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JP4391360B2 - 磁気記録媒体及びその磁気記録方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその磁気記録方法 Download PDF

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JP4391360B2 JP2004248294A JP2004248294A JP4391360B2 JP 4391360 B2 JP4391360 B2 JP 4391360B2 JP 2004248294 A JP2004248294 A JP 2004248294A JP 2004248294 A JP2004248294 A JP 2004248294A JP 4391360 B2 JP4391360 B2 JP 4391360B2
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Description

本発明は、磁気記録媒体及びその磁気記録方法に係り、特に、垂直磁気記録に用いる磁気記録媒体及びその磁気記録方法に関する。
磁気記録装置であるハードディスク装置は、コンピュータや各種携帯情報端末、例えばモバイルパソコン、ゲーム機、デジタルカメラ、車載ナビゲーションシステム等の外部記憶装置として広く使用されている。
近年、このようなハードディスク装置の記録媒体として、従来の面内記録媒体と比べて倍以上の高保磁力化が可能な、垂直磁気記録媒体が注目されている。垂直磁気記録とは、記録媒体の面に垂直に、隣接する記録ビットが互いに反平行になるように磁区を形成する磁気記録方式である。
垂直磁気記録では、単磁極ヘッド構造の磁気ヘッドから発生する強い記録磁界により記録を行う。そこで、磁気記録層である垂直磁化膜の下層には、単磁極ヘッドからの磁束の受け口として作用する裏打ち層が設けられている。これにより、記録ヘッドから発生した記録磁界は、裏打ち層を介して環流し、磁束の閉磁路が形成される。
裏打ち層を用いることにより、より強いヘッド磁界で記録でき、裏打ち層がない垂直記録媒体だけでなく、面内記録媒体と比べても倍以上の高保磁力化が可能となる。
裏打ち層を有する垂直磁気記録媒体は、例えば特許文献1〜3に開示されている。
特開2002−298326号公報 特開2003−346315号公報 特開2004−127403号公報 特開2001−084658号公報
記録層が垂直磁化膜により構成されているのに対し、裏打ち層は面内磁化膜により構成されている。また、裏打ち層は、記録層と比較して膜厚が厚い。このため、垂直磁化膜である記録層と面内磁化膜である裏打ち層との間の磁気的な相互作用等により、裏打ち層内に垂直方向の磁化成分が生じることがある。裏打ち層内に垂直方向の磁化成分が生じると、再生時にこの成分までもが検出され、媒体ノイズの原因となる。
記録層と裏打ち層との間の相互作用を防止するために、これらの層間には、中間層と呼ばれる非磁性層が設けられる。しかしながら、中間層の膜厚が厚すぎると、ヘッドからの磁束が裏打ち層に届かず記録が困難となる。一方、中間層の膜厚が薄すぎると、記録層と裏打ち層との間の磁気的な相互作用を十分に防止することができず、これによる揺らぎが媒体ノイズの原因となる。
裏打ち層が磁化反転して180度磁壁を形成している場合、そこからの漏洩磁束がスパイク状のノイズとなって再生信号に重畳し、媒体ノイズが増大することもある。
また、高記録密度・媒体ノイズ低減を可能とする一つの手法として、熱アシスト記録がある。熱アシスト記録は、記録層磁気特性の温度変化を利用するものであり、レーザ光の照射により加熱して記録領域の保磁力(Hc)を低減させる。しかしながら、記録領域や記録磁界の分布(急峻性)はレーザ光の光強度分布(=熱分布)に依存するため、その結果、記録磁区が広がってしまい、線密度やトラック密度の制約となる。また、同時に媒体ノイズの要因ともなる。
本発明の目的は、低磁界強度で確実に情報を確実に記録することが可能であるとともに、媒体ノイズを抑制しつつ高信号出力を得ることができる磁気記録媒体及びこのような磁気記録媒体の磁気記録方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に形成され、フェリ磁性を有し、前記第1の磁性層とは反対方向に磁化した第2の磁性層と、前記第2の磁性層上に形成され、前記第2の磁性層とは反対方向に磁化した第3の磁性層とを有する裏打ち層と、前記裏打ち層上に形成され、磁気情報を記録する垂直磁気記録層とを有し、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間で反強磁性的交換結合が形成されており、前記第2の磁性層と前記第3の磁性層との間で反強磁性的交換結合が形成されている磁気記録媒体が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に形成され、フェリ磁性を有し、前記第1の磁性層とは反対方向に磁化した第2の磁性層と、前記第2の磁性層上に形成され、前記第2の磁性層とは反対方向に磁化した第3の磁性層とを有する裏打ち層と、前記裏打ち層上に形成され、磁気情報を記録する垂直磁気記録層とを有し、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間で反強磁性的交換結合が形成されており、前記第2の磁性層と前記第3の磁性層との間で反強磁性的交換結合が形成されている磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の前記垂直磁気記録層側に配置され、前記磁気記録媒体の所定の記録領域への磁気情報の記録及び前記磁気記録媒体の所定の記録領域の磁気情報の読み出しを行う磁気ヘッドと、前記磁気記録媒体への磁気情報の書き込みの際に前記磁気記録媒体の記録領域に光を照射して前記記録領域の温度を制御する光源とを有する磁気記録装置が提供される。
また、本発明の更に他の観点によれば、第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に形成され、第1の温度において前記第1の磁性層とは反対方向に磁化した面内磁化膜となり、前記第1の温度より高い第2の温度において垂直磁化膜となる第2の磁性層とを有する裏打ち層と、前記裏打ち層上に形成され、磁気情報を記録する垂直磁気記録層とを有する磁気記録媒体への磁気記録方法であって、記録領域の温度を前記第2の温度に昇温して前記記録領域における前記第2の磁性層を面内磁化膜から垂直磁化膜に転換し、前記記録領域に記録磁界を印加することにより、前記記録領域の前記垂直磁気記録層へ前記記録磁界に応じた所定の磁気情報を記録することを特徴とする磁気記録方法が提供される。
本発明によれば、裏打ち層を、第1の磁性層と、第1の磁性層とは反対方向に磁化したフェリ磁性材料よりなる第2の磁性層とにより構成することにより、第1の磁性層と第2の磁性層との間で反強磁性的交換結合を形成するので、裏打ち層内において閉磁路が形成される。これにより、再生時に裏打ち層からの漏洩磁界が減少し、同時に縞状磁区の発生が抑制され、媒体ノイズを低減することができる。
また、第2の磁性層を、再生時温度において面内磁化膜となり、記録時温度において垂直磁化膜となる磁性材料により構成するので、再生時において上述の反強磁性的交換結合による効果を得ることができるとともに、記録時においては記録磁界を記録領域に集中させることができ、記録磁界感度を向上することができる。また、記録磁界勾配を急峻にすることができるので、隣接磁区間の遷移ノイズを低減することができる。
また、第2の磁性層が垂直磁化膜となることにより、記録磁界を引き込むように作用するため、記録磁界の強度や昇温のための光レーザの出力を低減することができ、消費電力を抑えることができる。
また、第2に磁性層上に、第2の磁性層とは反対方向に磁化した第3の磁性層を更に設け、第2の磁性層と第3の磁性層との間で反強磁性的交換結合を形成することにより、漏洩磁界の増加を抑制しつつ、裏打ち層表面(第3の磁性層)の飽和磁化の大きさを増加することができる。したがって、鏡像効果による信号出力のエンハンス効果を高めることができる。また、媒体ノイズの低減効果と相俟って、S/N比を増大することができる。
また、第3の磁性層が、記録時温度近傍にキュリー温度を有するので、記録時における第3の磁性層からの磁界を低減することができ、第3の磁性層が記録磁界に影響するのを防止することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による磁気記録媒体及び磁気記録方法について図1乃至図6を用いて説明する。
図1は本実施形態による磁気記録媒体の構造を示す概略断面図、図2は本実施形態による磁気記録媒体における裏打ち層の飽和磁化の大きさの温度特性を示すグラフ、図3は本実施形態による磁気記録媒体における裏打ち層の磁気異方性の温度特性を示すグラフ、図4は本実施形態による磁気記録媒体の再生原理を説明する図、図5は本実施形態による磁気記録媒体の記録原理を説明する図、図6は本実施形態による磁気記録媒体における記録磁界に対するオーバーライト特性を示すグラフである。
はじめに、本実施形態による磁気記録媒体の構造について図1を用いて説明する。
ガラス基板10上には、裏打ち層12が形成されている。裏打ち層12は、ガラス基板10側から、面内磁化膜である第1の磁性層12aと、室温において面内磁化膜であり高温で垂直磁化膜となる第2の磁性層12cと、面内磁化膜である第3の磁性層12eとを有している。第1の磁性層12aと第2の磁性層12cとの間、及び第2の磁性層12cと第3の磁性層12eとの間には、それぞれ非磁性層よりなるスペーサ層12b,12dが形成されている。第2の磁性層12cはフェリ磁性を有しており、第1の磁性層12a及び第3の磁性層12eとの間に反強磁性的交換結合を形成している。裏打ち層12上には、非磁性材料よりなる中間層14、垂直磁化膜よりなる垂直磁気記録層16及び保護層18が形成されている。
上述の通り、本実施形態による磁気記録媒体は、裏打ち層12が、第1の磁性層12a、第2の磁性層12c、及び第3の磁性層12eにより構成されていることに主たる特徴がある。以下、本実施形態による磁気記録媒体における第1乃至第3の磁性層について詳述する。
第1の磁性層12aは、記録ヘッドから発生した記録磁界を環流させ、磁束の閉磁路を形成するためのものであり、裏打ち層12の本来の目的を達成するために設けられた層である。したがって、第1の磁性層12aは、記録時(昇温時)において面内磁気異方性を有する必要がある。
第1の磁性層12aには、裏打ち層として従来用いられていた磁性材料、例えばCoNbZrを適用することができる。CoNbZrは、本質的磁気異方性(Ku)がKu<0であり、飽和磁化の大きさMsが温度変化で減少しても、別の磁気異方性要因が働かなければ、面内磁気異方性を維持する。
第1の磁性層12aとしては、上記CoNbZrのほか、CoZrTaのような非晶質材料、FeTaCのような微結晶析出型の結晶構造を有する材料、NiFeのような結晶質材料などを適用することができ、結晶形態には限定されない。但し、第1の磁性層12aからのノイズを考慮に入れると、非晶質若しくは微結晶析出型であることが望ましい。また、第1の磁性層12aは、軟磁性層と非磁性層とを交互に積層した多層構造(例えばFe/C多層膜)であってもよい。
第2の磁性層12cは、その一つの目的が、第1の磁性層12aとの間で反強磁性的交換結合を形成することにある。このため、第2の磁性層12cは、第1の磁性層12aの磁化方向とは反対方向の磁化方向を有する磁性材料により構成される。
また、第2の磁性層12cは、再生時温度(例えば室温(RT))において面内磁気異方性が優位(Ku′<0)となり、記録時温度(加温時)において垂直磁気異方性が優位(Ku′≧0)となる、フェリ磁性材料により構成される。磁性材料は、本質的磁気異方性Kuを有している。見た目の磁気異方性Ku′は、飽和磁化の大きさをMsとして、
Ku′ = Ku − 2πMs
で表される。したがって、本質的磁気異方性KuがKu>0の磁性材料では、飽和磁化の大きさMsが温度上昇により減少した場合、Ku′<0(面内磁気異方性)からKu′>0(垂直磁気異方性)に変化することとなる。
また、第2の磁性層12cは、補償温度をTcomp、記録時温度をT(Pw)、キュリー温度をTcとしたときに、
comp≦ T(Pw) ≦ Tc
の関係を満足する材料である。
すなわち、第2の磁性層12cは、図2に示すように、室温において所定の飽和磁化の大きさを有する。また、図3に示すように、室温において面内磁気異方性が優位である。温度を室温から徐々に増加していき、補償温度Tcomp付近で、飽和磁化の減少により面内磁気異方性よりも垂直磁気異方性が優位になる。飽和磁化は、記録温度T(Pw)近傍においてゼロになる。温度を更に増加していくと、飽和磁化は再び増加してピークとなる。温度を更に増加していくと、飽和磁化の大きさは再び減少する。
このような特性を有する材料としては、希土類金属(R)−遷移金属(TM)からなるフェリ磁性材料を適用することができる。希土類金属と遷移金属とを含むフェリ磁性材料では、補償温度Tcomp以下では希土類金属の磁化が優勢となり、補償温度Tcomp以上では遷移金属の磁化が優勢となる。希土類金属Rとしては、少なくともGd又はNdを1種類以上含むことが望ましい。このような特性を示すフェリ磁性材料としては、例えばGdFeCo、GdFe、NdFeCo等を適用することができる。
また、第2の磁性層12cはアモルファス状態であることが望ましい。第2の磁性層12cをアモルファス状態により構成することにより、裏打ち層12の結晶構造が中間層14や垂直磁気記録層16の結晶構造に影響を及ぼすことを防止することができる。これにより、裏打ち層12上に形成する中間層14に、垂直磁気記録層16に特定の結晶配向を持たせるために必要な結晶配向を容易に持たせることが可能となる。
第3の磁性層12eは、その一つの目的が、第2の磁性層12cとの間で反強磁性的交換結合を形成することにある。このため、第3の磁性層12eは、第2の磁性層12cの磁化方向とは反対方向の磁化方向を有する磁性材料により構成される。
また、第3の磁性層12eは、面内磁気異方性が優位であり、キュリー温度Tcが記録時温度T(Pw)とほぼ等しい磁性材料により構成される。すなわち、図2に示すように、再生時温度(例えば室温)において所定の飽和磁化の大きさを有している。また、図3に示すように、室温において面内磁気異方性を有している。温度を室温から徐々に増加すると、飽和磁化の大きさは徐々に減少し、記録時温度の近傍においてゼロになる。
なお、図2及び図3において実線で示される特性は、キュリー温度Tcが記録時温度T(Pw)に一致する最適材料の場合であるが、キュリー温度Tcと記録時温度T(Pw)とは必ずしも一致する必要はない。記録の際に第3の磁性層12eの面内磁気異方性の影響を低減できればよく、例えば図2及び図3の点線に示すような特性を有する材料であっても適用可能である。
このような特性を示す磁性材料としては、例えばNiFeを適用することができる。NiFeは、本質的磁気異方性(Ku)がKu<0であり、飽和磁化の大きさMsが温度変化で減少しても、別の磁気異方性要因が働かなければ、面内磁気異方性を維持する。
上述の通り、第1の磁性層12aは、記録ヘッドから発生した記録磁界を環流させるという裏打ち層12の本来の目的のために設けられたものであり、記録ヘッドから発生した記録磁界を十分に環流できるようにする必要がある。このため、第1の磁性層12aの膜厚は、第2の磁性層12cの膜厚及び第3の磁性層12eの膜厚よりも厚くする必要がある。すなわち、第1の磁性層12aの膜厚をtsul1、第2の磁性層12cの膜厚をtsul2、第3の磁性層の膜厚をtsul3としたときに、
sul1> tsul2 ≧ tsul3
の関係を満足する必要がある。
また、第2の磁性層12c及び第3の磁性層12eの飽和磁化に着目すると、第2の磁性層12cの飽和磁化の大きさをMs、第3の磁性層12eの飽和磁化の大きさをMsとしたときに、再生時温度(例えば室温)において、
Ms≧ Ms
の関係を満足し、記録時温度において、
Ms≦ Ms
の関係を満足する必要がある。
次に、本実施形態による磁気記録媒体の再生原理について図4を用いて説明する。
本実施形態による磁気記録媒体の再生は、第2の磁性層12cにおいて面内磁気異方性が優位となり、第3の磁性層12eの飽和磁化の大きさMsが第2の磁性層12cの飽和磁化の大きさMsよりも大きくなる温度、例えば室温において行う(図2及び図3参照)。
上述のように、室温では、第1の磁性層12a、第2の磁性層12c及び第3の磁性層12eは、面内磁化を有している。また、第2の磁性層12cは、フェリ磁性を有している。これにより、第2の磁性層12cは、第1の磁性層12a及び第3の磁性層12eとの間で反強磁性的な結合(反強磁性的交換結合20)をして閉磁路22を形成する(図4参照)。したがって、再生時に裏打ち層12からの漏洩磁界が減少するとともに、揺らぎ或いは縞状磁区の発生が抑制され、媒体ノイズを低減することができる。裏打ち層12からの漏洩磁界が減少することは、中間層14を薄膜化できることも意味する。
また、再生信号出力には、垂直磁気記録層16からの漏洩磁界(再生磁束)の大きさ以外に、鏡像効果による信号出力のエンハンス効果が影響する。このとき、裏打ち層12の表面の磁化(第3の磁性層12eの飽和磁化の大きさ)が大きいほど、大きな信号出力増大となる。本実施形態による磁気記録媒体では、第3の磁性層12eは、室温では大きな飽和磁化を有している。したがって、鏡像効果により信号出力の増大を図ることができる。また、裏打ち層を反強磁性的に多層化することによりノイズが抑制されているため、S/N比を増大(Sを増大)することができる。
次に、本実施形態による磁気記録媒体の記録原理について図5を用いて説明する。
本実施形態による磁気記録媒体への記録は、熱アシスト磁気記録法により行う。記録時の温度は、第2の磁性層12cにおいて垂直磁気異方性が優位となり、第3の磁性層12eの飽和磁化の大きさMsが第2の磁性層12cの飽和磁化の大きさMsよりも小さくなる温度、例えば第3の磁性層12eのキュリー温度Tc近傍の温度とする(図2及び図3参照)。
記録時の温度をこのように設定することにより、第2の磁性層12cは、面内磁化膜(Ku<0)から垂直磁化膜(Ku>0)へと転換する。これにより、第2の磁性層12cがヘッドからの記録磁界を引き込むように作用し、記録磁界が垂直磁化領域に集中することとなり、記録磁界感度を向上することができる(図5参照)。同時に、記録磁界勾配が急峻となり、隣接磁区間の遷移ノイズを低減することができる。
記録磁界感度が向上することにより、昇温のために用いる光レーザ出力を低減することが可能となる。これにより、消費電力を低減することができる。
次に、本実施形態による磁気記録媒体の具体例を実施例として示す。
ガラス基板10上に、スパッタ法により、膜厚180nmのCoNbZr膜よりなる第1の磁性層12aと、膜厚2nmのTa膜よりなるスペーサ層12bと、膜厚10nmのGdFeCo膜よりなる第2の磁性層12cと、膜厚2nmのTa膜よりなるスペーサ層12dと、膜厚5nmのNiFe膜よりなる第3の磁性層12eとを堆積し、第1の磁性層12a、スペーサ層12b、第2の磁性層12c、スペーサ層12d及び第3の磁性層12eの積層構造よりなる裏打ち層12を形成した。成膜条件は、例えば、成膜ガス圧を0.5Pa、DCスパッタリングパワーを100Wとした。
次いで、裏打ち層12上に、スパッタ法により、膜厚15nmのRu膜よりなる中間層14と、膜厚10nmの(Co71CrPt2090−(SiO10膜よりなる垂直磁気記録層16を形成した。
次いで、垂直磁気記録層16上に、膜厚4nmの炭素膜よりなる保護層18を形成した。
この後、保護層18上に潤滑剤を塗布し、実施例としての磁気記録媒体を用意した。
また、比較例として、スペーサ層12b及び第2の磁性層12cを形成せず、膜厚180nmのCoNbZr膜よりなる第1の磁性層12a、膜厚2nmのTa膜よりなるスペーサ層12d、及び膜厚5nmのNiFe膜よりなる第3の磁性層12eのみにより裏打ち層12を形成した試料を用意した。他の構成は、実施例の試料と同様である。
図6は、記録電流Iw(記録磁界の大きさに相当)に対するオーバーライト(O/W)の変化を示すグラフである。図中、●印及び○印が実施例の場合であり、▲印及び△印が比較例の場合である。また、点線は400kFCI記録後に49.5kFCIを記録した場合であり、実線は50kFCIを記録後に400kFCIを記録した場合である。
図示するように、オーバーライトO/Wの飽和する記録電流値Iwは、実施例の試料では〜10mAであるのに対し、比較例の試料では15〜20mAであり、実施例の試料の方が比較例の試料よりも高くなっている。すなわち、実施例の試料では、記録磁界感度が向上していることが判る。また、オーバーライトO/Wの絶対値に着目すると、実施例の試料の方が比較例の試料よりも高くなっている。これは、記録感度の向上と信号出力増大によるものである。
次いで、400kFCIを記録したときの、信号出力S(mVpp)、媒体ノイズNm(μVrms)、及びS/Nm(dB)を測定した。この結果、実施例の試料では、信号出力S=0.54、媒体ノイズNm=48.8であり、S/Nm=11.8dBであった。これに対し、比較例の試料では、信号出力S=0.48、媒体ノイズNm=60.2であり、S/Nm=9.0dBであった。
このように、実施例の試料では、信号出力Sが増大するとともに媒体ノイズNmが減少しており、その結果S/Nmを3dB向上することができた。
このように、本実施形態によれば、裏打ち層を第1乃至第3の磁性層の積層膜により構成し、中間に位置する第2の磁性層を第1及び第3の磁性層とは反対方向に磁化したフェリ磁性材料とすることにより、第1の磁性層と第2の磁性層との間および第2の磁性層と第3の磁性層との間で反強磁性的交換結合を形成するので、裏打ち層内において閉磁路が形成される。これにより、再生時に裏打ち層からの漏洩磁界が減少し、同時に縞状磁区の発生が抑制され、媒体ノイズを低減することができる。
また、裏打ち層を反強磁性的に多層化して漏洩磁界を減少するので、漏洩磁界の増加を抑制しつつ、裏打ち層表面(第3の磁性層)の飽和磁化の大きさを増加することができる。したがって、鏡像効果による信号出力のエンハンス効果を高めることができる。また、媒体ノイズの低減効果と相俟って、S/N比を増大することができる。
また、第2の磁性層を、再生時温度において面内磁化膜となり、記録時温度において垂直磁化膜となる磁性材料により構成するので、再生時において上述の反強磁性的交換結合による効果を得ることができるとともに、記録時においては記録磁界を記録領域に集中させることができ、記録磁界感度を向上することができる。また、記録磁界勾配を急峻にすることができるので、隣接磁区間の遷移ノイズを低減することができる。
また、第2の磁性層が垂直磁化膜となることにより、記録磁界を引き込むように作用するため、記録磁界の強度や昇温のための光レーザの出力を低減することができ、消費電力を抑えることができる。
また、第3の磁性層が、記録時温度近傍にキュリー温度を有するので、記録時における第3の磁性層からの磁界を低減することができ、第3の磁性層が記録磁界に影響するのを防止することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による磁気記録装置について図7を用いて説明する。
図7端本実施形態による磁気記録装置の構造を示す概略断面図である。
スピンドルの端部30には、磁気ディスク36が固定されている。磁気ディスク36は、ガラス基板32上に磁性層34が形成されてなる磁気記録媒体が円盤状に加工されたものであり、例えば第1実施形態による磁気記録媒体を適用することができる。スピンドル30は、図示しないスピンドルモータにより回転できるようになっている。
磁気ディスク36の磁性層34側には、巨大磁気抵抗効果を利用したGMRヘッド(Giant Magneto Resistive Head)38が配置されている。GMRヘッド38は、図示しないアームに固定されており、アームの移動及び磁気ディスク36の回転により、磁気ディスク36上の任意の記録領域に移動できるようになっている。
磁気ディスク36のガラス基板32側には、熱アシスト磁気記録用のレーザ光源40が設けられている。レーザ光源40は、例えば波長680nmのレーザ光を発振する。レーザ光源40と磁気ディスク36との間には、例えば開口率NAが0.55の対物レンズ42が設けられており、レーザ光源40から発せられたレーザ光を磁気ディスク36の所定の記録領域へ集光して照射できるようになっている。
このように、第1実施形態による磁気記録媒体を用いて磁気記録装置を構成することにより、低磁界強度で確実に情報を確実に記録することが可能であるとともに、媒体ノイズを抑制しつつ高信号出力を得ることができる磁気記録装置を実現することができる。
なお、上記実施形態では、熱アシスト磁気記録用のレーザ光源40を磁気ディスク36のガラス基板32側に配置したが、例えば図8に示すように、磁気ディスク36の磁性層34側に配置するようにしてもよい。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、裏打ち層を3層の磁性層により構成しているが、第1の磁性層12a及び第2の磁性層12cの2層により裏打ち層12を構成するようにしてもよい。第1の磁性層12a上に第の磁性層12cを配置することにより、第1の磁性層と第2の磁性層との間で反強磁性的交換結合を形成するので、裏打ち層内において閉磁路を形成することができる。したがって、第3の磁性層12を設けない場合であっても、媒体ノイズを低減することができる。裏打ち層を2層構造とすることにより、媒体構成が簡略化され、製造コストや材料コストを削減することができる。
また、上記実施形態では、裏打ち層を3層の磁性層により構成しているが、他の機能を有する1層以上の磁性層を更に設けてもよい。
また、上記実施形態では、第1の磁性層12aと第2の磁性層12cとの間にスペーサ層12bを、第2の磁性層12cと第3の磁性層12eとの間にスペーサ層12dを、それぞれ設けているが、スペーサ層12b,12dは必ずしも設ける必要はない。スペーサ層は、磁性層間の分離、密着性の向上等のために設けられるものであり、磁性層間の分離や密着性が十分な場合には、形成しなくてもよい。
また、上記実施形態では、ガラス基板10上に直に裏打ち層12を形成しているが、裏打ち層12は、必ずしもガラス基板10上に直に形成する必要はない。例えば、ガラス基板10と裏打ち層12との間に、これらの密着性を高めるための層(例えばタンタルよりなる密着層)を設けてもよい。
以上詳述した通り、本発明の特徴をまとめると以下の通りとなる。
(付記1) 第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に形成され、フェリ磁性を有し、前記第1の磁性層とは反対方向に磁化した第2の磁性層とを有する裏打ち層と、
前記裏打ち層上に形成され、磁気情報を記録する垂直磁気記録層とを有し、
前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間で反強磁性的交換結合が形成されている
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記2) 付記1記載の磁気記録媒体において、
前記裏打ち層は、前記第2の磁性層上に形成され、前記第2の磁性層とは反対方向に磁化した第3の磁性層を更に有し、
前記第2の磁性層と前記第3の磁性層との間で反強磁性的交換結合が形成されている
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記3) 付記2記載の磁気記録媒体において、
前記裏打ち層は、前記第1の磁性層の膜厚をt、前記第2の磁性層の膜厚をt、前記第3の磁性層の膜厚をtとして、t>t≧tの関係を有する
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記4) 付記2又は3記載の磁気記録媒体において、
第1の温度における前記第2の磁性層の飽和磁化の大きさMsと前記第3の磁性層の飽和磁化の大きさMsとが、Ms≦Msの関係を有し、
前記第1の温度より高い第2の温度における前記第2の磁性層の飽和磁化の大きさMsと前記第3の磁性層の飽和磁化の大きさMsとが、Ms≧Msの関係を有する
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記5) 付記2乃至4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体において、
前記第3の磁性層は、前記垂直磁気記録層に磁気情報を記録する際の温度をT、前記第3の磁性層のキュリー温度をTcとして、T≒Tcの関係を有する
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記6) 付記2乃至5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体において、
前記第3の磁性層は、第1の温度及び前記第1の温度より高い第2の温度において面内磁気異方性を有する
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記7) 付記1乃至6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体において、
前記第1の磁性層は、第1の温度及び前記第1の温度より高い第2の温度において面内磁気異方性を有する
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記8) 付記1乃至7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体において、
前記第2の磁性層は、第1の温度では面内磁気異方性を有し、前記第1の温度より高い第2の温度では垂直磁気異方性を有する
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記9) 付記8記載の磁気記録媒体において、
前記第2の磁性層は、前記第2の温度をT、前記第2の磁性層が面内磁化膜から垂直磁化膜に変化する温度をTcomp、前記第2の磁性層のキュリー温度をTcとして、Tcomp≦T≦Tcの関係を有する
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記10) 付記6乃至9のいずれか1項に記載の磁気記録媒体において、
前記第1の温度は、前記垂直磁気記録層に記録した磁気情報を再生する際の温度であり、
前記第2の温度は、前記垂直磁気記録層に磁気情報を記録する際の温度である
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記11) 付記1乃至10のいずれか1項に記載の磁気記録媒体において、
前記第2の磁性層は、希土類金属と遷移金属とを含み、希土類金属としてGd又はNdを含む
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記12) 付記1乃至11のいずれか1項に記載の磁気記録媒体において、
前記第2の磁性層は、アモルファス状態である
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記13) 付記1乃至12のいずれか1項に記載の磁気記録媒体において、
前記裏打ち層と前記垂直磁気記録層との間に、非磁性材料よりなる中間層を更に有する
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記14) 第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に形成され、フェリ磁性を有し、前記第1の磁性層とは反対方向に磁化した第2の磁性層とを有する裏打ち層と、前記裏打ち層上に形成され、磁気情報を記録する垂直磁気記録層とを有し、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間で反強磁性的交換結合が形成されている磁気記録媒体と、
前記磁気記録媒体の前記垂直磁気記録層側に配置され、前記磁気記録媒体の所定の記録領域への磁気情報の記録及び前記磁気記録媒体の所定の記録領域の磁気情報の読み出しを行う磁気ヘッドと、
前記磁気記録媒体への磁気情報の書き込みの際に前記磁気記録媒体の記録領域に光を照射して前記記録領域の温度を制御する光源と
を有することを特徴とする磁気記録装置。
(付記15) 付記14記載の磁気記録装置において、
前記光源は、前記磁気記録媒体の前記第1の磁性層側に配置されている
ことを特徴とする磁気記録装置。
(付記16) 付記14記載の磁気記録装置において、
前記光源は、前記磁気記録媒体の前記垂直磁気記録層側に配置されている
ことを特徴とする磁気記録装置。
(付記17) 第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に形成され、第1の温度において前記第1の磁性層とは反対方向に磁化した面内磁化膜となり、前記第1の温度より高い第2の温度において垂直磁化膜となる第2の磁性層とを有する裏打ち層と、前記裏打ち層上に形成され、磁気情報を記録する垂直磁気記録層とを有する磁気記録媒体への磁気記録方法であって、
記録領域の温度を前記第2の温度に昇温して前記記録領域における前記第2の磁性層を面内磁化膜から垂直磁化膜に転換し、前記記録領域に記録磁界を印加することにより、前記記録領域の前記垂直磁気記録層へ前記記録磁界に応じた所定の磁気情報を記録する
ことを特徴とする磁気記録方法。
(付記18) 付記17記載の磁気記録方法において、
前記第2の温度をT、前記第2の磁性層が面内磁気異方性から垂直磁気異方性に変化する温度をTcomp、前記第2の磁性層のキュリー温度をTcとして、Tcomp≦T≦Tcの関係を有するように、前記第2の温度を設定する
ことを特徴とする磁気記録方法。
(付記19) 付記17又は18記載の磁気記録方法において、
前記裏打ち層は、前記第2の磁性層上に、前記第1の温度において前記第2の磁性層と反対方向に磁化した第3の磁性層を更に有し、
前記第2の磁性層の飽和磁化の大きさをMs、前記第3の磁性層の飽和磁化の大きさをMsとして、Ms≧Msの関係を有するように、前記第2の温度を設定する
ことを特徴とする磁気記録方法。
本発明の第1実施形態による磁気記録媒体の構造を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態による磁気記録媒体における裏打ち層の飽和磁化の大きさの温度特性を示すグラフである。 本発明の第1実施形態による磁気記録媒体における裏打ち層の磁気異方性の温度特性を示すグラフである。 本発明の第1実施形態による磁気記録媒体の再生原理を説明する図である。 本発明の第1実施形態による磁気記録媒体の記録原理を説明する図である。 本発明の第1実施形態による磁気記録媒体における記録磁界に対するオーバーライト特性を示すグラフである。 本発明の第2実施形態による磁気記録装置の構造を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態の変形例による磁気記録装置の構造を示す概略断面図である。
符号の説明
10…ガラス基板
12…裏打ち層
12a,12c,12e…磁性層
12b,12d…スペーサ層
14…中間層
16…垂直磁気記録層
18…保護層
20…反強磁性的交換結合
22…閉磁路
30…スピンドル
32…ガラス基板
34…磁性層
36…磁気ディスク
38…GMRヘッド
40…レーザ光源
42…対物レンズ

Claims (9)

  1. 第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に形成され、フェリ磁性を有し、前記第1の磁性層とは反対方向に磁化した第2の磁性層と、前記第2の磁性層上に形成され、前記第2の磁性層とは反対方向に磁化した第3の磁性層とを有する裏打ち層と、
    前記裏打ち層上に形成され、磁気情報を記録する垂直磁気記録層とを有し、
    前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間で反強磁性的交換結合が形成されており、
    前記第2の磁性層と前記第3の磁性層との間で反強磁性的交換結合が形成されている
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 請求項記載の磁気記録媒体において、
    前記裏打ち層は、前記第1の磁性層の膜厚をt、前記第2の磁性層の膜厚をt、前記第3の磁性層の膜厚をtとして、t>t≧tの関係を有する
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 請求項2記載の磁気記録媒体において、
    第1の温度における前記第2の磁性層の飽和磁化の大きさMsと前記第3の磁性層の飽和磁化の大きさMsとが、Ms≦Msの関係を有し、
    前記第1の温度より高い第2の温度における前記第2の磁性層の飽和磁化の大きさMsと前記第3の磁性層の飽和磁化の大きさMsとが、Ms≧Msの関係を有する
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 請求項乃至のいずれか1項に記載の磁気記録媒体において、
    前記第3の磁性層は、前記垂直磁気記録層に磁気情報を記録する際の温度をT、前記第3の磁性層のキュリー温度をTcとして、T≒Tcの関係を有する
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の磁気記録媒体において、
    前記第2の磁性層は、第1の温度では面内磁気異方性を有し、前記第1の温度より高い第2の温度では垂直磁気異方性を有する
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 請求項記載の磁気記録媒体において、
    前記第2の磁性層は、前記第2の温度をT、前記第2の磁性層が面内磁化膜から垂直磁化膜に変化する温度をTcomp、前記第2の磁性層のキュリー温度をTcとして、Tcomp≦T≦Tcの関係を有する
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に形成され、フェリ磁性を有し、前記第1の磁性層とは反対方向に磁化した第2の磁性層と、前記第2の磁性層上に形成され、前記第2の磁性層とは反対方向に磁化した第3の磁性層とを有する裏打ち層と、前記裏打ち層上に形成され、磁気情報を記録する垂直磁気記録層とを有し、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間で反強磁性的交換結合が形成されており、前記第2の磁性層と前記第3の磁性層との間で反強磁性的交換結合が形成されている磁気記録媒体と、
    前記磁気記録媒体の前記垂直磁気記録層側に配置され、前記磁気記録媒体の所定の記録領域への磁気情報の記録及び前記磁気記録媒体の所定の記録領域の磁気情報の読み出しを行う磁気ヘッドと、
    前記磁気記録媒体への磁気情報の書き込みの際に前記磁気記録媒体の記録領域に光を照射して前記記録領域の温度を制御する光源と
    を有することを特徴とする磁気記録装置。
  8. 第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に形成され、第1の温度において前記第1の磁性層とは反対方向に磁化した面内磁化膜となり、前記第1の温度より高い第2の温度において垂直磁化膜となる第2の磁性層とを有する裏打ち層と、前記裏打ち層上に形成され、磁気情報を記録する垂直磁気記録層とを有する磁気記録媒体への磁気記録方法であって、
    記録領域の温度を前記第2の温度に昇温して前記記録領域における前記第2の磁性層を面内磁化膜から垂直磁化膜に転換し、前記記録領域に記録磁界を印加することにより、前記記録領域の前記垂直磁気記録層へ前記記録磁界に応じた所定の磁気情報を記録する
    ことを特徴とする磁気記録方法。
  9. 請求項記載の磁気記録方法において、
    前記裏打ち層は、前記第2の磁性層上に、前記第1の温度において前記第2の磁性層と反対方向に磁化した第3の磁性層を更に有し、
    前記第2の磁性層の飽和磁化の大きさをMs、前記第3の磁性層の飽和磁化の大きさをMsとして、Ms≧Msの関係を有するように、前記第2の温度を設定する
    ことを特徴とする磁気記録方法。
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