JP4310985B2 - Shift control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用変速機のポジション切換機構を電気的にポジション切換操作部の操作状態に連動させるとともに、該当するポジションに対応して変速段切換機構を駆動することにより変速を実行する変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子制御式車両用自動変速機においては、シフトバルブの制御ポートに対する油圧の給排は変速ソレノイドバルブにより行われる。この変速ソレノイドバルブに断線やショート等の故障が生じた場合、成立しなくなる変速段が生じてリンプホーム走行(退避走行)が困難となることがある。
【0003】
このリンプホーム走行困難を防止するため、或る変速段と、より高速側の変速段との切り換えを行うシフトバルブに、特定のポジション(レンジ)時にライン油圧が与えられる第2制御ポートを設け、特定のポジション(レンジ)にて第1速段と第2速段との成立を確保してフェールセーフ化を図るものがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
又、故障時に、非常時用切換弁を非常時側に切り換えて手動操作部を操作し、非常時用方向制御弁を制御することにより、前進1段及び後進の手動切り換えを確保しているものがある(例えば特許文献2参照)。
【0005】
又、後進と前進の変速比選択位置の間に2つのニュートラル切り換え位置を設けた非常時スイッチ装置により、限られた変速段にて手動的な低速運転や走行路離脱運転を可能にするものがある(例えば特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−125165号公報(第10頁、第8,9図)
【特許文献2】
特開昭63−243554号公報(第3,4頁、第1表)
【特許文献3】
特開平2−266159号公報(第8頁、第2,3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したごとく従来技術では、フェールセーフ時には特定のポジションにおいて限られた変速段にて走行しなければならなかったり、あるいはフェールセーフのために予め非常時用切換弁や非常時スイッチ装置を設けるとともにフェールセーフ時に変速する時にはこれらの装置を操作する必要性が生じる。このためフェールセーフ時における車両運転性が良好でないという問題がある。
【0008】
本発明は、フェールセーフ時において、レンジなどのポジションによる変速段の制限を受けず、且つ特別に設けた非常時用装置を操作したりすることなく変速を可能として、車両運転性を良好なものとすることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の変速制御装置は、ポジション切換操作部の操作状態に電気的に連動して車両用変速機のポジション切り換えを実行するポジション切換機構と、前記ポジション切換機構を通じて設定された各ポジションにて駆動制御されることにより該当するポジションにて実現可能な変速段を設定する変速段切換機構とを備えて変速を実行する変速制御装置であって、前記変速段切換機構の故障を検出する変速段切換故障検出手段と、前記変速段切換故障検出手段にて故障が検出された場合には、前記ポジション切換機構によるポジション切り換えを、前記ポジション切換操作部とは独立して実行する故障時ポジション切換手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
例えば、運転者がポジション切換操作部を、Dレンジなどの特定のポジションに操作して走行していた場合に、変速段切換機構の故障が生じると正常な状態よりも成立する変速段が限定される。しかし運手者がポジション切換操作部にて指示していないポジションにおいては、同じ変速段切換機構の故障であっても新たに変速段を実現できる場合がある。
【0011】
したがって、本発明では、変速段切換機構の故障が変速段切換故障検出手段にて検出されると、故障時ポジション切換手段は、ポジション切換機構によるポジション切り換えを、運転者が操作しているポジション切換操作部とは独立して実行する。このことによりフェールセーフ時に用いるための非常時用装置を特別に設けなくても、ポジションによる変速段の制限を受けることなく、故障により限定された変速段を増加させることができ、自動変速による円滑なリンプホーム走行が可能となる。
【0012】
しかも非常時用装置を特別に設けることはしていないので、変速のために運転者に非常時用装置に対して特別な操作を実行させることがない。
このためフェールセーフ時における車両運転性を良好なものとすることができる。
【0013】
請求項2に記載の変速制御装置では、請求項1において、前記変速機は油圧により変速駆動がなされると共に、前記ポジション切換機構及び前記変速段切換機構は油圧切換弁であることを特徴とする。
【0014】
このように油圧により変速駆動がなされる変速機においては、変速段切換機構の故障により油圧の切り換えができなくなり各ポジションにおいて一部あるいは全ての変速段が成立不能となる。この場合、故障時ポジション切換手段は、運転者がポジション切換操作部にて選択しているポジションでは故障により成立不能となった変速段を、他のポジションでは成立している変速段を利用して実現できるように、あるいは別の変速段を実現するようにポジション切り換えを実行する。このことで、フェールセーフ時においてポジションによる変速段の制限を受けず、且つ変速のために特別に設けた非常時用装置を操作したりすることがないので、フェールセーフ時における車両運転性を良好なものとすることができる。
【0015】
請求項3に記載の変速制御装置では、請求項2において、前記変速段切換機構は電磁弁であり、前記変速段切換故障検出手段は、該電磁弁を駆動する変速ソレノイドに対する通電が正常にできなくなったことを前記変速段切換機構が故障であると検出することを特徴とする。
【0016】
ここでは変速段切換故障検出手段が、変速段切換機構の変速ソレノイドに対する通電が正常にできなくなったことを変速段切換機構が故障であると検出する。例えば、変速ソレノイドの断線やショートなどを検出することにより容易に変速段切換機構の故障が判断でき、故障時ポジション切換手段による的確な変速段数増加にて、フェールセーフ時における車両運転性を良好なものとすることができる。
【0017】
請求項4に記載の変速制御装置では、請求項1〜3のいずれかにおいて、アクセル開度及び車速から目標変速段を算出し、この目標変速段を成立させるための目標ポジションを前記故障時ポジション切換手段にて実現可能な変速段数に対応して要求する故障時自動変速手段を備え、前記故障時ポジション切換手段は、前記故障時自動変速手段により要求される目標ポジションに応じて、前記ポジション切換機構によるポジション切り換えを実行することを特徴とする。
【0018】
このような故障時自動変速手段を備えることにより、フェールセーフ時においても極力円滑な自動変速が可能となりフェールセーフ時における車両運転性を良好なものとすることができる。
【0020】
そして、このように故障時ポジション切換手段が故障時自動変速手段の要求に対応してポジション切り換えを実行することにより、フェールセーフ時においても極力円滑な自動変速が可能となりフェールセーフ時における車両運転性を良好なものとすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用された車両用変速制御装置の概略構成を表すブロック図である。図1に示す自動変速機2はシフトバイワイヤ自動変速機として構成されている。尚、本実施の形態では、変速制御は、前進ポジションを所定のレンジを切り換えるタイプの例で示しているが、所定のギヤ段(固定タイプ)でも構わない。他の実施の形態においても同じである。
【0022】
自動変速機2には、変速機構として、ロックアップクラッチ4を有するトルクコンバータ6と、一組の遊星歯車機構を有する第2変速部8と、二組の遊星歯車機構によって複数の前進段及び後進段を設定する第1変速部10とが設けられている。
【0023】
第2変速部8は、ハイ・ローの二段の切換えを行うものであって、その遊星歯車機構のキャリヤ12がトルクコンバータ6のタービンランナ14に連結されている。又、このキャリヤ12とサンギヤ16との間にはクラッチC0及び一方向クラッチF0が相互に並列の関係となるよう設けられ、更にサンギヤ16とハウジング18との間にブレーキB0が設けられている。
【0024】
第1変速部10の各遊星歯車機構におけるサンギヤ20,22は、共通のサンギヤ軸24に設けられており、この第1変速部10の図示左側(フロント側)の遊星歯車機構におけるリングギヤ26と第2変速部8におけるリングギヤ28との間に第1クラッチC1が設けられている。又、前記サンギヤ軸24と第2変速部8のリングギヤ28との間に第2クラッチC2が設けられている。そして第1変速部10における図示左側の遊星歯車機構のキャリヤ30と右側(リヤ側)の遊星歯車機構のリングギヤ32とが一体的に連結されるとともに、これらのキャリヤ30とリングギヤ32とに出力軸34が連結されている。
【0025】
バンドブレーキである第1ブレーキB1はサンギヤ軸24の回転を止めるように設けられ、より具体的には第2クラッチC2のクラッチドラムの外周側に設けられている。又、サンギヤ軸24とハウジング18との間に、第1一方向クラッチF1と第2ブレーキB2とが直列に配置されており、リヤ側の遊星歯車機構におけるキャリヤ36とハウジング18との間に第2一方向クラッチF2と第3ブレーキB3とが並列に配置されている。
【0026】
油圧制御装置40は、前記各クラッチC0,C1,C2、前記各ブレーキB0,B1,B2,B3、ロックアップクラッチ4に油圧を給排する。この油圧制御装置40は、第1速〜第4速の変速を主に実行するための第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2と、主にロックアップクラッチ4を制御するためのリニアソレノイドバルブSLUと、ライン油圧によりレンジを切換えるためのロータリバルブRVとを備えている。これらのバルブS1,S2,SLU,RVの内、第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2及びリニアソレノイドバルブSLUを駆動制御するために変速用電子制御装置(以下、ECT−ECUと称す)42が設けられている。そしてロータリバルブRVを電動モータMを介して駆動制御するためにレンジ切換用シフトバイワイヤ電子制御装置(以下、SBW−ECUと称す)44が設けられている。これらの各ECU42,44は中央演算処理素子、記憶素子及び入出力インータフェースを中心とするマイクロコンピュータとして構成されている。
【0027】
ECT−ECU42には、スロットル開度信号、車速信号、パターンセレクト信号、SBW−ECU44からの信号、その他の信号(エンジン水温信号、ブレーキ信号等)が入力されている。ECT−ECU42は、これらの入力信号に基づいて、予め記憶している変速線図に相当する変速マップ群から適切な変速マップを選択して、この変速マップから、設定するべき変速段を演算して求め、その変速段を設定するよう第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2に信号を出力する。又、必要に応じてリニアソレノイドバルブSLUに信号を出力する。
【0028】
一方、SBW−ECU44には、パーキングレンジ(P)、リバースレンジ(R)、ニュートラルレンジ(N)、ドライブレンジ(D)、2レンジ(2)、Lレンジ(L)をそれぞれ選択するレンジ選択スイッチ46が接続されて、レンジ選択信号が入力されている。更に、SBW−ECU44には、ロータリバルブRVのレンジ切り換え位置を検出する位置センサ47からバルブ位置信号、ECT−ECU42から後述するごとくの各種要求信号等が入力されている。このことによりSBW−ECU44は、運転者がレンジ選択スイッチ46で選択したレンジあるいは後述する要求レンジが設定されるように、位置センサ47からのバルブ位置信号に基づいて電動モータMによりロータリバルブRVを駆動制御する。そして、同時にレンジ位置を示す信号をECT−ECU42及びレンジ表示器(図示せず)に出力する。
【0029】
上述した自動変速機2では、図2の作動表に示すように、第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2については、ON(◎)・OFF(×)制御することによって、各摩擦係合部位(クラッチ、ブレーキ、一方向クラッチ)が図2の作動表に示すように係合・解放して各変速段が設定される。尚、図2において各摩擦係合部位については○印は係合、空白は解放あるいは係合・解放のいずれでも良いことを示す。
【0030】
次に本実施の形態において、ECT−ECU42及びSBW−ECU44により実行される制御の内、通常時の制御処理について説明する。
通常時においては、SBW−ECU44はレンジ選択スイッチ46の選択内容に応じてロータリバルブRVを切り換えてシフトレンジを設定する。このことにより油圧制御装置40内のライン油圧が設定される。SBW−ECU44により設定されたレンジに対応して、ECT−ECU42側では、パターンセレクト信号に応じて選択された変速マップに基づいて求められた変速段となるように、図2に示したごとく第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2のON・OFFを制御する。
【0031】
次に変速ソレノイド異常時制御処理について説明する。図3はECT−ECU42により実行されるECT変速ソレノイド異常時制御処理、図4はECT−ECU42により実行されるレンジ対応変速段設定処理、図5はSBW−ECU44により実行されるSBW変速ソレノイド異常時制御処理を示している。
【0032】
ECT変速ソレノイド異常時制御処理(図3)について説明する。本処理は短時間の制御周期で繰り返し実行される処理である。
本処理が開始されると、まず第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2を駆動するためにそれぞれ組み込まれている変速ソレノイドが異常か否かが判定される(S102)。この変速ソレノイドの異常は、ECT−ECU42が別個の判定処理にて、各変速ソレノイドの通電状態を、電圧センサや電流センサなどによる測定により検出し、通電駆動時に断線により電流が流れなかったりショートしていたりした場合に異常と判定している。したがってステップS102では、この判定処理の結果を読み込むことにより第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2の少なくとも一方が異常か否かを判定する。
【0033】
第1,2の変速ソレノイドバルブS1,S2の両方が、共に変速ソレノイドの異常がなければ(S102で「NO」)、一旦本処理を終了する。尚、両変速ソレノイドに異常がない場合には、前述したごとくECT−ECU42における通常時の制御処理により、変速マップに基づく変速段となるように、図2に示したごとく第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2のON・OFFが実行される。
【0034】
第1,2の変速ソレノイドバルブS1,S2の一方あるいは両方に変速ソレノイドの異常が検出されている場合には(S102で「YES」)、次にリンプホーム走行の要求が有るか否かが判定される(S104)。例えば、運転者がレンジ選択スイッチ46によりレンジを選択して、アクセルペダルを踏み込むことにより、走行を開始しようとしている場合などに、リンプホーム走行要求有りと判定する。
【0035】
ここでリンプホーム走行要求が無ければ(S104で「NO」)、このまま本処理を終了する。このことにより、第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2の変速ソレノイドには通電はなされず、変速制御がなされることはない。
【0036】
リンプホーム走行要求が有れば(S104で「YES」)、次にSBW−ECU44に対してリンプホームシフト要求が送信される(S106)。このことによりSBW−ECU44にては後述するごとく、リンプホームシフトを行うためのモードに入る。
【0037】
そして、変速マップに基づいてアクセル開度及び車速から目標変速段を算出する(S108)。この場合の変速マップは、通常走行時の変速マップを用いても良いし、リンプホーム走行時用に特別に設定されている変速マップを用いても良い。
【0038】
そして目標変速段を成立させるための目標レンジが算出される(S110)。ここで第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2の一方又は両方が異常である場合に、各レンジにて取り得る変速段を図6に示す。
【0039】
図示するごとく、第1変速ソレノイドバルブS1が異常で第2変速ソレノイドバルブS2が正常である場合には、第2変速ソレノイドバルブS2のみのON・OFF駆動により、Dレンジでは第3速と第4速とに、2レンジでは第3速に、Lレンジでは第1速と第2速とに変速段が限定される。尚、2レンジでは第2変速ソレノイドバルブS2のOFFはライン油圧が適切に機能しないので、OFFは実行されない。
【0040】
しかし、レンジ選択スイッチ46の選択状態と独立して、Dレンジ、2レンジ及びLレンジを全て用いれば、第2変速ソレノイドバルブS2のみのON・OFF駆動により第1速〜第4速までの全ての変速段を実現することが可能である。
【0041】
又、第1変速ソレノイドバルブS1は正常で第2変速ソレノイドバルブS2が異常である場合には、第1変速ソレノイドバルブS1のみの駆動により、Dレンジでは第1速と第4速とに、2レンジでは第1速と第3速とに、Lレンジでは第1速に変速段が限定される。尚、Lレンジでは第1変速ソレノイドバルブS1のOFFはライン油圧が適切に機能しないので、OFFは実行されない。
【0042】
この場合には、レンジ選択スイッチ46の選択状態と独立してDレンジ、2レンジ及びLレンジを全て用いれば、第1変速ソレノイドバルブS1のみのON・OFF駆動により第1速、第3速及び第4速の変速段を実現することが可能である。
【0043】
又、第1,2の変速ソレノイドバルブS1,S2が共に異常である場合には、両変速ソレノイドバルブS1,S2は固定されてしまうので、Dレンジでは第4速に、2レンジでは第3速に、Lレンジでは第1速に変速段が限定される。
【0044】
この場合には、レンジ選択スイッチ46の選択状態と独立してDレンジ、2レンジ及びLレンジを全て用いれば、両変速ソレノイドバルブS1,S2が固定されていても第1速、第3速及び第4速の変速段を実現することが可能である。
【0045】
したがってステップS110では、変速ソレノイドの異常の状態から、ステップS108にて算出した目標変速段が実現できるレンジが存在するかを判断し、該当するレンジが存在すれば、そのレンジを目標レンジとする。例えば、第1変速ソレノイドバルブS1が異常で第2変速ソレノイドバルブS2が正常である場合には、レンジで前進するための全ての変速段が存在するので、該当するレンジが必ず存在する。
【0046】
又、第1変速ソレノイドバルブS1は正常で第2変速ソレノイドバルブS2が異常である場合、あるいは第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2が共に異常である場合には、いずれのレンジにおいても第2速のみが実現できない。したがって、この場合にはステップS108にて第2速が目標変速段となると、該当するレンジが存在しないことになる。この場合には、例えば、目標レンジとして、一段下(第1速)あるいは一段上(第3速)の変速段が実現できるレンジが目標レンジとして算出される。
【0047】
次にこのようにして算出された目標レンジを要求レンジとしてSBW−ECU44に送信する(S112)。このことによりSBW−ECU44側では、後述するごとく、レンジ選択スイッチ46の設定内容に関わらず、ロータリバルブRVを目標レンジに切り換える。
【0048】
次にレンジ対応変速段設定処理が実行される(S114)。レンジ対応変速段設定処理の詳細は図4に示したごとくである。本処理では、まず図3のステップS112にてSBW−ECU44に要求した目標レンジが実現されているか否かがSBW−ECU44から送信される設定レンジの内容から判定される(S116)。目標レンジが実現されていなければ、現状を維持して(S118)、一旦本処理を終了する。
【0049】
実際のレンジが目標レンジとなっていれば(S116で「YES」)、現在のレンジがDレンジ以外か否かが判定される(S120)。ここでDレンジであれば(S120で「NO」)、前記図6に示したごとく、Dレンジにおいて異常でない方の変速ソレノイドバルブを駆動し、あるいは両方異常ならば駆動せずして、目標変速段を実現する(S122)。
【0050】
例えば、第1変速ソレノイドバルブS1が異常である時に、第4速を目標変速段として算出し(図3のS108)、第3速を実現するためのレンジとしてDレンジを算出し(図3のS110)、SBW−ECU44にDレンジを要求したとする(図3のS112)。このことによりSBW−ECU44がロータリバルブRVによりDレンジにすれば(S116で「YES」、S120で「NO」)、ステップS122では、図6に示したごとく第2変速ソレノイドバルブS2をOFFとすることにより第4速を実現する。尚、第3速が目標変速段である場合は、同じくDレンジにて第2変速ソレノイドバルブS2をONにすることにより実現する。
【0051】
一方、Dレンジ以外である場合には(S120で「YES」)、次に現在のレンジが2レンジ以外か否かが判定される(S124)。ここで2レンジであれば(S124で「NO」)、前記図6に示したごとく、2レンジにおいて異常でない方の変速ソレノイドバルブを駆動し、あるいは両方異常ならば駆動せずして、目標変速段を実現する(S126)。
【0052】
例えば、第1変速ソレノイドバルブS1が異常である時に、第3速を目標変速段として算出し(図3のS108)、第3速を実現するためのレンジとして2レンジを算出し(図3のS110)、SBW−ECU44に2レンジを要求したとする(図3のS112)。このことによりSBW−ECU44がロータリバルブRVにより2レンジにすれば(S116で「YES」、S120で「YES」、S124で「NO」)、ステップS126では、図6に示したごとく第2変速ソレノイドバルブS2をONとすることにより第3速を実現する。
【0053】
一方、2レンジ以外である場合には(S124で「YES」)、次に現在のレンジがLレンジ以外か否かが判定される(S128)。ここでLレンジであれば(S128で「NO」)、前記図6に示したごとく、Lレンジにおいて異常でない方の変速ソレノイドバルブを駆動し、あるいは両方異常ならば駆動せずして、目標変速段を実現する(S130)。
【0054】
例えば、第1変速ソレノイドバルブS1が異常である時に、第2速を目標変速段として算出し(図3のS108)、第2速を実現するためのレンジとしてLレンジを算出し(図3のS110)、SBW−ECU44にLレンジを要求したとする(図3のS112)。このことによりSBW−ECU44がロータリバルブRVによりLレンジにすれば(S116で「YES」、S120で「YES」、S124で「YES」、S128で「NO」)、ステップS130では、図6に示したごとく第2変速ソレノイドバルブS2をONとすることにより第2速を実現する。尚、第1速が目標変速段であれば、Lレンジで第2変速ソレノイドバルブS2をOFFとすることにより実現する。
【0055】
一方、Lレンジ以外である場合には(S128で「YES」)、一旦本処理を終了する。
上述した例示のごとく第1変速ソレノイドバルブS1が異常で第2変速ソレノイドバルブS2が正常である場合には、第2変速ソレノイドバルブS2のON・OFFと、ロータリバルブRVによるレンジの切り換えにより、第1速〜第4速までの全ての変速段を実現することができる。
【0056】
第1変速ソレノイドバルブS1は正常であるが、第2変速ソレノイドバルブS2が異常である場合には、第1速を目標変速段として算出した時には(図3のS108)、図6に示したごとく第1速を実現できるレンジは、D、2、Lレンジである。したがって、例えばDレンジを目標レンジとして算出し(図3のS110)、SBW−ECU44にDレンジを要求する(図3のS112)。このことによりSBW−ECU44がロータリバルブRVによりDレンジにすれば(S116で「YES」、S120で「NO」)、ステップS122では、図6に示したごとく第1変速ソレノイドバルブS1をONとすることにより第1速を実現する。
【0057】
尚、第1速を目標変速段として算出したことに対して、2又はLレンジを目標レンジとしてSBW−ECU44に要求した場合も(図3のS110,S112)、ステップS126又はS130にて第1変速ソレノイドバルブS1をONとすることにより第1速を実現できる。
【0058】
又、第2速を目標変速段として算出した時には、図6に示したごとく第2速を実現できるレンジは存在しない。したがって前述したごとく、目標変速段の一段下の変速段あるいは一段上の変速段を実現できるレンジを目標レンジとして算出する。第1速の実現ならばD,2,Lレンジのいずれかを目標レンジとし、第3速の実現なら2レンジを目標レンジとする。例えば第3速の実現ならば、SBW−ECU44に2レンジを要求する。このことによりステップS126では、目標変速段の一段上の変速段、ここでは第3速を実現するために、図6に示したごとく第1変速ソレノイドバルブS1をOFFとする。
【0059】
又、第3速を目標変速段として算出した時には、図6に示したごとく第3速を実現できるレンジは2レンジである。したがって2レンジを目標レンジとしてSBW−ECU44に要求する。このことによりステップS126では、図6に示したごとく第1変速ソレノイドバルブS1をOFFとすることにより第3速を実現する。
【0060】
又、第4速を目標変速段として算出した時には、図6に示したごとく第4速を実現できるレンジは、Dレンジである。したがって、Dレンジを目標レンジとして算出してSBW−ECU44に要求する。このことによりステップS122では、図6に示したごとく第1変速ソレノイドバルブS1をOFFとすることにより第4速を実現する。
【0061】
第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2が共に異常である場合には、レンジの切り換えのみにより変速段を設定することになる。すなわち、第1速を目標変速段として算出した時には(図3のS108)、図6に示したごとく第1速を実現できるレンジはLレンジである。したがってLレンジを目標レンジとして算出してSBW−ECU44に要求する(図3のS110,S112)。このことによりステップS130では駆動処理を実行することはないが、図6に示したごとく第1速が実現する。
【0062】
又、第2速を目標変速段として算出した時には、図6に示したごとく第2速を実現できるレンジは存在しない。したがってこの場合には、図3のステップS110では、目標変速段の一段下の変速段あるいは一段上の変速段を実現できるレンジを目標レンジとして算出する。第1速の実現ならばLレンジを目標レンジとし、第3速の実現なら2レンジを目標レンジとする。そして第1速の実現ならば、上述したごとく第1速を目標変速段とした場合と同様に処理する。第3速の実現ならば次の第3速を目標変速段とした場合と同様に処理する。
【0063】
又、第3速を目標変速段として算出した時には、図6に示したごとく第3速を実現できるレンジは2レンジである。したがって2レンジを目標レンジとして算出してSBW−ECU44に要求する。このことによりステップS126では駆動処理を実行することはないが、図6に示したごとく第3速が実現する。
【0064】
又、第4速を目標変速段として算出した時には、図6に示したごとく第4速を実現できるレンジはDレンジである。したがってDレンジを目標レンジとして算出してSBW−ECU44に要求する。このことによりステップS122では駆動処理を実行することはないが、図6に示したごとく第4速が実現する。
【0065】
ここでSBW−ECU44にて実行されるSBW変速ソレノイド異常時制御処理(図5)について説明する。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。本処理が開始されると、まずリンプホームシフト要求中か否かが判定される(S202)。前述したECT−ECU42のECT変速ソレノイド異常時制御処理(図3)においてECT−ECU42からリンプホームシフト要求が送信されていなければ(S202で「NO」)、リンプホームシフトモードには入らずに、このまま本処理を終了する。したがって図示していない別個の処理により、SBW−ECU44はレンジ選択スイッチ46の選択内容に対応するレンジを実現するようにロータリバルブRVを駆動する制御を実行する。
【0066】
一方、ECT−ECU42からリンプホームシフト要求が送信されていれば(S202で「YES」)、リンプホームシフトモードに入ることにより、まず車両停止か否かが判定される(S204)。車両が停止中であれば(S204で「YES」)、ロータリバルブRVを駆動してLレンジとする(S206)。これは前記図6に示したごとく、いずれの第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2が異常であっても、発進時の変速段である第1速については、Lレンジであれば必ず存在するため、走行開始前にLレンジに設定されていれば、迅速な発進が可能となるからである。この場合、ECT−ECU42は発進時にはLレンジにて第1速を実現するものとする。尚、停車時にては、Lレンジに設定するのではなく、ECT−ECU42の要求レンジに従っても良い。
【0067】
車両走行中であれば(S204で「NO」)、次に前記図3のステップS112の処理により、ECT−ECU42から送信されてくる要求レンジ内容に対応して、要求レンジを実現するためにロータリバルブRVを駆動させる(S208)。このことによりSBW−ECU44は、レンジ選択スイッチ46からは独立して、ECT−ECU42の要求に応じたレンジを実現する。
【0068】
上述した構成において、レンジ選択スイッチ46がポジション切換操作部に、ロータリバルブRVがポジション切換機構に、第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2が変速段切換機構に相当する。ECT−ECU42が実行する第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2の各変速ソレノイドの断線やショートを判定する処理が変速段切換故障検出手段としての処理に相当する。ECT変速ソレノイド異常時制御処理(図3)、レンジ対応変速段設定処理(図4)及びSBW変速ソレノイド異常時制御処理(図5)が、故障時ポジション切換手段及び故障時自動変速手段としての処理に相当する。
【0069】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2のいずれか一方又は両方の故障が検出されると、SBW−ECU44は、運転者が操作するレンジ選択スイッチ46とは独立して、ECT−ECU42側の要求レンジに対応したロータリバルブRV駆動を実行する。このことにより故障時に1つレンジでは限られている変速段の数を増加させることができる。
【0070】
例えば、第1変速ソレノイドバルブS1が異常で第2変速ソレノイドバルブS2が正常である場合に、第1変速ソレノイドバルブS1に関連した油圧の切り換えができなくなる。このため、図6に示したごとく、Dレンジに固定していたのでは変速段は第3速及び第4速に限られ、2レンジでは第3速に限られ、Lレンジでは第1速及び第2速に限られる。しかしSBW−ECU44がSBW変速ソレノイド異常時制御処理(図5)のステップS208によりECT−ECU42側の要求レンジに対応するレンジを実現するため、第1速〜第4速までの変速段を実現することが可能となる。
【0071】
又、第1変速ソレノイドバルブS1は正常であるが、第2変速ソレノイドバルブS2が異常である場合には、第2変速ソレノイドバルブS2に関連した油圧の切り換えができなくなる。このため、図6に示したごとく、Dレンジに固定していたのでは変速段は第1速及び第4速に限られ、2レンジでは第1速及び第3速に限られ、Lレンジでは第1速に限られる。しかしSBW−ECU44が前述したごとくECT−ECU42側の要求レンジに対応するレンジを実現するため、第1速、第3速及び第4速の変速段を実現することが可能となる。
【0072】
又、第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2が共に異常である場合には、第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2に関連した油圧の切り換えができなくなる。このため、図6に示したごとく、Dレンジに固定していたのでは変速段は第4速に限られ、2レンジでは第3速に限られ、Lレンジでは第1速に限られる。しかしSBW−ECU44が前述したごとくECT−ECU42側の要求レンジに対応するレンジを実現するため、第1速、第3速及び第4速の変速段を実現することが可能となる。
【0073】
このようにして実現可能な変速段数を増加しているので、フェールセーフ時のために特別な非常時用装置を設けなくても、故障により限定された変速段を増加させることができ、自動変速による円滑なリンプホーム走行が可能となる。しかも特別な非常時用装置を設けていないので、変速のために運転者に非常時用装置に対して特別な操作を実行させる必要がない。このためフェールセーフ時における車両運転性を良好なものとすることができる。
【0074】
(ロ).第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2は電磁弁であるため、断線やショートなどを検出することにより容易に故障が判断でき、変速段数を的確に増加できる。このことによりフェールセーフ時における車両運転性を良好なものとすることができる。
【0075】
[実施の形態2]
本実施の形態では、ECT変速ソレノイド異常時制御処理(図3)の代わりに、図7に示すECT変速ソレノイド異常時制御処理が実行される。これ以外の構成は前記実施の形態1と同じである。
【0076】
ECT変速ソレノイド異常時制御処理(図7)について説明する。尚、図3と同一の処理については同一のステップ番号を付している。
まずステップS102〜S106については前記図3と同じであるので説明は省略する。ステップS106にてSBW−ECU44に対してリンプホームシフト要求が送信された後、次に変速ソレノイドの異常に応じた変速マップが設定される(S107)。前記図6にて説明したごとく、本実施の形態の自動変速機2では、第1変速ソレノイドバルブS1が異常である場合にはレンジ切り換えにより第1速〜第4速までの変速段が可能である。しかし、第1変速ソレノイドバルブS1が異常である場合及び両変速ソレノイドバルブS1,S2が異常である場合にはレンジ切り換えを実行しても第1速、第3速及び第4速が実現できるが、第2速は実現できない。
【0077】
このため予め変速ソレノイド異常時に用いる変速マップを、第1速〜第4速までの変速段が可能な変速マップと、第1速、第3速及び第4速のみ可能な変速マップとの2種類の変速マップを設計して、ECT−ECU42のROM中に記憶しておく。そしてステップS107の実行時に、この2種類の変速マップから変速ソレノイドの異常内容に対応する変速マップを選択して、異常時の変速制御に用いる変速マップとして設定する。
【0078】
こうして変速ソレノイドの異常内容に応じて設定された変速マップを用いて、アクセル開度及び車速から目標変速段を算出する(S108)。
そして目標変速段を成立させるための目標レンジが算出される(S111)。ここではステップS107にて変速ソレノイドの異常内容に対応した変速マップから目標変速段が算出されているため、目標変速段を実現できるレンジがD、2、Lレンジの中に必ず存在する。したがって前記図3のステップS110にて述べたような、いずれのレンジにも変速段が存在しないため、変速段をずらしてレンジを決定することはない。
【0079】
次にこのようにして算出された目標レンジを要求レンジとしてSBW−ECU44に送信する(S112)。そしてレンジ対応変速段設定処理(S114)が実行されて、本処理を一旦終了する。
【0080】
上述した構成において、ECT変速ソレノイド異常時制御処理(図7)、レンジ対応変速段設定処理(図4)及びSBW変速ソレノイド異常時制御処理(図5)が、故障時ポジション切換手段及び故障時自動変速手段としての処理に相当する。
【0081】
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)、(ロ)の効果を生じる。
(ロ).ステップS107の処理により変速ソレノイドの異常内容に対応する変速マップを用いることができるので、自動変速によるリンプホーム走行がより円滑なものとなりフェールセーフ時における車両運転性を一層良好なものとすることができる。
【0082】
[実施の形態3]
本実施の形態では、ECT変速ソレノイド異常時制御処理(図3)の代わりに、図8に示すECT変速ソレノイド異常時制御処理が実行される。これ以外の構成は前記実施の形態1と同じである。
【0083】
ECT変速ソレノイド異常時制御処理(図8)について説明する。尚、図3と同一の処理については同一のステップ番号を付している。
まずステップS102〜S108については前記図3と同じであるので説明は省略する。ステップS108にて目標変速段が算出された後、次にこの目標変速段を実現できる全レンジを算出する(S111a)。
【0084】
ここで、前記図6に示したごとく、第1変速ソレノイドバルブS1が異常であり第2変速ソレノイドバルブS2は正常である場合に、第1速が目標変速段であれば、目標変速段を実現できるレンジはLレンジが1つである。したがってこの場合には、Lレンジだけが算出される。同様にして第2速が目標変速段であればLレンジだけが算出され、第4速が目標変速段であればDレンジだけが算出される。しかし、第3速が目標変速段であればD、2レンジの2つが算出される。
【0085】
又、第1変速ソレノイドバルブS1は正常であるが第2変速ソレノイドバルブS2が異常である場合に、第1速が目標変速段であれば、目標変速段を実現できるレンジはD、2、Lレンジの3つ存在する。したがってこの場合には、この3つが算出される。第2速の場合には該当レンジが無いので、一段下か一段上の変速段について実現できるレンジが算出される。この場合、第1速を用いるとすると上述したごとくD、2、Lレンジの3つが算出される。第3速が目標変速段であれば2レンジだけが算出され、第4速が目標変速段であればDレンジだけが算出される。
【0086】
又、第1,2変速ソレノイドバルブS1,S2が共に異常である場合に、第1速が目標変速段であればLレンジだけが算出される。第2速の場合には該当レンジが無いので、上述したごとく一段下の第1速を用いるとするとLレンジだけが算出される。第3速が目標変速段であれば2レンジだけが算出され、第4速が目標変速段であればDレンジだけが算出される。
【0087】
このようにして目標変速段を実現できるレンジが全て算出されると、次にこの全レンジ内に前回の目標レンジと同一レンジが存在するか否かが判定される(S111b)。
【0088】
同一レンジが存在する場合には(S111bで「YES」)、目標レンジには前回の目標レンジが設定される(S111c)。このため目標変速段が変更されても目標レンジは同じレンジを維持することになる。例えば、第1変速ソレノイドバルブS1が異常であり第2変速ソレノイドバルブS2は正常である場合に、Dレンジで第2変速ソレノイドバルブS2をOFFにして第4速を実現している状態から、第3速に変速することを考える。この場合は、図6に示したごとく、2レンジに変更して第2変速ソレノイドバルブS2をONにする処理と、Dレンジのままで第2変速ソレノイドバルブS2をONにする処理との2通りが存在する。この内、後者の処理ならば前回の目標レンジと同一のレンジであるので、Dレンジが目標レンジとして設定される。
【0089】
同一レンジが存在しない場合には(S111bで「NO」)、算出された全レンジ内から1つを選択して目標レンジとし、又は、算出されたレンジが1つならばそのレンジを目標レンジとして設定する(S111d)。尚、算出されたレンジが複数有る場合には、前回の目標レンジから該当レンジに移動させるためにロータリバルブRVを駆動する電動モータMの駆動量が少ない方を選ぶようにしても良い。
【0090】
ステップS111c又はS111dにて目標レンジが設定されると、この目標レンジを要求レンジとしてSBW−ECU44に送信する(S112)。そしてレンジ対応変速段設定処理(S114)が実行されて、本処理を一旦終了する。
【0091】
上述した構成において、ECT変速ソレノイド異常時制御処理(図8)、レンジ対応変速段設定処理(図4)及びSBW変速ソレノイド異常時制御処理(図5)が、故障時ポジション切換手段及び故障時自動変速手段としての処理に相当する。
【0092】
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)、(ロ)の効果を生じる。
(ロ).変速段を変更する場合には、なるべく目標レンジを変更しないようにしているので、ロータリバルブRVを駆動する電動モータMによるエネルギー消費を少なくできる。
【0093】
[その他の実施の形態]
(a).前記各実施の形態においては、前進4段の自動変速機を用いたが、例えば前進5段あるいはこれ以外の段数の変速機にも適用できる。
【0094】
又、各変速ソレノイドの異常時において可能となる変速段は、変速ソレノイドバルブや変速ソレノイドバルブが組み込まれている油圧制御装置の構成により異なり、前進4段の場合も図6に示した内容に限らない。しかし、いずれの構成においても、変速ソレノイドの異常時において運転者の操作とは独立してレンジを切り換えることにより、故障により限定された変速段を増加させることができ、自動変速による円滑なリンプホーム走行が可能となり、各実施の形態に述べたごとくの効果を生じる。
【0095】
(b).前記図8のステップS106とステップS108との間に、前記図7にて説明したステップS107の変速ソレノイドの異常に応じた変速マップ設定処理を加えても良い。
【0096】
(c).前記各実施の形態において、レンジ選択スイッチ46のようなボタンスイッチ式のレンジ切換操作部でなくレバー式であっても良い。
レンジ切換機構はロータリバルブRVを用いたが、電磁バルブでも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の変速制御装置の概略構成を表すブロック図。
【図2】各レンジにおける変速段を設定するための各摩擦係合部位及び変速ソレノイドバルブの作動説明図。
【図3】実施の形態1のECT−ECUが実行するECT変速ソレノイド異常時制御処理のフローチャート。
【図4】同じくECT−ECUが実行するレンジ対応変速段設定処理のフローチャート。
【図5】実施の形態1のSBW−ECUが実行するSBW変速ソレノイド異常時制御処理のフローチャート。
【図6】変速ソレノイド異常時に成立する変速段と変速ソレノイドバルブ作動との関係説明図。
【図7】実施の形態2のECT−ECUが実行するECT変速ソレノイド異常時制御処理のフローチャート。
【図8】実施の形態3のECT−ECUが実行するECT変速ソレノイド異常時制御処理のフローチャート。
【符号の説明】
2…自動変速機、4…ロックアップクラッチ、6…トルクコンバータ、8…第2変速部、10…第1変速部、12…キャリヤ、14…タービンランナ、16…サンギヤ、18…ハウジング、20,22…サンギヤ、24…サンギヤ軸、26,28…リングギヤ、30…キャリヤ、32…リングギヤ、34…出力軸、36…キャリヤ、40…油圧制御装置、42…ECT−ECU、44…SBW−ECU、46…レンジ選択スイッチ、47…位置センサ、M…電動モータ、RV…ロータリバルブ、S1…第1変速ソレノイドバルブ、S2…第2変速ソレノイドバルブ、リニアソレノイドバルブSLU。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a shift control that electrically shifts a position switching mechanism of a vehicle transmission to an operation state of a position switching operation unit, and executes a shift by driving a shift stage switching mechanism corresponding to the corresponding position. Relates to the device.
[0002]
[Prior art]
In an electronically controlled vehicle automatic transmission, hydraulic pressure is supplied to and discharged from a control port of a shift valve by a shift solenoid valve. When a failure such as a disconnection or a short circuit occurs in the transmission solenoid valve, a shift stage that does not hold may occur, and limp home traveling (retreat traveling) may be difficult.
[0003]
In order to prevent this limp home running difficulty, a second control port to which line hydraulic pressure is applied at a specific position (range) is provided in a shift valve that switches between a certain gear and a higher gear. There is one that ensures the establishment of the first speed and the second speed at a specific position (range) to achieve fail-safety (see, for example, Patent Document 1).
[0004]
Also, in case of a failure, the emergency switching valve is switched to the emergency side, the manual operation unit is operated, and the emergency direction control valve is controlled to ensure manual switching between the first forward and reverse. (See, for example, Patent Document 2).
[0005]
In addition, an emergency switch device that has two neutral switching positions between the reverse gear ratio and the forward gear ratio selection position enables manual low speed operation and travel path separation operation at a limited gear position. Yes (see, for example, Patent Document 3).
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 2-125165 (
[Patent Document 2]
JP 63-243554 A (3rd and 4th pages, Table 1)
[Patent Document 3]
JP-A-2-266159 (
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, in the prior art, when fail-safe, it is necessary to travel at a limited gear position in a specific position, or in order to fail-safe, an emergency switching valve and an emergency switch device are provided in advance and fail-safe. There is a need to operate these devices when shifting at safe times. For this reason, there exists a problem that the vehicle drivability at the time of fail safe is not favorable.
[0008]
The present invention is capable of shifting without failing to limit the gear position due to the position such as the range and failing to operate a special emergency device at the time of fail-safe, and has good vehicle drivability. It is intended to be.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In the following, means for achieving the above object and its effects are described.
The transmission control device according to
[0010]
For example, when the driver is driving by operating the position switching operation unit to a specific position such as the D range, the gear stage that is established in a normal state is limited when the gear stage switching mechanism fails. The However, in a position that is not instructed by the operator using the position switching operation unit, a new gear stage may be realized even if the same gear stage switching mechanism fails.
[0011]
Therefore, in the present invention, when a failure of the gear position switching mechanism is detected by the gear position switching failure detecting means, the position switching means at the time of failure causes the position switching by the driver to switch the position by the position switching mechanism. Executes independently of the operation unit The As a result, even if there is no special emergency device to be used during fail-safe operation, the number of gears limited due to a failure can be increased without being limited by the gear position, and smoothness due to automatic gear shifting can be increased. Limp home driving is possible.
[0012]
Moreover, since the emergency device is not specially provided, the driver is not allowed to perform a special operation on the emergency device for shifting.
For this reason, the vehicle drivability at the time of fail safe can be made favorable.
[0013]
According to a second aspect of the present invention, the shift control device according to the first aspect is characterized in that the transmission is driven to shift by hydraulic pressure, and the position switching mechanism and the gear position switching mechanism are hydraulic switching valves. .
[0014]
Thus, in a transmission that is driven by hydraulic pressure, the hydraulic pressure cannot be switched due to a failure of the gear position switching mechanism, and some or all of the gear positions cannot be established at each position. In this case, the position switching means at the time of failure uses a gear stage that cannot be established due to a failure at the position selected by the driver using the position switching operation unit, and a gear stage that is established at other positions. The position is switched so that it can be realized or another speed is realized. As a result, there is no restriction on the gear position depending on the position at the time of fail-safe, and there is no need to operate an emergency device specially provided for shifting, so that the vehicle drivability at the time of fail-safe is good. Can be.
[0015]
According to a third aspect of the present invention, in the second aspect, the gear stage switching mechanism is an electromagnetic valve, and the gear stage switching failure detecting means can normally energize the gear shift solenoid that drives the electromagnetic valve. It is detected that the gear change mechanism is out of order.
[0016]
Here, the gear position switching failure detecting means detects that the gear position switching mechanism is faulty that the power supply to the gear shift solenoid of the gear position switching mechanism cannot be normally conducted. For example, failure of the gear change mechanism can be easily determined by detecting disconnection or short-circuiting of the shift solenoid, and the vehicle driveability at the time of fail-safe is improved by accurately increasing the number of gears by the position change means at the time of failure. Can be.
[0017]
In the shift control device according to
[0018]
By providing such an automatic transmission means at the time of failure, the automatic transmission can be performed as smoothly as possible even at the time of fail-safe, and the vehicle drivability at the time of fail-safe can be improved.
[0020]
And As described above, the position switching means at the time of failure executes the position switching in response to the request of the automatic speed change means at the time of failure, so that the automatic shifting can be performed as smoothly as possible even at the time of fail safe, and the vehicle drivability at the time of fail safe is improved. Can be.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[Embodiment 1]
FIG. 1 is a block diagram showing a schematic configuration of a vehicle transmission control apparatus to which the above-described invention is applied. The
[0022]
The
[0023]
The
[0024]
The sun gears 20 and 22 in each planetary gear mechanism of the
[0025]
The first brake B1, which is a band brake, is provided to stop the rotation of the
[0026]
The
[0027]
The ECT-
[0028]
On the other hand, the SBW-
[0029]
In the
[0030]
Next, in the present embodiment, a control process at a normal time among the controls executed by the ECT-
In normal times, the SBW-
[0031]
Next, the control process when the shift solenoid is abnormal will be described. 3 is a control process when the ECT gear shift solenoid is abnormal, executed by the ECT-
[0032]
The control process when the ECT shift solenoid is abnormal (FIG. 3) will be described. This process is a process that is repeatedly executed in a short control cycle.
When this process is started, it is first determined whether or not the shift solenoids incorporated to drive the first and second shift solenoid valves S1 and S2 are abnormal (S102). This abnormality of the shift solenoid is detected by the ECT-
[0033]
If both the first and second speed change solenoid valves S1 and S2 have no abnormality in the speed change solenoid ("NO" in S102), this process is temporarily terminated. When there is no abnormality in both the shifting solenoids, the first and second shifting solenoids as shown in FIG. 2 are arranged so that the gear position based on the shift map is obtained by the normal control processing in the ECT-
[0034]
If an abnormality of the shift solenoid is detected in one or both of the first and second shift solenoid valves S1 and S2 (“YES” in S102), it is then determined whether or not there is a request for limp home travel. (S104). For example, it is determined that there is a limp home travel request when the driver is about to start traveling by selecting a range with the
[0035]
If there is no limp home travel request here (“NO” in S104), the present process is terminated. As a result, the shift solenoids of the first and second shift solenoid valves S1 and S2 are not energized, and shift control is not performed.
[0036]
If there is a limp home travel request (“YES” in S104), then a limp home shift request is transmitted to the SBW-ECU 44 (S106). As a result, the SBW-
[0037]
Then, based on the shift map, the target shift speed is calculated from the accelerator opening and the vehicle speed (S108). The shift map in this case may be a shift map during normal travel, or a shift map specially set for limp home travel.
[0038]
Then, a target range for establishing the target shift speed is calculated (S110). FIG. 6 shows the gear positions that can be taken in each range when one or both of the first and second shift solenoid valves S1, S2 are abnormal.
[0039]
As shown in the figure, when the first speed change solenoid valve S1 is abnormal and the second speed change solenoid valve S2 is normal, only the second speed change solenoid valve S2 is turned ON / OFF, so that the third speed and the fourth speed are set in the D range. The speed range is limited to the third speed in the second range and the first speed and the second speed in the L range. In the second range, since the line hydraulic pressure does not function properly when the second speed change solenoid valve S2 is turned OFF, OFF is not executed.
[0040]
However, if all of the D range, 2 range and L range are used independently of the selection state of the
[0041]
Further, when the first speed change solenoid valve S1 is normal and the second speed change solenoid valve S2 is abnormal, only the first speed change solenoid valve S1 is driven, and in the D range, the first speed and the fourth speed are changed to 2 The speed range is limited to the first speed and the third speed in the range, and the first speed in the L range. In the L range, OFF of the first shift solenoid valve S1 is not executed because the line hydraulic pressure does not function properly.
[0042]
In this case, if all of the D range, the 2 range, and the L range are used independently of the selection state of the
[0043]
When both the first and second speed change solenoid valves S1 and S2 are abnormal, both speed change solenoid valves S1 and S2 are fixed. Therefore, the fourth speed is used in the D range, and the third speed is used in the second range. In the L range, the gear position is limited to the first speed.
[0044]
In this case, if all of the D range, the 2 range, and the L range are used independently of the selection state of the
[0045]
Accordingly, in step S110, it is determined whether there is a range in which the target shift speed calculated in step S108 can be realized from the abnormal state of the shift solenoid. If there is a corresponding range, that range is set as the target range. For example, when the first speed change solenoid valve S1 is abnormal and the second speed change solenoid valve S2 is normal, all the shift stages for moving forward in the range exist, and therefore the corresponding range always exists.
[0046]
Further, when the first speed change solenoid valve S1 is normal and the second speed change solenoid valve S2 is abnormal, or when both the first and second speed change solenoid valves S1 and S2 are abnormal, the second speed change solenoid valve S2 is in any range. Only speed cannot be realized. Therefore, in this case, when the second speed becomes the target shift speed in step S108, the corresponding range does not exist. In this case, for example, as the target range, a range in which a lower gear (first speed) or a higher gear (third speed) can be realized is calculated as the target range.
[0047]
Next, the target range calculated in this way is transmitted to the SBW-
[0048]
Next, a range corresponding gear position setting process is executed (S114). The details of the range-compatible gear position setting process are as shown in FIG. In this process, first, it is determined from the contents of the set range transmitted from the SBW-
[0049]
If the actual range is the target range (“YES” in S116), it is determined whether or not the current range is other than the D range (S120). If it is the D range (“NO” in S120), as shown in FIG. 6, the shift solenoid valve that is not abnormal in the D range is driven, or if both are abnormal, the target shift is not performed. A stage is realized (S122).
[0050]
For example, when the first speed change solenoid valve S1 is abnormal, the fourth speed is calculated as the target gear position (S108 in FIG. 3), and the D range is calculated as the range for realizing the third speed (FIG. 3). S110), it is assumed that the D range is requested to the SBW-ECU 44 (S112 in FIG. 3). As a result, when the SBW-
[0051]
On the other hand, if the current range is other than the D range (“YES” in S120), it is next determined whether or not the current range is other than the two ranges (S124). If there are two ranges (“NO” in S124), as shown in FIG. 6, the shift solenoid valve that is not abnormal in the two ranges is driven, or if both are abnormal, the target shift is not performed. A stage is realized (S126).
[0052]
For example, when the first speed change solenoid valve S1 is abnormal, the third speed is calculated as the target gear position (S108 in FIG. 3), and two ranges are calculated as the ranges for realizing the third speed (FIG. 3). S110), it is assumed that the SBW-
[0053]
On the other hand, if it is other than the two ranges (“YES” in S124), it is next determined whether or not the current range is other than the L range (S128). If it is the L range here (“NO” in S128), as shown in FIG. 6, the shift solenoid valve that is not abnormal in the L range is driven, or if both are abnormal, the target shift is not performed. A stage is realized (S130).
[0054]
For example, when the first speed change solenoid valve S1 is abnormal, the second speed is calculated as the target shift speed (S108 in FIG. 3), and the L range is calculated as the range for realizing the second speed (FIG. 3). S110), it is assumed that the L range is requested to the SBW-ECU 44 (S112 in FIG. 3). As a result, if the SBW-
[0055]
On the other hand, if it is outside the L range (“YES” in S128), the process is temporarily terminated.
As described above, when the first speed change solenoid valve S1 is abnormal and the second speed change solenoid valve S2 is normal, the second speed change solenoid valve S2 is turned ON / OFF and the range is changed by the rotary valve RV. All the shift speeds from the first speed to the fourth speed can be realized.
[0056]
When the first shift solenoid valve S1 is normal but the second shift solenoid valve S2 is abnormal, when the first speed is calculated as the target shift stage (S108 in FIG. 3), as shown in FIG. The ranges that can achieve the first speed are the D, 2, and L ranges. Therefore, for example, the D range is calculated as the target range (S110 in FIG. 3), and the SBW-
[0057]
Even when the SBW-
[0058]
Further, when the second speed is calculated as the target shift speed, there is no range in which the second speed can be realized as shown in FIG. Therefore, as described above, the target range is calculated as a range in which the shift stage that is one step below or one step above the target shift stage can be realized. If the first speed is realized, one of the D, 2 and L ranges is set as the target range, and if the third speed is realized, the second range is set as the target range. For example, if the third speed is realized, the SBW-
[0059]
Further, when the third speed is calculated as the target shift speed, the range in which the third speed can be realized as shown in FIG. 6 is two ranges. Therefore, the SBW-
[0060]
Further, when the fourth speed is calculated as the target shift speed, the range in which the fourth speed can be realized as shown in FIG. 6 is the D range. Therefore, the D range is calculated as the target range and requested to the SBW-
[0061]
When both the first and second speed change solenoid valves S1 and S2 are abnormal, the gear position is set only by switching the range. That is, when the first speed is calculated as the target shift speed (S108 in FIG. 3), the range in which the first speed can be realized as shown in FIG. 6 is the L range. Therefore, the L range is calculated as the target range and requested to the SBW-ECU 44 (S110, S112 in FIG. 3). As a result, the drive process is not executed in step S130, but the first speed is realized as shown in FIG.
[0062]
Further, when the second speed is calculated as the target shift speed, there is no range in which the second speed can be realized as shown in FIG. Therefore, in this case, in step S110 of FIG. 3, a range that can realize a shift stage that is one step below or one stage that is higher than the target shift stage is calculated as the target range. If the first speed is realized, the L range is set as the target range, and if the third speed is realized, the second range is set as the target range. If the first speed is realized, the same processing is performed as in the case where the first speed is set as the target shift stage as described above. If the third speed is realized, the same processing as in the case where the next third speed is set as the target shift stage is performed.
[0063]
Further, when the third speed is calculated as the target shift speed, the range in which the third speed can be realized as shown in FIG. 6 is two ranges. Accordingly, the two ranges are calculated as target ranges and requested to the SBW-
[0064]
Further, when the fourth speed is calculated as the target shift speed, the range where the fourth speed can be realized as shown in FIG. 6 is the D range. Accordingly, the D range is calculated as the target range and requested to the SBW-
[0065]
Here, the SBW shift solenoid abnormality control process (FIG. 5) executed by the SBW-
[0066]
On the other hand, if a limp home shift request is transmitted from the ECT-ECU 42 (“YES” in S202), it is first determined whether or not the vehicle is stopped by entering the limp home shift mode (S204). If the vehicle is stopped (“YES” in S204), the rotary valve RV is driven to the L range (S206). As shown in FIG. 6, even if any of the first and second shift solenoid valves S1 and S2 is abnormal, the first speed, which is the shift stage at the start, always exists in the L range. Therefore, if the L range is set before the start of traveling, a quick start is possible. In this case, the ECT-
[0067]
If the vehicle is running ("NO" in S204), then in order to realize the required range corresponding to the requested range content transmitted from the ECT-
[0068]
In the configuration described above, the
[0069]
According to the first embodiment described above, the following effects can be obtained.
(I). When a failure of one or both of the first and second speed change solenoid valves S1, S2 is detected, the SBW-
[0070]
For example, when the first speed change solenoid valve S1 is abnormal and the second speed change solenoid valve S2 is normal, the hydraulic pressure related to the first speed change solenoid valve S1 cannot be switched. For this reason, as shown in FIG. 6, if the gear is fixed to the D range, the gear position is limited to the third speed and the fourth speed, the second range is limited to the third speed, and the L range is the first speed. Limited to 2nd speed. However, since the SBW-
[0071]
Further, when the first speed change solenoid valve S1 is normal, but the second speed change solenoid valve S2 is abnormal, the hydraulic pressure related to the second speed change solenoid valve S2 cannot be switched. For this reason, as shown in FIG. 6, if the gear range is fixed to the D range, the gear position is limited to the first speed and the fourth speed, the second range is limited to the first speed and the third speed, and the L range is Limited to 1st speed. However, since the SBW-
[0072]
Further, when both the first and second speed change solenoid valves S1 and S2 are abnormal, it becomes impossible to switch the hydraulic pressure related to the first and second speed change solenoid valves S1 and S2. For this reason, as shown in FIG. 6, if the gear is fixed to the D range, the gear position is limited to the fourth speed, the second range is limited to the third speed, and the L range is limited to the first speed. However, since the SBW-
[0073]
Since the number of shift speeds that can be realized in this way is increased, the shift speeds limited by failure can be increased without providing a special emergency device for fail-safe operation. Smooth limp home travel is possible. In addition, since no special emergency device is provided, it is not necessary for the driver to perform a special operation on the emergency device for shifting. For this reason, the vehicle drivability at the time of fail safe can be made favorable.
[0074]
(B). Since the first and second speed change solenoid valves S1 and S2 are electromagnetic valves, a failure can be easily determined by detecting a disconnection or a short circuit, and the number of gears can be increased accurately. As a result, the vehicle drivability at the time of fail-safe can be improved.
[0075]
[Embodiment 2]
In the present embodiment, an ECT shift solenoid abnormality control process shown in FIG. 7 is executed instead of the ECT shift solenoid abnormality control process (FIG. 3). The other configuration is the same as that of the first embodiment.
[0076]
The control process when the ECT shift solenoid is abnormal (FIG. 7) will be described. Note that the same step numbers are assigned to the same processes as those in FIG.
First, steps S102 to S106 are the same as those in FIG. After the limp home shift request is transmitted to the SBW-
[0077]
For this reason, there are two types of shift maps that are used in advance when the shift solenoid is abnormal: a shift map that allows the first to fourth shift stages and a shift map that allows only the first, third, and fourth speeds. The shift map is designed and stored in the ROM of the ECT-
[0078]
The target shift speed is calculated from the accelerator opening and the vehicle speed by using the shift map set in accordance with the abnormality content of the shift solenoid in this way (S108).
Then, a target range for establishing the target shift speed is calculated (S111). Here, since the target shift speed is calculated from the shift map corresponding to the abnormal content of the shift solenoid in step S107, there are always ranges in the D, 2 and L ranges where the target shift speed can be realized. Accordingly, there is no gear position in any range as described in step S110 of FIG. 3, and therefore the range is not determined by shifting the gear position.
[0079]
Next, the target range calculated in this way is transmitted to the SBW-
[0080]
In the configuration described above, the ECT shift solenoid abnormality control process (FIG. 7), the range-compatible gear position setting process (FIG. 4), and the SBW shift solenoid abnormality control process (FIG. 5) This corresponds to processing as a speed change means.
[0081]
According to the second embodiment described above, the following effects can be obtained.
(I). The effects (a) and (b) of the first embodiment are produced.
(B). Since the shift map corresponding to the abnormal content of the shift solenoid can be used by the processing of step S107, limp home traveling by automatic shift becomes smoother, and the vehicle drivability at the time of fail safe can be further improved. it can.
[0082]
[Embodiment 3]
In the present embodiment, an ECT shift solenoid abnormality control process shown in FIG. 8 is executed instead of the ECT shift solenoid abnormality control process (FIG. 3). The other configuration is the same as that of the first embodiment.
[0083]
The control process (FIG. 8) when the ECT shift solenoid is abnormal will be described. Note that the same step numbers are assigned to the same processes as those in FIG.
First, steps S102 to S108 are the same as those in FIG. After the target shift speed is calculated in step S108, the whole range that can realize this target shift speed is calculated (S111a).
[0084]
Here, as shown in FIG. 6, when the first speed change solenoid valve S1 is abnormal and the second speed change solenoid valve S2 is normal, if the first speed is the target speed, the target speed is realized. The range which can be done is one L range. Therefore, in this case, only the L range is calculated. Similarly, if the second speed is the target shift speed, only the L range is calculated, and if the fourth speed is the target shift speed, only the D range is calculated. However, if the third speed is the target shift speed, two values of D and 2 ranges are calculated.
[0085]
Further, when the first shift solenoid valve S1 is normal but the second shift solenoid valve S2 is abnormal, if the first speed is the target shift stage, the range in which the target shift stage can be realized is D, 2, L There are three ranges. Therefore, in this case, these three are calculated. Since there is no corresponding range in the case of the second speed, a range that can be realized for the lower gear or the upper gear is calculated. In this case, if the first speed is used, three of the D, 2 and L ranges are calculated as described above. If the third speed is the target gear, only two ranges are calculated, and if the fourth speed is the target gear, only the D range is calculated.
[0086]
Further, when both the first and second speed change solenoid valves S1 and S2 are abnormal, only the L range is calculated if the first speed is the target shift stage. Since there is no corresponding range in the case of the second speed, if the first speed one step below is used as described above, only the L range is calculated. If the third speed is the target gear, only two ranges are calculated, and if the fourth speed is the target gear, only the D range is calculated.
[0087]
When all the ranges capable of realizing the target shift speed are calculated in this way, it is next determined whether or not the same range as the previous target range exists in all the ranges (S111b).
[0088]
When the same range exists (“YES” in S111b), the previous target range is set as the target range (S111c). For this reason, even if the target shift speed is changed, the target range remains the same. For example, when the first speed change solenoid valve S1 is abnormal and the second speed change solenoid valve S2 is normal, the second speed change solenoid valve S2 is turned OFF in the D range to realize the fourth speed. Consider shifting to 3rd gear. In this case, as shown in FIG. 6, there are two methods, a process of turning on the second shift solenoid valve S2 by changing to the two ranges and a process of turning on the second shift solenoid valve S2 while maintaining the D range. Exists. Of these, the latter process is the same as the previous target range, so the D range is set as the target range.
[0089]
If the same range does not exist ("NO" in S111b), select one from all the calculated ranges as the target range, or if there is one calculated range, use that range as the target range. Set (S111d). In addition, when there are a plurality of calculated ranges, it is possible to select the one with the smaller drive amount of the electric motor M that drives the rotary valve RV in order to move the range from the previous target range to the corresponding range.
[0090]
When the target range is set in step S111c or S111d, this target range is transmitted to the SBW-
[0091]
In the configuration described above, the ECT shift solenoid abnormality control process (FIG. 8), the range-compatible gear setting process (FIG. 4), and the SBW shift solenoid abnormality control process (FIG. 5) This corresponds to processing as a speed change means.
[0092]
According to the third embodiment described above, the following effects can be obtained.
(I). The effects (a) and (b) of the first embodiment are produced.
(B). When changing the gear position, the target range is not changed as much as possible, so that energy consumption by the electric motor M that drives the rotary valve RV can be reduced.
[0093]
[Other embodiments]
(A). In each of the above-described embodiments, an automatic transmission with four forward speeds is used. However, for example, the present invention can be applied to a transmission with five forward speeds or other stages.
[0094]
Further, the shift speeds that are possible when each shift solenoid is abnormal vary depending on the configuration of the shift solenoid valve and the hydraulic control device incorporating the shift solenoid valve, and the case of four forward speeds is limited to the contents shown in FIG. Absent. However, in any configuration, when the shift solenoid is abnormal, by switching the range independently of the driver's operation, the limited gear stage can be increased due to failure, and smooth limp home by automatic shift Traveling is possible, and the effects described in the embodiments are produced.
[0095]
(B). Between step S106 and step S108 in FIG. 8, a shift map setting process according to the abnormality of the shift solenoid in step S107 described in FIG. 7 may be added.
[0096]
(C). In each of the embodiments, a lever type may be used instead of a button switch type range switching operation unit such as the
As the range switching mechanism, the rotary valve RV is used, but an electromagnetic valve may be used.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram illustrating a schematic configuration of a transmission control apparatus according to a first embodiment.
FIG. 2 is an operation explanatory diagram of each friction engagement portion and a shift solenoid valve for setting a gear position in each range.
FIG. 3 is a flowchart of an ECT shift solenoid abnormality control process executed by the ECT-ECU of the first embodiment.
FIG. 4 is a flowchart of a range-compatible gear position setting process that is also executed by the ECT-ECU.
FIG. 5 is a flowchart of SBW shift solenoid abnormality control processing executed by the SBW-ECU according to the first embodiment;
FIG. 6 is an explanatory diagram of a relationship between a shift stage established when a shift solenoid is abnormal and a shift solenoid valve operation.
FIG. 7 is a flowchart of an ECT shift solenoid abnormality control process executed by the ECT-ECU of the second embodiment.
FIG. 8 is a flowchart of an ECT shift solenoid abnormality control process executed by the ECT-ECU of the third embodiment.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (4)
前記変速段切換機構の故障を検出する変速段切換故障検出手段と、
前記変速段切換故障検出手段にて故障が検出された場合には、前記ポジション切換機構によるポジション切り換えを、前記ポジション切換操作部とは独立して実行する故障時ポジション切換手段と、
を備えたことを特徴とする変速制御装置。 And position switching mechanism that performs the position switching of the vehicle transmission electrically interlocked with the operation state of the port Jishon switching operation part corresponds by being driven and controlled by the position which is set through the position switching mechanism A shift control device that performs a shift with a shift speed switching mechanism that sets a shift speed that can be realized at a position;
A gear change failure detecting means for detecting a failure of the gear change mechanism;
If a failure in the shift stage switching failure detecting means is detected, the position switching by the position switching mechanism, and the late Sawatoki position switching means to run independently of the position switching operation part,
A shift control apparatus comprising:
前記故障時ポジション切換手段は、前記故障時自動変速手段により要求される目標ポジションに応じて、前記ポジション切換機構によるポジション切り換えを実行することを特徴とする変速制御装置。4. The target shift speed is calculated from the accelerator opening and the vehicle speed, and the target position for establishing the target shift speed corresponds to the number of shift speeds that can be realized by the failure position switching means. and with fault during automatic shifting means for requests,
The gear change control device, wherein the failure position switching means performs position switching by the position switching mechanism in accordance with a target position required by the trouble automatic transmission means .
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