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JP4306470B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は核磁気共鳴(以下、NMRと略記する)現象を利用して被検体の任意断面を画像表示する磁気共鳴イメージング(以下、MRIと略記する)装置に関し、特にRF受信コイルにて位相エンコードを間引いて取得したエコー信号から再構成される画像に発生する折り返しアーチファクトをRF受信コイルの感度分布を用いて演算により展開する撮影方法において、テーブル移動を活用し被検体とRF受信コイルの相対位置を変えつつエコー信号を取得することにより、アーチファクトの無い3D画像を得ることを可能としたMRI装置に関する。
MRI装置では、位相エンコード量を変えながらシーケンスを繰り返し実行し、1枚の画像再構成に必要なエコー信号を取得する。そのため、画像の撮影時間は繰り返し回数が大きく影響する。
そこで位相エンコード回数を低減することにより撮影時間を短縮する技術の一つとして、複数のRF受信コイルを用いた高速撮影方法が提案されている。この方法では、位相エンコードを間引いてエコー信号の計測を行うことにより繰り返し回数を低減する。通常、位相エンコードを間引いて計測を行うと、再構成画像には折り返しアーチファクトが発生するが、この方法は、各RF受信コイルの感度分布を用いて行列演算を行うことで画像を展開し、折り返しアーチファクトを除去する。これにより、一般的には撮影に用いたRF受信コイルの数分だけ撮影時間を短縮できる。このような画像再構成方法はパラレルMRIと呼ばれ、その詳細が[特許文献1]と[特許文献2]に開示されている。
通常、パラレルMRIに使われるRF受信コイルの例として、複数の受信コイルを用いた「マルチプルRFコイル」もしくは「フェーズドアレイコイル」と呼ばれる技術が用いられている。マルチプルRFコイルとは、相対的に高感度な小型RF受信コイルを複数個並べて、各コイルで取得した信号を合成することより、RF受信コイルの高い感度を保ったまま視野を拡大し、高感度化を図る受信専用RFコイルである。
水平磁場頭部用マルチプルRFコイルの例としては[非特許文献1]があり、また、水平磁場頭部用QDマルチプルRFコイルの例としては、[非特許文献2], [非特許文献3] がある。これらはいずれも小型表面コイルを頭表面上に隣接して張りあわせて構成されている。
垂直磁場頭頚部用マルチプルRFコイルとしては、[非特許文献4]、[非特許文献5]がある。これらは、ソレノイドコイルを一定の距離を隔てて配置している。
水平磁場腹部用QDマルチプルRFコイルとしては、[非特許文献6]、[非特許文献7]がある。これらは小型表面コイルを腹・背面上に隣接して張りあわせて構成されている。
すなわち、これまで提案されているパラレルMRIは、複数のコイルを使い、各コイルの感度分布の違いを使って折り返しアーチファクトを除去する。
"Array Head Coil for Improved Functional MRI"(Christoph Leussler), 1996 ISMRM abstract p.249 " Helmet and Cylindrical Shaped CP Array Coils for Brain Imaging: A Comparison of Signal-to-Noise Characteristics"(H.A. Stark, E.M. Haacke), 1996 ISMRM abstract p.1412 "8-element QD domed head array coil using inductive decoupler" (Tetsuhiko Takahashi, et al), 1998 ISMRM abstract p.2028 "Head-neck quadrature multiple RF coil for vertical magnetic field MRI"(Tetsuhiko Takahashi, Yoshikuni Matsunaga), 1997 ISMRM abstract p.1521 "マルチプルRFコイルにより頭頚部MRIの広視野高感度化"(高橋哲彦、松永良国)、Medical Imaging Technology, vol.15,no.6, pp.734-741(1997) "Four Channel Wrap-Around Coil with Inductive DecoupleRFor 1.5T Body Imaging"(T. Takahashi et al), 1995 ISMRM abstract p.1418 "MRI用高感度ラップアラウンド型RFコイル-誘導デカプラのマルチプルRFコイルへの適用-"電子情報通信学会論文誌、vol.J80-D-II, no.7, pp.1964-1971 (1997)
他方、MRIの高速化撮影を活用して、全身を撮影する手法が公知である。これは、被検体の全身を複数の領域に分割し、それぞれの領域を撮影しては次の領域までテーブルを移動してその領域を撮影する処理を繰り返して被検体の全身を撮像するもので、マルチステーションMRIと呼ばれている。
特にマルチステーションMRIの手法を使用して被検体の全身の血管を撮影する手法はマルチステーションMRAと呼ばれ、たとえば、Gd造影剤を血管注入しながら全身の動脈を画像化する。マルチステーションMRAでは、体幹部、骨盤、下肢をそれぞれ専用のRF受信コイルで被検体を被い、被検体の大動脈弓から下降大動脈を、腹大動脈、大腿動脈と下行し、造影剤が抹消血管、膝下部へボーラス状に流れるのに併せて、腹部を15秒程度で、大腿部を15秒程度で、下腿部を15秒程度で、テーブルを計2回移動し、MRI装置の適切なField of View(FOV)、すなわち適切な静磁場領域、適切な傾斜磁場発生領域、適切なRF送信領域かつ適切なRF受信領域でそれぞれの撮影を行い、各部位での撮影後速やかに(典型的には3.5s〜5sで)テーブル(および被検体)を移動し次の部位の撮影を行う(非特許文献8)。
また、血管撮影でなく、全身の構造画像を撮影する例も報告され(非特許文献9)、2次元撮影については、ムービングテーブル併用のパラレルMRIの手法が開示されている(特許文献1の第7実施例)。
MR angiographyによる画像診断、石田正樹他、画像診断、vol. 23,no.8,pp901-9102003 M. Bock et al. Whole-body MRI: A simple approach using automatic table movement and dedicated post-processing, Proceeding of International Society for Magnetic Resonance in Medicine,2002),(Yodong Zhu et al. Extended field-of-view imaging with table translation and frequency sweeping, Magnetic Resonance in Medicine 49:1106-1112,2003),(DG. Kruger et al. Continuously moving table method for extended FOV 3D MRI, Proceeding of International Society for Magnetic Resonance in Medicine, 2002 特開2002-10992号公報
マルチステーションMRIでは、前述したように、被検体の複数の領域を、その領域の撮影に適当な専用のRF受信コイルを用いて撮影するのが一般的である。この場合、それらのRF受信コイルの感度むらのために、各ステーションにおいて撮影された画像を連結する際に、その接続部において画像の輝度が異なる問題が生じる。
より具体的には、マルチステーションMRIにおいて、RF受信コイルと隣接するRF受信コイルの間に感度差があると、各画像を接続して表示したときに接続近傍で画像の輝度がむらになる問題がある。この問題は、各ステーションにおいて3D撮影を行う場合に顕著となる。つまり、3D撮影の場合は、各RF受信コイルの感度むらが3次元的に生じるので、連結される隣接ステーション画像の間の輝度むらがスライス毎に異なってしまう。そのため、画像を連結する際にスライス毎の調整が必要になり、操作者にとっては非常に面倒で手間のかかる処理となってしまう。
また、一般的に3D撮影は2D撮影よりも撮影時間が延長してしまう。そのため、特に造影剤を使用するマルチステーションMRAの場合には、速やかに各部位(ステーション)の撮影をしないと造影剤が抹消に流れきってしまうので、各ステーションでの高速撮影とテーブルのスムースな移動が望まれる。
以上をまとめると、テーブルを動かしながら3D撮影を繰り返すマルチステーションMRIにおいて、RF受信コイルなどに起因する再構成画像の輝度むらを撮影時間の実質的延長なしに低減する課題がある。
そこで本発明は、3DマルチステーションMRIにおける上記課題を解決するためになされたものであり、3DマルチステーションMRIにおいて、各ステーションの画像を連結する際に、画面の輝度むらを低減することを目的とする。さらに、各ステーションでの3D撮影の高速化と全体の撮影時間を短縮することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のように構成される。即ち、
被検体が配置される均一静磁場空間を発生する静磁場発生手段と、
前記被検体からの核磁気共鳴信号を受信するRF受信コイルと、
前記被検体を載置して移動させるテーブルと、
少なくとも位相エンコードを間引いて前記核磁気共鳴信号を計測して間引きk空間データを取得する計測手段と、
前記間引きk空間データと、前記RF受信コイルの受信感度分布データと、を用いて折り返しの無い画像を取得する画像再構成手段と、
前記テーブル移動と前記間引き計測と前記画像再構成の実行を制御する制御手段と、
を備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記RF受信コイルは、一つであって前記均一静磁場空間内に位置不動に配置され、
前記計測手段は、前記被検体の所望の部位が前記一つのRF受信コイルに対して、第1の相対位置にあるときに間引き計測して第1の間引きk空間データを取得し、第2の相対位置にあるときに間引き計測して第2の間引きk空間データを取得し、
前記画像再構成手段は、前記第1の間引きk空間データと、前記第2の間引きk空間データと、前記一つのRF受信コイルの感度分布データと、から前記所望の部位に関する折り返しの無い画像を取得する。
この実施態様によれば、一つのRF受信コイルのみを用いて、被検体とRF受信コイルとの相対位置が異なる事に基づいて仮想的に発生する、被検体から見たRF受信コイルの受信感度分布の差異を利用して、画像上に発生する折り返しを展開するパラレルMRIを適用することが出来る。このため、3DマルチステーションMRIにおいて、合成画像上の輝度むらを撮影時間の実質的延長なしに低減することができるようになる。
本発明の好ましい第2の実施態様は、前記第1の実施態様のMRI装置において、前記計測手段は、スライスエンコードを付与して3次元の核磁気共鳴信号を計測して、前記第1及び第2の相対位置において、それぞれ第1及び第2の間引き3次元k空間データを取得し、
前記画像再構成手段は、前記第1の間引き3次元k空間データと、前記第2の間引き3次元k空間データと、前記一つのRF受信コイルの感度分布データと、から前記所望の部位に関する折り返しの無い3次元画像を取得する。
また、本発明の好ましい第3の実施態様は、前記第2の実施態様のMRI装置において、前記計測手段は、前記スライスエンコードの少なくとも1ステップ毎に前記テーブルを移動させて前記間引き計測を行い、
前記画像再構成手段は、前記被検体の移動方向の座標を揃えて前記スライスエンコード方向にフーリエ変換して、前記折り返しの無い3次元画像を取得する。
れらの実施態様によれば、テーブル移動に伴う撮影のデットタイムを少なくすることができる。このため、3DマルチステーションMRIにおいて、全体の撮影時間を短縮することができ、被検体の負担を低減することができる。
以上説明したように、本発明によれば、3DマルチステーションMRIにおいて、従来のRF受信コイルと隣接するRF受信コイルの間の感度差に基づく連結画像上の輝度むらを撮影時間の実質的延長なしに低減することができる。そのため、操作者においては、各ステーションの画像を連結する際に画像間の輝度むらを調節する必要がなくなり、被検者においては、全体の撮像時間が短縮されるので、双方の負担が低減されることになる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明が適用されるMRI装置の一実施例のブロック図を図7に示す。図7のMRI装置は、磁石402と、傾斜磁場コイル403と、RF送信コイル404と、RF受信コイル405を有する。
磁石402は、被検体401の周りの空間にその体軸方向(水平磁場方式)または体軸と直交する方向(垂直磁場方式)に均一な静磁場を発生させるもので、常電導方式、超電導方式、あるいは永久磁石方式の静磁場発生源を被検体401の周りに配置して静磁場を発生する。
傾斜磁場コイル403は、X,Y,Zの3軸方向にそれぞれ独立に傾斜磁場を発生するコイルであって、後述の制御部411からの制御に従って、それぞれのコイルを駆動する傾斜磁場電源409から電流の供給を受けて、X,Y,Zの3軸方向の傾斜磁場Gx,Gy,Gzを被検体401に印加する。より具体的には、X,Y,Zのいずれかの1方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体401に対するスライス面を設定し、残り2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
制御部411は、高周波磁場パルス(以下、RFパルスと略記する)と傾斜磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段で、被検体401の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を傾斜磁場電源409、RF送信部410、信号検出部406に送る。本発明を適用したMRI装置の制御部411は、さらにテーブルの移動をパルスシーケンスに連動して制御する。
RF送信部410は、被検体401の生体組織を構成する原子の原子核スピンにNMR現象を誘起するためにRFパルスを照射するもので、制御部411からの指令によるタイミングでRF送信部410から出力された高周波パルスを被検体401に近接して配置されたRF送信コイル404に供給することにより、RFパルスが被検体401に照射される。
信号検出部406は、被検体401の生体組織を構成する原子核スピンのNMR現象により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、RF送信コイル404から照射されたRFパルスよって誘起される被検体401の応答のエコー信号が、被検体401に近接して配置されたRF受信コイル405で検出される。
信号処理部407は、信号検出部406からのエコー信号に対して信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体401の画像を表示部408に出力すると共に、ハードディスクや光磁気ディスクなどの外部記憶装置(図示省略)に出力する。
テーブル412は被検体が横たわるためのものである。制御部411に制御されて、テーブル412は被検体401の頭頂−足(H-F)方向(図中矢印413)に移動可能で、パルスシーケンスの実行との整合を取りつつ、被検体401の位置をH-F方向に移動させる。本発明を適用したMRI装置においては、RF受信コイル405の位置は撮影空間内に固定されて、テーブルとともにH-F方向に移動せず、被検体401はRF受信コイル405の内側をくぐって移動する。
現在MRIの撮影対象は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質、プロトンである。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和現象の空間分布を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、血管(決営、血流)などの機能を2次元もしくは3次元的に撮影する。
次に、前述のMRI装置におけるエコー信号検出から画像再構成の流れを説明する。図6はその一例である。図6では、RF受信コイル405がコイル部301とプリアンプ302からなり、コイル部301で検出したエコー信号をプリアンプ302で増幅して出力する。このプリアンプ302はなるべくコイル部301に近い位置に配置されることが望ましい。信号検出部406は、1個のAD変換・直交検波回路303が並列してなり、前記プリアンプ302からの出力が接続されている。この信号検出部406において、増幅されたエコー信号がAD変換によりデジタル量に変換され、直交検波により直交する二系統の信号に分割されて複素エコーデータ(以下、単にエコーデータと略記する)に変換される。信号処理部407では、エコーデータをフーリエ変換(304)により、被検体401の画像を再構成する。さらに、この画像データを必要に応じて演算する演算部305を備える。本発明を適用したMRI装置では、この演算部305で、後述するパラレルMRIに必要な各種演算を行う。
次に、3D(3次元)撮影方法を説明する。本実施例に用いられる典型的なパルスシーケンスとして、一般的な3Dグラディエントエコーシーケンスの一例を図9に示す。図9に示すパルスシーケンスにおいて、601は高周波パルス、602はスライス選択傾斜磁場パルス、603はスライスエンコード傾斜磁場パルス、604は位相エンコード傾斜磁場パルス、605は周波数エンコード傾斜磁場パルス、606はエコー信号、607はエコー時間TE、608は繰り返し時間(601の間隔)TRである。
3D撮影においては、繰り返し時間608毎にスライスエンコード傾斜磁場パルス603と位相エンコード傾斜磁場パルス604の印加量(傾斜磁場パルス波形と時間軸との囲む面積)を変え、異なるスライスエンコードと位相エンコードをエコー信号606に与え、それぞれのエンコードで得られるエコー信号606を検出する。この操作を2つのエンコードの数だけ繰り返し、繰り返し時間608とエンコード数の掛け算で決まる画像取得時間で1枚の3D画像再構成に必要なエコー信号を取得する。スライスエンコードと位相エンコードの数は通常1枚の3D画像あたり32,64,128,256,512等の値の組み合わせが選ばれる。各エコー信号は通常128,256,512,1024個のサンプリングデータからなる時系列信号として得られる。これらのデータを3次元フーリエ変換して3D画像を再構成する。
次に、パラレルMRIについて説明する。本発明では、位相(もしくはスライス)エンコードステップ間隔を一定の割合で間引くことによって、パルスシーケンスの繰り返し回数を減らして撮影時間を短縮する公知のパラレルMRIの手法を用いる。この間引きは、スライスエンコード又は位相エンコードのいずれか一方又は両方に対して適用可能であるが、以下の説明では位相エンコードに対して間引きを適用する例を説明する。図5に3D撮影において位相エンコードを間引くパラレルMRIの一例の概念図を示す。
図5(a)は、位相エンコードを間引かない通常撮影の場合であり、各位相/スライスエンコード量で計測したエコーデータ群202(2021〜2027)を3次元k空間(周波数エンコード方向をKx、位相エンコード方向をKy、スライスエンコード方向をKzとする)に配置して3D画像1枚分のエコーデータ201とする。これをフーリエ変換した後の任意スライスの画像206が図5(c)であり、折り返しアーチファクトが発生せずに画面(FOV)内に例えば円形ファントムの全体画像が描画される。
一方、位相エンコードステップ間隔を2倍にし、エコーデータの計測を間引いた場合を図5(b)に示す。この場合では、位相エンコード方向(Ky)の1ラインおきにエコーデータ204(2041〜2043)を計測し、205(2051〜2054)の位置に相当する位相エンコードのエコーデータは計測しない。こうして計測したエコーデータの量は半分になるので、マトリクスを半分にして画像を再構成すると、図5(d)のように位相エンコード方向のFOVが半分になって、FOV内に収まらなくなった両端の部分が反対側に折り返された画像208が得られる。つまり、この折り返しは、通常画像(図5(c))の上側2071と下側2072がそれぞれ2092と2091の領域で重なって生じる。
この画像上の折り返しは、[非特許文献13]に開示された公知の信号処理(行列演算)を用いて展開して除去することができる。この方法では、受信感度分布の異なる複数のRF受信コイルの受信感度分布を事前に計測するなどして参照データとして求めておき、位相エンコードを間引いてRF受信コイル毎に計測した折り返しの有るエコーデータを、先に求めたRF受信コイル毎の受信感度分布を用いて行列演算により、折り返しを展開して除去する。
このような異なる受信感度分布を持つ複数のRF受信コイルを用いた高速撮影では、原理的には用いたコイルの数Nの分だけ各撮影の位相エンコード数を削減できる。つまり、位相エンコード数を(1/N倍)にすることができる。
ここで、折り返し除去の行列演算例を図8に基づいて下記に示す。図8及び下記の説明では、簡単のため受信感度分布の異なる2つのエレメントコイルを用いた場合を説明する。まず、撮影視野を2つのRF受信コイルに割り当てて、それぞれ、FOV1,FOV2とし、m1,m2をエレメントコイル番号とすると、以下の関係があることが知られている。
i,j1=Ai,j 11・mi,j 1+Ai,j 12・mi,j 2 (1)
i,j 2=Ai,j 21・mi,j 1+Ai,j 22・mi,j 2 (2)
ただし、Si,j 1はエレメントコイル1から計算される画像、Ai,j 11はFOV1内のエレメントコイル1の受信感度分布、mi,j 1はFOV1内の磁化分布、Ai,j 12はFOV2内のエレメントコイル1の受信感度分布、mi,j 2はFOV2内の磁化分布、Si,j 2はエレメントコイル2から計算される画像、Ai,j 21はFOV1内のエレメントコイル2の感度分布、Ai,j 22はFOV2内のエレメントコイル2の感度分布である。ここで、S,m,Aは、FOV1,FOV2のマトリックスサイズに等しい行列である。また、i,jは空間座標である。そこで、撮影視野FOV毎の相対コイル感度分布C1,C2
i,j 1=Ai,j 21/Ai,j 11 (3)
i,j 2=Ai,j 12/Ai,j 22 (4)
と定義すると、上記式(1)〜(4)から行列計算により次式(5),(6)を得る。
i,j 1・Ai,j 11=(Si,j1−Si,j 2・Ci,j 2)/(1−Ci,j 1・Ci,j 2) (5)
i,j 2・Ai,j 22=(Si,j2−Si,j 1・Ci,j 1)/(1−Ci,j 1・Ci,j 2) (6)
式(5)及び(6)の左辺は、エレメントコイルの受信感度分布で重みづけされた磁化分布となる。式(5),(6)の画像を併置することで、折り返しの無い全体画像が得られる。
上記式(1)〜(6)の説明は、簡単のため2コイルで2倍速の場合の例で示したが、このような考え方が2倍速3コイル、2倍速4コイルにも拡張することができる。
次に、従来のマルチステーションMRIについて図3,4に基づいて説明する。図3(a)は、被検体の腹部、大腿部、下腿部を3ステーションで撮影する従来例を示す模式図である。被検体101はテーブル上に固定されテーブルとともにy方向に移動する。MRI装置の静磁場中心は106の線上であるとする。
撮影は3ステーションで行う。つまり、最初に撮影1で腹部102を、次に撮影2で大腿部103を、最後に撮影3で下腿部104を撮影する。その際、大腿103と下腿部104の撮影では、その前にテーブル412を移動して、撮影FOV121をそれぞれ大腿103と下腿部104に一致させる。
RF受信コイル405の受信感度分布は、磁場中心の周りに対象に分布している。RF受信コイル405の位置はテーブルとともに動くが、各撮影部位にそれぞれRF受信コイル405が設置される。つまり、腹部102の撮影には腹部用のRF受信コイル405-1を用い、大腿部103の撮影には大腿部用のRF受信コイル405-2を用い、下腿部104の撮影には下腿部用のRF受信コイル405-3を用いる。図3(b)にこれらRF受信コイル405群の各受信感度分布(107-1〜107-3)を示す。
テーブル移動とともに図示してないスイッチにより切り替えて撮影FOV121に対応するRF受信コイル405を選択して撮影する。なお、それぞれの撮影における感度範囲122と被検体位置123と撮影FOV121は図3に示す通りである。
あるいは、RF受信コイル405を1つとして、テーブルが移動してもそれに伴って移動することは無く、常に静磁場中心106上に位置する様に固定し、装置座標系で定位置にあるようにしても良い。
最初のステーションである撮影1では、MRI装置の撮影領域に被検体の腹部102が一致しており、腹部102が撮影FOV121となる。この位置で腹部102の3次元撮影を行う。撮影視野は、例えば30cm、厚さ15cmである。読み出し方向はx、位相エンコード方向はy、スライスエンコード方向はzである。撮影マトリクスは、256(x)x256(y)x64(z)である。256(位相エンコード)x64(スライスエンコード)個のエンコードの信号を取得すると、この位置の画像再構成を行う。再構成後の画像は、被検体の冠状断面(COR)画像でスライス方向はAP(Anterior-Posterior)であるが、RF受信コイル405-1の受信感度分布も画像に反映される。RF受信コイル405-1の典型的な受信感度分布は、被検体に固定した座標系(X,Y,Z)でY方向にプロットすると、107-1のようである。本従来例では、説明を簡単にするため、z方向の感度分布はほぼ均一であるとする。撮影時間は、TRx(位相エンコード数)x(スライスエンコード数)である。
次に、テーブルを30cm、y方向頭頂側に移動させ撮影2を行う。撮影2では、MRI装置の撮影FOV121に被検体の大腿部103が一致している。この位置で、上記と同様に大腿部103の3次元撮影を行う。再構成後の画像に反映されるRF受信コイル405-2の受信感度分布は、107-2のようである。なお、図示はしていないが、FOVと移動距離を調整して、第1の画像と第2の画像は被検体上で例えば3cm程度オーバーラップさせても良い。
最後に、テーブルを更に30cm移動させ、MRI装置の撮影FOV121を被検体の下腿部104に一致させ、撮影3を行う。この位置で、上記と同様に下腿部104の3次元撮影を行う。再構成後の画像に反映されるRF受信コイル405-3の受信感度分布は、107-3のようである。第2の画像と第3の画像は被検体上で例えば3cm程度オーバーラップさせても良い。
以上の様にして得られた3枚の画像を、被検体に固定した座標系(X,Y,Z)でY方向に連結して下肢全体の画像を得る。全体画像の輝度分布は、図示のように3個の山が連なったようになり、連結部分での感度低下が顕著である。このような感度むらは画像においてシェーディング(輝度むら)を引き起こす。このようなシェーディングはシェーディング補正などのポストプロセスによりある程度均一に戻すことは可能であるが、信号低下部分のSN比を本質的に改善するものではない。
図4(a)は、同じく被検体の腹部、大腿部、下腿部を5ステーションで撮影する例であり、従来例をもとに上記感度むらを低減した方法を示す模式図である。ただし、図4(a)はRF受信コイル405を1つとして、テーブルが移動してもそれに伴って移動することは無く、常に静磁場中心106上に位置する様に固定し、装置座標系で定位置にあるようした例を示す。また、図4(b)にRF受信コイル405の実質的な受信感度分布を示す。
最初のステーションである撮影1では、MRI装置の撮影FOV121に被検体の腹部102が一致している。この位置で、腹部102の3次元撮影を行う。撮影FOV121は、例えば30cm、厚さ15cmである。読み出し方向はx、位相エンコード方向はy、スライスエンコード方向はzである。撮影マトリクスは、256(x)x256(y)x64(z)である。256(位相エンコード)x64(スライスエンコード)個のエンコードの信号を取得すると、この位置の画像再構成を行う。再構成後の画像は、被検体の冠状断面(COR)画像でスライス方向はAP(Anterior-Posterior)であるが、RF受信コイルの受信感度分布も反映する。RF受信コイルの典型的な受信感度分布は107-1のようである。
次に、テーブルを15cm、y方向頭頂側に移動させ撮影2を行う。撮影2では、MRI装置の撮影FOV121は被検体の腹部102と大腿部103の中間の位置に一致している。この位置で、上記と同様にこの中間領域の3次元撮影を行う。再構成後の画像に反映されるRF受信コイルの受信感度分布は、107-2のようである。
以下順次、テーブルを15cm移動させ撮影を繰り返し、撮影5では、MRI装置の撮影FOV121に被検体の下腿部104を一致させる。こうして得られた再構成後の画像に反映されるRF受信コイルの受信感度分布は、107-5のようである。なお、それぞれの撮影における感度範囲122と被検体位置123と撮影FOV121は図4に示す通りである。
以上の様にして得られた5枚の画像を、被検体に固定した座標系でY方向に接続して下肢全体の画像を得る。全体画像の輝度分布は、図示のように5個の山が連なったようになり、接続部分での感度低下が軽減される。こうして感度むらはほぼ均一に戻すことは可能であるが、この方法では、撮影回数が5回になり、図3の場合の5/3倍に撮影時間が延長する。
なお、感度がオーバーラップした領域の信号は、画素毎に各信号値を2乗和のルートにすることで、S/Nを向上できる(square sum法)。
次に本発明について説明する。本発明は、3次元マルチステーションMRIにおいて、複数のRF受信コイルを用いることなく、1チャンネル全身RF受信コイルのみを用いて、テーブル移動も撮影FOVの1/2ずつ移動して同一撮影FOVあたり2回の撮影を行う。これにより、撮影FOVに対応する被検体の位置は変わらない。しかし、RF受信コイルの位置をMRI装置座標系で固定としているので、被検体に固定した座標(被検体座標)から見ると、RF受信コイルの感度分布はテーブルの移動方向にFOV/2移動することになる。したがって、被検体座標で見ると、それぞれの撮影において同じ撮影FOVを異なる受信感度分布をもつ2つのRF受信コイルで撮影されたことになる。この効果を利用して、各撮影においてパラレルMRIの手法を適用してスライスエンコード又は位相エンコードの回数を間引いて撮影時間を短縮すると共に、テーブル移動量を小刻みにすることによってRF受信コイルの実質的な感度むらを低減して、各画像を連結して合成画像を得る際の輝度むらを低減する。
なお、同一撮影FOVにおける第2回目の撮影に使う受信感度分布は、第1回目の撮影に用いた受信感度分布をFOV/2だけテーブル移動方向にずらして得られるので再計測は不要である。
ここで、テーブル移動に伴って一つのRF受信コイルの受信感度分布が被検体座標からみて実質的に異なるように見える効果によって、パラレルMRIにおいて折り返し除去が可能であることを、以下に説明する。(1)と(2)式において、各変数を以下のよう定義し直す。
Si,j 1 :テーブル位置1のとき、RF受信コイルの受信感度分布1から計算される画像
mi,j 1 :テーブル位置1のとき、FOV1内の被検体の磁化分布
Ai,j 11 :テーブル位置1のとき、FOV1内のRF受信コイルの受信感度分布1
Ai,j 12 :テーブル位置1のとき、FOV2内のRF受信コイルの受信感度分布1
Si,j 2 :テーブル位置2のとき、RF受信コイルの受信感度分布2から計算される画像
mi,j 2 :テーブル位置2のとき、FOV2内の被検体の磁化分布
Ai,j 21 :テーブル位置2のとき、FOV1内のRF受信コイルの受信感度分布2
Ai,j 22 :テーブル位置2のとき、FOV2内のRF受信コイルの受信感度分布2
このような置き換えによっても同じように(5),(6)式を導くことができるので、本発明が実施可能であることが理解できる。なお、以上の本発明の説明では、同一撮影FOVあたり2回の撮影を行い、撮影間で撮影FOV/2だけテーブルを移動する場合を示したが、同一撮影FOVあたりN(≧3)回の撮影を行い、撮影間で撮影FOV/Nだけテーブルを移動してパラレルMRIを行うことも可能である。この場合は、RF受信コイルの実質的感度むらをさらに低減することができるので、連結された合成画像における輝度むらをさらに低減することができる。一方、撮影時間が2回の場合と比較して延長する。
次に、上記本発明の第1の実施形態を説明する。この第1の実施形態は、各ステーションにおいてパラレルMRIによる撮影を3次元で行い、各ステーションで得られる画像を連結して合成画像を得ることを、撮影時間の延長無く且つ前述の輝度むらを低減しておこなう形態である。
この第1の実施形態の一実施例を、図1を使って詳述する。図1の実施例は、図1(a)に示す様に被検体の腹部、大腿部、下腿部を3ステーションでそれぞれ3次元撮影する際に、撮影FOV121を2分割して1/2ずつテーブルを移動しながらパラレルMRIを適用することにより全体の撮像時間を1/2に短縮する実施例である。
本実施例では、垂直磁場方式のMRI装置において1チャンネル全身RF受信コイル405を用いる。典型的には、被検体の頭部(H)−足(F)方向(つまりy方向)に開口部が開いた1ターンのソレノイドコイル(すなわちループコイル)である。
静磁場の向きは垂直(z)方向でその強度は例えば0.7Tとする。この場合、プロトンの共鳴周波数は約29.8MHzとなり、この高周波磁場はxy平面上の回転磁場となる。
RF受信コイル405はプロトンの共鳴周波数で並列共振する様に設計されたソレノイドコイルであり、回転磁場のうちy方向の成分を検出する。一般に、RF受信コイルの直径と感度のy方向の領域(例えば最大感度の1/2の感度までを含む領域として定義する)のは略等しいことが知られている。例えば、RF受信コイル405の直径が30cmであれば、感度領域も約30cmと考えてよい。また、最大感度はRF受信コイル405が含まれる平面に存在する。
前述した図7のMRI装置の一例において本実施例は、例えば、テーブル412の移動と撮影の制御は制御部411で行われ、折り返し展開処理を含む画像再構成処理と各ステーション画像の合成処理は信号処理部407で行われ、RF受信コイルの受信感度分布と各ステーションで取得される計測データと各ステーション画像と連結合成画像の記憶は外部記憶装置に記憶される。
本実施例では、RF受信コイル405は、前述のマルチステーションMRIの従来例と異なり、磁場中心から頭頂側に15cm偏在している。
撮影1では、MRI装置の撮影FOV121に被検体の腹部102が一致している。この位置で、腹部102の3次元撮影を行う。撮影FOV121は、例えば30cm、厚さ15cmである。読み出し方向はx、位相エンコード方向はy、スライスエンコード方向はzである。撮影マトリクスは、256(x)x256(y)x64(z)である。ただし、実際に取得するエコーデータは位相エンコードを1つ飛ばしに間引き、128個の位相エンコードのエコーデータを取得する。その結果、再構成画像は位相エンコード方向(y)の視野(FOV)が半分(すなわち15cm)で折り返しを含む画像となる。この再構成後の画像は、被検体の冠状断面(COR)画像でスライス方向はAP(Anterior-Posterior)である。撮影時間は、TRx(位相エンコード)x(スライスエンコード)なので、通常撮影の1/2になる。撮影1の画像データは、例えば外部記憶装置に一時記憶される。
次に、テーブルを15cm、y方向頭頂側に移動させ撮影2を行う。撮影2では、MRI装置の撮影FOV121も15cmだけy方向頭頂側に移動させる。したがって、撮影1と同様に、撮影部位は被検体の腹部102に一致している。ただし、RF受信コイル405の位置は不変なためは、撮影1と異なり、撮影FOV121の足側である。この位置で、上記と同様に腹部102の3次元撮影を位相エンコードを間引いて行う。この再構成画像は、位相エンコード方向(y)の視野(FOV)が半分(すなわち15cm)で折り返しを含む画像となる。この撮影時間も、TRx(位相エンコード)x(スライスエンコード)なので、通常撮影の1/2になる。撮影2の画像データは、例えば外部記憶装置に一時記憶される。
撮影1のデータ1と撮影2のデータ2は、被検体の撮影部位が同じで、どちらも位相エンコード方向に折り返しがあり、かつ撮影1では、RF受信コイル405の受信感度分布が頭頂側に偏在し、撮影2ではRF受信コイル405の受信感度分布が足側に偏在している。したがって、事前にRF受信コイル405の受信感度分布を取得しておけば、前述の折り返し除去アルゴリズムで折り返しを除去することができる。そうして得る折り返しなしの腹部撮影の受信感度分布は、図1(b)に示すように撮影1の感度分布107-1と撮影2の感度分布107-2を合成した受信感度分布となり、これは、図4(b)と同様に感度むらが低減される。一方、撮影時間については、撮影1と撮影2の双方とも、位相エンコード量が半減しているので、2回の撮影を行っても、図3の1回の撮影時間とほぼ等しくなる(厳密には、テーブルの移動時間、3.5s程度の延長はある)。
以下順次、テーブルを15cm移動させ撮影を繰り返し、撮影3と4から大腿部103の折り返しの無い画像(撮影3の感度分布107-3と撮影4の感度分布107-4を合成した受信感度分布を持つ)を、撮影5と6から下腿部104の折り返しの無い画像(撮影5の感度分布107-5と撮影6の感度分布107-6を合成した受信感度分布を持つ)を得る。なお、撮影3,5において撮影FOV121を-15cm、y方向足側に戻して撮影1と同様とし、撮影4,6において撮影FOV121を15cm、y方向頭頂側に移動させて撮影2と同様とする。撮影3〜6の画像データは、例えば外部記憶装置に一時記憶される。
こうして得られた3枚の画像を、例えば外部記憶装置から取り出し、被検体に固定した座標系でY方向に連結して下肢全体の画像を得る。全体の合成画像の輝度分布は、図示のように6個の山が連なったようになり、連結部分での感度低下が軽減される。こうして感度むらはほぼ均一に戻すことは可能であり、かつ、この方法では撮影回数が6回であるが、各撮影の時間が半減するので、従来と同等の時間で撮影が可能となる。
なお、それぞれの撮影における感度範囲122と被検体位置123と撮影FOV121は図1(a)に示す通りである。
次に本発明の第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態は、第1の実施形態においてさらにスライスエンコードのステップ毎にテーブルを小刻みに移動することによって、テーブル移動に伴う撮影のデッドタイムを少なくする形態である。
この第2の実施形態の一実施例を、図2を使って詳述する。図2の実施例は、図2(a)に示す様にスライスエンコードが4の場合を示している。ただし、本発明は4以外の場合にも適用可能である。
テーブル412と撮影FOV121をスライスエンコード毎に少しずつずらしている。つまり、各ステーションでの3D撮影においては、スライスエンコード毎にテーブル412と撮影FOV121は連動して頭頂方向に同じ間隔だけ移動する。図2(a)では、撮影1,2で第1ステーションの3D撮影をそれぞれ行っており、スライスエンコード毎にテーブル412と撮影FOV121が共に撮影FOV121の(1/8)だけ移動している。そして、次のステーションである第2ステーションの撮影3において、撮影FOV121を元の位置(撮影1のスライスエンコード1の位置)に戻し、これ以降、撮影1,2と同様の移動を繰り返す。
このような撮影では、スライスエンコード毎に2次元撮影と同じ方法で折り返し除去を行う
図2(a)では、撮影1,2のスライスエンコード1の2つの計測データからスライスエンコード1における折り返しの無い2次元画像を再構成し、撮影1,2のスライスエンコード2の2つの計測データからスライスエンコード2における折り返し無い2次元画像を再構成する。以下、同様にスライスエンコード3,4における折り返しの無い2次元画像をそれぞれ再構成する。
このとき用いるRF受信コイル405の受信感度分布は、取得したスライスエンコード量と同じエンコード量を印加して取得した受信感度分布を用いても良い。もしくは、全スライスエンコードのデータに対して、スライスエンコードを印加していない状態で取得した受信感度分布を各スライスエンコードにおいて共通して用いても良い。いずれにしても、この場合、スライスエンコード毎には撮影FOV121の位置が異なるが、同一スライスエンコードの撮影1と撮影2では撮影FOV121が等しくなるので、折り返し除去アルゴリズムは2次元と同様の考えを適用できる。
そして、各スライスエンコードについて折り返し除去後に、スライスエンコード方向に対して、フーリエ変換を行う。このフーリエ変換では、y(位相エンコード)方向に同一アドレスのデータを用いることにより、スライスエンコード間での位置ずれの影響を無くすことができる。
本実施例では、テーブルの動きがスライスエンコード毎となり小さい刻みになるのでテーブル移動に伴う撮影のデッドタイムが少なくなる特徴がある。すなわち、スライスエンコード毎にテーブル移動する際のテーブル移動距離は、撮影FOV/(2・スライスエンコード数)となる。また、nスライスエンコードごとにテーブルを移動する場合、n・撮影FOV/(2・スライスエンコード数)となる。このような、nスライスエンコードごとにテーブル送りする場合、各ステップ内でのスライスエンコードの印加の仕方は、第1ステップで1,n+1,2n+1,3n+1,…,第2ステップで2,n+2,2n+2,3n+2,…と印加しても良い。もしくは第1ステップで、1,2,3,…k:(ここでk=全スライスエンコード数/n), 第2ステップでk+1, k+2, k+3,…2k,…,と印加しても良い。
また簡単のため、図2では、撮影は2回のみの場合を示しているが、例えば図1の場合と同様に、更に複数回繰り返し広い領域を撮影することも可能である。特に図1と同様の場合の受信感度分布は、ほぼ図1(b)と同じく図2(b)のグラフのとおりである。ただしこの例では、スライス方向の受信感度分布がさらに異なるので、画像の均一性はさらに良くなると考えられる。
前述した図7のMRI装置の一例において本実施例は、第1の実施形態の実施例と同様に、例えば、テーブル412の移動と撮影の制御は制御部411で行われ、折り返し展開処理を含む画像再構成処理と各ステーション画像の合成処理は信号処理部407で行われ、RF受信コイルの受信感度分布と各ステーションで取得される計測データと各ステーション画像と合成画像の記憶は外部記憶装置に記憶される。
なお、上記第2の実施形態におけるスライスエンコード毎のテーブル移動に関しては、パラレルMRIの方法を適用しなくても、通常の3次元撮影の場合にも適用することができる。この場合、通常の3次元撮影をスライスエンコード毎にテーブルを少しずつずらしながら行う。そして、ステーション毎の3次元画像を連結して全体の合成画像を取得することになる。
また、上記実施例では、RF受信コイル405は、簡単のため、1つのループコイルとしたが、これを、マルチプルアレイコイルとしても良い。その場合の信号合成方法は、SNを向上させるための公知のsquare sum法を使うことができる。また、マルチプルアレイコイルの信号を位相のみ合わせて単純加算すれば、擬似的なQD検出にもなる。さらに、マルチプルアレイコイルを使って、スライスエンコード方向にパラレルMRIを適用しても良い。
以上は、本発明の実施形態を2つ説明したが、本発明のMRI装置は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記実施例の説明では、垂直磁場方式のMRI装置に本発明を適用した場合を説明したが、垂直磁場方式のMRI装置に限らず水平磁場方式のMRI装置にも本発明を適用することができる。ただし、受信感度分布が水平磁場方式に適合するようにRF受信コイルの形状を対応する必要がある。また、上記実施例では3ステーションの場合を説明したが、これに限らず2又は4以上のマルチステーションMRIに対しても同様に本発明を適用することができる。
本発明の第1の実施形態の実施例を示す図。 本発明の第2の実施形態の実施例を示す図。 マルチステーションMRIの従来の実施例(3回計測の場合)を示す図。 マルチステーションMRIの従来の実施例(5回計測の場合)を示す図。 画像の折り返し説明する図。 本発明が適用されるRF受信コイルの信号検出部を示す図。 本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示す図。 本発明が適用される信号演算の補足説明図。 一般的なグラディエントエコーのシーケンスを説明する図。
符号の説明
401 被検体、402 磁石、403 傾斜磁場コイル、404 RF送信コイル、405 RF受信コイル、406 信号検出部、407 信号処理部、408 表示部、409 傾斜磁場電源、410 RF送信部、411 制御部、412 テーブル、413 頭頂-足(H-F)方向

Claims (6)

  1. 被検体が配置される均一静磁場空間を発生する静磁場発生手段と、
    前記被検体からの核磁気共鳴信号を受信するRF受信コイルと、
    前記被検体を載置して移動させるテーブルと、
    少なくとも位相エンコードを間引いて前記核磁気共鳴信号を計測して間引きk空間データを取得する計測手段と、
    前記間引きk空間データと、前記RF受信コイルの受信感度分布データと、を用いて折り返しの無い画像を取得する信号処理手段と、
    前記テーブル移動と前記間引き計測と前記画像再構成の実行を制御する制御手段と、
    を備え
    前記RF受信コイルは、一つであって前記均一静磁場空間内位置不動に配置され、
    前記計測手段は、前記被検体の撮影FOVが前記一つのRF受信コイルに対して、第1の相対位置にあるときに間引き計測して第1の間引きk空間データを取得し、第2の相対位置にあるときに間引き計測して第2の間引きk空間データを取得し、
    前記信号処理手段は、前記第1の間引きk空間データと、前記第2の間引きk空間データと、前記一つのRF受信コイルについての、前記第1の相対位置での感度分布データと前記第2の相対位置での感度分布データと、から前記撮影FOVに関する折り返しの無い画像を取得する磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記計測手段は、同じ撮影FOVの撮影に際して、前記第1の相対位置での撮影FOVの位置と前記第2の相対位置での撮影FOVの位置とを、前記均一静磁場空間に対して異ならせることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記計測手段は、スライスエンコードを付与して3次元の核磁気共鳴信号を計測して、前記第1及び第2の相対位置において、それぞれ第1及び第2の間引き3次元k空間データを取得し、
    前記信号処理手段は、前記第1の間引き3次元k空間データと、前記第2の間引き3次元k空間データと、前記一つのRF受信コイルの感度分布データと、から前記撮影FOVに関する折り返しの無い3次元画像を取得することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記計測手段は、前記スライスエンコードの少なくとも1ステップ毎に前記テーブルを移動させて前記間引き計測を行い、
    前記信号処理手段は、前記被検体の移動方向の座標を揃えて前記スライスエンコード方向にフーリエ変換して、前記折り返しの無い3次元画像を取得することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記計測手段は、前記第1の相対位置と前記第2の相対位置とで、前記撮影FOVで撮影する被検体の撮影部位が同じになるように、該撮影FOVの位置を移動させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記計測手段は、前記撮影FOVの位置の移動量を、該撮影FOVの移動方向のサイズより少なくすることを特徴とすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記被検体を複数のステーションに分割して、各ステーションを撮影する場合に、
    前記撮影FOVの移動をステーション毎に繰り返すことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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