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JP4331799B2 - shock absorber - Google Patents

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JP4331799B2
JP4331799B2 JP34591197A JP34591197A JP4331799B2 JP 4331799 B2 JP4331799 B2 JP 4331799B2 JP 34591197 A JP34591197 A JP 34591197A JP 34591197 A JP34591197 A JP 34591197A JP 4331799 B2 JP4331799 B2 JP 4331799B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車輌のサスペンションに組込まれるショックアブソーバに係り、更に詳細には微低速域に於ける減衰力特性に優れたショックアブソーバに係る。
【0002】
【従来の技術】
ショックアブソーバは、一般に、シリンダと、該シリンダに往復動可能に嵌合しシリンダと共働して二つのシリンダ室を郭定するピストンと、ピストンに形成され二つのシリンダ室を連通接続する連通通路と、ピストンに設けられ連通通路と共働して減衰力を発生する減衰力発生弁とを有している。
【0003】
ショックアブソーバの減衰力発生弁の一つとして、例えば実開昭63−178646号公報に記載されている如く、ピストンに当接して配置され連通通路と連通する切抜き部を有する第一の弁プレートと、第一の弁プレートに当接して配置され外周部に切欠き部を有する第二の弁プレートと、第二の弁プレートに当接して配置された第三の弁プレートとを含み、切欠き部は第一及び第三の弁プレートと共働して切抜き部と対応するシリンダ室とを連通接続するオリフィス通路を郭定する減衰力発生弁が既に知られている。
【0004】
かかる減衰力発生弁を有するショックアブソーバによれば、オリフィス通路は第二の弁プレートに設けられた切欠き部が第一及び第三の弁プレートと共働することにより郭定され、第二の弁プレートはピストンのランド部に当接しないので、オリフィス通路を郭定する弁プレートがピストンのランド部に当接する構造の場合に比して、ショックアブソーバが長期間使用される過程に於ける弁プレートの摩耗などに起因するオリフィス通路の実効通路断面積の変化を回避し、長期間に亘り適正な減衰力を発生させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述の公開公報に記載されたショックアブソーバに於ては、オリフィス通路の幅、高さ、長さの最適値が如何なる値であるかについては全く考慮されていないため、特にピストン速度の微低速域に於ける減衰力特性が他の多くのショックアブソーバの場合と同様ピストン速度に対し二乗の特性になり、そのためピストン速度の微低速域に於ける減衰力が不十分である。
【0006】
また二つのシリンダ室を連通接続する伸び行程用及び縮み行程用の連通通路がピストンの軸線より実質的に同一の半径方向距離の位置にて周方向に互いに隔置された状態でピストンに形成されたショックアブソーバに於いては、減衰力発生弁の弁プレートが上述の実開昭63−178646号公報に記載されている如き第一乃至第三の三つの弁プレートよりなる場合には、後に詳細に説明する如く、一方の連通通路と連通する切抜き部は第一の弁プレートの内周縁近傍に形成されなければならない。
【0007】
従って第二の弁プレートに形成される切欠き部の径方向の深さが非常に大きくならざるを得ず、そのため第二の弁プレートが脆弱になってその耐久性が低下し易く、また第二の弁プレートの耐久性を向上させるべくバレル処理される際に弁プレート同士が絡み合い、弁プレートの曲りが発生し易いため、バレル処理の回転速度を高くすることができず、第二の弁プレートの生産性を向上させることが困難である。
【0008】
本発明は、上述の如き従来のショックアブソーバに於ける叙上の問題に鑑みなされたものであり、本発明の主要な課題は、オリフィス通路の幅、高さ、長さを最適化することにより、ピストン速度の微低速域に於ける減衰力特性を実質的に線形の特性にすることである。
【0009】
また本発明の他の主要な課題は、特に伸び行程用及び縮み行程用の連通通路がピストンの軸線より実質的に同一の半径方向距離の位置にて周方向に互いに隔置された状態でピストンに形成されたショックアブソーバに於いて、ピストン速度の微低速域に於ける減衰力特性を実質的に線形の特性にすると共に、切欠き部を有する弁プレートの耐久性及び生産性を向上させることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ちシリンダと、前記シリンダに往復動可能に嵌合し前記シリンダと共働して二つのシリンダ室を郭定するピストンと、前記ピストンに形成され前記二つのシリンダ室を連通接続する連通通路と、前記二つのシリンダ室の少なくとも一方の側にて前記ピストンに設けられ前記連通通路を経て前記二つのシリンダ室の間に流通する作動流体に流通抵抗を与えて減衰力を発生する減衰力発生弁とを有し、前記減衰力発生弁は前記ピストンに当接して配置され前記連通通路と連通する切抜き部を有する第一の弁プレートと、前記第一の弁プレートに当接して配置され外周部に切欠き部を有する第二の弁プレートと、前記第二の弁プレートに当接して配置された第三の弁プレートとを含み、前記減衰力発生弁はピストン速度の微低速域に於いては閉弁状態を維持し、前記切欠き部は前記減衰力発生弁が閉弁状態にあるときには前記第一及び第三の弁プレートと共働して前記切抜き部と対応するシリンダ室とを連通接続するオリフィス通路を郭定し、前記オリフィス通路は実質的に前記第二の弁プレートの厚さと同一の高さHと幅Wと長さLとを有し、作動流体の流量及び動粘度をそれぞれQ及びνとして、前記高さH、前記幅W、前記長さLは前記減衰力発生弁が閉弁状態にある状況に於いてL>(0.05Q/ν)(H/W)の関係を有する値に設定されていることを特徴とするショックアブソーバによって達成される。
【0011】
また上述の他の主要な課題は、本発明によれば、請求項2の構成、即ちシリンダと、前記シリンダに往復動可能に嵌合し前記シリンダと共働して二つのシリンダ室を郭定するピストンと、前記ピストンの軸線より実質的に同一の半径方向距離の位置にて周方向に互いに隔置された状態で前記ピストンに形成され前記二つのシリンダ室を連通接続する伸び行程用及び縮み行程用の連通通路と、前記二つのシリンダ室の少なくとも一方の側にて前記ピストンに設けられ前記伸び行程用及び縮み行程用の連通通路の一方を経て前記二つのシリンダ室の間に流通する作動流体に流通抵抗を与えて減衰力を発生する減衰力発生弁とを有し、前記減衰力発生弁は前記ピストンに当接して配置され前記一方の連通通路と連通する第一の切抜き部を有する第一の弁プレートと、前記第一の弁プレートに当接して配置され前記第一の切抜き部と連通する第二の切抜き部を有する第二の弁プレートと、前記第二の弁プレートに当接して配置され外周部に切欠き部を有する第三の弁プレートと、前記第三の弁プレートに当接して配置された第四の弁プレートとを含み、前記減衰力発生弁はピストン速度の微低速域に於いては閉弁状態を維持し、前記第二の切抜き部は前記第一の切抜き部よりも前記軸線に対し半径方向外方まで延在し、前記切欠き部は前記減衰力発生弁が閉弁状態にあるときには前記第二及び第四の弁プレートと共働して前記第二の切抜き部と対応するシリンダ室とを連通接続するオリフィス通路を郭定し、前記オリフィス通路は実質的に前記第三の弁プレートの厚さと同一の高さHと幅Wと長さLとを有し、作動流体の流量及び動粘度をそれぞれQ及びνとして、前記高さH、前記幅W、前記長さLは前記減衰力発生弁が閉弁状態にある状況に於いてL>(0.05Q/ν)(H/W)の関係を有する値に設定されていることを特徴とするショックアブソーバによって達成される。
【0012】
一般に、ショックアブソーバに使用されるオイルの如き粘性液体の流量をQ[mm /sec]とし、密度をρ[kg/mm ]とし、動粘度をν[mm /sec]とし、オリフィス通路の高さをH[mm]とし、幅をW[mm]とし、長さをL[mm]とすると、粘性液体がオリフィス通路を通過する際にその前後の間に発生する差圧ΔP[kg/mm ]は、ベルヌーイの定理より下記の数1の如く表される。
【数1】
ΔP=12ρ(ν/W)(L/H )Q+0.6ρ{Q/(WH)}
上記数1に於いて、右辺の第1項は壁面抵抗により発生する差圧であり、第2項は流速により発生する差圧であり、前者は流量Qの一乗項であるのに対し、後者は流量Qの二乗項である。従って差圧ΔPをできるだけ流量Qの一乗の関係にするためには、第1項が第2項よりも優勢であること、即ち下記の数2の不等式が成立しなければならない。
【数2】
12ρ(ν/W)(L/H )Q>0.6ρ{Q/(WH)}
上記数2を変形することにより、下記の数3が得られる。
【数3】
L>(0.05Q/ν)(H/W)
上述の請求項1及び2の構成によれば、減衰力発生弁はピストン速度の微低速域に於いては閉弁状態を維持し、作動流体の流量及び動粘度をそれぞれQ及びνとして、オリフィス通路の高さH、幅W、長さLは前記減衰力発生弁が閉弁状態にある状況に於いてL>(0.05Q/ν)(H/W)の関係を有する値に設定されているので、ピストン速度の微低速域に於ける減衰力特性を実質的に線形の特性にすることができ、これによりピストン速度の中高速域に於ける減衰力が過剰になることを回避しつつ、ピストン速度の微低速域に於ける十分な減衰力を確保することが可能になる。
【0013】
特に上述の請求項2の構成によれば、第二の切抜き部は一方の連通通路と連通する第一の切抜き部と連通し、第二の切抜き部は第一の切抜き部よりもピストンの軸線に対し半径方向外方まで延在し、切欠き部は第二及び第四の弁プレートと共働して第二の切抜き部と対応するシリンダ室とを連通接続するオリフィス通路を郭定しているので、切欠き部の径方向の深さは第二の切抜き部に連通する深さであってよい。
【0014】
従って切欠き部の深さは第二の弁プレートが設けられることなく切欠き部が直接第一の切抜き部に連通する構造の場合に必要な深さよりも小さくてよいので、切欠き部の深さが過剰に深いことに起因して第三の弁プレートが脆弱になってその耐久性が低下することを回避し、またバレル処理される際に弁プレート同士が絡み合う虞れが低減されることによりバレル処理の回転速度を高くして第三の弁プレートの生産性を向上させることが可能になる。
【0018】
上記数3に於ける流量Qはショックアブソーバのピストン速度に応じて変化し、動粘度νはショックアブソーバに使用される粘性液体の種類やショックアブソーバの使用状況に応じて異なるが、流量Qをショックアブソーバのピストン速度がその微低速域の代表値としての0.02[m /sec ]であるときの流量とし、動粘度νを特定の粘性液体が標準的な条件下に於いて使用される際の値とすれば、上記数3の0.05Q/νは正の定数Kに置き換えることができ、従って上記数3を下記の数4の通り書き換えることができ、下記の数4が成立するようオリフィス通路の長さL、高さH、幅Wを設定すれば、ピストン速度の微低速域に於けるショックアブソーバの減衰力特性をできるだけ線形的な特性にすることができる。
【数4】
L>KH/W
【0019】
本発明によれば、上記課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、オリフィス通路の長さL、高さH、幅Wは上記数4の関係を有するよう構成される(請求項3の構成)。
従って請求項3の構成によれば、ピストン速度の微低速域に於けるショックアブソーバの減衰力特性を確実に線形的な特性にすることが可能になる。
【0020】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3の構成に於いて、ショックアブソーバのピストン速度がその微低速域の代表値としての0.02[m/sec]であるときにオリフィス通路を通過するショックアブソーバの作動液体の流量をQo[mm/sec]とし、ショックアブソーバの標準的な使用条件下に於ける作動液体の動粘度をνo[mm/sec]として、上記数4のKは0.05Qo/νoであるよう構成される(好ましい態様)。
【0021】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、第一乃至第三の弁プレートは実質的に同一の外径を有するよう構成される(好ましい態様)。
【0022】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、連通通路はピストンの軸線の周りに互いに隔置された状態にて複数個設けられ、切抜き部はピストンの軸線の周りに実質的にC形に延在するよう構成される(好ましい態様)。
【0023】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、第一乃至第四の弁プレートは実質的に同一の外径を有するよう構成される(好ましい態様)。
【0024】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、伸び行程用及び縮み行程用の連通通路はそれぞれ複数個設けられ、第一の切抜き部はピストンの軸線の周りに実質的に半円弧状に延在するよう構成される(好ましい態様)。
【0025】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様の構成に於いて、第一及び第二の切抜き部の少なくとも一方はピストンの軸線の周りに実質的にC形に延在するよう構成される(好ましい態様)。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0027】
図1はツインチューブ式のショックアブソーバとして構成された本発明によるショックアブソーバの第一の実施形態の要部を示す部分縦断面図、図2は図1に示された第一の実施形態の第一の弁プレート(A)、第二の弁プレート(B)、第三の弁プレート(C)を示す平面図である。
【0028】
図1に於て、10及び12は軸線14に沿って同心に延在するインナシリンダ及びアウタシリンダを示しており、これらのシリンダの両端は図には示されていないエンドキャップにより閉じられている。シリンダ10、12及びエンドキャップは互いに共働して環状室16を郭定している。インナシリンダ10内には軸線14に沿って往復動可能にピストン18が配置されている。ピストン18はインナシリンダ10の内部をシリンダ上室20とシリンダ下室22とに分離するピストン本体24と、該本体に一体的に連結され上端のエンドキャップを貫通して軸線14に沿って延在するピストンロッド26とよりなっている。ピストン本体24はナット28によりピストンロッド26の先端部に固定されており、ピストン本体24には本発明に従って構成された伸び行程用の減衰力発生弁30及び周知の構造を有する縮み行程用の減衰力発生弁32が設けられている。
【0029】
尚図1には示されていないが、インナシリンダ10内の下方部にはベースバルブ組立体が設けられており、該ベースバルブ組立体にはそれぞれ伸び行程用の減衰力発生弁30及び縮み行程用の減衰力発生弁32と同様に構成された縮み行程用の減衰力発生弁及び伸び行程用の減衰力発生弁が設けられている。またシリンダ上室20、シリンダ下室22、環状室16の一部には作動液体としてのオイルが充填されており、環状室16の上方部分には高圧ガスが封入されている。また図1には示されていないが、ピストンロッド26の上端はばね上としての車体に連結され、アウタシリンダ12又は下端のエンドキャップは図には示されていないばね下としてのサスペンション部材に連結されるようになっている。
【0030】
ピストン本体24には軸線14の周りに互いに均等に隔置されシリンダ上室20とシリンダ下室22とを連通接続する複数個の伸び行程用の連通通路34及び複数個の縮み行程用の連通通路36が形成されており、縮み行程用の連通通路36は伸び行程用の連通通路34よりも径方向外方の位置にて連通通路34の間の周方向位置に位置している。ピストン本体24の上面及び下面にはそれぞれ連通通路34の上端及び下端と連通し軸線14の周りに環状に延在する環状ポート38A及び38Bが設けられており、またピストン本体24の上面には連通通路36の上端と連通し軸線14の周りに環状に延在する環状ポート40Aが設けられている。
【0031】
伸び行程用の減衰力発生弁30はシリンダ下室22の側にてピストン本体24に当接して配置された第一の弁プレート42と、弁プレート42に当接して配置された第二の弁プレート44と、弁プレート44に当接して配置された第三の弁プレート46とを含んでいる。図示の実施形態に於いては、第一乃至第三の弁プレート42〜46は互いに実質的に同一の外径及び厚さHを有し、ピストンロッド26の下端部に嵌合する孔を有し、スペーサ48を介してナット28によりピストン本体24に対し固定されている。
【0032】
また第一乃至第三の弁プレート42〜46は弾性変形可能な材料にて形成され、軸線14に沿って往復動可能にナット28に嵌合するスプリングシート部材50とナット28のスプリングシート部28Aとの間には圧縮コイルばね52が弾装され、これにより第一乃至第三の弁プレートは第一の弁プレート42がピストン本体24の下面に当接する図示の閉弁位置に付勢されている。
【0033】
一方縮み行程用の減衰力発生弁32はシリンダ上室20の側にてピストン本体24に当接して配置された弁プレート54を含み、弁プレート54はシリンダ上室20と環状ポート38Aとを連通接続する複数個の孔56を有している。ピストンロッド26の肩部に当接して配置されたストッパ58と弁プレート54に当接して配置されたスペーサ60との間には皿ばね62が挾持されており、皿ばね62は径方向外方へ延在する複数個のアーム部を有し、該アーム部にて弁プレート54を該弁プレートがピストン本体24の上面に当接しシリンダ上室20と連通通路36との連通を遮断する図示の閉弁位置に付勢している。
【0034】
図示の第一の実施形態に於いては、図2(A)に詳細に示されている如く、伸び行程用の減衰力発生弁30の第一の弁プレート42は実質的にC形をなすよう軸線14の周りに環状に延在する切抜き部66を有している。切抜き部66はオイルの自由な流通が可能であるよう環状ポート38Bと常時連通する径方向位置に設けられており、切抜き部66の外周縁は弁プレート42の外周縁より距離Lだけ径方向内方へ隔置されている。
【0035】
また図2(B)に詳細に示されている如く、第二の弁プレート44は軸線14の周りに均等に互いに隔置された三つの切欠き部68を有している。各切欠き部68は軸線14の周りに円弧状に延在する円弧部68Aと、内端にて円弧部68Aに接続され外端にて弁プレート44の外周縁に開口するよう実質的に径方向に延在する直線部68Bとを有している。円弧部68Aはオイルの自由な流通が可能であるよう切抜き部66と重なり合う径方向位置に設けられ、円弧部68Aの外周縁は弁プレート44の外周縁より距離Lだけ径方向内方へ隔置されており、直線部68Bは幅Wを有している。
【0036】
更に図2(C)に詳細に示されている如く、第三の弁プレート46は切抜き部66や切欠き部68の如き切抜き部や切欠き部を有してはいない。従って図1及び図3に詳細に示されている如く、切欠き部68は減衰力発生弁30の閉弁状態に於いても切抜き部66とシリンダ下室22とを連通接続し、また切欠き部68の直線部68Bは第一の弁プレート42及び第三の弁プレート46と共働して長さL、高さH、幅Wのオリフィス通路70を郭定している。
【0037】
オリフィス通路70の長さL[mm]、高さH[mm]、幅W[mm]は、ピストン速度がその微低速域の代表値としての0.02[m /sec ]であるときにオリフィス通路70を通過するオイルの流量をQo [mm3 /sec ]とし、ショックアブソーバの標準的な使用条件下に於けるオイルの動粘度をνo [mm2 /sec ]として、下記の数5の関係を満たす寸法に設定されている。
【数5】
L>(0.05Qo /νo )(H/W)
【0038】
上述の如く構成された第一の実施形態の伸び行程、即ちピストン18がインナシリンダ10に対し相対的に上方へ移動する行程に於ては、シリンダ上室20内の圧力が上昇すると共にシリンダ下室22内の圧力が減少し、シリンダ上室20とシリンダ下室22との間の差圧によりシリンダ上室内のオイルが減衰力発生弁30を経てシリンダ下室へ移動しようとする。
【0039】
この場合ピストン速度が所定値よりも小さい微低速域に於ては、シリンダ上室20とシリンダ下室22との間の差圧による減衰力発生弁30に対する開弁力よりも弁プレート42〜46の弾性によるばね力と圧縮コイルばね52のばね力との和の方が高いので、減衰力発生弁30は閉弁状態に維持される。従ってシリンダ上室20内のオイルは孔56及び環状ポート38Aを経て連通通路34へ流入すると共に、連通通路34より環状ポート38B、切抜き部66、切欠き部68を経てシリンダ下室22へ流入する。
【0040】
従ってオイルがオリフィス通路70を通過する際の流通抵抗により減衰力が発生され、減衰力特性は図4に於いて実線にて示された特性曲線の直線部の如く実質的に線形の特性になり、ピストン速度Vp の微低速域に於いても十分な減衰力が確保される。
【0041】
尚図4に於いて、破線にて示された特性曲線は従来の一般的なショックアブソーバの特性を示し、一点鎖線にて示された特性曲線はピストン速度Vp の微低速域に於いても減衰力発生弁が開弁する型式の従来のショックアブソーバの特性を示している。前者のショックアブソーバの場合にはピストン速度Vp の微低速域に於ける減衰力特性はピストン速度に対し二乗の特性であり、微低速域に於ける減衰力が不十分になり易い。また後者のショックアブソーバの場合には減衰力特性はピストン速度Vp の全域に亘りピストン速度に対し0.6乗の特性であり、微低速域に於ける減衰力が過剰になり易い。
【0042】
これに対し図示の第一の実施形態によれば、ピストン速度Vp の微低速域に於ける減衰力特性は実質的に線形の特性であるので、中高速域に於ける減衰力が過剰になったり不足したりすることを回避しつつ、ピストン速度の微低速域に於ける減衰力を最適化することができる。
【0043】
またピストン速度が所定値よりも大きい中高速域に於ては、シリンダ上室20とシリンダ下室22との間の差圧による開弁力が弁プレート42〜46の弾性によるばね力と圧縮コイルばね52のばね力との和よりも高くなって減衰力発生弁30が開弁される。従ってシリンダ上室20内のオイルはオリフィス通路70のみならず開弁状態の減衰力発生弁30をも通過し得るようになり、主としてオイルが開弁状態の減衰力発生弁30を通過する際の流通抵抗により減衰力が発生され、これによりピストン速度Vp の中高速域に於ける減衰力特性は図4に於て実線の曲線部として示されている如き特性になり、ピストン速度の増大に伴う減衰力の増大率は微低速域の場合よりも小さくなる。
【0044】
尚ピストン18がインナシリンダ10に対し相対的に下方へ移動する縮み行程に於ては、ピストン速度の微低速域及び中高速域の何れに於いても図には示されていないベースバルブ組立体の縮み行程用の減衰力発生弁により減衰力発生弁30と同様に減衰力が発生される。
【0045】
図5はツインチューブ式のショックアブソーバとして構成された本発明によるショックアブソーバの第二の実施形態の要部を示す部分縦断面図、図6は図5の線VI−VIに沿う部分平断面図である。尚図5及び図6に於て、図1に示された部材に対応する部材には図1に於て付された符号と同一の符号が付されている。
【0046】
この第二の実施形態に於ても、ピストン本体24には軸線14の周りに互いに均等に隔置されシリンダ上室20とシリンダ下室22とを連通接続する複数個の伸び行程用の連通通路34及び複数個の縮み行程用の連通通路36が形成されているが、図6より解る如く、連通通路34及び36は軸線14より実質的に同一の半径方向距離の位置に形成されている。
【0047】
特に図示の第二の実施形態に於いては、連通通路34及び36はそれぞれ四つずつ形成されており、これらの連通通路の下端の環状ポート38B及び40Bはランド72により相互に分離されている。ランド72は連通通路34よりも半径方向外側に於いて円弧状に延在する外側円弧部72Aと、連通通路36よりも半径方向内側に於いて円弧状に延在する内側円弧部72Bと、実質的に径方向に直線的に延在し外側円弧部72Aと内側円弧部72Bとを接続する接続部72Cとよりなっている。
【0048】
また伸び行程用の減衰力発生弁30はシリンダ下室22の側にてピストン本体24に当接して配置された第一の弁プレート74と、弁プレート74に当接して配置された第二の弁プレート76と、弁プレート76に当接して配置された第三の弁プレート78と、弁プレート78に当接して配置された第四の弁プレート80とを含んでいる。図示の第二の実施形態に於いても、第一乃至第四の弁プレート74〜80は互いに実質的に同一の外径及び厚さHを有し、ピストンロッド26の下端部に嵌合する孔を有し、スペーサ48を介してナット28によりピストン本体24に対し固定されている。
【0049】
また第一乃至第四の弁プレート74〜80は弾性変形可能な材料にて形成され、軸線14に沿って往復動可能にナット28に嵌合するスプリングシート部材50とナット28のスプリングシート部(28A)との間には圧縮コイルばね52が弾装され、これにより第一乃至第四の弁プレートは第一の弁プレート74がピストン本体24の下面に当接する図示の閉弁位置に付勢されている。
【0050】
尚ピストン18に設けられた縮み行程用の減衰力発生弁32にも減衰力発生弁30のランド72と同様のランド73が設けられている。また図には示されていないが、ベースバルブ組立体にはそれぞれこの実施形態の縮み行程用の減衰力発生弁32及び伸び行程用の減衰力発生弁30と同様に構成された伸び行程用の減衰力発生弁及び縮み行程用の減衰力発生弁が設けられている。
【0051】
図示の第二の実施形態に於いては、図7(A)に詳細に示されている如く、伸び行程用の減衰力発生弁30の第一の弁プレート74はその内周縁に近接して実質的に軸線14の周りに半円弧状に延在する一対の切抜き部82を有している。切抜き部82は環状ポート38Bと常時連通するよう弁プレート74の内周縁に近接した径方向位置に設けられている。
【0052】
また図7(B)に詳細に示されている如く、第二の弁プレート76は第一の実施形態の第一の弁プレート42と同様、実質的にC形をなすよう軸線14の周りに環状に延在する切抜き部84を有している。切抜き部84は切抜き部82よりも大きい径方向の幅及び外径を有し、オイルの自由な流通が可能であるよう切抜き部82と常時連通する径方向位置に設けられており、切抜き部84の外周縁と弁プレート76の外周縁との間の距離はLよりも大きく設定されているが、この距離はLに設定されてもよい。
【0053】
また図7(C)に詳細に示されている如く、第三の弁プレート78は第一の実施形態の第二の弁プレート44と同様、軸線14の周りに均等に互いに隔置された三つの切欠き部86を有している。各切欠き部86は軸線14の周りに円弧状に延在する円弧部86Aと、内端にて円弧部86Aに接続され外端にて弁プレート78の外周縁に開口するよう実質的に径方向に延在する直線部86Bとを有している。円弧部86Aはオイルの自由な流通が可能であるよう切抜き部84と重なり合う径方向位置に設けられ、円弧部86Aの外周縁は弁プレート78の外周縁より距離Lだけ径方向内方へ隔置されており、直線部86Bは幅Wを有している。
【0054】
更に図7(D)に詳細に示されている如く、第四の弁プレート80は第一の実施形態の第三のプレート46と同様、切抜き部84、86や切欠き部86の如き切抜き部や切欠き部を有してはいない。従って図5及び図7に詳細に示されている如く、切欠き部86は減衰力発生弁30の閉弁状態に於いても切抜き部84、86とシリンダ下室22とを連通接続し、また切欠き部86の直線部86Bは第二の弁プレート76及び第四の弁プレート80と共働して長さL、高さH、幅Wのオリフィス通路88を郭定している。
【0055】
第一の実施形態の場合と同様、オリフィス通路88の長さL[mm]、高さH[mm]、幅W[mm]は、ピストン速度がその微低速域の代表値としての0.02[m /sec ]であるときにオリフィス通路88を通過するオイルの流量をQo [mm3 /sec ]とし、ショックアブソーバの標準的な使用条件下に於けるオイルの動粘度をνo [mm2 /sec ]として、上記の数5の関係を満たす寸法に設定されている。
【0056】
従ってこの第二の実施形態によれば、第一の実施形態の場合と同様、減衰力特性は図4に於いて実線にて示された特性になり、特にピストン速度Vp の微低速域に於ける特性は特性曲線の直線部の如く実質的に線形の特性になり、ピストン速度Vp の微低速域に於いても十分な減衰力が確保される。
【0057】
図8(A)〜(C)は図5及び図6に示されている如く伸び行程用の連通通路34及び複数個の縮み行程用の連通通路36が軸線14より実質的に同一の半径方向距離の位置に形成されたショックアブソーバに於いて、伸び行程用の減衰力発生弁30が第一の実施形態の場合と同様の三つの弁プレートにて構成される場合の第一乃至第三の弁プレート42〜46を示している。
【0058】
減衰力発生弁30を構成する弁プレートが三つである場合には、切抜き部66が第一の弁プレート42の内周縁に近接して設けられるため、円弧部68Aにて切抜き部66に連通する切欠き部68の直線部68Bが長くならざるを得ず、そのため第二の弁プレート44が脆弱になってその耐久性が低下し易く、また第二の弁プレートの耐久性を向上させるべくバレル処理される際に弁プレート同士が絡み合い、弁プレートの曲りが発生し易いため、バレル処理の回転速度を高くすることができず、第二の弁プレートの生産性を向上させることが困難である。
【0059】
これに対し、図示の第二の実施形態によれば、減衰力発生弁30が四つの弁プレートにて構成され、各切欠き部86の円弧部86Aは第二の弁プレート76の切抜き部84を介して切抜き部82と連通すればよく、これにより各切欠き部86の直線部86Bの長さは短くてよいので、上述の種々の問題を確実に解消することができる。
【0060】
以上に於ては、本発明を二つの実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0061】
例えば上述の二つの実施形態に於ては、各弁プレートは互いに同一の外径及び厚さを有しているが、各弁プレートは相互に異なる外径若しくは厚さを有していてもよい。
【0062】
また上述の第一の実施形態に於ける第一の弁プレート42の切抜き部66及び第二の実施形態に於ける第二の弁プレート76の切抜き部84は実質的にC形をなすよう軸線14の周りに環状に延在しており、第二の実施形態に於ける第一の弁プレート74の切抜き部82は実質的に軸線14の周りに半円弧状に延在しているが、これらの切抜き部はオイルの自由な流通が可能であるよう対応する連通通路の環状ポートと常時連通する限り任意の形状をなしていてよい。
【0063】
また上述の二つの実施形態はツインチューブ式のショックアブソーバとして構成されているが、本発明のショックアブソーバは伸び行程及び縮み行程の何れに於いてもピストンに設けられた減衰力発生弁により減衰力が発生されるモノチューブ式のショックアブソーバとして構成されてもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明より明らかである如く、本発明の請求項1及び2の構成によれば、ピストン速度の微低速域に於ける減衰力特性を実質的に線形の特性にすることができ、これによりピストン速度の中高速域に於ける減衰力が過剰になることを回避しつつ、ピストン速度の微低速域に於ける十分な減衰力を確保することができる。
【0065】
特に本発明の請求項2の構成によれば、伸び行程用及び縮み行程用の連通通路がピストンの軸線より実質的に同一の半径方向距離の位置にて周方向に互いに隔置された状態でピストンに形成されたショックアブソーバに於いて、第三の弁プレートが設けられる切欠き部の径方向の深さを第二の切抜き部に連通する深さに低減することができる。
【0066】
従って切欠き部の深さは第二の弁プレートが設けられることなく切欠き部が直接第一の切抜き部に連通する構造の場合に必要な深さよりも小さくてよいので、オリフィス通路の長さが過剰に長いことに起因してピストン速度の微低速域に於ける減衰力が過剰になることを回避することができ、第二の切抜き部を有する第三の弁プレートが脆弱になってその耐久性が低下することを回避することができ、更にはバレル処理される際に弁プレート同士が絡み合う虞れを低減することによりバレル処理の回転速度を高くして第三の弁プレートの生産性を向上させ、これによりショックアブソーバの耐久性を向上させると共にショックアブソーバの製造コストを低減することができる。
また本発明の請求項3の構成によれば、オリフィス通路の長さL、高さH、幅Wは上記数4の関係を有するよう構成されるので、ピストン速度の微低速域に於けるショックアブソーバの減衰力特性を確実に線形的な特性にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ツインチューブ式のショックアブソーバとして構成された本発明によるショックアブソーバの第一の実施形態の要部を示す部分縦断面図である。
【図2】第一の実施形態の第一の弁プレート(A)、第二の弁プレート(B)、第三の弁プレート(C)を示す平面図である。
【図3】第一の実施形態のオリフィス通路を示す解図的斜視図である。
【図4】第一の実施形態の減衰力特性を従来のショックアブソーバの減衰力特性と対比して示すグラフである。
【図5】ツインチューブ式のショックアブソーバとして構成された本発明によるショックアブソーバの第二の実施形態の要部を示す部分縦断面図である。
【図6】図5の線VI−VIに沿う部分平断面図である。
【図7】第二の実施形態の第一の弁プレート(A)、第二の弁プレート(B)、第三の弁プレート(C)、第四の弁プレート(D)を示す平面図である。
【図8】図5及び図6に示されたピストンの構造に於いて、減衰力発生弁が三つの弁プレートにて構成される場合の各弁プレートを示す平面図である。
【符号の説明】
10…インナシリンダ
12…アウタシリンダ
18…ピストン
20…シリンダ上室
22…シリンダ下室
24…ピストン本体
26…ピストンロッド
30…伸び行程用の減衰力発生弁
32…縮み行程用の減衰力発生弁
34、36…連通通路
42〜46…弁プレート
66…切抜き部
68…切欠き部
70…オリフィス通路
74〜80…弁プレート
82、84…切抜き部
86…切欠き部
88…オリフィス通路
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a shock absorber incorporated in a suspension of a vehicle such as an automobile, and more particularly to a shock absorber having excellent damping force characteristics in a very low speed range.
[0002]
[Prior art]
A shock absorber generally includes a cylinder, a piston that is reciprocally fitted to the cylinder and cooperates with the cylinder to define two cylinder chambers, and a communication passage that is formed in the piston and communicates the two cylinder chambers. And a damping force generation valve that is provided in the piston and generates a damping force in cooperation with the communication passage.
[0003]
As one of the damping force generation valves of the shock absorber, for example, as described in Japanese Utility Model Laid-Open No. 63-178646, a first valve plate having a cutout portion disposed in contact with the piston and communicating with the communication passage; A second valve plate disposed in contact with the first valve plate and having a notch on the outer periphery, and a third valve plate disposed in contact with the second valve plate, the notch A damping force generating valve is already known in which the portion cooperates with the first and third valve plates to define an orifice passage that communicates and connects the cut-out portion and the corresponding cylinder chamber.
[0004]
According to the shock absorber having such a damping force generating valve, the orifice passage is defined by the notch portion provided in the second valve plate cooperating with the first and third valve plates. Since the valve plate does not contact the land of the piston, the valve in the process where the shock absorber is used for a long period of time compared to the structure where the valve plate defining the orifice passage contacts the land of the piston. It is possible to avoid a change in the effective passage sectional area of the orifice passage due to wear of the plate and the like, and to generate an appropriate damping force over a long period of time.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the shock absorber described in the above-mentioned publication, since the optimum values of the width, height, and length of the orifice passage are not considered at all, the piston speed is particularly low. The damping force characteristic in the region becomes a square characteristic with respect to the piston speed as in the case of many other shock absorbers. Therefore, the damping force in the very low speed region of the piston speed is insufficient.
[0006]
A communication passage for extending stroke and contracting stroke connecting the two cylinder chambers is formed in the piston in a state where they are spaced apart from each other in the circumferential direction at substantially the same radial distance from the piston axis. In the case of the shock absorber, when the valve plate of the damping force generating valve is composed of the first to third three valve plates as described in the above-mentioned Japanese Utility Model Publication No. 63-178646, details will be given later. As described above, the cutout portion communicating with one of the communication passages must be formed in the vicinity of the inner peripheral edge of the first valve plate.
[0007]
Therefore, the radial depth of the notch formed in the second valve plate has to be very large, so that the second valve plate becomes fragile and its durability tends to decrease. When the barrel processing is performed to improve the durability of the second valve plate, the valve plates are entangled with each other, and the valve plate is likely to be bent. Therefore, the rotation speed of the barrel processing cannot be increased, and the second valve It is difficult to improve plate productivity.
[0008]
The present invention has been made in view of the above-mentioned problems in the conventional shock absorber, and the main object of the present invention is to optimize the width, height, and length of the orifice passage. In other words, the damping force characteristic in a very low speed region of the piston speed is made to be a substantially linear characteristic.
[0009]
Another main problem of the present invention is that the pistons are connected in the circumferential direction, particularly at the same radial distance from the axis of the piston. In the shock absorber formed in the above, the damping force characteristic in the low speed region of the piston speed is made substantially linear, and the durability and productivity of the valve plate having the notch are improved. It is.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
  According to the present invention, the main problem described above is the structure of claim 1, that is, a cylinder and a piston that fits reciprocally in the cylinder and cooperates with the cylinder to define two cylinder chambers. A communication passage formed in the piston for communicating and connecting the two cylinder chambers, and provided between the two cylinder chambers via the communication passage provided in the piston on at least one side of the two cylinder chambers. A damping force generation valve that generates a damping force by applying a flow resistance to the working fluid that performs a first step, and the damping force generation valve is disposed in contact with the piston and has a cutout portion that communicates with the communication passage. A valve plate, a second valve plate disposed in contact with the first valve plate and having a notch in the outer periphery, and a third valve plate disposed in contact with the second valve plate; Including, before The damping force generation valve maintains a closed state at a very low speed range of the piston speed, and the notch portion is shared with the first and third valve plates when the damping force generation valve is in the closed state. An orifice passage is formed to communicate and connect the cutout portion and the corresponding cylinder chamber. The orifice passage has a height H, a width W and a length substantially the same as the thickness of the second valve plate. L andLet the flow rate and kinematic viscosity of the working fluid be Q and ν, respectively.The height H, the width W, and the length L areThe damping force generation valve is in a closed stateAtAnd L> (0.05Q / ν) (H / W)This is achieved by a shock absorber characterized by being set to a certain value.
[0011]
  In addition, according to the present invention, the other main problem described above is the configuration of claim 2, that is, the cylinder and the cylinder chamber are reciprocally fitted to and cooperate with the cylinder to define two cylinder chambers. And an expansion stroke that is formed in the piston and is connected to the two cylinder chambers in a state of being spaced apart from each other in the circumferential direction at substantially the same radial distance from the piston axis. An operation which is provided in the piston on at least one side of the two cylinder chambers and flows between the two cylinder chambers through one of the communication passages for the extension stroke and the contraction stroke. A damping force generating valve that applies a flow resistance to the fluid to generate a damping force, and the damping force generating valve has a first cutout portion that is disposed in contact with the piston and communicates with the one communication passage. first A valve plate, a second valve plate arranged in contact with the first valve plate and having a second cutout portion communicating with the first cutout portion, and arranged in contact with the second valve plate A third valve plate having a notch on the outer periphery, and a fourth valve plate disposed in contact with the third valve plate, wherein the damping force generating valve is a low speed region of the piston speed. In this case, the closed state is maintained, the second cutout portion extends radially outward from the first cutout portion with respect to the axial line, and the cutout portion is provided with the damping force generating valve. When the valve is closed, the second and fourth valve plates cooperate to define an orifice passage that communicates and connects the second cutout portion and the corresponding cylinder chamber. The same height H and width W as the thickness of the third valve plate And a length L, aLet the flow rate and kinematic viscosity of the working fluid be Q and ν, respectively.The height H, the width W, and the length L areThe damping force generation valve is in a closed stateAtAnd L> (0.05Q / ν) (H / W)This is achieved by a shock absorber characterized by being set to a certain value.
[0012]
  Generally, the flow rate of viscous liquid such as oil used for shock absorber is Q [mm 3 / Sec] and density is ρ [kg / mm] 3 ], And kinematic viscosity is ν [mm 2 / Sec], the height of the orifice passage is H [mm], the width is W [mm], and the length is L [mm], when the viscous liquid passes through the orifice passage, Generated differential pressure ΔP [kg / mm 2 ] Is expressed by the following equation 1 from Bernoulli's theorem.
[Expression 1]
    ΔP = 12ρ (ν / W) (L / H 3 ) Q + 0.6ρ {Q / (WH)} 2
  In the above equation 1, the first term on the right side is the differential pressure generated by the wall resistance, the second term is the differential pressure generated by the flow velocity, and the former is the first term of the flow rate Q, whereas the latter Is the square term of the flow rate Q. Therefore, in order to make the differential pressure ΔP as close to the first power of the flow rate Q as possible, the first term must be superior to the second term, that is, the following inequality must be established.
[Expression 2]
    12ρ (ν / W) (L / H 3 ) Q> 0.6ρ {Q / (WH)} 2
  By transforming the above formula 2, the following formula 3 is obtained.
[Equation 3]
    L> (0.05Q / ν) (H / W)
  According to the configuration of the above-described claims 1 and 2, the damping force generation valve maintains a closed state in a very low speed range of the piston speed,Let the flow rate and kinematic viscosity of the working fluid be Q and ν, respectively.The height H, width W, and length L of the orifice passage areThe damping force generation valve is in a closed stateAtAnd L> (0.05Q / ν) (H / W)Value is set toThe damping force characteristics in the low speed region of the piston speed can be made substantially linear,It is possible to ensure a sufficient damping force in a very low speed region of the piston speed while avoiding an excessive damping force in the middle speed region of the piston speed.
[0013]
In particular, according to the configuration of claim 2 described above, the second cutout portion communicates with the first cutout portion communicating with one of the communication passages, and the second cutout portion is more axial than the first cutout portion. The notch portion cooperates with the second and fourth valve plates to define an orifice passage that connects the second cutout portion and the corresponding cylinder chamber in communication with each other. Therefore, the depth of the cutout portion in the radial direction may be a depth communicating with the second cutout portion.
[0014]
Therefore, the depth of the notch portion may be smaller than the depth required in the case of a structure in which the notch portion communicates directly with the first notch portion without providing the second valve plate. This prevents the third valve plate from becoming fragile due to excessive depth and reducing its durability, and also reduces the risk of entanglement between the valve plates during barrel processing. This makes it possible to increase the rotation speed of the barrel process and improve the productivity of the third valve plate.
[0018]
The flow rate Q in Equation 3 varies depending on the piston speed of the shock absorber, and the kinematic viscosity ν varies depending on the type of viscous liquid used in the shock absorber and the use situation of the shock absorber. The flow rate when the piston speed of the absorber is 0.02 [m 2 / sec] as a representative value in the very low speed range, and the kinematic viscosity ν is used when a specific viscous liquid is used under standard conditions. If the value is set to ## EQU3 ## 0.05Q / ν in the above equation 3 can be replaced with a positive constant K. Therefore, the above equation 3 can be rewritten as the following equation 4, so that the following equation 4 is established. If the length L, height H, and width W of the orifice passage are set, the damping force characteristic of the shock absorber in the very low speed range of the piston speed can be made as linear as possible.
[Expression 4]
L> KH / W
[0019]
  According to the present invention, the length L, the height H, and the width W of the orifice passage have the relationship of the above formula 4 in the configuration of claim 1 or 2 in order to effectively achieve the above-described problem. (Constitution of Claim 3)
  Therefore, according to the configuration of the third aspect, the damping force characteristic of the shock absorber in the very low speed range of the piston speed can be surely made to be a linear characteristic.
[0020]
[Preferred embodiment of the problem solving means]
  The present inventionOneAccording to one preferred embodiment, in the configuration of claim 3, the shock that passes through the orifice passage when the piston speed of the shock absorber is 0.02 [m / sec] as a representative value in the very low speed region. The flow rate of the working fluid of the absorber is Qo [mm3/ Sec], and the kinematic viscosity of the working fluid under standard operating conditions of the shock absorber is νo [mm2/ Sec], K in the above formula 4 is configured to be 0.05 Qo / νo (preferred embodiment)1).
[0021]
  According to another preferred embodiment of the present invention, in the configuration of claim 1, the first to third valve plates are configured to have substantially the same outer diameter (preferred embodiment).2).
[0022]
  According to another preferred embodiment of the present invention, in the configuration of claim 1, a plurality of communication passages are provided in a state of being spaced apart from each other around the axis of the piston, and the cutout portion is provided in the piston. Configured to extend substantially C-shaped about an axis (preferred embodiment3).
[0023]
  According to another preferred embodiment of the present invention, in the configuration of claim 2, the first to fourth valve plates are configured to have substantially the same outer diameter (preferred embodiment).4).
[0024]
  According to another preferred embodiment of the present invention, in the configuration of claim 2, a plurality of communication paths for the extension stroke and the contraction stroke are provided, respectively, and the first cutout portion is formed on the axis of the piston. It is comprised so that it may extend in a semicircular arc shape around (a preferable aspect5).
[0025]
  According to another preferred embodiment of the present invention, the preferred embodiment described above.5In this configuration, at least one of the first and second cutouts is configured to extend substantially in a C shape around the axis of the piston (preferred embodiment).6).
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will now be described in detail with reference to a few preferred embodiments with reference to the accompanying drawings.
[0027]
FIG. 1 is a partial longitudinal sectional view showing a main part of a first embodiment of a shock absorber according to the present invention configured as a twin tube type shock absorber, and FIG. 2 is a first embodiment of the first embodiment shown in FIG. It is a top view which shows one valve plate (A), 2nd valve plate (B), and 3rd valve plate (C).
[0028]
In FIG. 1, reference numerals 10 and 12 denote an inner cylinder and an outer cylinder that extend concentrically along an axis 14, and both ends of these cylinders are closed by end caps not shown in the figure. . The cylinders 10 and 12 and the end cap cooperate with each other to define the annular chamber 16. A piston 18 is disposed in the inner cylinder 10 so as to be able to reciprocate along the axis 14. The piston 18 is separated from the inner cylinder 10 into a cylinder upper chamber 20 and a cylinder lower chamber 22. The piston 18 is integrally connected to the body and extends along the axis 14 through the upper end cap. And a piston rod 26. The piston body 24 is fixed to the tip of the piston rod 26 by a nut 28. The piston body 24 includes a damping force generating valve 30 for an extension stroke configured according to the present invention and a damping for a contraction stroke having a known structure. A force generating valve 32 is provided.
[0029]
Although not shown in FIG. 1, a base valve assembly is provided at a lower portion in the inner cylinder 10, and the base valve assembly includes a damping force generation valve 30 for an extension stroke and a contraction stroke, respectively. A damping force generation valve for a contraction stroke and a damping force generation valve for an extension stroke, which are configured in the same manner as the damping force generation valve 32 for the operation, are provided. A part of the cylinder upper chamber 20, the cylinder lower chamber 22, and the annular chamber 16 are filled with oil as a working liquid, and a high-pressure gas is sealed in an upper portion of the annular chamber 16. Although not shown in FIG. 1, the upper end of the piston rod 26 is connected to the vehicle body as a sprung, and the outer cylinder 12 or the end cap at the lower end is connected to a suspension member as an unsprung not shown in the drawing. It has come to be.
[0030]
The piston main body 24 has a plurality of communication passages 34 for extension strokes and a plurality of communication passages for contraction strokes that are equally spaced around the axis 14 and that connect the cylinder upper chamber 20 and the cylinder lower chamber 22 to each other. 36 is formed, and the communication path 36 for the contraction stroke is located in a circumferential position between the communication paths 34 at a position radially outward from the communication path 34 for the expansion stroke. The upper and lower surfaces of the piston body 24 are respectively provided with annular ports 38A and 38B which communicate with the upper and lower ends of the communication passage 34 and extend around the axis 14, and communicate with the upper surface of the piston body 24. An annular port 40A that communicates with the upper end of the passage 36 and extends around the axis 14 is provided.
[0031]
A damping force generating valve 30 for the extension stroke is provided on the cylinder lower chamber 22 side with a first valve plate 42 disposed in contact with the piston body 24 and a second valve disposed in contact with the valve plate 42. A plate 44 and a third valve plate 46 disposed in contact with the valve plate 44 are included. In the illustrated embodiment, the first to third valve plates 42 to 46 have substantially the same outer diameter and thickness H, and have holes that fit into the lower end of the piston rod 26. Further, it is fixed to the piston main body 24 by the nut 28 through the spacer 48.
[0032]
The first to third valve plates 42 to 46 are formed of an elastically deformable material, and are fitted with the nut 28 so as to be able to reciprocate along the axis 14 and the spring seat portion 28A of the nut 28. A compression coil spring 52 is elastically mounted between the first and third valve plates so that the first to third valve plates are biased to the illustrated valve closing position where the first valve plate 42 contacts the lower surface of the piston body 24. Yes.
[0033]
On the other hand, the damping force generating valve 32 for the contraction stroke includes a valve plate 54 disposed in contact with the piston body 24 on the cylinder upper chamber 20 side, and the valve plate 54 communicates the cylinder upper chamber 20 with the annular port 38A. A plurality of holes 56 to be connected are provided. A disc spring 62 is held between a stopper 58 arranged in contact with the shoulder of the piston rod 26 and a spacer 60 arranged in contact with the valve plate 54, and the disc spring 62 is radially outward. A plurality of arm portions extending to the valve body, and the valve plate abuts against the upper surface of the piston body 24 at the arm portions to block communication between the cylinder upper chamber 20 and the communication passage 36. Energized to the closed position.
[0034]
In the illustrated first embodiment, as shown in detail in FIG. 2A, the first valve plate 42 of the damping force generating valve 30 for the expansion stroke is substantially C-shaped. A cutout 66 extending annularly around the axis 14 is provided. The cut-out portion 66 is provided at a radial position that is always in communication with the annular port 38B so that oil can freely flow. The outer peripheral edge of the cut-out portion 66 is radially inward from the outer peripheral edge of the valve plate 42 by a distance L. It is spaced away.
[0035]
As shown in detail in FIG. 2B, the second valve plate 44 has three notches 68 that are equally spaced around the axis 14. Each notch 68 has a circular arc 68A extending around the axis 14 in an arc shape, and a diameter that substantially connects to the circular arc 68A at the inner end and opens to the outer peripheral edge of the valve plate 44 at the outer end. And a straight portion 68B extending in the direction. The circular arc portion 68A is provided at a radial position overlapping the cutout portion 66 so that oil can freely flow, and the outer peripheral edge of the circular arc portion 68A is spaced radially inward from the outer peripheral edge of the valve plate 44 by a distance L. The straight line portion 68B has a width W.
[0036]
Further, as shown in detail in FIG. 2C, the third valve plate 46 does not have a cutout portion or a cutout portion such as the cutout portion 66 or the cutout portion 68. Accordingly, as shown in detail in FIGS. 1 and 3, the notch 68 communicates the cutout 66 and the cylinder lower chamber 22 even when the damping force generating valve 30 is closed. The straight portion 68B of the portion 68 cooperates with the first valve plate 42 and the third valve plate 46 to define an orifice passage 70 having a length L, a height H, and a width W.
[0037]
The length L [mm], height H [mm], and width W [mm] of the orifice passage 70 are determined when the piston speed is 0.02 [m 2 / sec] as a representative value in the very low speed region. The flow rate of oil passing through the passage 70 is Qo [mmThree/ Sec], and the kinematic viscosity of the oil under standard shock absorber operating conditions is νo [mm2/ Sec], it is set to a dimension that satisfies the following relationship of Equation 5.
[Equation 5]
L> (0.05Qo / νo) (H / W)
[0038]
In the extension stroke of the first embodiment configured as described above, that is, the stroke in which the piston 18 moves relatively upward with respect to the inner cylinder 10, the pressure in the cylinder upper chamber 20 rises and the cylinder lower The pressure in the chamber 22 decreases, and the oil in the cylinder upper chamber tends to move to the cylinder lower chamber via the damping force generation valve 30 due to the differential pressure between the cylinder upper chamber 20 and the cylinder lower chamber 22.
[0039]
In this case, in a very low speed range where the piston speed is smaller than a predetermined value, the valve plates 42 to 46 are more than the opening force against the damping force generating valve 30 due to the differential pressure between the cylinder upper chamber 20 and the cylinder lower chamber 22. Since the sum of the spring force due to elasticity and the spring force of the compression coil spring 52 is higher, the damping force generating valve 30 is maintained in the closed state. Therefore, the oil in the cylinder upper chamber 20 flows into the communication passage 34 through the hole 56 and the annular port 38A, and flows into the cylinder lower chamber 22 from the communication passage 34 through the annular port 38B, the cutout portion 66, and the cutout portion 68. .
[0040]
Accordingly, a damping force is generated by the flow resistance when the oil passes through the orifice passage 70, and the damping force characteristic becomes a substantially linear characteristic like the straight line portion of the characteristic curve shown by the solid line in FIG. A sufficient damping force is ensured even in the very low speed region of the piston speed Vp.
[0041]
In FIG. 4, the characteristic curve indicated by the broken line indicates the characteristic of a conventional general shock absorber, and the characteristic curve indicated by the alternate long and short dash line attenuates even at a very low speed range of the piston speed Vp. The characteristic of the conventional shock absorber of the type which a force generation valve opens is shown. In the case of the former shock absorber, the damping force characteristic in the very low speed region of the piston speed Vp is a square characteristic with respect to the piston speed, and the damping force in the very low speed region tends to be insufficient. In the case of the latter shock absorber, the damping force characteristic is a characteristic of the power of 0.6 with respect to the piston speed over the entire piston speed Vp, and the damping force tends to be excessive in the very low speed range.
[0042]
On the other hand, according to the first embodiment shown in the figure, the damping force characteristic in the very low speed region of the piston speed Vp is substantially linear, so that the damping force in the medium / high speed region becomes excessive. It is possible to optimize the damping force in the low speed region of the piston speed while avoiding the shortage or shortage.
[0043]
In the middle and high speed range where the piston speed is larger than a predetermined value, the valve opening force due to the differential pressure between the cylinder upper chamber 20 and the cylinder lower chamber 22 is the spring force due to the elasticity of the valve plates 42 to 46 and the compression coil. The damping force generating valve 30 is opened higher than the sum of the spring force of the spring 52. Accordingly, the oil in the cylinder upper chamber 20 can pass through not only the orifice passage 70 but also the damping force generation valve 30 in the valve opening state, and mainly when the oil passes through the damping force generation valve 30 in the valve opening state. A damping force is generated by the flow resistance, so that the damping force characteristic in the medium to high speed region of the piston speed Vp becomes a characteristic as shown by a solid curve in FIG. 4, and as the piston speed increases. The increase rate of the damping force is smaller than that in the case of the very low speed range.
[0044]
In the contraction stroke in which the piston 18 moves downward relative to the inner cylinder 10, a base valve assembly which is not shown in the drawing in both the very low speed range and the medium to high speed range of the piston speed. In the same manner as the damping force generating valve 30, a damping force is generated by the damping force generating valve for the contraction stroke.
[0045]
FIG. 5 is a partial longitudinal sectional view showing a main part of a second embodiment of the shock absorber according to the present invention configured as a twin tube type shock absorber, and FIG. 6 is a partial plan sectional view taken along line VI-VI in FIG. It is. 5 and 6, members corresponding to those shown in FIG. 1 are denoted by the same reference numerals as those shown in FIG. 1.
[0046]
Also in this second embodiment, the piston body 24 is equally spaced from each other around the axis 14 and is connected to the cylinder upper chamber 20 and the cylinder lower chamber 22 for communication of a plurality of extension strokes. 34 and a plurality of communication paths 36 for the contraction stroke are formed. As can be seen from FIG. 6, the communication paths 34 and 36 are formed at substantially the same radial distance from the axis 14.
[0047]
In particular, in the illustrated second embodiment, four communication passages 34 and 36 are formed, and the annular ports 38B and 40B at the lower ends of these communication passages are separated from each other by lands 72. . The land 72 has an outer arc portion 72A extending in an arc shape radially outward from the communication passage 34, an inner arc portion 72B extending in an arc shape radially inward of the communication passage 36, and substantially The connecting portion 72C extends linearly in the radial direction and connects the outer arc portion 72A and the inner arc portion 72B.
[0048]
Further, the damping force generating valve 30 for the extension stroke is provided with a first valve plate 74 disposed in contact with the piston body 24 on the cylinder lower chamber 22 side, and a second valve disposed in contact with the valve plate 74. A valve plate 76, a third valve plate 78 disposed in contact with the valve plate 76, and a fourth valve plate 80 disposed in contact with the valve plate 78 are included. Also in the illustrated second embodiment, the first to fourth valve plates 74 to 80 have substantially the same outer diameter and thickness H and are fitted to the lower end portion of the piston rod 26. It has a hole and is fixed to the piston body 24 by a nut 28 via a spacer 48.
[0049]
The first to fourth valve plates 74 to 80 are made of an elastically deformable material, and are fitted to the nut 28 so as to reciprocate along the axis 14 and the spring seat portion of the nut 28 ( 28A), a compression coil spring 52 is elastically mounted so that the first to fourth valve plates are urged to the illustrated valve closing position where the first valve plate 74 contacts the lower surface of the piston body 24. Has been.
[0050]
The contraction damping force generating valve 32 provided in the piston 18 is also provided with a land 73 similar to the land 72 of the damping force generating valve 30. Although not shown in the drawing, the base valve assembly has an extension stroke configured similarly to the damping force generation valve 32 for the contraction stroke and the damping force generation valve 30 for the extension stroke of this embodiment, respectively. A damping force generating valve and a damping force generating valve for the contraction stroke are provided.
[0051]
In the second embodiment shown in the figure, as shown in detail in FIG. 7A, the first valve plate 74 of the damping force generating valve 30 for the expansion stroke is close to the inner peripheral edge thereof. A pair of cutouts 82 extending substantially in a semicircular arc around the axis 14 is provided. The cut-out portion 82 is provided at a radial position close to the inner peripheral edge of the valve plate 74 so as to always communicate with the annular port 38B.
[0052]
Further, as shown in detail in FIG. 7B, the second valve plate 76, like the first valve plate 42 of the first embodiment, is formed around the axis 14 so as to be substantially C-shaped. It has a cutout 84 extending in an annular shape. The cutout portion 84 has a larger radial width and outer diameter than the cutout portion 82, and is provided at a radial position that is always in communication with the cutout portion 82 so that oil can freely flow. The distance between the outer periphery of the valve plate 76 and the outer periphery of the valve plate 76 is set to be greater than L, but this distance may be set to L.
[0053]
Further, as shown in detail in FIG. 7 (C), the third valve plate 78, like the second valve plate 44 of the first embodiment, is equally spaced from each other around the axis line 14. Two notches 86 are provided. Each notch 86 has an arcuate portion 86A extending in an arc around the axis 14 and a diameter that is connected to the arc 86A at the inner end and opens to the outer peripheral edge of the valve plate 78 at the outer end. And a straight portion 86B extending in the direction. The arc portion 86A is provided at a radial position that overlaps the cutout portion 84 so that oil can freely flow, and the outer peripheral edge of the arc portion 86A is spaced radially inward from the outer peripheral edge of the valve plate 78 by a distance L. The straight portion 86B has a width W.
[0054]
Further, as shown in detail in FIG. 7 (D), the fourth valve plate 80 is similar to the third plate 46 of the first embodiment, such as cutout portions 84, 86 and cutout portions 86. There are no cutouts. Accordingly, as shown in detail in FIGS. 5 and 7, the notch 86 communicates the cutouts 84 and 86 with the cylinder lower chamber 22 even when the damping force generating valve 30 is closed, and The straight portion 86B of the notch 86 cooperates with the second valve plate 76 and the fourth valve plate 80 to define an orifice passage 88 having a length L, a height H, and a width W.
[0055]
As in the case of the first embodiment, the length L [mm], the height H [mm], and the width W [mm] of the orifice passage 88 are 0.02 as a typical value of the piston speed in the very low speed region. The flow rate of oil passing through the orifice passage 88 when [m 2 / sec] is Qo [mmThree/ Sec], and the kinematic viscosity of the oil under standard shock absorber operating conditions is νo [mm2/ Sec], it is set to a size that satisfies the relationship of the above formula 5.
[0056]
Therefore, according to the second embodiment, the damping force characteristic becomes the characteristic shown by the solid line in FIG. 4 as in the case of the first embodiment, particularly in the very low speed region of the piston speed Vp. The characteristics in the linear shape of the characteristic curve are substantially linear, and a sufficient damping force is ensured even in the very low speed region of the piston speed Vp.
[0057]
8 (A) to 8 (C), as shown in FIGS. 5 and 6, the extension stroke communication passage 34 and the plurality of contraction stroke communication passages 36 are substantially the same in the radial direction from the axis 14. In the shock absorber formed at the position of the distance, the first to third in the case where the damping force generating valve 30 for the extension stroke is composed of the same three valve plates as in the first embodiment. Valve plates 42-46 are shown.
[0058]
When there are three valve plates constituting the damping force generating valve 30, the cutout portion 66 is provided close to the inner peripheral edge of the first valve plate 42, and therefore communicates with the cutout portion 66 at the arc portion 68 </ b> A. In order to improve the durability of the second valve plate, the straight portion 68B of the cut-out portion 68 must be long, so that the second valve plate 44 becomes fragile and its durability tends to decrease. Since the valve plates tend to be entangled during the barrel processing and the valve plate is easily bent, the rotation speed of the barrel processing cannot be increased, and it is difficult to improve the productivity of the second valve plate. is there.
[0059]
On the other hand, according to the second embodiment shown in the figure, the damping force generating valve 30 is constituted by four valve plates, and the arc portion 86A of each notch portion 86 is formed by the cutout portion 84 of the second valve plate 76. Therefore, the length of the straight portion 86B of each notch portion 86 may be short, so that the above-described various problems can be reliably solved.
[0060]
In the above, the present invention has been described in detail with respect to two embodiments. However, the present invention is not limited to these embodiments, and various other embodiments are possible within the scope of the present invention. It will be apparent to those skilled in the art.
[0061]
For example, in the two embodiments described above, each valve plate has the same outer diameter and thickness, but each valve plate may have a different outer diameter or thickness. .
[0062]
In addition, the cut-out portion 66 of the first valve plate 42 in the first embodiment and the cut-out portion 84 of the second valve plate 76 in the second embodiment are substantially axis-shaped so as to form a C shape. 14, and the cutout 82 of the first valve plate 74 in the second embodiment extends substantially in a semicircular arc around the axis 14, These cutout portions may have any shape as long as they are always in communication with the corresponding annular ports of the communication passages so that the oil can freely flow.
[0063]
The above-described two embodiments are configured as a twin tube type shock absorber. However, the shock absorber according to the present invention has a damping force generated by a damping force generating valve provided on the piston in both the expansion stroke and the contraction stroke. May be configured as a monotube type shock absorber.
[0064]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, according to the configurations of claims 1 and 2 of the present invention, the damping force characteristic in the very low speed range of the piston speed can be made substantially linear. Sufficient damping force in a very low speed region of the piston speed can be ensured while avoiding excessive damping force in the medium speed region of the piston speed.
[0065]
In particular, according to the configuration of the second aspect of the present invention, the communication paths for the extension stroke and the contraction stroke are spaced apart from each other in the circumferential direction at substantially the same radial distance from the piston axis. In the shock absorber formed in the piston, the radial depth of the notch portion in which the third valve plate is provided can be reduced to a depth communicating with the second cutout portion.
[0066]
  Therefore, the depth of the notch portion may be smaller than that required in the case of a structure in which the notch portion communicates directly with the first notch portion without providing the second valve plate. Can be avoided that the damping force becomes excessive in the low speed region of the piston speed due to excessively long, and the third valve plate having the second cutout portion becomes fragile and It is possible to avoid a decrease in durability, and further reduce the possibility of entanglement between valve plates during barrel processing, thereby increasing the rotational speed of barrel processing and increasing the productivity of the third valve plate. Thus, the durability of the shock absorber can be improved and the manufacturing cost of the shock absorber can be reduced.
  According to the third aspect of the present invention, the length L, the height H, and the width W of the orifice passage are configured to have the relationship of the above formula 4, so that the shock in the very low speed range of the piston speed is obtained. The damping force characteristic of the absorber can be surely made linear.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial longitudinal sectional view showing a main part of a first embodiment of a shock absorber according to the present invention configured as a twin tube type shock absorber.
FIG. 2 is a plan view showing a first valve plate (A), a second valve plate (B), and a third valve plate (C) of the first embodiment.
FIG. 3 is an illustrative perspective view showing an orifice passage according to the first embodiment.
FIG. 4 is a graph showing the damping force characteristic of the first embodiment in comparison with the damping force characteristic of a conventional shock absorber.
FIG. 5 is a partial longitudinal sectional view showing a main part of a second embodiment of the shock absorber according to the present invention configured as a twin tube type shock absorber.
6 is a partial plan sectional view taken along line VI-VI in FIG. 5;
FIG. 7 is a plan view showing the first valve plate (A), the second valve plate (B), the third valve plate (C), and the fourth valve plate (D) of the second embodiment. is there.
8 is a plan view showing each valve plate when the damping force generating valve is composed of three valve plates in the structure of the piston shown in FIGS. 5 and 6. FIG.
[Explanation of symbols]
10 ... Inner cylinder
12 ... Outer cylinder
18 ... Piston
20 ... Cylinder upper chamber
22 ... Cylinder lower chamber
24 ... Piston body
26 ... Piston rod
30 ... Damping force generating valve for extension stroke
32 ... Damping force generating valve for the contraction stroke
34, 36 ... Communication passage
42-46 ... Valve plate
66. Cutout part
68 ... Notch
70: Orifice passage
74-80 ... Valve plate
82, 84 ... Cutout
86 ... Notch
88 ... Orifice passage

Claims (3)

シリンダと、前記シリンダに往復動可能に嵌合し前記シリンダと共働して二つのシリンダ室を郭定するピストンと、前記ピストンに形成され前記二つのシリンダ室を連通接続する連通通路と、前記二つのシリンダ室の少なくとも一方の側にて前記ピストンに設けられ前記連通通路を経て前記二つのシリンダ室の間に流通する作動流体に流通抵抗を与えて減衰力を発生する減衰力発生弁とを有し、前記減衰力発生弁は前記ピストンに当接して配置され前記連通通路と連通する切抜き部を有する第一の弁プレートと、前記第一の弁プレートに当接して配置され外周部に切欠き部を有する第二の弁プレートと、前記第二の弁プレートに当接して配置された第三の弁プレートとを含み、前記減衰力発生弁はピストン速度の微低速域に於いては閉弁状態を維持し、前記切欠き部は前記減衰力発生弁が閉弁状態にあるときには前記第一及び第三の弁プレートと共働して前記切抜き部と対応するシリンダ室とを連通接続するオリフィス通路を郭定し、前記オリフィス通路は実質的に前記第二の弁プレートの厚さと同一の高さHと幅Wと長さLとを有し、作動流体の流量及び動粘度をそれぞれQ及びνとして、前記高さH、前記幅W、前記長さLは前記減衰力発生弁が閉弁状態にある状況に於いてL>(0.05Q/ν)(H/W)の関係を有する値に設定されていることを特徴とするショックアブソーバ。A cylinder, a piston that is reciprocally fitted to the cylinder and cooperates with the cylinder to define two cylinder chambers, a communication passage that is formed in the piston and connects the two cylinder chambers, and A damping force generating valve that is provided in the piston on at least one side of the two cylinder chambers and generates a damping force by applying a flow resistance to the working fluid that flows between the two cylinder chambers through the communication passage. The damping force generation valve is disposed in contact with the piston and has a first valve plate having a cutout portion communicating with the communication passage, and is disposed in contact with the first valve plate and cut in an outer peripheral portion. A second valve plate having a notch and a third valve plate disposed in contact with the second valve plate, wherein the damping force generating valve is closed in a very low speed range of the piston speed. Valve status And the notch portion has an orifice passage that cooperates with the first and third valve plates to communicate and connect the cutout portion and the corresponding cylinder chamber when the damping force generation valve is in a closed state. The orifice passage has a height H, a width W and a length L substantially the same as the thickness of the second valve plate, and the flow rate and kinematic viscosity of the working fluid are Q and ν, respectively. the height H, the width W, the length L is that having a relationship L> to have at the situation where the damping force generating valve is in a closed state (0.05Q / ν) (H / W) A shock absorber characterized by being set to a value. シリンダと、前記シリンダに往復動可能に嵌合し前記シリンダと共働して二つのシリンダ室を郭定するピストンと、前記ピストンの軸線より実質的に同一の半径方向距離の位置にて周方向に互いに隔置された状態で前記ピストンに形成され前記二つのシリンダ室を連通接続する伸び行程用及び縮み行程用の連通通路と、前記二つのシリンダ室の少なくとも一方の側にて前記ピストンに設けられ前記伸び行程用及び縮み行程用の連通通路の一方を経て前記二つのシリンダ室の間に流通する作動流体に流通抵抗を与えて減衰力を発生する減衰力発生弁とを有し、前記減衰力発生弁は前記ピストンに当接して配置され前記一方の連通通路と連通する第一の切抜き部を有する第一の弁プレートと、前記第一の弁プレートに当接して配置され前記第一の切抜き部と連通する第二の切抜き部を有する第二の弁プレートと、前記第二の弁プレートに当接して配置され外周部に切欠き部を有する第三の弁プレートと、前記第三の弁プレートに当接して配置された第四の弁プレートとを含み、前記減衰力発生弁はピストン速度の微低速域に於いては閉弁状態を維持し、前記第二の切抜き部は前記第一の切抜き部よりも前記軸線に対し半径方向外方まで延在し、前記切欠き部は前記減衰力発生弁が閉弁状態にあるときには前記第二及び第四の弁プレートと共働して前記第二の切抜き部と対応するシリンダ室とを連通接続するオリフィス通路を郭定し、前記オリフィス通路は実質的に前記第三の弁プレートの厚さと同一の高さHと幅Wと長さLとを有し、作動流体の流量及び動粘度をそれぞれQ及びνとして、前記高さH、前記幅W、前記長さLは前記減衰力発生弁が閉弁状態にある状況に於いてL>(0.05Q/ν)(H/W)の関係を有する値に設定されていることを特徴とするショックアブソーバ。A cylinder, a piston reciprocally fitted to the cylinder and cooperating with the cylinder to define two cylinder chambers, and a circumferential direction at substantially the same radial distance from the axis of the piston A communication passage for extending stroke and contracting stroke formed on the piston in a state of being spaced apart from each other, and provided on the piston on at least one side of the two cylinder chambers. A damping force generating valve for generating a damping force by applying a flow resistance to the working fluid flowing between the two cylinder chambers through one of the communication paths for the extension stroke and the contraction stroke. The force generating valve is disposed in contact with the piston and has a first valve plate having a first cutout portion communicating with the one communication passage, and is disposed in contact with the first valve plate. A second valve plate having a second cutout portion communicating with the cutout portion, a third valve plate disposed in contact with the second valve plate and having a cutout portion on the outer periphery, and the third valveplate A fourth valve plate disposed in contact with the valve plate, wherein the damping force generating valve maintains a closed state in a very low speed region of the piston speed, and the second cutout portion is the second cutout portion. The cutout portion extends radially outward with respect to the axis, and the cutout portion cooperates with the second and fourth valve plates when the damping force generating valve is in a closed state. An orifice passage connecting the second cutout portion and the corresponding cylinder chamber is defined, and the orifice passage has a height H, a width W and a length substantially the same as the thickness of the third valve plate. L and the flow rate and kinematic viscosity of the working fluid as Q and ν, respectively. The height H, the width W, the length L is that having a relationship L> to have at the situation where the damping force generating valve is in a closed state (0.05Q / ν) (H / W) A shock absorber characterized by being set to a value. 前記高さH、前記幅W、前記長さLは、Kを正の定数として、L>KH/Wの関係を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のショックアブソーバ。  The shock absorber according to claim 1, wherein the height H, the width W, and the length L have a relationship of L> KH / W, where K is a positive constant.
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