JP4319110B2 - 無線通信機 - Google Patents
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Description
このAFC動作回路と前記引用例に見られるようなPLL動作回路との両方の回路を備えた無線通信機において、本発明の背景となった技術を図2〜図6に示し、これを参照し、従来技術として以下の説明を行う。
図2において、1は受信信号を入力とし中間周波信号に周波数変換する受信ミキサ(Rx Mix)、8は送信搬送波を合成する送信ミキサ(Tx Mix)、17はRx Mix1およびTx Mix8に局部発振周波数を発振・供給する局部電圧制御発振器(Lo VCO(Voltage controlled oscillator))、18はLo VCO17と接続され送受信局部発振周波数のPLL周波数シンセサイザのループフィルタとしての局部ローパスフィルタ(Lo LPF)、20はTx Mix8に送信中間周波数を発振・供給する送信中間周波電圧制御発振器(Tx IF VCO)、6はTx IF VCO20と接続され送信中間周波数のPLL周波数シンセサイザのループフィルタとしての送信中間周波ローパスフィルタ(Tx IF LPF)、4bは二つのPLLシンセサイザ主要回路を有する集積回路であり、一方はLo VCO17とLo LPF18と組み合わされて位相ロックループを構成するPLL周波数シンセサイザおよび他方はTx IF VCO20とTx IF LPF6と組み合わされて位相ロックループを構成するPLL周波数シンセサイザであるデュアル位相ロックループ集積回路(Dual PLL―IC)、5cは復調器から出力されるAFC動作によって受信信号の周波数に一致させるように周波数制御が行えるAFC動作の入力端子を有し、Dual PLL―IC4bへPLL基準周波数を発振し、その出力を供給する基準発振器、19はTx Mix8の合成された送信搬送波出力をI相、Q相それぞれの変調信号によって周波数変調または位相変調が行われる直交変調器である。
図3において、2はRx Mix1に局部発振周波数を発振・供給する受信局部電圧制御発振器(Rx Lo VCO)、3はRx Lo VCO2と接続され受信局部発振周波数のPLL周波数シンセサイザのループフィルタとしての受信局部ローパスフィルタ(Rx Lo LPF)、9cは PLL周波数シンセサイザ主要回路の集積回路でありRx Lo VCO2とRx Lo LPF3と組み合わされて位相ロックループを構成するPLL周波数シンセサイザである位相ロックループ集積回路(PLL―IC)、10はTx Mix8に局部発振周波数を発振・供給する送信局部電圧制御発振器(Tx Lo VCO)、11はTx Lo VCO10と接続され送信局部発振周波数のPLL周波数シンセサイザのループフィルタとしての送信局部ローパスフィルタ(Tx Lo LPF)、4cは二つのPLL周波数シンセサイザ主要回路を有する集積回路であり、一方はTx Lo VCO10とTx Lo LPF11と組み合わされて位相ロックループを構成するPLL周波数シンセサイザおよび他方はTx IF VCO20とTx IF LPF6と組み合わされて位相ロックループを構成するPLL周波数シンセサイザであるデュアル位相ロックループ集積回路(Dual PLL―IC)、5dは図の外部から周波数制御が行えるAFC機能の入力端子を有し、PLL―IC9cおよびDual PLL―IC4cへPLL基準周波数を発振し、その出力を供給する基準発振器である。
これは、高電力増幅に適した非線形増幅器と組み合わせられると、被変調波に歪を発生させ通信情報が正確に伝わらない不都合が生じる。3W以上の高電力出力の無線機の送信部には非線形増幅器が用いられるので、増幅後の信号の隣接チャネル漏洩電力特性の大幅な劣化をまねき、特に隣接チャネル漏洩電力を低く抑えることを要求されるTDMA方式(時分割マルチプルアクセス)のような通信システムでは不向きである。
図3のブロック図に示されたブロック番号と同一のブロック番号の説明は省略する。7は送信中間周波数を発振し変調信号により周波数変調または位相変調をおこなってTx Mix8に供給する変調用送信中間周波電圧制御発振器(Tx IF VCO(M))、5eは、送信モードのときには変調信号によってTx IF VCO(M)7に周波数または位相変調が行えると同時に変調が行える直接変調方式を有し、また、受信モードのときには、Rx Lo VCO2の出力周波数がAFC動作により受信信号の周波数に一致させる機能を有し、PLL―IC9cおよびDual PLL―IC4cへPLL基準周波数を発振し、その出力を供給する基準発振器である。
VCO(Tx IF VCO(M)7)で行う直接変調は、変調信号の帯域のうち比較的高域周波数帯域であるアナログ音声信号の変調には向いている。しかし変調信号の帯域のうち比較的低域周波数帯域(DC〜300Hz程度)であるディジタルデータ信号の変調処理の際、VCOに直接変調をかけようとすると、直流成分の伝送が必要とするためにカットオフが数HzのPLL回路のループLPFが必要となり、これではPLL周波数シンセサイザの応答速度を遅くしてしまうので高速伝送を要求されるシステムには不向きである。
図4のブロック図に示されたブロック番号と同一のブロック番号の説明は省略する。4dは二つのPLL周波数シンセサイザ主要回路を有する集積回路であり、一方はRx Lo VCO2とRx Lo LPF3と組み合わされて位相ロックループを構成するPLL周波数シンセサイザおよび他方はTx IF VCO(M)7とTx IF LPF6と組み合わされて位相ロックループを構成するPLL周波数シンセサイザであるデュアル位相ロックループ集積回路(Dual PLL―IC)、5fは変調信号によってTx IF VCO(M)7に周波数または位相変調が行えると同時に変調が行える直接変調方式を有し、また、受信モードのときにはRx Lo VCO2の出力周波数を受信信号の周波数に一致させることができるAFC動作機能を有し、Dual PLL―IC4dへPLL基準周波数を発振し、その出力を供給する基準発振器である。9dは PLL周波数シンセサイザ主要回路の集積回路でありTx Lo VCO10とTx Lo LPF11と組み合わされて位相ロックループを構成するPLL周波数シンセサイザである位相ロックループ集積回路(PLL―IC)、5gは図4の外部から周波数制御が行える入力端子を有し、PLL―IC9dへPLL基準周波数を発振し、その出力を供給する基準発振器である。
この場合、基準発振器(1)5gの出力周波数と基準発振器(2)5fの出力周波数とは独立の発振周波数であるので周波数が同じでも同期関係にはない。
図5のブロック図に示されたブロック番号と同一のブロック番号の説明は省略する。
21は送信周波数自身を発振し、かつ、変調信号により周波数変調または位相変調をおこなって送信信号として出力する変調用送信電圧制御発振器(Tx VCO(M))である。
22はTx VCO(M)21と接続され送信周波数のPLLシンセサイザのループフィルタとしての送信ローパスフィルタ(Tx LPF)である。
4eは内部に二つのPLL周波数シンセサイザの回路を備えた集積回路であり、一方はRx Lo VCO2とRx Lo LPF3と組み合わされて受信の位相ロックループを構成する受信PLL周波数シンセサイザおよび他方はTx VCO(M)21とTx LPF22と組み合わされて送信の位相ロックループを構成する送信PLL周波数シンセサイザであるデュアル位相ロックループ集積回路(Dual PLL―IC)である。
5hは送信モードのときには変調信号の低域成分によって周波数または位相変調をかけられ、受信モードのときにはAFC動作の制御を受ける基準発振器である。
この回路はVCO直接変調であることのために隣接チャネル漏洩電力特性の劣化が少ない利点を持ち、また、一つの基準発振器5hであることがAFC動作上の不都合もない。
しかしながら、送信VCO出力周波数をそのまま送信信号周波数とするので、フルパワー送信を高速で立ち上げるようなものでは、アンテナから出力周波数信号のかぶりの影響が送受各VCOへのフィードバックループ回路へ干渉して、各VCOの出力周波数ゆれを発生させることになり、一度発生すると収束まで要する時間が長くなる。
したがって、高速動作が要求されるTDMA方式(時分割マルチプルアクセス)の通信システムでは本回路のような構成は適用できない。ミキサ方式であればこの出力周波数ゆれの現象が避けられる。
図2、図3の従来の回路構成例では、変調信号(I相/Q相各成分の信号)に位相誤差、振幅偏差が生ずると、AM−PM変換(振幅―位相変換)されるときに、直交変調器出力端において被変調波の隣接チャネル漏洩電力特性の劣化をまねくことになる。特に隣接チャネル漏洩電力特性を低く抑えることが要求されるシステムでは不利である。この直交変調器を用いたときの隣接チャネル漏洩電力の特性値例は−57.4dB(アンテナ端子での測定)程度である。
高精度のデータ通信を行うには自局および相手局の送受信の無線周波数が0.1ppm程度の誤差にさせる必要がある。図5を用いる隣接チャネル漏洩電力の特性値例は−68dB(アンテナ端子での測定)程度である。
送信モードのときに所定の周波数の送信中間周波信号を送信信号に周波数変換する送信ミキサと、該送信ミキサに所望の送信チャネルに適合する送信局発信号を供給する送信局発PLL周波数シンセサイザと、変調信号により高域周波数変調された前記所定の周波数の送信中間周波信号を該送信ミキサに供給する送信中間周波PLL回路と、
前記変調信号により低域周波数変調され、かつ、AFC動作が行われた第一の基準周波数信号を前記受信局発PLL周波数シンセサイザおよび前記送信中間周波PLL回路に供給する第一の基準発振器と、
前記送信局発PLL周波数シンセサイザに第二の基準周波数信号を供給する第二の基準発振器とを備えた無線通信機であって、
前記受信モードのときに所定の条件下で行われるAFC動作が完了した後、前記第二の基準周波数信号を前記第一の基準周波数信号に同期させるように形成された基準発振PLL回路と、
該同期したときに、該基準発振PLL回路から得られた制御電圧を一時記憶し、該一時記憶した時点で前記基準発振PLL回路のループを切り離し、該一時記憶した前記制御電圧を読み出して、前記第二の基準発振器に印加させることによって、前記送信モードにおいて前記低域周波数変調された前記第一の基準発振器の出力である第一の基準周波数信号に前記第二の基準発振器が影響されないで、前記第二の基準周波数信号を前記AFC動作後の前記第一の基準周波数信号に同期させた状態とするように形成された制御回路とを備えることを特徴とする。
(1)直交変調器が用いられる従来回路の隣接チャネル漏洩電力特性に比較し、本発明では良好な特性が得られる。例えば図5対比では10dB(アンテナ端子での測定)の改善効果である
(2)本発明のミキサ方式である送信周波数変換回路は、TDMAシステムが要求する送受信の高速切替えに対応することができ、例として送信の高速立ち上げが250μsec〜350μsecに追従する。
(3)本発明の送信回路には基準発振器とPLL回路が2系統もっているがミキシングされた後でも周波数ゆれがない安定な被変調送信波の送信信号が得られる。
(4)基準発振器とVCOの2つの回路により変調された信号がPLL回路によって合成されるのでアナログ音声信号又はディジタルデータ信号の両方の変調信号に対応できる。
(5)二つの基準発振器間の同期がとれるので両基準発振周波数間の周波数差は0.03ppmの高精度に保たれ、変調精度の高い送信信号が得られる。
1は受信信号を入力とし受信中間周波信号に周波数変換する受信ミキサ(Rx Mix)である。2はRx Mix1に対し所望の受信チャネルに適合する受信局発信号を発振・供給する受信局部電圧制御発振器(Rx Lo VCO)である。3はRx Lo VCO2に接続され受信局発PLL周波数シンセサイザのループフィルタとして機能する受信局部ローパスフィルタ(Rx Lo LPF)である。
4aは二つのPLL回路が内蔵された集積回路であり、一方のPLL回路(PLL−IC(1−1))は、Rx Lo VCO2とRx Lo LPF3と組み合わされて位相ロックループが構成されて、外部より受信チャネル周波数の選択制御信号が入力されて受信局発PLL周波数シンセサイザの回路となっている。他方のPLL回路(PLL−IC(1−2))はTx IF VCO(M)7とTx IF LPF6と組み合わされて位相ロックループが構成されて、送信中間周波PLL回路となっている。これら二つのPLL回路を備えたデュアル位相ロックループ集積回路(Dual PLL―IC(1);第一のPLL)である。
5bは送信局発PLL周波数シンセサイザに第二の基準周波数を供給するために第二の基準周波数を発振し、この信号の接続先はPLL―IC(2)9aとPLL―IC(3)9bとする第二の基準発振器である。
7は送信中間周波数を発振し、この発振周波数信号に、入力された変調信号の高域周波数成分により周波数変調または位相変調が行われるものであり、得られた変調された所定の周波数である送信中間周波信号をTx Mix8へ供給する変調用送信中間周波電圧制御発振器(Tx IF VCO(M))である。
8は入力された送信中間周波信号と送信局発信号とが周波数変換して送信信号にされて出力とする送信ミキサ(Tx Mix)である。
9bは基準発振PLL回路の部分である集積回路であり、第一の基準発振器5aの出力である第一の基準周波数信号の分岐出力を参照周波数として入力とし、第二の基準発振器5bの出力である第二の基準周波数信号の分岐出力を被制御周波数として入力とし、LPF12と組み合わされて位相ロックループが構成されて基準発振PLL回路とする位相ロックループ集積回路(PLL―IC(3);第三のPLL)である。
11はTx Lo VCO10と接続されて送信局発信号を得るための送信局発PLL周波数シンセサイザ内に備えるループフィルタとして機能する送信局部ローパスフィルタ(Tx Lo LPF)である。
12は第二の基準発振器5bとPLL―IC(3)9bとSW15とを組み合わされて基準発振PLL回路が構成され、第二の基準周波数が位相・周波数制御されて、第一の基準周波数に同期させる基準発振PLL回路のループフィルタとして機能するローパスフィルタ(LPF)である。
13はLPF12の出力がSW15に通されたのちに分岐されてCPU16にPLL制御電圧として取り込むためにアナログ・ディジタル変換するA/Dコンバータである。
14bはCPU16から出力されるAFC動作の制御電圧値を示すAFC動作のデータを入力とし、これをアナログ値に変換し、AFC動作信号として出力するD/Aコンバータである。
15は基準発振PLL回路がループを構成するか、ループから切り離されるかの回路切替えを行うものであり、ループから切り離されたときにはCPUに取り込まれたPLL制御電圧によって同期保持されように、D/Aコンバータ14aの出力を第二の基準発振器5bへ供給するように動作するSW(スイッチ)である。
第一の基準発振器5aは、受信モードのときに制御電圧端子に入力されたAFC動作の制御電圧値により第一の基準周波数信号が受信信号の周波数に一致させるように周波数制御され、送信モードのときに制御電圧端子に入力された変調信号により第一の基準周波数信号が位相変調または周波数変調される動作をする。
Dual PLL―IC4a(以下、第一のPLL4a)はデュアルPLL型であり、第一の基準周波数信号が参照用周波数信号として入力される。
第一のPLL4aの一方のPLLであるPLL−IC(1−1)は、受信局部電圧制御発振器(Rx Lo VCO2)の発振周波数が受信チャネルに一致するようにAFC制御する機能をもつ。
第一のPLL4aの他方のPLLであるPLL−IC(1−2)は、送信中間周波電圧制御発振器(Tx IF VCO(M))7の発振周波数をPLL制御して送信中間周波信号として発生させる動作をする。
PLL―IC9b(以下、第三のPLL)は、第一の基準周波数信号を参照用周波数信号とし、LPF12とで基準発振PLL回路を構成され、第二の基準周波数信号を同期させる動作をする。
LPF12の出力端と第二の基準発振器5bの制御入力端との間にSW15が設けられており、CPU16からSW15へ供給された切替え制御信号が例えば論理(H)であれば、LPF12の出力端と第二の基準発振器5bの制御入力端とが接続される。このとき基準発振PLL回路はPLL回路として動作する。
論理(H)はAFC動作の機能が動作完了後であって基準発振PLL回路を動作させる間の切替制御信号として、論理(L)はD/Aコンバータ14aの出力を第二の基準発振器5bに供給させる間の切替制御信号として動作する。
基準発振PLL回路がPLL回路として動作するタイミングは受信モードの立ち上がりの一時期であり、それ以外のタイミング(定常状態)はCPU16の制御下となる動作である。
第一の基準発振器5aの制御電圧端子には、AFC動作の電圧値と変調信号の電圧値が加算回路によって合成された電圧値として入力される。受信モードのときにはAFC動作中の電圧値が現れ、変調信号は現れない。送信モードのときにはAFC動作の制御後のDC電圧値に変調信号による電圧値が加算されて第一の基準発振器5aに入力される。
先ず、受信モードのときに動作するAFC動作は、受信の所定のタイミング時(例えば受信モードでのコントロールチャネルの立ち上がり時)に得られる条件(例えば復調された受信メッセージの符号誤り状況の監視結果の判定)と受信信号の周波数偏差分との相関性を演算して行うことができる。
即ち、AFC動作のループ動作時はコントロールチャネルでの受信メッセージの符号誤りが最小になるように制御されたとき、受信局発信号の周波数は受信信号の周波数に一致されるとみなされるので、この演算処理をCPU16で行う。
(復調データ⇒符号誤り検出⇒AFC動作の制御電圧値⇒基準発振器AFC動作制御⇒受信局発PLL周波数シンセサイザ⇒AFC動作の受信局発信号⇒AFC動作の受信中間周波信号⇒復調データ)
更に、前記受信モードに次いで、CPU16から出力される切替え制御信号の論理レベルを「H」にして、LPF12の出力を第二の基準発振器5bの入力に接続するようにSW15の接点が選択される。
このとき第三のPLL9bはLPF12と第二の基準発振器5bとの回路によって基準発振PLL回路のPLLループが構成される。
これによって、第二の基準発振器5bの発振周波数である第二の基準周波数信号は、先のAFC動作の制御された第一の基準発振器5aの発振周波数である第一の基準周波数信号にPLL周波数ロックされて同期される。
このように基準発振PLL回路のPLLループによって第二の基準周波数信号が第一の基準周波数信号に同期されたとき、この同期された状態のPLL制御電圧、即ちPLL周波数ロックされている時のLPF12から出力され第二の基準発振器5bに入力されるPLL制御電圧が分岐されてA/Dコンバータ13に入力されてアナログ値をディジタル値に変換してディジタル制御電圧のデータとされて、CPU16に取り込まれ、そのメモリに記憶される。
(第一の基準周波数信号⇒第三のPLL9b⇒LPF12⇒PLL制御電圧⇒SW15⇒第二の基準発振器5b⇒第二の基準周波数信号)
(PLL制御電圧⇒A/Dコンバータ13⇒ディジタル制御電圧のデータ⇒CPU16)
以上の第一の基準発振器5aのAFC動作および第二の基準発振器5bの同期動作は受信モードの立ち上がり時に於ける極めて短いタイミングの間で順に完了させる。
CPU16は、取り込まれメモリに記憶されたPLL制御電圧のデータを、このメモリから読み出し、D/Aコンバータ14aにそのデータを出力する。D/Aコンバータ14aでは入力されたPLL制御電圧のデータをアナログ値に変換して出力する。
そこでCPU16から出力される切替え制御信号は論理レベル「L」にされ、SW15の接点が切替えられ、第二の基準発振器5bの制御入力端はD/Aコンバータ14aの出力端に接続され、この動作によって第二の基準発振器5bは、基準発振PLL回路の構成に換えCPU16の制御のもとに動作する構成に切り替わる。
このようにPLL制御電圧のデータがCPU16に取り込まれることによって、基準発振PLL回路のPLLループが切り離しされたときでも、PLL回路のロック時と同じ制御電圧が保たれるようにされるので、第二の基準発振器5bが同期を確保している状態にすることができる。即ち、第二の基準発振器5bは、AFC動作の制御が完了した第一の基準発振器5aに同期された状態を確保している。
第一の基準発振器5aの制御電圧端子には、AFC動作の制御電圧を中心値にして変調信号の低域周波数成分による電圧変化分の重畳された電圧が入力される。この重畳された電圧によって、第一の基準発振器5aは位相偏移または周波数偏移での変調が行われ、その出力は第一の基準周波数信号として送信中間周波PLL回路へ供給される。
一方、第二の基準発振器5bは、CPU16の制御下にあるため変調された第一の基準周波数信号の影響を受けることはなく、第二の基準周波数信号を送信局発PLL周波数シンセサイザへ送ることができる。
送信局発PLL周波数シンセサイザの回路では、外部より送信チャネルが指定され、その出力は送信局発信号としてTx Lo VCO10より出力される。この送信局発信号は変調の影響を受けていないので、純粋な単一周波数成分である。従って、Tx Mix8でミキサ動作されても、その出力である送信信号は安定な所望の被変調波が得られる。
即ち、送信モードのとき、第一の基準発振器5aが変調されても、送信局発信号を作り出す送信局発PLL周波数シンセサイザは変調の影響を受けない。
また、SW15の切替え時、D/Aコンバータ14aから出力される電圧波形がSW15の接点切替えの過渡応答により電圧波形に歪を発生させることがある。CPU16による制御であれば、予め波形補正を行うことにより、電圧波形に歪の発生を防ぐことが可能である。
本発明の隣接チャネル漏洩電力の特性値は−78dB(アンテナ端子での測定)が得られる。
基地局から到来し、本発明の無線通信機が受信したコントロールチャネル信号を受信復調して復調データとして受信メッセージ出力する。このときのError状況をCPUが監視し、CPUではError状況を演算処理してAFC動作の制御データに変換してAFC動作の制御電圧を得る。このようにして符合Errorの発生状況が最小になるようにAFC動作の制御動作を行うことによって、基地局の無線周波数に一致させるものである。
更に、変調動作に影響されない送信局発信号がTx Mix8回路に入力されるので、ミキサの周波数変換効率が高く、不要な周波数成分の発生を抑え、本来の和と差の周波数成分を発生させ、安定な送信信号(被変調波)が得られるものである。
2 Rx Lo VCO
3 Rx Lo LPF
4a、4b、4c、4d、4e Dual PLL―IC
5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h 基準発振器
6 Tx IF LPF
7 Tx IF VCO(M)
8 Tx Mix
9a、9b、9c、9d、9e PLL―IC
10 Tx Lo VCO
11 Tx Lo LPF
12 LPF
13 A/Dコンバータ
14a、14b D/Aコンバータ
15 SW
16 CPU
17 Lo VCO
18 Lo LPF
19 直交変調器
20 Tx IF VCO
21 Tx VCO(M)
22 Tx LPF
Claims (1)
-
受信モードのときに入力される受信信号を受信中間周波信号に周波数変換する受信ミキサと、該受信ミキサに所望の受信チャネルに適合する受信局発信号を供給する受信局発PLL周波数シンセサイザと、
送信モードのときに所定の周波数の送信中間周波信号を送信信号に周波数変換する送信ミキサと、該送信ミキサに所望の送信チャネルに適合する送信局発信号を供給する送信局発PLL周波数シンセサイザと、変調信号により高域周波数変調された前記所定の周波数の送信中間周波信号を該送信ミキサに供給する送信中間周波PLL回路と、
前記変調信号により低域周波数変調され、かつ、AFC動作が行われた第一の基準周波数信号を前記受信局発PLL周波数シンセサイザおよび前記送信中間周波PLL回路に供給する第一の基準発振器と、
前記送信局発PLL周波数シンセサイザに第二の基準周波数信号を供給する第二の基準発振器とを備えた無線通信機であって、
前記受信モードのときに所定の条件下で行われるAFC動作が完了した後、前記第二の基準周波数信号を前記第一の基準周波数信号に同期させるように形成された基準発振PLL回路と、
該同期したときに、該基準発振PLL回路から得られた制御電圧を一時記憶し、該一時記憶した時点で前記基準発振PLL回路のループを切り離し、該一時記憶した前記制御電圧を読み出して、前記第二の基準発振器に印加させることによって、前記送信モードにおいて前記低域周波数変調された前記第一の基準発振器の出力である第一の基準周波数信号に前記第二の基準発振器が影響されないで、前記第二の基準周波数信号を前記AFC動作後の前記第一の基準周波数信号に同期させた状態とするように形成された制御回路とを備えることを特徴とする無線通信機。
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