明のインクジェット装置の制御方法において、
上記第2のインク流路にインクを流すステップは、上記第2のインク流路の少なくとも一部において上記インクの送液方向を逆転させることによって、上記一方のインク貯留部から上記他方のインク貯留部に対して上記インクを流すステップをさらに含んでいることが好ましい。
上記構成は、他方のインク貯留部から一方のインク貯留部にインクを送る過程の一部として、送液方向を逆転させて、一方のインク貯留部から他方のインク貯留部にインクを送ることを含んでいる。例えば、第2のインク流路を用いて、他方のインク貯留部から一方のインク貯留部にある量のインクを送り、かつ他方のインク貯留部から一方のインク貯留部に同じ量のインクを送る動作などを含んでいる。上記動作において、他方のインク貯留部に高速に送液することができるので、他方のインク貯留部におけるインクを十分に攪拌することができる。
なお、上記動作が完了したとき、一方のインク貯留部に所望の量のインクが送られている。そして、インクジェットヘッドにインクを供給するときの送液方向は一定である。よって、インクジェットヘッドによるインク吐出時に、ノズルにおけるインクの圧力を安定した状態に維持することができる。
以上のように、本発明のインクジェット装置は、可撓性を有するインク貯留部が収められている、複数の密閉容器を備えているので、インク貯留部内の圧力をそれぞれ独立して制御することができる。これによって、インクを安定して吐出し、かつ自由度の高い設計が可能であるという効果を奏する。
本発明に係る実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。以下の説明において同一の部材および構成要素のそれぞれには、同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下の実施形態は、本発明を容易に理解するための例示であって、本発明を限定するものではない。本発明は、添付の特許請求の範囲に示されている範囲内において、その等価物および種々に変更したものを含む。
〔実施の形態1〕
本発明に係る実施形態のインクジェット装置10について、図1〜図3を用いて以下に説明する。図1は、インクジェット装置10の構成を示す斜視図である。図2は、インク供給ユニット4の内部構成とインクジェットヘッド2との接続状態の一例を示すブロック図である。図3は、インク供給ユニット4の内部構成とインクジェットヘッド2との接続状態の他の例を示すブロック図である。
(インクジェット装置10)
図1に示すように、インクジェット装置10は、被処理物9を載置するステージ1、被処理物9にインクを吐出するインクジェットヘッド2、インクジェットヘッド2にインクを供給するインク供給ユニット4、インクジェットヘッド2とインク供給ユニット4とをx軸方向に移動させる駆動部3a、インクジェットヘッド2とインク供給ユニット4とをy軸方向に移動させる駆動部3b、およびインクジェットヘッド2を定期的にクリーニングするメンテナンスユニット5を備えている。インク供給ユニット4は、必要に応じて、インク供給路の洗浄液を貯留する容器および洗浄液を循環させるポンプ、あるいは廃液を溜める容器などを備えている。
さらに、インクジェットヘッド2、インク供給ユニット4、駆動部3aおよび駆動部3bは、コンピュータなどのコントロールユニットに接続されている(図示せず)。コントロールユニットは、インクジェットヘッド2によるインク吐出の制御、インク供給ユニット4のインクジェットヘッド2へのインクの供給、ならびに駆動部3aおよび3bの駆動を制御している。コントロールユニットからの制御信号に基づいて駆動部3aおよび3bが駆動し、インクジェットヘッド2が被処理物9の所望の位置と対向する位置に移動する。さらに、コントロールユニットからの制御信号に基づいて、インクジェットヘッド2は、被処理物9に所望の量のインクを吐出する。このようにして、インクジェット装置10は、被処理物9に対して所望のパターンを形成する。
ここで、インクジェット装置10は、インク供給ユニット4から、最適な状態のインクをインクジェットヘッド2に供給することによって、安定した吐出を実現している。インク供給ユニット4内部における、インクジェットヘッド2へのインクの供給経路について、図2を用いて以下に説明する。
(インク供給経路の構成)
図2に示すように、インク供給ユニット4は、第1のインク袋20a(インク貯留部)が収納された第1の容器21a(密閉容器)、第1の容器21a内の空気を出し入れするポンプ22a(圧力制御部)、第2のインク袋20b(インク貯留部)が収納された第2の容器21b(密閉容器)、第2の容器21b内の空気を出し入れするポンプ22b(圧力制御部)、および第1のインク袋20aにインクを供給する第3のインク袋24(インク貯留部)を備えている。第1のインク袋20aと第2のインク袋20bとの内部は、互いに、インクジェットヘッド2および2つの配管23a(第1のインク流路)によって繋がっている。さらに、第1のインク袋20aと第2のインク袋20bとの内部は、第3のインク袋(インク補給部)および2つの配管23b(第2のインク流路)によって繋がっている。第1の容器21aと第2の容器21bとは、配管23dによって繋がっている。2つの配管23bのそれぞれには、枝分かれした2つの配管23eによって、脱気モジュール27(脱気部)が繋がっている。
上記構成を有することによって、本実施形態のインク供給ユニット4において、インクは、第1のインク袋20aからインクジェットヘッド2を通って第2のインク袋20bに移動し、かつ第2のインク袋20bから第3のインク袋24を通って第1のインク袋20aに移動する。つまり、インクは、第1のインク袋20aと第2のインク袋20bとの間を一定方向に向かって、循環する。
(第1の容器21aおよび第2の容器21b)
第1の容器21aおよび第2の容器21b(以下、“2つの容器”と省略する)は、内部に気体が充填されている密閉容器である。そして、第1のインク袋20aおよび第2のインク袋20b(以下、“2つのインク袋”と省略する)は、内部にインクが充填された、可撓性を有する袋である。上述のように、2つの容器のそれぞれには、可撓性を有する1つのインク袋(第1のインク袋20aまたは第2のインク袋20b)が配置されている。さらに、2つの容器のそれぞれには、1つのポンプ(ポンプ20aまたはポンプ20b)と、容器内部の圧力を検知する1つの圧力センサ(圧力センサ30aまたは圧力センサ30b)とが接続されている。このため、2つの容器のそれぞれは、上記圧力センサによって容器内部の圧力を監視しながら、ポンプによって容器内部の圧力を変化させることができる。そして、2つの容器内部における圧力の変化に伴って、2つのインク袋内部の圧力が変化する。
さらに、第1のインク袋20a内部は、配管23aを介してインクジェットヘッド2と繋がっている。また、第2のインク袋20b内部は、配管23aを介してインクジェットヘッド2と繋がっている。つまり、2つのインク袋内部は、互いに、2つの配管23aおよびインクジェットヘッド2によって繋がっている。上述のように、2つの容器内部の圧力を変化させると、2つのインク袋内部の圧力が変化する。例えば、2つのポンプ22aおよび22bを用いて、第1の容器21aの圧力を上げ、かつ第2の容器21bの圧力を下げると、第1のインク袋20aの圧力が上がり、かつ第2のインク袋20bの圧力が下がる。2つのインク袋内部の圧力差にしたがって、インクは、2つの配管23aおよびインクジェットヘッド2を通って、第1のインク袋20aから第2のインク袋20bに送られる。
ここで、インクジェットヘッド2は、第1のインク袋20aから第2のインク袋20bに送られる途中のインクを、ノズルから吐出する。つまり、インクジェットヘッド2は、滞留しているインクではなく、移動しながら攪拌されているインクを吐出する。よって、インクの中に沈降または凝集し易い固形成分が含まれていたとしても、インクジェットヘッド2は、常に、固形成分が均一に分散している(一定の量または数の固形成分を含む)インクを吐出することができる。結果として、インクジェットヘッド2において、上記固形成分が詰まったり、吐出されたインクの成分にばらつきが生じたりしない。
さらに、上述のように、2つのインク袋の圧力は、2つの容器の圧力の変化に伴って、変化する。このため、例えば、チューブポンプなどを用いてインクを送る場合と比較して、インクジェットヘッド2に伝わる圧力の変動をほとんど無視することができる。よって、インクジェットヘッド2のノズルにおけるインクのメニスカスが破られることがない。つまり、ノズルからインクが漏れ出したり、ノズルから空気が入り込んだりすることがない。
また、2つのインク袋は、インクジェットヘッド2のノズルよりも、鉛直方向に対して上方に配置されている。ノズルと2つのインク袋との間にある水頭差によって、インクにはノズルの外に押し出す力が加わっている。しかし、上述のように、2つの容器に収納された2つのインク袋に加わる圧力は、2つのポンプによって制御されている。このため、2つのインク袋に加わる圧力を、装置外部の圧力(例えば、大気圧など)よりも低くすれば、ノズルにおけるインクによって形成されるメニスカスが安定する。よって、ノズルからインクが漏れ出すことはない。これとは逆に、2つのインク袋がノズルよりも下方に配置されている場合には、ノズルから空気が侵入するおそれがある。このときには、2つのインク袋に加わる圧力を装置外部の圧力よりも高くしてもよい。すなわち、2つのインク袋とノズルとの位置関係に制限を受けることなく、インク供給ユニット4の主要な構成を自由に配置することができる。
ここで、2つのポンプによって2つのインク袋の間に圧力差を生じさせれば、インクの漏れまたはノズルへの空気の侵入を抑制しつつ、インクジェットヘッド2に固形成分が均一に分散しているインクを供給することができる。つまり、本発明に係るインクジェット装置10は、上述のような構成を有していることによって、インクを安定して吐出し、かつ自由度の高い設計が可能である。
なお、インクを第1のインク袋20aから第2のインク袋20bに送るときには、2つの袋と第3のインク袋24とを繋ぐ2つの配管23bにそれぞれ設けられた、電磁弁25cおよび25dは閉じられている。
さらに、2つの容器は、鉛直方向に対して同じ高さに配置されている。そして、2つのインク袋は、鉛直方向に対して同じ高さに配置されている。このため、2つのインク袋の間には、水頭差が生じない。つまり、2つのインク袋の間に水頭差がないので、インクは2つの容器内部の圧力差のみに従って移動する。さらに、2つの容器内部は、電磁弁25eが設けられた配管23dによって繋がっている。電磁弁25eは、通常、上述のコントロールユニットからの制御信号によって開閉し、かつ装置の電源オフ時に弁が開いた状態になる、ノーマリオープン方式の弁である。このため、インクジェット装置10の異常動作または停電によって電源オフ状態になると、電磁弁25eが自動的に開いて、2つの容器内部の圧力が同じになる。例えば、2つのインク袋の間をインクが移動しているときに電源オフ状態になった場合には、2つの容器の圧力が等しくなると、インクを送る原動力がなくなってインクの移動が停止する。つまり、電源オフ時に一方のインク袋にインクが移動し続けて、インク袋に損傷を与えるようなことがない。
本発明に係る第1の容器21aおよび第2の容器21bは、内部に密閉空間を形成し、かつ内部の圧力に耐え得るものであればよく、従来公知の容器を使用すればよい。
本発明に係る第1のインク袋20aおよび第2のインク袋20bは、2つの容器内部の圧力を受けて、膨らむおよび萎む材料から構成されていればよい。また、2つのインク袋は、インク中に空気が溶け込まないように、通気性を有していない材料から構成されていることが好ましい。2つのインク袋としては、例えば、母材である袋状のポリエチレンフィルムをSiO膜によって覆った袋、あるいは、ナイロンフィルムまたはアルミ箔を積層した袋などが挙げられる。
本発明に係るポンプ22aおよび22bは、種々のポンプを使用することができるが、2つの容器内部の圧力を、大気圧を中心にして−10kPa〜+10kPaの範囲に変えることができる、チューブポンプであることが好ましい。
圧力センサ30aおよび30bは、特に限定されるわけではないが、大気圧を中心にして−10kPa〜+10kPaの範囲の圧力を検知することができるものが好ましい。
(流路抵抗成分28)
図2に示すように、第2のインク袋20bとインクジェットヘッド2とを繋ぐ配管23aには、流路抵抗成分28が形成されている。流路抵抗成分28は、例えば、配管23aよりも細い配管などである。つまり、流路抵抗成分28とは、配管23aよりもインクがスムーズに流れにくい構造を有していればよい。これによって、配管23a内部のインクには、流路抵抗成分28を境にして、圧力差が生じる。結果として、第2のインク袋20bとインクジェットヘッド2とを繋ぐ配管23aが有する流路抵抗は、第1のインク袋20aとインクジェットヘッド2とを繋ぐ配管23aが有する流路抵抗よりも高くなる。このとき、インクジェットヘッド2内部の圧力は、第1のインク袋20a内部の圧力にほぼ依存する。よって、第1のインク袋20a内部の圧力を、第1のインク袋20aとインクジェットヘッド2のノズルとの高さに応じて負に設定すれば、ノズルからのインクの漏れ、および空気の侵入を抑制することができる。一方において、第2のインク袋20b内部の圧力を、設定した第1のインク袋20a内部の圧力よりも低い圧力に設定すれば、インクが第1のインク袋20aから第2のインク袋20bに移動する。
まとめると、流路抵抗成分28を配管23aに設けた結果として、(1)インクジェットヘッド2のノズルにおけるインクの圧力を、1つのインク袋の圧力によって、(2)配管23aを流れるインクの流速を、2つのインク袋の間の圧力差によって、別個に制御することができる。よって、装置内部の制御を容易に行うことができる。
なお、本実施形態において、流路抵抗成分28は、第2のインク袋20bとインクジェットヘッド2との間に設けられているが、第1のインク袋20aとインクジェットヘッド2との間に設けられていてもよい。2つのインク袋の役割が逆になるだけなので、装置内部の制御が容易である点は変わらない。
また、インクジェットヘッド2のノズルの近傍には、フィルタが設けられていることが好ましい。これによって、インク中の固形成分よりも大きい異物を除去することができる。さらに、上記フィルタの流路抵抗が十分に高い場合には、流路抵抗成分28と同じ役割を果たすため、構成を簡略化することができる。なお、本実施形態のインクジェット装置10は、インクを第1のインク袋20aから第2のインク袋20bに移動させるための構成を有しているので、上記フィルタは、インクジェットヘッド2のノズルよりも第1のインク袋20a側に1つだけ形成すればよい。
なお、インクジェットヘッド2内部には、ノズルの他に配管23aからのインクが通過するインクの流路が設けられていればよい。上記インクの流路は、インク中の固形成分が沈降または凝集しないように、インクの流れが滞留しない形状(例えば、凹凸の少ない直線状など)であることが好ましい。
(第3のインク袋24)
図2に示すように、第3のインク袋24は、電磁弁25cを備える配管23bを介して、第1のインク袋20aと繋がっている。さらに、第3のインク袋24は、電磁弁25dおよび送液ポンプ31aを備える配管23bを介して、第2のインク袋20bと繋がっている。すなわち、第1のインク袋20aおよび第2のインク袋20b(インク貯留部)とを繋ぐ2つの配管23b(第2のインク流路)の間に、第3のインク袋24(第3のインク袋)が設けられている。さらに、第3のインク袋24は、インク流路を開閉する電磁弁25cおよびd(開閉部)に挟まれている。
また、第3のインク袋24は、第1のインク袋20aよりも上方に配置されている。このため、電磁弁25cが開くと、第3のインク袋24内のインクは、水頭差にしたがって第1のインク袋20aに供給される。
第3のインク袋24によって、第1のインク袋20aにインクが供給されるので、第1のインク袋20aおよび第2のインク袋20bは、容量が小さくてもよく、インクを循環させながら、インクジェットヘッド2にインクを供給する役割を果たせばよい。
ところで、第1のインク袋20aを内部に配置する第1の容器21a、および第2のインク袋20bを内部に配置する第2の容器21bの2つの容器は、耐圧性を実現するために堅牢な構造を有しているために、比較的に重量が大きい。ここで、上述のように第1のインク袋20aおよび第2のインク袋20bのインク容量を小さく設計すれば、2つの容器の小型化によって、インク供給ユニット4が軽量化される。第3のインク袋24による上述のような作用は、第3のインク袋24の容量を、例えば、第1のインク袋20aおよび第2のインク袋20bの容量よりも、大きくすることによって、さらに向上する。
なお、第1のインク袋20aへのインクの補給時には、第1のインク袋20aとインクジェットヘッド2との間にある配管23aの電磁弁25aは、閉じられている。これによって、インク補給によって発生する急激なインクの圧力の変動がインクジェットヘッド2に伝わることがない。
上述のように、第3のインク袋24は、電磁弁25dおよび送液ポンプ31aを備える配管23bを介して、第2のインク袋20bと繋がっている。電磁弁25dを開き、かつ送液ポンプ31aを作動させると、第2のインク袋20bのインクは、第3のインク袋24に送られる。よって、第3のインク袋24にインクを送り、かつ第3のインク袋24のインクを攪拌することができる。さらに、第3のインク袋24には、振動を発生する攪拌機26が接続されている。このため、第3のインク袋24のインクをさらに攪拌することができる。
以上のことから、第1のインク袋20aに十分に攪拌されたインクを供給することができる。よって、固形成分が均一に分散したインクをより確実にインクジェットヘッド2へ送ることができる。
上述のように、第3のインク袋24には、外部から直接に圧力を加える必要がない。さらに、第3のインク袋24に対して直接に振動などを与えても、インクの吐出に特に問題は生じない。第3のインク袋24としては、シール性(密閉性)に優れた袋であることが好ましい。
本実施形態においては、第1のインク袋20aと第3のインク袋24との間の水頭差を利用して、インクの補給を行っているが、これに限定されるものではない。例えば、第1のインク袋20aと第3のインク袋24との間にある配管23bに送液ポンプを設けて、インクの補給を行ってもよい。これによって、第3のインク袋24を第1のインク袋20aの上方に配置する必要がない。
また、本実施形態においては、第2のインク袋20bと第3のインク袋24との間にある配管23bに電磁弁25dを設けているが、電磁弁25dを設けなくてもよい。例えば、送液ポンプ31aとしてチューブポンプを用いた場合、チューブポンプを停止させれば、配管23bを閉じることができる。つまり、送液ポンプ31aが配管23bを開閉する手段として機能する。
さらに、第3のインク袋24は、攪拌機26上に配置されている。攪拌機26は、例えば、モータなどによって上下または前後左右に反復運動する。攪拌機26の運動によって、第3のインク袋24内のインクが攪拌される。よって、第1のインク袋20aへ十分に攪拌されたインクを供給することができる。
(脱気モジュール27)
2つの配管23bのそれぞれは、2つの配管23eと繋がっており、枝分かれしている。2つの配管23eの間には、脱気モジュール27が配置されている。脱気モジュール27は、インクに溶存している空気を除去する構成である。脱気モジュール27は、バッファタンク32と繋がっており、バッファタンク32は、圧力センサ30cおよび真空ポンプ33と繋がっている。脱気モジュール27とバッファタンク32と、バッファタンク32と圧力センサ30cと、およびバッファタンク32と真空ポンプ33とは、それぞれ配管によって繋がっている。2つの配管23eには、電磁弁25fおよびgが設けられている。バッファタンク32と真空ポンプ33とを繋ぐ配管には、電磁弁25hおよびiが設けられている。電磁弁25hは、真空ポンプ33停止時における、バッファタンク32の真空状態を維持する弁である。電磁弁25iは、バッファタンク32に外気を導入して、バッファタンク32内を大気圧に戻すための弁である。インクの脱気に関わる構成の詳細な動作については、後述する。
ここで、インクに空気が溶存していると、吐出時に気泡が生じやすい。ノズルにおいて生じる気泡は、不吐出の原因になる。よって、脱気モジュール27を備えていることによって、インクジェット装置10の吐出不良を抑制することができる。
なお、一方の配管23eには、送液ポンプ31bが設けられている。送液ポンプ31bによって、脱気モジュール27を通過するインクの流速が決まる。送液ポンプ31bは、脱気モジュール27の性能および許容されるインク中の空気の程度に応じて、インクの流速を設定することが好ましい。特に、インクを、速い速度によって脱気モジュール27を通過させると、インクにおける溶存空気を除去する効率が低下する。
例えば、脱気モジュール27としてMBS脱気モジュール−1600(株式会社潤工社製)を用いた場合、脱気モジュール27に4.8ml/分の流量(流速)の水を流すことによって、25℃の酸素の飽和水から80%の酸素を除去することができる。
また、真空ポンプ33は、効率的にインクの空気を除去できるように、脱気モジュール27の仕様に応じて、種類および性能を選択すればよい。真空ポンプ33には、通常、数kPa程度の低圧状態を生じさせる能力が要求される。真空ポンプ33としては、例えば、比較的に小型のダイヤフラムポンプDAP−6D(株式会社アルバック機工製)が挙げられる。また、圧力センサ16としては、大気圧〜数kPaの範囲の圧力を測定できるものであればよい。
ここで、配管23bおよび23eに設けられている送液ポンプ31aおよびbとしては、チューブポンプを使用することが好ましい。送液ポンプ31aおよびbとしてチューブポンプを用いれば、モータの回転方向を切替えることによって、容易にインクを順送りまたは逆送りにすることができる。よって、インクを送る方向を変更したい場合に、追加の構成などを必要としない。
本実施形態において使用されている、インクを送るための配管23a〜cおよびeの材料としては、ステンレスなどの金属、あるいはポリプロピレンまたはPFAなどの樹脂などが挙げられる。インクに含まれる固形成分の付着、またはインクによる配管の浸食などが起こらないように、インクの成分または性質に応じて、配管23a〜cおよびeの材料を、適宜選択すればよい。
また、本実施形態において使用されている電磁弁25a〜d、fおよびgは、インクジェット装置10の電源オフ時に弁が閉じた状態になるノーマリクローズ方式の弁である。これによって、インクジェット装置10の異常動作などによる電源オフ時には、電磁弁25a〜d、fおよびgが自動的に閉じて、3組の配管23a、bおよびeにおけるインク送りが速やかに停止する。制御不能な状態においてインクの移動が停止するので、ノズルからインクが垂れ落ちるといった不具合を防止することができる。
(インクジェット装置10の動作の一例)
上述のような構成を有するインクジェット装置10における、インクの補給、インクの循環、インクの脱気、およびインクの攪拌という動作について、以下に説明する。
(インクの補給)
インクの補給(充填)に関する動作は、電磁弁25a、c、gおよびfの開閉によって行われる。
電磁弁25a、fおよびgを閉じ、かつ電磁弁25cを開く。第3のインク袋24は第1のインク袋20aよりも上方に配置されているため、高低差に基づく水頭差にしたがって第3のインク袋24から第1のインク袋20aにインクが送られる。第1のインク袋20aに所望の量のインクを送り終わったとき、電磁弁25cを閉じる。これによって、インク補充が完了する。なお、インクジェットヘッド2からインクが漏れ出すなどの不具合が発生しなければ、電磁弁25aは開けたまま上記インク補充の動作を行っても良い。
上述のように、配管23bに送液ポンプをさらに設けて、上記送液ポンプを用いてインクを第3のインク袋24から第1のインク袋20aに送ってもよい。また、このとき、容量センサを用いて、第1のインク袋20aへのインクの補給を停止するタイミングを決定することが好ましい。第1のインク袋20aの容量を、例えば、光学的なセンサによって測定しながら、インクの補給を行えばよい。また、例えば、重量を測定する重量センサによって、第3のインク袋24におけるインク残量を測定しながらインクの補給を行っても良い。
(インクの循環)
第1のインク袋20aに補給されたインクは、
(1)第1のインク袋20aから、2つの配管23aとインクジェットヘッド2とを通って第2のインク袋20bに送られ、
(2)第2のインク袋20bから、配管23bを通って第3のインク袋24に送られ、
(3)第3のインク袋24から、配管23bを通って第1のインク袋20aに送られる。すなわち、インクは、第1のインク袋20a、第2のインク袋20b、および第3のインク袋24の間を循環する。(1)〜(3)のインク送り(送液)におけるインクジェット装置10の詳細な動作について以下に説明する。
((1)のインク送り)
(1)のインクの送りは、電磁弁25a〜e、ならびにポンプ22aおよびbの動作によって行われる。
まず、電磁弁25a〜eを閉じる。第1の容器21aの圧力よりも第2の容器21bの圧力が低くなるように設定する。例えば、ポンプ22aによって第1の容器21aの圧力を上げ、かつポンプ22bによって第2の容器21bの圧力を下げる。そして、第1の容器21aと第2の容器21bとの圧力が所望の圧力に到達した状態において、電磁弁25aおよびbを開く。これによって、2つの配管23aおよびインクジェットヘッド2における流路抵抗と、第1の容器21aと第2の容器21bとの間の圧力差にしたがって、インクは、一定の速度によって、第1のインク袋20aから第2のインク袋に移動する。
ここで、インクを移動させながら、インクジェットヘッド2からインクを吐出する。インクジェットヘッド2から吐出されるインクは、2つの配管23aおよびインクジェットヘッド2を移動しながら攪拌されているので、上記インクにおいて固形成分の沈降または凝集などが生じていない。よって、常に均一な成分からなるインクを吐出し、かつノズルのつまりを起こすことなく、良好な吐出状態を維持し続けることが可能である。なお、インク送りは、送液(インク送り)時間、または第2のインク袋20bの容量に基づいて、停止させればよい。例えば、容量センサを用いて、第2のインク袋20bが所望の容量に達したとき、インク送りを停止させればよい。例えば、電磁弁25aおよびbを閉じる、または電磁弁25eを開くことによって、インク送りは停止する。
ここで、(1)のインク送りにおける、第1の容器21aおよび第2の容器21bの圧力の設定の一例について以下に説明する。なお、第1のインク袋20aとインクジェットヘッド2との間の配管23aにおける、送液に伴う圧力損失は、第1のインク袋20aと第2のインク袋20bとの間における圧力損失に対して、十分に小さいものとする。
第1の容器21aの圧力は、第1のインク袋20aとインクジェットヘッド2との高低差に基づく水頭差分の圧力よりいくらか大きな負圧に設定する。例えば、インクの比重が1g/cmとすれば、上記高低差が50cmの場合は、水頭差分の圧力は約5kPaである。よって、第1のインク袋20aには、水頭差分の圧力よりも約0.2から2kPaだけ大きい負圧(約−5.2から−7.0kPa)に設定する。なお、水頭差分の圧力よりも約0.2から2kPa大きい圧力に設定するのは、ノズルにおけるインクが形成するメニスカスの位置を少しだけノズル内部に引き込むためである。これによって、インクジェットヘッド2によるインクの吐出が安定する。
次に、第1のインク袋20aと第2のインク袋20bとの間における流路抵抗のすべて、および所望するインク送りの速度に基づいて、第2の容器21bの圧力を設定する。なお、流路抵抗を正確に算出することが困難な場合は、インクジェット装置10を組み上げた状態において所望の流速となるように、第2の容器21bの圧力を設定すればよい。
なお、インクジェットヘッド2と第2のインク袋20bとの間には、流路抵抗成分28が設けられている。これによって、流路抵抗成分28における圧力損失は、第1のインク袋20aと第2のインク袋20bとの間におけるインク送りに伴う圧力損失の大部分を占める。すなわち、第1のインク袋20aからインクジェットヘッド2まで配管23aにおける圧力損失が小さくなる。これによって、上述のように、インクジェットヘッド2のノズルにおけるインクの圧力を、第1の容器21aによって制御することができる。第1の容器21aに設定する圧力を決定した後に、第2の容器21bの圧力を、インク送りの速度が所望の速度になるように設定すればよい。以上をまとめると、インクジェットヘッド2のノズルにおけるインクの圧力、およびインクの送りの速度を、第1の容器21aおよび第2の容器21bのそれぞれの圧力に基づいて別個に制御することができる。このため、第1の容器21aおよび第2の容器21bに対する圧力の設定が容易である。
なお、流路抵抗成分28を設けない場合には、第1の容器21aおよび第2の容器21bの間の流路抵抗が非常に小さくなる。このとき、第1の容器21aと第2の容器21bとに設定する圧力に大きな差を小さくせざるを得ない。これは、上記流路抵抗が小さいと、2つの容器の圧力差が小さくても、インク送りの速度が非常に大きくなるためである。よって、上記流路抵抗が小さいとき、2つの容器の圧力差を適切な範囲に収めることが困難な場合がある。したがって、2つの容器の圧力差の設定が容易になる程度にまで流路抵抗成分28を設けておくことが好ましい。
((2)および(3)のインク送り)
(2)および(3)のインク送りは、電磁弁25dを開き、電磁弁25a〜d、fおよびg、ならびに送液ポンプ31aの動作によって行われる。(2)および(3)のインク送りにおいて送られるインクは、(1)のインク送りのときインクジェットヘッド2から吐出されずに、第2のインク袋20bに送られたインクである。
(2)のインク送りにおいて、まず、電磁弁25c、fおよびgを閉じる。そして、送液ポンプ31aのモータを順方向に回転させて、所望の量のインクを第2のインク袋20bのインクを第3のインク袋24に送る。
なお、このとき、電磁弁25aおよびbは、閉じていてもよいが、電磁弁25aおよびbを開いて2つの配管およびインクジェットヘッド2にインクを流した状態でもよい。また、第1の容器21aと第2の容器21bとの間に圧力差がない状態において、電磁弁25aおよびbを開いていてもよい。このように、電磁弁25aおよびbを開いても、閉じてもよい。しかし、電磁弁25aおよびbの開閉によって生じる圧力変動が、インクジェットヘッド2のノズルにおけるメニスカスに悪影響を与える場合には、極力、電磁弁25aおよびbを開閉しないことが好ましい。
次に、電磁弁25a〜d、fおよびgはそのままにしておいて、送液ポンプ31aのモータを逆方向に回転させて、第3のインク袋24における所望の量のインクを第2のインク袋20bに送る。このとき、インクを送る速度を上げて、第2のインク袋20bにインクを送ってもよい。これによって、第2のインク袋20bにおけるインクを攪拌することができる。そして、ふたたび、送液ポンプ31aのモータを順方向に回転させて、所望の量のインクを第2のインク袋20bのインクを第3のインク袋24に送る。
以上のように、第2のインク袋20bから第3のインク袋24に、インクが送られる。本実施形態において、インクを、第2のインク袋20bと第3のインク袋24との間を1度、往復させた後、第2のインク袋20bから第3のインク袋24に送っている。ここで、インクを、第2のインク袋20bと第3のインク袋24との間を、何度も往復させてもよい。一方で、インクを、第2のインク袋20bと第3のインク袋24との間を往復させなくてもよい。インクを往復させるのは、インクを攪拌するためである。よって、インクに含まれる固形成分の沈降または凝集のし易さに合わせて、インクを往復させて攪拌すればよい。
(3)のインク送りにおいて、まず、送液ポンプ31aのモータを停止する。そして、電磁弁25dを閉じた後に、電磁弁25cを開く。以下の動作およびインクの移動は、(インクの補給)の項において説明した動作およびインクの移動と同じである。よって、詳細については、(インクの補給)の項を参照すればよい。
以上のように、インクは、(1)〜(3)のインク送りを経て、第1のインク袋20aに戻る。さらに、(1)〜(3)のインク送りを繰り返すことによって、常に、循環している。
(インクの脱気)
インクの脱気は、電磁弁c、d、およびf〜i、脱気モジュール27、圧力センサ30c、送液ポンプ31b、バッファタンク32、ならびに真空ポンプ33の動作によって行われる。なお、本実施形態においては、バッファタンク32内は、あらかじめ、圧力センサ30cによってモニターしながら、真空ポンプ33を用いて所望の圧力に下げられている。このため、電磁弁hおよびiは、閉じられたままであり、かつ圧力センサ30cおよび真空ポンプ33は、動作しない。
まず、電磁弁25cおよびdを閉じ、かつ電磁弁25fおよびgを開く。送液ポンプ31bのモータを順方向に回転させて、第3のインク袋24内のインクを、2つの配管23eおよび脱気モジュール27を通して、循環させる。インクが脱気モジュール27を通過するとき、脱気モジュール27に接続されたバッファタンク32を減圧することによって、脱気モジュール27内の細管(図示せず)を介して、インクの溶存空気が吸引される。脱気モジュール27を通過したインクは、脱気されて、所望の量にまで溶存空気の量が低下する。
上述のように、電磁弁25cおよびdが閉まっている状態であれば、インクの脱気を行うことができる。ここで、電磁弁25aおよびbは開いていてもよい。このため、(1)のインク送り(インクの吐出)と平行して、インクの脱気を行うことができる。つまり、インクジェット装置10は、インクを吐出しながら、インクを脱気することができる。よって、常に、インクに含まれる空気の量が少ない状態を維持し続けることができる。
また、例えば、インクジェット装置10において、第1のインク袋20a、または第2のインク袋20bなどのインクに多少の気体が溶け込んだとしても、(1)および(2)のインク送りによって、インクを第3のインク袋24に戻すことができる。さらに、第3のインク袋に戻したインクを、上述のように脱気することによって、インクに含まれる気体の量を低下させることができる。
また、例えば、インクジェットヘッド2のノズルから空気が侵入した場合であっても、脱気されたインクを速やかに送ることができる。よって、インクに含まれる空気の量が一時的に上昇しても、徐々に、吐出に適した量にまで空気の溶存量を低下させることができる。インクジェットヘッド2のノズルから空気が侵入するのは、例えば、電磁弁25aまたはbの開閉よって、インクジェットヘッド2のノズルにおけるメニスカスが破壊された場合などである。
なお、バッファタンク32内の圧力がインクの脱気に必要な範囲から外れたとき、圧力センサ30cによって圧力を測定しながら、真空ポンプ33によってふたたびバッファタンク32内の圧力を下げればよい。ただし、インクジェットヘッド2がインクを吐出しているときには、真空ポンプ33の動作に伴う振動が、インクの吐出に悪影響を及ぼすおそれがある。このため、インクの吐出時には、真空ポンプ33を作動させないほうがよい。一方、小型の送液ポンプ31bは作動させても影響が少ないので、インクの吐出時であっても、脱気モジュール27にインクを送って脱気を行ってもよい。
ここで、図2のインク供給ユニット4において、脱気モジュール27は、2つの配管23bから枝分かれした2つの配管23eの間に設けられている。しかし、脱気モジュール27の配置場所は、これに限定されるものではない。例えば、図3に示すように、2つの配管23eが、2つの配管23bとは独立して、第3のインク袋24と繋がっていてもよい。第3のインク袋24にさらに配管を接続することによって、(3)のインク送り(インクの補給)と平行してインクの脱気を行うことができる。すなわち、(1)〜(3)のインク送りを妨げずに、インクを脱気する時間を延長することができる。
(インクの攪拌)
インクの攪拌は、攪拌機26の動作によって行われる。
攪拌機26は、上述のように、上下または前後左右に反復運動する。攪拌機26の反復運動によって第3のインク袋24が振動する。よって、第3のインク袋24内のインクが攪拌される。真空ポンプ33の動作と同様に、攪拌機26および第3のインク袋24の振動が、インクジェットヘッド2によるインク吐出に悪影響を及ぼすおそれがある。よって、攪拌機26によるインクの攪拌は、インクの吐出時には行わないほうがよい。
本実施形態において、説明の便宜上、1つのインクジェットヘッド2が備えられている場合を例に説明しているが、2つの配管23aに対して並列または直列に、複数のインクジェットヘッド2を配置してもよい。インクジェットヘッド2の数および配置の方法は、用途に応じて適宜変更すればよい。
〔実施の形態2〕
本発明の一実施形態に係るインクジェット装置10について、図4および図5を参照して以下に説明する。図4は、インク供給ユニット4のインク供給ユニット4の内部構成とインクジェットヘッド2との接続状態の一例を示すブロック図である。図5は、インク供給ユニット4の内部構成とインクジェットヘッド2との接続状態の他の例を示すブロック図である。なお、実施の形態1のインクジェット装置10と本実施形態のインクジェット装置10とは、インク供給ユニット4の内部構成を除いて、すべて共通している。このため、本実施形態においては、インク供給ユニット4の内部構成についてのみ、以下に説明する。
(インク供給経路の構成)
図4に示すように、インク供給ユニット4は、第1のインク袋20a(インク貯留部)が収納された第1の容器21a(密閉容器)、第1の容器21a内の空気を出し入れするポンプ22a(圧力制御部)、第2のインク袋20b(インク貯留部)が収納された第2の容器21b(密閉容器)、第2の容器21b内の空気を出し入れするポンプ22b(圧力制御部)、および第1のインク袋20aにインクを供給する第3のインク袋24(インク補給部)を備えている。第1のインク袋20aと第2のインク袋20bとの内部は、互いに、インクジェットヘッド2および2つの配管23a(第1のインク流路)によって繋がっている。さらに、第1のインク袋20aと第2のインク袋20bとの内部は、配管23b(第2のインク流路)によって繋がっている。第1のインク袋20aと第3のインク袋24との内部は、配管23c(第3のインク流路)によって繋がっている。配管23cから枝分かれした配管23eおよび第3のインク袋24と直接に繋がっている配管23eの間には、脱気モジュール27(脱気部)が設けられている。
すなわち、本実施形態における、インクの供給経路は、
(a)第1のインク袋20aと第2のインク袋20bとが、配管23bおよび配管23aの一部を介して繋がっていること、
(b)第2のインク袋20bと第3のインク袋24とを繋ぐ配管を備えていないこと、および、
(c)脱気モジュール27が設けられている2つの配管23eの一方が、第3のインク袋24に直接に繋がっている、
という3点において、実施の形態1のインク供給経路とは、異なっている。
上記構成を有することによって、本実施形態のインク供給ユニット4において、インクは、第1のインク袋20aからインクジェットヘッド2を通って第2のインク袋20bに移動し、かつ第2のインク袋20bから配管23bおよび配管23aの一部を通って第1のインク袋20aに移動する。つまり、インクは、第1のインク袋20aと第2のインク袋20bとの間を一定方向に向かって、循環する。
以上のように、本実施形態のインク供給ユニット4において、本質的な動作は、実施の形態1と同じである。3つの上記差異によって生じる、装置の動作についての差異を以下に説明する。
(インクジェット装置10の動作の一例)
上述のような構成を有するインクジェット装置10における、インクの循環という動作について以下に説明する。なお、インクの脱気およびインクの攪拌という動作については、実施の形態1の(インクジェット装置10の動作の一例)の項を参照すればよい。
(インクの循環)
第1のインク20aに補給されたインクは、
(1)第1のインク袋20aから、2つの配管23aとインクジェットヘッド2とを通って第2のインク袋20bに送られ、
(2)第2のインク袋20bから配管23bおよび配管23aの一部を通って第1のインク袋20aに送られる。すなわち、インクは、第1のインク袋20a、および第2のインク袋20bの間を循環する。(1)および(2)のインク送り(送液)におけるインクジェット装置10の詳細な動作について以下に説明する。
((1)のインク送り)
(1)のインクの送りは、電磁弁25a〜e、ならびにポンプ22aおよびbの動作によって行われる。
まず、電磁弁25a〜eを閉じる。第1の容器21aの圧力よりも第2の容器21bの圧力が低くなるように設定する。例えば、ポンプ22aによって第1の容器21aの圧力を上げ、かつポンプ22bによって第2の容器21bの圧力を下げる。そして、第1の容器21aと第2の容器21bとの圧力が所望の圧力に到達した状態において、電磁弁25aおよびbを開く。これによって、2つの配管23aおよびインクジェットヘッド2における流路抵抗と、第1の容器21aと第2の容器21bとの間の圧力差にしたがって、インクは、一定の速度によって、第1のインク袋20aから第2のインク袋に移動する。
以上のように、実施の形態1とは構成が異なるものの、動作させるべき構成には変わりがない。よって、その作用の詳細については、実施の形態1の((1)のインク送り)を参照すればよい。
((2)のインク送り)
(2)のインク送りは、電磁弁25a〜d、ならびにポンプ22aおよび22bを動作させることによって行われる。
まず、電磁弁25a〜cを閉じ、かつ電磁弁25dを開く。そして、ポンプ22aおよび22bを用いて、第1の容器21aの圧力よりも第2の容器21bの圧力を上げる。これによって、インクは、配管23bおよび配管23aの一部を通って、第2のインク袋20bから第1のインク袋20aに送られる。
次に、ポンプ22aおよび22bを用いて、第2の容器21bの圧力よりも第1の容器21aの圧力を上げる。これによって、インクは、配管23bおよび配管23aの一部を通って、第1のインク袋20aから第2のインク袋20bに送られる。さらに、ポンプ22aおよび22bを用いて、第1の容器21aの圧力よりも第2の容器21bの圧力を上げる。これによって、インクは、配管23bおよび配管23aの一部を通って、第2のインク袋20bから第1のインク袋20aに送られる。以上のように、インクを配管23bおよび配管23aの一部を通すことによって、第1のインク袋20aと第2のインク袋20bとの間を往復させる。このとき、第1の容器21aと第2の容器21bとの圧力差を大きくすることによって、インクの流速を上げることが好ましい。これによって、第1のインク袋20aおよび第2のインク袋20bにおけるインクが、より確実に攪拌される。
本実施形態においては、インクを配管23bおよび配管23aの一部を通すことによって、第1のインク袋20aと第2のインク袋20bとの間を往復させている。しかし、インクは、1度だけ、第1のインク袋20aから第2のインク袋20bに送られてもよい。
ここで、図5に示すように、配管23bに送液ポンプ31cをさらに設けてもよい。送液ポンプ31cを動作させることによって、インクを、第2のインク袋20bから第1のインク袋20aに送る構成であってもよい。このとき、送液ポンプ31cとしてチューブポンプを用いれば、チューブポンプのモータの回転方向を変えるだけで、インク送りの方向を変えることができる。
ここで、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせたインクの供給経路を用いた場合であっても本発明は、実施可能である。図6に示すように、図4の配管23bから枝分かれした配管23b’によって、第2のインク袋20bと第3のインク袋24とを繋いでもよい。このとき、配管23bには、電磁弁25d’が設けられている。すなわち、第2のインク袋20bから第1のインク袋20aにインクを送る経路として、2通りの経路がある。2通りの経路とは、(a)配管23bおよび配管23aの一部を通る経路、および(b)配管23bの一部、配管23b’第3のインク袋24および配管23cを通る経路である。
例えば、通常(a)の経路を使用し、1日1回など、定期的に(b)の経路を使用するなどの組み合わせを行ってもよい。また、例えば、(a)の経路を用いて、インクを第2のインク袋20bから第1のインク袋20aに移動させる。この後、(b)の経路を用いて、インクを、送液ポンプ31aによって第3のインク袋24から第2のインク袋20bに移動させる。さらに、送液ポンプ31aの動作を逆転させて、インクを、第2のインク袋20bから第3のインク袋12へとインクを移動させる。これによって、第2のインク袋20bのインクに含まれる固形成分を攪拌することができる。
以上のように、本発明に係るインクジェット装置は、可撓性を有することによって容積が変わるインク袋を用いた、送液システムを備えている。これによって、本発明に係るインクジェット装置は、インクの圧力の変動を抑制して、長期に渡って安定したインクの吐出を実現し、かつインクの流速と上記インク袋の配置とを独立して設定することができる。また、上記送液システムによって、顔料、プラスチック粒子、または金属粒子等の固形成分を含むインクにおける、固形成分の沈降または凝集を防止することができる。
(その他の構成)
本発明は、以下の構成によっても実現することができる。
(第1の構成)
可撓性を有する第1のインク袋が内部に配置され、該内部空間の圧力制御が可能な第1の容器と、
インクの供給口と排出口とを少なくとも有するインクジェットヘッドと、
可撓性を有する第2のインク袋が内部に配置され、該内部空間の圧力制御が可能な第2の容器と、
前記第1のインク袋と前記第2のインク袋との間に、前記インクジェットヘッドの供給口と排出口とに接続されて該インクジェットヘッドを介してインクを移送可能につなぐ第1のインク流路と、
を具備するインクジェット装置。
(第2の構成)
前記第1のインク袋と前記第2のインク袋との間に前記インクジェットヘッドを介さない第2のインク流路が形成されており、
第1のインク流路および第2のインク流路のそれぞれに、インクの流れを止める手段が少なくとも1つ以上設けられている第1の構成に係るインクジェット装置。
(第3の構成)
前記第2のインク流路中に第3のインク袋が配置されており、
第2のインク流路における第3のインク袋の前後にインクの流れを止める手段が設けられている第2の構成に係るインクジェット装置。
(第4の構成)
前記第1のインク袋にはさらに第3のインク流路によって第3のインク袋がさらに接続されており、
第3のインク流路にはインクの流れを止める手段が設けられている第2の構成に係るインクジェット装置。
(第5の構成)
前記第3のインク袋は第1のインク袋および第2のインク袋に比して容量が大きい第3または第4の構成に係るインクジェット装置。
(第6の構成)
インク中の溶存気体を除去する機能を有する脱気モジュールを具備し、
第1のインク流路を用いて第1のインク袋から第2のインク袋へとインクを送液すると同時に、第3のインク袋内のインクの溶存気体を順次脱気する機能を有する第3〜第5の構成のいずれか1つに係るインクジェット装置。
(第7の構成)
前記第3のインク袋を振動させる手段をさらに具備する第3〜第6の構成のいずれか1つに係るインクジェット装置。
(第8の構成)
前記インクジェットヘッドよりインク吐出するためのノズル面に対して、前記第1のインク袋及び前記第2のインク袋は鉛直方向上方に配置されており、
前記第1の容器及び前記第2の容器の内部は大気圧よりも低い圧力に設定されて動作する第1〜第7の構成のいずれか1つに係るインクジェット装置。
(第9の構成)
前記第1のインク袋と前記第2のインク袋とは鉛直方向に同じ高さに配置されるインクジェット装置であって、
前記第1の容器と前記第2の容器との間に、気体の移動が可能なガス流路が設けられ、
さらに該ガス流路中に開閉可能な弁が設けられている第1〜第8の構成のいずれか1つに係るインクジェット装置。
(第10の構成)
前記第1のインク流路であって、前記第1のインク袋とインクジェットヘッドの間、或いは前記第2のインク袋とインクジェットヘッドの間のいずれかに、流路抵抗の高い部位が設けられている第1〜第9の構成のいずれか1つに係るインクジェット装置。
(第11の構成)
第1〜第10の構成のいずれか1つに係るインクジェット装置を用い、
第1のインク流路によってインクを送液させながら、インクジェットヘッドを動作させてインク液滴を吐出させるインクジェット装置の動作方法。
(第12の構成)
第2〜第10の構成のいずれか1つに係るインクジェット装置を用い、
第1のインク流路によってインクを送液させながら、インクジェットヘッドを動作させてインク液滴を吐出させたステップと、
第2のインク袋内のインクを第2のインク流路によって第1のインク袋に戻すステップと、
を含むインクジェット装置の動作方法。
(第13の構成)
前記第1のインク流路によってインクを送液させるステップにおけるインクの送液の速度に比べて、前記第2のインク袋内のインクを第2のインク流路によって第1のインク袋に戻すステップにおけるインク送液の速度が速い第12の構成に係るインクジェット装置の動作方法。
(第14の構成)
前記第2のインク袋内のインクを第2のインク流路によって第1のインク袋に戻すステップには、第2のインク流路の全部または一部の流路において、インクの送液方向を逆転させ、第2のインク袋にインクを送液するステップが含まれている第12または第13の構成に係るインクジェット装置の動作方法。
本発明によれば、インクを安定して吐出し、かつ自由度の高い設計が可能なインクジェット装置を提供することができる。よって、精密機器の製造用や印刷物の作製用のインクジェット装置など幅広い分野に適用することができる。
本発明に係るインクジェット装置10の構成を示す斜視図である。 実施の形態1に係るインク供給ユニット4の内部構成とインクジェットヘッド2との接続状態の一例を示すブロック図である。 図2の変形例を示すブロック図である。 実施の形態2に係るインク供給ユニット4の内部構成とインクジェットヘッド2との接続状態の一例を示すブロック図である。 図4の変形例を示すブロック図である。 図4の他の変形例を示すブロック図である。
符号の説明
2 インクジェットヘッド
10 インクジェット装置
20a 第1のインク袋(インク貯留部)
20b 第2のインク袋(インク貯留部)
21a 第1の容器(密閉容器)
21b 第2の容器(密閉容器)
22a、b ポンプ(圧力制御手段)
23a 配管(第1のインク流路)
23b 配管(第2のインク流路)
23c 配管(第3のインク流路)
24 第3のインク袋(インク補給部)
25a〜e 電磁弁(開閉部)
26 攪拌機(攪拌部)
27 脱気モジュール(脱気部)
28 流路抵抗成分(抵抗部)

Claims (14)

  1. インクを吐出するインクジェットヘッドを備えるインクジェット装置であって、
    可撓性を有するインク貯留部を内部に個別に収め、かつ内部の圧力を制御可能な複数の密閉容器と、
    上記インクジェットヘッドを介して、複数の上記インク貯留部のそれぞれを互いに繋ぐ第1のインク流路と、
    複数の上記インク貯留部のそれぞれを互いに繋ぐ第2のインク流路と、
    上記第1のインク流路および上記第2のインク流路のそれぞれに、少なくとも1つずつのインク流路を開閉する開閉部と、
    をさらに備えていることを特徴とするインクジェット装置。
  2. 複数の上記インク貯留部のいずれかにインクを補給するインク補給部とをさらに備え、
    上記インク補給部は、上記第2のインク流路を介して、複数の上記インク貯留部と繋がっており、
    上記第2のインク流路の上記インク補給部の前後には上記開閉部が設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載のインクジェット装置。
  3. 複数の上記インク貯留部のいずれかにインクを補給するインク補給部と、
    上記インク補給部と複数の上記インク貯留部のいずれかとを互いに繋ぐ第3のインク流路と、
    上記第3のインク流路を開閉する開閉部と、
    をさらに備えていることを特徴とする請求項に記載のインクジェット装置。
  4. 上記インク補給部の容積は、複数の上記インク貯留部の容積のいずれよりも大きいことを特徴とする請求項またはに記載のインクジェット装置。
  5. 上記インク補給部のインクに含まれる気体を除去する脱気部をさらに備えていることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  6. 上記インク補給部には、上記インク補給部内のインクを攪拌する攪拌部が接続されていることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  7. 複数の上記インク貯留部のそれぞれは、上記インクジェットヘッドのノズルよりも、鉛直方向に対して上方に配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  8. 複数の上記インク貯留部のそれぞれが、鉛直方向に対して等しい高さに配置されており、
    複数の上記密閉容器のそれぞれを互いに繋ぐ気体の流路と、
    上記気体の流路を開閉する開閉手段と、をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  9. 上記第1のインク流路におけるインクの流れに抵抗を加える抵抗部をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  10. 複数の上記密閉容器のそれぞれに対応して、同数の圧力制御部が設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット装置の制御方法であって、
    上記密閉容器の間に圧力差を生じさせることによって、上記第1のインク流路によって上記インクを送液させながら、上記インクジェットヘッドを動作させて上記インクを吐出させるステップ
    を包含することを特徴とするインクジェット装置の制御方法。
  12. 請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット装置の制御方法であって、
    上記開閉によって上記第2のインク流路を閉じて、一方の上記インク貯留部から他方の上記インク貯留部に対して、上記第1のインク流路にインクを流しながら、インクジェットヘッドを動作させてインクを吐出するステップと、
    上記開閉によって上記第1のインク流路を閉じて、他方の上記インク貯留部から一方の上記インク貯留部に対して、上記第2のインク流路にインクを流すステップと、
    を包含することを特徴とするインクジェット装置の制御方法。
  13. 上記第2のインク流路を流れるインクの流速が、上記第1のインク流路を流れるインクの流速よりも速いことを特徴とする請求項12に記載のインクジェット装置の制御方法。
  14. 上記第2のインク流路にインクを流すステップは、上記第2のインク流路の少なくとも一部において上記インクの送液方向を逆転させることによって、上記一方のインク貯留部から上記他方のインク貯留部に対して上記インクを流すステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項13に記載のインクジェット装置の制御方法。
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