JP4396789B2 - カテーテル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カテーテル本体の先端から基端までが一体に形成されているので従来の先端部に熱可塑性樹脂チューブを取り付けたカテーテルに比べて段差がなく、また従来の径方向乃至は螺旋状にカットを設けたカテーテルのように血管内や尿管内等で折れ易くなく、操作性及び安全性に優れると共に、カテーテル径を容易に細径に調整し得、高い製造コストパフォーマンスを備えたカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、血管や尿管内等に挿入され、検査、治療等に用いられるカテーテル、例えば血管造影用カテーテル、血管内薬剤投与用カテーテル、血管内手術用カテーテル、尿管結石用カテーテル、経内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)用カテーテルなどとしては、可撓性を有するポリマー製チューブに誘導用の金属製ガイドワイヤーを挿入したもの、ポリエチレン製チューブにステンレス線をメュシュ状に編み込んだもの、及びステンレスチューブをヘリカルカットし、これを合成樹脂で包み込んだものなどが知られている(特開平6−134034号公報、特開平7−96037号公報等)。
【0003】
しかしながら、このようなカテーテルは、複雑に曲がりくねった微細な血管や尿管に挿入し、目的部位まで導入することが困難であると共に、柔軟性、しなやかさ、こし、及び操作性などのカテーテルに要求される特性を総て備えたものではない。
【0004】
このため、常に誘導用のガイドワイヤーを併用し、カテーテル本体に要求される特性を補うと共に、特に、カテーテルの先端部が血管や尿管内壁に与える損傷をできる限りなくし、かつ複雑に曲がりくねった血管や尿管内を円滑に進行可能とすべく、可能な限り柔軟で、かつ復元力に優れたものが望まれており、上記従来のステンレス線等をカテーテルの中心に編み込んだり、ステンレスチューブにカットを入れたヘリカルカテーテルでは、この先端部数mm〜数cmは誘導用の熱可塑性ポリマーを主体としたチューブを取り付けることにより形成されていた。
【0005】
しかしながら、上記熱可塑性チューブを先端に取り付けたカテーテルでは、先端部の熱可塑性樹脂チューブとその後端に続く金属製のカテーテル本体との境界部において段差が生じ、操作性、安全性が低下するという問題があった。
【0006】
即ち、先端部に誘導用の熱可塑性樹脂チューブを有するカテーテルでは、先端部の熱可塑性樹脂チューブと該熱可塑性樹脂チューブの後部に続く金属製のカテーテル本体との境界部が、複雑に曲がりくねった血管壁や尿管壁に当たると、柔軟な熱可塑性樹脂製の先端部は急峻な血管や尿管の中に入ることができるが、次に進んでくる金属製カテーテル本体との境界部が血管壁や尿管壁に当たると、この境界部でカテーテルの先端部が折れたり破損してしまい、痛みや違和感が生じたり、場合によっては脆弱な血管や尿管内に傷害を与えてしまうおそれがある。
【0007】
一方、特開平8−257128号公報には、図16に示したように、ステンレス、形状記憶合金などの金属チューブaの先端部に全体として螺旋状又は所定間隔で形成された環状をなし、ところどころが連結部によって途切れた形状をなす溝bを形成し、金属チューブaの外周には樹脂膜又は樹脂チューブcを被覆した先端部における柔軟性に優れた医療用チューブが提案されている。
【0008】
また、特開平8−308933号公報には、図17に示したように、金属チューブaの先端部を基部に比べて薄肉に形成すると共に、先端部に連結した螺旋状の溝b又は全体として螺旋状又は所定間隔で配列された環状をなし、ところどころが連結部によって途切れた形状をなす溝bを形成し、この金属チューブaの外周を樹脂チューブ又は樹脂被膜cで被覆した基部側では適度な剛性を有し、先端部では柔軟性に優れた医療用チューブが提案されている。
【0009】
しかしながら、これら特開平8−257128号公報及び特開平8−308933号公報記載の医療用チューブによれば、径方向乃至は螺旋状の溝により先端部にある程度の柔軟性は付与されるが、必ずしも十分なものではなく、複雑に曲りくねった血管や尿管等に用いると先端部が折れたり、破損してしまう場合があると共に、溝の隙間により外周樹脂チューブ又は樹脂被膜を咬んでしまうおそれがある。特に、特開平8−308933号公報のように金属チューブの先端部を薄肉に形成すると更に折れ易くなってしまい、いずれにしても安全性、操作性の点で十分満足し得るものではなかった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、カテーテル本体にカット部を設けて先端から基端までを一体に形成することにより誘導用の熱可塑性樹脂チューブが不要となり、段差がなく、しかも折れにくく、操作性及び安全性に優れると共に、カテーテル径を目的部位の太さに合せて容易に調整し得る高い製造コストパフォーマンスを備えたカテーテルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、下記カテーテルを提供する。
請求項1:
カテーテル本体と、このカテーテル本体の外周面を被覆する外側ポリマー層とを有するカテーテルにおいて、上記カテーテル本体の先端から軸方向に沿って、カテーテル本体の先端側から基端側に向けて隙間間隔が漸次狭くなるように形成したカット部を少なくとも1箇所設け、カテーテル本体が先端部に向って漸次細径になるように上記カット部の隙間を狭めて、上記外側ポリマー層を上記カテーテル本体の外周面に被覆すると共に、カテーテル本体の少なくともカット部形成箇所の内周面を被覆して内側ポリマー層を形成し、カテーテル本体の少なくとも先端側を、少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有さない形状記憶性合金にて形成してなることを特徴とするカテーテル。
請求項2:
カテーテル本体の肉厚が、カテーテル本体の先端部から基端部にかけて均一な20〜200μmである請求項1記載のカテーテル。
請求項3:
上記カテーテル本体に設けたカット部の側面形状が略楔形である請求項1又は2記載のカテーテル。
請求項4:
上記カット部形成箇所の軸方向長さがカテーテル本体の先端から2cm以上である請求項1,2又は3記載のカテーテル。
請求項5:
カテーテル本体の先端部及び該先端部に続く中間部にカット部を形成すると共に、上記先端部に中間部より多くのカット部を設けた請求項1乃至4のいずれか1項記載のカテーテル。
請求項6:
カテーテル本体の少なくともカット部形成箇所を外側から金属線、有機質線及び無機質線から選ばれる線状弾性材料でコイル状に巻くか又はメッシュ状に編むか或いは両者を組み合わせて補強した請求項1乃至5のいずれか1項記載のカテーテル。
【0012】
本発明によれば、カテーテル本体と、このカテーテル本体の外周面を被覆する外側ポリマー層とを有するカテーテルにおいて、上記カテーテル本体の先端から軸方向に沿って少なくとも1箇所のカット部を設け、カット部の隙間を狭めてカテーテル本体を先端部に向って漸次細径になるように形成すると共に、カテーテル本体の少なくともカット部形成箇所の内周面を被覆して内側ポリマー層を形成したことにより、カテーテル本体を先端から基端まで一体に形成し得、従来の先端部をテーパー状(薄肉)として細径にしたカテーテルに比べて極めて折れにくく、またカテーテルの先端部に誘導用の熱可塑性チューブを取り付けていないので境界部に段差が生じたり、操作中に折れたり破損したりすることが可及的に防止できると共に、カテーテル本体に設けられたカット部の隙間は狭められて(ほぼ閉じられて)いるので、従来の径方向乃至は螺旋状に溝を設けたカテーテルのように内外層を被覆するポリマーが溝に咬合してしまうという問題もなく、操作性及び安全性に優れたカテーテルが得られるものである。
【0013】
この場合、本発明のカテーテルは、カテーテル本体の先端から軸方向に沿って少なくとも1箇所のカット部を設けると共に、該カット部の隙間を狭めて細径にすることにより、従来は作成することが極めて困難であった先端部(先端から2cm以上)が超細径のカテーテル本体(例えば内径200μm,外径300μmのカテーテル本体、内径100μm,外径200μmのカテーテル本体など)を作成することが可能となるものである。
【0014】
また、本発明のカテーテルは、そのカテーテル本体の先端から軸方向に沿って少なくとも1箇所のカット部を設けると共に、このカット部の隙間を狭めてカテーテル本体を先端に向って細径に形成することにより、1種又は2種の基本的なカテーテル本体(例えば外径800μm,内径650μmのカテーテル本体、外径600μm,内径500μmのカテーテル本体など)を作成しておくだけで、目的部位の内径に対応した複数種類の径を有するカテーテルに自由に作り変えることができると共に、カテーテルの基端部の径は共通なのでカテーテルの基端部に取り付けるハブの種類をカテーテル径に合せて複数種類作成する必要がなくなり、製造コストパフォーマンスが飛躍的に向上するものである。
【0015】
この場合、カテーテルの内径は、先端部から基端部まで均一な太さであることは必ずしも要求されておらず、目的とする内径を有する先端部の長さが一定以上あれば、基端部の太さと異なっていても問題はなく、血管や尿管等の内径は千差万別であり、また、通常血管等は深部に行くに従って次第に細くなるものであることからも、先端部に向って漸次細径となる本発明のカテーテルは好適なものである。
【0016】
そして、本発明の上記作用効果は、上記カット部の形成に加えて、カテーテル本体の少なくとも先端側が、少なくとも生体温度において形状記憶性を有し、かつ超弾性又は擬弾性を有さない形状記憶性金属にて形成することにより、更に倍増され、これらが相俟って、血管、尿管、膵胆管等の検査や治療等に最適な医用カテーテルが得られることを知見した。
【0017】
この点について更に詳述すると、カテーテル本体に用いられる形状記憶合金、例えばNi−Ti合金は熱弾性マルテンサイト変態の逆変態に付随して、超弾性効果(擬弾性効果ともいう)と形状記憶効果という2つの性質を有することが知られている。この形状記憶効果とは、Ni−Ti合金が見かけ上の塑性変形を受けた場合、いわゆる逆変態温度にこの合金を加熱すると初期の形状に復帰する性質のことである。一方、超弾性効果乃至は擬弾性効果とは、逆変態温度以上の温度においてNi−Ti合金に応力負荷をかけて、見かけ上の塑性変形を与える場合、応力除去と同時に合金の形状は完全に復元する性質のことである。
【0018】
本発明者は、このような形状記憶合金の2つの性質のうち、血管等の脆弱かつ曲がりくねった部位に挿入するカテーテルにおいては、生体温度で形状記憶効果を有することは極めて有利であるが、生体温度で超弾性効果を有することは却って不利に働くことを知見した。
【0019】
つまり、複雑に曲がりくねった脆弱な血管内等にカテーテルを挿入する場合、上記2つの性質を有した形状記憶合金管からなるカテーテル本体を用いると、複雑に曲がりくねった血管壁等に先端部が当たった場合、変形して先端部が急峻な血管等の中に入ることができたとしても、超弾性効果による強い復元力を有しているため、その急激な復元力で血管等に強い力が加わり、血管や尿管損傷(例えば、血管や尿管破裂,穿孔,解離等)を起こすおそれがある。
【0020】
そこで、本発明者が更に鋭意検討を進めた結果、形状記憶合金製のカテーテル本体の少なくとも先端側を熱処理等することにより形状記憶合金の生体温度における超弾性効果乃至擬弾性効果を喪失させることで、血管内等である程度の応力をカテーテルに加えた場合、簡単につぶれるか、折れ曲がってしまうと共に、直ちに復元力が作用しないので血管壁等を傷付けるおそれが低下すること、しかも、形状記憶合金の形状記憶効果はそのまま十分残っている(形状記憶性合金)ので、たとえ血管内や尿管内等で無理な力が加わってカテーテルがつぶれたり折れたりしても、自然な状態で徐々に元の形状に復元することを知見した。
【0021】
ここで、超弾性効果と形状記憶効果を示す存在領域は必ずしも一致せず、生体温度において(A)超弾性効果を示す設定温度と、生体温度において(B)形状記憶効果を示す設定温度は異なる。仮に、(A)超弾性効果を示す設定温度を90℃にすると、37℃付近では軟らかい状態となり、かつ形状記憶効果を発現するように熱処理条件を設定するものである。もし、(A)超弾性効果を示す設定温度を37℃付近とすると、(B)形状記憶効果を示す設定温度はこれより低くなり、本発明の目的にそぐわない。またこの場合、(A)超弾性効果を示す設定温度と(B)形状記憶効果を示す設定温度との間には、超弾性効果を示し且つ形状記憶効果も示す領域が存在する。カテーテル本体を生体温度で変形させた場合、その変形力を解除すると、元の形状に復元するが、この復元力が超弾性効果であるか、形状記憶効果で復元したかについては、0.3秒未満で瞬時に復元した場合は超弾性効果が強く作用しているとみられるものであり、実際、0.3秒未満で瞬時に復元する場合、本発明者の知見によると、強い弾性によってカテーテル操作時に血管内や尿管内を傷付けてしまうおそれが多分にある。
【0022】
ここで、本発明において、“生体温度で超弾性乃至擬弾性を有さない”とは、超弾性を示す設定温度、及び超弾性効果を示し且つ形状記憶効果を示す領域が生体温度より高い温度域にあり、図1(A)に示したように、一端を固定したカテーテル本体1の少なくとも先端側(少なくとも先端から5mmまでの部分、特に先端から15cmまでの部分)を生体温度(通常36〜37℃付近、好ましくは33〜42℃の範囲)において角度α=30〜90度、好ましくは45〜90度に変形したとき(図1(B))、その変形力を解除した場合(或いはカテーテルの操作中に手を離した場合)、超弾性乃至擬弾性により戻るのではなく、形状記憶性で緩やかに(徐々に)戻る(図1(C))ものであり、この復元力を時間で表すと0.3秒以上、好ましくは0.5秒以上、より好ましくは1秒以上、更に好ましくは1.5秒以上、最も好ましくは2秒以上要することを意味する。
【0023】
また更に、本発明者が、形状記憶効果を時間で規定する以外の別の角度から更に鋭意検討した結果、“生体温度で超弾性乃至擬弾性を有さない”ことについて所定の三点曲げ試験における降伏荷重、回復荷重及び残留歪みによっても説明できることを知見した。
【0024】
即ち、図2に示したように、超弾性効果と形状記憶効果とを有する又は形状記憶効果のみを有する外径875μm、内径750μmの金属管体Tを治具に支点a〜支点dでセットし、下記測定条件にしたがって、図3に示した各測定部位の1mm変位時の降伏荷重、回復荷重、荷重解放後の残留変位量から残留歪みを求めた結果、降伏荷重と回復荷重と残留歪みとの間には、図4〜6に示す関係が認められる。
【0025】
<測定条件>
テストスピード :2mm/min
ポンチ先端形状 :φ5mm
支点形状(a〜d) :φ6mm
支点間距離(a−b) :18mm
支点間距離(c−d) :14mm
ポンチ変位量 :2mm
測定温度 :37±1℃
【0026】
即ち、図4から降伏荷重と回復荷重とは降伏荷重が約5.9N以上においてほぼ比例関係を示し、図5から降伏荷重と残留歪みとは降伏荷重が8.8N以下においてほぼ逆比例関係を示すこと、つまり、降伏荷重が大きいほど、回復荷重が大きくなり、残留歪みが小さくなること、また、降伏荷重が8.8N以下、回復荷重が2.9N以下、残留歪みが0.2mm以上の場合、変形させた状態を保ち得、変位時に強い戻りが生じることを防止できること、つまり超弾性乃至擬弾性効果が生じないことを知見した。
【0027】
実際、本発明者が、検討したところカテーテル本体の先端側(少なくとも先端から5mmまでの部分、特に先端から15cmまでの部分)の三点曲げ試験における降伏荷重、回復荷重、及び残留歪みが上記範囲を外れる場合には超弾性乃至擬弾性効果が強く作用し、その強い弾性によってカテーテル操作時に血管内や尿管内を傷付けてしまうおそれが多分にあることが認められる。
【0028】
即ち、本発明において、“生体温度で超弾性乃至擬弾性を有さない”とは、超弾性を示す設定温度、及び超弾性効果を示し且つ形状記憶効果を示す領域が生体温度より高い温度域にあり、カテーテル本体の少なくとも先端側(少なくとも先端から5mmまでの部分、特に先端から15cmまでの部分)を、少なくとも生体温度において変形したとき、その変形力を解除した場合(或いはカテーテルの操作中に手を離した場合)、回復に0.3秒以上、好ましくは0.5秒、より好ましくは1秒以上、更に好ましくは1.5秒以上、最も好ましくは2秒以上要することを意味する。この場合、更にカテーテル本体の少なくとも先端側を、上述したように、外径875μm、内径750μmの管体を用いて三点曲げ試験を行った場合の降伏荷重が8.8N以下、回復荷重が2.9N以下、残留歪みが0.2mm以上である金属材料で形成することが好ましい。
【0029】
更に具体的には、上述した三点曲げ試験における降伏荷重、回復荷重、及び残留歪みの好適範囲は、カテーテル本体の内径、外径などにより異なり、以下に示す範囲であることが好ましい。
【0030】
<カテーテル本体の内径が800μm以上、外径が950μm以上である場合>
(i)降伏荷重が10.8N以下、好ましくは7.4N以下、より好ましくは6.4N以下、更に好ましくは5.4N以下、最も好ましくは4.4N以下であることが好ましい。
(ii)回復荷重が3.9N以下、好ましくは2.9N以下、より好ましくは2.0N以下、更に好ましくは1.0N以下であることが好ましい。
(iii)残留歪みが0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.2mm以上であることが好ましい。
【0031】
<カテーテル本体の内径が600〜800μm、外径が700〜950μmである場合>
(i)降伏荷重が8.8N以下、好ましくは6.4N以下、より好ましくは5.4N以下、更に好ましく4.4N以下、最も好ましくは2.9N以下であり、この場合、下限値は特に制限されないが、0.1N以上であることが好ましい。
(ii)回復荷重が2.9N以下、好ましくは1N以下、より好ましくは0.5N以下であり、この場合、下限値は特に制限されないが、0Nであることが好ましい。
(iii)残留歪みが0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.2mm以上であり、この場合、上限値は特に制限されないが、1.8mm以下であることが好ましい。
【0032】
<カテーテル本体の内径が250μm以上600μm未満、外径が350μm以上700μm未満である場合>
(i)降伏荷重が6.9N以下、好ましくは4.9N以下、より好ましくは3.9N以下、更に好ましくは2.9N以下、最も好ましくは2N以下であり、この場合、下限値は特に制限されないが、0.1N以上であることが好ましい。
(ii)回復荷重が2N以下、好ましくは1N以下、より好ましくは0.5N以下、最も好ましくは0.1N以下であることが好ましい。
(iii)残留歪みが0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.2mm以上であることが好ましい。
【0033】
<カテーテル本体の内径が250μm未満、外径が350μm未満である場合>
(i)降伏荷重が2N以下、好ましくは1N以下、より好ましくは0.9N以下であることが好ましい。
(ii)回復荷重が1N以下、好ましくは0.6N以下、より好ましくは0.1N以下であることが好ましい。
(iii)残留歪みが0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.2mm以上であることが好ましい。
【0034】
つまり、本発明のカテーテルは、少なくとも生体温度において、本質的に形状記憶効果で元に戻るものであり、超弾性乃至擬弾性効果を出す前の温度で形状記憶効果を発現させるものである。これに対し、従来の超弾性金属管或いは形状記憶合金管のカテーテル本体においては、変形後の復元力が0.3秒未満であり、かつ降伏荷重がかなり大きく(即ち、回復荷重が大きい)、超弾性乃至擬弾性効果で瞬時に復元するものであり、本発明のカテーテル本体は、従来のこの種のカテーテルの超弾性乃至擬弾性効果を奏しないものである。
【0035】
このように本発明のカテーテルは、そのカテーテル本体の先端から軸方向に沿って少なくとも1個のカット部を設けると共に、カテーテル本体の少なくとも先端側が形状記憶効果を有しながら、超弾性効果乃至擬弾性効果をなくすこと、即ち、カテーテル本体の少なくとも先端側を生体温度で変形したとき、復元するのに0.3秒以上要すること、特にカテーテル本体の少なくとも先端側を外径875μm、内径750μmの管体を用いて三点曲げ試験を行った場合の降伏荷重が8.8N以下、回復荷重が2.9N以下、残留歪みが0.2mm以上である金属材料を用いることにより、複雑に曲りくねった微細な血管や尿管等であっても円滑に目的部位まで導入でき、従来のカテーテルに比べて血管や尿管損傷を与えるおそれが極めて小さく、違和感、痛みを可及的に防止できると共に、カテーテルの先端部(先端から2cm以上)を目的部位の内径に応じて自由に細径に調整し得るものである。
【0036】
本発明のカテーテルは、そのカテーテル本体の先端から軸方向に沿って少なくとも1箇所のカット部を設け、このカット部の隙間を狭めることにより、今までにはない超細径のカテーテル本体(例えば内径200μm,外径300μmのカテーテル本体、内径100μm,外径200μmのカテーテル本体など)を作成することができる。また、1種又は2種の基本的なカテーテル本体(例えば外径800μm,内径650μmのカテーテル本体、外径600μm,内径500μmのカテーテル本体など)を作成しておくだけで、血管等の目的部位の内径に対応した複数種類の径を有するカテーテルに自由に作り変えることができると共に、カテーテルの基端部に取り付けるハブの種類をカテーテル径に合せて複数種類作成する必要がなくなり、製造コストパフォーマンスが飛躍的に向上するものである。
【0037】
更に、本発明のカテーテルは、カテーテル本体の先端から基端まで一体に形成されているので、従来の熱可塑性チューブを先端に取り付けたカテーテルのように境界部で段差が生じることがないものであると共に、特開平8−257128号公報及び特開平8−308933号公報記載のカテーテルのように径方向乃至は螺旋状に溝を設けた先端部が折れやすかったり、この溝で内外層ポリマーを咬んでしまうという欠点がなく、安全性及び操作性に優れた医用カテーテルが得られるものである。
【0038】
【発明の実施の形態及び実施例】
以下、本発明につき図面を参照して更に詳しく説明する。
本発明のカテーテルKは、図7に示したように、カテーテル本体1の外周面に外側ポリマー層2を被覆形成すると共に、カテーテル本体1の先端から軸方向に沿って少なくとも1箇所のカット部3を設けたものである。この場合、カテーテル本体1の肉厚は、カテーテル本体の先端部から基端部にかけて均一な20〜200μm程度であることが好ましい。これは、カテーテル本体にカット部を設けたことによる折れ易さを防止するためである。
【0039】
上記カット部3は、カテーテル本体1の先端から軸方向に沿って少なくとも1箇所、好ましくは2箇所以上、より好ましくは2〜8箇所形成する。カット部3を2箇所以上形成する場合には、図9に示したように、径方向に対称となる位置にカット部3を設けることが好ましい。なお、図8,9ではカット部3をカテーテル本体1に4箇所設けた場合を示している。
【0040】
また、カット部3は、図8,10に示したように、その側面形状が略楔形であることが好ましい。即ち、カテーテル本体の先端側から基端側に向けて隙間間隔が漸次狭くなるようにカット部3を形成することが好ましく、このカット部の隙間を狭めることにより、基端側から先端に向けて漸次細径に形成されたカテーテルが得られる。
【0041】
上記カット部3の軸方向長さ(カット部形成箇所の長さ)L1はカテーテル本体1の先端から2cm以上、好ましくは5cm以上、より好ましくは10cm以上、更に好ましくは20cm以上、最も好ましくは40cm以上であり、最大でも100cm以下であることが好ましい。なお、カット部3の幅L2はカット部の形状及び個数、カテーテルの内径、調整後のカテーテル内径等により異なり一概には規定できないが、カテーテル先端で通常10〜1500μm程度である。
【0042】
本発明のカテーテルは、そのカテーテル本体の先端部に、該先端部に続く中間部より多くのカット部を設けることが好ましい。例えば、図11に示したカテーテルは、カテーテル本体の先端部に中間部より1箇所以上、好ましくは2箇所以上多くのカット部を設けると共に、これら先端部及び中間部に設けたカット部の間隔を狭めて先端に向かって2段階に細径となるように形成したものである。なお、図11では、カテーテル本体の先端から15cm未満の部分(先端部)にカット部を4箇所、15cm以上の部分(中間部)にカット部を2箇所設けている。この場合、カテーテル本体の先端部とはカテーテル本体の先端から15cm未満の部分をいい、中間部とはカテーテル本体の先端から15cm以上の部分をいい、カテーテル本体の先端部にはカット部を2箇所以上、好ましくは4箇所以上、より好ましくは4〜8箇所設けると共に、中間部にはカット部を1箇所以上、好ましくは2箇所以上、より好ましくは2〜4箇所設けることが好ましい。
【0043】
このようにカテーテル本体の先端部に該カテーテル本体の中間部より多くのカット部を設け、これら先端部及び中間部のカット部の間隔を狭めて先端に向かって2段階に細径となるように形成したカテーテルによれば、更にカテーテルの先端部を細径に調整することができ、微細な血管や尿管等の内径に対応した太さのカテーテルを作成することができるものである。なお、カテーテル本体の先端から10cm未満、10cm以上20cm未満、20cm以上30cm未満の3段階に分け、カット部の数を先端に行くほど減らして3段階に太さの変わるカテーテルを作成することもできる。
【0044】
上記カット部の形成方法としては、特に制限されず、例えば金属製のカテーテル本体の場合には、エッチングによる方法、放電加工、電子ビーム加工、レーザー加工、切削加工等の機械加工及びこれらを組み合わせた方法などにより形成することができる。また樹脂製のカテーテル本体の場合には、金型による一体成形、切削加工等の機械加工及びこれらを組み合わせた方法により形成することができる。
【0045】
なお場合によっては、図12に示したように、予め、カット部を形成可能な断片状部材4を作成しておき、これら断片状部材4をカテーテル本体1の先端に溶接、接着等の方法で貼り付けることによりカット部3を形成することもできる。また、図13に示したように、カテーテル本体1の先端周囲にワイヤー状部材5を張り巡らせることにより、カット部3を形成することもできる。
【0046】
次に、本発明のカット部を有するカテーテルは、例えば図14(A)〜(C)に示したように、カット部3を形成したカテーテル本体1の内腔に、目的とするカテーテル内径と同じ外径を有するガイドチューブ又はガイド棒6を挿入し(図14(A)参照)、このガイドチューブ又はガイド棒6に合せてカテーテル本体1のカット部3の隙間を狭めて(図14(B)中矢印方向)、カテーテル本体1を先端部に向って漸次細径となるように形成する。その後、図14(C)に示したように、カテーテル本体1の外周面に外側ポリマー層2を被覆することにより、先端部(先端から少なくとも2cm以上)が目的とする内径を有するカテーテルを作成することができる。
【0047】
なお、図示を省略しているが、カテーテル本体の内周面、少なくともカット部形成箇所の内周面には、ポリウレタン系、ナイロン系、ポリオレフィン系等の熱可塑性樹脂を塗布又は内側ポリマー管を内挿して内側ポリマー層を形成する。
【0048】
本発明においては、カテーテル本体の少なくともカット部形成箇所を外側から金属線、有機質線及び無機質線から選ばれる線状弾性材料でコイル状に巻くか又はメッシュ状に編むか或いは両者を組み合わせてカット部を設けることが,先端部を補強すると共に、先端部に柔軟性を付与して折れを防止する点から好ましい。例えば、図15に示したように、カット部を設けて先端部に向って細径となるように形成したカテーテル本体1のカット部形成箇所を外側から金属線、有機質線及び無機質線から選ばれる線状弾性材料7でコイル状に巻くことにより先端部を補強し、柔軟性を付与することができる。
【0049】
この場合、金属線、有機質線及び無機質線から選ばれる線状弾性材料としては、プラチナコイル、ステンレスコイル、タングステンコイル等の金属線、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の各種熱可塑性エラストマー等を線状に形成したもの、特にナイロン6、芳香族ポリエステル(商品名:ベクトラン、クラレ社製)、アラミド(商品名:ケブラー、デュポン社製)などを線状に形成したものが好ましい。更に、牛の腱等から抽出したコラーゲン等の繊維状蛋白質、カーボンファイバー、グラスファイバー、その他の無機質線などを用いることができる。
【0050】
本発明によれば、上記カット部を設けることにより、1種又は2種の基本的な内径(例えば内径400μm,500μm,600μmなど)を有するカテーテル本体を作成しておくだけで、目的部位の内径に対応した複数種類のカテーテル本体に自由に作り変えることができる。例えば、300μm、400μm、500μmの3種類の内径を有するカテーテル本体を作成する場合、まず、内径500μmのカテーテル本体を作成しておき、このカテーテル本体にカット部を形成し、カット部の隙間を狭めることにより先端部の内径が400μm又は300μmのカテーテル本体に調整することができると共に、カテーテルの基端部に取り付けるハブについても基本的な1種又は2種の内径を有するものでハブを作成しておけば、カテーテル径に合せて複数種類作成する必要がなくなり、従来に比べて製造コストパフォーマンスが飛躍的に向上するものである。
【0051】
また、本発明によれば、従来作成することが極めて困難であった先端部(先端から2cm以上)が超細径のカテーテル本体(例えば内径200μm,外径300μmのカテーテル本体、内径100μm,外径200μmのカテーテル本体など)を作成することが可能となるものである。
【0052】
次に、本発明のカテーテル本体を構成する材料としては、上述したように、カテーテル本体の軸方向に沿ってカット部を形成することができるものであれば特に制限されず、従来からカテーテル本体を形成するのに用いられているポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の可撓性のある樹脂製チューブ、ステンレス、形状記憶合金等の金属管などを用いることができる。
【0053】
これらの中でも、カテーテルの先端部に優れた柔軟性を付与し、更に操作性、安全性を高めるためには、カテーテル本体の少なくとも先端側を、少なくとも生体温度(通常36〜37℃付近、好ましくは33〜42℃の範囲)において形状記憶性を有するが、超弾性乃至擬弾性を有さない形状記憶性金属にて形成したものを用いる。
【0054】
上述したように、本発明において、“生体温度で超弾性乃至擬弾性を有さない”とは、図1(A)〜(C)に示したように、生体温度(通常36〜37℃付近、好ましくは33〜42℃の範囲)においてカテーテル本体1の少なくとも先端側(少なくとも先端から5mmまでの部分、特に先端から15cmまでの部分)を角度α=30〜90度、好ましくは45〜90度に変形し、この変形力を解除した場合、元の形状に復元するのに0.3秒以上、好ましくは0.5秒以上、より好ましくは1秒以上、更に好ましくは1.5秒以上、最も好ましくは2秒以上要するものであると共に、三点曲げ試験における降伏荷重、回復荷重及び残留歪みによっても表わすことができる。
【0055】
ここで、上述したように、三点曲げ試験は、図2に示したように管体Tを支点a〜dでセットし、所定の測定条件で1mm変位時の降伏荷重、回復荷重を測定し、荷重解放後の残留変位量から残留歪みを求めるものである。
【0056】
この場合、更にカテーテル本体の少なくとも先端側(少なくとも先端から5mmまでの部分)を、外径875μm、内径750μmの管体を用いて三点曲げ試験を行った場合の降伏荷重が8.8N以下、回復荷重が2.9N以下、残留歪みが0.2mm以上である金属材料を用いることが好ましい。
【0057】
更に具体的には、上述した三点曲げ試験における降伏荷重、回復荷重及び残留歪みの好適範囲は、カテーテル本体の内径、外径に応じて異なり、以下に示す範囲であることが好ましい。
【0058】
<カテーテル本体の内径が800μm以上、外径が950μm以上である場合>
(i)降伏荷重が10.8N以下、好ましくは7.4N以下、より好ましくは6.4N以下、更に好ましくは5.4N以下、最も好ましくは4.4N以下であることが好ましい。
(ii)回復荷重が3.9N以下、好ましくは2.9N以下、より好ましくは2.0N以下、更に好ましくは1.0N以下であることが好ましい。
(iii)残留歪みが0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.2mm以上であることが好ましい。
【0059】
<カテーテル本体の内径が600〜800μm、外径が700〜950μmである場合>
(i)降伏荷重が8.8N以下、好ましくは6.4N以下、より好ましくは5.4N以下、更に好ましく4.4N以下、最も好ましくは2.9N以下であり、この場合、下限値は特に制限されないが、0.1N以上であることが好ましい。
(ii)回復荷重が2.9N以下、好ましくは1N以下、より好ましくは0.5N以下であり、この場合、下限値は特に制限されないが、0Nであることが好ましい。
(iii)残留歪みが0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.2mm以上であり、この場合、上限値は特に制限されないが、1.8mm以下であることが好ましい。
【0060】
<カテーテル本体の内径が250μm以上600μm未満、外径が350μm以上700μm未満である場合>
(i)降伏荷重が6.9N以下、好ましくは4.9N以下、より好ましくは3.9N以下、更に好ましくは2.9N以下、最も好ましくは2N以下であり、この場合、下限値は特に制限されないが、0.1N以上であることが好ましい。
(ii)回復荷重が2N以下、好ましくは1N以下、より好ましくは0.5N以下、最も好ましくは0.1N以下であることが好ましい。
(iii)残留歪みが0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.2mm以上であることが好ましい。
【0061】
<カテーテル本体の内径が250μm未満、外径が350μm未満である場合>
(i)降伏荷重が2N以下、好ましくは1N以下、より好ましくは0.9N以下であることが好ましい。
(ii)回復荷重が1N以下、好ましくは0.6N以下、より好ましくは0.1N以下であることが好ましい。
(iii)残留歪みが0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.2mm以上であることが好ましい。
【0062】
カテーテル本体の少なくとも先端側の降伏荷重、回復荷重及び残留歪みが上記範囲を下回るとカテーテル本体の先端側が柔らかくなりすぎると共に、カテーテル本体の基端側の剛(強)性が弱くなり、操作性に問題が生じる場合がある。一方、降伏荷重、回復荷重及び残留歪みが上記範囲を上回るとカテーテル本体の先端側の回復力が強すぎ、血管や尿管などの損傷を生じたり、基端側の剛(強)性が強くなりすぎ、操作性に問題が生じる場合がある。
【0063】
なお、カテーテル本体の基端側(少なくとも基端から5mmまでの部分)を外径875μm、内径750μmの管体を用いて三点曲げ試験を行った場合の降伏荷重は8.9N以上、回復荷重は3.0N以上、残留歪みは0.2mm未満であり、十分な剛性を有するものである。この場合、カテーテル本体の先端側と基端側との間の降伏荷重、回復荷重及び残留歪みは操作性などに応じて適宜設定することができる。
【0064】
本発明においては、管状カテーテル本体の全体を上記形状記憶性金属にて形成してもよく、カテーテル本体の先端側のみを上記形状記憶性金属にて形成し、残りの部分を少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性乃至擬弾性を有する形状記憶合金などにて形成することができる。
【0065】
ここで、上記形状記憶性金属部は、カット部形成箇所の長さに対応させ、少なくともカテーテル本体の先端から2cm以上の部分、好ましくは約5cmまでの部分、より好ましくは10cm以上、更に好ましくは20cm以上までの部分とすることが、本発明の目的をより効果的に達成する点から推奨される。
【0066】
上記形状記憶性金属は、熱処理等により少なくとも生体温度において形状記憶性を有し、かつ超弾性乃至擬弾性を喪失させた形状記憶合金、特にNi−Ti系、Fe系、Cu系などの形状記憶合金にて形成することができる。具体的にこのような形状記憶合金としては、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Ti−Fe合金、Ni−Ti−Mn合金、Ni−Ti−Cr合金、Ni−Ti−V合金、Ni−Ti−Al合金、Ni−Ti−Nb合金、Cu−Zn系合金、Cu−Zn−Be合金、Cu−Zn−Si合金、Cu−Zn−Sn合金、Cu−Zn−Ga合金、Cu−Al−Ni系合金、Cu−Al−Zn系合金などが挙げられ、用途、形状記憶性等の程度などに応じて合金濃度を変えて用いることができる。中でもNi濃度が49〜58原子%、好ましくは50〜51原子%、より好ましくは50.3〜50.7原子%のNi−Ti合金が好ましい。
【0067】
本発明のカテーテル本体を構成する形状記憶合金管は、所定の太さの形状記憶合金製管体を通常の冷間加工を施し(例えば、冷間加工率30〜50%)、常法に従って延伸することによって形成することができるものであり、その後、形状記憶合金の種類、或いはNi−Ti合金の場合、Ni濃度によっても相違し、一義的に決定できないが、好ましくは350〜700℃の温度で1分〜数十時間加熱を行うことが好ましく、これにより強靭でしなやかさを与えることができる。
【0068】
本発明では、上記形状記憶合金(少なくとも先端側)の形状記憶性を残し、超弾性乃至擬弾性を喪失させるためには更に熱処理を与えることが好ましい。この場合、熱処理条件は適宜選定され、形状記憶合金の種類によっても相違し、限定されるものではなく、Ni−Ti合金の場合も上記のようにNi濃度によって異なるが、アルゴンガス等の不活性雰囲気中で350℃以上、特に450℃以上で1分〜数十時間程度加熱する方法を採用することができ、場合によってはアルゴンガス等の不活性雰囲気中で500℃以上で10時間以上加熱することもできる。
【0069】
本発明のカテーテルは、図7にその一例を示したように、その先端側が上記形状記憶性金属よりなるカテーテル本体1の外周面を被覆して外側ポリマー層2を形成したものである。なお、図示を省略しているが、カテーテル本体1の内周面には内側ポリマー層を形成することができる。また更に、外側ポリマー層2(最外層)上、及び内側ポリマー層(最内層)上には、操作性を増し、表面に耐久性の高くかつ良好な抗血栓性と水中潤滑性とぬめり性とを与えるポリウレタン系、ナイロン系、ポリオレフィン系等の親水性ポリマーをコーティングすることができる。
【0070】
上記内側ポリマー層及び外側ポリマー層を構成する樹脂としては、特に制限されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合体等のポリオレフィン系ポリマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、セルロース、ポリカーボネート、シリコーン、天然ゴムラテックス、その他のゴム等のガス滅菌以外にも電子線やγ線といった放射線電子滅菌に耐えられるポリマーなどが挙げられる。
【0071】
この場合、上記カテーテル本体1の厚みは5〜300μm、特に10〜200μm程度とすることができ、外側ポリマー層2の厚みは1〜300μm、好ましくは20〜300μm、特に50〜150μmとすることができる。内側ポリマー層の厚みは内側ポリマー管を内挿することにより内側ポリマー層を形成する場合には10〜100μmであり、カテーテル本体の内周面に熱可塑性樹脂ポリマーを塗布して内側ポリマー層を形成する場合は0.2〜30μm程度とすることができる。
【0072】
なお、上記カテーテルの内側ポリマー層及び外側ポリマー層を形成する熱可塑性樹脂には、X線造影剤を含有させることができる。この場合、X線造影剤としては公知のものを使用することができるが、本発明においては、タングステン粉末が好ましい。また、X線造影剤の含有量は20〜69質量%程度とすることができる。
【0073】
上記カテーテルKの長さは、用いる用途などに応じて適宜選定することができる。
【0074】
更に、上記カテーテルはその先端部を生体温度で曲率半径(R)0〜200mm程度の範囲で湾曲するように形状記憶させることができ、また、0〜120°、特に30〜90°屈曲するように形状記憶させることができる。なお、曲率半径(R)0mmとは、湾曲させないストレートな状態を指し、これは使用目的によっては必要となるものである。このようにカテーテルを形状記憶させることにより、曲がりくねった急峻な血管や尿管内等によりスムーズに、より容易に導くことができる。
【0075】
本発明のカテーテルは、基端側に強性(剛性)を与えることにより、誘導用のガイドワイヤーを不要とすることができる。また、カテーテル先端部にカット部を設けることによりカテーテル径を目的部位に応じて極めて細く形成できると共に、少なくともカテーテル本体の先端部が、少なくとも生体温度において超弾性効果乃至擬弾性効果をなくしているので、血管内等で一定の応力がカテーテルに加わると、簡単につぶれるか、折れ曲がり、また元に戻る力が小さいために血管壁等を傷付けることがないものであるが、形状記憶効果はそのまま十分有しているので、その後、徐々に元の形状に復元することができ、従来に比べて操作性、安全性が飛躍的に向上したものである。
【0076】
上記カテーテルは、脳、心臓、腹部等の血管造影等の検査や、脳、心臓、腹部等の血管狭窄等の治療、尿管、尿道等尿路系の結石治療、更には膵胆管の検査やERCPの治療、異物除去回収などに通常のカテーテルと同様に用いることができる。具体的には、通常の方法によって、カテーテルの先端部を生体内の目的部位まで挿入し、局所的に血管造影剤や塞栓物質等の各種薬剤などを注入したり、その先端部に膨張及び収縮可能なバルーンを取り付けて種々の血管、尿管、及び膵胆管の治療などに用いることができる。
【0077】
本発明のカテーテルにおいて、その内外周面に親水性ポリマーをコーティングしたものは抗血栓性、表面のすべり性に優れ、現場において必要とされる操作性を総て兼ね備えたものである。
【0078】
また、本発明のカテーテルは、カテーテル本体の先端から軸方向に沿って少なくとも1箇所のカット部を設けることによりカテーテル径をある程度の太さの径のものから、細径のものまでに幅広く自由に作成し得るものであり、特に今までには困難であった超細径のカテーテル本体(例えば内径200μm,外径300μmのカテーテル本体、内径100μm,外径200μmのカテーテル本体など)を作成することできるので、心臓、脳、腹部、尿路系などの曲がりくねった微細な血管や尿管であっても、血管や尿管損傷を起こすことなく、目的部位までスムーズかつ安全に挿入することができるものである。
【0079】
本発明のカテーテルは、特に制限されるものではないが、尿管結石などの破砕、補脱用の尿管カテーテルや、異物の回収用のリトリーバー部材に用いるカテーテルや、内視鏡に関するカテーテル(血管内内視鏡に用いるカテーテル)、脳、心臓、腹部等の血管造影等の検査や、脳、心臓、腹部等の動脈瘤などの塞栓治療、脳、心臓、腹部等の血管内手術用、更には経内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)用及び治療用カテーテルに好適なものである。
【0080】
〔実施例1〜3、比較例1〕
Niが49〜58原子%のNi−Ti合金製筒体に冷間加工を施し、常法に従って延伸することにより、外径875μm、内径750μm、厚さ約63μmのカテーテル本体を作成した。このカテーテル本体を400℃において10〜30分間熱処理を行った。次に、カテーテル本体の先端から30cmまでの先端側をアルゴンガス中で500℃において数時間熱処理し、更にカテーテル本体の先端から12.5cmまでをアルゴンガス中で400℃において24時間熱処理を行った。これによって、カテーテル本体の基端側は比較的剛性を有し、しなやかさを有する一方、カテーテル本体の先端側は先端に向かうに従って柔軟性を持ち、生体温度において形状記憶性を有するが、超弾性乃至擬弾性のないカテーテル本体を得た。
【0081】
比較のために、Niが49〜58原子%のNi−Ti合金製筒体に冷間加工を施し、常法に従って延伸することにより、外径875μm、内径750μm、厚さ約63μmのカテーテル本体を作成した。このカテーテル本体を400℃において10〜30分間熱処理を行っただけの形状記憶性と超弾性乃至擬弾性を有するカテーテル本体を作成した(比較例1)。
【0082】
得られた実施例及び比較例1のカテーテル本体について、図1に示したように、カテーテル本体の先端から15cmまでの部分をゴム板上で支え、角度α=90度に変形し、変形力を解除した場合、実施例のカテーテル本体は生体温度(通常36〜37℃付近、好ましくは33〜42℃の範囲)において約2秒で緩やかに(徐々に)復元した。これに対して比較例1のカテーテル本体は0.3秒未満で瞬時に復元した。
また、下記三点曲げ試験により降伏荷重、回復荷重及び残留歪みを測定した。結果を表1に示す。
【0083】
三点曲げ試験
図2に示したように、カテーテル本体を支点a〜支点dにセットし、各測定部位について下記測定条件で1mm変位時の降伏荷重、回復荷重を測定し、荷重解放後の残留変位量から残留歪みを求めた。
【0084】
<測定条件>
テストスピード :2mm/min
ポンチ先端形状 :φ5mm
支点形状(a〜d) :φ6mm
支点間距離(a−b) :18mm
支点間距離(c−d) :14mm
ポンチ変位量 :2mm
測定温度 :37±1℃
【0085】
【表1】
【0086】
次に、得られた実施例及び比較例1のカテーテル本体の先端から20cmまで達する側面形状が楔形のカット部を4箇所形成し、図14(A)〜(C)に示した方法により、内径600μm(実施例1)、内径500μm(実施例2)のカテーテル本体を作成した。なお、カテーテル本体の内周面には熱可塑性ポリマーを塗布することにより、内側ポリマー層を形成した。
【0087】
これらカテーテルは、基端部の剛性(トルク性)を効かせるため、カテーテルの先端部に半径(R)約1mm(細動脈)から50mm程度(大動脈弓部等)の丸みを与え、0〜120°、特に30〜90°の範囲で形状記憶させた。また、目的に応じ、先端部に丸みをつけないカテーテルも作成した(実施例3)。
【0088】
実施例1〜3のカテーテルは、いずれも血管内にカテーテルをスムーズに誘導できる。またカテーテル本体がしなやかであり、柔軟性が高く、しかも実施例3のカテーテルはその先端部1〜50mm程度までが目的の血管にカテーテルが入った後、スムーズに挿入できるように角度が形成されているので、血管内に損傷を与えることがないものである。更に、これらカテーテル本体の先端側は、超弾性乃至擬弾性がなく、この点からも血管の損傷を極力抑えることができるものである。なお、上記カテーテル本体の先端側は、折曲乃至屈曲が生じても、36〜37℃の体温下で自然に徐々に回復する形状記憶効果を有する。また、カテーテルの基端部は十分な剛性を有し、ガイドワイヤーがなくても操作し得るものである。
【0089】
これに対して、比較例1のカテーテルは、特に先端側に超弾性乃至擬弾性を有しているので剛性が強く、曲がりくねった微細な血管等に挿入することが困難であり、また無理に挿入すると血管等を傷付けてしまうおそれがあり、操作性、安全性に劣るものであった。
【0090】
〔実施例4〕
Niが49〜58原子%のNi−Ti合金製筒体に冷間加工を施し、常法に従って延伸することにより、外径725μm、内径625μm、厚さ50μmのカテーテル本体を作成した。このカテーテル本体を400℃において10〜30分間熱処理を行った。次に、カテーテル本体の先端から30cmまでの先端側を400℃において24時間熱処理した。
【0091】
処理後のカテーテル本体について、図1に示した方法により、先端から15cmまでの部分を角度α=90度に変形し、変形力を解除した場合、生体温度において約2秒で緩やかに(徐々に)復元した。また、上記同様の三点曲げ試験を行った。結果を表2に示す。
【0092】
次に、カテーテル本体の先端から20cmまで達する側面形状が楔形のカット部を4箇所形成し、内径500μmのカテーテル本体を作成し、カテーテル本体の内外周面に熱可塑性ポリマーを塗布することにより、内外側ポリマー層を形成したカテーテルを作成した。このカテーテルはしなやかであり、特に先端部が優れた柔軟性を備えた高品質なものである。
【0093】
〔実施例5〕
Niが49〜58原子%のNi−Ti合金製筒体に冷間加工を施し、常法に従って延伸することにより、外径600μm、内径500μm、厚さ50μmのカテーテル本体を作成した。このカテーテル本体を400℃において10〜30分間熱処理を行った。次に、カテーテル本体の先端から30cmまでの先端側を400℃において24時間熱処理した。
【0094】
処理後のカテーテル本体について、図1に示した方法により、先端から15cmまでの部分を角度α=90度に変形し、変形力を解除した場合、生体温度において約2秒で緩やかに(徐々に)復元した。また上記同様の三点曲げ試験を行った。結果を表2に示す。
【0095】
次に、カテーテル本体の先端から20cmまで達する側面形状が楔形のカット部を4箇所形成し、内径400μmのカテーテル本体を作成し、カテーテル本体の内外周面に熱可塑性ポリマーを塗布することにより、内外側ポリマー層を形成したカテーテルを作成した。得られたカテーテルはしなやかであり、特に先端部が優れた柔軟性を備えた高品質なものである。
【0096】
〔実施例6〕
Niが49〜58原子%のNi−Ti合金製筒体に冷間加工を施し、常法に従って延伸することにより、外径320μm、内径220μm、厚さ50μmのカテーテル本体を作成した。このカテーテル本体を400℃において10〜30分間熱処理を行った。次に、カテーテル本体の先端から30cmまでの先端側を400℃において24時間熱処理した。
【0097】
処理後のカテーテル本体について、図1に示した方法により、先端から15cmまでの部分を角度α=90度に変形し、変形力を解除した場合、生体温度において約2秒で緩やかに(徐々に)復元した。また上記同様の三点曲げ試験を行った。結果を表2に示す。
【0098】
次に、カテーテル本体の先端から20cmまで達する側面形状が楔形のカット部を4箇所形成し、内径150μmのカテーテル本体を作成し、カテーテル本体の内外周面に熱可塑性ポリマーを塗布することにより、内外側ポリマー層を形成したカテーテルを作成した。得られたカテーテルはしなやかであり、特に先端部が優れた柔軟性を備えた高品質なものである。
【0099】
【表2】
【0100】
【発明の効果】
本発明によれば、カテーテル本体の先端から基端までが一体に形成されているので従来のカテーテルのように先端部に熱可塑性樹脂チューブを取り付ける必要がなく、このため先端部の段差がなくなり、違和感、痛みの発生が極めて少なく、操作上血管内や尿管内等を傷付けることを可及的に防止できるものである。
【0101】
また、本発明のカテーテルは、カテーテル本体の先端から軸方向に沿ってカット部を設けることにより、今までにはない超細径のカテーテルを作成することができると共に、1種又は2種の基本的な内径を有するカテーテル本体及びハブを作成しておくだけで、目的部位の内径に対応した複数種類のカテーテルに自由に作り変えることができ、製造コストパフォーマンスが飛躍的に向上するものである。
【0102】
更に、本発明のカテーテルは、そのカテーテル本体の少なくとも先端側において、形状記憶効果を残したままで、超弾性効果乃至は擬弾性効果をなくすと共に、カテーテル本体の基端側を剛性を有するように形成することにより、優れた柔軟性、しなやかさと十分なこしを有し、誘導用ガイドワイヤーなしでも操作し得、安全性及び操作性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は曲げ試験の方法を示した説明図である。
【図2】三点曲げ試験の測定方法を示した説明図である。
【図3】同測定部位を示した説明図である。
【図4】降伏荷重と回復荷重との関係を示したグラフである。
【図5】降伏荷重と残留歪みとの関係を示したグラフである。
【図6】降伏荷重と回復荷重と残留歪みとの関係を示した概念図である。
【図7】本発明の一実施例にかかるカテーテルの断面図である。
【図8】同カテーテル本体の側面図である。
【図9】同カテーテル本体の正面図である。
【図10】同別のカテーテル本体の側面図である。
【図11】2段階に内径を調整したカテーテル本体の断面図である。
【図12】カット部の形成方法を示した側面図である。
【図13】別のカット部形成方法を示した側面図である。
【図14】本発明のカット部を有するカテーテルの作成方法の一例を示し、(A)カット部を設けたカテーテル本体にガイドチューブを挿入した状態を示した断面図、(B)はガイドチューブに合せてカット部の隙間を狭めた状態を示した断面図、(C)はカテーテル本体の外周面に外側ポリマー層を被覆した状態を示した断面図である。
【図15】カット部形成箇所をコイル状に巻いて補強した状態を示した側面図である。
【図16】従来の先端部に溝を設けたカテーテルの断面図である。
【図17】同別のカテーテルの断面図である。
【符号の説明】
1 カテーテル本体
2 外側ポリマー層
3 カット部
K カテーテル
Claims (6)
- カテーテル本体と、このカテーテル本体の外周面を被覆する外側ポリマー層とを有するカテーテルにおいて、上記カテーテル本体の先端から軸方向に沿って、カテーテル本体の先端側から基端側に向けて隙間間隔が漸次狭くなるように形成したカット部を少なくとも1箇所設け、カテーテル本体が先端部に向って漸次細径になるように上記カット部の隙間を狭めて、上記外側ポリマー層を上記カテーテル本体の外周面に被覆すると共に、カテーテル本体の少なくともカット部形成箇所の内周面を被覆して内側ポリマー層を形成し、カテーテル本体の少なくとも先端側を、少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を有さない形状記憶性合金にて形成してなることを特徴とするカテーテル。
- カテーテル本体の肉厚が、カテーテル本体の先端部から基端部にかけて均一な20〜200μmである請求項1記載のカテーテル。
- 上記カテーテル本体に設けたカット部の側面形状が略楔形である請求項1又は2記載のカテーテル。
- 上記カット部形成箇所の軸方向長さがカテーテル本体の先端から2cm以上である請求項1,2又は3記載のカテーテル。
- カテーテル本体の先端部及び該先端部に続く中間部にカット部を形成すると共に、上記先端部に中間部より多くのカット部を設けた請求項1乃至4のいずれか1項記載のカテーテル。
- カテーテル本体の少なくともカット部形成箇所を外側から金属線、有機質線及び無機質線から選ばれる線状弾性材料でコイル状に巻くか又はメッシュ状に編むか或いは両者を組み合わせて補強した請求項1乃至5のいずれか1項記載のカテーテル。
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