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JP4380061B2 - 発熱部品の放熱構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置等に内蔵されるCPUなどの発熱部品を冷却するための放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、情報処理装置で特に、薄型省スペースのノートブックコンピュータなどでは、内蔵するCPUなどの発熱部品を冷却するための放熱構造がとられていた。
【0003】
以下、従来の発熱部品の放熱構造について、図を用いて説明する。図3は従来の発熱部品の放熱構造を示す断面図である。図において、31はプリント配線基板32上にコネクタソケット33を介して実装された発熱部品であるCPU、34は放熱のためのアルミダイキャスト製のヒートシンクで、上面に多数のフィン34aが設けられている。ヒートシンク34は、CPU31との間に弾性を有する高熱伝導性ラバー35を挟むようにして、プリント配線基板32とともにネジ36により情報処理装置筐体のボス37に固定されている。高熱伝導性ラバー35はシリコーンゲルを母材とし、熱伝導性フィラーを含有させたものである。
【0004】
以上のように構成された従来の発熱部品の放熱構造において、CPU31から発生した熱は、高熱伝導性ラバー35を経てヒートシンク34に伝熱される。そして伝熱された熱はフィン34aから放熱される。これにより、CPU31は冷却される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような放熱構造においては、CPU31とアルミダイキャストのヒートシンク34の間は、弾性を有する高熱伝導性ラバー35が密着して伝熱している。この高熱伝導性ラバー35は、ヒートシンク34をプリント配線基板32に固定する際に圧縮されることによって、CPUソケット33の実装ばらつき、CPU31及びヒートシンク34の高さのばらつき等を吸収しており、これによって高い伝熱効果と共に、CPU31に対してヒートシンク34の取り付けによる許容以上の過負荷を掛けないようになっている。
【0006】
しかし、近年、ノートブックコンピュータなどでは、薄型省スペースと同時に高機能・高性能化の方向にあるため、CPUの発熱量が増大しており、ヒートシンクだけでは放熱に最も有効な放熱板の表面積確保を十分に取れなかった。また、CPUとヒートシンクとの間を伝熱する高熱伝導性ラバーは、CPUソケット、CPU、ヒートシンク等の高さのばらつきの調整の一役もになっていたが、上述のようなCPUの発熱量増大に対応し、母材のシリコーンゲルに熱伝導性フィラーの含有量を増やし、熱伝導性の向上を図ってきている。結果として、従来のラバーとしての弾力性が減り、硬質化しているため、高さのばらつきを吸収できなくなってきている。このため、高熱伝導性ラバーは、放熱効果を上げるためのCPUに対するいくらかの必要な負荷と、CPUの高さのばらつき及びその実装によるばらつきを考慮に入れて、過負荷にならないよう、ヒートシンク等の取付け高さを決定するという、微妙な調整を行う必要があり、CPUへの負荷を調整することが困難になってきた。
【0007】
本発明は、CPUなどの発熱部品に対する密着による過負荷を防ぎつつ、高い放熱効果を得ることのできる発熱部品の放熱構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、放熱部材を構成する弾性を有する薄板状の金属製放熱板を二枚重ねにし、プリント配線基板上に実装された発熱部品と金属製放熱板との間に熱伝導性弾性部材を介在し、さらに、2枚の金属製放熱板にそれぞれ折り曲げられた複数の立ち上がり部と、互いに直交する方向でその歪方向が重ならないようにした細形状に延長形成された取付け部をそれぞれ形成し、前記取付け部の先端部の取付け孔が重なるようにしてその取付け孔により放熱部材をプリント配線基板とともに筐体に取付け固定したものである。
【0009】
これにより、2枚の金属製放熱板とこれらに形成された複数の立ち上がり部により、発熱部品の放熱のための表面積増大が得られるとともに、その2枚の金属製放熱板に互いに直交する方向で歪方向が重ならないように延長形成されたそれぞれの取付け部はお互いのばね効果が損なわれることがなく、そのそれぞれの取付け部の弾性により発熱部品の高さばらつき及び実装ばらつきに影響されずに、熱伝導性弾性部材を確実に過負荷なく発熱部品に密着固定することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、プリント配線基板上に実装された発熱部品と、弾性を有する薄板状の2枚の金属製放熱板と、前記発熱部品と前記金属製放熱板との間に設けられる熱伝導性弾性部材とを備えたことを特徴とする発熱部品の放熱構造である。
【0011】
また、本発明は、金属製放熱板は、放熱のための折り曲げられた複数の立ち上がり部を有することを特徴とするものであり、発熱部品の放熱のための表面積増大が得られるという作用を有する。
【0012】
また、本発明は、2枚以上の金属製放熱板が重ねて設けられることを特徴とするものであり、発熱部品の放熱のための表面積増大が得られるという作用を有する。
【0013】
さらに、本発明は、2枚以上の金属製放熱板はそれぞれ筐体等への取付け部を有し、前記取付け部は金属製放熱板の本体部から細幅に形成された延長部と、前記延長部の先端近傍に設けられた取付け孔から構成されることを特徴とするものであり、発熱部品の高さばらつき及び実装ばらつきを吸収するためのばね効果を発生するという作用を有する。
【0014】
また、本発明は、少なくとも2枚の金属製放熱板の取付け部の延長部は互いに直交した方向に形成され、かつ、取付け孔が重なるようにしたことを特徴とするものであり、歪方向を互いに重なり合うことなく90度ずらすことによって、互いの寸法ばらつきによるばね効果を損なうことがないという作用を有する。
【0015】
また、本発明は、金属製放熱板を挟み発熱部品と対向する位置に金属製ブロックからなるヒートシンクが取り付けられることを特徴とするものであり、金属製放熱板と合わせ、発熱部品の放熱量を増大できるという作用を有する。
【0016】
また、本発明は、ヒートシンクに放熱ファンが取り付けられることを特徴とするものであり、この放熱ファンによって、さらに金属製放熱板の熱を吸収放熱することが可能になり、全体の放熱効果を向上できるという作用を有する。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図2を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態の発熱部品の放熱構造を示す断面図、図2は放熱構造の中の放熱部材を示すもので、図2(a)は分解斜視図で、図2(b)は組立図である。図において、1はプリント配線基板2上にコネクタソケット3を介して実装された発熱部品であるCPU、4は放熱部材で、上面に多数のフィン5aが設けられたアルミダイキャスト製のヒートシンク5と、薄板状で金属製の放熱板A6と放熱板B7がネジ8によって取り付けられている。放熱板A6と放熱板B7はそれぞれ折り曲げられて立ち上がり部6a、7aが形成されている。また、放熱板A6と放熱板B7にはそれぞれ取り付けのための取付け部6b、7bが本体から延長するように形成され、その取付け部6b、7bの先端部付近に取付け孔6c、7cが設けられている。取付け部6b、7bはばね性を発生させるため、細形状に形成されているとともに、スリット6d、7dが形成されている。そして、放熱部材4は、放熱板A6とCPU1との間に弾性を有する高熱伝導性ラバー9を挟むようにしてその放熱板A6及び放熱板B7の取付け部6b、7bに設けられた取付け孔6c、7cに挿入したネジ10によりプリント配線基板2とともに情報処理装置筐体のボス11に固定されている。高熱伝導性ラバー9はシリコーンゲルを母材とし、熱伝導性フィラーを含有させたものである。
【0019】
以上のように構成された本発明の発熱部品の放熱構造において、CPU1から発生した熱は、高熱伝導性ラバー9を経て放熱板A6と放熱板B7およびヒートシンク5に伝熱される。そして伝熱された熱は放熱板A6と放熱板B7の立ち上がり部6a、7aおよびヒートシンク5のフィン5aから放熱される。これにより、CPU1は冷却される。
【0020】
ここで、金属製の放熱板A6と放熱板B7の取付け部6b、7bは、両側にスリットの入った細形状を有しているため、情報処理装置筐体のボス11に固定したときに高熱伝導性ラバー9を介してCPU1を押える際、そのばね性により、CPU1の高さばらつき及び実装ばらつき等を吸収する。これは、放熱板A6と放熱板B7からそれぞれ細形状に延長形成された取付け部6bと7bは互いに90度ずれた方向、すなわち、互いに直交する方向でその歪方向が重ならないように延長形成されていることによって、お互いのばね効果が損なわれず、発熱部品の高さばらつき、及び実装ばらつきがあっても熱伝導性弾性部材を過負荷なく発熱部品に密着させることができる。
【0021】
このように、ばね性のある2枚の金属製放熱板で高熱伝導性ラバーを押えることにより、高熱伝導性ラバーが硬質化していても、過負荷をCPUに与えることがない。
【0022】
なお、本実施の形態におけるヒートシンクに放熱ファンを取り付けるようにすれば、放熱ファンによって、さらに金属製放熱板の熱を吸収放熱することが可能になり、全体の放熱効果を向上できる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、放熱部材を構成する弾性を有する薄板状の金属製放熱板を2枚重ねにし、プリント配線基板に実装された発熱部品と前記金属製放熱板との間に熱伝導性弾性部材を配し、さらに、2枚の金属製放熱板にそれぞれ折り曲げられた複数の立ち上がり部を形成するとともに、互いに直交する方向でその歪方向が重ならないようにした細形状に延長形成された取付け部をそれぞれ形成し、前記取付け部の先端部の取付け孔が重なるようにしてその取付け孔により放熱部材をプリント配線基板とともに筐体に取付け固定したことにより、放熱部材の放熱の表面積を増やすことができるとともに、発熱部品の高さばらつき、及び実装ばらつきに影響されることなく、前記取付け部の弾性により熱伝導性弾性部材を発熱部品に確実に過負荷なく密着固定することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の発熱部品の放熱構造を示す断面図
【図2】 本発明の一実施の形態の発熱部品の放熱構造の中の放熱部材を示す分解斜視図および組立図
【図3】 従来の発熱部品の放熱構造を示す断面図
【符号の説明】
1 CPU
2 プリント配線基板
4 放熱部材
5 ヒートシンク
6 放熱板A
6a、7a 立ち上がり部
6b、7b 取付け部
7 放熱板B
9 高熱伝導性ラバー

Claims (1)

  1. プリント配線基板上に実装された発熱部品が発生した熱を放熱部材により放熱するための放熱構造であって、
    前記放熱部材は2枚の弾性を有する薄板状の金属製放熱板とその2枚の金属製放熱板が重ねられた状態でこれに一体に取付けられたヒートシンクからなり、
    前記2枚の金属製放熱板にそれぞれ折り曲げられた複数の立ち上がり部と、当該2枚の金属製放熱板が重ねられた状態において互いに直交する方向でその歪方向が重ならないようにした細形状でそれぞれ延長形成された取付け部を形成し、かつ、前記各取付け部の先端部に前記2枚の金属製放熱板が重ねられた状態において重なるようにした取付け孔を設け、
    前記放熱部材を前記金属製放熱板と前記プリント配線基板上に実装された発熱部品との間に熱伝導性弾性部材を介した状態で前記プリント配線基板とともに前記重なるように設けられた取付け孔により筐体に取付け固定し、前記2枚の金属製放熱板に延長形成された各取付け部の弾性により前記熱伝導性弾性部材が前記発熱部品に密着されるようにしたことを特徴とする発熱部品の放熱構造。
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