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JP4323687B2 - アーティキュレート車両及びその組立方法 - Google Patents

アーティキュレート車両及びその組立方法 Download PDF

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JP4323687B2 JP2000189208A JP2000189208A JP4323687B2 JP 4323687 B2 JP4323687 B2 JP 4323687B2 JP 2000189208 A JP2000189208 A JP 2000189208A JP 2000189208 A JP2000189208 A JP 2000189208A JP 4323687 B2 JP4323687 B2 JP 4323687B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アーティキュレート車両及びその組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
不整地走行の用途で作られる作業車両には、小回りを利かせるために、車体を前部と後部とに二分割し、前部車体と後部車体とを互いに水平方向に揺動自在となるよう軸支した、いわゆるアーティキュレート車両と呼ばれるものがある。
従来のアーティキュレート車両、例えばダンプトラックの代表的なものについて図4〜図7を参照して説明する。
【0003】
図4はアーティキュレート式構造を有する3軸6輪のダンプトラックの直進状態での側面図であり、図5は同上面図である。図6は同正面図である。
ダンプトラックの車体1は、左第1車輪2a、図示しない右第1車輪及びキャビン2bを有する前部車体2と、左第2車輪3a及び左第3車輪3b並びに図示しない右第2車輪及び右第3車輪を有する後部車体3とに分割され、屈曲軸10,10が前部車体2と後部車体3とを水平方向に屈曲自在となるように結合している。前部車体2と後部車体3との間には、屈曲軸10を挟んだ左右に夫々1本ずつシリンダ11、12が取着される。シリンダ11、12のいずれか一方が伸び、同時に他方が縮むことによって、前部車体2と後部車体3との相対角度が変化して、車体1が水平方向に屈曲し、旋回が可能となる。
また同時に、前部車体2と後部車体3とは、屈曲軸10,10と後部車体3との間に設けた揺動連結部120によって互いにねじり自在、すなわち全幅の略中心にある前後方向軸心121の周りに揺動自在とされており、悪路走行時においてもタイヤの接地性を確保している。
【0004】
揺動連結部120の詳細について説明する。
図7は揺動連結部120の断面図である。揺動連結部120はまずボス125を有し、このボス125の一端側を溶接することで後部車体3の前端側に取付けられる。ボス125は内部に貫通孔部126を有し、貫通孔部126の一端側に軸受を挿入する第1挿入部127を設け、他端側に軸受を挿入する第2挿入部128を設けている。第1挿入部127にはボス125の一端側から第1軸受23を挿入し、第2挿入部128にはボス125の他端側から第2軸受24を挿入している。ボス125の他端側からは、揺動軸22がこの一端側から挿入され、揺動軸22は第1軸受23及び第2軸受24を介して揺動軸22の長手方向軸心周りに揺動自在に軸支される。揺動軸22は、ボス125の他端側外部に突出する揺動軸22の他端側に、長手方向軸心に垂直な屈曲貫通孔22a,22aを有し、この屈曲貫通孔22a,22aに屈曲軸10,10を挿入することにより前部車体2に連結している。
上記構成により、揺動連結部120は前部車体2と後部車体3とを前後方向軸心121の周りに揺動自在に連結している。なお、前後方向軸心121は揺動軸22の長手方向軸心に等しくなる。
【0005】
後部車体3は重量がありしかも前後に長いので、揺動連結部120の組立時は、倒した状態すなわち前後方向軸心121を略水平方向に向けた状態で、後部車体3の前端側に溶接したボス125に揺動軸22、第1軸受23及び第2軸受24を取付ける。
したがって、組立時はボス125、第1軸受23、第2軸受24及び揺動軸22の軸心が全て水平方向に向く。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般にボスに軸受を挿入する作業及びこの軸受に軸を挿入する作業には、ボス、軸受及び軸の軸心を正確に合わせることが必要である。しかるに、上記従来技術のように車体前後方向すなわち略水平方向に軸心を向けたボス125に対しては、第1軸受23、第2軸受24及び揺動軸22を、やはり軸心を略水平方向に向けてボス125の軸心に合わせながら挿入する必要があり、軸心合わせが困難であるために作業能率が悪化する。
また、後部車体3と一体化したボス125へ後部車体側から第1軸受23を挿入する作業は、後部車体3内部に作業者が入り込む必要があるため、スペースの制約によって作業能率が悪化する。
【0007】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、組立性の良い、アーティキュレート車両及びその組立方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、キャビン及び第1車輪を有する前部車体と第2車輪を有する後部車体とが、連結部で揺動軸により車体前後方向軸周りに揺動自在に連結されたアーティキュレート車両において、前記連結部は、ボスと、前記ボスの一端側に挿入される第1軸受と、前記ボスの他端側に挿入される第2軸受と、前記第1軸受及び前記第2軸受に挿入されて前記ボスに軸支される揺動軸とを備え、前記ボスの前記一端側は、ボルト締結によって前記後部車体に着脱自在に設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記の構成及び組立方法によれば、連結部の主要部をサブアセンブリ化することで、連結部の主要部組立を前部車体及び後部車体とは別のライン上にて行える。したがって、例えば予め後部車体と一体化したボスに第1軸受、第2軸受及び揺動軸を組み込む場合に比べ、組立作業の能率を上げることができる。
すなわち、ボス単体であれば小さく軽いため、第1軸受、第2軸受及び揺動軸を挿入する工程で最も作業容易な向きに設置できる自由度が得られる。また、ボス単体へ第1軸受を挿入する作業は、後部車体と一体化したボスへ後部車体側から第1軸受を挿入する作業のように、後部車体内部に作業者が入り込む必要がないため、スペースの制約によって作業能率が低下することがなくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態について、図を参照して説明する。本実施形態は従来技術に対して、図4、図5及び図6に示したダンプトラックにおける揺動連結部120を揺動連結部20に置き換えたものである。
揺動連結部20の構成について説明する。なお、従来技術と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図1は揺動連結部20の断面図であり、図2は同斜視図である。揺動連結部20はまず、ボルト29によって互いに着脱自在なボス25及びマウント35を有する。このマウント35の一端側は後部車体3の前端側に溶接し、他端側には複数のタップ穴31を設ける。ボス25の一端側には、複数のボルト孔32をタップ穴31に合致するそれぞれの位置に形成したフランジ33を設ける。ボス25とマウント35とは、複数のボルト孔32とそれぞれに合致するタップ穴31とをボルト29で締結することで取付けられる。ボス25は内部に貫通孔部26を有し、貫通孔部26の一端側に軸受を挿入する第1挿入部27を設け、他端側に軸受を挿入する第2挿入部28を設けている。第1挿入部27にはボス25の一端側から第1軸受23を挿入し、第2挿入部28にはボス25の他端側から第2軸受24を挿入している。ボス25の他端側からは、揺動軸22がこの一端側から挿入され、揺動軸22は第1軸受23及び第2軸受24を介して揺動軸22の長手方向軸心周りに揺動自在に軸支される。揺動軸22の他端側は従来技術同様に揺動軸10,10によって前部車体2に連結している。
上記構成により揺動連結部20は、前部車体2と後部車体3とを、ダンプトラックの全幅の略中心にある前後方向軸心21の周りに揺動自在に連結している。
【0011】
揺動連結部20の組立時には、単体のボス25に揺動軸22、第1軸受23及び第2軸受24を取付けたのち、後部車体3の前端側に予め溶接したマウント35にこのボス25をボルト29で締結するようにする。揺動軸22、第1軸受23及び第2軸受24を取付ける工程では、ボス25が後部車体3と分離しているため、方向を自在に選定してボス25を設置した上で揺動軸22、第1軸受23及び第2軸受24を挿入できる。
仮にボス25の軸心を略鉛直方向に向けて各部品を挿入する場合、揺動軸22、第1軸受23及び第2軸受24は略回転対称な形状を有するために、例えばウインチを用い重心位置で吊れば軸心を容易に略鉛直方向に向けることができ、ボス25の軸心と合わせることができる。軸心を合わせたのち揺動軸22、第1軸受23及び第2軸受24をボス25に挿入する作業も、ウインチを巻き下げて直下に移動させるだけなので軸心を合わせたまま、容易に行える。
また、第1軸受23と第2軸受24とはそれぞれ逆方向から挿入するので、少なくとも一度ボス25を反転させる必要があるが、ボス25が後部車体3と分離しているため反転も容易にできる。
【0012】
上記のようにして、ボス25に揺動軸22、第1軸受23、第2軸受24及びその他の部品を取付けたのち、これをサブアセンブリとしてマウント35を介し、ボルト29で後部車体3に取付ける。
【0013】
本発明の第2実施形態について、図3を参照して説明する。本実施形態は第1実施形態に対して、図4及び図5に示したダンプトラックにおける揺動連結部20を揺動連結部50に置き換えたものである。
説明は第1実施形態との相違部分のみに限り、同一の構成については省略する。
【0014】
図3は本発明の第2実施形態による揺動連結部50の斜視図である。
後部車体53は前端面に複数のタップ穴51を有する。ボス55の一端側には、複数のボルト孔52をタップ穴51に合致するそれぞれの位置に形成したフランジ53を設ける。ボス55と後部車体63とは、複数のボルト孔52とそれぞれに合致するタップ穴51とをボルト29で締結することで取付ける。すなわち本実施形態は、先の第1実施形態におけるマウント35相当部材を、はじめから後部車体3と一体として形成したものに等しい。
アーティキュレート式構造を有するダンプトラックにおいては、エンジン(不図示)を前部車体2に設け、揺動軸22内を貫通するプロペラシャフト(不図示)によってエンジンの出力を後部車体53の有する車輪に伝達する構造としたものが多い。そして後部車体53側のプロペラシャフト上に駐車ブレーキの制動部(不図示)を設け、プロペラシャフトに摩擦力を与えて後部車体53の有する車輪を制動自在とすることが多い。
本実施形態におけるボス55は一端側が大きく広がっているために、ボス55の内側に駐車ブレーキの制動部を設ける構造を取り易い。ボス55の内側に駐車ブレーキの制動部を設ける構造をとれば、揺動連結部50のサブアセンブリに駐車ブレーキの制動部を組み込めるので、さらに一層組立作業の能率を上げることができる。
【0015】
以上本発明について実施形態を例示して説明したが、本発明によれば、揺動軸を軸支するボスを中心とした、連結部の主要部をサブアセンブリ化することで、連結部の主要部組立を前部車体及び後部車体とは別のライン上にて行える。したがって、例えば予め後部車体と一体化したボスに第1軸受、第2軸受及び揺動軸を組み込む場合に比べ、組立作業の能率を上げることができる。
すなわち、ボス単体であれば小さく軽いため、第1軸受、第2軸受及び揺動軸を挿入する工程で最も作業容易な向きに設置できる自由度が得られる。また、ボス単体へ第1軸受を挿入する作業は、後部車体と一体化したボスへ後部車体側から第1軸受を挿入する作業のように、後部車体内部に作業者が入り込む必要がないため、スペースの制約によって作業能率が低下することがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による、揺動連結部の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による、揺動連結部の斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態による、揺動連結部の斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態による、アーティキュレート式ダンプトラックの側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による、アーティキュレート式ダンプトラックの上面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による、アーティキュレート式ダンプトラックの正面図である。
【図7】従来の実施形態による、揺動連結部の断面図である。
【符号の説明】
3…後部車体、20…揺動連結部、22…揺動軸、23…第1軸受、24…第2軸受、25…ボス。

Claims (2)

  1. キャビン及び第1車輪を有する前部車体と第2車輪を有する後部車体とが、連結部で揺動軸により車体前後方向軸周りに揺動自在に連結されたアーティキュレート車両において、
    前記連結部(20)は、
    ボス(25)と、
    前記ボス(25)の一端側に挿入される第1軸受(23)と、
    前記ボス(25)の他端側に挿入される第2軸受(24)と、
    前記第1軸受(23)及び前記第2軸受(24)に挿入されて前記ボス(25)に軸支される揺動軸(22)とを備え、
    前記ボス(25)の前記一端側は、ボルト締結によって前記後部車体(3)に着脱自在に設けられている
    ことを特徴とするアーティキュレート車輌。
  2. キャビン及び第1車輪を有する前部車体と第2車輪を有する後部車体とが、連結部で揺動軸により車体前後方向軸周りに揺動自在に連結されたアーティキュレート車両の組立方法において、
    ボス(25)と、ボス(25)の一端側及び他端側に挿入した第1軸受(23)及び第2軸受(24)と、第1軸受(23)及び第2軸受(24)に軸支される揺動軸(22)とを先に一体化してサブアセンブリとし、このサブアセンブリをボルト締結によってボス(25)の一端側で後部車体(3)に取付けることを特徴とするアーティキュレート車両の組立方法。
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