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JP4386022B2 - 時計の表示装置、ムーブメント、および時計 - Google Patents

時計の表示装置、ムーブメント、および時計 Download PDF

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Description

本発明は、月、日、曜などの暦や時刻を扇形の表示部に表示するレトロ調の時計の表示装置、ムーブメント、および時計に関する。
従来、暦表示を行う時計に関しては、暦表示用のリング状の回転板(日車、曜車)が採用され、この回転板の周に沿って印字された、日なら1〜31、曜ならSun〜Sat等の文字を文字板の窓から順次表示することによって暦表示を行っていた。
一方、日や曜、時分などの目盛が文字板上の扇形の表示部に描かれ、指針によって暦や時刻を示すレトロ調(レトログラード)の時計の表示機構も知られている。このレトロ調タイプの時計において、曜表示を例にとると、指針は、Sun、Mon、Tue・・・と順次進み
、Satの次は再び、Sunの位置に戻る。このような指針の往復運動を実現するために、特許文献1では、日表示に関して、地板の裏側に設けられた従来のリング状の日車(ただし日の印字はない)の外周形状を螺旋状とし、これをカムとして利用することが提案されている。具体的に、特許文献1の時計では、指針が取り付けられたピニオンと、このピニオンに互いに反対方向から噛合う一対のラックとが地板に回動可能に取り付けられている。そして、一方のラックを介したばね押圧によって他方のラックがカムとしての回転板の外周に当接しており、日車の回転に応じて指針が往復運動するようになっている。
また、特許文献2に示された時計は、ぜんまいの駆動力が伝達される曜回し車と、この曜回し車により送られる曜車と、この曜車に固定されるカムと、このカムに当接されて回動するレバーと、このレバーに形成されたラックにより送られる小曜車と、小曜車の回動に伴って力が蓄えられる小曜車ばねとを備えて構成されている。すなわち、カムに当接されたレバーの回動により、小曜車が回転して指針が往復運動するものとなっている。
特開平11−6880号公報([請求項2][0002][0016]、図3) 特許第3140700号公報(図1、図6)
しかしながら、特許文献1のような従来の日車を使用する構成では、日車によってムーブメント外周が占められてしまうので、スペース的な制約が大きい。また、上述のピニオンや一対のラックは地板の外周に沿って配置されているため、これらのピニオンやラックが占める平面的なスペースも無視できない。これらのことから、特許文献1の構成を既存のムーブメントにおいて実現しようとすると大幅な設計変更が必要となり、製品展開を促進することができないという問題がある。
また、このようなスペース的な問題のほか、例えば、日表示以外の曜表示、月表示などのレトロ調表示や、24時間表示、スモールセコンド、クロノグラフなどのインダイアル表示を行う構成を特許文献1のような構成に追加する場合、これらの追加部品をすべて日車の内周よりも内側に配置する必要があるので、構造が複雑化してしまうことも問題である。
さらに、特許文献1の構成では、日表示の指針を日車の外周側から内側を指し示す向きでしか設けることができないなどの設計上の制約があった。
一方、特許文献2のような構成では、カム、レバーなどの形状は、曜回し車、曜車、小曜車のレイアウトとの兼ね合いで、適切に作動するように設計されたものであって、曜表示に係る構成はこのモデル限りのものである。すなわち、特許文献2のような構成は、他のモデルへの変更が予定された構成ではないので、一定のモデルしか提供できず、モデルの変更にあたって、大幅な設計変更が必要となってしまう。
また、特許文献2のように、地板に配置された曜車、小曜車などの間をカム、レバーが介在するような構成は、カム、レバーが小さく、細かい形状になりがちであることから、構造が複雑になりやすい。よって、設計や組み立てが難しいという問題がある。
このような問題点から、本発明の目的は、レトロ調の表示を行う時計に関し、簡素な構造にでき、設計の自由度を格段に向上させることができる時計の表示装置、ムーブメント、および前記表示装置を備えた時計を提供することにある。
本発明の時計の表示装置は、動力源によって回転される駆動車と、この駆動車によって駆動される従動車と、この従動車を介して回転するカムと、前記カムに付勢された状態で当接される回動可能なレバーと、このレバーを介して前記カムの回転に応動する歯車部と、この歯車部に連動し、かつ、指示部材を取り付け可能な指示車とを備え、前記歯車部は、前記レバーの回転軸を中心として前記カムの回転軸を通る円弧を仮定すると、この円弧の中心側とは反対側に配置され、かつ、前記カムの回転軸は、前記レバーの回転軸と前記歯車部との間に配置され、前記歯車部は、前記指示車が複数の異なる配置位置のいずれに配置された場合でも当該指示車と噛合うことを特徴とする。
この発明によれば、駆動車、従動車、カム、レバー等によってレトロ調の表示機構が装備される。カムの回転によって歯車部が間欠的に駆動されることで、指示部材の往復運動を実現する。なお、歯車部に指示車が連動する構成には、歯車部と指示車とが直接噛合する構成や、これら歯車部と指示車との間を他の歯車等が介在する構成が含まれる。
本発明の表示装置における作用としては、まず、従動車が、駆動車の駆動力によって、日、月、曜など、表示の目的に応じた送り量で回転する。次いで、この従動車を介してカムが回転することにより、カムに当接されるレバーが回動する。そして、レバーの回動により、レバーの歯車部に連動する指示車に取り付けられた指示部材が当該指示車の回動位置の始端から終端に向かって動き、この指示部材によって暦、あるいは時刻が順番に指し示されていくことになる。さらに、指示部材が回動位置の終端まで到達した際は、カムの周期終了に伴ってレバーの歯車部の移動により指示車が逆回転することによって、指示部材が回動位置の始端に復帰する。このような指示部材の往復運動により、日、月、曜などの暦、あるいは時刻が繰り返し表示される。
ここで、本発明は、駆動車、従動車、指示車などの歯車のほか、カム、レバー、および歯車部など、簡単な構造の部品により構成され、これらの部品は、ムーブメントの地板のスペースに応じて無理なく配置されるので、表示装置を簡素かつまとまりある構造とすることができる。また、カムの回転軸がレバーの回転軸および歯車部の間に配置されているので、スペース効率にも優れる。これらのことから、表示装置の設計および組み立てが容易となり、品質も安定させることができる。
つまり、本発明では、カムの回転軸がレバーの回転軸と歯車部との間に配置され、レバーがその回動領域の内側からカムの回転により回動操作されるので、カムがそれ以外の場所に配置されている場合と比べて、複数の部品をまとまりよく配置でき、簡素な構造とすることができる。
また、このように表示装置の構造が簡素であることにより、例えば、日表示および曜表示等の複数系統のレトロ調表示を採用する、あるいは、クロノグラフ等のインダイアル表示とレトロ調表示とを併せて採用するのも容易であって、設計の自由度を大きく向上させることができる。
そして、駆動車、従動車、カム、レバー、歯車部等の組み合わせ次第で指示部材を設ける位置や向きも自在にできる。
また、本発明によれば、指示車が複数の異なる配置位置のいずれに配置された場合でも、当該指示車に歯車部が噛合うので、指示車を配置する位置を変更するだけでモデル違いを容易に製造できる。すなわち、指示車が配置される位置が変更されると、これに対応して指示部材の回転中心の位置も変わるから、外観デザインのバリエーションを容易に得ることができる。
また、指示車を組み込むにあたって、地板や押さえ板に指示車の軸穴などが組みこみ位置の数に応じて形成される。このような地板や押さえ板の軸穴などによって指示車の組み込み位置を設けておけば、モデルの変更にあたって表示装置の構成を変更する必要はなく、各モデルの時計において表示装置ないしムーブメントは共通で使用されるので、モデル変更を至って容易に実施することができる。また、モデル変更に要するコストを大幅に引き下げることが可能となる。
なお、指示車が複数の異なる位置に配置された場合の各指示車に歯車部が噛合う態様としては、例えば、歯車部が各指示車を所定の角度で回転させるのに足りる長さで形成されていたり、複数の位置にそれぞれ配置された指示車とそれぞれ噛合う歯車部が複数設けられていることが挙げられる。
また、カムの回転軸が配置される位置は、前述のようにレバーの回転軸および歯車部の間であって、例えば、歯車部が一端側から他端側へと延びる形状である場合には、レバーの回転軸と歯車部の一端側とを結ぶ線から、レバーの回転軸と歯車部の他端側とを結ぶ線までの範囲で、レバーの回転軸および歯車部の間が、カムの回転軸の配置位置となる。
レバーの回転軸および歯車部の間には、少なくともカムの回転軸が配置されていればよく、カム全体が配置されていなくてもよい。
ここで、前述のように、カムの回転軸がレバーの回転軸および歯車部の間に配置された省スペースな構造ながら、歯車部がレバーの回転軸を中心としてカムの回転軸を通る円弧の中心側とは反対側(円弧の外側)に配置されているため、このような円弧の中心側(内側)に歯車部が配置された場合と比べて、レバーの回転軸から歯車部までの距離が大きい。これにより、カムの回転を受けて回動するレバーの回動量を大きくでき、レバーの回動量を大きく確保するに際して、カムの変位量(ギャップ)を大きくする必要がない。仮にカムのギャップを大とした場合には、カムがレバーに駆動力を伝達し、かつレバーを復帰させるために、レバー、カムなどの摩擦抵抗に打ち勝つ程度にレバーに対する付勢力を大きくする必要があるのに対し、同じレバー回動量をより小さいカムの変位量で、より小さいトルクで実現できることとなり、表示装置の動作に必要な動力を小さくできる。
なお、カムにレバーを付勢された状態で当接させるには、レバーに接触するばね(付勢手段)を設け、このばねでレバーをカムに向かって付勢したり、或いは、指示車などに接触するようにばね(付勢手段)を設け、このばねの付勢力により、レバーをカムに当接させることなどが考えられる。このようなレバーとカムとの間に働く付勢力により、カムの回転によるレバーの復帰動作を実現できるとともに、レバーを介して回転する歯車部と指示車とが確実に噛合うから、指示部材のがたつきなどを防止できる。
本発明の時計の表示装置では、前記レバーの回転軸から前記指示車の回転軸までの寸法は、前記レバーの回転軸から前記カムの回転軸までの寸法の1.5倍〜2.5倍であることが好ましい。
この発明によれば、レバーの回転軸から指示車の回転軸までの寸法が、レバーの回転軸からカムの回転軸までの寸法の1.5倍〜2.5倍であるため、歯車部の歯列におけるレバーの変位量は、カムにレバーが当接される部分における変位量の1.5倍〜2.5倍に増大され、所望のレバー回動量をより小さいカムの変位量で、より小さいトルクで、実現できる。
また、このようなレバー、カム、指示車の各回転軸間の寸法により、レバーの歯車部の長さが確保されることとなり、この歯車部に沿って、指示車の配置位置(組み込み位置)を数多く設けて多くの時計モデルを容易に提供することができる。
本発明の時計の表示装置では、前記レバーは、前記カムの周りを取り囲むように配置され、かつ、前記カムに当接される突起を有することが好ましい。
この発明によれば、レバーがカムの周りを取り囲むように配置されているので、レバーが回動する位置と、カムが回転する位置とが略同一面上に揃い、レバーがカムに当接される部分が時計の厚さ方向にかさばらないので、表示装置を薄型にすることができる。
本発明の時計の表示装置では、前記歯車部は、前記指示車の各配置位置にそれぞれ対応する複数の部分歯車部を有し、これらの部分歯車部では、径および/または歯形が互いに異なることが好ましい。
ここで、部分歯車部の径が互いに異なる場合には、歯車部における部分歯車部同士の境界部分が段差形状となる。
この発明によれば、複数の部分歯車部の径が互いに異なる場合には、指示車をいずれの部分歯車部と噛合うように配置するかによって、レバーの回動角度に対する指示車の送り量が変わり、指示車に設けられる指示部材の回動角度が変わるので、モデル違いを製造できる。
また、このように複数の部分歯車部を互いに異なる径寸法とした場合、いずれの部分歯車部と噛合わせるかによって、歯車部の回転軸から指示車までの距離が変わり、これに応じて文字板等における指示部材の回転中心の位置も変わるので、違うデザインとすることができる。
一方、複数の部分歯車部の歯形が互いに異なる場合では、部分歯車部の歯形に応じて適切な径の指示車が選択され、この指示車の径に応じて当該指示車の送り量に違いが生じるから、前述と同様に、指示部材の回動角度の違いによるモデル違いを実現できる。
以上のように、表示装置の構成の一部である歯車部の構成を変更するだけで、指示部材の回転中心位置の変更に加えて、指示車の回動角度を変更することが可能であり、多くのデザイン・バリエーションを作り出すことができる。
本発明の時計の表示装置では、前記複数の位置に配置される指示車は、当該指示車の配置位置に応じて、径および/または歯形が互いに異なることが好ましい。
この発明によれば、前記構成のように、部分歯車部の径、歯形が互いに異なる場合と同様に、指示車が歯車部によって送られる量が異なるので、指示部材の回動角度を変更できる。すなわち、表示装置の構成の一部である指示車の構成を変更するだけで、表示装置の他の部品構成を変更することなく、指示部材の回動角度の違いによるモデル違いを実現できる。
本発明の時計の表示装置では、前記レバーを前記カムに当接させる付勢手段を備えていることが好ましい。
この発明によれば、付勢手段によりレバーがカムから外れることなく確実に当接されるので、レバーや、指示部材などのがたつきを防止でき、指示部材を正確に移動させることができる。
なお、時計の表示装置における付勢手段の作用としては、レバーがカムの回転中心から離れる方向に回動するのに伴ってレバーに対する付勢手段の付勢力が蓄積され、カムの周期終了時にレバーが逆方向に戻り、付勢手段の付勢力が解放されることによって、指示部材を瞬間的に復帰させることができる。
本発明の時計の表示装置では、前記駆動車は、時針が取り付けられた筒車であり、この筒車と前記従動車との間には、前記従動車を送る送り爪を有する中間車が設けられていることが好ましい。
この発明によれば、時計が通常備えている筒車を駆動車として活用するので、この筒車からの駆動力が中間車、従動車に確実に伝達され、設計効率も良好にできる。
また、中間車を設けたことにより、筒車と中間車との間で1/2減速され、筒車、中間車、従動車へと段階的に減速する減速輪列が構成されるので、歯車が大型化することなく、表示装置全体を小型化することができる。さらに、中間車の送り爪により、従動車を1日に一歯ずつ瞬間的に送ることが可能である。
本発明の時計の表示装置では、前記レバーの回転軸は、前記筒車の近傍に設けられていることが好ましい。
この発明によれば、通常、地板の略中央部に設けられることが多い筒車の近傍にレバーの軸が設けられているので、地板の略中央から周縁にかけてレバーの配置スペースを大きく確保できる。
本発明のムーブメントは、前述の表示装置と、この表示装置における前記駆動車、およびこの駆動車によって駆動される従動車を備えた前記表示装置以外の他の表示装置と、のいずれかが組み込み可能であることを特徴とする。
この発明によれば、表示装置を組み込む対象となるムーブメントは共通でも、前述の表示装置によるレトロ調表示と、これ以外の表示、例えば、円形状の表示部を指針が回転したり、文字板裏側に回転板が配置され、回転板上の文字が文字板の窓から順次表示されるなどの態様のインダイアル表示とが可能となる。これにより、様々な表示態様を低コストで容易に実現できるので、時計のモデル展開に際して非常に有利となる。
本発明の時計は、前述の表示装置と、前記指示部材により示される扇形の表示部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、表示装置が前述したような作用及び効果を具備するため、同様の作用および効果を享受できる。
特に、扇形の表示部の形状や位置、指示部材の向き等も含めて設計が自由であることから、既存のムーブメントをベースに本発明のレトロ調の表示装置を容易に実現でき、ひいては製品展開を促進できる。
このような本発明によれば、レトロ調の表示を行う時計に関し、構造が簡素化され、設計の自由度を格段に向上させることができる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降の説明では、既に説明した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態の時計1の外観図であり、図2は、図1の部分拡大図である。
時計1は、駆動装置であるムーブメント10と、このムーブメント10を収容するケース11とを備えた腕時計(ウォッチ)である。時計の種類は、クォーツ時計、機械式時計、電子制御式機械時計のいずれでもよい。この時計1は、アナログクォーツ時計として構成され、ムーブメント10には、文字板10Aが取り付けられており、文字板10Aの略中央には、動力源としてのステッピングモータで駆動される輪列に取り付けられた秒針10B、分針10C、時針10Dが配置されている。
ここで、本実施形態の時計1は、レトロ調の表示装置100を備えたことを特徴としている。表示装置100は、ムーブメント10に組み込まれ、文字板10Aに設けられた2つの扇形の表示部141,181における曜針142、日針182の往復運動によって、それぞれ、日表示、曜表示を行うものとなっている。また、文字板10Aに設けられた円形状の表示部191では、24時間表示が行われている。
以下、本実施形態で最も特徴的な表示装置100の構造について説明する。
図3は、ムーブメント10内に設けられた表示装置100の構造を文字板10A側から見た平面図である。
表示装置100は、12時位置と6時位置に、文字板10A中心に対して互いに略点対称に設けられた曜表示部110および日表示部150と、9時位置に設けられた24時間表示装置190とを備えて構成されている。
まず、曜表示部110の構成について説明する。
図4は、図3を拡大して曜表示部110を示すものであり、図5は、曜表示部110の断面図である。
曜表示部110は、駆動力を伝達する歯車列120と、この歯車列120から駆動力を受け取り、指示部材としての曜針142を往復運動させる制御部130と、表示部141および曜針142が含まれる指示部140とを備えて構成されている。
歯車列120は、駆動車としての筒車121と、中間車122とを有し、これらの歯車121,122は、ムーブメント10の地板10X(図5)にそれぞれ軸支されている。
筒車121は、12時間で1回転するスリーブ状の歯車であり、この筒車121には、時針10D(図1)が取り付けられ、図示しないステッピングモータの駆動力が通常の駆動輪列を介して伝えられる。筒車121は、歯数8の送り車1211を有し、この送り車1211が中間車122と噛合っている。
中間車122は、筒車121の回転を1/2に減速して1日で1回転するものであって、筒車121から受け取った駆動力を制御部130に伝えている。この中間車122は、図5に示すように、筒車121と噛合う伝え車1221(歯数16)と、曜従動車131を送る送り車1222とが積層された構造となっている。ここで、送り車1222は、図4に示すように、曜従動車131を送る2つの送り爪1222Aを有し、この2つの送り爪1222Aによって曜従動車131は1日に二歯ずつ送られている。
制御部130は、曜従動車131と、カム132と、環状レバー133とを備えて構成されている。ここで、平面的に見たとき、曜従動車131とカム132とが重なり、曜従動車131と重なる領域で環状レバー133が回動するようになっている。
曜従動車131は、中間車122から受け取った駆動力によって回転するものであって、歯数が14に設定され、7日(1週間)で1回転している。また、この曜従動車131の近傍には、曜従動車131の歯を保持するためにばね1311が設けられている。このばね1311は、線条のものであって、先端側に三角歯状の保持部1311Aが形成され、基端側が地板10Xに軸支されている。このばね1311の保持力により、曜従動車131は間欠的に駆動されている。
カム132は、曜従動車131と共に7日で1回転する平面カムであって、平面的に見た際に曜従動車131の外周に納まるように配置され、地板10Xと対向する押さえ板10Yに曜従動車131と同軸上かつ一体に設けられている。カム132には、1つのピーク部1321が設けられており、開始端部1322からピーク部1321までが螺旋状に形成されている。このようなカム132の従動節は環状レバー133である。
環状レバー133は、図4に示すように、カム132の周りを取り囲むようにに配置された略三角枠状の環状の薄板部材であって、筒車121近傍で押さえ板10Y(図5)に軸支され、その回転軸1331を中心に回動するようになっている。この環状レバー133は、レバー部134と、歯車部135と、付勢手段としてのばね136とが一体に形成されたものである。
レバー部134は、回転軸1331から略V字状に拡がり、そのV字内側には、カム132に向かって突出する突起1341が形成されている。
歯車部135は、レバー部134のV字拡開側の両端部を連結している。この歯車部135の外周側には、指示車143と噛合う歯列1351が形成されている。
ここで、歯車部135は、レバー部134の回転軸1331を中心としてカム132の回転軸1325を通る円弧Rを仮定すると、この円弧Rの中心側とは反対側(円弧Rの外側)に配置され、かつ、カム132の回転軸1325は、レバー部134の回転軸1331および歯車部135の間に配置されている。
ばね136は、レバー部134の突起1341が形成されている側の端部から回転軸1331側にU字状に延びて先端部1361が押さえ板10Yのどて部分に当接している。このばね136の付勢力により、レバー部134の突起1341がカム132に当接している。
一方、指示部140は、指示車143と、指示車143に取り付けられた曜針142と、文字板10A上の扇形の表示部141とを有して構成されている。
表示部141は、図1に示すように、文字板10Aの12時側において、扇形の円弧部分が表された部分であって、文字板10Aの9時位置と3時位置とを結ぶ線に対して凸状となる向きで設けられている。この表示部141の扇形の円弧に沿って、「SUN」〜「SAT」の文字が所定間隔で印字されており、これは曜を示す目盛1411となっている。
また、指示車143は、歯車部135の歯列1351に送られて、回転軸に取り付けられた曜針142を運針させるものであり、表示部141の扇形形状の円中心に配置されている。この指示車143の回転角度範囲は、表示部141の扇形の角度に対応しており、指示車143の歯数は、歯車部135の歯列1351の歯数との関係で決められている。
次に、日表示部150の構成について図3を参照しながら説明する。
日表示部150は、駆動力を伝達する歯車列160と、この歯車列160から駆動力を受け取り、指示部材としての日針182を往復運動させる制御部170と、表示部181および日針182が含まれる指示部180とを備えて構成されている。ここで、日表示部150と上述の曜表示部110とは基本的に同じ構成であるが、日と曜との相違から、歯車の歯数などが相違している。
歯車列160は、筒車121と、中間車としての日回し車162とを有し、これらの歯車121,162は、ムーブメント10の地板10Xにそれぞれ軸支されている。
ここで、筒車121は、曜表示部110における駆動車と兼用の駆動車であって、筒車121の送り車1211(歯数8)は、曜表示部110の中間車122に加えて、日回し車162とも噛合っている。
日回し車162は、筒車121の回転を1/2に減速して1日(24時間)で1回転するものであって、筒車121から受け取った駆動力を制御部170に伝えている。この日回し車162は、筒車121と噛合う歯数16の日回し伝え車1621(図3中、背面側)と、歯数24の日回し送り車1622(図3中、表側)とが積層されている。ここで、日回し伝え車1621には、送り爪1621Aが形成されている。日回し車162は、この送り爪1621Aによって日従動車171を1日に一歯ずつ瞬間的に送っているとともに、日回し送り車1622によって後述する24時間表示装置190の小星車193を送っている。
制御部170は、日従動車171と、カム172と、環状レバー173とを備えて構成されている。ここで、平面的に見たとき、カム172および環状レバー173は日従動車171と重なっている。
日従動車171は、日回し車162から受け取った駆動力によって回転するものであって、歯数が31に設定され、31日で1回転している。この日従動車171の近傍にも、曜従動車131近傍のばね1311と同様のばね1711が設けられ、このばね1711の保持力により、日従動車171が間欠的に駆動されている。
カム172は、日従動車171と共に31日で1回転する平面カムであって、平面的に見た際に日従動車171の外周に納まるように配置され、日従動車171と同軸上かつ一体に設けられている。このカム172の従動節は環状レバー173である。
環状レバー173は、上述の環状レバー133と同様、レバー部174と、歯車部175と、ばね176とが一体に形成された略三角枠状の環状部材であって、筒車121近傍を回転軸1731として、カム172の周りに配置されている。環状レバー173の内側には、カム172に向かって突出する突起1741が形成され、この突起1741はばね176の付勢力によってカム172に当接している。また、歯車部175の外周側には、指示車183と噛合う図示しない歯列が形成されている。
指示部180は、指示車183と、この指示車183に設けられた日針182と、文字板10A上の表示部181とを有して構成されている。
表示部181は、図1に示すように、文字板10Aにおいて表示部141と向かい合わせに配置され、6時側において、扇形の円弧部分が表された部分であって、9時位置と3時位置とを結ぶ線に対して凸状となる向きで設けられている。この表示部181の扇形の円弧に沿って、「1」〜「31」の文字が所定間隔で印字されており、これは日を示す目盛1811となっている。
指示車183は、歯車部175の図示しない歯列に送られて、軸に取り付けられた日針182を運針させるものであり、表示部181の扇形形状の円中心に配置されている。この指示車183の回転角度範囲は、表示部181の扇形の角度に対応しており、指示車183の歯数は、歯車部175の歯列の歯数との関係で決められている。
最後に、24時間表示装置190は、上述の日回し送り車1622と噛合う小星車193(歯数24)と、小星車193に取り付けられる24時間針192と、9時位置に設けられた表示部191とを含んで構成され、24時間針192の回転運動により、表示部191において24時間式の時表示を行うものとなっている。
以上の構成を備えた時計1において、暦の表示は次のように行われる。
まず、曜表示については、ステッピングモータの駆動力が図示しない輪列を介して歯車列120における筒車121に伝えられ、筒車121は、12時間で1回転、すなわち1日に2回転する。この筒車121の回転は、筒車121から中間車122に伝えられる際に1/2に減速され、中間車122は、1日に1回転する。そして、中間車122の2つの送り爪1222Aによって、曜従動車131が1日に二歯ずつ送られる。この曜従動車131に伝えられる駆動力は、中間車122の回転速度を基準とすると、1/7に減速されて伝えられる。
そして、曜従動車131の回転は、曜従動車131を介してカム132にも伝えられ、カム132および曜従動車131全体が、7日(1週間)で1回転する。
ここで、カム132および環状レバー133は、曜表示部110の制御部130を構成するものであって、カム132の回転により、環状レバー133が回動し、歯車部135と噛合う指示車143を介して、曜針142が表示部141において運針される。具体的には、カム132の回転により、カム132と当接する突起1341がカム132の中心から遠ざかり、環状レバー133全体が図4において左方向に回動する。この環状レバー133の回動により、歯列1351と噛合う指示車143が順方向(図4において右方向)に回転するとともに、ばね136のU字部分が弾性変形して、撓み(ばね力)が蓄積されていく。そして、指示車143の回転に応じて曜針142が運針され、表示部141の目盛1411が曜針142によって順次、指し示されていく。
こうして、曜針142が表示部141の目盛1411の終了位置1411B(図2)まで進められたとき、環状レバー133は、カム132のピーク部1321近傍に当接する状態となっており、この状態で送り爪1222Aによって曜従動車131が次に送られたとき、曜従動車131の回転に伴ってカム132が回転してカム132の周期が終了する。このカム132の周期終了の際には、突起1341とカム132との当接部分がピーク部1321から開始端部1322に瞬間的に移動するとともに、環状レバー133が図4において右方向に回動し、ばね136が復元する。この際、歯車部135の回動により指示車143が逆回転して、曜針142が表示部141の目盛1411の開始位置1411Aに復帰(帰零)することになる。そして、カム132の次の周期が開始し、上述のようなカム132の回転に応じた環状レバー133の回動に応じた指示車143の順回転/逆回転が繰り返されることによって、曜針142の往復運動が7日周期で行われる。
一方、日表示については、筒車121の回転が日回し車162に伝えられ、日回し車162は、1日に1回転する。そして、日回し車162の送り爪1621Aによって、日従動車171は1日に一歯ずつ送られる。この日従動車171に伝えられる駆動力は、日回し車162の回転速度を基準にすると、1/31に減速されて伝えられる。
そして、日従動車171の回転はカム172にも伝えられ、カム172および日従動車171全体が31日で1回転する。
ここで、カム172および環状レバー173は、日表示部150の制御部170を構成するものであって、カム172の回転に応じて環状レバー173が回動することにより、指示車183が回転し、さらに、指示車183に取り付けられた日針182が表示部181において、目盛1811の開始位置1811Aと終了位置1811Bとの間を31日周期で往復運動することになる。
また、筒車121から日回し車162に伝えられた駆動力は、24時間表示装置190の小星車193にも伝達され、小星車193の回転に伴って24時間針192が表示部191上を回転する。
ここに、曜表示部110と日表示部150による複数系統の暦表示、および24時間式の時間表示が実現する。
以上説明したような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1-1)筒車121、曜従動車131、日従動車171、カム132,172、環状レバー133,173などによって、日針182や曜針142を往復運動させるレトロ調の表示を行うものとしたので、これらの歯車121,131,171、カム132,172、環状レバー133,173等を適宜組み合わせることが可能である。
また、平面的に見たとき、カム132が曜従動車131に重なっているとともに、環状レバー133の回動領域が曜従動車131と重なっており、また、カム172および環状レバー173が日従動車171に重なっているので、表示装置100が地板10Xに占める平面的なスペースを非常に小さくできる。すなわち、環状レバー133,173等が曜従動車131や日従動車171から大きくはみ出すことがないように設けられている。
これらの点から、レイアウトが自在であって、設計の自由度を大幅に向上させることができる。また、ムーブメント内に筒車121、曜従動車131、日従動車171、カム132,172、環状レバー133,173などが無理なく配置されるため、簡潔な構造とすることもできる。
(1-2)レバー部134および歯車部135を一体化して環状レバー133を形成するとともに、この環状レバー133内側にカム132を配置したことにより、レバー部134および歯車部135が回動する位置と、カム132が回転する位置とを互いに略同一面上に揃えることが可能となる。環状レバー173およびカム172についても同様である。
これにより、厚さ方向においてもスペース効率を向上させることができる。
また、環状レバー133に突起1341を形成し、この突起1341により、環状レバー133内側からカム132に当接するようにしたので、平面的なスペース効率も向上する。
(1-3)上記(1-1)(1-2)により、平面的にも、厚さ的にも、非常にコンパクトな構成によってレトロ調表示を実現でき、この構成は、指針を回転させる円形状のインダイアル表示に必要なスペースと殆んど変わらない。したがって、既存のムーブメントにおいて、指針を回転させる構成を曜針142ないし日針182を往復運動させるレトロ調の表示に置き換えることも容易にでき、製品展開を促進できる。
(1-4)曜表示部110および日表示部150のような複数系統のレトロ調表示が12時位置と6時位置にそれぞれコンパクトに配置されたので、さらに9時位置に24時間表示装置190を設けることなどが可能となる。
さらに、筒車121、曜従動車131、日従動車171、カム132,172、環状レバー133,173等を適宜組み合わせることにより、曜針142および日針182の指示方向や、表示部141、181の位置、形状、向き等の変更も容易である。
このように、多様なデザインの時計を提供できる。
(1-5)駆動車として構成された筒車121は、時計が通常備えているものであるから、スペース的に有利であって設計効率も良好にできる。そのうえ、本実施形態では、筒車121は、曜表示部110および日表示部150兼用の駆動車となっているため、スペース効率が一層向上する。
(1-6)また、中間車122を筒車121と曜従動車131との間に、あるいは日回し車162を筒車121と日従動車171との間に設けたことにより、筒車121から中間車122へ、そして曜従動車131へと、あるいは、筒車121から日回し車162へ、そして日従動車171へと、段階的に減速する減速輪列が構成されるので、歯車が大型化したり、構造が複雑となったりすることがない。
(1-7)曜表示装置110を参照すると、カム132の回転軸1325が環状レバー133の回転軸1331および歯車部135の間に配置された省スペースな構造ながら、歯車部135が環状レバー133の回転軸1331を中心としてカム132の回転軸1325を通る円弧Rの中心側とは反対側(円弧Rの外側)に配置されているため、このような円弧Rの内側に歯車部135が配置された場合と比べて、環状レバー133の回転軸1331から歯車部135までの距離が大きい。これにより、カム132の回転を受けて回動する環状レバー133の回動量を大きくでき、環状レバー133の回動量を大きく確保するに際して、カム132の変位量(ギャップ)を大きくする必要がない。仮にカム132のギャップを大とした場合は、カム132が環状レバー133に駆動力を伝達し、かつ環状レバー133を復帰させるために、環状レバー133に対する付勢力を環状レバー133、カム132などの摩擦抵抗に打ち勝つ程度に大きくする必要があるのに対し、同じ環状レバー133の回動量をより小さいカム132の変位量で、より小さいトルクで実現できることとなり、表示装置の動作に必要な動力を小さくできる。なお、日表示装置150においても、歯車部175が環状レバー173の回転軸1731を中心としてカム172の回転軸1725を通る円弧Rの外側に配置され、かつ、カム172の回転軸1725が環状レバー173の回転軸1731および歯車部175の間に配置されるため、曜表示装置110における作用効果と同様の作用効果が得られる。
また、環状レバー133とカム132との間に働く付勢力により、カム132の回転による環状レバー133の復帰動作を実現できるとともに、環状レバー133を介して回転する歯車部135と指示車143とが確実に噛合うから、曜針142のがたつきなどを防止できる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態における時計の表示装置では、指示車と噛合う歯車部の長さが前記実施形態における環状レバー133の歯車部135よりも長くなっている。
図6は、本実施形態の時計2Aの表側外観図である。
時計2Aは、駆動装置であるムーブメント20と、このムーブメント20を収容するケース11とを備えた腕時計(ウォッチ)である。時計の種類は、クォーツ時計、機械式時計、電子制御式機械時計のいずれでもよいが、本実施形態の時計2Aは、アナログクォーツ時計として構成され、ムーブメント20には、文字板20Aが取り付けられている。文字板20A上には、時刻(時分秒)、曜、日、時(24時間制)がそれぞれ表示されている。すなわち、文字板20Aの略中央には、時刻表示の構成として、秒針10B、分針10C、時針10Dが設けられている。また、文字板20Aの10時半方向には扇形の表示部241が設けられ、この表示部241の表示は、曜針242が往復運動するレトロ調のものとなっている。さらに、3時方向および6時方向には、円形状の表示部295,191がそれぞれ設けられ、これらの表示部295,191では日針294、24時間針192の回転により日、時(24時間制)がそれぞれ表示されている。
図7は、ムーブメント20を文字板20A側から見た平面図であり、図8は、ムーブメント20の要部断面図である。
ここで、秒針10B、分針10C、時針10Dを駆動する構成は、通常のアナログクォーツと同様のものであって、水晶振動子が組み込まれた回路基板と、コイル、ステータ、ロータを有するステッピングモータと、図8に示す四番車20S、二番車20M、筒車121等による駆動輪列(図示しない日の裏車、三番車、および五番車なども含まれる)と、動力源である電池20Bとを備えて構成されている。この構成では、水晶振動子で発振され回路ブロックを経て分周されたパルス信号により、ステッピングモータが駆動する。そして、ステッピングモータの駆動力がロータを介して駆動輪列に伝達されることにより、四番車20Sに設けられた秒針10Bと、二番車20Mに設けられた分針10Cと、筒車121に設けられた時針10Dとがそれぞれ駆動されている。なお、ステッピングモータの数は問わず、例えば、秒針10Bの駆動用に1つ、分針10Cおよび時針10Dの駆動用に1つ、計2つのステッピングモータが設けられていてもよい。
次に、日表示装置290の構造、および24時間制表示装置190の構造について説明する。
ムーブメント20には、図7に示すように、日表示に係る日表示装置290と、24時間制表示に関する24時間制表示装置190と、後述するレトロ調の曜表示に係る曜表示装置200とが組み込まれている。
日表示装置290は、平面視略円形状の地板20Xの中央に配置された筒車121と、日回し車292と、日星車293と、日針294と、表示部295(図6)とを備えて構成されている。
筒車121の送り車1211は、日回し車292と噛合っている。
日回し車292は、筒車121の回転を1/2に減速して1日(24時間)で1回転している。この日回し車292は、筒車121と噛合う歯数16の日回し伝え車2921(図7中、背面側)と、歯数24の日回し送り車2922(図7中、表側)とが積層された構造である。ここで、日回し伝え車2921には、送り爪2921Aが形成され、この送り爪2921Aによって日星車293が1日に一歯ずつ送られている。
日星車293は、歯数が31に設定され、31日で1回転している。この日星車293には、日針294が取り付けられ、表示部295(図6)における日針294の回転により、日が表示されている。
なお、この日星車293の歯は、地板20Xに基端側が取り付けられた図示しないジャンパの先端部で付勢されている。このジャンパの付勢力により、日針294が間欠的に駆動されている。
一方、24時間制表示装置190は、前述の筒車121および日回し車292と、小星車193と、24時間針192と、表示部191(図6)とを備えて構成されている。
筒車121および日回し車292は、24時間制表示装置190と日表示装置290とで共通の構成である。
小星車193は、歯数が24に設定され、日回し送り車2922との噛合いによって1日で1回転している。この小星車193には24時間針192が取り付けられ、表示部191(図6)における24時間針192の回転により、24時間制の時が表示されている。
次に、本実施形態において最も特徴的な曜表示装置200の構造について詳細に説明する。
図9は、図7の要部拡大図である。
曜表示装置200は、駆動力を伝達する歯車列210と、この歯車列210から駆動力を受け取り、指示部材としての曜針242(図6)を往復運動させる制御部230と、表示部241および曜針242(図6)が含まれる指示部240とを備えて構成されている。
歯車列210は、駆動車としての前述の筒車121と、筒車121と噛合う中間車としての曜回し車212とを備えている。
筒車121は、24時間制表示装置190と、日表示装置290と、曜表示装置200とで共通の構成であり、ここでは説明を省略する。筒車121の送り車1211(歯数8)は、曜回し車212と噛合っている。
曜回し車212は、筒車121の回転を1/2に減速して1日で1回転するものであって、筒車121から受け取った駆動力を制御部230に伝えている。この曜回し車212は、歯数が16に設定され、図9に示すように、曜中間車231を送る送り爪2121を有し、この送り爪2121によって曜中間車231は1日に一歯ずつ送られている。
制御部230は、従動車としての曜中間車231と、カム232と、環状レバー233とを備えて構成されている。ここで、平面的に見たとき、曜中間車231とカム232とが重なり、曜中間車231と重なる領域で環状レバー233が回動するようになっている。
また、カム232と環状レバー233とは時計2Aの厚さ方向D(図8)において重なり、一方、厚さ方向D(図8)と交差する平面方向では、図9に示すように、カム232が、環状レバー233の回転軸20Z1と歯車部235との間に配置されている。
そして、環状レバー233の回転軸20Z1からカム232の回転軸2325までの距離を寸法T1とし、環状レバー233の回転軸20Z1から小曜車243の回転軸2431までの距離を寸法T2とすると、T2は、T1の略2倍とされている。
曜中間車231は、曜回し車212から受け取った駆動力によって回転するものであって、歯数が7に設定され、7日(1週間)で1回転している。また、この曜中間車231の近傍には、曜中間車231の歯を付勢するためにジャンパ2311が設けられている。このジャンパ2311の付勢力により、曜中間車231は間欠的に駆動されている。
カム232は、曜中間車231と共に7日で1回転する平面カムであって、平面的に見た際に曜中間車231の外周に納まるように配置され、図8に示すように、地板20Xとこれに対向する押さえ板20Yとの間に曜中間車231と同軸上で、かつ一体に設けられている。このようにカム232と曜中間車231とが同軸とされているため、曜中間車231の回転をカム232に確実に伝えることが可能となる。カム232には、図9に示すように、1つのピーク部2321が設けられており、開始端部2322からピーク部2321までがアルキメデス渦巻線状に形成されている。このようなカム232の従動節は環状レバー233である。
環状レバー233は、カム232の周りを取り囲むように配置された環状の薄板部材であって、筒車121近傍で受け20Z(図8)に設けられた回転軸20Z1に軸支され、その回転軸20Z1を中心に回動するようになっている。この環状レバー233は、レバー部234と、歯車部235と、ばね236とが一体に形成されたものである。
レバー部234には、カム232が納まる開口2342が形成され、この開口2342の内側にカム232に向かって突出する突起2341が形成されている。
歯車部235は、環状レバー233の回転軸20Z1とは反対側に円弧状に形成されている。歯車部235の歯型および歯数は、小曜車243の歯形および歯数に応じて決められているとともに、その長さは、小曜車243の回転角度との関係で決められている。この歯車部235の長さは、小曜車243が図9中、実線で示した位置A(10時半位置)、および2点鎖線で示した位置B(9時半位置)のいずれに配置された場合でも小曜車243を所定の角度だけ回転可能な寸法となっている。
ここで、歯車部235は、レバー部234の回転軸20Z1を中心としてカム232の回転軸2325を通る円弧Rを仮定すると、この円弧Rの中心側とは反対側に配置され、かつ、カム232の回転軸2325は、レバー部234の回転軸20Z1および歯車部235の間に配置されている。
ばね236は、レバー部234の突起2341が形成されている側の端部から回転軸20Z1側にU字状に延びて先端部2361が受け20Z(図8)に形成された突出部20Z2に係止されている。このばね236の付勢力により、レバー部234の突起2341がカム232に当接されている。
一方、指示部240は、指示車としての小曜車243と、小曜車243に取り付けられた曜針242(図6)と、文字板20A上の扇形の表示部241とを有して構成されている。
表示部241は、図6に示すように、扇形の円中心が文字板20Aの周縁側に、扇形の円弧部分が文字板20Aの中心側となる向きで設けられている。この表示部241の扇形の円弧に沿って、「SUN」〜「SAT」の文字が所定間隔で印字されており、これは曜を示す目盛2411となっている。
小曜車243は、歯車部235に送られて、回転軸に取り付けられた曜針242を運針させるものである。この小曜車243の回動角度は、表示部241の扇形の角度に対応しており、本実施形態では108°となっている。
ここで、小曜車243は、図9中、実線で示した位置A(10時半位置)だけでなく、位置B(9時半位置)にも組み込むことが可能であって、これらの位置Aおよび位置Bから一つが、小曜車243の組み込み位置として選択されるようになっている。これは、次に述べる時計2A(図6)のモデル変更に関係している。
このような小曜車243は、表示部241の扇形形状の円中心O(図6)に相当する位置で、図8に示すように地板20Xおよび押さえ板20Yとの間に軸支されている。地板20Xおよび押さえ板20Yには、小曜車243の回転軸2431に対応する軸孔20Y1,20Y2がそれぞれ形成され、これらの軸孔20Y1,20Y2は、位置A,B(図9)に応じた位置にそれぞれ形成されている。
図10には、時計2Aのモデル違いである時計2Bが示されている。時計2Bは、時計2Aの文字板20Aにおける表示部241の位置を変更したものであり、時計2Aでは表示部241の扇形円中心が10時半方向に配置されていたのに対して、時計2Bでは、表示部241の扇形円中心が9時半方向に配置されている。
このように表示部241の位置が相違するものの、時計2A,2Bにおいて、曜表示装置200を含むムーブメント20は同じものが使用されている。ただし、表示部241の位置の相違に対応して、小曜車243の組み込み位置だけが変更されている。すなわち、時計2Aでは、図9中、実線で示した位置Aに小曜車243が組み込まれ、時計2Bでは、図9中、2点鎖線で示した位置Bに小曜車243が組み込まれている。
前述のように、歯車部235の長さが確保されているので、小曜車243を位置A,位置Bのいずれに組み込んでも、当該小曜車243を環状レバー233の歯車部235に噛み合わせることが可能である。
以上、時計2A,2Bの構成について説明した。次に、曜表示装置200の動作について説明する。なお、小曜車243を図9中の位置A、位置Bのいずれに組み込んだ場合であっても、曜表示装置200は同様に動作する。
ステッピングモータの駆動力が図示しない輪列を介して筒車121に伝えられ、筒車121は、12時間で1回転、すなわち1日に2回転する。この筒車121の回転は、筒車121から曜回し車212に伝えられる際に1/2に減速され、曜回し車212は、1日に1回転する。そして、曜回し車212の送り爪2121によって、曜中間車231が1日に一歯ずつ送られる。この曜中間車231に伝えられる駆動力は、曜回し車212の回転速度を基準とすると、1/7に減速されて伝えられる。
そして、曜中間車231の回転は、曜中間車231を介してカム232にも伝えられ、カム232および曜中間車231全体が、7日(1週間)で1回転する。
ここで、カム232および環状レバー233は、制御部230を構成するものであって、カム232の回転により、環状レバー233が回動し、歯車部235と噛合う小曜車243を介して、曜針242が表示部241において運針される。具体的には、カム232の回転により、カム232に当接される突起2341がカム232の回転中心から遠ざかり、環状レバー233全体が図9において左回りに回動する。この環状レバー233の回動により、歯車部235と噛合う小曜車243が順方向(図9において右回り)に回転するとともに、ばね236のU字部分が弾性変形して、撓み(ばね力)が蓄積されていく。そして、小曜車243の回転に応じて曜針242が運針され、表示部241の目盛2411が曜針242によって順次、指し示されていく。
ここで、環状レバー233の回転軸20Z1および小曜車243の回転軸2431間の寸法T2が、環状レバー233の回転軸20Z1およびカム232の回転軸2325間の寸法T1の2倍であるため、環状レバー233の回動領域内でのカム232の回転によって環状レバー233が確実に回動されるとともに、歯車部235の歯列における環状レバー233の変位量は、カム232に当接された突起2341における変位量の2倍近くに増大されるので、小曜車243を所定の回動角度(ここでは108°)で確実かつ容易に送ることができる。
こうして、曜針242が表示部241の目盛2411の終了位置2411B(図6)まで進んだとき、環状レバー233は、カム232のピーク部2321近傍に当接される状態となっており、この状態で送り爪2121によって曜中間車231が次に送られたとき、曜中間車231の回転に伴ってカム232が回転してカム232の周期が終了する。このカム232の周期終了の際には、ばね236に蓄積されたばね力により、突起2341とカム232との当接部分がピーク部2321から開始端部2322に瞬間的に移動するとともに、環状レバー233が図9において右方向に回動して戻る。このことにより、歯車部235の回動により小曜車243が逆回転して、曜針242が表示部241の目盛2411の開始位置2411Aに復帰(帰零)することになる。そして、カム232の次の周期が開始し、前述のようなカム232の回転に応じた環状レバー233の回動に応じた小曜車243の順回転/逆回転が繰り返されることによって、曜針242の往復運動が7日周期で行われる。
以上説明した第2実施形態によれば、前述した効果に加えて、次のような効果がある。
(2-1)時計2A,2Bの曜表示装置200では、小曜車243を位置A、位置Bのいずれにも組み込めるように、歯車部235が長く形成されているので、小曜車243を組み込む位置を変更するだけで、モデル違いの時計2A,2Bを至って容易に製造できる。時計2A,2Bでは文字板20A上の曜針242の回転中心ないし表示部241の位置が互いに異なるので、外観デザインのバリエーションを容易に得ることができる。
ここで、曜表示装置200を含んだムーブメント20は、時計2A,2Bにおいて共通で使用されるから、モデルの変更に際して曜表示装置200の構成を変更する必要はないという利点がある。これにより、大幅に低コスト化することができる。
(2-2)曜表示装置200は、筒車121、曜中間車231、小曜車243などの歯車、そしてカム232、環状レバー233などの簡単な構造の部品により構成され、これらの部品は、地板20Xのスペースに無理なく配置されるので、レトロ調の曜表示装置200の構造が複雑になるのを防止できる。従って、曜表示装置200を容易に設計、組み立てでき、品質を安定させることができる。また、構造が複雑でないことから、女性用にサイズを小さくしたモデルを容易に提供できる。
このように曜表示装置200の構造が簡素であることにより、日表示装置290や24時間制表示装置190を備えていてもムーブメント20全体の構造が複雑とならず、曜表示、月表示、24時間制表示、時刻(時分秒)表示の各機能を具備する多機能な時計2A,2Bを安価に提供できる。
(2-3)カム232と曜中間車231とが同軸上に重ねて設けられ、環状レバー233は曜中間車231と重なる領域で回動するように設けられているため、カム232、曜中間車231、環状レバー233の重なりの態様により、曜表示装置200の平面的なサイズを小さくできる。これにより、ムーブメント20に曜表示装置200を容易にレイアウトできる。
(2-4)レバー部234および歯車部235を一体化して環状レバー233を形成するとともに、この環状レバー233の開口2342内にカム232を配置したことにより、環状レバー233が回動する位置と、カム232が回転する位置とを互いに略同一面上に揃えることが可能となる。このため、時計2A,2Bの厚さ方向に曜表示装置200がかさばらず、時計2A,2Bを薄型にできる。
また、環状レバー233に形成された突起2341により、環状レバー233内側からカム232に当接されるようにしたので、平面的なスペース効率も向上させることができる。
(2-5)曜表示装置200、日表示装置290、および24時間制表示装置190の各構成において、アナログ時計が通常備えている筒車121を共通の構成としている。このため、設計に無駄がなく、省スペース化できる。
(2-6)筒車121と曜中間車231との間に曜回し車212を設けたことにより、筒車121から曜回し車212へ、そして曜中間車231へと、段階的に減速する減速輪列が構成されるから、歯車が大型化せず、構造も複雑とならない。
(2-7)時計2A,2Bの曜表示装置200では、カム232が環状レバー233の回転軸20Z1と歯車部235との間に配置され、カム232の回転によって環状レバー233が回動領域の内側で回動操作されるので、カム232が環状レバー233の回動領域外に配置されている構成と比べて、各部品をまとまりよく配置でき、非常に簡素な構造にできる。
ここで、環状レバー233がカム232を取り囲むように配置されているので、環状レバー233の強度を向上させることができ、また、環状レバー233がカム232の周りに大きく配置されることになるため、設計や組み立てが容易であり、環状レバー233の安定した回動動作を実現できる。
また、カム232が曜中間車231と同軸上に設けられている点でも、より簡素な構造とすることができるとともに、曜中間車231の回転をカム232に確実に伝達でき、曜中間車231およびカム232の回転による環状レバー233の回動制御を確実にできる。
(2-8)また、環状レバー233の回転軸20Z1から小曜車243の回転軸2431までの寸法T2が、環状レバー233の回転軸20Z1からカム232の回転軸2325までの寸法T1の略2倍であるため、環状レバー233の回動領域内でのカム232の回転によって環状レバー233を確実に回動できるとともに、小曜車243を所定の回動角度で確実かつ容易に送ることができる。
なお、寸法T2および寸法T1の比は、一般的な大きさの時計のムーブメント20への納まりや、部品の加工性などの点で略2倍としているが、この寸法比は、1.5倍〜2.5倍の範囲で適宜決められる。このT1とT2との寸法比が1.5倍よりも小さくなると、小曜車243の十分な送り量が得られない場合があり、2.5倍を超えると、曜表示装置200をムーブメント20に組み込むことが難しくなる。
(2-9)さらに、カム232が環状レバー233の回動領域内に配置され、かつ、寸法T2が寸法T1の略2倍(1.5倍〜2.5倍の範囲で任意に設定可能)であることから、歯車部235の長さを十分に確保できることとなり、この歯車部235に沿って、小曜車243の組み込み位置を位置Aおよび位置Bの複数設けることができる。これにより、小曜車243を組み込む位置を変更するだけで、モデル違いの時計2A,2Bを至って容易に製造できる。時計2A,2Bでは文字板20A上の曜針242の回転中心ないし表示部241の位置が互いに異なるので、外観デザインのバリエーションを容易に得ることができる。これにより、1モデルあたりのコストが引き下げられ、製品展開を促進することができる。なお、小曜車243の組み込み位置は位置A,Bの3箇所に限らず、これ以上の数、例えば3箇所あるいは4箇所の小曜車243の組み込み位置を設けることも可能である。
ここで、曜表示装置200を含んだムーブメント20は、時計2A,2Bにおいて共通で使用されるから、モデルの変更に際して曜表示装置200の構成を変更する必要はないという利点がある。これにより、大幅にコストダウンすることができる。
(2-10)環状レバー233が時計2A,2Bの厚さ方向D(図8)においてカム232と重なっているので、この環状レバー233とカム232との重なりの分、地板20Xの中央部分での時計2A,2Bの厚さ方向Dにおけるかさばりが防止される。特に、環状レバー233の開口2342内にカム232を納めるように配置しているため、環状レバー233が回動する平面的な位置と、カム232が回転する平面的な位置とを互いに略同一面上に揃えることが可能となる。このため、時計2A,2Bの厚さ方向Dに曜表示装置200が分厚くならず、時計2A,2Bを薄型にできる。また、環状レバー233が開口2342を有し、カム232を環状に取り囲むように設けられているので、環状レバー233の強度を向上させることができる。
(2-11)曜表示装置200、日表示装置290、および24時間制表示装置190を共通に構成する筒車121を駆動車として活用するので、この筒車121からの駆動力が曜回し車212、曜中間車231に確実に伝達され、設計効率も良好にできる。
(2-12)また、地板20Xの略中央部に設けられた筒車121の近傍に環状レバー233の回転軸20Z1が設けられているので、地板20Xの略中央から周縁にかけて環状レバー233の配置スペースを大きく確保できる。
〔第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態は、第2実施形態において、位置Aに組み込まれる小曜車243(図9)の径を変更したものである。
図11は、本実施形態の曜表示装置250を模式的に示した平面図であり、この曜表示装置250は、時計2A(図6)にも時計2B(図10)にも装備されるものである。
ここで、位置Bには小曜車243が組み込まれ、位置Aには、位置Bに組み込まれた小曜車243よりも大径の小曜車245が組み込まれている。なお、図11には、説明の便宜上、小曜車243,245を両方図示したが、実際には、小曜車243,245の一方が組み込まれる。また、小曜車245の歯形は、小曜車243の歯形と同じである。
ここで、環状レバー233が図11中の実線で示した状態から2点鎖線で示した状態に回動すると、位置Bに配置された小曜車243は歯車部235との噛み合いにより回転し、小曜車243に取り付けられた曜針242が回動する。この際の曜針242の回動角度は、第1実施形態と同様の108°であり、図10に示した時計2Bと同様に、表示部241の扇形の角度も曜針242の回動角度108°に対応した角度とされている。
一方、図11において位置Aに配置された小曜車245は、小曜車243よりも大径であることにより、歯車部235に送られる回動角度が小曜車243よりも小さく、小曜車245に取り付けられた曜針242の回動角度は84°とされている。この際、図6に示した時計2Aと表示部241の文字板20Aにおける位置の点では変わらないが、表示部241の扇形の角度は、曜針242の回動角度84°に対応した角度となっている。
このような第3実施形態によっても、第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、時計2A,2Bの各モデル間で、曜針242の回動角度ないし表示部241の扇形の角度が異なることから、文字板20A上の外観デザインに一層変化を持たせることができる。このモデル変更に際して、小曜車243,245の径を変更するだけでよく、曜表示装置250におけるその他の構成を変更する必要がないという利点がある。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態は、第2実施形態において、環状レバー233の歯車部235の形状(図9)を変更したものである。
図12には、本実施形態の曜表示装置300が示されている。
本実施形態では、環状レバー333の歯車部335は、その円弧状部分の径寸法が途中で大きくなる段差形状に形成されている。この段差335Aを境に大径側は、位置Aに組み込まれた小曜車243と噛み合う部分歯車部3351とされ、第1実施形態の歯車部235と同径である小径側は、位置Bに組み込まれた小曜車243と噛み合う部分歯車部3352とされている。これらの部分歯車部3351,3352は、同じ歯形で略同じ長さの歯列を有し、回転軸20Z1を中心とする同心円上に設けられている。
なお、回転軸20Z1を中心とする円弧形状の部分歯車部3351,3352と、筒車121を中心とする円形状の地板20Xとは非同心に設けられているので、部分歯車部3351,3352の各形状は地板20Xの周縁に沿っていない。ただし、大径の部分歯車部3351により、位置Aに組み込まれる小曜車243が地板20Xの周縁に近接配置されるので、位置Aに組み込まれた小曜車243の軸からケース11の開口周縁まで(見切りが設けられている場合は見切りの周縁まで。以下同じ)の距離D1(図13)と、位置Bに組み込まれた小曜車243の軸からケース11の開口周縁までの距離D2(図14)とがほぼ同じとなり、位置A,Bにそれぞれ組み込まれる小曜車243は、地板20Xの周縁に沿って並ぶことになる。
このような曜表示装置300において、小曜車243を位置Aに組み込むと、図13に示す時計3Aが構成される。
ここで、時計3Aでは、部分歯車部3351が大径であることから、部分歯車部3351の回動による小曜車243の送り量が大きく、小曜車243に取り付けられた曜針242の回動角度も大きくなる。本実施形態では、曜針242の回動角度は122°であり、表示部341の扇形角度もこの122°に対応した角度となっている。
一方、小曜車243を位置Bに組み込むと、図14に示す時計3Bが構成される。時計2Bでは、部分歯車部3352の回動による小曜車243の送り量は第1実施形態における小曜車243の送り量と同様であるため、曜針242の回動角度は第1実施形態と同様に108°であり、表示部241の扇形角度もこの108°に対応した角度となっている。
このように、時計3A,3Bの各モデルにおいて、表示部241,341の位置、そして表示部241,341の扇形の角度が異なるので、第2実施形態と同様に、文字板20A上の外観デザインに変化をつけることができる。
また、前述のように、大径の部分歯車部3351により、位置A,Bに組み込まれる小曜車243が地板20X周縁に沿って並ぶため、時計3Aにおけるケース11の開口周縁から曜針242の回転中心までの距離D1と、時計3Bにおけるケース11の開口周縁から曜針242の回転中心までの距離D2とがほぼ同じとなり、時計3A,3Bのデザインを揃えることができる。
以上述べた第4実施形態によっても、前述の各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。本実施形態においても、時計3A,3Bのモデル変更に際して、小曜車243の組み込み位置を変更するだけでよく、曜表示装置300における他の構成を変更する必要はない。
また、本実施形態の変形として、部分歯車部を3つ以上設けて、小曜車243の組み込み位置も部分歯車部の数に応じて3つ以上設けることも考えられる。これにより、表示部241の位置に関してより多くのデザイン・バリエーションを得ることができる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態は、第4実施形態において、一方の部分歯車部の歯形を変更したものである。
図15は、曜表示装置350の平面図である。
本実施形態の環状レバー353では、大径の部分歯車部3551と部分歯車部3352とでは歯形が異なり、部分歯車部3551の歯ピッチは部分歯車部3352の歯ピッチよりも大きい。これに対応して、部分歯車部3551には、部分歯車部3551と歯ピッチが同様であって小曜車243よりも大径の小曜車347が噛合されている。
ここで、部分歯車部3551は前述のように部分歯車部3352よりも大径であるものの、組み込まれる小曜車347の径が大きいことから、部分歯車部3551の回動量に対する小曜車347の送り量は、部分歯車部3352による小曜車243の送り量と同じとなっている。すなわち、小曜車243,347にそれぞれ取り付けられる曜針242の回動角度は互いに同じである。
図16は、小曜車347が位置Aに組み込まれた時計3Cを示し、図17は、小曜車243が位置Bに組み込まれた時計3Dを示している。なお、時計3Dの外観は、図14に示した時計3Bの外観と同様である。
これらの図からわかるように、時計3C,3Dにおいて、表示部241の扇形角度は同じであり、時計3C,3Dのデザインが揃えられている。前述のように、曜針242の回動角度が同じであるため、表示部241の扇形角度は、この曜針242の回動角度に対応した角度とされている。また、第4実施形態と同様に、時計3C,3Dにおいて、ケース11の開口の周縁から曜針242の回転中心までの距離D1,D2が揃えられている。
本実施形態によっても、前述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
〔本発明の変形例〕
(変形例1)
本発明は、前述の各実施形態に限定されるものではなく、各種の変形や改良が許容される。
図18(A)(B)、図19(A)(B)には、本発明の変形例に係る時計4A,4B,4C,4Dがそれぞれ示されている。これらの時計4A〜4Dは、文字板20A上のデザインが互いに異なるモデル違いであり、同じムーブメントがそれぞれ使用されている。
時計4A〜4Dは、前述の曜表示装置350(図15)と、レトロ調の表示装置としての日表示装置380とを備え、曜、日の複数系統のレトロ調表示機構を具備するものである。
ここで、曜表示装置350では、小曜車243,347(図15)を9時半方向および8時半方向に組み込むことが可能となっている。また、日表示装置380では、図示しない日星車を2時半方向および3時半方向に組み込むことが可能となっている。
このような構成により、曜表示装置350における小曜車243,347の組み込み位置と、日表示装置380における日星車の組み込み位置との組み合わせは、4パターンあり、これらが時計4A〜4Dにそれぞれ対応する。すなわち、小曜車243,347および日星車の組み込み位置を変更するだけで、4つのデザイン・バリエーションを容易に得ることができる。
なお、表示装置において指示車の組み込み位置を3箇所以上設けたり、本発明の表示装置を3つ以上設けたりすることも可能であり、この場合は、さらに多くのデザイン・バリエーションを作り出すことができる。
ここで、日表示装置380は、図7を示して説明した日針294を回転させる構成の日表示装置290と置換して設けられている。日表示装置380は、日表示装置290における筒車121と、日回し車292と、日星車293とを備え、日回し車292は中間車として機能し、日星車293が従動車としてカムと一体化されている。そして、このカムの回転によりレバーを回動させ、レバーに設けられた歯車部によって指示車を送り、日を表示するものとなっている。この日表示装置380は、曜表示装置350と同様にコンパクトであって、地板20Xに占めるスペースが日表示装置290とあまり変わらないので、日表示装置290と置き換えることによって、指針の回転による日表示から指針の往復動作による日表示へと、表示形式を変更することも容易である。
すなわち、本変形例で示したように、日表示装置290,380を組み込む対象となるムーブメント20は共通でも、日表示装置290によるインダイアル表示(図6)と、日表示装置380によるレトロ調表示(図18、図19)とが可能となる。これにより、様々な表示態様を低コストで容易に実現できるので、時計のモデル展開に際して非常に有利となる。
(変形例2)
次に、図20は、本発明の変形例における曜表示装置400の平面図である。前記実施形態におけるレバー133,233,333,353は、いずれも環状に形成されていたが、曜表示装置400が備えるレバー433は、カム232の周りを取り囲むように、略C字状に湾曲するように形成されている。レバー433の一端側は、回転軸20Z1に軸支され、カム232に当接される突起2341が形成されたレバー部434と、小曜車243と噛合う歯車部235とを一体に備えている。なお、レバー部434と歯車部235とは、別体でもよい。
このように、本発明におけるレバーは、カムの周りを取り囲む形状であれば、前記各実施形態のように環状でも、本変形例のように略C字状でもよく、また、S字、L字などの形状であって、その湾曲の内側部分にカムへの当接部を有するものであってもよい。
また、本発明は、駆動車、従動車、カム、レバー、歯車部、指示車、指示部材により、構造が複雑化することなくレイアウト自在である。このため、これらの駆動車、従動車、カム、レバー、歯車部、指示車、指示部材の組み合わせに応じて、例えば第1実施形態において、文字板中央部に扇形の円中心側が配置されるように表示部を配置し、図3などで示した表示装置100の向きとは逆に、指示部材が文字板中央部から外周側を指し示す構成とすることもできる。ここで、表示部の扇形の角度や大きさ、指示部材の移動範囲、表示部の目盛の構成などは任意に決められる。
なお、第1実施形態では、筒車121を中心として、12時側に表示部141が、6時側に表示部181が振り分けられていたが、このような構成に限られない。
また、カムやレバー、歯車部の形状などは任意に決められる。例えば、曜従動車の歯数を14として1日に一歯ずつ送るとともに、カムには2つのピーク部を形成することが考えられる。このような構成によれば、カムが2週間で1回転すると、その周期が2回繰り返されて指示部材が2往復することになる。さらに、カムのピークを3つ設けて3週間で1回転、あるいは、4つ設けて4週間で1回転する構成とすることも可能である。
なお、指示部材として、前記実施形態のような針形状に限らず、例えば、人形や花や動物などが図案化されたものやキャラクターデザインも採用できる。
表示部の形状は、扇形の円弧部分のみが示されたものであってもよい。
そして、暦表示や時刻表示に関して従来のリング状の回転板(日車、曜車など)を本発明と併せて採用することもできる。例えば、回転板によって日を表示し、本発明の表示部において、月や曜を表示する構成とすることが考えられる。このような構成としても、駆動車、従動車などを回転板の内周部分に容易に組み込むことができる。
前記各実施形態では、レトロ調の日表示装置または曜表示装置による暦表示が採用されていたが、このほか、月、年などの暦表示、あるいは、大安、仏滅などの暦注表示、さらに、時、分、秒などの時刻表示などにも適用できる。この際、駆動車、従動車、歯車部、指示車の減速比(増速比)などは、表示の目的に応じた送り量となるように適宜決められる。
また、本発明の表示装置を複数設け、暦、時刻の中から任意に選択された2つ、3つ、4つ以上の複数のレトロ調表示を行う構成にすることもでき、例えば月と曜、曜と日などの複数系統のレトロ調表示を実現することもできる。
さらに、前記各実施形態では、レバーおよび歯車部が一体成形され、あるいは、レバー、歯車部、および付勢手段が一体形成されていたが、これに限らず、これらレバー、歯車部、および付勢手段はそれぞれ別部材であってもよい。例えば、レバーを略V字状に、歯車部をこのレバーのV字形状と重なる扇形状に形成し、これらのレバーと歯車部とが同軸に固定されたものであってもよい。この構成でも、カムをレバーの内側に配置することにより、カムおよびレバーがほぼ同一面上で回転ないし回動することになるから、表示装置を薄くできる。
また、前記各実施形態では、地板側に従動車等が設けられ、これらと対向する位置にカムおよびレバーが押さえ板に設けられていたが、これには限らず、例えば、地板にレバー、歯車部およびカムが設けられ、押さえ板に従動車が設けられていてもよい。
前記第2実施形態などでは、曜針242の回動中心の位置、回動角度、指示方向、および、表示部241の扇形の円中心O、扇形角度、が例示されていたが、指示部材の回動中心の位置、回動角度、指示方向、および表示部の扇形中心の位置、扇形角度などは任意に構成できる。
すなわち、前記各実施形態で説明したように、指示部材の回動中心および回動角度は、指示車と歯車部との径や歯形、歯数との関係で決められる。また、指針の指示方向は、指示車を組み込む際の指示車、レバー、カムなどの位置合わせにおいて決められる。
また、前記第2実施形態などでは、曜表示装置200における小曜車243の配置位置として、位置A、位置Bの2箇所が設けられていたが、これに限らず、指示車の組み込み位置を3箇所以上設けることも可能である。これにより、さらに多くのモデルを作り出すことができる。
さらに、前記第2実施形態などでは、環状レバー233の回転軸20Z1が筒車121の近傍に設けられていたが、これに限らず、環状レバー233の回転軸20Z1の位置は地板20Xの周縁側でも、あるいは筒車121と地板20Xの周縁との間でも、任意の位置に設けることができる。
さらに、前記第2実施形態では、環状レバー233の円弧状部分に1つの歯車部235が形成され、この歯車部235に沿って小曜車243の複数の組み込み位置A,Bが設けられていたが、これに限らず、例えば、第4、第5実施形態のように、小曜車の組み込み位置とそれぞれ対応する複数の歯車部を設けてもよい。この際、複数の歯車部において、互いに径や歯形を異なるものとすれば、指示車および指示部材の回動角度を異なるものとすることができ、それぞれのモデルにおけるデザインを違ったものにできる。また、歯車部の径を変更する代わりに、指示車の径を変更しても、同様の効果を得ることができる(第3実施形態)。
そして、前記第2実施形態などでは環状レバー233等に形成された開口2342は貫通孔であって、環状レバー233は環状に形成されていたが、レバーの開口としては、貫通孔のみならず凹部(盲穴)であってもよい。
なお、指示車の配置位置に関しては、地板などのスペースに応じて複数の位置から任意に選択することができ、スペース上、複数の位置の一方にしか指示車を配置できないようなムーブメントであっても、指示車の組み込み位置を適切に選択することで表示装置を具備させることができる。すなわち、本発明の表示装置によるレトロ調表示機能を有するモデルの追加が容易にできる。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態における時計を示す外観平面図。 図1の部分拡大図。 前記実施形態における時計の表示装置を示す平面図。 前記実施形態における曜表示部を示す平面図。 前記実施形態における曜表示部を示す断面図。 本発明の第2実施形態における時計の外観を示す平面図。 前記実施形態における時計のムーブメントを示す平面図。 前記実施形態における時計のムーブメントの要部断面図。 図7の要部拡大図であり、時計の表示装置を示す平面図。 前記実施形態における時計の別モデルの外観を示す平面図。 本発明の第3実施形態における時計の表示装置を示す平面模式図。 本発明の第4実施形態における時計の表示装置を示す平面図。 前記実施形態における時計の外観を示す平面図。 前記実施形態における時計の別モデルの外観を示す平面図。 本発明の第5実施形態における時計の表示装置を示す平面図。 前記実施形態における時計の外観を示す平面図。 前記実施形態における時計の別モデルの外観を示す平面図。 本発明の変形例における時計の外観を示す平面図。 前記変形例における時計の外観を示す平面図。 本発明の他の変形例における時計の表示装置を示す平面図。外観を示す平面図。
符号の説明
1,2A,2B,3A,3B,4A,4B,4C,4D・・・時計、10,20・・・ムーブメント、100・・・表示装置、121・・・筒車(駆動車)、122・・・中間車、131・・・曜従動車、132,172,232・・・カム、133,173,233,333,353・・・環状レバー、134,174,234・・・レバー部、135,175,235,335・・・歯車部、141,181,241,341・・・表示部、142,242・・・曜針(指示部材)、143,183・・・指示車、162・・・日回し車(中間車)、171・・・日従動車、182・・・日針(指示部材)、200,250,300,350,400・・・曜表示装置、212・・・曜回し車(中間車)、231・・・曜中間車、243,245,347・・・小曜車(指示車)、290・・・日表示装置(他の表示装置)、293・・・日星車(従動車)、380・・・日表示装置、433・・・レバー、1222A,1621A,2121・・・送り爪、1311,236・・・ばね(付勢手段)、1331,1731,20Z1・・・回転軸(レバーの回転軸)、1325,1725,2325・・・回転軸(カムの回転軸)、1341・・・突起、1741,2341・・・突起、2431・・・回転軸(指示車の回転軸)、3351,3352・・・部分歯車部、A,B・・・位置(指示車を配置可能な複数の位置)、R・・・円弧、T1・・・レバーの回転軸からカムの回転軸までの寸法、T2・・・レバーの回転軸から指示車の回転軸までの寸法。

Claims (10)

  1. 動力源によって回転される駆動車と、
    この駆動車によって駆動される従動車と、
    この従動車を介して回転するカムと、
    前記カムに付勢された状態で当接される回動可能なレバーと、
    このレバーを介して前記カムの回転に応動する歯車部と、
    この歯車部に連動し、かつ、指示部材を取り付け可能な指示車とを備え、
    前記歯車部は、前記レバーの回転軸を中心として前記カムの回転軸を通る円弧を仮定すると、この円弧の中心側とは反対側に配置され、かつ、
    前記カムの回転軸は、前記レバーの回転軸と前記歯車部との間に配置され、
    前記歯車部は、前記指示車が複数の異なる配置位置のいずれに配置された場合でも当該指示車と噛合う
    ことを特徴とする時計の表示装置。
  2. 請求項1に記載の時計の表示装置において、
    前記レバーの回転軸から前記指示車の回転軸までの寸法は、前記レバーの回転軸から前記カムの回転軸までの寸法の1.5倍〜2.5倍である
    ことを特徴とする時計の表示装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の時計の表示装置において、
    前記レバーは、前記カムの周りを取り囲むように配置され、かつ、前記カムに当接される突起を有する
    ことを特徴とする時計の表示装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の時計の表示装置において、
    前記歯車部は、前記指示車の各配置位置にそれぞれ対応する複数の部分歯車部を有し、
    これらの部分歯車部では、径および/または歯形が互いに異なる
    ことを特徴とする時計の表示装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の時計の表示装置において、
    前記複数の位置に配置される指示車は、当該指示車の配置位置に応じて、径および/または歯形が互いに異なる
    ことを特徴とする時計の表示装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の時計の表示装置において、
    前記レバーを前記カムに当接させる付勢手段を備えている
    ことを特徴とする時計の表示装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の時計の表示装置において、
    前記駆動車は、時針が取り付けられた筒車であり、
    この筒車と前記従動車との間には、前記従動車を送る送り爪を有する中間車が設けられている
    ことを特徴とする時計の表示装置。
  8. 請求項7に記載の時計の表示装置において、
    前記レバーの回転軸は、前記筒車の近傍に設けられている
    ことを特徴とする時計の表示装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載された表示装置と、
    前記表示装置における前記駆動車、およびこの駆動車によって駆動される従動車を備えた前記表示装置以外の他の表示装置と、のいずれかが組み込み可能である
    ことを特徴とするムーブメント。
  10. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載された表示装置と、
    前記指示部材により示される扇形の表示部とを備えた
    ことを特徴とする時計。
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