JP4327305B2 - Work vehicle transmission - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行駆動用の無段変速装置及び旋回駆動用の無段変速装置を備えた作業車のトランスミッションの技術に関する。詳細には、上記トランスミッションのコンパクト化及び製造コストの低減のためのレイアウトの技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車速を変更する走行駆動用の無段変速装置及びステアリングのための旋回駆動用の無段変速装置の二者を、ミッションケースの側壁に並置して、コンパクトな構成とした作業車のトランスミッションの技術は公知となっている。例えば、特開平10−54451号の技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術は、コンパクトにトランスミッションを構成できる点でかなり有用であったが、さらにコンパクトなトランスミッションを提供するための技術が要望されていた。また、安価に製造できるトランスミッションの技術も要望されていた。本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、更なるコンパクト化及び製造コスト低減を図るための、ミッションケースの構成を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
左右車軸のそれぞれに備えさせた遊星歯車装置の三つの要素のうち第一要素に第一無段変速装置を、第二要素に第二無段変速装置を、第三要素に上記車軸を、それぞれ連動連結し、前記第一無段変速装置を作動させたときに左右の車軸を同方向へ駆動して機体を直進走行させ、前記第二無段変速装置を作動させたときに左右の車軸に相対回転差を与えて機体を旋回させるよう構成した作業車のトランスミッションにおいて、前記第一無段変速装置を前記第一要素に連動連結する走行系ドライブトレーンの入力ギアと、前記第二無段変速装置を前記第二要素に連動連結するステアリング系ドライブトレーンの入力ギアとを共通軸上に遊嵌配置するとともに、前記第一無段変速装置の出力軸と前記第二無段変速装置の出力軸とを、前記共通軸の軸線方向に沿って向かい合わせに配置し、前記出力軸上に設置した出力ギアの各々を前記入力ギアの各々にそれぞれ噛合させ、前記走行系ドライブトレーンと前記ステアリング系ドライブトレーンとをミッションケース内の前後に並列させるとともに、該ステアリング系ドライブトレーンに備わる逆転ギアを両ドライブトレーンの間に配置させたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく正面模式図である。
【0007】
まず、図1・図2より、本発明のコンバインの全体構成について説明する。即ち、このコンバインは、トラックフレーム1の左右にクローラ式走行装置2L・2Rを支持した構成であり、3は前記トラックフレーム1に架設する機台、4はフィードチェーン5を左側に張架し扱胴6及び処理胴7を内蔵している脱穀機である脱穀部、8は刈刃9及び穀稈搬送機構10等を備える刈取部、11は刈取フレーム12を介して刈取部8を昇降させる油圧シリンダである。13は排藁チェーン14の終端を臨ませる排藁処理部、15は揚穀筒16を介して脱穀部4からの穀粒を搬入する穀物タンク、17は前記穀物タンク15の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、18は丸型の操向ハンドル19を支架するハンドルポスト、68は主変速レバー、20は運転席であり、また、21は、機体左右方向に沿う出力軸を有する原動機たるエンジンであり、コンバインの前方より連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0008】
また、このコンバインには二つの静油圧式無段変速装置(以下「HST」)、即ち、第一無段変速装置である走行系の走行駆動HST25、及び、第二無段変速装置であるステアリング系のステアリングHST28を具備しており、それぞれのHST25・28はエンジン21より駆動力を得るよう構成されている。そして、エンジン21により駆動力を得た走行駆動HST25により、正逆の回転方向と回転数増減の制御が行われたのち、駆動力が走行系ドライブトレーンPを介して差動機構33に伝達される。一方、エンジン21により駆動力を得たステアリングHST28により、正逆の回転方向と回転数増減の制御が行われた後、駆動力がステアリング系ドライブトレーンS、正逆転付与機構Rを介して差動機構に伝達される。
【0009】
以上構成とすることにより、差動機構33に連動連結された左右のクローラ式走行装置2L・2Rの駆動スプロケット34L・34Rに駆動力を常時伝達することにより前後直進走行を可能としており、また、左右駆動スプロケット34L・34Rに対する回転数の相対的な増減制御により旋回を可能としているのである。以下において、この走行及び旋回の機構について詳述する。
【0010】
まず、トランスミッションの構成について説明する。図4はトランスミッションの走行系及びステアリング系のドライブトレーンのスケルトン図である。図5はトランスミッションの全体構成を示した正面一部断面図、図6は同じく右側面図、図7は同じく左側面図、図8は同じく平面図である。
【0011】
即ち、このトランスミッションMは、図4に示すように、前記クローラ式走行装置2L・2Rを駆動するための走行系ドライブトレーンP、ステアリング系ドライブトレーンS、正逆転付与機構R、差動機構33等をミッションケース22内に配置しており、該ミッションケース22上部左右側面には、図5〜図8に示すように、上記二つのHST25・28を有する無段変速部Hを設ける構成としている。上記トランスミッションMは左右のクローラ式走行装置2L・2Rの間の位置に立設され、そのハウジングであるミッションケース22は左右の半部22L・22Rを垂直な面にて接合して構成され(図5等)、その内部には一定量の潤滑油が注入され、内部に配置された上記の各機構を自然潤滑することとしている。 そして、図5・図6・図8に示すように、この潤滑油を濾過するためのサクションストレーナ106がミッションケース22内の前方位置に設けられ、濾過された潤滑油を吸い上げるための配管P0が該サクションストレーナ106に接続される。この配管P0を通って吸い上げられた潤滑油は二手に分岐されて、その一方は、図8に示す配管P9等を経由して上述の刈取昇降用油圧シリンダに導入される。他方は、トランスミッションMの上部右方位置に配設されたチャージポンプCPの吸入ポートに配管P1を介して接続され、該チャージポンプCPから吐出された潤滑油は、二つのHST25・28及び後述する中立ブレーキ装置Bの作動油としての役割を果たし、更には該HST25・28の潤滑及び冷却をも行うようにしている。
【0012】
更に、図5・図7・図8に示すように、トランスミッションMの上部左方位置には、エンジンからの動力をトランスミッションMに導入するための入力プーリー26bが配置され、その前下方には、該エンジンからの動力を作業機に伝達して駆動するための刈取出力プーリー55bが配置される。
【0013】
次に、上記無段変速部Hについて説明する。図9はトランスミッションの無段変速部近傍の構成を示した正面断面拡大図である。
【0014】
即ち、上記無段変速部Hは、図9に示すように、一組の走行油圧ポンプ23及び走行油圧モータ24からなる主変速機構である、走行駆動HST25と、一組の旋回油圧ポンプ26及び旋回油圧モータ27からなる旋回機構である、ステアリングHST28とからなる。以下、この無段変速部Hについて説明する。
【0015】
即ち、図5・図9に示すように、前記走行用の走行駆動HST25は、ケース25a及びセンタセクション25bよりなるハウジングをミッションケース22上部左側面に設け、該ハウジング内において、上から、入力部である走行油圧ポンプ23、出力部である走行油圧モータ24の順に並べて配設される構成としている。そして、該走行油圧ポンプ23のポンプ軸23a及び、該走行油圧モータ24のモータ軸24aの各々が互いに平行となるよう機体左右方向に軸支され、走行油圧ポンプ23及び走行油圧モータ24の二者が、センタセクション25bを介して流体的に結合される構成としている。
【0016】
上記センタセクション25bは、上下方向に配設された長方形平板(フラット)型のセンタセクションとしており、該センタセクション25bの上部にポンプ付設面が形成され、その中央に上記ポンプ軸23aが水平方向に支持されて、図9に示すように該ポンプ軸23aにシリンダブロック201を嵌合して上記付設面上に回転摺動自在に配置している。該シリンダブロック201内には図略の付勢バネを介して複数のピストンをポンプ軸23aに平行に往復動自在に嵌合して、アキシャルピストンタイプの走行油圧ポンプ23を構成しており、更に該ピストンの頭部には可動斜板145を当接させて、この可動斜板145を傾動操作することで、油圧ポンプ23は、油の吐出量及び吐出方向を変更可能な可変容積型に構成している。
【0017】
前記油圧ポンプ23からの圧油は、センタセクション25b内の油路を経由して、油圧モータ24に送油される。この油圧モータ24は、センタセクション25bのポンプ付設面より下方位置にモータ付設面が構成され、該モータ付設面にシリンダブロック202が回転自在に支持され、該シリンダブロック202には付勢バネを介して複数のピストンが往復動自在に嵌合され、該ピストンの頭部は固定斜板170に接当されている。そして、シリンダブロック202の回転軸心上にはモータ軸24aが相対回転不能に係止されて、固定容積型の走行油圧モータ24を構成している。
【0018】
また、前記旋回用のステアリングHST28は、ケース28a及びセンタセクション28bよりなるハウジングをミッションケース22上部右側面に付設し、該ハウジング内において、上から、入力部である旋回油圧ポンプ26、出力部である旋回油圧モータ27の順に並べて配設される構成としている。そして、該旋回油圧ポンプ26のポンプ軸26a及び、該旋回油圧モータ27のモータ軸27aの各々が互いに平行となるよう機体左右方向に軸支され、旋回油圧ポンプ26及び旋回油圧モータ27の二者が、センタセクション28bを介して流体的に接合される構成としている。
【0019】
上記センタセクション28bは、長方形平板(フラット)型のセンタセクションとしており、該センタセクション28bの上部にポンプ付設面が形成され、その中央に上記ポンプ軸26aが水平方向に支持されて、図9に示すように該ポンプ軸26aにシリンダブロック203を嵌合して上記付設面上に回転摺動自在に配置している。該シリンダブロック203内には図略の付勢バネを介して複数のピストンをポンプ軸26aに平行に往復動自在に嵌合して、アキシャルピストンタイプの旋回油圧ポンプ26としており、更に該ピストンの頭部には可動斜板146を当接させて、この可動斜板146を傾動操作することで、油圧ポンプ26は、油の吐出量及び吐出方向を変更可能な、可変容積型に構成している。
【0020】
前記油圧ポンプ26からの圧油は、センタセクション28b内の油路を経由して、油圧モータ27に送油される。この油圧モータ27の構成は、センタセクション28bのポンプ付設面より下方位置にモータ付設面が構成され、該モータ付設面にシリンダブロック204が回転自在に支持され、該シリンダブロック204には付勢バネを介して複数のピストンが往復動自在に嵌合され、該ピストンの頭部は固定斜板171に接当されている。そして、シリンダブロック202の回転軸心上にはモータ軸27aが相対回転不能に係止されて、固定容積型の旋回油圧モータ27を構成している。
【0021】
尚、これら二つのHST25・28の取付構成については、ミッションケース22上部を一部欠切して、左右幅を狭くした狭小部分を形成し、該狭小部分を挟んで両HST25・28の略下半分(油圧モータ24・27の周辺部分)のみを対向させて取り付けるようにしている。この構成により、HST25・28を取り付けた状態でもトランスミッションMの左右幅を可及的に小さくできる。また、無段変速部HのHST25・28を容量の異なるものに変更したい場合でも、ミッションケース22に取り付けられるHST25・28を交換するのみで足り、ミッションケース22を新たに設計製造する必要がないようにしている。
【0022】
次に、両HST25・28のポンプ軸及びモータ軸の構成を説明する。即ち、ステアリングHST28の入力軸である、旋回油圧ポンプ26のポンプ軸26aは、ステアリングHST28のケース28aから左側へ突出して、該突出部分に入力プーリー26bを固定しており、エンジン21の出力軸21aに固設された出力プーリー21bと、図3及び図4に示すベルト29を介して連動連結されて、該ポンプ軸26aをエンジン動力の入力軸としている。一方、走行駆動HST25の入力軸である、走行油圧ポンプ23のポンプ軸23aは、走行駆動HST25のケース25aから右側へ突出して、該突出部分には上記HST25・28の作動油の漏れ分を補償するチャージポンプCPを設けている。
【0023】
また図5に示すように、二つのHST25・28の各々のケース25a・28aの前面には、走行油圧ポンプ23に対するコントロールアーム23c、旋回油圧ポンプ26に対するコントロールアーム26cがそれぞれ枢設されており、該コントロールアーム23c、26cの回動に連係して、走行油圧ポンプ23及び旋回油圧ポンプ26の可動斜板145、146(図4・図9)がそれぞれ傾動し、走行油圧モータ24及び旋回油圧モータ27の回転速度及び回転方向が制御される。
【0024】
そして、上記両コントロールアーム23c・26cには、その中立位置を弾性的に保持するためのデテント機構23d・26dが配設される。このデテント機構について説明する。即ち、図5に示すように、両HSTのケース25a・28aには回動アーム92・92がそれぞれ傾動自在に枢支され、その先端にはローラ93・93がそれぞれ回転自在に軸支される。また、該回動アーム92・92には付勢バネ94・94が弾装されて、ローラ93・93を下方向へ付勢している。一方、コントロールアーム23c・26cにはカムプレート96・96が設けられてその上縁を上記ローラ93・93が転動可能としており、該カムプレート96の上縁には凹部96aが形設されて、コントロールアーム23c・26cがそれぞれ中立位置にあるときに、上記凹部96aに該ローラ93が位置するようにして、各HST25・28の中立位置を保持するようにしている。
【0025】
両HST25・28は、ミッションケース22上部を挟んで左右方向で向かい合わせに設けられており、両HST25・28のポンプ軸23a・26aは互いに軸線が一致するよう配置され、両ポンプ軸23a・26aはそれぞれセンタセクション25b・28bを貫通して(図9)、ミッションケース22中央側に向けて突き合わせ状に突出されて、両センタセクション25b・28b間位置にて両ポンプ軸23a・26aの先端同士を継手95を介して相対回転不能に連結する構成としている。この構成により、入力プーリー26bからステアリングHST28のポンプ軸26aに入力されたエンジン21の動力は、継手95を介して走行駆動HST25のポンプ軸にも伝達され、両HST25・28が動力を得て駆動するようにしている。
【0026】
また、図9に示すように、両HST25・28のセンタセクション25b・28b間には、第一パイプ半部98と第二パイプ半部99とを油密的に相互嵌合してなるパイプメンバが架設される。従って、上記両ポンプ軸23a・26a及び連結部材95は、上記の二つの半部98・99で構成されるパイプメンバにて覆われることとなり、該パイプメンバ内に潤滑油を注入して、両ポンプ軸23a・26a及び継手95を潤滑することができ、両ポンプ軸23a・26aの相互連結状態が、長期間にわたって良好に維持されるようにすることができる。
【0027】
また、両HST25・28のモータ軸24a・27aも互いに軸線が一致するよう配置されて、図9に示すように両モータ軸24a・27aはそれぞれセンタセクション25b・28bを貫通して中央側へ突出して、ミッションケース22内へ挿入される。そして、図9に示すように、走行駆動HST25のモータ軸24a先端には、走行系ドライブトレーンPへ動力を出力する出力ギア42を固設する一方、ステアリングHST28のモータ軸27a先端には、ステアリング系ドライブトレーンSへ動力を出力する出力ギア97を固設している。
【0028】
次に、各ドライブトレーンの具体的な構成について説明する。図10はトランスミッションの走行系ドライブトレーンの構成を表した正面断面展開図、図11はトランスミッションのステアリング系ドライブトレーンの構成を表した正面断面展開図である。図12はトランスミッションの各ドライブトレーンのギアの噛み合い状態を示した側面断面図である。図13はPTO系ドライブトレーンの構成を表した平面断面展開図、図14は刈取PTO軸を支持するケース及び補強ステーの構成を示した側面一部断面拡大図である。
【0029】
即ち、図9〜図11に示すように、上記両モータ軸24a・27aと平行にカウンター軸43が配置され、該カウンター軸43には二つの入力ギア43a・43bが遊嵌配置され、入力ギア43aは上記出力ギア42に噛合され、入力ギア43bは上記出力ギア97に噛合される。ここで、二つの入力ギア43a・43bは、共通の軸(本実施例ではカウンター軸43)に遊嵌配置されるようにしており、別々の専用の軸に入力ギア43a・43bをそれぞれ設ける構成よりも、部品点数が削減され、製造コストの低減を図ることができるようにしている。
【0030】
この構成により、上記走行油圧モータ24のモータ軸24aの動力は、出力ギア42から入力ギア43aへと伝達され、後述の副変速機構32を介して変速されて、後述の差動機構33に伝達される(図10・図12)。この入力ギア43a・副変速機構32により、走行系ドライブトレーンPが構成される。一方、上記旋回油圧モータ27のモータ軸27aの動力は、出力ギア97から入力ギア43bへと伝達され、後述のクラッチ装置Cを経た後、正逆転付与機構Rを経由して該差動機構33に伝達される(図11・図12)。この入力ギア43b・クラッチ装置C・正逆転付与機構Rにより、ステアリング系ドライブトレーンSが構成される。
【0031】
また、図12・図13に示すように、PTOアイドル軸70が上記カウンター軸43の前方(図12における右方、図13における上方)に平行に配置され、該PTOアイドル軸70上にはアイドルギア71が遊転可能に設置され、該アイドルギア71は上記入力ギア43aに噛合される。更に、上記PTOアイドル軸70と平行でモータ軸24a・27aの前方に刈取PTO軸55が回転自在に軸支され、該刈取PTO軸55上には伝動ギア72が遊嵌され、該伝動ギア72と該刈取PTO軸55の間にはワンウェイクラッチ73が介設され、機体前進時にのみ係合作用して刈取PTO軸55を駆動するようにしている。これらアイドルギア71、伝動ギア72等により、PTO系ドライブトレーンOが構成される。そして、上記刈取PTO軸55は、ミッションケース22の左側面より外方へ突出されて(図13)、この左側面に取付固定した筒状のケース74に軸支されながら更に左方へ延出されて、その端部には刈取出力プーリー55bが設けられ、該刈取出力プーリー55bと、図3で示す刈取入力ギアボックス120の刈取入力プーリー121との間には、ベルト122が巻回されている(図3・図13)。この構成により、走行油圧モータ24の出力回転は、入力ギア43a→アイドルギア71→刈取PTO軸55へと伝達されて刈取出力プーリー55bから出力され、刈取入力ギアボックス120へ動力を導入して上記刈取部8を駆動することとしている。
【0032】
また、図13及び図14に示すように、上記筒状のケース74の先端側には、ベルトガイド取付ステー74aが突設され、該ベルトガイド取付ステー74aにはベルトガイド76を設けて、ベルト122の折り返し部分を覆ってベルト122の離脱を防止するようにしている。更に、ステアリングHST28のケース28aに補強ステー75の基端側を固設し、先端側は上記筒状のケース74の先端部及びベルトガイド76に取付固定され、該筒状のケース74を該補強ステー75により支持して、ベルト122の引張りによる倒れを防止するようにしている。
【0033】
上記構成により、刈取PTO軸をステアリングHST28の左右幅よりも長くなるように延出してその先端に刈取出力プーリー55bを取り付けることにより、他の部品(本実施例においては、ステアリングHSTのケース)と干渉しないように該刈取出力プーリーを配置することができる。さらに、該刈取PTO軸は筒状のケースにより支持されているので、撓み等の問題が軽減され、更にケースに補強ステーを取り付けることにより、ケースの倒れが防止される構成としている。そして、該筒状のケースにベルトガイドを取り付けることにより、ベルトガイドの取付構成も簡素とすることができるのである。
【0034】
次に、図10・図12・図15より、左右の車軸を差動的に連結する上述の差動機構33の構成について説明する。図15はサンギア軸を左右車軸の間で軸支する構成を示した正面断面拡大図である。
【0035】
即ち、この差動機構33は左右の一対の遊星歯車装置35L・35Rを有し、各遊星歯車装置35L・35Rは、車軸40L・40Rの間で同一軸線上に配置されたサンギア軸39に刻設される、第一要素であるサンギア36と、該サンギア36の外周で噛合する複数のプラネタリギア37・37・・・と、リングギア38L・38Rに一体構成されプラネタリギア37・37・・・に噛合する、第二要素であるインターナルギア58L・58Rと、サンギア軸39と同軸線上の車軸40L・40Rに固設されプラネタリギア37L・37Rを枢支する、第三要素であるキャリア41L・41Rから構成されている。該プラネタリギア37・37・・・は車軸40L・40Rから放射状に均等配置されてキャリア41L・41Rにそれぞれ回転自在に軸支され、サンギア36を挟んで左右のキャリア41L・41Rを配置させるとともに、前記インターナルギア58L・58Rは各プラネタリギア37・37・・・に噛合され、サンギア軸39と同軸線上に配置して、車軸40L・40Rに回転自在に軸支させている。
【0036】
そして、上記サンギア36は、左右の遊星歯車装置35L・35Rに共通のサンギアとしており、サンギア36は、共通のサンギア軸39に一体的に刻設され、両サンギア36の中間部に係止したセンタギア46を介して、副変速機構32等からなる走行系ドライブトレーンPに連動連結される。
【0037】
ここで、図15に示すように、車軸40L・40Rの内側の端部にはそれぞれ凹部160・160を設けており、更に上記サンギア軸39の両端は適宜細く形成して軸部39a・39aを設けており、該軸部39a・39aは、ベアリングを介して左右のキャリア41に軸支されながら、更に延出されて、その先端が上記凹部160・160に嵌入されて、車軸40L・40Rの上記凹部160にサンギア軸39の両端が軸支されるように構成している。この構成により、サンギア軸39がその両端を車軸40L・40Rに直接支持されるので、サンギア軸39や車軸40に強い負荷が加わっても、両軸39・40の回転軸線がズレにくくなって、車軸40にキャリア41を介して支持されるプラネタリギア37・37・・・と、サンギア軸39上のサンギア36との噛み合いが良好に維持されて、高負荷での使用においても損傷等が発生しにくい構成となっている。
【0038】
次に、上述の副変速機構32について説明する。図16はクラッチフォークシャフトの構成を示した側面断面拡大図、図17はクラッチスライダの摺動操作機構を示した後面断面展開図図18は同じく側面断面図である。また、図18はクラッチスライダの摺動操作機構を示した側面断面図である。
【0039】
即ち、図10・図12に示すように、上記カウンター軸43と平行に副変速駆動軸53が配置され、該副変速駆動軸53の一端に入力用ギア44を固定し、該副変速駆動軸53上には低速用ギア50、中速用ギア51を固定し、高速用ギア52を遊嵌し、該高速用ギア52と噛合可能なクラッチスライダ81を摺動可能にスプライン嵌合している。また、前記副変速駆動軸53と平行に回転自在に横架した副変速従動軸45上には、ギア47・48を遊嵌し、その間にクラッチスライダ80をギア47・48に択一的に係脱自在となるよう該副変速従動軸45にスプライン嵌合し、更にギア56及び出力ギア49を刻設している。そして、ギア47と低速用ギア50、ギア48と中速用ギア51、ギア56と高速用ギア52とをそれぞれ常時嵌合させている。
【0040】
そして、図16・図17に示す如く、これら二つのクラッチスライダ80・81は、後述のクラッチスライダ61cともに、クラッチフォークシャフト82に放射状に植設された三つのクラッチフォーク82fの各々と係合される。そして、該クラッチフォークシャフト82はケース半部22L・22Rの各々に支持されて左右方向に摺動自在とされ、運転席近傍に配設した副変速レバーに連係して該クラッチフォークシャフト82を操作するための副変速操作部Gが設けられる。 即ち、図10・図17に示すように、ミッションケース右側半部22Rの外面に凹部が設けられ、該凹部を閉じるべく蓋体87が被装されて区画Aを形成し、図17・図18に示すように支軸84をクラッチフォークシャフト82に対して直交させるように配置して上記蓋体87内に回動自在に軸支する一方、上記区画A内にクラッチフォークシャフト82の一端が突出され、上記支軸84に基端を固設された操作アーム85の先端にクラッチフォークシャフト82の該突出部分が連結され、支軸84は蓋体87の外部(ミッションケース22外)に突出されて、該突出部分には外部アーム86の基端が固設されて、クラッチフォークシャフト82のプッシュプル機構を構成している。また、クラッチフォークシャフト82には変速位置決めのためのデテント機構Dが設けられている。
【0041】
従って、該副変速レバーが操作されることで外部アーム86を介して支軸84が回動され、操作アーム85に連結されたクラッチフォークシャフト82が左右方向に摺動して、クラッチフォーク82fに係合されたクラッチスライダ80・81が、図10〜図12に示す各々の軸53、45上を同時に摺動して、クラッチスライダ80、81のいずれか一つがギア47、ギア48、高速用ギア52のいずれか一つと係合するように構成され、これにより、副変速従動軸45に三段階の変速回転が得られ、該回転が出力ギア49から出力されるのである。
【0042】
上記デテント機構Dは、カートリッジ88c内に大デテントボール88aを配置して付勢バネ88dで付勢し、更に小デテントボール88bを大デテントボール88aに当接させて配置する一方、上記クラッチフォークシャフト82の一端には上記小デテントボール88bに係合可能な幅を有するデテント溝82aを、(変速段数+中立位置)の個数分だけ軸方向に沿って設ける構成としている。従って、大デテントボール88aが付勢バネ88dにより常時付勢され、小デテントボール88bを係合方向に押動しているので、小デテントボール88bがデテント溝82aに係合することにより、副変速の摺動操作の位置決めが可能な構成となっている。また、付勢バネは大デテントボール88aを介して間接的に小デテントボール88bを付勢しているので、小さい巻き径の付勢バネを必要としない構成となっている。
【0043】
即ち、シフトストロークを短くしたい場合は、隣り合うデテント溝82aの間隔を小さくするとともに該デテント溝82aの幅を短くして、そのデテント溝82aに係合し得る小さいデテントボールを付勢することが必要であるが、この構成は、この小さいデテントボールを付勢する構成を、巻き径が小さい付勢バネを用いずに可能とするものである。このことから、デテント溝82a同士の間隔を狭くした、小さいシフトストロークでの位置決めのための構成を、径の小さい付勢バネを特別に設計製造することなく、低コストで提供することができるのである。
【0044】
次に、このデテント機構Dを組み付けるための構成について説明する。図19はクラッチフォークシャフトの変速位置決めのためのデテント機構の取付手順を示した図である。
【0045】
即ち、図19に示すように、上記クラッチフォークシャフト82の周囲においてミッションケース半部22R外面に設けた凹部内に溝22pを設け、該溝22pの形状は上記デテント機構Dのカートリッジ88cの形状と一致させて、該カートリッジ88cの紙面右半部を上記溝22pに嵌入可能としている。そして、蓋体87の内面側には該カートリッジ88cの位置に合わせてその紙面左半部に接当可能な突起87aを設けている。
【0046】
以上構成により、デテント機構Dのカートリッジ88cを上記溝22pに嵌入して、その外側から更に蓋体87を取り付ければ、図17に示すように蓋体87の突起87aがカートリッジ88cに当接して、デテント機構Dを固定できるようにしている。従って、蓋体87の取付けと同時にクラッチフォークシャフト82にデテント機構Dを組み付けた状態で固定できるようにしており、組立ての簡略化を図ることができる構成としているのである。
【0047】
次に、上記のような構成としたトランスミッションMにおいて、駆動力の伝達の様子について説明する。即ち、走行油圧モータ24のモータ軸24aの回転出力が図10・図12に示すように出力ギア42→入力ギア43a→副変速機構32と伝達され、該副変速機構32において変速したのち出力ギア49→カウンター軸57上のカウンターギア54→センタギア46と伝達されて、サンギア軸39を回転駆動させる。そして、該駆動力をサンギア36から左右の遊星歯車装置35L・35Rを介し車軸40L・40Rに伝達させることにより、左右の駆動スプロケット34L・34Rを同一方向に回転駆動させ、クローラ式走行装置2L・2Rを駆動させるのである。
【0048】
一方、図11・図12に示すように、左右の前記リングギア38L・38Rは、上記ステアリング系ドライブトレーンSに連動連結されており、さらに、旋回用のステアリングHST28の出力軸27aに固設される出力ギア97がステアリング系ドライブトレーンSの入力ギア43bに連動連結されている。
【0049】
そして、図11・図12に示すように、旋回用のステアリングHST28の旋回油圧モータ27の回転出力は、出力軸27aから出力ギア97→カウンター軸43上の入力ギア43b→伝動ギア91と伝達され、旋回入力軸90、クラッチ装置Cを介してクラッチ軸61へと伝達される。
【0050】
以下に、上記クラッチ装置Cについて説明する。即ち、図11に示すように、前記旋回入力軸90には同歯数の駆動ギア90a・90bが固定され、また、クラッチ軸61上には、該駆動ギア90a・90bと常時噛合するクラッチギア61a・61bが遊嵌配置されている。そして、両クラッチギア61a・61bの間に、該クラッチギア61a・61bの各々に対して係脱自在なクラッチスライダ61cを、クラッチ軸61と相対回転不能で、かつ軸方向摺動自在に設けて、前記クラッチ装置Cを構成している。このクラッチスライダ61cは前述のクラッチフォークシャフト82に連結され、副変速機構32が中立位置にあるときにはクラッチギア61a・61bのいずれとも係合せず、副変速機構32が一速から三速までの伝動状態にあるときのみ係合して旋回入力軸90からの動力をクラッチ軸61に伝達し、クラッチ軸61と一体的に設けられた出力ギア64より、減速ギア63L・63Rへ出力するように構成されている。
【0051】
上記減速ギア63L・63Rは大径ギア・小径ギアを一体的に構成した二連ギアとしており、それぞれ減速軸63上に配置されて遊転可能に支持され、上記出力ギア64に両ギア63L・63Rの大径ギアが噛合される。そして、一の減速ギア63Rの小径ギアはリングギア38Rに噛合される一方、他の減速ギア63Lの小径ギアは、アイドル軸62上の逆転ギア62aに噛合され、該逆転ギア62aは上記差動機構33のリングギア38Lに噛合される。
【0052】
この構成で、出力ギア64の回転は二つの減速ギア63L・63Rに分岐されて伝達された後、一の減速ギア63Rの回転は直接的に上記差動機構のリングギア38Rに伝達され、他の減速ギア63Rの回転は上記逆転ギア62aにより正逆変換されて、上記差動機構のリングギア38Lに伝達される。このようにして、旋回油圧モータ27の回転出力が分岐されて、互いに逆方向かつ等速とされて、左右のリングギア38L・38Rへ伝達されるのである。これら逆転ギア62a、減速ギア63L・63R等により、正逆転付与機構Rが構成される。
【0053】
ここで、図12に示すように、走行系ドライブトレーンPはミッションケース22後部に略上下方向に配設され、ステアリング系ドライブトレーンSはミッションケース22前部に略上下方向に配設される一方、上記出力ギア64の回転を逆転して差動機構のリングギア38Rに伝達する逆転ギア62aは、出力ギア64の回転を直接的に差動機構のリングギア38Lに伝達する減速ギア63Rよりも、後方寄りの位置に設けている。即ち、走行系の駆動伝達経路Pと、ステアリング系の駆動伝達経路Sのうち正転側の伝達経路とに挟まれた位置に、上記逆転ギア62aを設ける構成としているのである。従って、二つの動力伝達経路の間のスペースに逆転ギア62aを納まり良く配置することができるので、ミッションケースの幅(本実施例では、前後方向の幅)が小さい、コンパクトなトランスミッションを提供できるのである。
【0054】
そして、このような構成で、走行油圧ポンプ23の可動斜板145に対するコントロールアーム23cが、運転席近傍に配備した走行操作具である主変速レバー68に図外のリンク機構を介して連動連係されており、走行駆動HST25は該主変速レバー68の回動操作により可動斜板145の傾斜角度が変更されて走行油圧モータ24の正逆の回転方向と回転数増減及び回転停止の制御を行う。また、旋回油圧ポンプ26の可動斜板146に対するコントロールアーム26cが操向ハンドル19に図外のリンク機構を介して連動連係されており、旋回用のステアリングHST28は該操向ハンドル19の回動により可動斜板146の傾斜角度が変更されて旋回油圧モータ27の正逆の回転方向と回転数増減及び回転停止の制御を行うよう構成されている。
【0055】
そして、操向ハンドル19を直進走行位置におくと、旋回油圧ポンプ26が中立位置となり、旋回油圧モータ27の駆動が停止して左右のリングギア38L・38Rが静止された状態となり、該状態で主変速レバー68にて走行油圧ポンプ23より圧油を吐出させて走行油圧モータ24を駆動すると、その回転はセンタギア46からサンギア36を介して左右の遊星歯車装置35L・35Rのプラネタリギア37L・37Rに伝達され、キャリア41L・41R、車軸40L・40Rを介し、左右の駆動スプロケット34L・34Rが左右同回転方向の同一回転数で駆動されて、機体の前進直進走行が行われる。また、主変速レバー68にて走行油圧ポンプ23からの圧油吐出方向を反転させると、前記と逆方向の駆動力が伝達され、機体は後方へ直進走行を行う。
【0056】
そして、操向ハンドル19を右に切ると、旋回油圧ポンプ26は作動状態となって圧油を吐出し、該圧油を受けて旋回油圧モータ27が駆動される。該旋回油圧モータ27から出力された動力は旋回入力軸90からクラッチ装置Cを経て、同一回転数のまま二手に分岐され、その一方は前記遊星歯車装置35Lのリングギア38Lを正転させ、他方は遊星歯車装置35Rのリングギア38Rを逆転させる。正転するリングギア38Lの回転数はサンギア36によって正転している左キャリア41Lの回転数に加算される一方、逆転するリングギア38Rの回転数はサンギア36によって正転している右キャリア41Rの回転数に減算される。これによって両駆動スプロケット34L・34Rの駆動状態を維持しつつ、左の駆動スプロケット34Lの回転数が右の駆動スプロケット34Rのそれよりも高くなって、右方へ進路が変更されるのである。
【0057】
旋回油圧ポンプ26からの吐出油量は操向ハンドル19の切れ角度が大きくなるに従って増加し、これに応じて旋回油圧モータ27の回転数も無段に増加するので、左右の駆動スプロケット34L・34Rに生じる相対回転差は次第に大きくなり、より小さな旋回半径で機体が旋回することとなる。また、操向ハンドル19を左に切ると、旋回油圧ポンプ26の圧油吐出方向が反転して旋回油圧モータ27の回転方向が逆になり、これによって最終的に、左キャリア41Lの回転数が減算される一方、右キャリア41Rの回転数が加算されて、右の駆動スプロケット34Rの回転数が左の駆動スプロケット34Lのそれよりも高くなって左方へ進路が変更されることとなる。
【0058】
また、ステアリング系ドライブトレーンSの経路に配置された旋回入力軸90には、直進性を良好とするための中立ブレーキ機構Bが、図6に示す如く配設されている。この中立ブレーキ機構Bは、旋回入力軸90上に一体的に装着された摩擦板とミッションケース22側に装着された摩擦板とが重合してなる摩擦ブレーキ100、及び該摩擦ブレーキ100を押圧するピストン101により構成される。該ピストン101は油圧駆動とされ、電磁弁(図5・図7における180)により圧油の供給が行われ、該電磁弁180は図示せぬコントローラに接続されて、操向ハンドル19が中立状態にあるときは該電磁弁180が開かれるように電気的に制御されている。
【0059】
このような構成において、オペレータが操向ハンドル19を中立(直進)状態におくと、電磁弁180は「開」となるようコントローラにより制御され、ピストン101が駆動されて摩擦ブレーキ100を押圧して、制動作用が発生する。これにより、旋回油圧ポンプ26の中立位置が正確に出ておらず、旋回油圧モータ27が微動に回転しようとしても、旋回入力軸90が制動されているので、左右のリングギア38L・38Rの静止固定状態が維持され、直進性が良好に維持されるのである。
【0060】
続いて、図示せぬハンドブレーキを操作することにより走行系ドライブトレーンPに制動力を付与させる駐車ブレーキ機構Tについて、図10を用いて説明する。即ち、まず、図外のハンドブレーキに連動連結したブレーキアーム113を回動操作すると、カム軸110が該ブレーキアーム113に連動して回転する。そしてカム軸110の回転によりプレッシャープレート111が回動するとともに右方向(図10における左方向)への推力が発生して、副変速従動軸45上に一体的に装着された摩擦板とミッションケース22側に装着された摩擦板とが重合してなる多板式摩擦ブレーキ112を押圧する。この押圧力により、副変速従動軸45に抵抗を与え、ブレーキ作用を発生させるよう構成しているのである。
【0061】
次に、上記構成のトランスミッションMにおけるオイルフローについて、主に図20を参照しながら説明する。図20はトランスミッションの潤滑油の流れを表した図である。
【0062】
即ち、図5・図12に示すように、ミッションケース22内に作動油を吸い上げるための油路105が上下方向に配置され、該油路105はミッションケース22の前方内部に一体的に形設されて、その上端部にはミッションケース22内に配設されたサクションストレーナ106が位置している。尚、図5・図8・図12に示す190はブリーザ機構を有するキャップ、191はミッションケース22上面に立設され、その先端に該キャップ190が取付けられるパイプ部材であり、該パイプ部材191を介してミッションケース22内の潤滑油の油面より十分高い位置にキャップ190を設けることにより、ミッションケース内に配設されたギアが潤滑油を跳ね上げても該キャップ190の高さまでは届かないようにして、該キャップ190から潤滑油が漏れ出ないようにしている。
【0063】
そして、油路105内を吸い上げられてサクションストレーナ106にて異物等を除去された潤滑油は、二手に分岐され、そのうち一方はチャージポンプCPの吸入ポートに配管P1を介して導入され(図5・図8)、吐出ポートから配管P2を介して吐出された潤滑油は、ラインフィルタF、配管P3、管継手J1を介して、走行駆動HST25のセンタセクション25b内の油補給ポートに導入される。他方は、図8に示す配管P9を介して、エンジン21の出力軸21aに設けられる刈取部昇降用ポンプSPの吸入ポートに導入され、該ポンプSPの吐出ポートから吐出された油は、上記刈取昇降用油圧シリンダ11を作動させるための昇降バルブユニットVUに、ポンプポート153を介して導入される。
【0064】
昇降バルブユニットVUにて、刈取昇降用油圧シリンダ11に作動油を供給する回路には、図20に示すように、方向制御弁147、ロードチェック弁134、スローリターン弁135が配設され、刈取昇降用油圧シリンダ11に対する作動油の供給と排出を制御し、シリンダポート155を介して刈取昇降用油圧シリンダ11に対する作動油を給排可能としている。また、リリーフ弁148により刈取昇降用油圧シリンダ11の作動油圧を規定している。そして、刈取昇降用油圧シリンダ11側から排出された作動油は、タンクポート154から配管P8を介して、後述のワンウェイクラッチ潤滑部Wへ導入される。
【0065】
一方、走行駆動HST25のセンタセクション25b内には、油の補給時にのみ開く一対のチェックバルブ130、中立範囲を拡大するための絞り131が配置される。また、ステアリングHSTのセンタセクション28b内にも、同様にチェックバルブ132、絞り133が配置される。
【0066】
そして、図9・図12に示すように、走行駆動HST25とステアリングHST28の間には上下二本のパイプ78・79が配設されて、上記管継手J1から導入された潤滑油は、走行駆動HST25の走行油圧ポンプ23・モータ24からの油漏れによる作動油の減少(油圧の低下)を補償した後、図9に示す上記二本のパイプのうち下側のパイプ79を経由して、ステアリングHST28のセンタセクション28b内の作動油補給ポートに導入されて、ステアリングHST28の旋回油圧ポンプ26・モータ27からの油漏れによる作動油の減少(油圧の低下)を補償する。
【0067】
そして、両HST25・28のチャージ圧(補給油圧)を規定するチャージリリーフバルブ143が走行駆動HST25のセンタセクション25b内に設けられており、該バルブ143によりリリーフされた油や走行油圧ポンプ23・モータ24より漏れた油は、走行駆動HST25のケース25a内に導入されて、走行油圧ポンプ23・モータ24の潤滑及び冷却を行う。また、ステアリングHST28内の旋回油圧ポンプ26・モータ27より漏れた油は、ステアリングHST28のケース28a内に導かれて、ステアリングHSTの旋回油圧ポンプ26・モータ27の潤滑及び冷却を行う。
【0068】
上記走行駆動HST25のケース25a内部とステアリングHST28のケース28a内部は、図9に示す上記二本のパイプのうち上側のパイプ78にて連通されており、走行駆動HST25のケース25a内にて規定量をオーバーフローした潤滑油は、該上側のパイプ78を介してステアリングHST28のケース28a内部に導入されて、該ケース28a内の油と合流する。
【0069】
そして、上記ステアリングHST28のセンタセクション28b内の油は、管継手J2からセンタセクション28b外へ導かれ、配管P4、及び、上述の電磁弁(図5・図7における符号180)を介して上記中立ブレーキ機構Bに導入され、上述のように、該電磁弁180の操作により上記ピストン101を押圧する作動油としての役割を果たし、中立ブレーキ機構Bの制動を行う。
【0070】
そして、ステアリングHST28のケース28a内でオーバーフローした油は、該ケース28a上面に設けられた管継手J3(図5・図7〜図10)から、配管P5・管継手J4を介して、ワンウェイクラッチ潤滑部Wへ導入される。このワンウェイクラッチ潤滑部Wは、図6・図8・図13に示すように、ミッションケース右側半部22Rの外面に設けた中空の導入ケース77内に設けられるものであって、該導入ケース77には、上記ステアリングHST28のケース28a内から配管P5を介して潤滑油を導入する管継手J4と、上述の刈取昇降用油圧シリンダ11を制御するバルブユニットVUからの戻り油を配管P8を介して導入する管継手J5が設けられ、両管継手J4・J5から導入される油がこのワンウェイクラッチ潤滑部Wにて合流される。
そして、図13に示す如く、上記刈取PTO軸55の一端はワンウェイクラッチ潤滑部Wに臨ませてあり、該刈取PTO軸55内に形設された油路89が上記ワンウェイクラッチ潤滑部Wに連通されて、該潤滑部W内に導入された油の一部は、該油路89を介してワンウェイクラッチ73を潤滑して、ミッションケース22内に戻される。
【0071】
一方、上記導入ケース77には上記二つの管継手J4・J5のほかに更にもう一つの管継手J6が設けられており、上記油路89へ導入されない残りの潤滑油は、図6に示す該管継手J6、配管P7を介して、図6及び図18に示す管継手J7から副変速操作部Gへ導入され、支軸84やデテント機構D等を潤滑した後、図6・図18に示す戻し孔83からミッションケース22内に戻される。
【0072】
この構成とすることにより、ミッションケース22から走行駆動HST25及びステアリングHST28(又は刈取部昇降バルブユニットVU)を経て、各機構を潤滑したのち再びミッションケース22内に戻される、潤滑油の流れが形成されるのである。
【0073】
以上に本発明の実施例を説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【0074】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
左右車軸のそれぞれに備えさせた遊星歯車装置の三つの要素のうち第一要素に第一無段変速装置を、第二要素に第二無段変速装置を、第三要素に上記車軸を、それぞれ連動連結し、前記第一無段変速装置を作動させたときに左右の車軸を同方向へ駆動して機体を直進走行させ、前記第二無段変速装置を作動させたときに左右の車軸に相対回転差を与えて機体を旋回させるよう構成した作業車のトランスミッションにおいて、前記第一無段変速装置を前記第一要素に連動連結する走行系ドライブトレーンの入力ギアと、前記第二無段変速装置を前記第二要素に連動連結するステアリング系ドライブトレーンの入力ギアとを共通軸上に遊嵌配置するとともに、前記第一無段変速装置の出力軸と前記第二無段変速装置の出力軸とを、前記共通軸の軸線方向に沿って向かい合わせに配置し、前記出力軸上に設置した出力ギアの各々を前記入力ギアの各々にそれぞれ噛合させたので、
走行系ドライブトレーン、ステアリング系ドライブトレーンをそれぞれ構成する二つの伝動ギアを、二本の軸にそれぞれ設ける構成とせず、一本の軸に共通して設ける構成とすることで、一本分の軸が不要となり、部品点数が削減され、コンパクト化が図れるとともに、製造工数・コストの低減も可能となる。
【0075】
また、前記走行系ドライブトレーンと前記ステアリング系ドライブトレーンとをミッションケース内の前後に並列させるとともに、該ステアリング系ドライブトレーンに備わる逆転ギアを両ドライブトレーンの間に配置させたので、二つの動力伝達経路の間のスペースに逆転ギアを納まり良く配置することが可能となるので、ミッションケースのコンパクト化・軽量化を図ることができ、その結果、トランスミッションのコンパクト化を図ることができる。
例えば、上述の実施例に示すように、上記の両動力伝達経路をミッションケースの前後に配する場合は、ミッションケースの前後方向の幅を小さくできる点で有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図。
【図2】 同じく平面図。
【図3】 同じく正面模式図。
【図4】 トランスミッションの走行系及びステアリング系のドライブトレーンのスケルトン図。
【図5】 トランスミッションの全体構成を示した正面一部断面図。
【図6】 同じく右側面図。
【図7】 同じく左側面図。
【図8】 同じく平面図。
【図9】 トランスミッションの無段変速部近傍の構成を示した正面断面拡大図。
【図10】 トランスミッションの走行系ドライブトレーンの構成を表した正面断面展開図。
【図11】 トランスミッションのステアリング系ドライブトレーンの構成を表した正面断面展開図。
【図12】 トランスミッションの各ドライブトレーンのギアの噛み合い状態を示した側面断面図。
【図13】 PTO系ドライブトレーンの構成を表した平面断面展開図。
【図14】 刈取PTO軸を支持するケース及び補強ステーの構成を示した側面一部断面拡大図。
【図15】 サンギア軸を左右車軸の間で軸支する構成を示した正面断面拡大図。
【図16】 クラッチフォークシャフトの構成を示した側面断面拡大図。
【図17】 クラッチスライダの摺動操作機構を示した後面断面展開図。
【図18】 同じく側面断面図。
【図19】 クラッチフォークシャフトの変速位置決めのためのデテント機構の取付手順を示した図。
【図20】 トランスミッションの潤滑油の流れを表した図。
【符号の説明】
M トランスミッション
24a 走行油圧モータのモータ軸(走行駆動HSTの出力軸)
25 走行駆動HST
27a 旋回油圧モータのモータ軸(ステアリングHSTの出力軸)
28 ステアリングHST
35L・35R 遊星歯車装置
36 サンギア(遊星歯車装置の第一要素)
40L・40R 車軸
41L・41R キャリア(遊星歯車装置の第三要素)
58L・58R インターナルギア(遊星歯車装置の第二要素)
42・97 出力ギア
43 カウンター軸(共通軸)
43a (走行系ドライブトレーンの)入力ギア
43b (ステアリング系ドライブトレーンの)入力ギア[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a technology for a transmission of a work vehicle including a continuously variable transmission for driving and a continuously variable transmission for turning. More specifically, the present invention relates to a layout technique for downsizing the transmission and reducing manufacturing costs.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a work vehicle having a compact configuration in which a continuously variable transmission for driving driving that changes the vehicle speed and a continuously variable transmission for turning driving for steering are juxtaposed on the side wall of a mission case. Transmission techniques are well known. For example, it is a technique of Unexamined-Japanese-Patent No. 10-54451.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Although the above technique is quite useful in that a transmission can be configured in a compact manner, a technique for providing a more compact transmission has been demanded. There has also been a demand for transmission technology that can be manufactured at low cost. The present invention has been made in view of the above points, and provides a configuration of a mission case for further downsizing and manufacturing cost reduction.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The problems to be solved by the present invention are as described above. Next, means for solving the problems will be described.
[0005]
Of the three elements of the planetary gear set provided on each of the left and right axles, the first element is the first continuously variable transmission, the second element is the second continuously variable transmission, the axle is the third element, When the first continuously variable transmission is operated, the left and right axles are driven in the same direction to drive the aircraft straight, and when the second continuously variable transmission is operated, the left and right axles In a work vehicle transmission configured to turn the airframe by giving a relative rotational difference, an input gear of a travel system drive train that interlocks the first continuously variable transmission with the first element, and the second continuously variable transmission An input gear of a steering system drive train that interlocks the device with the second element is loosely fitted on a common shaft, and an output shaft of the first continuously variable transmission and an output shaft of the second continuously variable transmission And the axis of the common axis Placed facing along the direction, respectively are meshed each output gear and disposed on the output shaft to each of the input gear, The traveling system drive train and the steering system drive train are arranged in parallel in the front and rear in the transmission case, and the reverse gear provided in the steering system drive train is disposed between the two drive trains. Is.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. FIG. 1 is a side view showing the overall configuration of a combine according to an embodiment of the present invention, FIG. 2 is a plan view, and FIG. 3 is a schematic front view.
[0007]
First, the whole structure of the combine of this invention is demonstrated from FIG.1, FIG.2. In other words, this combine has a structure in which the crawler
[0008]
The combine includes two hydrostatic continuously variable transmissions (hereinafter referred to as “HST”), that is, a traveling drive HST25 of the traveling system that is the first continuously variable transmission, and a steering that is the second continuously variable transmission. Steering system HST 28 is provided, and each
[0009]
With the above configuration, the driving force is always transmitted to the
[0010]
First, the configuration of the transmission will be described. FIG. 4 is a skeleton diagram of a drive train of a transmission traveling system and a steering system. FIG. 5 is a partial front sectional view showing the overall configuration of the transmission, FIG. 6 is a right side view, FIG. 7 is a left side view, and FIG. 8 is a plan view.
[0011]
That is, as shown in FIG. 4, the transmission M includes a traveling system drive train P, a steering system drive train S, a forward / reverse rotation imparting mechanism R, a
[0012]
Further, as shown in FIGS. 5, 7, and 8, an
[0013]
Next, the continuously variable transmission H will be described. FIG. 9 is an enlarged front sectional view showing a configuration in the vicinity of the continuously variable transmission portion of the transmission.
[0014]
That is, as shown in FIG. 9, the continuously variable transmission portion H includes a travel drive HST 25, which is a main transmission mechanism including a set of travel
[0015]
That is, as shown in FIGS. 5 and 9, the traveling
[0016]
The
[0017]
The pressure oil from the
[0018]
Further, the
[0019]
The
[0020]
The pressure oil from the
[0021]
As for the mounting structure of these two HSTs 25 and 28, a part of the upper part of the
[0022]
Next, the configuration of the pump shaft and motor shaft of both
[0023]
Further, as shown in FIG. 5, a
[0024]
The
[0025]
Both HSTs 25 and 28 are provided facing each other in the left-right direction across the upper part of the
[0026]
Further, as shown in FIG. 9, between the
[0027]
Further, the
[0028]
Next, a specific configuration of each drive train will be described. FIG. 10 is a front cross-sectional development view showing the configuration of the transmission drive train of the transmission, and FIG. 11 is a front cross-section development view showing the configuration of the steering system drive train of the transmission. FIG. 12 is a side cross-sectional view showing the meshing state of the gears of each drive train of the transmission. FIG. 13 is a developed plan sectional view showing the configuration of the PTO drive train, and FIG. 14 is a partially enlarged side sectional view showing the configuration of the case and the reinforcing stay for supporting the cutting PTO shaft.
[0029]
That is, as shown in FIGS. 9 to 11, a
[0030]
With this configuration, the motive power of the
[0031]
As shown in FIGS. 12 and 13, a PTO
[0032]
Further, as shown in FIGS. 13 and 14, a belt
[0033]
With the above configuration, the cutting PTO shaft is extended so as to be longer than the left and right width of the steering
[0034]
Next, the configuration of the above-described
[0035]
That is, the
[0036]
The
[0037]
Here, as shown in FIG. 15, recesses 160 and 160 are provided at the inner ends of the
[0038]
Next, the above-described
[0039]
That is, as shown in FIGS. 10 and 12, a
[0040]
16 and 17, these two
[0041]
Accordingly, when the auxiliary transmission lever is operated, the
[0042]
In the detent mechanism D, the
[0043]
That is, when it is desired to shorten the shift stroke, the distance between the
[0044]
Next, a configuration for assembling the detent mechanism D will be described. FIG. 19 is a view showing a procedure for attaching a detent mechanism for shifting positioning of the clutch fork shaft.
[0045]
That is, as shown in FIG. 19, a
[0046]
With the above configuration, when the
[0047]
Next, how the driving force is transmitted in the transmission M configured as described above will be described. That is, the rotation output of the
[0048]
On the other hand, as shown in FIGS. 11 and 12, the left and right ring gears 38L and 38R are linked to the steering system drive train S, and are fixed to the
[0049]
11 and 12, the rotation output of the turning
[0050]
The clutch device C will be described below. That is, as shown in FIG. 11, drive gears 90a and 90b having the same number of teeth are fixed to the turning
[0051]
The reduction gears 63L and 63R are double gears integrally configured with a large-diameter gear and a small-diameter gear. The reduction gears 63L and 63R are arranged on the
[0052]
With this configuration, the rotation of the
[0053]
Here, as shown in FIG. 12, the traveling system drive train P is disposed substantially vertically in the rear part of the
[0054]
With such a configuration, the
[0055]
Then, when the steering handle 19 is placed in the straight traveling position, the swing
[0056]
When the steering handle 19 is turned to the right, the swing
[0057]
The amount of oil discharged from the swing
[0058]
Further, on the turning
[0059]
In such a configuration, when the operator places the steering handle 19 in a neutral (straight forward) state, the
[0060]
Next, a parking brake mechanism T that applies a braking force to the traveling drive train P by operating a hand brake (not shown) will be described with reference to FIG. That is, first, when the
[0061]
Next, the oil flow in the transmission M configured as described above will be described mainly with reference to FIG. FIG. 20 is a diagram illustrating the flow of the lubricating oil in the transmission.
[0062]
That is, as shown in FIGS. 5 and 12, an
[0063]
The lubricating oil that has been sucked up in the
[0064]
As shown in FIG. 20, a
[0065]
On the other hand, in the
[0066]
As shown in FIGS. 9 and 12, two
[0067]
A
[0068]
The interior of the
[0069]
The oil in the
[0070]
Then, the oil overflowed in the
As shown in FIG. 13, one end of the cutting
[0071]
On the other hand, the
[0072]
With this configuration, a flow of lubricating oil is formed from the
[0073]
Although the embodiments of the present invention have been described above, the technical scope of the present invention is not limited to the above-described embodiments, and the present invention that is apparent from the matters described in this specification and the drawings is truly intended. It covers a wide range of technical ideas.
[0074]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured as described above, the following effects can be obtained.
Left and right axle Of the three elements of the planetary gear set provided for each, the first element is the first continuously variable transmission, the second element is the second continuously variable transmission, and the third element is the above-mentioned axle. When the first continuously variable transmission is operated, the left and right axles are driven in the same direction to drive the vehicle straight, and when the second continuously variable transmission is operated, the relative rotational difference between the left and right axles In the transmission of the work vehicle configured to turn the airframe by providing the input gear of the travel system drive train that interlocks the first continuously variable transmission with the first element, the second continuously variable transmission includes the second continuously variable transmission. An input gear of a steering system drive train linked to the second element is loosely arranged on a common shaft, and an output shaft of the first continuously variable transmission and an output shaft of the second continuously variable transmission are Along the axis direction of the common axis Te placed face to face, since each respective output gear and disposed on the output shaft to each of the input gear and is meshed,
The two transmission gears that make up each of the traveling system drive train and the steering system drive train are not configured to be provided on the two shafts, but are provided in common on one shaft, so that one shaft Is eliminated, the number of parts is reduced, the size can be reduced, and the number of manufacturing steps and costs can be reduced.
[0075]
Also Since the traveling system drive train and the steering system drive train are arranged in parallel in the front and rear in the transmission case, the reverse gear provided in the steering system drive train is disposed between the two drive trains, so that there are two power transmission paths. Since the reverse gear can be well accommodated in the space between the transmission case, the transmission case can be made compact and light, and as a result, the transmission can be made compact.
For example, as shown in the above-mentioned embodiment, when both the power transmission paths are arranged before and after the mission case, it is useful in that the width of the mission case in the front-rear direction can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing an overall configuration of a combine according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is also a plan view.
FIG. 3 is a schematic front view of the same.
FIG. 4 is a skeleton diagram of a drive train of a traveling system and a steering system of a transmission.
FIG. 5 is a partial front sectional view showing the overall configuration of the transmission.
FIG. 6 is a right side view of the same.
FIG. 7 is also a left side view.
FIG. 8 is also a plan view.
FIG. 9 is an enlarged front cross-sectional view showing the configuration in the vicinity of the continuously variable transmission of the transmission.
FIG. 10 is a front cross-sectional development view showing a configuration of a transmission drive train of the transmission.
FIG. 11 is a front cross-sectional development view showing a configuration of a transmission steering train of the transmission.
FIG. 12 is a side cross-sectional view showing the meshing state of gears of each drive train of the transmission.
FIG. 13 is a developed plan sectional view showing the structure of a PTO drive train.
FIG. 14 is an enlarged partial cross-sectional side view showing a configuration of a case and a reinforcing stay for supporting a cutting PTO shaft.
FIG. 15 is an enlarged front sectional view showing a configuration in which the sun gear shaft is pivotally supported between the left and right axles.
FIG. 16 is an enlarged side sectional view showing the configuration of the clutch fork shaft.
FIG. 17 is a rear cross-sectional development view showing a clutch slider sliding operation mechanism.
FIG. 18 is a side sectional view of the same.
FIG. 19 is a diagram showing a procedure for attaching a detent mechanism for shifting positioning of the clutch fork shaft.
FIG. 20 is a diagram illustrating the flow of lubricating oil in the transmission.
[Explanation of symbols]
M transmission
24a Motor shaft of travel hydraulic motor (output shaft of travel drive HST)
25 Travel drive HST
27a Motor shaft of turning hydraulic motor (steering HST output shaft)
28 Steering HST
35L / 35R planetary gear unit
36 Sungear (first element of planetary gear system)
40L / 40R axle
41L / 41R carrier (third element of planetary gear unit)
58L / 58R Internal gear (second element of planetary gear unit)
42 ・ 97 Output gear
43 Counter axis (common axis)
43a Input gear (of the drive train)
43b Input gear (for steering system drive train)
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