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JP4306027B2 - 紙葉類の真偽鑑別装置 - Google Patents

紙葉類の真偽鑑別装置 Download PDF

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JP4306027B2
JP4306027B2 JP17663499A JP17663499A JP4306027B2 JP 4306027 B2 JP4306027 B2 JP 4306027B2 JP 17663499 A JP17663499 A JP 17663499A JP 17663499 A JP17663499 A JP 17663499A JP 4306027 B2 JP4306027 B2 JP 4306027B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙葉類の真偽鑑別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙幣を扱う自動販売機、両替機、自動振込・預金・引出機等の自動機、又は有価証券、信用証券、チケット、書類、印刷物等を扱う自動機においては、紙幣、有価証券、信用証券、チケット、書類、印刷物等の紙葉類の真偽を鑑別するために真偽鑑別装置が提供されている。
【0003】
該真偽鑑別装置においては、統計的手法による真偽鑑別方法が用いられ、紙葉類、例えば、紙幣に印刷された模様、図形等の画像の特徴をパターン化し、パターンを構成する各画素データとあらかじめ設定された基準値とを比較することによって、紙幣の真偽を鑑別するようにしている。
【0004】
この場合、紙幣を所定の位置h(h=1〜n)で走査したときの光学センサ、磁気センサ等のセンサの出力信号、すなわち、センサデータをd(h)とし、あらかじめ設定された下限値をdmin とし、上限値をdmax としたとき、以下の式(1)が満たされるかどうかを判断することによって紙幣の真偽が鑑別される。
【0005】
min ≦d(h)≦dmax ……(1)
そして、各位置hにおいて式(1)が満たされる場合、紙幣は真券であると鑑別され、一つ以上の位置hにおいて式(1)が満たされない場合、紙幣は偽券(リジェクト券)であると鑑別される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の真偽鑑別装置においては、紙幣とセンサとが離れすぎていたり、近付きすぎていたりする場合、紙幣の搬送速度が一定でない場合、紙幣に折れ、汚れ、破れ、しわ等がある場合等においては、センサデータd(h)にばらつきが生じてしまう。そこで、ばらつきを考慮して、下限値dmin を小さく、上限値dmax を大きく設定する必要が生じるので、鑑別の精度がその分低くなってしまう。
【0007】
また、センサデータd(h)のばらつきを少なくするために、真偽鑑別装置を厳密に調整する必要があるので、調整時間が長くなるだけでなく、真偽鑑別装置のコストが高くなってしまう。
【0008】
そこで、人間の脳を模倣したニューラルネットを真偽鑑別方法に適用することが考えられる。
【0009】
次に、3層の階層型のニューラルネットについて説明する。
【0010】
図2は従来のニューラルネットの概念図である。
【0011】
図において、11は積分演算手段、12は入力層、13は中間層、14は出力層、18は最大値検出手段である。前記積分演算手段11は、センサデータd(h)を受けると、該センサデータd(h)を積分してM×N個の積分値を算出し、算出された積分値を所定の閾(しきい)値で2値化して、2値データを直接入力層12の各ユニット15に対してそれぞれ出力する。
【0012】
そして、該各ユニット15は、前記2値データをそのまま出力値Oi として中間層13の各ユニット16に対して出力する。続いて、該各ユニット16は、以下の式(2)〜(4)に従って積和演算及びニューラルネット入出力関数の演算を行い、出力値Oj を出力層14の各ユニット17に対して出力する。なお、iは前記ユニット15の番号、jは前記ユニット16の番号である。
【0013】
そして、シグモイド関数をf(x)で表したとき、
【0014】
【数1】
Figure 0004306027
【0015】
j =f(Ij ) ……(3)
f(x)=1/(1+e-x) ……(4)
j :ユニット16の入力値
ij:ユニット15とユニット16間の荷重値
N:ユニット15の数
θj :ユニット16の閾値
同様に、前記各ユニット17は、以下の式(5)〜(7)に従って積和演算及びニューラルネット入出力関数の演算を行い、出力値O2j を最大値検出手段18に対して出力する。
【0016】
【数2】
Figure 0004306027
【0017】
O2j =f(I2j ) ……(6)
f(x)=1/(1+e-x) ……(7)
I2j :ユニット17の入力値
W2ij:ユニット16とユニット17間の荷重値
N2:ユニット16の数
O2i ユニット16の出力値
θ2j :ユニット17の閾値
そして、最大値検出手段18によって出力値O2j のうちの最大値が検出される。ここで、前記各ユニット17は判別カテゴリと1対1に対応していて、出力値O2j のうちの最大値を採るユニット17が図示されない表示部に表示される。
【0018】
したがって、各ユニット17と真券、偽券等の判別カテゴリとを対応させることによって、出力値O2j のうちの最大値を採るユニット17の判別カテゴリを鑑別結果にすることができる。
【0019】
ところが、前記ニューラルネットにおいては、積分演算手段11によって算出された積分値が2値化されて入力層12に送られ、前記積分値と各ユニット15とが1対1に対応していて、しかも、ニューラルネットの入出力特性がステップ関数に近いので、前記積分値は多値であっても、出力層14の出力値O2j はある閾値を基準とした0又は1の2値になってしまう。したがって、折れ、汚れ、破れ、しわ等の非線型なパターンをノイズとして有する紙幣について真偽を鑑別しようとすると、紙幣に印刷された画像の特徴を十分に捕捉することができず、鑑別の精度がその分低くなってしまう。
【0020】
本発明は、前記従来の紙葉類の真偽鑑別装置の問題点を解決して、センサデータにばらつきが生じても鑑別の精度を高くすることができる紙葉類の真偽鑑別装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の紙葉類の真偽鑑別装置においては、紙葉類のパターンを検出し、センサデータを発生させるパターン検出手段と、前記センサデータを積分して積分値を算出する積分演算手段と、前記積分値を2値データの組から成る特徴パターンに変換する特徴パターン変換手段と、前記特徴パターンを入力値とし、該入力値に従ってニューラルネット処理を行って出力値を出力するニューラルネット処理手段と、前記紙葉類のカテゴリ値を検出するカテゴリ値検出手段と、前記紙葉類の搬送条件を検出する搬送条件検出手段と、前記カテゴリ値及び搬送条件のうちの少なくとも一方によって荷重情報を設定する荷重情報設定手段とを有する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の第1の実施の形態における真偽鑑別装置のブロック図である。
【0024】
図に示されるように、真偽鑑別装置は、第1のセンサ21、タイミング・スキュー値検出手段22、第2のセンサ23、横位置検出手段24、トラック値検出手段25、フォト積分演算手段26、カテゴリ値検出手段27、パターン検出手段としての第3のセンサ28、アンプ29、A/D変換手段30、取込位置検出手段31、積分演算手段32、圧縮変換手段33、特徴パターン変換手段34、真偽鑑別手段35及び表示手段36を備える。そして、前記真偽鑑別手段35は、ニューラルネット処理手段35a、荷重リファレンス記憶手段35b、入出力関数テーブル35c及び判定手段35dを備える。なお、スキュー値及びトラック値は紙葉類、例えば、紙幣の搬送条件であり、スキュー値は図示されない搬送路に対する紙幣の傾きを示し、トラック値は搬送路上の紙幣の搬送位置を示す。また、タイミング・スキュー値検出手段22及びトラック値検出手段25によって搬送条件検出手段が構成される。
【0025】
前記第1のセンサ21は、例えば、フォトダイオード等のトリガセンサであり、紙幣が真偽鑑別装置に到達するとセンサデータを発生させ、該センサデータをタイミング・スキュー値検出手段22に送る。前記第1のセンサ21は、紙幣の搬送路又は図示されない認識装置内に左右1対配設される。そして、タイミング・スキュー値検出手段22は、左右1対の第1のセンサ21のセンサデータに基づいて、紙幣が到達したことを検出するとともに、各センサデータのタイミングの差に基づいてスキュー値を検出する。
【0026】
また、第2のセンサ23は、例えば、フォトセンサであり、紙幣を透過した光及び紙幣によって反射された光に基づいて、紙幣に印刷された画像を検出するとセンサデータを発生させ、該センサデータを、横位置検出手段24を介してトラック値検出手段25に送るとともに、フォト積分演算手段26を介してカテゴリ値検出手段27に送る。そして、前記トラック値検出手段25は前記第2のセンサ23のセンサデータに基づいてトラック値を検出する。また、前記カテゴリ値検出手段27は、前記第2のセンサ23のセンサデータに基づいて紙幣のカテゴリ値を検出する。
【0027】
前記タイミング・スキュー値検出手段22、トラック値検出手段25及びカテゴリ値検出手段27の各センサデータは、真偽鑑別手段35内の荷重リファレンス記憶手段35bに送られ、該荷重リファレンス記憶手段35b内にあらかじめ格納された、スキュー値、トラック値及びカテゴリ値のうちの少なくとも一つに対応する荷重情報としての荷重データがニューラルネット処理手段35aによって参照される。
【0028】
また、前記第3のセンサ28は、磁電変換素子(磁気ヘッド等)から成り、紙幣に印刷された画像のパターン、例えば、磁気パターンを検出し、該磁気パターンを電気に変換する。なお、本実施の形態においては、第3のセンサ28として磁気センサが使用されるが、磁気センサに代えて反射センサ、透過センサ等のフォトセンサを使用することもできる。そして、前記第3のセンサ28は、磁気パターンを検出するとセンサデータを発生させ、該センサデータをアンプ29に送る。そして、該アンプ29は、第3のセンサ28のセンサデータを増幅する。
【0029】
次に、前記構成の真偽鑑別装置の動作について説明する。
【0030】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるトラック値の第1の説明図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるトラック値の第2の説明図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるトラック値の第3の説明図、図6は本発明の第1の実施の形態における荷重テーブルの説明図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるセンサデータのブロック化の説明図である。
【0031】
まず、タイミング・スキュー値検出手段22(図1)は、第1のセンサ21のセンサデータに基づいてスキュー値を検出し、トラック値検出手段25は、第2のセンサ23のセンサデータに基づいてトラック値を検出する。該トラック値は紙幣の搬送位置によって異なる。すなわち、図3に示されるように、紙幣が搬送路Tの左端を矢印方向に搬送される場合、トラック値は10になり、図4に示されるように、紙幣が搬送路Tの中央を矢印方向に搬送される場合、トラック値は40になり、図5に示されるように、紙幣が搬送路Tの右端を矢印方向に搬送される場合、トラック値は70になる。
【0032】
そして、カテゴリ値検出手段27は、第2のセンサ23のセンサデータに基づいてカテゴリ値を検出する。なお、カテゴリ値を検出するために、例えば、印刷パターンと基準パターンとの類似度を算出する方法、個々の画素と基準値とを比較するエンベロープ法等が用いられる。
【0033】
続いて、ニューラルネット処理手段35a内の図示されない荷重情報設定手段は、荷重リファレンス記憶手段35b内の図6に示されるような荷重テーブルを参照して、スキュー値、トラック値及びカテゴリ値の各条件に対応するアドレスをアクセスし、各条件に合った荷重データを読み込む。
【0034】
例えば、スキュー値が2度であり、トラック値が30であり、カテゴリ値が「千券、表、正立」であるとすると、荷重テーブルのアドレス000001b0がアクセスされ、該アドレス000001b0に格納された荷重データが読み込まれることになる。
【0035】
次に、前記第3のセンサ28の動作について説明する。
【0036】
まず、第1のセンサ21によって紙幣が所定の位置に到達したことが検出されると、第3のセンサ28は、作動状態に入る。そして、図示されないタイミング検出回路によってタイミング信号が発生させられ、紙幣が一定の距離を搬送されるごとに、又は一定の時間が経過するごとに前記タイミング信号にパルスが出力され、前記第3のセンサ28は、前記タイミング信号に同期させて磁気パターンを検出する。前記第3のセンサ28は、図示されない認識装置内に複数個配設され、磁気パターンを所定の領域のポイントパターンとして検出する。例えば、搬送路Tにおいて、第3のセンサ28がセンタ基準で左右に二つ配設されている場合、図7に示されるように、磁気パターンが領域AR1、AR2に分割されてポイントパターンとして検出され、第3のセンサ28のセンサデータとして二つの磁気信号CH1、CH2が発生させられる。そして、紙幣が搬送路Tを搬送されると、搬送方向のライン状パターンが検出される。
【0037】
続いて、各磁気信号CH1、CH2はアンプ29に送られて増幅され、増幅された磁気信号CH1、CH2は、A/D変換手段30に送られてディジタル値に変換され、該ディジタル値に変換された後の磁気信号CH1、CH2はサンプルデータとして前記タイミング信号に同期させて取込位置検出手段31に送られる。該取込位置検出手段31は、前記磁気信号CH1、CH2ごとにサンプルデータを取り込み、積分演算手段32に送る。該積分演算手段32は、スキュー値、トラック値、印刷ずれ等の要因による磁気信号CH1、CH2の変動を吸収するために、磁気信号CH1、CH2ごと、及び適当な大きさのブロックごとに前記サンプルデータを積分し、積分値(ブロックデータ)を算出する。なお、図7においては、積分演算手段32によって各領域AR1、AR2のサンプルデータが5個のブロックに分けられて積分される。
【0038】
そして、積分演算手段32において得られた積分値は、圧縮変換手段33に送られ、該圧縮変換手段33によって圧縮され、有効桁(けた)数が小さくされて圧縮値になり、該圧縮値は、特徴パターン変換手段34に送られ、所定の変換閾値に基づいて変換されて2進数にされる。該2進数は、2値データの組から成り、紙幣の画像の特徴を表す特徴パターンを構成する。なお、圧縮変換手段33において、積分値は、紙幣の画像の特徴を表すのに十分な圧縮値に圧縮される。したがって、ニューラルネット処理手段35aに加わる負荷を小さくすることができる。
【0039】
図8は本発明の第1の実施の形態における積分演算手段及び圧縮変換手段の機能を説明する図である。
【0040】
例えば、積分演算手段32によって算出された、図7におけるブロック1の積分値が128であるとすると、該積分値は圧縮変換手段33によって圧縮されて有効桁数が小さくされる。なお、本実施の形態においては、1/32倍されて圧縮値は4になる。そして、特徴パターン変換手段34によって、前記圧縮値4が2進数に変換され、2値データの組(1、0、0)が形成される。
【0041】
本実施の形態において、特徴パターン変換手段34は、圧縮値4を変換することによって2値データの組(1、0、0)を得るようになっているが、圧縮値と2値データの組とを対応させたテーブルをあらかじめ作成しておき、該テーブルを参照することによって2値データの組を得るようにすることもできる。
【0042】
また、本実施の形態においては、積分値を圧縮変換手段33によって圧縮して圧縮値にした後、該圧縮値を特徴パターン変換手段34に送るようにしているが、積分値を特徴パターン変換手段34に直接送ることもできる。
【0043】
このようにして、特徴パターン変換手段34によって得られた2値データの組(1、0、0)は、真偽鑑別手段35(図1)内のニューラルネット処理手段35aに送られる。
【0044】
次に、該ニューラルネット処理手段35aによって行われるニューラルネット処理について説明する。
【0045】
図9は本発明の第1の実施の形態におけるニューラルネットの概念図、図10は本発明の第1の実施の形態におけるニューラルネットの入出力特性を示す図である。なお、図10において、横軸に入力値を、縦軸に出力値を採ってある。
【0046】
図10において、シグモイド関数f(x)が1/(1+e-x )であるときの入力値と出力値との関係が示される。
【0047】
この場合、本実施の形態においては、ニューラルネット処理手段35aとして3層の階層型のニューラルネットが利用される。そして、特徴パターン変換手段34において得られた2値データの組(1、0、0)は、入力層35a1 に送られ、前記入力層35a1 の各ユニット15に対してそれぞれ出力される。
【0048】
そして、該各ユニット15は、前記2値データの組(1、0、0)をそのまま中間層35a2 の各ユニット16に対して出力する。続いて、該各ユニット16は、以下の式(8)〜(10)に従って積和演算及びニューラルネット入出力関数の演算を行い、出力値Oj を出力層35a3 の各ユニット17に対して出力する。なお、iは前記各ユニット15の番号、jは前記各ユニット16の番号であり、前記ニューラルネット入出力関数において、図10に示されるようなシグモイド関数f(x)が使用される。該シグモイド関数f(x)の値は、入出力関数テーブル35c(図1)に格納されていて、ニューラルネット処理手段35aによる処理が行われるときに必要に応じて参照される。
【0049】
【数3】
Figure 0004306027
【0050】
j =f(Ij ) ……(9)
f(x)=1/(1+e-x) ……(10)
j :ユニット16の入力値
ij:ユニット15とユニット16間の荷重値
N:ユニット15の数
i :ユニット15の出力値
θj :ユニット16の閾値
同様に、前記各ユニット17は、以下の式(11)〜(13)に従って積和演算及びニューラルネット入出力関数の演算を行い、出力値O2j を判定手段35dに対して出力する。
【0051】
【数4】
Figure 0004306027
【0052】
O2j =f(I2j ) ……(12)
f(x)=1/(1+e-x) ……(13)
I2j :ユニット17の入力値
W2ij:ユニット16とユニット17間の荷重値
N2:ユニット16の数
O2i :ユニット16の出力値
θ2j :ユニット17の閾値
そして、前記判定手段35dにおいて出力値O2j と、あらかじめ設定され判定手段35d内に格納されていたスライス値とが比較される。そして、例えば、該スライス値を0.7とし、真券の教師データを1とし、偽券の教師データを0としてニューラルネットの学習を行ったとき、前記出力値O2j が0.7以上である場合、紙幣は真券であり、前記出力値O2j が0.7より小さい場合は偽券であると鑑別する。そして、鑑別結果は表示手段36に表示される。
【0053】
ところで、前記ニューラルネットの学習においては、誤差逆伝播アルゴリズム(BP)法が使用され、出力値O2j が正しくなるまで、すなわち、出力値O2j とあらかじめ設定された教師データとの累積二乗誤差がほぼ0になるまで繰り返し学習が実行される。
【0054】
ここで、誤差逆伝播アルゴリズム法について説明する。
【0055】
前記学習において、入力パターンpを入力したときのk−1層(k=2、3、…、n−1)のユニット(番号i=1、2、…)とk層のユニット(番号j=1、2、…)との間の荷重修正量ΔpWij k-1 (m)は次の式(14)によって算出される。なお、この場合、図10に示されるシグモイド関数f(x)として、
f(x)=1/(1+e-x
が使用される。また、mは学習回数を示す自定数である。
【0056】
前記荷重修正量ΔpWij k-1 (m)は、
ΔpWij k-1 (m)=ηδpj k i k-1 +αΔpWij k-1 (m−1)……(14)
η:学習効率
α:荷重定数
δpj k :入力パターンpを入力したときのk層におけるユニットjの誤差
i k-1 :k−1層におけるユニットiの出力値
になる。なお、式(14)におけるηδpj k i k-1 は誤差項、αΔWij k-1 (m−1)は慣性項であり、該慣性項αΔWij k-1 (m−1)は、前回の荷重修正量ΔpWij k-1 (m)に荷重定数αを乗算することによって算出することができる。前記慣性項αΔWij k-1 (m−1)が加算される分だけ、学習速度を高くすることができる。
【0057】
そして、出力層(n層)における誤差δpj n は、
δpj n =(tpj n −Opj n )・Opj n ・(1−Opj n ) ……(15)
pj n :入力パターンpを入力したときの出力層におけるユニットjの教師データ
pj n ・(1−Opj n ):入力パターンpを入力したときの出力層におけるシグモイド関数f(x)の出力値の微分値になる。
【0058】
また、中間層の誤差δpj k は次の式(16)によって算出される。
【0059】
【数5】
Figure 0004306027
【0060】
js k.k+1 :k層のユニットjとk+1層のユニットsとの間の荷重値Opj k ・(1−Opj k ):入力パターンpを入力したときの中間層におけるシグモイド関数f(x)の出力値の微分値このように、誤差逆伝播アルゴリズム法を使用することによって、出力層の各ユニットの誤差δpj n を入力層に向けて順番にフィードバックすることができ、これらの操作を繰り返し実行することによって、最終的にはすべての入力パターンpについて誤差δpj n を限りなく0に近づけることができる。
【0061】
そして、積分演算手段32によってサンプルデータが積分され、積分値、又は圧縮変換手段33によって前記積分値の有効桁数が小さくされた後の圧縮値が、所定の変換閾値に基づいて2進数に変換されるので、紙幣の画像の特徴が欠落することなくニューラルネット処理手段35aに入力される。
【0062】
したがって、紙幣と第3のセンサ28とが離れすぎていたり、近付きすぎていたりする場合、紙幣の搬送速度が一定でない場合、紙幣に折れ、汚れ、破れ、しわ等がある場合等にセンサデータにばらつきが生じても、鑑別の精度を高くすることができる。
【0063】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0064】
図11は本発明の第2の実施の形態における真偽鑑別装置のブロック図、図12は本発明の第2の実施の形態におけるニューラルネットの概念図、図13は本発明の第2の実施の形態における荷重テーブルの説明図である。
【0065】
この場合、45は真偽鑑別手段であり、該真偽鑑別手段45は、ニューラルネット処理手段45a、荷重リファレンス記憶手段45b、入出力関数テーブル45c及び判定手段45dを備え、前記ニューラルネット処理手段45aは入力層45a1 、中間層45a2 及び出力層45a3 を備える。
【0066】
前記タイミング・スキュー値検出手段22によって検出されたスキュー値、トラック値検出手段25によって検出されたトラック値及びカテゴリ値検出手段27によって検出されたカテゴリ値は、第1の実施の形態のように荷重リファレンス記憶手段35bに送られることはない。
【0067】
スキュー値は圧縮変換手段61によって圧縮されて圧縮値になり、該圧縮値は、特徴パターン変換手段64によって変換されて2値データの組になってニューラルネット処理手段45aに送られる。また、トラック値は圧縮変換手段62によって圧縮されて圧縮値になり、該圧縮値は、特徴パターン変換手段65によって変換されて2値データの組になって前記ニューラルネット処理手段45aに送られる。そして、カテゴリ値は圧縮変換手段63によって圧縮されて圧縮値になり、該圧縮値は、特徴パターン変換手段66によって変換されて2値データの組になって前記ニューラルネット処理手段45aに送られる。
【0068】
したがって、図13に示されるように、荷重テーブルにおいては、すべてのスキュー値、トラック値及びカテゴリ値に対して不変な一つだけの荷重データが一つのアドレス00000000に格納されるので、テーブル容量を小さくすることができる。例えば、前記第1の実施の形態における図6に示される荷重テーブルと比較すると、テーブル容量を1/192にすることができる。したがって、テーブル容量を小さくすることができる分だけメモリ容量を小さくすることができる。
【0069】
また、第1の実施の形態においては、スキュー値、トラック値及びカテゴリ値に対応させて複数の荷重データが設定されるので、各荷重データごとに誤差逆伝播アルゴリズム法の学習を行う必要があるが、本実施の形態においては、一回のニューラルネット処理ですべてのスキュー値、トラック値及びカテゴリ値についての学習を行うことができる。したがって、学習時間を短くすることができる。
【0070】
なお、本実施の形態においては、スキュー値、トラック値及びカテゴリ値のすベてがニューラルネット処理手段45aに送られるようになっているが、スキュー値、トラック値及びカテゴリ値のうちの一つまたは二つをニューラルネット処理手段45aに送るだけでもよい。
【0071】
ところで、前記第1、第2の実施の形態においては、紙幣が偽券であると鑑別された場合、紙幣のどの部分が原因で偽券であると鑑別されたかを知ることができない。
【0072】
そこで、紙幣のどの部分が原因で偽券であると鑑別されたかを知ることができるようにした第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0073】
図14は本発明の第3の実施の形態におけるニューラルネットの概念図、図15は本発明の第3の実施の形態における特徴パターンと教師データとの関係を示す図、図16は本発明の第3の実施の形態における出力値と鑑別結果との関係図である。
【0074】
この場合、パターン検出手段としての第3のセンサ28(図11)は紙幣の搬送路又は図示されない認識装置内に左右1対配設される。そして、磁気信号CH1側(図14では、単に「CH1側」と表す。)のサンプルデータは、積分演算手段32aによって積分されて積分値になり、該積分値は圧縮変換手段33aによって圧縮されて圧縮値になり、該圧縮値は、特徴パターン変換手段34aによって所定の変換閾値に基づいて変換され、2値データの組になってニューラルネット処理手段35aに送られる。また、磁気信号CH2側(図14では、単に「CH2側」と表す。)のサンプルデータは、積分演算手段32bによって積分されて積分値になり、該積分値は圧縮変換手段33bによって圧縮されて圧縮値になり、該圧縮値は、特徴パターン変換手段34bによって所定の変換閾値に基づいて変換され、2値データの組になってニューラルネット処理手段35aに送られる。
【0075】
該ニューラルネット処理手段35aにおいては、ケース1〜4について、図15に示されるような学習パターンに従って学習が行われ、図16に示されるような鑑別結果が得られるように荷重データが設定される。
【0076】
例えば、入力層35a1 の磁気信号CH1側の特徴パターンが正常であるとき、出力層35a3 の磁気信号CH1側のユニット17の教師データは1(又は1に相当する値)であり、入力層35a1 の磁気信号CH1側の特徴パターンが異常であるとき、出力層35a3 の磁気信号CH1側のユニット17の教師データは0(又は0に相当する値)である。また、入力層35a1 の磁気信号CH2側の特徴パターンが正常であるとき、出力層35a3 の磁気信号CH2側のユニット17の教師データは1(又は1に相当する値)であり、入力層35a1 の磁気信号CH2側の特徴パターンが異常であるとき、出力層35a3 の磁気信号CH2側のユニット17の教師データは0(又は0に相当する値)である。
【0077】
そして、前記各ユニット17の出力値によって、紙幣の真偽を鑑別することができる。例えば、図16に示されるような出力値が得られると、ケース1については真券であると鑑別され、ケース2については偽券であり、かつ、領域AR1(図7)の特徴パターンに異常があると判断される。また、ケース3については偽券であり、かつ、領域AR2の特徴パターンに異常があると判断される。そして、ケース4については偽券であり、かつ、領域AR1、AR2の特徴パターンに異常があると判断される。なお、本実施の形態においては、鑑別のスライス値は0.7に設定される。
【0078】
このように、前記ユニット17が2個以上配設され、各ユニット17と各第3のセンサ28とが対応させられるので、各ユニット17が興奮状態(1)にあるか抑制状態(0)にあるかを判断することによって、各第3のセンサ28ごとに特徴パターンが正常であるか異常であるかを鑑別することができる。したがって、紙幣が偽券であると鑑別された場合、紙幣のどの部分が原因で偽券であると鑑別されたかを知ることができる。
【0079】
なお、本実施の形態においては、各第3のセンサ28ごとに特徴パターンが正常であるか異常であるかを鑑別するようになっているが、磁気信号CH1、CH2を更に細かく分割し、分割された磁気信号ごとに特徴パターンが正常であるか異常であるかを鑑別することができる。
【0080】
ところで、前記各実施の形態において、特徴パターン変換手段34、34a、34bは、積分演算手段32、32a、32bにおいて演算された積分値、又は該積分値を圧縮することによって得られた圧縮値を、所定の変換閾値に基づいて変換して2値データの組から成る2進数にするが、前記積分値は、スキュー値、トラック値、カテゴリ値等の鑑別条件が変動するのに伴って変動するので、前記積分値又は圧縮値を前記変換閾値に基づいて一律に変換すると、鑑別条件によっては出力値が飽和して、鑑別の精度が低くなることがある。
【0081】
そこで、出力値が飽和することがなく、鑑別の精度を高くすることができるようにした本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0082】
図17は本発明の第4の実施の形態における真偽鑑別装置のブロック図、図18は本発明の第4の実施の形態における積分値の変動を示す図である。なお、図18において、横軸にブロック番号を、縦軸に各ブロックの最大の積分値を採ってある。
【0083】
図18において、実線は、スキュー値が−4度であり、トラック値が20であり、カテゴリ値が「万券、表、正立」である第1の鑑別条件における各ブロックの最大の積分値を、破線は、スキュー値が4度であり、トラック値が40であり、カテゴリ値が「千券、裏、倒立」である第2の鑑別条件における各ブロックの最大の積分値を示す。
【0084】
図17に示されるように、積分演算手段32において演算された積分値は、スキュー値、トラック値、カテゴリ値等の鑑別条件が変動するのに伴って変動する。
【0085】
そこで、変換閾値設定手段41は、スキュー値、トラック値及びカテゴリ値を読み込み、図示されない変換閾値テーブルを参照して、前記スキュー値、トラック値及びカテゴリ値に対応する変換閾値を算出して設定し、特徴パターン変換手段34に送る。
【0086】
そして、各鑑別条件ごとの最大の積分値を算出し、該最大の積分値を前記特徴パターン変換手段34における特徴パターンのレンジ幅の最大値にする。例えば、前記レンジ幅を0〜7としたとき、第1の鑑別条件における最大の積分値2000が特徴パターンのレンジ7に、第2の鑑別条件における最大の積分値500が特徴パターンのレンジ7になるように変換閾値が設定される。
【0087】
このように、鑑別条件に対応させて変換閾値が設定されるので、出力値が飽和することがなく、鑑別の精度を高くすることができる。
【0088】
なお、本実施の形態において、変換閾値は、スキュー値、トラック値及びカテゴリ値のすべてに対応させて設定されるが、スキュー値、トラック値及びカテゴリ値のうちの一つ又は二つに対応させて設定するだけでもよい。
【0089】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0090】
図19は本発明の第5の実施の形態における積分値の分布を示す図、図20は本発明の第5の実施の形態における学習パターンと教師データとの関係を示す図である。なお、図19において、横軸に積分値を、縦軸に度数を採ってある。
【0091】
図19において、紙幣が真券であるときの所定のブロックにおける積分値の分布が示される。そして、真偽鑑別手段35(図1)内の図示されない学習手段は、積分値の平均値Mを中心にして、左右に所定距離離れた点の積分値を上限境界値+2σ及び下限境界値−2σとして設定し、上限境界値+2σ及び下限境界値−2σを偽券の教師データとして学習させる。なお、σは標準偏差である。そして、前記学習手段は、図20に示されるような関係を各鑑別条件ごとに設定し、必要な学習パターンの数を決定して、各学習パターンを学習する。
【0092】
このように、真券の積分値の分布を利用して偽券の学習が行われるので、荷重データは統計的な確率に基づいたものになる。したがって、必要最小限の学習パターンで精度が高く、効率の良い学習を行うことができる。
【0093】
また、磁気信号CH1、CH2ごとに学習を行うことができるので、例えば、定数nを変化させることによって、鑑別精度の評価基準を明確に設定することができる。
【0094】
そして、真券の学習においては、データ収集等によって多くのサンプルデータを収集し、該サンプルデータを学習パターンにする。この場合の出力層35a3 (図9)の出力値の教師データは、磁気信号CH1側及び磁気信号CH2側のいずれも1にされる。
【0095】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0096】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、紙葉類の真偽鑑別装置においては、紙葉類のパターンを検出し、センサデータを発生させるパターン検出手段と、前記センサデータを積分して積分値を算出する積分演算手段と、前記積分値を2値データの組から成る特徴パターンに変換する特徴パターン変換手段と、前記特徴パターンを入力値とし、該入力値に従ってニューラルネット処理を行って出力値を出力するニューラルネット処理手段と、前記紙葉類のカテゴリ値を検出するカテゴリ値検出手段と、前記紙葉類の搬送条件を検出する搬送条件検出手段と、前記カテゴリ値及び搬送条件のうちの少なくとも一方によって荷重情報を設定する荷重情報設定手段とを有する。
【0097】
この場合、積分値が2値データの組から成る特徴パターンに変換され、該特徴パターンがニューラルネット処理手段の入力値となるので、紙葉類の特徴が欠落することなくニューラルネット処理が行われる。
【0098】
したがって、紙葉類とパターン検出手段とが離れすぎていたり、近付きすぎていたりする場合、紙葉類の搬送速度が一定でない場合、紙葉類に折れ、汚れ、破れ、しわ等がある場合等にセンサデータにばらつきが生じても、鑑別の精度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における真偽鑑別装置のブロック図である。
【図2】従来のニューラルネットの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるトラック値の第1の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるトラック値の第2の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるトラック値の第3の説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における荷重テーブルの説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるセンサデータのブロック化の説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における積分演算手段及び圧縮変換手段の機能を説明する図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるニューラルネットの概念図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるニューラルネットの入出力特性を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における真偽鑑別装置のブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態におけるニューラルネットの概念図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における荷重テーブルの説明図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態におけるニューラルネットの概念図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態における特徴パターンと教師データとの関係を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態における出力値と鑑別結果との関係図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態における真偽鑑別装置のブロック図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態における積分値の変動を示す図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態における積分値の分布を示す図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態における学習パターンと教師データとの関係を示す図である。
【符号の説明】
21 第1のセンサ
22 タイミング・スキュー値検出手段
23 第2のセンサ
24 横位置検出手段
25 トラック値検出手段
26 フォト積分演算手段
27 カテゴリ値検出手段
28 第3のセンサ
29 アンプ
30 A/D変換手段
31 取込位置検出手段
32、32a、32b 積分演算手段
33 圧縮変換手段
34、34a、34b、64〜66 特徴パターン変換手段
35 真偽鑑別手段
35a、45a ニューラルネット処理手段
35a1 、45a1 入力層
35a3 、45a3 出力層
36 表示手段
AR1、AR2 領域
CH1、CH2 磁気信号
M 平均値
+2σ 上限境界値
−2σ 下限境界値

Claims (5)

  1. (a)紙葉類のパターンを検出し、センサデータを発生させるパターン検出手段と、
    (b)前記センサデータを積分して積分値を算出する積分演算手段と、
    (c)前記積分値を2値データの組から成る特徴パターンに変換する特徴パターン変換手段と、
    (d)前記特徴パターンを入力値とし、該入力値に従ってニューラルネット処理を行って出力値を出力するニューラルネット処理手段と
    (e)前記紙葉類のカテゴリ値を検出するカテゴリ値検出手段と、
    (f)前記紙葉類の搬送条件を検出する搬送条件検出手段と、
    (g)前記カテゴリ値及び搬送条件のうちの少なくとも一方によって荷重情報を設定する荷重情報設定手段とを有することを特徴とする紙葉類の真偽鑑別装置
  2. (a)紙葉類のパターンを検出し、センサデータを発生させるパターン検出手段と、
    (b)前記センサデータを積分して積分値を算出する積分演算手段と、
    (c)前記積分値を2値データの組から成る特徴パターンに変換する特徴パターン変換手段と、
    (d)前記特徴パターンを入力値とし、該入力値に従ってニューラルネット処理を行って出力値を出力するニューラルネット処理手段とを有するとともに、
    (e)ニューラルネット処理手段の入力層には、特徴パターンのほかに、カテゴリ値及び搬送条件のうちの少なくとも一方が入力されることを特徴とする紙葉類の真偽鑑別装置。
  3. (a)紙葉類のパターンを検出し、センサデータを発生させるパターン検出手段と、
    (b)前記センサデータを積分して積分値を算出する積分演算手段と、
    (c)前記積分値を2値データの組から成る特徴パターンに変換する特徴パターン変換手段と、
    (d)前記特徴パターンを入力値とし、該入力値に従ってニューラルネット処理を行って出力値を出力するニューラルネット処理手段とを有するとともに、
    (e)前記特徴パターン変換手段は、変換閾値に基づいて積分値を特徴パターンに変換し、
    (f)前記変換閾値は、前記カテゴリ値及び搬送条件のうちの少なくとも一方に対応させて設定されることを特徴とする紙葉類の真偽鑑別装置。
  4. (a)前記紙葉類のパターンは複数の領域に分割され、
    (b)前記ニューラルネット処理手段の出力層から、領域ごとの出力値が出力される請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙葉類の真偽鑑別装置
  5. 記積分値の分布の平均値を中心として所定距離離れた点の積分値を上限境界値及び下限境界値として設定し、前記上限境界値及び下限境界値を偽券の教師データとして学習させる学習手段を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙葉類の真偽鑑別装置。
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