JP4307779B2 - 電池パックの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型の携帯電子機器等の電池電源に適するように構成要素を樹脂充填により一体化し、小型化並びに堅牢性の向上を図った電池パックの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機やPDAなどの携帯電子機器の小型化あるいは薄型化、更には高機能化の進展は著しく、それに対応してその電源となる電池に小型、薄型で高容量化が要求されている。小型で高容量化を可能にする電池としてリチウムイオン二次電池が有効であり、中でも扁平な角形のものは機器の薄型化に好適であり、繰り返し使用ができる二次電池として携帯電子機器への適用が増加している。
【0003】
前記リチウムイオン二次電池はエネルギー密度が高く、電解液として可燃性の有機溶媒を用いているため、安全性への配慮が重要となる。何らかの原因によって異常が生じたときにも人体や機器に損傷を与えないように安全性を確保する必要がある。例えば、電池の正極端子と負極端子との間が何らかの原因によって短絡した場合、エネルギー密度の高い電池では過大な短絡電流が流れ、内部抵抗によってジュール熱が発生して電池は温度上昇する。電池が高温になると正極板活物質と電解液との反応や電解液の気化、分解などが生じて電池内部のガス圧が急上昇し、電池は破裂や発火に至る恐れがある。電池が高温状態に陥る原因は上記外部短絡だけでなく、二次電池を過充電した場合や、電池を装填した携帯電子機器を暖房機の傍らに置いたり、炎天下に駐車した車内に放置した場合なども該当する。
【0004】
電池が異常な状態に陥る原因は、電気的、機械的、熱的など種々の要因が考えられ、リチウムイオン二次電池をはじめとする非水電解質二次電池では、電池が異常状態に陥ることを防止すると共に、異常状態に陥った場合にも危険な状態にならないようにする機能が設けられる。電池自体の機能として、極板の活物質や電解液が過剰な反応を起こしにくいように工夫され、セパレータとして用いられるポリオレフィン系微多孔膜は異常な高温になると軟化して細孔が塞がれることによるシャットダウン機能が備わっている。また、円筒形のリチウムイオン二次電池では、封口部に入出力回路と直列に接続したPTC(Positive Thermal Coeffcient)素子を配設して、外部短絡による過大電流を制限する保護機能が設けられている。電池内に前記PTC素子が設けられていない電池では、外付けの回路部品としてPTC素子や温度ヒューズが配線接続され、更に過充電や過放電等から電池を保護する電池保護回路を設けるのが必須要件となっており、これらの構成要素を二次電池と共にパックケース内に収容して電池パックの形態に構成されのが一般的である。
【0005】
しかし、前記パックケースを形成するための樹脂成形金型は、その製作費用が高く、開発期間も長くなるので、新機種の投入期間が短い携帯電子機器などに対応できない。また、前述のように携帯電子機器の小型化、薄型化に対応する電池パックを構成するには、樹脂成形の成形可能な肉厚の限度があり、樹脂成形による外装ケースに限界がある。
【0006】
また、電池パックは、それを分解して間違った使用や興味本位で使用されることを防ぐために、分解し難いように構成することや、分解したことが分かるように構成することが安全確保上で重要である。また、携帯電子機器に適用されることを考慮すると、落下等による衝撃や振動に耐え得る堅牢な構造や電子回路部位の耐湿性が要求される。このような分解し難く堅牢且つ耐湿性を有する構造を実現すべく、電池保護回路等を構成した回路基板と電池とを樹脂モールディングにより一体化することが構想されている。
【0007】
上記樹脂モールディングによる電池パックは、本願出願人により特願2000−320166号、特願2000−363518号として提案したものがあり、電池と回路基板とを接続部材により接続した中間完成品を金型内に配置し、回路基板に形成した外部接続端子が外部露出するようにして中間完成品の周囲に樹脂を充填して二次電池と回路基板とを一体化している。
【0008】
また、特開2000−315483号に開示されたものでは、電池と回路基板とを接続部材により接続したものを金型内に配置し、回路基板を樹脂封止して電池上又はパックケース(電池蓋体)に固定する構成、あるいは回路基板と電池とを樹脂封止する構成が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2000−315483号に開示された構成は、樹脂封止された中の回路基板から外に引き出したリード線の先端にコネクタが設けられており、機器との接続は機器側のコネクタと雄雌間の嵌合によってなされる。この外部接続構造は比較的大型の機器で電池収容スペースに余裕がある場合には問題はないが、本願発明の電池パックが主目的とする小型の機器では電池収容スペースに余裕が少ないのが当然で、この接続構造を適用することは困難である。本願発明の電池パックの機器側との接続構造は、機器側の電池収容スペースに電池パックを収納したとき、そこに設けられた機器側接触端子(プローブ)が電池パックの所定位置に外部露出する外部接続端子に圧接するようにしたものである。
【0010】
外部接続端子を形成した回路基板と電池とを樹脂モールディングして電池パックに構成し、機器側の電池収容スペースに設けられた機器側接続端子と前記外部接続端子とが接触抵抗が小さい状態に圧接させるには、電池パックの外形寸法及び外部接続端子の位置は高精度に形成する必要がある。このような接触による接続の場合に、形成精度が低いと、機器側接続端子と外部接続端子との接触抵抗が大きくなり、接触不良や電圧降下などの異常を来すことになる。
【0011】
特に、回路基板に外部接続端子を形成し、この回路基板を電池の封口板と並行になる位置に配設した構成では、図19に示すように、電池パック100の底面から回路基板102の外部接続端子103の形成面までの寸法Lが精度よく仕上げられることが必要である。しかし、電池101の高さ寸法hにはバラツキがあり、回路基板102は接続部材104によって電池101と接続されているだけで、その位置、角度は変動しやすい状態にある。一般的に採用される電池パックの構成では、電池101及び回路基板102はパックケースに位置決め固定されるので、前記寸法Lは規制することができる。樹脂モールディングによって電池101と回路基板102とを一体化する構成では、電池101の高さ寸法hのバラツキを吸収し、回路基板102を位置決めして樹脂モールディングする必要がある。
【0012】
従来は樹脂モールディングにより電池パックを形成した場合に、その高さ寸法を精度よく成形することが困難であるため、前述のコネクタによる接続構造や、機器の電池収容スペースにバネ等の付勢手段を設けて収納された電池パックを機器の接続端子側に付勢し、寸法のバラツキを吸収する構造や、電池パックの長側面の端部に外部接続端子を露出させ、機器の電池収容スペースに電池パックを挿入したとき、弾性構造の機器側接続端子が外部接続端子に摺動接触することにより接触不良を解消する構造が採用されていた。しかし、これらの構造は機器側の電池パックの収容スペースが増加し、電池パック接続のための部材が増え、機器の小型化を損なうことになるため、携帯電話機のようにスペースに余裕がない小型の電子機器では適用し難い構造であった。
【0013】
本発明が目的とするところは、電池と回路基板とを樹脂モールディングにより一体化して電池パックに構成するとき、その外形寸法及び外部接続端子の位置が精度よく仕上がるようにした電池パックの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本願第1発明に係る電池パックの製造方法は、一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の間隙に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成することを特徴とするものである。
【0015】
上記第1発明の製造方法によれば、回路基板を二次電池に接続した樹脂充填対象物を、金型内の所定位置に回路基板及び二次電池を位置決めして収容し、二次電池と回路基板とに間の間隔内に樹脂を充填すると、二次電池と回路基板とを一体化して二次電池の底面から回路基板の外部接続端子の形成面までの寸法を所定値にした中間完成品に形成することができる。この中間完成品に外装被覆を形成すると、分解し難く堅牢構造の電池パックを構成することができる。
【0016】
また、本願第2A発明に係る電池パックの製造方法は、 一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の樹脂充填空間に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成する電池パックの製造方法であって、前記金型として、二次電池を収容保持する電池保持部と、回路基板を真空吸着により位置決め保持する基板位置決め用壁面、二次電池の封口板側の両肩部に当接して二次電池の位置決めを行う左右1対の電池位置決め用壁面、および基板位置決め用壁面と左右1対の電池位置決め用壁面のそれぞれとを繋ぐ位置決めされた回路基板面に直角な方向の側面壁を備え、かつ、前記二次電池の封口板に対する離接方向に移動可能な基板保持部と、前記基板保持部を付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させる付勢手段とを備え、前記電池位置決め用壁面が二次電池の前記両肩部に当接したときに、前記基板位置決め用壁面に位置決めされた回路基板と、二次電池の封口板と、前記側面壁とによって囲まれる空間が樹脂充填空間となるように構成された金型を用い、前記樹脂充填対象物を、その回路基板を前記基板位置決め用壁面に真空吸着させて位置決めし、その二次電池を前記電池保持部に収容保持させ、前記基板保持部を付勢手段で付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させた状態で、前記金型内に配置し、前記樹脂充填空間に樹脂を充填して樹脂成形を行うことによって前記中間完成品を得ることを特徴とするものである。
本願第2B発明に係る電池パックの製造方法は、一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の樹脂充填空間に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成する電池パックの製造方法であって、前記金型として、二次電池を、回路基板に対する離接方向に移動可能に収容保持する電池保持部と、回路基板を真空吸着により位置決め保持する基板位置決め用壁面、二次電池の封口板側の両肩部に当接して二次電池の位置決めを行う左右1対の電池位置決め用壁面、および基板位置決め用壁面と左右1対の電池位置決め用壁面のそれぞれとを繋ぐ位置決めされた回路基板面に直角な方向の側面壁を備えた基板保持部と、前記二次電池を付勢して、二次電池の前記両肩部を前記電池位置決め用壁面に当接させる付勢手段とを備え、二次電池の前記両肩部が前記電池位置決め用壁面に当接したときに、前記基板位置決め用壁面に位置決め保持された回路基板と、二次電池の封口板と、前記側面壁とによって囲まれる空間が樹脂充填空間となるように構成された金型を用い、前記樹脂充填対象物を、その回路基板を前記基板位置決め用壁面に真空吸着させて位置決めし、その二次電池を前記電池保持部に収容保持させ、二次電池を付勢手段で付勢して、二次電池の前記両肩部を前記電池位置決め用壁面に当接させた状態で、前記金型内に配置し、前記樹脂充填空間に樹脂を充填して樹脂成形を行うことによって前記中間完成品を得ることを特徴とするものである。
【0017】
上記第2A発明、第2B発明の製造方法によれば、二次電池の底面側が電池位置決め用壁面に当接するように付勢し、回路基板を基板位置決め用壁面に真空吸着した状態にして、二次電池と回路基板とをその間の間隙に樹脂を充填して一体化すると、二次電池の高さ寸法のバラツキ及び位置規制されない状態にある回路基板の位置のバラツキは、充填された樹脂の高さ寸法の変化によって吸収され、中間完成品の高さ寸法は一定に仕上げられる。この中間完成品の外部接続端子を含む所定部位を外部露出させて外装被覆を形成すると、外部接続端子の位置が精度よく位置決めされ、分解し難く堅牢構造の電池パックに形成できる。また、二次電池の封口板側が電池位置決め用壁面に当接するように付勢し、回路基板を基板位置決め用壁面に真空吸着した状態にして、二次電池と回路基板とをその間の間隙に樹脂を充填して一体化すると、二次電池と回路基板とは樹脂により一定間隔に結合された状態が得られる。二次電池の高さ寸法のバラツキは中間完成品の高さ寸法の変化となるが、外装被覆を行う二次成形時に外形寸法が一定になるように樹脂成形するとき、二次電池の底面側の厚さ変化によって吸収される。
【0018】
また、本願第3A発明に係る電池パックの製造方法は、一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の樹脂充填空間に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成する電池パックの製造方法であって、前記金型として、二次電池を収容保持する電池保持部と、回路基板の二次電池対向面の両端に当接して回路基板の位置決めを行う左右1対の基板位置決め用壁面、回路基板を前記両端が前記基板位置決め用壁面に当接するように付勢する付勢手段、二次電池の封口板側の両肩部に当接して二次電池の位置決めを行う左右1対の電池位置決め用壁面、および左右1対の基板位置決め用壁面と左右1対の電池位置決め用壁面のそれぞれとを繋ぐ位置決めされた回路基板に直角な方向の側面壁を備えた基板保持部と、前記基板保持部を付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させる付勢手段とを備え、前記電池位置決め用壁面が二次電池の前記両肩部に当接したときに、前記基板位置決め用壁面に位置決めされた回路基板と、二次電池の封口板と、前記側面壁とによって囲まれる空間が樹脂充填空間となるように構成された金型を用い、前記樹脂充填対象物を、その回路基板を前記付勢手段で付勢して前記基板位置決め用壁面に位置決めし、その二次電池を前記電池保持部に収容保持させ、前記基板保持部を付勢手段で付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させた状態で、前記金型内に配置し、前記樹脂充填空間に樹脂を充填して樹脂成形を行うことによって前記中間完成品を得ることを特徴とするものである。
本願第3B発明に係る電池パックの製造方法は、一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の樹脂充填空間に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成する電池パックの製造方法であって、前記金型として、二次電池を、回路基板に対する離接方向に移動可能に収容保持する電池保持部と、回路基板の二次電池対向面の両端に当接して回路基板の位置決めを行う左右1対の基板位置決め用壁面、回路基板を前記両端が前記基板位置決め用壁面に当接するように付勢する付勢手段、二次電池の封口板側の両肩部に当接して二次電池の位置決めを行う左右1対の電池位置決め用壁面、および左右1対の基板位置決め用壁面と左右1対の電池位置決め用壁面のそれぞれとを繋ぐ位置決めされた回路基板に直角な方向の側面壁を備えた基板保持部と、前記二次電池を付勢して、二次電池の前記両肩部を前記電池位置決め用壁面に当接させる付勢手段とを備え、二次電池の前記両肩部が前記電池位置決め用壁面に当接したときに、前記基板位置決め用壁面に位置決め保持された回路基板と、二次電池の封口板と、前記側面壁とによって囲まれる空間が樹脂充填空間となるように構成された金型を用い、前記樹脂充填対象物を、その回路基板を前記付勢手段で付勢して前記基板位置決め用壁面に位置決めし、その二次電池を前記電池保持部に収容保持させ、二次電池を付勢手段で付勢して、二次電池の前記両肩部を前記電池位置決め用壁面に当接させた状態で、前記金型内に配置し、前記樹脂充填空間に樹脂を充填して樹脂成形を行うことによって前記中間完成品を得ることを特徴とするものである。
【0019】
上記第3A発明、第3B発明の製造方法によれば、金型内に形成された基板位置決め用壁面に回路基板が当接するように付勢し、電池位置決め用壁面に二次電池の封口板側が当接するように付勢すると、二次電池と回路基板との間の間隙は一定の寸法に位置決めされ、この間隙内に樹脂が充填成形されることにより二次電池と回路基板とが一体化される。このように形成された中間完成品は二次電池の高さ寸法のバラツキにより高さ寸法にバラツキが生じる。この高さ寸法のバラツキは、外装被覆を行う二次成形時に外形寸法が一定になるように樹脂成形するとき、二次電池の底面側の厚さ変化によって吸収される。また、基板位置決め用壁面に二次電池の底面側が当接するように付勢した場合には、回路基板は基板位置決め用壁面に当接するように付勢して、二次電池と回路基板とをその間の間隙に樹脂を充填して一体化すると、二次電池の高さ寸法のバラツキ及び位置規制されない状態にある回路基板の位置のバラツキは、充填された樹脂の高さ寸法の変化によって吸収され、中間完成品の高さ寸法は一定に仕上げられる。
【0020】
また、本願第4A発明に係る電池パックの製造方法は、一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の樹脂充填空間に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成する電池パックの製造方法であって、前記金型として、二次電池を収容保持する電池保持部と、回路基板の両端を嵌合保持して回路基板の位置決めを行う左右1対の基板位置決め用溝、二次電池の封口板側の両肩部に当接して二次電池の位置決めを行う左右1対の電池位置決め用壁面、および左右1対の基板位置決め用溝と左右1対の電池位置決め用壁面のそれぞれとを繋ぐ位置決めされた回路基板に直角な方向の側面壁を備えた基板保持部と、前記基板保持部を付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させる付勢手段とを備え、前記電池位置決め用壁面が二次電池の前記両肩部に当接したときに、前記基板位置決め用溝に位置決めされた回路基板と、二次電池の封口板と、前記側面壁とによって囲まれる空間が樹脂充填空間となるように構成された金型を用い、前記樹脂充填対象物を、その回路基板を前記基板位置決め用溝に位置決めし、その二次電池を前記電池保持部に収容保持させ、前記基板保持部を付勢手段で付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させた状態で、前記金型内に配置し、前記樹脂充填空間に樹脂を充填して樹脂成形を行うことによって前記中間完成品を得ることを特徴とするものである。
本願第4B発明に係る電池パックの製造方法は、一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の樹脂充填空間に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成する電池パックの製造方法であって、前記金型として、二次電池を収容保持する電池保持部と、回路基板の両端を嵌合保持して回路基板の位置決めを行う左右1対の基板位置決め用溝、二次電池の封口板側の両肩部に当接して二次電池の位置決めを行う左右1対の電池位置決め用壁面、および左右1対の基板位置決め用溝と左右1対の電池位置決め用壁面のそれぞれとを繋ぐ位置決めされた回路基板に直角な方向の側面壁を備えた基板保持部と、前記基板保持部を付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させる付勢手段とを備え、前記電池位置決め用壁面が二次電池の前記両肩部に当接したときに、前記基板位置決め用溝に位置決めされた回路基板と、二次電池の封口板と、前記側面壁とによって囲まれる空間が樹脂充填空間となるように構成された金型を用い、前記樹脂充填対象物を、その回路基板を前記基板位置決め用溝に位置決めし、その二次電池を前記電池保持部に収容保持させ、前記基板保持部を付勢手段で付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させた状態で、前記金型内に配置し、前記樹脂充填空間に樹脂を充填して樹脂成形を行うことによって前記中間完成品を得ることを特徴とするものである。
【0021】
上記第4A発明、第4B発明の製造方法によれば、金型内に電池位置決め用壁面と基板位置決め用溝との形成方向を平行に形成して、金型内に回路基板はその縁部が基板位置決め用溝に嵌入するようにして位置決めし、二次電池はその底面側が電池位置決め用壁面に当接するように付勢した場合には、二次電池と回路基板とをその間の間隙に樹脂を充填して一体化するので、回路基板は位置規制され、二次電池の高さ寸法のバラツキは充填された樹脂の高さ寸法の変化によって吸収され、中間完成品の高さ寸法は一定に仕上げられる。この中間完成品の外部接続端子を含む所定部位を外部露出させて外装被覆を形成すると、外部接続端子の位置が精度よく位置決めされ、分解し難く堅牢構造の電池パックに形成できる。また、基板位置決め用壁面に回路基板が当接するように付勢し、電池位置決め用壁面に二次電池の封口板側が当接するように付勢すると、二次電池と回路基板との間の間隙は一定の寸法に位置決めされ、この間隙内に樹脂が充填成形されることにより二次電池と回路基板とが一体化される。このように形成された中間完成品は二次電池の高さ寸法のバラツキにより高さ寸法にバラツキが生じる。この高さ寸法のバラツキは、外装被覆を行う二次成形時に外形寸法が一定になるように樹脂成形するとき、二次電池の底面側の厚さ変化によって吸収される。
【0022】
また、本願第5発明に係る電池パックの製造方法は、扁平長方形に形成された二次電池の封口板に、一方面に外部接続端子を形成した回路基板を間隙を隔てて配置すると共に、弾性により回路基板を二次電池から離反させる方向に付勢する接続部材により回路基板を二次電池に接続して樹脂対象物を形成し、二次電池の底面から回路基板の外部接続端子の形成面までの寸法を規制した内部空間が形成された金型内に、前記樹脂充填対象物を前記接続部材の付勢に抗して配置し、二次電池と回路基板とを隔てる間隙内に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品に形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成することを特徴とするものである。
【0023】
上記第5発明の製造方法によれば、回路基板が接続部材により二次電池から離反する方向に付勢された状態の樹脂充填対象物を、二次電池の底面から回路基板の外部接続端子の形成面までの寸法を規制した内部空間が形成された金型内に配置するので、接続部材はその弾性により二次電池と回路基板とを内部空間の対向壁面に押し付けて二次電池の高さ寸法のバラツキを吸収すると同時に回路基板を一定位置に固定して、二次電池の底面から回路基板までの寸法を一定の状態にすることができる。この状態で二次電池と回路基板とに間の間隔内に樹脂を充填すると、二次電池と回路基板とを一体化して二次電池の底面から回路基板の外部接続端子の形成面までの寸法を所定値にした中間完成品に形成することができる。この中間完成品に外装被覆を形成して電池パックに完成させることができる。
【0024】
上記各製造方法において、二次電池の封口板に回路基板方向にアンダーカット部位を形成することにより、回路基板との間の間隙に充填された樹脂はアンダーカット部位に入り込んで二次電池と強固に接合され、分解し難く堅牢な構造に形成される。
【0025】
また、外装被覆は、中間完成品に対して、回路基板の外部接続端子形成面から二次電池の封口板上までの間を少なくとも外部接続端子を外部露出させて形成した上部成形部と、二次電池の底面に所定高さに形成した下部成形部と、上部成形部と下部成形部との間を二次電池の短側面でつなぐ連結成形部とを二次成形し、二次電池の側周面と、上部成形部及び下部成形部の側周部の一部と、連結成形部とを被覆してシートを巻着させることにより、厚さ寸法が二次電池にシート厚さを加えた薄型の電池パックに形成することができる。前記連結成形部は、横断面形状が長円形に形成された二次電池の両端の円弧部にそれを囲む矩形線内に入るように形成すると、電池パックの幅寸法を二次電池の幅寸法にシートの厚さを加えて無駄な寸法増加を防ぐことができ、円弧を囲む矩形線内の一方にのみ連結成形部を形成すると電池パックの横断面形状が非対称となり、機器への装填方向を規制すると共に、円弧部分は機器ケースの角部に形成されるアール形状に対応させることができる。
【0026】
また、外装被覆は、中間完成品に所定高さ寸法に形成された筒状体又は有底筒状体を被せ、回路基板の外部接続端子形成面側及び/又は二次電池の底面側に形成された開口端に、外部接続端子を含む所定部位を外部露出させて樹脂を充填成形すると、開口端に樹脂を充填成形することにより中間完成品の全周面を外部接続端子を含む所定部位を外部露出させて容易に被覆することができる。
【0027】
また、外装被覆は、中間完成品の全外周面を外部接続端子を含む所定部位を外部露出させて樹脂で被覆するように成形することができ、中間完成品を密閉状態に被覆することができ、耐湿性に優れた電池パックが構成できる。
【0028】
また、一次成形及び二次成形に用いる金型内の樹脂充填対象物又は中間完成品から外部露出する活電部位と接触する部位には、絶縁性被覆を施すことにより、樹脂充填成形時あるいは外装被覆時に短絡や漏電が発生することが防止できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0030】
本実施形態は、扁平角形のリチウムイオン二次電池を用いて携帯電話機に適用する電池パックを構成した例を示すものである。携帯電話機に適用する電池パックは、小型、軽量、薄型に加えて高機能化に対応する高エネルギー密度、携帯機器として避けられない落下等による衝撃に耐え得る機械的強度、分解され難い構造、短絡や過充電、高温等から二次電池を保護する安全機能など備えることが要求されており、以下に示す電池パックはこれらの要件を満たすように構成されている。
【0031】
図1は、実施形態に係る電池パック1の外観を示すもので、一方端面に正極端子及び負極端子、温度検出端子からなる外部接続端子6を外部露出させ、後述するテスト端子30上に水没シール9を貼着し、扁平な非対称形状に構成されている。図2は、この電池パック1を分解して各構成要素を示したもので、以下に各構成要素の詳細と、各構成要素を用いた電池パック1の製造方法について説明する。
【0032】
リチウムイオン二次電池(以下、二次電池)2は、図3に示すように、横断面形状が長円形の有底筒状に形成されたアルミニウム製の電池缶22内に発電要素を収容し、その開口端は封口板23がレーザー溶接されることによって封口されている。電池缶22に接合して電池正極となる封口板23には、その中央に上ガスケット24a及び下ガスケット24bで絶縁して電池負極25が凸形成されている。また、封口板23の両側には封口板23をプレス加工してキノコ状の係合突起(アンダーカット部位)26、26が形成されている。尚、27は電解液注入口を閉じる封栓で、電池缶22内に電解液を注入した後、電解液注入口は封栓27によって閉じられ、封栓27は封口板23に溶接される。
【0033】
前記係合突起26は、封口板23の所定位置にプレス加工により円筒状の突出部を形成し、これの頭部が周囲に開くようにプレス加工すると、図示するようなキノコ状に形成される。尚、係合突起26の形成はプレス加工によらず、キノコ状の部材や逆L字状の部材を封口板上に溶接することによっても形成することができる。
【0034】
上記二次電池2には、図3(c)に示すように、電池負極25に温度ヒュ−ズ10の一方接続片10aが溶接される。温度ヒューズ10の上面には破線で示すように断熱シート16が貼着され、後述する樹脂充填時に温度ヒューズ10が溶断することを防止している。温度ヒューズ10の他方接続片10bは封口板23上に貼着された絶縁紙21上に配置され、後述する負極リード板5の一端にスポット溶接により接合される。また、温度ヒューズ10と二次電池2との間には両者を接合して熱伝導性の接着剤が塗布され、温度ヒューズ10は二次電池2に熱結合した状態にしている。
【0035】
二次電池2を過充電や過放電、過電流から保護する保護回路を構成した回路基板3は、その外面側となる一方面に、図4(a)に示すように、前記外部接続端子6やテスト端子30が形成され、二次電池2側となる他方面に、図4(b)に示すように、集積回路部品をはじめとする電子部品31が実装され、両側に二次電池2に接続するための正極半田付けランド32、負極半田付けランド33が形成されている。尚、各図において回路基板3に形成されている回路パターンやスルーホール等の表示は省略している。
【0036】
図4(c)に示すように、前記正極半田付けランド32には電子部品31との間に絶縁紙34を介した正極リード板(接続部材)4の一端が半田付けされ、負極半田付けランド33には負極リード板(接続部材)5の一端が半田付けされる。
【0037】
この接続加工を終えた回路基板3は、図5(a)に示すように、二次電池2に対し、正極リード板32の他端は封口板23の板面に、負極リード板33の他端は前記温度ヒューズ10の他方接続片10b上に、それぞれスポット溶接される。この接続状態では、回路基板3は封口板23の板面に対して直交する方向になっているので、図5(b)に示すように、正極及び負極の各リード板4、5を折り曲げ、回路基板3の板面と封口板23の板面との間に間隙を設け、略並行になる状態に整形する。このように二次電池2に回路基板3を接続して、図11(a)に示すような樹脂充填対象物7が形成される。
【0038】
上記樹脂充填対象物7の二次電池2と回路基板3との間の間隙に樹脂を充填成形して二次電池2と回路基板3とを一体化する。このとき、二次電池2の底面から回路基板3の外部接続端子6の形成面までの高さHが所定寸法になるように樹脂成形することが重要で、それを実現する第1〜第4の製造方法について以下に説明する。
(第1の製造方法)
図6(a)に示すように、一次モールド金型35の下型36は、可動部41が付勢手段45によって固定部42側に移動可能に構成され、可動部41には真空吸着部43が設けられている。前記可動部41を後退させた状態にして下型36内に樹脂充填対象物7(図6では二次電池2と回路基板3のみを表示)を配置し、可動部41を前進させると二次電池2はその底面が固定部42の内壁面に押し付けられて位置決めされる。一方、回路基板3は真空吸着部43からの真空吸引により真空吸着部43の壁面に密着して位置決めされる。
【0039】
前記二次電池2の底面から回路基板3の外部接続端子6の形成面までの高さ寸法Hは、二次電池2の高さ寸法hのバラツキ及び回路基板3が一定位置に固定されていないことが原因で変動するが、回路基板3は真空吸引によって一定位置に固定され、可動部41は二次電池2の高さ寸法hに応じて、その前進量が変化するので、下型36内に位置決めされた二次電池2と回路基板3とは、それらの間の間隙の高さ寸法Gの変化により、二次電池2の底面から回路基板3の外部接続端子6の形成面までの高さ寸法Hは一定の状態になる。
【0040】
樹脂充填対象物7に対して樹脂充填成形するときの二次電池2と回路基板3との位置決めは、一次モールド金型35の下型36aを図6(b)に示すように構成することもできる。回路基板3は真空吸着により基板位置決め用壁面75に密着し、二次電池2は押圧軸85が付勢手段76によって付勢されることにより電池位置決め用壁面77に両肩部分が当接する。この構成では、二次電池2と回路基板3との間隔Gは一定に位置決めされ、二次電池2の高さ寸法hのバラツキは二次電池2の底面から回路基板3の外部接続端子6の形成面までの高さ寸法H4の変動となるが、この高さ寸法H4の変動は後述する二次モールドによって吸収される。
【0041】
上記のように二次電池2と回路基板3とを位置決めした下型36、36a上に、図7に示す上型37を下降させ、上型37に設けられたゲート44から二次電池2と回路基板3との間の間隙に樹脂を注入する。注入された樹脂は、図8に示すように、回路基板3に実装された電子部品31や正極及び負極の各リード板4、5の周囲にも回り込んで回路基板3に接合し、二次電池2の封口板23上に形成された係合突起26のアンダーカット部分にも回り込んで封口板23に接合した一次モールド体11に成形される。樹脂は電子部品31や二次電池3、あるいは温度ヒューズ10に悪影響を与えない程度の温度で流動化し、温度低下により硬化するホットメルトが好適である。
【0042】
樹脂の温度が比較的低くても200℃を越える温度であるため、溶断温度が104℃に設定されている温度ヒューズ10に触れると、温度ヒューズ10は溶断して電池パック1自体の機能を停止させてしまうことになる。その対策は、断熱シートにより温度ヒューズ10と樹脂との間を熱的に遮蔽する方法や樹脂と直接触れない位置に温度ヒューズ10を配設する方法などを別途発明により提案しているが、ここでは、前述したように温度ヒューズ10上に断熱シート16を貼着して、樹脂の熱が温度ヒューズ10に伝熱することを抑えている。また、一次モールド金型35の温度ヒューズ10の配設位置に対応する部位を熱伝導性のよい材質(例えば、アルミニウム)で形成し、樹脂の熱を金型側に放散させ、温度ヒューズ10への熱伝導を抑制することによっても解決することができる。
【0043】
樹脂充填対象物7は二次電池2の正極、負極に接続された活電部分が外部露出しているため、一次モールド金型35内に収容されたときに短絡や漏電が発生しないように、一次モールド金型35の露出した活電部分が接触する恐れのある部位には、アルミナ処理あるいはフッ素樹脂処理による絶縁被覆が施されている。また、金型をアルミニウムで形成し、所要部位をアルマイト処理することにより前記絶縁被覆が形成されると同時に、熱伝導性の向上により温度ヒューズ10に対する充填樹脂による熱影響が抑制される。
【0044】
充填された樹脂を硬化させた後、上型37を上昇させ、真空吸引を解除し、可動部41又は付勢手段76を後退させると、図8に示すように二次電池2と回路基板3とが樹脂の硬化により形成された一次モールド体11により一体化され、図11(b)に示すような中間完成品8として下型36から取り出すことができる。この中間完成品8の周囲に外装被覆を施すことによって電池パック1に形成することができる。
【0045】
ここでは、外装被覆は、二次モールディングと巻着シートの貼着によって施される。二次モールディングを実施する前に、二次電池2の底面にインシュレータ14を貼着する。
【0046】
二次モールディングは、図9に示すように、二次モールド金型46に前記中間完成品8を配置して、中間完成品8の所要部位に樹脂を成形する。二次モールド金型46の下型47には中間完成品8を収容する凹部50が形成されており、凹部50の一側壁面には内方に進出付勢される3個の外部接続端子用突起51とテスト端子用突起52とが設けられ、対向する他側壁面には内方に進出付勢される底面用突起54が設けられている。凹部50内に中間完成品8を配置し、前記外部接続端子用突起51及びテスト端子用突起52、底面用突起54を進出させると、外部接続端子用突起51は回路基板3上に形成された3か所の外部接続端子6に圧接し、テスト端子用突起52はテスト端子30に圧接し、底面用突起54は二次電池2に底面に貼着されたインシュレータ14に圧接する。
【0047】
中間完成品8を収容した下型47上を上型48で閉じ、上型48に設けられたゲート53から二次モールド金型46内に樹脂を充填する。樹脂は4か所から二次モールド金型46内に射出され、図10に示すように、中間完成品8の外部接続端子6及びテスト端子30を外部露出させて回路基板3及び一次モールド体11を被覆し、図11(c)に示すように二次電池2の封口板23上に固着した上部成形部17を形成すると共に、二次電池2の底面にインシュレータ14の周囲を包み込んで所定厚さに固着した下部成形部18を形成し、更に前記上部成形部17と下部成形部18とを二次電池の側面コーナーで連結する連結成形部19が形成される。前記連結成形部19は、図12に示すように、横断面形状が長円形の二次電池2の円弧側面の一方側90度部位が直角に形成されるように樹脂が成形される。前記上部成形部17及び下部成形部18、連結成形部19によって、図2に示すした二次モールド体12が形成される。
【0048】
尚、図6(b)に示した下型36aを用いて樹脂充填成形された中間完成品8の場合は、前述したように二次電池2の高さ寸法hのバラツキにより中間完成品8の高さ寸法H4が変動するが、二次モールド体12が一定の高さ寸法に成形されることによって高さ寸法H4の変動は吸収される。
【0049】
また、中間完成品8においても外部接続端子6などの二次電池2の正極、負極に接続された活電部分が外部露出しているため、一次モールド金型35と同様に二次モールド金型46においても中間完成品8に短絡や漏電が発生しないように、二次モールド金型46の露出した活電部分が接触する恐れのある部位、即ち外部接続端子6やテスト端子30などに当接する外部接続端子用突起51及びテスト端子用突起52には、アルミナ処理あるいはフッ素樹脂処理による絶縁被覆が施されている。
【0050】
前記上部成形部17の周面の二次電池寄りには段差部38が形成されており、これを貼着位置決め線として、二次電池2の側周面を巻回して巻着シート20が巻着される。この後、テスト端子30を用いて動作状態が検査され、検査合格品にはテスト端子30周囲の凹部内に水没シール9が貼着され、図1に示したような電池パック1に形成される。
【0051】
このように形成された電池パック1は、図1に示すように、扁平な一方面の両肩部分が二次電池2の両側面の円弧が表面に現れる円弧コーナーに形成され、他方面の両肩部分が連結成形部19によって角形コーナーに形成されるので、外部接続端子6が非対称位置に形成されていることと相まって機器への逆装填が防止できる。また、円弧コーナーは機器ケースの角部のアール形状に対応し、無駄な空間が形成されることなく機器への収納が可能となる。
【0052】
また、二次電池2の底面に貼着されたインシュレータ14の中央部位には前記下型47の底面用突起54が当接して樹脂が成形されないので、中間完成品8の底面側には、図13に示すように凹部39が形成される。前述のように電池パック1は機器の狭い電池パック収容空間に装填されるので、電池パックを収容空間から取り出すときに手がかりになるものがないと取り出しが困難であるが、前記凹部39が形成されていることによって電池パック1の底面に爪先を掛けることができ、凹部39は所謂ネイルフックとなって電池パック1の取りだしを容易にする。
(第2の製造方法)
本第2の製造方法は、前述の樹脂充填対象物7に樹脂充填して一次モールド体11を成形する方法を異にするものである。以下、第1の製造方法と共通する構成要素には同一の符号を付し、同一の製造方法の説明は省略して、第2の製造方法について説明する。
【0053】
図11(a)に示したように形成された樹脂充填対象物7は、図14(a)に示す一次モールド金型の下型56内に配置される。回路基板3は下型56の一方壁面に設けられた押圧軸57が付勢手段59によって押し出されることにより基板位置決め壁面60に両端部が当接して位置決めされる。また、二次電池は下型56の他方壁面に設けられた押圧軸58が付勢手段62によって押し出されることによって電池位置決め用壁面61に封口板23の両端部が当接して位置決めされる。この位置決めにより、回路基板3が一定位置にない状態は、二次電池2の底面から回路基板3の外部接続端子6形成面までの高さ寸法H2に規制される。このように二次電池2と回路基板3とが位置決めされた下型56上に上型(図示せず)を下降させ、二次電池2と回路基板3との間に一定間隔に形成された間隙G2に樹脂が充填され、二次電池2と回路基板3とを充填された樹脂が硬化した一次モールド体11により一体化した中間完成品8に形成される。
【0054】
上記一次モールディングによって形成された中間完成品8は、二次電池2の高さ寸法hのバラツキによって全体の高さ寸法H2が変動する。この高さ寸法H2の変動は、図9に示した二次モールド金型46による二次モールディング時に、二次電池2の底面に成形される下部成形部18の厚さが変化することによって吸収され、一定高さ寸法の電池パック1に形成される。この外装被覆の形成方法は、上記第1の製造方法によるものと同様なので、その説明は省略する。
【0055】
上記下型56を用いた二次電池2の位置決めにおいて、二次電池2の高さ寸法hのバラツキによる中間完成品8の高さ寸法H2の変動は、図14(b)に示すように構成された下型56aを用いることによって一定の高さ寸法H5の中間完成品8に形成することが可能である。
【0056】
図14(b)において、二次電池2は電池付勢手段81によって付勢されることにより下型56aの電池位置決め用壁面83に当接して位置決めされ、回路基板3は基板付勢手段80によって付勢されることにより下型56aに形成された基板位置決め用壁面82に当接して位置決めされる。この下型56aの構成により、回路基板3は一定位置に位置決めされ、二次電池2の高さ寸法hのバラツキは二次電池2と回路基板3との間の間隙G5の変化によって吸収され、一定高さ寸法H5の中間完成品8として完成される。
(第3の製造方法)
本第3の製造方法は、前述の樹脂充填対象物7に対する樹脂充填の方法を異にするもので、以下、第1及び第2の各製造方法と共通する構成要素には同一の符号を付し、同一製造方法の説明は省略して、第3の製造方法について説明する。
【0057】
本第3の製造方法においては、図15に示すように、回路基板3を二次電池2に接続する正極リード板4a及び負極リード板5aを折り曲げに対して弾性を有する材料によって形成する。この正極リード板4a及び負極リード板5aの一端側を回路基板3に半田付けした後、図5(a)に示したように二次電池2に他端をスポット溶接して、図5(b)に示したように、回路基板3が二次電池3の封口板23と略並行になるように折り曲げたとき、正極リード板4a及び負極リード板5aが折り曲げに対して弾性を有しているため封口板23と並行にならず、図15に示すように、回路基板3は傾斜した角度になって二次電池2に接続された状態になった樹脂充填対象物7が形成される。
【0058】
この樹脂充填対象物7を、図16に示すように、回路基板3の外部接続端子6形成面と二次電池2の底面との間の寸法H3が規制された一次モールド金型の下型64内に配置する。このとき、回路基板3は二次電池2の封口板23と並行になっていないため下型64内に圧入されることになるが、圧入されると高さ寸法H3が規制された下型64の壁面に密着して封口板23と並行した状態に収まると同時に、正極リード板4及び負極リード板5の弾性による付勢によって二次電池2は対向壁面に押し付けられる。このように樹脂充填対象物7を下型64内に収容することによって、二次電池2の高さ寸法hのバラツキや回路基板3が一定位置にない状態を正極リード板4及び負極リード板5の曲げ弾性によって吸収して、回路基板3の外部接続端子6の形成面と二次電池2の底面との間の寸法H3を一定に規制した状態が得られる。
【0059】
上記のように樹脂充填対象物7を収容した下型64上に上型(図示せず)を下降させ、二次電池2と回路基板3との間の間隙Gに樹脂を充填すると、二次電池2と回路基板3とは充填された樹脂によって一体に固定され、図11(b)に示すような中間完成品8に形成される。
【0060】
この中間完成品8に対する外装被覆の形成は、第1及び第2の各製造方法と同様に実施することができるので、その説明は省略する。
(第4の製造方法)
本第4の製造方法は、前述の樹脂充填対象物7に樹脂充填して一次モールド体11を成形する方法を異にするものである。以下、第1及び第2の製造方法と共通する構成要素には同一の符号を付し、同一の製造方法の説明は省略して、第3の製造方法について説明する。
【0061】
図11(a)に示したように形成された樹脂充填対象物7は、図17(a)に示す一次
モールド金型の下型91内に配置される。回路基板3は下型91に形成された基板位置決め用溝92に両端部を嵌入させることにより位置決めされる。また、二次電池は下型91に設けられた付勢手段94によって押し出されることによって電池位置決め用壁面93に封口板23の両端部が当接して位置決めされる。この位置決めにより回路基板3が一定位置にない状態は、二次電池2の底面から回路基板3の外部接続端子6形成面までの高さ寸法H6に規制される。このように二次電池2と回路基板3とが位置決めされた下型56上に上型(図示せず)を下降させ、二次電池2と回路基板3との間に一定間隔に形成された間隙G6に樹脂が充填され、二次電池2と回路基板3とを充填された樹脂が硬化した一次モールド体11により一体化した中間完成品8に形成される。
【0062】
上記一次モールディングによって形成された中間完成品8は、二次電池2の高さ寸法hのバラツキによって全体の高さ寸法H2が変動する。この高さ寸法H2の変動は、図9に示した二次モールド金型46による二次モールディング時に、二次電池2の底面に成形される下部成形部18の厚さが変化することによって吸収され、一定高さ寸法の電池パック1に形成される。この外装被覆の形成方法は、上記第1の製造方法によるものと同様なので、その説明は省略する。
【0063】
上記下型91を用いた二次電池2の位置決めにおいて、二次電池2の高さ寸法hのバラツキによる中間完成品8の高さ寸法H6の変動は、図17(b)に示すように構成された下型91aを用いることによって一定の高さ寸法H7の中間完成品8に形成することが可能である。
【0064】
図17(b)において、二次電池2は電池付勢手段97によって付勢されることにより下型91aの電池位置決め用壁面96に当接して位置決めされ、回路基板3は基板位置決め用溝95に両端部が嵌入して位置決めされる。この下型91aの構成により、回路基板3は一定位置に位置決めされ、二次電池2の高さ寸法hのバラツキは二次電池2と回路基板3との間の間隙G7の変化によって吸収され、一定高さ寸法H7の中間完成品8として完成される。
【0065】
上記第1〜第4の各製造方法によって製造された電池パック1について、落下高さ1.5mでコンクリート上に6面各2サイクル落下させる自由落下試験、落下高さ1.0mで鉄板上に50回落下させて機械的性能を見て、200回落下させて電気特性を見るランダム落下試験を実施し、更に−40℃から80℃の温度変化を複数回加えるヒートショック試験、3方向の振動を加える振動試験、外部接続端子に荷重を加える端子強度試験を実施した。この試験後の電池パック1を機器に装着し、装着の異常がないか、正常に作動するか、変形や緩みがないかなどについて検証した。この結果、各試験後にも障害の発生は見られず、堅牢な構造であることが立証された。
【0066】
また、200℃を越える温度の樹脂を充填成形することによる二次電池2への影響、あるいは樹脂充填部位に配設された温度ヒューズ10の損傷について検証したが、異常発生はなかった。
【0067】
また、完成した電池パック1を分解した場合の状態を検証するために、故意に分解を試みたところ、分解は一般的なパックケースを用いた構造に比して極めて困難であることが明らかであり、一次モールド体11を破壊すると封口板23の両端に設けられた係合突起26が破壊され、充填成形された中に存在する正極及び負極のリード板4、5や接続部分が破壊されて、分解されたことが容易に判断できる状態となった。
【0068】
また、仕上がり外形寸法の精度は、各部の寸法が±0.1〜0.2mmの誤差範囲に収まり、特に精度が要求される底面から外部接続端子6までの寸法も同誤差内であり、機器との接続に支障がない状態になることが確認された。
【0069】
以上説明した構成において、中間完成品8に対する外装被覆は、所要部位に樹脂成形した二次モールド体12と巻着シート13とによって形成しているが、これに限定されるものでなく、図18(a)に示すような筒状の外装ケース71に中間完成品8を挿入し、下方の開口部を樹脂充填により封口し、上方の開口部に外部接続端子6及びテスト端子30が外部露出するように樹脂充填すると、外形は電池パック1と同様に構成することができる。
【0070】
また、図18(b)に示すように、外部接続端子6及びテスト端子30に対応する位置に開口部を形成した有底筒状の外装ケース72に中間完成品8を挿入し、下方の開口部に樹脂充填して封口することによっても電池パック1と同様の外形形状に構成することができる。前記外装ケース72は下方開放の有底筒状体であるが、上方を開放した有底筒状に形成して、上部開口部に外部接続端子6及びテスト端子30が外部露出するように樹脂充填しても外形は電池パック1と同様に構成することができる。
【0071】
また、中間完成品8の外周面に外部接続端子6及びテスト端子30が外部露出するようにして樹脂成形することによっても、図1に示したような電池パック1に構成することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明の通り本発明によれば、底面からその対向面にある外部接続端子までの寸法を一定にして、二次電池と回路基板とを樹脂モールディングにより一体化した電池パックを構成することができ、小型の携帯電子機器に適した電池電源として接続の確実性や落下等の衝撃に耐え得る堅牢性を備えた電池パックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る電池パックの外観を示す斜視図。
【図2】 同上電池パックの各構成要素を示す分解斜視図。
【図3】 二次電池の構成を示す(a)は平面図、(b)は封口板側の断面図、(c)は温度ヒューズを取り付けた状態での平面図。
【図4】 回路基板の構成を(a)は外面側、(b)は内面側、(c)はリード板取付け状態でそれぞれ示す斜視図。
【図5】 回路基板の二次電池への取付け状態を示す斜視図。
【図6】 第1の製造方法による樹脂充填を説明する模式図。
【図7】 同上一次モールド金型の構成を示す斜視図。
【図8】 一次モールド体を形成した状態を示す断面図。
【図9】 二次モールド金型の構成を示す斜視図。
【図10】 二次モールド体を形成した状態を示す断面図。
【図11】 製造工程の各段階での形成状態を順に示す斜視図。
【図12】 連結成形部の形成位置を説明する断面図。
【図13】 中間完成品の底面に形成された凹部を示す斜視図。
【図14】 第2の製造方法による樹脂充填を説明する模式図。
【図15】 第3の製造方法による二次電池への回路基板の接続状態を示す斜視図。
【図16】 第3の製造方法による樹脂充填を説明する模式図。
【図17】 第4の製造方法による樹脂充填を説明する模式図。
【図18】 外装被覆の別態様を示す外装ケースの構成を示す斜視図。
【図19】 電池パックの外部接続端子の形成位置の精度を説明する模式図。
【符号の説明】
1 電池パック
2 二次電池
3 回路基板
4 正極リード板(接続部材)
5 負極リード板(接続部材)
6 外部接続端子
7 樹脂充填対象物
8 中間完成品
10 温度ヒューズ
11 一次モールド体
12 二次モールド体
13 巻着シート
16 断熱シート
17 上部成形部
18 下部成形部
19 連結成形部
23 封口板
26 係合突起(アンダーカット部位)
35 一次モールド金型
36、47、56、64 下型
41 可動部
42 固定部
43 真空吸着部
45、59、62 付勢手段
46 二次モールド金型
51 外部接続端子用突起
57、58 押圧軸
60、75、82 基板位置決め用壁面
61、77、83 電池位置決め用壁面
92、95 基板位置決め用溝
Claims (14)
- 一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の間隙に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成することを特徴とする電池パックの製造方法。
- 一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の樹脂充填空間に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成する電池パックの製造方法であって、
前記金型として、
二次電池を収容保持する電池保持部と、
回路基板を真空吸着により位置決め保持する基板位置決め用壁面、二次電池の封口板側の両肩部に当接して二次電池の位置決めを行う左右1対の電池位置決め用壁面、および基板位置決め用壁面と左右1対の電池位置決め用壁面のそれぞれとを繋ぐ位置決めされた回路基板面に直角な方向の側面壁を備え、かつ、前記二次電池の封口板に対する離接方向に移動可能な基板保持部と、
前記基板保持部を付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させる付勢手段とを備え、
前記電池位置決め用壁面が二次電池の前記両肩部に当接したときに、前記基板位置決め用壁面に位置決めされた回路基板と、二次電池の封口板と、前記側面壁とによって囲まれる空間が樹脂充填空間となるように構成された金型を用い、
前記樹脂充填対象物を、その回路基板を前記基板位置決め用壁面に真空吸着させて位置
決めし、その二次電池を前記電池保持部に収容保持させ、前記基板保持部を付勢手段で付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させた状態で、前記金型内に配置し、前記樹脂充填空間に樹脂を充填して樹脂成形を行うことによって前記中間完成品を得る
ことを特徴とする電池パックの製造方法。 - 一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の樹脂充填空間に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成する電池パックの製造方法であって、
前記金型として、
二次電池を、回路基板に対する離接方向に移動可能に収容保持する電池保持部と、
回路基板を真空吸着により位置決め保持する基板位置決め用壁面、二次電池の封口板側の両肩部に当接して二次電池の位置決めを行う左右1対の電池位置決め用壁面、および基板位置決め用壁面と左右1対の電池位置決め用壁面のそれぞれとを繋ぐ位置決めされた回路基板面に直角な方向の側面壁を備えた基板保持部と、
前記二次電池を付勢して、二次電池の前記両肩部を前記電池位置決め用壁面に当接させる付勢手段とを備え、
二次電池の前記両肩部が前記電池位置決め用壁面に当接したときに、前記基板位置決め用壁面に位置決め保持された回路基板と、二次電池の封口板と、前記側面壁とによって囲まれる空間が樹脂充填空間となるように構成された金型を用い、
前記樹脂充填対象物を、その回路基板を前記基板位置決め用壁面に真空吸着させて位置決めし、その二次電池を前記電池保持部に収容保持させ、二次電池を付勢手段で付勢して、二次電池の前記両肩部を前記電池位置決め用壁面に当接させた状態で、前記金型内に配置し、前記樹脂充填空間に樹脂を充填して樹脂成形を行うことによって前記中間完成品を得る
ことを特徴とする電池パックの製造方法。 - 一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の樹脂充填空間に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成する電池パックの製造方法であって、
前記金型として、
二次電池を収容保持する電池保持部と、
回路基板の二次電池対向面の両端に当接して回路基板の位置決めを行う左右1対の基板位置決め用壁面、回路基板を前記両端が前記基板位置決め用壁面に当接するように付勢する付勢手段、二次電池の封口板側の両肩部に当接して二次電池の位置決めを行う左右1対の電池位置決め用壁面、および左右1対の基板位置決め用壁面と左右1対の電池位置決め用壁面のそれぞれとを繋ぐ位置決めされた回路基板に直角な方向の側面壁を備えた基板保持部と、
前記基板保持部を付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させる付勢手段とを備え、
前記電池位置決め用壁面が二次電池の前記両肩部に当接したときに、前記基板位置決め用壁面に位置決めされた回路基板と、二次電池の封口板と、前記側面壁とによって囲まれる空間が樹脂充填空間となるように構成された金型を用い、
前記樹脂充填対象物を、その回路基板を前記付勢手段で付勢して前記基板位置決め用壁
面に位置決めし、その二次電池を前記電池保持部に収容保持させ、前記基板保持部を付勢手段で付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させた状態で、前記金型内に配置し、前記樹脂充填空間に樹脂を充填して樹脂成形を行うことによって前記中間完成品を得る
ことを特徴とする電池パックの製造方法。 - 一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の樹脂充填空間に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成する電池パックの製造方法であって、
前記金型として、
二次電池を、回路基板に対する離接方向に移動可能に収容保持する電池保持部と、
回路基板の二次電池対向面の両端に当接して回路基板の位置決めを行う左右1対の基板位置決め用壁面、回路基板を前記両端が前記基板位置決め用壁面に当接するように付勢する付勢手段、二次電池の封口板側の両肩部に当接して二次電池の位置決めを行う左右1対の電池位置決め用壁面、および左右1対の基板位置決め用壁面と左右1対の電池位置決め用壁面のそれぞれとを繋ぐ位置決めされた回路基板に直角な方向の側面壁を備えた基板保持部と、
前記二次電池を付勢して、二次電池の前記両肩部を前記電池位置決め用壁面に当接させる付勢手段とを備え、
二次電池の前記両肩部が前記電池位置決め用壁面に当接したときに、前記基板位置決め用壁面に位置決め保持された回路基板と、二次電池の封口板と、前記側面壁とによって囲まれる空間が樹脂充填空間となるように構成された金型を用い、
前記樹脂充填対象物を、その回路基板を前記付勢手段で付勢して前記基板位置決め用壁面に位置決めし、その二次電池を前記電池保持部に収容保持させ、二次電池を付勢手段で付勢して、二次電池の前記両肩部を前記電池位置決め用壁面に当接させた状態で、前記金型内に配置し、前記樹脂充填空間に樹脂を充填して樹脂成形を行うことによって前記中間完成品を得る
ことを特徴とする電池パックの製造方法。 - 一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の樹脂充填空間に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成する電池パックの製造方法であって、
前記金型として、
二次電池を収容保持する電池保持部と、
回路基板の両端を嵌合保持して回路基板の位置決めを行う左右1対の基板位置決め用溝、二次電池の封口板側の両肩部に当接して二次電池の位置決めを行う左右1対の電池位置決め用壁面、および左右1対の基板位置決め用溝と左右1対の電池位置決め用壁面のそれぞれとを繋ぐ位置決めされた回路基板に直角な方向の側面壁を備えた基板保持部と、
前記基板保持部を付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させる付勢手段とを備え、
前記電池位置決め用壁面が二次電池の前記両肩部に当接したときに、前記基板位置決め用溝に位置決めされた回路基板と、二次電池の封口板と、前記側面壁とによって囲まれる空間が樹脂充填空間となるように構成された金型を用い、
前記樹脂充填対象物を、その回路基板を前記基板位置決め用溝に位置決めし、その二次
電池を前記電池保持部に収容保持させ、前記基板保持部を付勢手段で付勢して、前記電池位置決め用壁面を二次電池の前記両肩部に当接させた状態で、前記金型内に配置し、前記樹脂充填空間に樹脂を充填して樹脂成形を行うことによって前記中間完成品を得る
ことを特徴とする電池パックの製造方法。 - 一方面に外部接続端子を形成した回路基板を接続部材により扁平長方形に形成された二次電池の封口板に接続すると共に、回路基板をその他方面が封口板に対向するように間隙を隔てて配置して樹脂充填対象物を形成し、この樹脂充填対象物を二次電池及び回路基板を所定位置に位置決めして金型内に配置し、二次電池と回路基板との間の樹脂充填空間に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品を形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成する電池パックの製造方法であって、
前記金型として、
二次電池を、回路基板に対する離接方向に移動可能に収容保持する電池保持部と、
回路基板の両端を嵌合保持して回路基板の位置決めを行う左右1対の基板位置決め用溝、二次電池の封口板側の両肩部に当接して二次電池の位置決めを行う左右1対の電池位置決め用壁面、および左右1対の基板位置決め用溝と左右1対の電池位置決め用壁面のそれぞれとを繋ぐ位置決めされた回路基板に直角な方向の側面壁を備えた基板保持部と、
前記二次電池を付勢して、二次電池の前記両肩部を前記電池位置決め用壁面に当接させる付勢手段とを備え、
二次電池の前記両肩部が前記電池位置決め用壁面に当接したときに、前記基板位置決め用壁面に位置決め保持された回路基板と、二次電池の封口板と、前記側面壁とによって囲まれる空間が樹脂充填空間となるように構成された金型を用い、
前記樹脂充填対象物を、その回路基板を前記基板位置決め用溝に位置決めし、その二次電池を前記電池保持部に収容保持させ、二次電池を付勢手段で付勢して、二次電池の前記両肩部を前記電池位置決め用壁面に当接させた状態で、前記金型内に配置し、前記樹脂充填空間に樹脂を充填して樹脂成形を行うことによって前記中間完成品を得る
ことを特徴とする電池パックの製造方法。 - 扁平長方形に形成された二次電池の封口板に、一方面に外部接続端子を形成した回路基板を間隙を隔てて配置すると共に、弾性により回路基板を二次電池から離反させる方向に付勢する接続部材により回路基板を二次電池に接続して樹脂対象物を形成し、二次電池の底面から回路基板の外部接続端子の形成面までの寸法を規制した内部空間が形成された金型内に、前記樹脂充填対象物を前記接続部材の付勢に抗して配置し、二次電池と回路基板とを隔てる間隙内に樹脂を充填する樹脂成形を行って二次電池と回路基板とを一体化した中間完成品に形成し、この中間完成品の少なくとも外部接続端子を外部露出させて外装被覆を形成することを特徴とする電池パックの製造方法。
- 二次電池の封口板に回路基板方向にアンダーカット部位を形成して、回路基板との間に充填された樹脂を二次電池に係合させる請求項1〜8いずれか一項に記載の電池パックの製造方法。
- 外装被覆は、中間完成品に対して、回路基板の外部接続端子形成面から二次電池の封口板上までの間を少なくとも外部接続端子を外部露出させて樹脂成形した上部成形部と、二次電池の底面に所定高さに形成した下部成形部と、上部成形部と下部成形部との間を二次電池の短側面でつなぐ連結成形部とを二次成形し、二次電池の側周面と、上部成形部及び下部成形部の側周部の一部と、連結成形部とを被覆してシートを巻着させた請求項1〜8いずれか一項に記載の電池パックの製造方法。
- 二次電池はその横断面形状が長円形に形成され、両端の円弧部にそれを囲む矩形線内に入るように連結成形部を成形する請求項10に記載の電池パックの製造方法。
- 外装被覆は、中間完成品に所定高さ寸法に形成された筒状体又は有底筒状体を被せ、回路基板の外部接続端子形成面側及び/又は二次電池の底面側に形成された開口端に、少なくとも外部接続端子を外部露出させて樹脂を充填成形する請求項1〜8いずれか一項に記載の電池パックの製造方法。
- 外装被覆は、中間完成品の全外周面に対して外部接続端子を含む所定部位を外部露出させて樹脂で被覆するように成形する請求項1〜8いずれか一項に記載の電池パックの製造方法。
- 一次成形及び二次成形に用いる金型内の樹脂充填対象物又は中間完成品から外部露出する活電部位と接触する部位には、絶縁性被覆が施されてなる請求項1〜13いずれか一項に記載の電池パックの製造方法。
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