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JP4321104B2 - 圧電発振器および圧電発振器の製造方法 - Google Patents

圧電発振器および圧電発振器の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は圧電発振器の構造の改良に関し、特に発振回路を構成する発振用ICチップと圧電体とを有する圧電発振器のパッケージの小型化、低背化を目的とした改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、携帯電話機等の移動体通信機器の普及に伴う小型化の急激な進展により、これらの通信機器に使用される水晶発振器等の圧電発振器に対しても、小型化、低背化の要請が益々高まっている。このような要請に対しては、発振器を構成する水晶振動子以外の周波数調整回路や、周波数温度補償回路等を含む発振回路を集積化することで部品点数を削減し、(以下、この集積化した発振回路を発振用ICチップと称す。)更にパッケージの構造としても様々な工夫を凝らし対応している。以下に二つの例を挙げて説明する。
【0003】
まず第一の従来の圧電発振器の構造として、セラミック等からなるパッケージ本体の上面に形成された1つの凹陥部内に、圧電振動片と圧電振動子以外の発振回路部分を構成する発振用ICチップとを共に収納した状態で、その凹陥部開口を金属蓋により気密封止した構成のものが知られている。
【0004】
図10はこのような従来の水晶発振器の構造を示す縦断面図である。この水晶発振器は、パッケージ本体である4層構造のセラミック配線基板101の上面に形成した凹陥部102内に、水晶振動片103と発振用ICチップ104を収納した上で、その開口部を上端に設けたシールリング105と金属蓋106とを接合することで気密封止した構成を備えている。水晶振動片103は、凹陥部102内の段差107上に設けた搭載パッド108上に、導電性接着剤109によって一端を片持ち支持されている。そして搭載パッド108は内層配線110に導通している。
【0005】
また、発振用ICチップ104は各機能端子電極111とランドパターン112とを導通接続することで、内装配線110を通じて水晶振動片103の両主面に設けた図示しない励振電極に導通すると共に、内層配線を通じてセラミック配線基板101の下面に設けた外部端子113、すなわち接地端子、電源端子、外部制御端子、出力端子等にも夫々導通している。又発振用ICチップ104はモールド樹脂剤114によりセラミック配線基板101に固着されている。
【0006】
この様に凹陥部内に全ての構成部品を収納し一枚の蓋により封止した、所謂シングルシール構造タイプの発振器は、安価な点と、構成部品を上下位置関係に配置しているためにパッケージ本体の占有面積を小面積化できるという点とに利点を有する。
【0007】
ところがこのシングルシール構造タイプ発振器の製造工程においては、金属蓋により気密封止した後パッケージ内部に残存していた異物が水晶振動片の表面上に付着し、この異物によって周波数変動等の発振不良が発生するというDLD不良が問題となる場合がある。例えば金属蓋をパッケージの外枠上面に溶接する際における微小な金属粉が、内部に飛散して水晶振動片の表面に付着すること等がDLD不良の原因の一つである。DLD不良であるとみなされた発振器を改善する手法としては、水晶振動片の電極に大電流を流して水晶振動片を大きく振動させることにより、表面上の異物をはね飛ばすというオーバードライブ処理による方法が知られている。
【0008】
しかし図10に示した如く、水晶振動片と発振用ICチップを同じ凹陥部内に収納した構造にあっては、両者を電気的に切り離すことが困難である為、オーバードライブ処理時に発振用ICチップにも大電流が供給されてしまい発振用ICチップが破損してしまう。従ってシングルシール構造タイプの発振器にあっては、DLD不良品については破棄せざるを得なく、歩留率の低下に伴い発振器の低価格化には限界があった。
【0009】
また経年時特性に優れた水晶発振器を得る場合には一般に、水晶振動片をパッケージ内に収納した後高温加熱処理(アニール)する。しかしこの場合にも水晶振動片と発振用ICチップとが同一パッケージ内にあるので、発振用ICチップも同時に加熱され破損しかねず、高温加熱処理を行うことは困難であった。仮に発振用ICチップを破損せずに高温加熱処理を施せたとしても、発振用ICチップを固定するポッティング剤等から発生するアウトガスが影響を与える。よってこのシングルシール構造タイプの水晶発振器にあっては、周波数等における高い安定度の経年時特性を実現することも困難であった。
【0010】
一方、上記シングルシール構造タイプの欠点を解決した、第二の従来の圧電発振器のパッケージ構造としては図11に示すようなものがある。これは特開2002−335128号に開示されたものと同等の構造である。図11(A)は正面断面図であり、同図(B)は側面断面図である。ここで同図(A)は同図(B)中の点線A−A′における断面を表し、同図(B)は同図(A)中の点線B−B′における断面を表すものである。
【0011】
同図に示す水晶発振器は、水晶振動片122と、水晶振動子以外の発振器回路部分を構成する発振用ICチップ129と、これらを搭載するセラミック配線基板121とを備えた構造のものである。
そのセラミック配線基板121の上面には、水晶振動片122を内部に収納する第一の凹陥部123を設け、この第一の凹陥部123の上端に設けた環状メタライズ124(同図(B))を介して金属蓋125により気密封止されている。水晶振動片122は、導電性接着剤126により凹陥部部123底面部の搭載パッド127a 、127b(同図(A))に夫々導通接続されており、これにより水晶振動片122の両主面にある図示しない励振電極は、導電性接着剤126及び搭載パッド127を介して内層配線128(同図(B))に導通している。
【0012】
また、フェースダウンボンディングタイプの発振用ICチップ129は、第一の凹陥部123に隣接する第二の凹陥部130内に収納されており、発振用IC129の各機能端子電極131とランドパターン132とを導通接続することで、内装配線128を通じて水晶振動片122と、またセラミック配線基板121の下面に設けた外部端子電極133、すなわち接地端子、電源端子、外部制御端子、出力端子電極とに導通されている。そして、発振用IC129をポッティング剤133により覆い、これにより発振用ICチップ129を保護すると共に、セラミック配線基板121に固着されている。尚、ポッティング剤130の塗布時の流出は、第二の凹陥部130の側壁134により抑制される。
【0013】
このように水晶振動片と発振用ICチップとを、二つの領域に分離して設けられた凹陥部内に夫々配置することにより、水晶振動片を搭載した後で発振用ICチップを組み込むことが可能となり、発振用ICチップの搭載前にDLD処理及びアニール処理を夫々行うことが可能となる。又第一の凹陥部内にアウトガスの発生源となる樹脂物質の量が少ないので経年時特性も優れたものとなり、また当然のことながら発振用ICと水晶振動片が立体的に重なることがないので低背化が可能となる。
【0014】
【本発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記第2の従来例の構造は、例えば0.6mm以下という発振器の低背化の要求に対して、基板の厚みを0.2mm以下そして発振用ICの高さを0.3mm以下とした場合、第二の凹陥部内の発振用IC上のポッティング剤は0.1mm以下の薄さで塗布することが必要となる。しかしポッティング剤の高さを高精度に制御することは量産性を考慮すると非常に困難である。その為第一の凹陥部の低背化、すなわち圧電振動片の実装技術が向上し圧電振動片の搭載後の高さをより低くすることが可能になったとしても、全体の高さは第二の凹陥部のポッティング剤の高さが支配的となり、更なる低背化においては大きな障害となっていた。
またこの構造は、第二の凹陥部にはポッティング剤の流出防止用の側壁があり、よって発振用ICチップを搭載する際に側壁との接触による破損を避ける為に、発振用ICチップと側壁との間には搭載精度に見合ったスペースを設ける必要がある。この側壁の厚みと搭載用のスペースとが、小面積化において大きな障害となっていた。
【0015】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、第一の従来例であるシングルシール構造タイプの欠点を克服するように圧電振動片と発振用ICとを異なった区画内に収納した上で、更に第二の従来例の構造における低背化及び小面積化の障害を克服した構造であり、その製造方法も簡略で特に低背化に適した圧電発振器のパッケージ構造とその製造方法とを提供することにある。
【0016】
【課題を解決する為の手段】
上記課題を解決する為に本発明は、配線基板と、圧電振動片と、容器と、少なくとも発振回路を構成した電子部品とを有し、前記容器が、環状の枠により形成された開口を有する凹状の収納部を備えた構成であり、前記配線基板が上面と、該上面と対向した下面と、該上下面を囲む外周に側面とを有し、前記配線基板の上面に前記電子部品を搭載した構成と、前記配線基板の下面に外部端子電極を備えた構成と、前記電子部品が前記収納部の外に存在するように前記容器の開口を前記配線基板にて閉じた構成と、前記収納部に前記圧電振動片を収納した構成と、前記電子部品と前記圧電振動片の励振電極、及び前記電子部品と前記外部端子電極とを、前記配線基板に設けた配線により夫々導通した構成と、前記電子部品と前記配線基板とをアンダーフィル剤にて固着した構成と、前記アンダーフィル剤を前記配線基板の上面側の端にまで形成した構成と、を備えた圧電発振器の製造方法であり、前記配線基板の外周に該配線基板と一体化した基板を備えた構成のシート状の前記配線基板を用意する工程と、前記アンダーフィル剤を前記配線基板上に付着した後に、前記配線基板と前記基板とを分離して前記配線基板の側面を露出させる工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
更に、本発明は、配線基板と、圧電振動片と、容器と、少なくとも発振回路を構成した電子部品とを有し、前記容器が、環状の枠により形成された開口を有する凹状の収納部を備えた構成であり、前記配線基板が上面と、該上面と対向した下面と、該上下面を囲む外周に側面とを有し、前記配線基板の上面に前記電子部品を搭載した構成と、前記電子部品が前記収納部の外に存在するように前記容器の開口を前記配線基板にて閉じた構成と、前記収納部内であり前記容器の内底面に前記圧電振動片を搭載した構成と、前記電子部品と前記配線基板とをアンダーフィル剤にて固着した構成と、前記アンダーフィル剤を前記配線基板の上面側の端にまで形成した構成と、を備えた圧電発振器の製造方法であり、前記配線基板の外周に該配線基板と一体化した基板を備えた構成のシート状の前記配線基板を用意する工程と、前記アンダーフィル剤を前記配線基板上に付着した後に、前記配線基板と前記基板とを分離して前記配線基板の側面を露出させる工程と、を有することを特徴とする。
【0018】
更に、本発明は、配線基板と、圧電振動片と、容器と、少なくとも発振回路を構成した電子部品とを有し、前記容器が、環状の枠により形成された開口を有する凹状の収納部を備えた構成であり、前記配線基板が上面と、該上面と対向した下面と、該上下面を囲む外周に側面とを有し、
前記配線基板の上面に前記電子部品を搭載した構成と、前記電子部品が前記収納部の外に存在するように前記容器の開口を前記配線基板にて閉じた構成と、前記収納部に前記圧電振動片を収納した構成と、前記電子部品と前記配線基板とをアンダーフィル剤にて固着した構成と、前記アンダーフィル剤を前記配線基板の上面側の端にまで形成した構成と、を備え、前記配線基板がフレキシブル配線基板である圧電発振器の製造方法であり、前記配線基板の外周に該配線基板と一体化した基板を備えた構成のシート状の前記配線基板を用意する工程と、前記アンダーフィル剤を前記配線基板上に付着した後に、前記配線基板と前記基板とを分離して前記配線基板の側面を露出させる工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
更に加えて、本発明は、前記容器が、前記配線基板の上面に形成した枠と、該枠の開口を蓋にて封止した構成であることを特徴とする
【0020】
更に加えて、本発明は、前記容器が、前記配線基板と分離した状態にて凹状の形状を成す構成であり、該容器の開口部を前記配線基板にて封止するように構成したことを特徴とする。
【0021】
更に加えて、本発明は、前記圧電発振器を構成する為の前記配線基板を複数密接並べたシート状配線基板であって、該シート状配線基板に前記圧電振動片の電気的特性を測定できるよう該圧電振動片の励振電極を個々に外部に導出可能とした構成と、前記圧電発振器の出力を個々に外部に導出可能とした構成とを備え、圧電振動片の励振電極と基準となる発振回路又は、圧電振動片の励振電極とオーバードライブ電源との間を接続切り替えする切り替えスイッチを用意し、前記圧電振動片の電気的特性を測定し、前記圧電振動片の不適合を検出する工程と、を有する
に、本発明は、配線基板と、圧電振動片と、容器と、少なくとも発振回路を構成した電子部品とを有し、前記容器が、環状の枠により形成された開口を有する凹状の収納部を備えた構成であり、前記配線基板が上面と、該上面と対向した下面と、該上下面を囲む外周に側面とを有し、
前記配線基板の上面に前記電子部品を搭載した構成と、前記配線基板の下面に外部端子電極を備えた構成と、前記電子部品が前記収納部の外に存在するように前記容器の開口を前記配線基板にて閉じた構成と、前記収納部に前記圧電振動片を収納した構成と、前記電子部品と前記圧電振動片の励振電極、及び前記電子部品と前記外部端子電極とを、前記配線基板に設けた配線により夫々導通した構成と、前記電子部品と前記配線基板とをアンダーフィル剤にて固着した構成と、前記アンダーフィル剤を前記配線基板の上面側の端にまで形成した構成と、前記配線基板と対向する前記凹状の容器の底板部が、前記電子部品の上部位置まで延出したものであることを特徴とする圧電発振器。
【0022】
【本発明の実施の形態】
以下に本発明第一の実施例である水晶発振器について、図1〜図3を基に詳細に説明する。図1(A)は正面断面図であり、同図(B)は側面断面図である。ここで同図(A)は同図(B)中の点線A−A′における断面を表し、同図(B)は同図(A)中の点線B−B′における断面を表すものである。
【0023】
同図に示す水晶発振器は、水晶振動片2と、水晶振動子以外の発振回路部分を構成する発振用ICチップ8と、これらを搭載するセラミック配線基板1と、を備えた構造のものである。
このセラミック配線基板1は二層配線基板の底板部と上面に設けた凹陥部3の側壁部とからなる三層セラミック配線基板であり、上面の凹陥部3には水晶振動片2を内部に収納し、この凹陥部3の上端に設けた環状メタライズ4(同図(B))を介して金属蓋5により気密封止されている。水晶振動片2は、導電性接着剤6により凹陥部部3の内底面部に設けた搭載パッド7a 、b(同図(A))に夫々導通接続されており、これにより水晶振動片2の両主面にある図示しない励振電極は、導電性接着6及び搭載パッド7を介して内層配線11(同図(B))に導通されている。
【0024】
また、発振回路を構成するフェースダウンボンディングタイプの発振用ICチップ8が、凹陥部3に隣接する位置のセラミック配線基板1の上面に搭載されており、発振用ICチップ8の各機能端子電極9がランドパターン10に導通することで、内装配線11を通じて水晶振動片2と、更にセラミック配線基板1の下面に設けた外部端子電極12、すなわち接地端子、電源端子、外部制御端子、出力端子電極とに導通されている。
【0025】
またここで、発振用ICチップ8はアンダーフィル剤13によりセラミック配線基板1に固着されているが、この固着性を強化するために発振用ICチップ8の底面及び側面下方部分14がアンダーフィル剤13に接合している。このアンダーフィル剤による強固な固着形態を実現する製造方法について、その一例を図2、3を基に説明する。
【0026】
図2は通常の固着形態であり、セラミック配線基板1上面に発振用ICチップ8が搭載され、各端子電極9を介して導通すると共に、発振用ICチップ8の下面のみがアンダーフィル剤13によって固着されている。また図3(A)は、発振用ICチップ8と水晶振動子を収納した凹陥部3とで構成された発振器21を、複数密接に並べたシート状セラミック配線基板22を表し、同図(B)は同図(A)中の点線B−B′における側面断面図である。そして同図(C)は前述の強固な固着形態を示す図である。
【0027】
図3(A)の様に、複数の発振器にまたがるアンダーフィル剤13の流出防止用の側壁23により囲まれた領域に、比較的粘度の低いアンダーフィル剤13を多量に注入し固化させる。すると同図(B)の様に各発振用IC8は、側面下方部分14までアンダーフィル剤13と接合することが可能となる。そして図3(A)又は(B)中のa、b、c、dに示す部分をスライサー等により切断分離すれば、発振器単体において従来必要としていた流出防止用の側壁が無くても、図3(C)の様なアンダーフィル剤13による強固な固着形態が実現する。
【0028】
上述の様に、本発明第一の実施例は前記第二の従来例に比較して発振用ICチップの固着用ポッティング剤の代わりにアンダーフィル剤を用いるので、ポッティング剤流出防止用の側壁を発振器内部に必要とせず、またポッティング剤の塗布量による高さ方向のバラツキを防止することができるので、より小面積化及び低背化が可能となる。
なお、シート状のセラミック配線基板22に貫通スルーホールがあるとアンダーフィル剤が流出してしまう虞がある。よって例えばセラミック配線基板1の側面に外部端子電極12と導通したいわゆる側面電極を設ける祭に、このシート状基板の夫々の単体発振器の間に位置する部分に分割スルーホール等を設ける場合は、上面の発振用ICチップ搭載面まで貫通しないことが好ましい。
【0029】
以下に本発明第二の実施例である水晶発振器について、図4を基に詳細に説明する。図4(A)及び(C)は正面断面図であり、同図(B)及び(D)は側面断面図である。ここで、図4(A)は同図(B)中の点線A−A′における断面を表し、図4(C)は同図(B)中の点線C−C′における断面を表す。また図4(B)は同図(A)中の点線B−B′における断面を表し、図4(D)は同図(C)中の点線D−D′における断面を表す。
【0030】
図4に示す水晶発振器は、凹状容器31に収納された水晶振動片32と、水晶振動子以外の発振回路部分を構成する発振用ICチップ45と、これらを搭載するセラミック配線基板38とを備えた構造のものである。
同図(B)中の凹状容器31は底部と側壁部とからなる二層セラミック配線基板であり、水晶振動片32を収納している。そしてこの水晶振動片32の両主面に設けた図示しない励振電極は、導電性接着剤33a、33b(同図(A))により凹状容器31の内底面に設けた搭載パッド34a、34bに電気的、機械的に接合している。また搭載パッド34a、34bは凹状容器31の外面角部に設けた導電4分の1スルーホール35a、35b(同図(D))により凹状容器31の開口部の端部に設けた二つの電極36a、36b(同図(C、D))まで夫々引出されている。
【0031】
この凹状容器31の開口部の端部には、前記二つの電極36a、36b、及び環状導電層37を有しており(同図(C、D))、半田40a、40b、及び41(同図(B、C、D))によりセラミック配線基板38の上面に設けた搭載パッド42a、42b、及び環状パッド43(同図(D))に夫々同時に接合されている。電極36a、36bは搭載パッド42a、42b(同図(D))と夫々導通を目的とし、この搭載パッド42a、42bは夫々内装配線44に導通している。一方環状導電層37はセラミック配線基板38との密封性の確保を目的としている。
【0032】
また、発振回路を構成するフェースダウンボンディングタイプの発振用ICチップ45(同図(B))は、凹状容器31に隣接する位置のセラミック配線基板38の上面に搭載さており、発振用ICチップ45の各機能端子電極46とランドパターン47とを導通することで、内装配線44を通じて水晶振動片32の両主面に設けた図示しない励振電極と、またセラミック配線基板38の下面に設けた外部端子電極48、すなわち接地端子、電源端子、外部制御端子、出力端子電極とに夫々導通されている。
更にまた発振用ICチップ45は、アンダーフィル剤49によりセラミック配線基板38に固着されている。
また、アンダーフィル剤49による固着性を増加させる必要があれば、第一の実施例で説明した方法と同様な方法で、発振用ICチップ45の底面と側面下方部分50とをアンダーフィル剤49にて固着させれば良い。
【0033】
ここで、セラミック配線基板38上の環状パッド43と凹状容器31の端部に形成した環状導電層37との接合は、凹状容器31の内部を真空又は不活性ガス等の密封状態に保つ為のものであり、半田や導電性接着剤等以外の、導電性を有しない接着剤等によっても可能である。また量産性の都合によって可能ならばシーム封止やガラス封止、或いは異方性導電性接着剤等であっても構わない。その際は当然、環状導電層37及び環状パッド43の必要性は夫々の場合によって異なっても良い。
【0034】
よって前述の様に、凹状容器31の開口部の端部の搭載パッド36a、36bも含む全面(同図(C))を、導電性を有しない方法で配線基板38に接続し密封した場合、電極36a、36bと搭載パッド42a、42bとの電気的接合は、凹状容器31の外面の導電4分の1スルーホール部によるフィレットのみであっても構わない。
【0035】
また通常は、振動子の二つの励振電極をセラミック配線基板に夫々電気的に接続する導通体としては、凹状容器の側壁内部に導電スルーホールを設けるのが妥当である。しかしそれは凹状容器の小型化に伴う側壁部の薄型化により非常に困難となる為、今回の実施例では導電スルーホールを凹状容器の外面、更には角部に設けることにより、導電スルーホールを4分の1にカットした形態を例に挙げたのである。また更に発振器の中心側、つまり発振用ICに隣接する面の二つの角部に導通4分の1スルーホールを設けた理由としては、発振器外部との接触等による導電4分の1スルーホール部の破損を回避する為と、発振器の外部電極を配線基板下面の4角に配置した場合において、発振器搭載時の半田等による凹状容器角部の4分の1スルーホール部と発振器搭載パッドとの接触不具合を避ける為に有利であるからである。
【0036】
そもそも本発明第二の実施例は第一の実施例に比較して、凹状容器の搭載工程が増える為に発振器の製造工程が複雑化するが、振動子単体のDLD測定等の特性を事前に測定することが容易となり、高価な発振用ICチップを守ることによる発振器の歩留りの向上というメリットがある。
【0037】
以下に本発明第三の実施例である水晶発振器について、図5を基に詳細に説明するが、この第三の実施例の基本的な構造は第二の実施例と同様である為、異なる部分のみ説明する。
その異なる点とは、前記第二の実施例におけるセラミック配線基板にフレキシブル配線基板を用いていることと、フレキシブル配線基板上面において凹状容器の開口部に当たる部分の全面をフレキシブル配線基板上に設けた導体層で覆っていることである。
【0038】
図5(A)正面断面図であり、同図(B)及び(C)は側面断面図である。ここで、図5(A)は同図(B、C)中の点線A−A′における断面を表し、図5(B)は同図(A)中の点線B−B′、同図(C)は同図(A)中の点線C−C′における断面を表す。
図5(A)中のフレキシブル配線基板61は前記第二の実施例と同様に上面には発振用ICチップ62と水晶振動片を収納した凹状容器63とを搭載し、下面には外部端子64を設けていて、前述の本発明第二の実施例と同様に内層又は表層の配線にて夫々導通されている。
同図(A)中の凹状容器63は、開口部の端部に形成した環状導体65により前記フレキシブル配線基板61上面に設けた導体層66(同図(B))上に半田67(同図(C))により気密封止されている。凹状容器63の端部65と導電層66との接合は、凹状容器63の内部を真空又は不活性ガス等の密封状態を保つ為のものである為、その封止方法については前記第二の実施例で説明した内容と同様である。
【0039】
ここで前記フレキシブル配線基板についてであるが、その材料としてはポリイミド樹脂がもっとも有力な材料となる。このポリイミド樹脂は有機物の中で優れた耐熱性を有する特殊樹脂であり、例えば鉛フリーの半田づけ温度の260℃に迄耐えられる材料であるからでもある。更にまた有機高分子である為に非常に加工しやすいという特徴もある。
【0040】
ここで、この発振器の構造においてポリイミド樹脂からなるフレキシブル配線基板を用いて更なる低背化を行った場合、ポリイミド樹脂は高分子材料である為に多数の空孔を有し密封性の確保が困難となる。そこで前記凹状容器63の密封性を確実にする為に、前記開口部に当たる部分を導体層66で覆った構造としたものである。この基本的考えは、同出願者による特開2000−100982号の請求項3に開示された内容に基づいている。
【0041】
以下に本発明第四の実施例である水晶発振器について、図6を基に詳細に説明する。同図(A)は前記本発明第一の実施例における応用例にあたり、同図(B)は前記本発明第二、第三の実施例における応用例にあたる。
【0042】
図6(A)において、セラミック配線基板71上に設けた凹陥部72は、金属蓋73により内部を真空又は不活性ガス等により密封されていて、金属蓋72は凹陥部72に隣接する位置に搭載された発振用ICチップ74の上部を覆う位置まで延出されている。
【0043】
また同図(B)において、セラミック又はフレキシブル等の配線基板75上には、内部77を真空又は不活性ガス等により密封する様に凹状容器76が搭載されていて、凹状容器76の底面部は、発振用ICチップ78上部を覆う位置まで延出されている。
【0044】
これは発振用ICチップの上部位置を保護することにより、発振器の搭載ピックアップ時の上面の吸着有効面積を広げる効果があり、また発振用ICチップの上方向からの機械的保護性の向上にもつながる。
【0045】
ここで、前述の本発明第一乃至第四の実施例で説明した構造の圧電発振器の製造方法は、量産性の観点から多数の発振器の配線基板を並べたシート状配線基板を、夫々の発振器の調整後に個別の発振器に切断するという方法を採用する。その際に、発振器の組立完成後に不具合品を検出し廃棄するという方法では、振動片の良品率に全体の良品率が左右されてしまうであろう。そこで夫々の振動片のドライブレベル等の諸特性を測定し不適合品を廃棄した後で、発振用ICチップと組み合わせ完成するという方法について説明する。
【0046】
以下に本発明第五の実施例である前記圧電発振器の製造方法を図7、図8を基に詳細に説明する。これは、前記第一の実施例に記載の発振器の場合は、シート状配線基板に夫々の振動片を内部に搭載し蓋により封止した後の工程であって、また第二、第三の実施例に記載の発振器の場合は、内部に振動片を搭載した凹状容器をシート状配線基板に搭載した後の工程に、振動片のみの諸特性を測定し検査する工程を持ち、その後発振用ICチップを搭載するという製造方法である。
【0047】
これは外部制御型水晶発振器の例であり、図7は複数の発振器を含むシート状配線基板における調整用配線構成図を示すものである。同図中の81は発振器の一つ分の領域を示し、水晶振動片の搭載領域82と発振用ICチップの搭載領域83とを含む。また裏面に設けた夫々の外部端子は、電源端子(Vcc)84、外部制御端子(Vcont)85、接地端子(GND)86、出力端子(OUT)87とする。
【0048】
各発振器における前述のVcc、Vcont、GNDはこのシート状配線基板の内層又は表層配線により夫々の共通端子に引出されていて、夫々の発振器を共通に各電圧の印加や接地を行う。ここで、OUT端子のみは夫々の発振器の出力を個別に検出しながら調整する必要がある為、個別配線により夫々OUT1、OUT2、・・・、と内層又は表層配線により引出されている。またここで、発振器の調整時に電源や外部制御の値を発振器毎に個別に変動させて調整する必要があれば、Vcc、Vcont端子も個別配線により引出しても良い。
【0049】
また各発振用ICチップ83は調整端子S1、S2、S3、S4をもち、前述と同様に内層又は表層配線により夫々の共通端子に引出されていて、ここではS4のみが個別な信号を入力し調整する必要がある端子と仮定し、S4−1、S4−2・・・、と夫々個別配線により引出されている。また前述と同様に他の端子S1、S2、S3が個別な信号入出力による調整が必要な端子であれば夫々個別配線により引出せば良い。
【0050】
各振動片の両励振電極パッド88、及び89は、個別発振器の基板領域内を通じる図示しない内層又は表層配線によって、発振用ICチップの図示しない振動子の入出力電極に導通している。また、この各励振電極は、夫々同図中に点線で示す内層又は表層配線により外部に引出されていて、1つの発振器に対する1組の両励振電極はXtal+1、Xtal−1とし、以下夫々をXtal+2、Xtal−2、Xtal+3、Xtal−3、・・・、と示している。
【0051】
図8は振動子のドライブレベル特性等の諸特性の測定原理図である。同図中Xtal+X、Xtal−Xは前記図7中の任意の振動片Xから引出した両励振電極を表しており、スイッチ90により基準発振回路側端子91と高電圧電源側端子92とに接続切り替えが可能である。また基準発振回路には、少なくとも電源Vcc、外部制御Vcont、接地GNDと、周波数記録装置に接続された周波数カウンターとに接続されている。
【0052】
まず任意の振動素子のオーバードライブ測定についてであるが、図7において振動素子部分のみを搭載した後に、図8に示す様に、任意の振動素子の両励振電極Xtal+X、Xtal−Xは切替スイッチ90により基準発振回路側の端子85に接続され、発振周波数f1を測定し記録する。次に高電圧電源側端子92にスイッチ90により切り替え、オーバードライブ電圧を印加する。その後、再び基準発振回路側端子91にスイッチ90を切り替える事により、f2を測定し記録し、f1とf2との周波数差によりドライブレベル不適合品を検出する。
【0053】
この試験の結果不適合品とされた振動片又は振動片を収納した凹状容器は、適合品と交換し再実装するか又はバッドマーク等を付加することで、最も高価であろう発振用ICチップの無駄な搭載を防ぎ、良品率の向上に伴うローコスト化を実現することが出来る。
その後高温加熱処理工程を経て、良品とされた振動片の搭載された発振器基板のみに発振用ICチップを搭載して各発振器を調整し、スライサー等により個々の発振器より引出した内層又は表層の配線ごと切断分離して完成する。
【0054】
ここで、図8中の基準発振回路はインピーダンスアナライザーやスペクトラムアナライザー等の測定装置類に接続し、振動素子のみの不適合品検出に必要なCI値や容量比等の諸特性を測定することも可能となる。また各振動素子を搭載したシート状配線基板を恒温槽等に投入した状態で周波数を測定すれば、夫々の振動素子の周波数温度特性を測定することが可能で、その夫々の温度特性に適合する、例えばランク分けされた発振用ICチップを搭載するということも可能となる。
【0055】
前記従来技術の問題点でも説明したが、そもそも振動素子のドライブレベル特性測定を行う際に発振用ICチップを搭載しない理由としては、水晶振動片のオーバードライブ測定の際の高電圧から、又高温加熱処理工程から発振用ICチップを保護する為でもある。
【0056】
以下に圧電発振器の製造方法における本発明第六の実施例を図9、図10を基に詳細に説明する。これはフレキシブル配線基板を使用した発振器の製造方法であって、前記本発明第五の実施例における製造方法を含む一例として説明する。
【0057】
図9は、発振用ICチップと振動素子部からなる圧電発振器93を多数一列に並べた帯状フレキシブル配線基板94を、リール状搬送媒体95に並べて張り合わせた端部の上面拡大図である。リール状搬送媒体95は両側に送り穴96を有している。
【0058】
この帯状フレキシブル配線基板94の夫々の発振器を構成する部分の周辺には、図示しない内層又は表層の配線により、調整端子及び各発振器の外部端子が引出された電極が設けられている。一方、各発振器に個別の信号を入出力する必要がある端子、例えば各発振器の出力端子や、圧電振動片より引出した両励振電極、及び個別の信号入出力が必要な調整端子等は、各発振器に両脇の個別端子電極97に引出されている。他方、例えば電源や接地端子の様に共通化が可能な端子は帯状フレキシブル配線基板94の両端部分に設けた共通端子電極98に引出されている。
またこの帯状フレキシブル配線基板94には、前記本発明第一の実施例で説明したアンダーフィル剤の流出防止用の側壁99が設けられている。
【0059】
さて、多数の帯状のフレキシブル配線基板94を、チップ部品等の梱包によく使用される紙テープや樹脂材料によるエンボステープからなるリール状搬送媒体95に、各発振器の基板となる部分以外の周囲部分に接着剤等を塗布して並べて貼り合わせる。ここで電極表面の酸化防止や保護用に、図示しない透明ビニールテープ等を剥離が容易に可能な様に被せても良い。そしてリール状に巻いた状態で保存し管理する。
【0060】
次にインライン形態の調整ラインにリール毎に投入し、搬送送り穴を用いて搬送しながら、圧電振動片又は圧電振動片を収納した凹状容器を順に搭載接合し密封する。その後前記本発明第五の実施例で説明した様な方法にて圧電振動素子のみの不適合品を検出する。そこで不適合となった発振器の配線基板部分にはバッドマーク等を記すと共に、その位置情報を記録する。その後高温加熱処理工程を経た後、再度各圧電振動子の諸特性の検査を行い、前述同様にその不適合品の配線基板部分にバッドマーク等を記すと共に、その位置情報を記録する。その後適合品が搭載された各発振器基板にのみ発振用ICチップを搭載し、アンダーフィル剤を塗布し固着させて発振器の組立を完了させる。またその後、ある単位の数量毎に発振器の調整を完了させ、最後に発振器外部に引出した内層又は表層の配線ごと切断分離して完成となる。
【0061】
この形態は、従来のソケット等に格納する治具による組立、調整ライン内の搬送に比べ、発振器がより小型化することによりハンドリング工程が困難となる場合には最適な方法と言える。
またこの形態によれば温度特性の調整にも有利な点がある。従来の温度特性調整方法の一つに、熱容量が大きな治具へ装着し恒温槽ライン内を通して、ある設定温度の気体雰囲気中に一定時間放置することにより発振器の温度を一定に保ちながら調整するという方法がある。しかしこの形態によれば、リール状搬送媒体は非常に薄く熱伝導率が良くまた熱容量が小さいものの製作が可能であり、更に恒温槽ライン上に加熱プレート又は冷却プレート等を製作し、その上を当接しながら搬送する様に構築すれば、より効果的に発振器を所望の温度に一定に保ちながらの調整が可能となる。
【0062】
また最後に切断分離する際は発振器の外形形状が比較的大きい場合は回転刃によるスライサーや切断金型の使用も可能であるが、より小型化した発振器の微細な切断となる場合は、レーザーカット等を用いると良い。
【0063】
図10に前記帯状フレキシブル配線基板中の各発振器基板の間隔を広げた形態を示す。この様にすれば製造ラインの最終工程で発振器をレーザーカットにより切断分離した後、剥離可能なビニール等の保護テープにより封止することにより、そのままリール梱包による出荷形態とすることも可能となる。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、前記第一の従来例、つまりシングルシール構造に比較して、発振用ICチップと圧電振動片とを分離して配置したので、発振用ICチップの搭載前にDLD処理及びアニール処理を夫々行うことが可能となり、高価な発振用ICチップを守ることによる発振器の歩留りの向上という効果がある。又圧電振動片を気密封止した領域にアウトガスの発生源となる樹脂物質の量が少ないので経年時特性も優れたものとなる。また当然のことながら発振用ICと圧電振動片が立体的に重なることがないので低背化が可能となる。
また前記第二の従来例に比べて、発振用ICチップの固着用ポッティング剤を用いないので、ポッティング剤流出防止用の側壁を発振器内部に必要とせず、またポッティング剤の塗布量による高さ方向のバラツキを防止することができるので、より小面積化及び低背化が可能となる。
更に、本発明は、発振用ICチップと圧電振動片とを分離して配置するだけでなく、凹状容器に圧電振動片を収納することにより、製作工程をも容易に分離することが可能となるので、例えば本発明第五の実施例よる製造方法においては、DLD測定やアニール工程以外の、常温周波数、CI値、容量比といった基本特性のみ凹状容器に収納した半製品の状態で事前に評価し、良否判定をすることも可能となる。またこの事前に評価した値によってランク毎分けてシート状配線基板に搭載することも可能となる。
また更に本発明は、密封性の確保をクリアしたフレキシブル基板を採用することにより、前記請求項2の構造による効果と共に更なる低背化を実現した。
本発明は、発振用ICチップの上部位置まで蓋又は凹状容器の底板を延出したことにより、発振用ICチップの保護、及び発振器の搭載ピックアップ時の上面の吸着有効面積を広げるという効果がある。
本発明は、発振用ICを搭載する前に、振動片単体のDLD測定を行う方法を、現在容易に可能な方法として提案している。
本発明は、低背化、小型化するにあたって最大の問題となるハンドリングの問題をクリアーすると共に、製造コストの低価格化を実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例
【図2】本発明の第一の実施例の補足説明図
【図3】本発明の第一の実施例の補足説明図
【図4】本発明の第二の実施例
【図5】本発明の第三の実施例
【図6】本発明の第四の実施例
【図7】本発明の第五の実施例
【図8】本発明の第五の実施例の補足説明図
【図9】本発明の第六の実施例
【図10】第一の従来例
【図11】第二の従来例
【符号の説明】
1、38、61、101、121:配線基板、2、32、103、122:水晶振動片、3:凹陥部、4:環状メタライズ、5:金属蓋、8、45、62、104、129:発振用ICチップ、13、49:アンダーフィル剤、23、99:アンダーフィル剤流出防止用側壁、31、63:凹状容器、12、48、64、113:外部端子電極、94:フレキシブル配線基板、95:リール状搬送媒体、96:送り穴

Claims (7)

  1. 配線基板と、圧電振動片と、容器と、少なくとも発振回路を構成した電子部品とを有し、
    前記容器が、環状の枠により形成された開口を有する凹状の収納部を備えた構成であり、
    前記配線基板が上面と、該上面と対向した下面と、該上下面を囲む外周に側面とを有し、
    前記配線基板の上面に前記電子部品を搭載した構成と、前記配線基板の下面に外部端子電極を備えた構成と、
    前記電子部品が前記収納部の外に存在するように前記容器の開口を前記配線基板にて閉じた構成と、
    前記収納部に前記圧電振動片を収納した構成と、
    前記電子部品と前記圧電振動片の励振電極、及び前記電子部品と前記外部端子電極とを、
    前記配線基板に設けた配線により夫々導通した構成と、
    前記電子部品と前記配線基板とをアンダーフィル剤にて固着した構成と、前記アンダーフィル剤を前記配線基板の上面側の端にまで形成した構成と、を備えた圧電発振器の製造方法であり、
    前記配線基板の外周に該配線基板と一体化した基板を備えた構成のシート状の前記配線基板を用意する工程と、
    前記アンダーフィル剤を前記配線基板上に付着した後に、前記配線基板と前記基板とを分離して前記配線基板の側面を露出させる工程と、を有することを特徴とする圧電発振器の製造方法。
  2. 配線基板と、圧電振動片と、容器と、少なくとも発振回路を構成した電子部品とを有し、
    前記容器が、環状の枠により形成された開口を有する凹状の収納部を備えた構成であり、
    前記配線基板が上面と、該上面と対向した下面と、該上下面を囲む外周に側面とを有し、
    前記配線基板の上面に前記電子部品を搭載した構成と、
    前記電子部品が前記収納部の外に存在するように前記容器の開口を前記配線基板にて閉じた構成と、
    前記収納部内であり前記容器の内底面に前記圧電振動片を搭載した構成と、
    前記電子部品と前記配線基板とをアンダーフィル剤にて固着した構成と、
    前記アンダーフィル剤を前記配線基板の上面側の端にまで形成した構成と、を備えた圧電発振器の製造方法であり、
    前記配線基板の外周に該配線基板と一体化した基板を備えた構成のシート状の前記配線基板を用意する工程と、
    前記アンダーフィル剤を前記配線基板上に付着した後に、前記配線基板と前記基板とを分離して前記配線基板の側面を露出させる工程と、を有することを特徴とする圧電発振器の製造方法。
  3. 配線基板と、圧電振動片と、容器と、少なくとも発振回路を構成した電子部品とを有し、
    前記容器が、環状の枠により形成された開口を有する凹状の収納部を備えた構成であり、
    前記配線基板が上面と、該上面と対向した下面と、該上下面を囲む外周に側面とを有し、
    前記配線基板の上面に前記電子部品を搭載した構成と、
    前記電子部品が前記収納部の外に存在するように前記容器の開口を前記配線基板にて閉じた構成と、
    前記収納部に前記圧電振動片を収納した構成と、
    前記電子部品と前記配線基板とをアンダーフィル剤にて固着した構成と、
    前記アンダーフィル剤を前記配線基板の上面側の端にまで形成した構成と、を備え、前記配線基板がフレキシブル配線基板である圧電発振器の製造方法であり、
    前記配線基板の外周に該配線基板と一体化した基板を備えた構成のシート状の前記配線基板を用意する工程と、
    前記アンダーフィル剤を前記配線基板上に付着した後に、前記配線基板と前記基板とを分離して前記配線基板の側面を露出させる工程と、を有することを特徴とする圧電発振器の製造方法。
  4. 前記容器が、前記配線基板の上面に形成した枠と、該枠の開口を蓋にて封止した構成であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の圧電発振器の製造方法。
  5. 前記容器が、前記配線基板と分離した状態にて凹状の形状を成す構成であり、該容器の開口部を前記配線基板にて封止するように構成したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の圧電発振器の製造方法。
  6. 前記圧電発振器を構成する為の前記配線基板を複数密接並べたシート状配線基板であって、該シート状配線基板に前記圧電振動片の電気的特性を測定できるよう該圧電振動片の励振電極を個々に外部に導出可能とした構成と、前記圧電発振器の出力を個々に外部に導出可能とした構成とを備え、圧電振動片の励振電極と基準となる発振回路又は、圧電振動片の励振電極とオーバードライブ電源との間を接続切り替えする切り替えスイッチを用意し、前記圧電振動片の電気的特性を測定し、前記圧電振動片の不適合を検出する工程と、を有する請求項1乃至請求項3に記載の圧電発振器の製造方法。
  7. 配線基板と、圧電振動片と、容器と、少なくとも発振回路を構成した電子部品とを有し、
    前記容器が、環状の枠により形成された開口を有する凹状の収納部を備えた構成であり、
    前記配線基板が上面と、該上面と対向した下面と、該上下面を囲む外周に側面とを有し、
    前記配線基板の上面に前記電子部品を搭載した構成と、前記配線基板の下面に外部端子電極を備えた構成と、
    前記電子部品が前記収納部の外に存在するように前記容器の開口を前記配線基板にて閉じた構成と、
    前記収納部に前記圧電振動片を収納した構成と、
    前記電子部品と前記圧電振動片の励振電極、及び前記電子部品と前記外部端子電極とを、前記配線基板に設けた配線により夫々導通した構成と、
    前記電子部品と前記配線基板とをアンダーフィル剤にて固着した構成と、前記アンダーフィル剤を前記配線基板の上面側の端にまで形成した構成と
    記配線基板と対向する前記凹状の容器の底板部が、前記電子部品の上部位置まで延出したものであることを特徴とする圧電発振器。
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