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JP4387137B2 - 呼吸用気体供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、使用者の呼吸サイクルに応じて作動する自動開閉弁を備えた呼吸用気体供給装置に関する。さらに詳細には、慢性呼吸器疾患患者等が酸素吸入療法を行なう際に使用する医療機器であり、酸素又は酸素濃縮気体を呼吸用気体として呼吸サイクルに応じて間歇的に使用者に供給する機能を備えた酸素供給装置に関するものである。
近年、喘息、肺気腫症、慢性気管支炎等の呼吸器系疾患に苦しむ患者が増加する傾向にあるが、その最も効果的な治療法の一つとして酸素吸入療法があり、空気中から酸素濃縮気体を直接分離する酸素濃縮装置あるいは酸素ボンベが使用されるようになってきた。病院や在宅で酸素吸入療法を行なう場合には、圧力変動吸着型や膜型、あるいは酸素を選択的に透過する固体電解質膜を用いた酸素富化空気供給装置、あるいは大容量の固定式酸素ボンベが使用される。
一方、患者が通院などで外出する場合には、携帯型の酸素ボンベが用いられる。これは呼吸器系疾患患者が持ち運びするボンベであるため、小型軽量である必要があり、長時間の使用に耐えうるように高圧酸素ガスが充填されている。これに減圧弁を設け、流量調整機能を設けて、使用者に応じた流量の酸素を供給する。
さらに、使用できる時間を延長するために、特許文献1、特許文献2等に記載されているように、内部に呼吸センサと自動開閉弁を内蔵し、患者の吸気時間だけに酸素を供給し、呼気時間は供給を停止する呼吸同調酸素供給装置が提案されている。
また、この呼吸同調酸素供給装置は呼気時に無駄に酸素を供給することが無く、経済的にも有効であることから、特許文献3等で酸素濃縮装置においても呼吸同調酸素供給装置の使用が提案されている。さらに、特許文献4、特許文献5、特許文献6ではバッテリー駆動ができる移動型あるいは携帯型の酸素濃縮装置が提案されており、バッテリー容量の制限から使用できる時間を延長するために呼吸同調酸素供給装置の併設が所望される。
酸素供給装置としては酸素ボンベまたは酸素濃縮装置等が用いられ、これらの装置から供給される気体の圧力は変動しているので、患者に一定流量の酸素を供給するまたは 供給するのに適した圧力に調圧する目的で、特許文献7、特許文献8、特許文献9にあるように調圧弁が用いられている。特に呼吸同調間歇式に酸素を供給する場合には、間歇的に供給される酸素の容量をコントロールするために調圧することが必要である。調圧の機構としてはピストンとバネで構成された機械式の調圧弁が多く用いられている。また、呼吸同調型酸素供給装置においては一回の自動開閉弁の開閉によって供給される酸素をできるだけ所定の一定量にコントロールすることが望ましく、そのためには自動開閉弁の上流側圧力が一定になることが求められ、その目的においても機械式の調圧弁が用いられている。
特開平3−22185号公報 特開昭59−8972号公報 特開昭61−131756号公報 特開2000−352482号公報 特開2002−121010号公報 特開平7−136272号公報 特開2001−187145号公報 特開2003−144549号公報 特開2003−144550号公報
酸素吸入療法に用いられる酸素供給装置のうち特に携帯型酸素供給装置においては小型・軽量化が求められており、たとえわずかであっても部品点数が減ることが望ましい。機械式調圧弁は主にピストン、バネ、ハウジングから構成されており、その構成上ある程度の大きさを有しており、ハウジングは真鍮製もしくは軽量化を考慮したものであってもアルミニウム製であり構造上ある程度の重量を有しているので、機械式調圧弁は酸素供給装置の小型・軽量化のために省略されることが望ましい。
また、呼吸同調型酸素供給装置を酸素濃縮装置と組み合わせて用いる場合は、酸素濃縮器から供給される酸素圧力が低いほうが消費電力節約の面で望ましい。自動開閉弁上流側の必要な圧力は1分間あたりに供給する酸素流量によって決まってくるが、その許容最低圧力に調節することによって消費電力の低減が可能になり、さらには携帯型酸素濃縮装置として用いる場合にはバッテリーの低容量化が可能になり装置全体の小型・軽量化が可能となる。しかしながら、機械式調圧弁の場合ピストンの大きさとバネの反発特性によって機械的に調圧される圧力が決まっており、供給酸素流量が最大のときの最適圧力に合わさざるを得ず、それより小さい酸素流量で運転する場合には消費電力が高くなってしまう。
本発明はかかる問題を解決するものであり、呼吸用気体供給源より供給される気体の圧力を機械式調圧弁を用いずに調節が可能で、設定圧力も変更可能な調圧機構を備えた呼吸同調型気体供給装置を提供することを目的とする。
本発明は、呼吸用気体の発生手段と、一端が該発生手段に連結し他端に該呼吸用気体の開放型供給手段を有し途中に自動開閉弁手段を有した導管手段と、呼吸における少なくとも一部の所定位相を検知し得る機能を有した呼吸位相検知手段、検知結果に基づいて該自動開閉弁手段の開閉を制御するための制御手段とを備えた呼吸用気体供給装置において、該自動開閉弁手段の上流側に自動絞り弁手段、該自動絞り弁手段と該自動開閉弁手段の間に導管内の圧力を測定する圧力測定手段を備え、圧力測定結果に基づき該自動絞り弁手段の開度を調整し自動開閉弁手段上流側の圧力を調節する制御手段を備えることを特徴とする呼吸用気体供給装置を提供するものである。
また本発明は、呼吸用気体の供給量を設定する外部入力手段を備え、該入力手段からの情報と、呼吸位相検知手段からの情報をもとに演算された開時間幅で、制御手段が該自動開閉弁手段を開閉制御することを特徴とする呼吸用気体供給装置を提供し、特に、該外部入力手段が、呼吸用気体の供給流量を設定する流量設定部、連続供給モード及び呼吸同調供給モードの切替部、連続供給モードに対する同調供給モード時の呼吸用気体供給量を示す節約率の入力部の少なくとも1つを備えることを特徴とする呼吸用気体供給装置を提供するものである。
また本発明は、該外部入力手段が、呼吸用気体の供給流量を設定する流量設定部であることを特徴とし、設定流量値に対応する目標圧力値になるよう該自動絞り弁手段の開度を制御し、特にかかる制御を圧力測定手段からの信号を移動平均処理し、移動平均処理後の圧力値を目標圧力値になるよう該自動絞り弁手段の開度を制御することを特徴とする呼吸用気体供給装置を提供するものである。
また本発明は、自動絞り弁手段と自動開閉弁手段の間に呼吸用気体を一時貯留するバッファータンクを備えたこと、また導管手段の途中に流量測定手段を備えるとともに、該外部入力手段として連続供給モード及び呼吸同調供給モードの切替部を備え、連続的に該呼吸用気体を供給する場合は該自動開閉弁手段を常時開とし、流量設定手段による流量設定値および流量測定手段による測定結果に基づいて該自動絞り弁手段の開度を制御することを特徴とする呼吸用気体供給装置を提供するものである。
機械式調圧弁を用いずに、より小型・軽量の自動絞り弁手段を用いて呼吸同調間歇式の気体供給において必要とされる自動開閉弁上流の導管の調圧が可能となり、装置全体の小型・軽量化が可能となった。また、従来の機械式調圧弁と異なり調圧の圧力を変更することが可能となり、設定流量ごとに最適圧力にコントロールすることが可能となった。吸着型酸素ガス供給手段では酸素供給圧力が低いほうが消費電力が下がることから消費電力の低減も可能となる。また、携帯用の吸着型酸素ガス供給手段として用いる場合、消費電力の低減はバッテリーのもち時間延長、もしくは小型・軽量化につながる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1に本呼吸用気体供給装置の実施例を示す。
呼吸用気体発生手段1は呼吸用気体を連続的に供給できる装置のことであり、酸素透過性膜型、吸着型、電解質を用いた電気化学型の酸素濃縮手段や、酸素ボンベ、液体酸素充填容器などがある。ここで発生させられた酸素は、本呼吸用気体供給装置を通して最終的に使用者に供給される。
ここで、酸素選択透過性膜型の酸素濃縮手段とは、酸素透過係数が窒素透過係数よりも大きい高分子膜を用い、圧縮機等により膜一方面に空気を加圧供給し、膜他方面から濃縮酸素を取り出すというものである。このような高分子膜としてはポリジメチルシロキサン−ポリカーボネート共重合体、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリフェニレンオキサイド、ポルフィリン錯体含有膜などがある。
吸着型の酸素濃縮手段とは、窒素を選択的に吸着しうる吸着剤を充填した吸着床に圧縮機等で圧縮空気を導入して加圧状態で窒素を吸着させることにより酸素濃縮気体を得る吸着工程と、吸着床の内圧を減少させて窒素を脱着させ吸着剤の再生を行なう脱着工程を交互に行なうことにより酸素を濃縮する加圧型手段、あるいは常圧空気を導入し常圧で窒素を吸着する工程と、真空ポンプなどで気体吸引により吸着床の内圧を常圧より減圧して窒素を脱着させ吸着剤の再生を行なう脱着工程を交互に行なうことにより酸素を濃縮する減圧型手段、またこれら加圧型手段、減圧型手段をくみあわせたものである。このような吸着剤としては窒素に対して選択的吸着性を有する結晶性ゼオライトモレキュラーシーブがある。このようなゼオライトにはカチオンとして金属元素を有するゼオライトが好ましい。
また電解質を用いた電気化学型の酸素濃縮手段とは、酸素イオン伝導性固体電解質を用い、該酸素イオン伝導性固体電解質の一方面上に送風ファン等で空気を供給し、酸素を酸素イオンに還元し、酸素イオンを該酸素イオン伝導性固体電解質の他方面上に輸送し酸素に酸化することにより酸素を濃縮する手段、プロトン伝導性高分子電解質を用い、同様に一方面から他方面に酸素を輸送する手段などである。
酸素ボンベとは、使用する気体を高圧で充填した高圧ボンベであり、通常15MPaから20MPaの圧力の内圧で充填されている。液化酸素充填容器とは、室温で気体状態であるものを液体状態となるまで深冷冷却し、断熱性の容器に充填したものである。使用時には容器からの気体取り出し口から液化酸素が外気温で気化するので、気体として取り出すことが出来る。
開放型供給手段8は終端が使用者の鼻孔に接するように設置して気体を使用者に供給するための導管であって、密閉はされておらず大気に解放されている。自動開閉弁手段6は一例としてコイルから発生する磁力によって弁を駆動しコイルに流れる電流をオン、オフすることにより、弁の開閉を制御することの出来る電磁弁等を用いることが出来る。該自動開閉弁手段6の開閉は制御部9によって行われる。
呼吸検知手段7は圧力センサ、流量センサ、ガスセンサ等を用いることが出来る。圧力センサで使用者の呼吸を検知する場合、使用者の呼吸によって開放型供給手段8の内部に生じる圧力変化から、吸気タイミングを検知する。すなわち、使用者が呼気位相にあるときはカニューラ内に呼気が流れ込み内部圧力が上昇し、吸気位相にあるときはカニューラ内の気体が流れ出し内部圧力は下降するので、その変化を読み取ることにより使用者の吸気タイミングを検知することが可能となる。流量センサとしては熱線式、差圧式のものがあり、気体の流れによって奪われる熱線の熱量から流量を測定するものや、オリフィス前後の差圧が流量に関係することを利用して流量を測定するものであり、センサが測定した流量の変化から使用者の呼吸を検出する。ガスセンサには周囲のガス濃度によって抵抗値の変化する半導体などを用いるものがあり、抵抗値の変化からセンサ周囲のガス濃度を測定する。使用者の呼吸のガス濃度変化(呼気時には酸素濃度が下がる)から呼吸を検出する。
自動絞り弁手段2は単に導管の開閉を制御するだけでなくその絞りを連続的に制御出来るものであり、該自動絞り弁2を通過する気体の流量を制御することが可能である。その一例として、スプリングとバルブ機能を有する鉄心、その周囲に巻かれたコイルとから構成されるバルブを用いることが出来る。コイルに電流を流さない状態では、鉄心はスプリングの力によって全閉または全開の位置を維持つづけ、コイルに電流を流した状態では発生した磁力によって鉄心は引き上げられ、磁力とスプリングの力が釣り合う位置を維持する。電流を連続的に変化させることにより鉄心の位置、すなわちバルブ開度を連続的に調節することが可能となる。
自動開閉弁6と自動絞り弁2の間の導管手段途中に圧力センサ4を設置し、圧力を制御部9に読み込みその圧力を基に自動絞り弁2を制御して自動開閉弁6と自動絞り弁2の間の導管内圧力を制御する。すなわち、圧力が高くなると自動絞り弁2を絞り気体の流入を制限し、圧力が低い場合には自動絞り弁2を解放して気体の流入を増加させることにより該導管部の圧力を制御する。
また、外部入力手段12に設けられた流量設定部10は使用者が望む流量を設定する部分で、一例としてロータリースイッチ、ポテンショメーターにおいて設定位置と流量が対応するように構成して使用者が望む流量を指定するもしくは、スイッチを用いて順次流量を切り替えるように設定しても良い。このようにして使用者の望む流量は設定され制御部9に読み込まれる。
流量設定部で設定された流量と呼吸位相検知手段で検知された吸気タイミングをもとに演算された、1分間あたりの流量が一定になるような時間幅で、吸気タイミングに同調して自動開閉弁6を開閉する。ここで、1分間あたりの流量は[呼吸数/分]×[1回の電磁弁の開閉で供給される流量]で与えられるので1分間あたりの流量を一定にするには、呼吸数が増えた時には[1回の電磁弁の開閉で供給される流量]を少なくし、逆の場合多くなる。つまり、[1回の電磁弁の開閉で供給される流量]∝[設定流量]/[呼吸数/分]という関係がある。ここで、[設定流量]は該流量設定部によって与えられ、[呼吸数/分]は呼吸位相検知手段7によって検知された過去いくつかの吸気タイミング間の時間幅より演算される。
さらに、このように演算された[1回の電磁弁の開閉で供給される流量]を与える自動開閉弁手段6の開時間幅は自動開閉弁手段6前後の圧力に依存しており、ここで、自動開閉弁6の下流には開放型供給手段8が接続されているのでほぼ大気圧であるとしてよく、該流量は自動開閉弁6上流の圧力に依存することになる。ここで、自動開閉弁6上流側の圧力が制御されていれば[1回の電磁弁の開閉で供給される流量]を与える自動開閉弁の開時間幅は1対1に演算される。
供給量は、連続流量の場合は流量設定部の設定流量で規定されるが、使用者の呼吸に同調して供給する場合は、連続流の供給量に対する同調流の供給量を規定する節約率を規定することが出来る。
また、該自動絞り弁2と自動開閉弁6の間の導管手段に呼吸用気体を一時貯蔵するバッファータンク3を設けても良い。使用者の呼吸に同調して呼吸用気体を供給する場合、少なくとも吸気が終了するまでに一度に必要量を供給しなければならないので、呼吸用気体供給源1からの単位時間あたりの供給量が制限されていると、一時的に気体が不足して必要量の供給が出来なくなる場合がある。バッファータンク3を用いるとこのようなことを避けることが出来る。バッファータンク3の容量は[1回の電磁弁の開閉で供給される流量]の最大値から適切なものを選ぶことが出来る。
また、自動絞り弁手段2と自動開閉弁手段6の間の導管手段に設置された圧力センサ4で測定した圧力値に2秒から60秒の移動平均処理を施し、その値をもとに自動絞り弁手段2の絞りを調節して、移動平均処理後の圧力を制御する。例えば呼吸用気体供給源1が酸素濃縮装置である場合、単位時間あたりの供給量が制限されているために、自動開閉弁手段6上流側の圧力は弁の開閉毎に大きく変動する。しかしながら、自動開閉弁手段6から流出する流量と呼吸用気体供給源1から流入する流量がつりあっているならば時間平均的な圧力は一定になり、自動開閉弁手段6の上流の圧力は呼吸周期によって変動を繰り返すので時間平均の長さとしては2秒から60秒が好ましい。この期間が短すぎれば十分な平均化が期待できず、長ければ平均化は出来るが現実の圧力に対する遅れが大きくなるので、本期間内であることが望ましい。また、吸着型酸素濃縮装置と組み合わせて用いる場合、その特性として酸素濃縮器から供給される酸素圧力が低いほうが消費電力節約の面で望ましく、また必要な酸素供給圧力の最低値は設定流量から決まるので、設定流量ごとになるべく低い制御圧力の目標値を定める。
また、自動絞り弁手段2と自動開閉弁手段6の間の導管手段に流量測定手段5を備える。流量測定手段5としては、熱線式流量計、差圧式流量計、超音波式流量計、歯車式流量計等を用いることが出来る。そして、使用者が呼吸用気体を連続的に吸入したいときには自動開閉弁手段6を全開にして、流量測定手段5で測定した流量にもとづき自動絞り弁手段2の絞りを調節して、流量設定部で設定された所望の流量に制御する。一方、使用者が呼吸同調間歇式に気体を吸入したいときには、上記のように動作する。呼吸同調間歇式と連続的な気体供給の切り替えは、外部入力手段9に設置された流量供給方法切り替え部11によって行われる。
以下に本発名の具体的実施例を示す。呼吸用気体供給装置には2塔式の圧力変動吸着装置を用いた。図1、図2を用いて圧力変動型吸着装置を説明する。フィルタ20を通してコンプレッサーに供給された空気は圧縮されて切り替え弁22を通って吸着塔23に入る。かかる吸着塔23に入った圧縮空気は選択的に窒素が吸着され、吸着されずに残った酸素が濃縮された酸素ガスとなって逆止弁24を通り製品フィルタ25を通して供給される。本実施例ではこのような酸素ガス発生手段を用いて、酸素濃度90%、流量1.0L/分の酸素ガスが供給できるように設定した。かかる酸素ガス発生手段より供給された酸素ガスは、自動絞り弁手段2をとおってバッファータンク3に一時貯留される。
また、呼吸位相検知手段7としては、圧力測定レンジ±75Paの圧力センサを用い、本圧力センサ出力が陽圧から陰圧に変化するポイントを吸気タイミングとして捉えた。呼吸同調間歇式の設定流量を3L/分とした。呼気時間に供給した酸素は無駄になるので吸気時間分の酸素だけ供給するという考え方にもとづき、一般的に人の呼吸の吸気:呼気の比率は1:2であることから節約率を2/3として実質的な供給流量は1L/分とした。なお、節約率は必ずしも2/3に限られるわけではない。
自動開閉弁手段6としてはオリフィス径φ1.7mmの直動式の電磁弁を用い、自動絞り弁手段2としては弁機能を備えた鉄心、電磁コイル、スプリングより構成されるタイプのものを用いた。
自動絞り弁手段2と自動開閉弁手段6の間に設置されたバッファータンク3の圧力を圧力センサで測定して20秒の移動平均処理を施し、その値が20kPaとなるように自動絞り弁手段を制御した。いま、バッファータンクの容量は250ml、自動開閉弁手段のオリフィスφ1.7mmの場合、設定流量3L/分(実質流量1L/分)に必要な1回供給量を供給するためにはバッファータンクの圧力は20kPaでよい。例えばここで設定流量を5L/分(実質流量1.67L/分)にした場合はバッファータンクの圧力として40kPa必要である。
また、設定流量と呼吸数から適切な電磁弁開時間を演算する方法として、今回はあらかじめ行った実験で測定したデータから導出した回帰曲線を利用した。
いま、開放型供給手段の終端に陰圧ポンプとある周期を持って開閉を繰り返す電磁弁で発生させた周期的に繰り返す陰圧を擬似的な呼吸として開放型気体供給手段8に与えた。呼吸位相検知手段7は擬似的な呼吸を検知して、検知された吸気タイミングに同調して制御部9が自動開閉弁手段6を開閉し酸素を供給するが、自動開閉弁手段6の開時間の幅は設定流量3L/分と呼吸数/分から演算された1分間あたりの流量が一定になるような、この場合1L/分になるような時間幅で、開閉される。このとき、使用者に供給される1分間あたりの流量を実測したところ約1L/分であった。
また、自動開閉弁手段6とバッファータンク3の間に超音波式の流量測定手段5を設置した。そして呼吸用気体を連続的に供給するモードに切り替えた。このとき、自動開閉弁手段6は常時開となり、自動絞り弁手段2は流量測定手段5で測定した流量値を基に、設定流量の3L/分になるように制御部9が自動絞り弁手段2を制御する。ここで、連続的に酸素を供給する場合は流量設定部分10で設定された値そのままを供給することとし、そのために酸素ガス発生手段1を3L/分を供給できるように運転する。その結果、連続的に供給された酸素流量は3L/分であった。
発明の実施の形態、実施例の説明図。 実施例の酸素ガス濃縮手段の説明図。
符号の説明
1.呼吸用気体供給源
2.自動絞り弁手段
3.バッファータンク
4.圧力センサ
5.流量測定手段
6.自動開閉弁手段
7.呼吸位相検知手段
8.開放型酸素供給手段
9.制御部
10.流量設定部
11.気体供給方法切り替え部
11. 外部入力
20.フィルタ
21.コンプレッサー
22.切り替え弁
23.吸着塔
24.逆支弁
25.フィルタ

Claims (7)

  1. 呼吸用気体の発生手段と、一端が該発生手段に連結し他端に該呼吸用気体の開放型供給手段を有し途中に自動開閉弁手段を有した導管手段と、呼吸における少なくとも一部の所定位相を検知し得る機能を有した呼吸位相検知手段、検知結果に基づいて該自動開閉弁手段の開閉を制御するための制御手段とを備えた呼吸用気体供給装置において、
    該自動開閉弁手段の上流側に自動絞り弁手段、該自動絞り弁手段と該自動開閉弁手段の間に導管内の圧力を測定する圧力測定手段および呼吸用気体を一時貯留するバッファータンクを備え、該圧力測定手段で測定した該バッファータンクの圧力測定結果に基づき該自動絞り弁手段の開度を調整し自動開閉弁手段上流側の圧力を調節する制御手段を備えることを特徴とする呼吸用気体供給装置。
  2. 呼吸用気体の供給量を設定する外部入力手段を備え、該入力手段からの情報と、呼吸位相検知手段からの情報をもとに演算された開時間幅で、制御手段が該自動開閉弁手段を開閉制御することを特徴とする、請求項1記載の呼吸用気体供給装置。
  3. 該外部入力手段が、呼吸用気体の供給流量を設定する流量設定部、連続供給モード及び呼吸同調供給モードの切替部、連続供給モードに対する同調供給モード時の呼吸用気体供給量を示す節約率の入力部の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項2記載の呼吸用気体供給装置。
  4. 該外部入力手段が、呼吸用気体の供給流量を設定する流量設定部であることを特徴とする、請求項2又は請求項3記載の呼吸用気体供給装置。
  5. 呼吸用気体の供給流量を設定する流量設定部を備え、設定流量値に対応する目標圧力値になるよう該自動絞り弁手段の開度を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項記載の呼吸用気体供給装置。
  6. 圧力測定手段からの信号を移動平均処理し、移動平均処理後の圧力値を目標圧力値になるよう該自動絞り弁手段の開度を制御することを特徴とする請求項5に記載の呼吸用気体供給装置。
  7. 導管手段の途中に流量測定手段を備えるとともに、該外部入力手段として連続供給モード及び呼吸同調供給モードの切替部を備え、連続的に該呼吸用気体を供給する場合は該自動開閉弁手段を常時開とし、流量設定手段による流量設定値および流量測定手段による測定結果に基づいて該自動絞り弁手段の開度を制御することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の呼吸用気体供給装置。
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