しかし、このような画像処理装置は、可搬型記憶装置の空き容量が足りず読取った画像データを記憶できない場合であっても、一旦可搬型記憶装置への画像データの送信を開始し、送信途中で可搬型記憶装置の記憶容量オーバーにより送信エラーとなることで、空き容量が足りないと判断されていた。このように一旦可搬型記憶装置に画像データを送信する処理を行うこととなるために余計な負担がかかる問題点があった。
また、このような画像処理装置は、可搬型記憶装置の空き容量が足りなくなり読取った画像データを記憶できなくなると、当該画像データを破棄して一連の処理を中断して終了させるものであるので、ユーザは可搬型記憶装置に記憶されているデータを削除して空き容量を確保した上で、再度原稿画像の読取から処理を行わなければならなかった。そのため、ユーザが行う操作が煩雑なものとなり、また、二重に原稿画像を読取ることとなるので作業の効率が悪くなるといった問題があった。
そこで、本発明は、可搬型記憶装置の空き容量が足りなくなったときでも、余計な処理を必要とせず、簡便に効率よく処理を継続させることができる画像処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像処理装置は、原稿画像を読取る読取手段と、該読取手段により読取られた画像データを少なくとも可搬型記憶装置に送信するまで記憶する一時記憶手段と、前記可搬型記憶装置と接続する接続手段と、所定の情報が表示される表示手段と、外部からの入力を受け付ける受付手段と、各種処理を制御する制御手段と、を備える画像処理装置であって、前記制御手段は、前記接続手段により接続されている可搬型記憶装置の空き容量が前記一時記憶手段に記憶されている画像データの容量未満のときは、前記一時記憶手段に記憶されている画像データの容量から前記接続手段により接続されている可搬型記憶装置の空き容量を除した値以上の容量の既記憶データを強調しつつ、当該可搬型記憶装置に記憶されている既記憶データを前記表示手段に表示し、前記表示手段に表示された既記憶データの中から前記受付手段によって受け付けられた入力に基づいて選択されたデータを削除するとともに、前記接続手段により接続されている可搬型記憶装置の空き容量が前記一時記憶手段に記憶されている画像データの容量以上のときは、前記接続手段により接続されている可搬型記憶装置に前記一時記憶手段に記憶されている画像データを送信することを特徴としている。
この構成によれば、画像処理装置には読取り手段、一時記憶手段、接続手段、表示手段、受付手段、および制御手段が備わる。読取り手段により原稿画像は読取られ、読取られた画像データは一時記憶手段により少なくとも可搬型記憶装置に送信するまで記憶される。また、接続手段により可搬型記憶装置は接続され、表示手段により所定の情報は表示され、受付手段により外部からの入力は受け付けられ、制御手段により各種処理は制御される。制御手段により、接続手段により接続されている可搬型記憶装置の空き容量が一時記憶手段に記憶されている画像データの容量未満のときは、接続手段により接続されている可搬型記憶装置に記憶されている既記憶データは一時記憶手段に記憶されている画像データの容量から接続手段により接続された可搬型記憶装置の空き容量を除した値以上の容量の既記憶データが強調されつつ、表示手段に表示され、表示手段に表示された既記憶データの中から受付手段によって受け付けられた入力に基づいて選択されたデータは削除される。制御手段により、接続手段により接続されている可搬型記憶装置の空き容量が一時記憶手段に記憶されている画像データの容量以上のときは、接続手段により接続されている可搬型記憶装置に一時記憶手段に記憶されている画像データは送信される。
なお、ここで「読取られた画像データ」とは、読取手段(スキャナ)により読取られたデータそのものの他、読取られたデータを色調整、色空間変換、2値化等の処理を行ったデータや符号化(エンコード)しファイル形式としたデータも含む概念である。また、「可搬型記憶装置の空き容量」とは、可搬型記憶装置に記憶されている各種のデータを削除することなく新たに記憶させることができるデータの量のことであり、「画像データの容量」とは可搬型記憶装置に画像データを記憶させるときに必要な空き容量のことである。また、「既記憶データ」とは可搬型記憶装置に記憶されており、未だ削除されていないデータのことをである。また、「データを削除する」とは、データが記憶されている記憶領域が開放されれば良く、記憶領域に記憶されているデータが現実に消去されていなくても良い。また、ここで「強調して表示」とは、例えば他の既記憶データの表示と比較して白と黒とを反転させて表示、他の既記憶データの表示よりも大きく表示または他の既記憶データと異なる色彩で表示等を含み、ユーザの注意をより引き易い態様で表示されることをいう。
また、接続手段により接続されている可搬型記憶装置の空き容量が一時記憶手段に記憶されている画像データの容量未満のときは、可搬型記憶装置に記憶されている既記憶データを送信しない。したがって、一旦可搬型記憶装置への画像データの送信を開始し、送信途中で可搬型記憶装置の記憶容量オーバーにより送信エラーとなるといった余計な処理を行わないので、接続手段や制御手段に余計な負荷が掛からず、処理時間も短縮することができる。また、削除すれば一時記憶手段に記憶されている画像データを可搬型記憶装置に記憶することができるようになる既記憶データが強調して表示される。したがって、ユーザは強調された既記憶データの中から削除する既記憶データを選択すればよいので、より簡単に削除する既記憶データを選択できる。
また、接続されている可搬型記憶装置の空き容量が一時記憶手段に記憶されている画像データの容量未満のとき、すなわち、接続されている可搬型記憶装置の容量が不足して一時記憶手段に記憶されている画像データを可搬型記憶装置に記憶させることができない場合に、可搬型記憶装置の既記憶データが表示手段に表示され、表示された既記憶データの中から受付手段により受け付けられた入力に基づいて選択されたデータが削除される。そして、選択されたデータを削除することにより可搬型記憶装置の空き容量が一時記憶手段に記憶されている画像データの容量以上となると、一時記憶装置に記憶されている画像データは可搬型記憶装置に送信される。したがって、可搬型記憶装置の空き容量が足りなくなったときでも、表示手段に表示された既記憶データの中から削除するデータを選択するだけで、簡便に画像データを可搬型記憶装置に記憶させることができる。
また、接続手段により接続されている可搬型記憶装置の空き容量が一時記憶手段に記憶されている画像データの容量未満のときは、可搬型記憶装置に記憶されている既記憶データを送信しない。したがって、一旦可搬型記憶装置への画像データの送信を開始し、送信途中で可搬型記憶装置の記憶容量オーバーにより送信エラーとなるといった余計な処理を行わないので、接続手段や制御手段に余計な負荷が掛からず、処理時間も短縮することができる。
請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置であって、前記制御手段は前記既記憶データを、当該既記憶データの属性に応じた配列で表示することを特徴としている。
この構成によれば、制御手段により既記憶データは当該既記憶データの属性に応じた配列で表示される。なお、ここで「既記憶データの属性」とは、既記憶データに関する固有情報のことをいい、ファイルの種類、容量、作成日時、更新日時、保管場所などの情報をいう。
このように、既記憶データの属性に応じた配列で表示されるので、ユーザは削除する既記憶データを見つけやすい。したがって、ユーザ操作をより簡便にすることができる。
請求項3に記載の画像処理装置は、請求項2に記載の画像処理装置であって、前記既記憶データの属性は、当該既記憶データの作成日時であることを特徴としている。
この構成によれば、制御手段により既記憶データは当該既記憶データの作成日時に応じた配列で表示される。
このように、既記憶データの作成日時に応じた配列で表示されるので、例えば作成日時が古いデータを容易に見つけることができる。これにより、ユーザは削除する既記憶データを見つけやすい。したがって、ユーザ操作をより簡便にすることができる。
請求項4に記載の画像処理装置は、請求項2または請求項3に記載の画像処理装置であって、前記既記憶データの属性は、当該既記憶データの保管場所であることを特徴としている。
この構成によれば、制御手段により既記憶データは当該既記憶データの保管場所に応じた配列で表示される。なお、ここで「既記憶データの保管場所」とは、可搬型記憶媒体の物理的な記憶領域の場所を指すのもではなく、フォルダやディレクトリといったデータへのアクセスを容易にするために便宜的に設けられた概念をいう。
これにより、例えば読取り手段により読取った画像データをその画像データの重要度に応じた保管場所に保管するようにしている場合などに、より重要度の低い既記憶画像データを削除候補のデータとして配列して表示することができる。したがって、ユーザは任意の既記憶画像データのグループを容易に見つけやすくなり、削除する既記憶データを見つけやすい。したがって、ユーザ操作をより簡便にすることができる。
請求項5に記載の画像処理装置は、請求項1から請求項4のいずれか1に記載の画像処理装置において、前記制御手段は、前記既記憶データのうち削除不能データを前記表示手段に表示せずに、削除可能データを前記表示手段に表示することを特徴としている。
この構成によれば、制御手段により既記憶データのうち削除不能データは表示手段に表示されない。一方、削除可能データは表示手段に表示される。なお、ここで「削除不能データ」とは、ユーザが認証されている場合に削除を実行する権限がないデータ、ユーザが認証されていないために削除を実行することができないデータおよびユーザの認証の有無に関わらず削除を実行することができないデータのいずれも含む。また、「削除可能データ」とは、認証されたユーザが削除を実行する権限を有するデータおよび認証されていないユーザであっても削除をすることが可能なデータのいずれも含む。
これにより、削除することができない既記憶データは表示手段に表示されないので、ユーザは削除する既記憶データを見つけやすい。
請求項6に記載の画像処理装置は、請求項1から請求項5のいずれか1に記載の画像処理装置であって、前記制御手段は、前記接続手段により接続された可搬型記憶装置の空き容量が前記一時記憶手段に記憶されている画像データの容量未満のときは、更に、前記接続手段により接続された可搬型記憶装置の空き容量および前記一時記憶手段に記憶されている画像データの容量を前記表示手段に表示し、前記表示手段に表示された既記憶データの中から選択されたデータを削除したときは、前記表示手段に表示した前記接続手段により接続された可搬型記憶装置の空き容量の値を更新することを特徴としている。
この構成によれば、接続手段により接続された可搬型記憶装置の空き容量が一時記憶手段に記憶されている画像データの容量未満のときは、制御手段により接続手段により接続された可搬型記憶装置の空き容量および一時記憶手段に記憶されている画像データの容量は前記表示手段に表示される。また、表示手段に表示された既記憶データの中から選択されたデータを削除したときは、制御手段により表示手段に表示した接続手段により接続された可搬型記憶装置の空き容量の値は更新される。なお、ここで「空き容量の値」とは、可搬型記憶装置の空き容量を例えばデータのバイト数などで数値化したものをいう。
これにより、ユーザは接続手段により接続された可搬型記憶装置の空き容量が一時記憶手段に記憶されている画像データの容量未満のときに、可搬型記憶装置の空き容量および一時記憶手段に記憶されている画像データの容量を把握することができる。したがって、ユーザは可搬型記憶装置の空き容量をどれだけ増やせば、一時記憶手段に記憶されている画像データを可搬型記憶装置に記憶させることができるか把握することができる。
請求項7に記載の画像処理装置は、請求項1から請求項6のいずれか1に記載の画像処
理装置であって、前記制御手段は、前記受付手段によって受け付けられた入力に基づいて
、前記表示手段に表示された既記憶データの中から指定されたデータの容量と前記接続手
段により接続された可搬型記憶装置の空き容量とを加算した値を表示することを特徴とし
ている。
この構成によれば、制御手段により、表示手段に表示された既記憶データの中から指定されたデータの容量と接続手段に接続された可搬型記憶装置の空き容量とを加算した値が表示される。
これにより、ユーザは可搬型記憶装置に記憶されている既記憶データの中から指定したデータを削除したときの可搬型記憶装置の空き容量を把握することができる。したがって、ユーザはどの既記憶データを削除すると、一時記憶手段に記憶されている画像データを可搬型記憶装置に記憶させることができるか容易に把握できる。
請求項8に記載の画像処理装置は、請求項1から請求項7のいずれか1に記載の画像処
理装置であって、新たな可搬型記憶装置を前記接続手段により接続したときに、前記制御
手段は、前記接続手段により接続されている新たな可搬型記憶装置の空き容量が前記一時
記憶手段に記憶されている画像データの容量未満のときは、前記接続手段により接続され
ている新たな可搬型記憶装置に記憶されている既記憶データを前記表示手段に表示し、前
記表示手段に表示された既記憶データの中から前記受付手段によって受け付けられた入力
に基づいて選択されたデータを削除するとともに、前記接続手段により接続されている新
たな可搬型記憶装置の空き容量が前記一時記憶手段に記憶されている画像データの容量以
上のときは、前記接続手段により接続されている新たな可搬型記憶装置に前記一時記憶手
段に記憶されている画像データを送信することを特徴としている。
この構成によれば、接続手段により新たな可搬型記憶装置を接続すると、接続手段により接続されている新たな可搬型記憶装置の空き容量が一時記憶手段に記憶されている画像データの容量未満のときは、制御手段により新たに接続された可搬型記憶装置に記憶されている既記憶データが前記表示手段に表示される。また、制御手段により表示手段に表示された新たな可搬型記憶装置に記憶されている既記憶データの中から受付手段によって受け付けられた入力に基づいて選択されたデータが削除される。新たに接続された可搬型記憶装置の空き容量が一時記憶手段に記憶されている画像データの容量以上のときは、新たに接続された可搬型記憶装置に、一時記憶手段に記憶されている画像データが送信される。
これにより、接続手段により接続された可搬型記憶装置の空き容量が一時記憶手段に記憶されている画像データの容量未満の場合に、新たな可搬型記憶装置に交換したときにも、一時記憶手段に記憶された画像データは破棄されない。したがって、可搬型記憶装置を交換して新たな可搬型記憶装置に画像データを記憶させる場合にも、原稿画像を再度読取らなくて良いので、ユーザの作業が煩雑となることを防ぐことができる。
以下、本発明に係る画像処理装置の一例としての複合機1、及び、画像処理装置に接続される可搬型記憶装置の一例としてのUSBメモリ2について説明する。複合機1は、スキャナ機能、印刷機能、複写機能、ファクシミリ通信機能、電子メール通信機能等を備えている。また、USBメモリ2は、いわゆるUSBメモリとして種々の情報を記憶することができ、複合機1のスキャナ機能により読取られた原稿画像のスキャナファイル(画像データ)を記憶することもできる。
図1は、複合機1の構成例を示したブロック図である。この複合機1は、図1に示すように、制御部(CPU:Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、操作部104、報知部105、原稿読取部106、画像処理部107、コーデック(CODEC:Coder and Decoder)108、画像メモリ109、プリンタ110、FAX通信部111、LAN−I/F(Local Area Network Interface)112、及び、USBホストコントローラ113を備えており、各部101乃至113は、バス115によって通信可能に接続されている。
CPU101は、ROM102に格納されている制御プログラムに従って、複合機1の各部の動作を制御する。ROM102は、CPU101によりこの複合機1の各部の動作を制御するための前記制御プログラム等を格納する。RAM103は、複合機1の動作に用いる設定情報等の各種データ等を、読み出し及び書き込みが可能な状態で記憶するものである。
操作部104は、図示しないが、原稿の読み取り動作の開始を指示するためのスタートキー、ファクシミリ番号、コピー部数等を入力するためのテンキー、操作対象を指定するためのカーソルキー、操作の決定を行う決定キー等の入力キーを備えている。報知部105は、各種の設定状態や自装置1及び6の動作状態等を表示するタッチパネル式の液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)(オペレーションパネル)116や、点灯又は消灯で表示するLED(Light Emitting Diode)ランプ、所定の警告音を鳴動するスピーカ等を備えている。なお、液晶表示装置116は、本実施形態においてはカラー表示可能なものであり、スキャナファイル(画像データ)のサムネイルを表示することができる。
原稿読取部106は、原稿の画像を読み取ってスキャンデータを生成するものであり、図示しないが、例えば、透明な原稿載置板に載置された原稿を読み取るフラット・ベッド・スキャナ(FBS:Flat Bed Scanner)や、原稿トレイに載置された原稿を読み取るべく、その原稿を搬送する自動原稿給送装置(ADF:Automatic Document Feeder)を備えている。
画像処理部107は、原稿読取部106から出力されたスキャンデータに対して、色調整、色空間変換、2値化等の処理を行うものである。また、この画像処理部107では、原稿読取部106から出力されたスキャンデータのサムネイルを生成する処理も行う。コーデック108は、画像処理部107等によって処理されたスキャンデータを符号化(エンコード)し、また、符号化されたスキャナファイル(画像データ)を復号(デコード)するものである。コーデック108に入力されたスキャンデータは、JPEG、MH、MR、MMR、JBIG方式等に基づいて符号化されたスキャナファイルにされ、画像メモリ109に記憶される。
プリンタ110は、画像メモリ109から読み出され、コーデック108によって復号された画像を印刷出力するものである。
FAX通信部111は、原稿画像をファクシミリ通信するものであり、図示しないが、モデム(MODEM:MOdulator-DEModulator)及びNCU(Network Control Unit)を備えている。モデムは、例えばITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の勧告V.34規格又はこれと同様のものに従った送受信データの変調及び復調を行うものである。NCUは、電話回線を制御して電話をかけたり、切ったりする回線網制御装置であり、図示しないPSTNに接続される。PSTNには、複合機1の他にG3ファクシミリ装置等が通信可能に接続され、複合機1は、G3ファクシミリ装置等との間で画像をファクシミリ送受信することが可能である。
LAN−I/F112は、複合機1を図示しないLANに接続可能にするものである。LANには、図示しないパーソナルコンピュータ等が接続され、複合機1はパーソナルコンピュータ等との間でデータの通信が可能である。また、LANは、図示しないルータを介してインターネットに接続されている。したがって、複合機1は、他の複合機との間でインターネットファクシミリ通信(電子メール通信)を行うことも可能である。
USBホストコントローラ113は、USBのホストコントローラ機能を実現するものである。USBホストコントローラ113に設けられたUSBポート114に、USBメモリ2のUSBポート204が接続されることにより、複合機1とUSBメモリ2とが通信可能に接続される。
図2は、USBメモリ2の構成例を示したブロック図である。このUSBメモリ2は、図2に示すように、記憶部202及びUSBデバイスコントローラ203を備えており、記憶部202とUSBデバイスコントローラ203とはバス205によって通信可能に接続されている。
記憶部202はUSBデバイスコントローラ203のUSBポート204を介して外部装置から受信した各種データを記憶するものであり、本実施形態においてはフラッシュメモリ(flash memory)が採用されている。
USBデバイスコントローラ203は、USBのデバイスコントローラ機能を実現するものであり、USBメモリ2をUSB接続による通信においてデバイスとして機能させるものである。
次に、図3に基づいてスキャナ処理について説明する。ここでスキャナ処理とは原稿画像の読み取りから、読取ったスキャンデータをJPEG等のファイル形式のスキャンファイルに符号化し、スキャンファイルを保存するまでの一連の処理を言う。ユーザは、まず、原稿読取部106において、紙媒体などの原稿を例えばフラット・ベット・スキャナの原稿載置板の上にセットし、操作部104において、処理内容をスキャンに設定し、スキャンファイルの保存先や原稿のサイズ等を設定し、スタートキーを押下することでスキャナ処理を開始する。なお、スキャンデータの保存先としては、例えば複合機1がLAN−I/F112により接続されているLANに構成された外部記憶装置などを指定することもできるが、本実施形態においてはUSBポート114に接続されたUSBメモリ2内のフォルダが選択される。
スキャナ処理において、制御部101は、まず、原稿読取部106により原稿画像の読み取り(スキャン)を行う(S101)。そして、制御部101は読取ったスキャンデータに対して、画像処理部107により、色調整、色空間変換、2値化等の処理を行い、コーデック108において、例えばJPEG等のファイル形式に符号化されたスキャンファイル(画像データ)を生成する(S102)。なお、この時、同時にスキャンデータのサムネイルも形成する。そして、生成したスキャンファイル(画像データ)及びサムネイルを画像メモリ109に一旦保存して(S103)、ステップ104に処理を進める。なお、ここで画像メモリ109は保存したスキャンファイルが、後述するようにUSBメモリ2に送信されるまでの間、保存し続ける。
次に、制御部101は、画像メモリ109に保存されたスキャンファイルを参照して、そのスキャンファイルの容量を示す値である容量データを取得する(S104)。そして、制御部101は、次に、スキャナ処理の開始時に指定されたスキャンファイルの保存先の空き容量データを取得する。すなわち、本実施形態においては、USBメモリ2の空き容量データを取得する(S105)。そして、ステップ104において取得したスキャンファイルの容量データとステップ105において取得したUSBメモリ2の空き容量データとに基づいて、スキャンファイルの容量がUSBメモリ2の空き容量以下か否か判断する(S106)。
スキャンファイルの容量データがUSBメモリ2の空き容量データ以下であると判断すると(S106:YES)、制御部101は、画像メモリ109に保存されているスキャンファイルをUSBメモリ2に送信して、USBメモリ2の記憶部202に保存する処理を行い(S107)、スキャナ処理を終了する。
一方、スキャンファイルの容量データがUSBメモリ2の空き容量データよりも大きいと判断すると(S106:NO)、USBメモリ2の既記憶データを報知部105に表示する処理を行う(S108)。すなわち、制御部101は報知部105の液晶表示装置116に、USBメモリ2の記憶部202に既に記憶されている既記憶データのファイル名等の情報を配列して表示する。このとき液晶表示装置116には、USBメモリに記憶されている既記憶データのファイル名、ファイルの容量(サイズ)、ファイルの作成日時、ファイルの種類および書き込み権限の有無などの情報が表示され、ユーザは操作部104を操作しおよび液晶表示装置116のタッチパネル自体を操作する等して、各既記憶データのファイルを指定可能である。なお、詳しくは後述する。
USBメモリ2の既記憶データの表示処理を行うと(S108)、ユーザは操作部104および液晶表示装置116のタッチパネルを操作して、各種処理の指示を入力する。制御部101は、ユーザにより入力された指示が指定された既記憶データの削除指示であると判断すると(S109:YES)、ユーザにより指定された既記憶データを削除する(S110)。既記憶データを削除すると、ステップ105に処理が戻される。すなわち、既記憶データの削除により増えたUSBメモリ2の空き容量データを取得し(S105)、ステップ104で取得したスキャンファイルの容量データがUSBメモリ2の空き容量データ以下か否か判断する(S106)。そして、USBメモリ2の空き容量データ以下であると判断すると(S106:YES)、USBメモリ2にスキャンファイルを送信し(S107)、USBメモリの空き容量よりも大きいと判断すると(S106:NO)、更にUSBメモリ2の既記憶データを表示して(S108)、既記憶データの削除等の指示の入力を受け付ける。
ユーザにより入力された指示が指定された既記憶データの削除指示で無ければ(S109:NO)、次に、USBメモリ2が交換されたか否か判断される(S111)。具体的には、ユーザが操作部104および液晶表示装置116のタッチパネルを操作してUSBメモリの接続をOFFにする。すなわち、複合機1からUSBメモリ2にアクセスできない状態にする。そして、ユーザが複合機1のUSBポート114からUSBメモリ2を物理的に取り外し、新たなUSBメモリ2のUSBポート204を複合機1のUSBポート114に挿し込む。そして、新たなUSBメモリ2が複合機1のUSBホストコントローラ113により認識されると、USBメモリ2が交換されたと判断する。
USBメモリ2が交換されたと判断すると(S111:YES)、ステップ105に処理が戻される。すなわち、交換された新たなUSBメモリ2の空き容量データを取得し(S105)、ステップ104で取得した画像ファイルの容量データがUSBメモリ2の空き容量データ以下か否か判断し(S106)、USBメモリ2の空き容量データ以下であると判断すると(S106:YES)、USBメモリ2に画像ファイルを送信し(S107)、USBメモリの空き容量よりも大きいと判断すると(S106:NO)、更にUSBメモリ2の既記憶データを表示して(S108)、既記憶データの削除等の指示の入力を受け付ける。
このように、USBメモリ2の既記憶データの削除(S110)やUSBメモリ2の交換(111)がなされて、USBメモリ2の記憶部202に記憶されているデータが更新されると、複合機1の報知部105の液晶表示装置116に表示しているUSBメモリ2の既記憶データのファイル名等の情報も更新することとなる。
ステップ111においてUSBメモリ2が交換されていないと判断すると(S111:NO)、次に、ユーザにより入力された指示がスキャン処理の中止指示か否か判断する(S112)。スキャン処理の中止指示であると判断すると(S112:YES)、そのまま、スキャン処理を終了する。一方、スキャン処理の中止指示でないと判断されると、ステップ109に戻って、ユーザより指示が入力されるまで処理(S109、S111、S112)をループする。
次に、スキャンファイル(画像データ)の容量がUSBメモリ2の空き容量よりも大きいときに行われる複合機1の制御部101の処理の一例について図4から図12に基づいて説明する。図4から図12はそれぞれ図3のフローチャートにおいてステップ108で示したように、USBメモリ2の既記憶データの表示処理において表示される複合機1の報知部105の液晶表示装置116の表示を示す図面である。
スキャンファイルの容量がUSBメモリ2の空き容量よりも大きいときにはUSBメモリ2にスキャンファイルを記憶させることができない。そこで、まず、制御部101は、図4に一例を示すように、USBメモリ2の記憶部202の内部をツリー状に表示する。そして、ユーザが操作部104および液晶表示部116のタッチパネルを操作することにより、複数あるフォルダの中から1つのフォルダが選択される。例えば、本実施形態ではフォルダAが選択される。
フォルダAの選択を操作部104等が受け付けると、図5に示すようにフォルダA内に既に記憶されている既記憶データのファイル名313、既記憶データの容量314、既記憶データの作成日時315、ファイルの種類316および書き込み権限(削除可否317)の有無を配列して表示する。また、既記憶データの情報の配列表示の上側には後述する複数の情報を表示しており、既記憶データの情報の配列表示の下側には中止308、削除309、交換310、並び替え311の各処理を選択可能に表示する。
本実施例においては図5に示すように、作成日時の古いファイルを上から順に表示している。すなわち、最も作成日時が古い2006年7月25日10時8分23秒に作成されたファイルaを最も上の段に表示し、次に作成日時が古い2006年7月25日11時23分13秒に作成されたファイルbを2番目の段に表示する。そして、3番目以降の段にも作成日時が古い順にファイルcからファイルhを表示する。
この既記憶データの情報の配列は並び替えの選択を受け付けることで変更可能であり、例えば液晶表示部116のタッチパネルが、容量314および並び替え311の選択を受け付けることで、図6に示すように、既記憶データの容量の大きい順に上から配列して表示することができる。すなわち、最も大きな容量の630kb(キロバイト)の容量のファイルhを最も上の段に表示し、2番目の段以降も容量の大きい順にファイルd、a、e、b、f、c、gと配列して表示する。また、このほかにも既記憶データのファイルの種類順、例えば、TIFFファイル、JPEGファイル、PDFファイル、ビットマップファイルの順に配列して表示することもでき、既記憶データのファイルが書き込み禁止されたファイルか、書き込み許可されたファイルかに分けて表示することもできる。また、作成日時の新しい順や既記憶データファイルの容量の小さい順に上から並べて表示することもできる。
なお、これらの配列して表示された既記憶データのファイルの情報は、操作部104のカーソルキーによって指定され、ポインタ307によって表示される。図5によると、ポインタ307によってファイルbが指定されていることが表示されている。また、図示しないが、既記憶データのファイル情報の指定は1つのファイルのみを指定することに限られず、複数のファイルを同時に指定することも可能である。
また、既記憶データのうち所定の属性を有するものについて、既記憶データを表示しないこともできる。例えば、既記憶データのうち削除権限を有さない既記憶データのファイル名等の情報を表示しないように選択することもできる。液晶表示部116のタッチパネルが、削除拒否のファイルについては表示しない旨の指示を受け付けると、図7に示すように、削除拒否ファイルであるファイルaおよびeを表示せずに、削除許可ファイルであるファイルb、c、d、f、gおよびhを表示する。
液晶表示装置116に示されるUSBメモリ2の既記憶データのファイル名等の情報の表示の上には、複数の情報を表示しており、複合機1の原稿読取部106が読取って、画像メモリ109に記憶されているスキャンファイルの容量301も表示する。本実施形態の図5においてはスキャンファイルの容量301として550kb(キロバイト)を表示している。また、スキャンファイルの容量301の表示の下には、USBメモリ2の空き容量302を表示している。本実施形態の図5においてはUSBメモリ2の空き容量302として200kbを表示している。更に、USBメモリ2の空き容量302の表示の下には、スキャンファイルを保存するために更に必要となるUSBメモリ2の空き容量を不足容量303として表示している。本実施形態の図5においては350kbを表示している。
すなわち、550kbの容量のスキャンファイルを空き容量200kbのUSBメモリ2に新たに記憶させるためには、更にUSBメモリ2の空き容量を350kb増やさなければならないことを表示している。言い換えると、スキャンファイルの容量(550kb)からUSBメモリ2の空き容量(200kb)を除した値を表示している。
また、スキャンファイルの容量301、USBメモリ2の空き容量302および不足容量303の隣には、更に、ユーザが任意に指定する既記憶データファイルのファイル名304、ファイル容量305、削除した場合のUSBメモリ2の空き容量の見込み306が表示される。例えば、図5では、ファイルbが指定されているので、ファイル名に「ファイルb」が表示され、ファイル容量に「240kb」が表示され、空き容量見込みに「440kb」が表示される。すなわち、USBメモリ2に記憶されているファイルbの容量は240kbであって、USBメモリ2からファイルbを削除すると、現在のUSBメモリ2の空き容量である200kbから240kb増えて、USBメモリ2の空き容量が440kbとなるという情報が表示されている。
なお、図示しないが、ユーザが任意に指定する既記憶データファイルは複数であってもよく、複数指定する場合は、ファイル名304に複数のファイルが併記され、ファイル容量305に複数のファイルの合計容量が表示され、空き容量見込み306に指定するファイルを全て削除した場合のUSBメモリ2の空き容量の見込みが表示される。
なお、配列して表示されているUSBメモリ2の既記憶データのファイルのうち、1つのファイルのみを削除することでスキャンファイルをUSBメモリ2に保存することができるようになるファイルは、白黒を反転して表示している。すなわち、白黒を反転して表示しているファイルは、前述の不足容量以上の容量のファイルであって、ファイル権限が削除可能なファイルである。例えば、図5においては、ファイルdとファイルhとが反転している。
USBメモリ2に記憶されている既記憶データの中から指定した既記憶データのファイルを削除するときは、まず、操作部104を操作して、削除する既記憶データのファイル名を指定する。例えば、図5において示すように、ポインタ307の表示によりファイルbを指定している。そして液晶表示装置116のタッチパネルを操作して、処理内容の削除309を選択する。このように、既記憶データのファイル名および削除の処理内容を操作部104および液晶表示装置116のタッチパネルが受け付けると、複合機1の制御部101はUSBメモリ2の記憶部202から指定した既記憶データであるファイルbを削除する。既記憶データを削除すると、削除することによって増加したUSBメモリ2の空き容量がスキャンファイルの容量以上か否か判断し、以上であると判断するとそのままUSBメモリ2にスキャンファイルを記憶させる。一方、USBメモリ2の空き容量がスキャンファイルの容量未満であると判断すると、このままではUSBメモリ2にスキャンファイルを記憶させることはできないので、図8に示すように液晶表示装置116の表示内容を更新する。すなわち、USBメモリ2に記憶されている既記憶データファイルの表示からファイルbの情報を削除し、USBメモリ2の空き容量302にファイルbの容量である240kbを加算し、不足容量303からファイルbの容量である240kbを減算する。したがって空き容量302には440kbを表示し、不足容量303には110kbを表示する。なお、このとき、不足容量である110kb以上の既記憶データであって、削除可能である既記憶データのファイル情報を反転して表示する。すなわちファイルc、d、fおよびhを白黒反転して表示する。
なお、既記憶データファイルを削除するときに、指定する既記憶データのファイル数はは1つであってもよく、また複数であってもよい。
液晶表示装置116の既記憶データの情報が配列して表示されている右側には詳細情報を表示するボタン312が配置されている。ここで、ファイル名および詳細情報を表示するボタン312を選択すると、既記憶データのファイルの詳細情報を表示する。例えばファイルcの指定および詳細情報の選択を液晶表示装置116のタッチパネルが受け付けると、図9に示すように、ファイルcの詳細情報が表示される。この詳細情報表示では、ファイルに付けられた任意のタイトル、表題、作成者名、ファイルの容量、作成日時、ファイルの種類、アクセス権限、書き込み権限、画像の幅、画像の高さ、水平解像度、垂直解像度、ビットの深さ、フレーム数、ページ数が表示されるとともに、画像のサムネイルが表示される。
また、USBメモリ2を交換するときには、まず、操作部104及び液晶表示装置116のタッチパネルを操作して、交換の処理を選択する。操作部104等が交換の処理の選択を受け付けると、制御部101はUSBメモリ2との接続をOFFにし、USBメモリ2と通信できない状態にする。そして、ユーザがUSBメモリ2を複合機1のUSBポート114から物理的に取り外し新たなUSBメモリ2を複合機1のUSBポート114に取り付ける。制御部101は新たなUSBメモリ2の取り付けを検出すると、新たなUSBメモリ2の空き容量がスキャンファイルの容量以上か否か判断し、以上であると判断するとそのままUSBメモリ2にスキャンファイルを記憶させる。一方、USBメモリ2の空き容量がスキャンファイルの容量未満であると判断すると、図10に示すように、新たなUSBメモリ2の記憶部202の内部をツリー状に表示する。そして、ユーザが操作部104および液晶表示部116のタッチパネルを操作することにより、複数あるフォルダの中から1つのフォルダが選択される。操作部104等がフォルダの選択を受け付けると、制御部101は選択されたフォルダ内の既記憶データのファイルの情報を配列して表示する。例えば、図10においてフォルダEが選択されると、図11に示すようにフォルダE内の既記憶データのファイルであるファイルv、w、x、yおよびzを上から順に作成日時の古いファイルから配列して表示する。
以上に説明したように、画像メモリ109に記憶されたスキャンデータはUSBメモリ2に送信するまで記憶される。したがって、USBメモリ2の空き容量が画像メモリ109に記憶されているスキャンデータの容量未満のときであっても、画像メモリ109に記憶されたスキャンデータは破棄されない。すなわち接続されているUSBメモリ2の容量が不足して、画像メモリ109に記憶されているスキャンデータをUSBメモリ2に記憶させることができない場合にも、画像メモリ109に記憶されているスキャンデータは破棄されない。したがって、USBメモリに記憶されている既記憶データを削除するなどしてUSBメモリ2に記憶できる容量を増やすことで、再度原稿画像を読取ることなく、スキャンデータをUSBメモリ2に記憶させることができる。
また、接続されているUSBメモリ2の空き容量が画像メモリ109に記憶されているスキャンデータの容量未満のとき、すなわち、接続されているUSBメモリ2の容量が不足して画像メモリ109に記憶されているスキャンデータをUSBメモリ2に記憶させることができない場合に、USBメモリに既に記憶されている既記憶データが報知部105の液晶表示装置116に表示され、表示された既記憶データの中から操作部104により受け付けられた入力に基づいて指定されたデータが削除される。そして、指定されたデータを削除することによりUSBメモリ2の空き容量が画像メモリ109に記憶されているスキャンデータの容量以上となると、画像メモリ109に記憶されているスキャンデータはUSBメモリ2に送信される。したがって、USBメモリ2の空き容量が足りなくなったときでも、報知部105の液晶表示装置116に表示された既記憶データの中から削除するデータを選択して削除を指示するだけで、簡便にスキャンデータをUSBメモリ2に記憶させることができる。
また、USBメモリの空き容量が画像メモリに記憶されているスキャンデータの容量未満のときは、USBメモリに記憶されているスキャンデータを送信しない。したがって、一旦USBメモリ2へのスキャンデータの送信を開始し、送信途中でUSBメモリ2の記憶容量オーバーにより送信エラーとなるといった余計な処理を行わないので、USBホストコントローラ113、USBポート114および制御部101に余計な負荷が掛からず、処理時間も短縮することができる。
さらに、USBメモリ2に既に記憶されている既記憶データが報知部105の液晶表示装置116に表示されるときに、既記憶データは既記憶データが保管されているフォルダ毎に表示でき、また、既記憶データのファイル名、ファイル容量、作成日時、ファイルの種類、削除権限の有無などの情報によって配列して表示できるので、ユーザは削除する既記憶データを容易に見つけることができる。例えば作成日時の古いファイルから順に配列して表示することで、作成日時に基づいて削除するファイルを指定および選択しやすい。また、例えば原稿読取部106で読取ったスキャンデータを重要度に応じてフォルダを分けて保管するようにしている場合などに、より重要度の低い既記憶データを削除候補のデータとして配列して表示することができる。したがって、ユーザは任意の既記憶データのグループを容易に見つけることができるようになり、削除する既記憶データを容易に見つけることができる。したがって、ユーザ操作をより簡便にすることができる。
また、削除する権限を有さない既記憶データを報知部105の液晶表示装置116に表示しないようにすることで、ユーザは削除できるファイルだけから既記憶データを指定して削除を選択することができ、削除する既記憶データを見つけやすい。
さらに、ユーザはUSBメモリ2の空き容量が画像メモリ109に記憶されているスキャンデータの容量未満のときに、液晶表示装置116に示される値を確認することで、USBメモリの空き容量および画像メモリ109に記憶されているスキャンデータの容量を把握することができる。したがって、ユーザは可搬型記憶装置の空き容量をどれだけ増やせば、画像メモリ109に記憶されているスキャンファイルをUSBメモリ2に記憶させることができるか把握することができる。
また、削除すれば画像メモリ109に記憶されているスキャンデータをUSBメモリ2に記憶することができるようになる既記憶データが強調して表示されることとなるので、ユーザは強調された既記憶データの表示の中から既記憶データを指定して削除を選択すればよいので、より簡単に削除する既記憶データを指定して削除することができる。
また、ユーザは液晶表示装置116に表示される値を確認することで、USBメモリ2に記憶されている既記憶データの中から指定したデータを削除したときのUSBメモリ2の空き容量の見込みを把握することができる。したがって、ユーザはどの既記憶データを削除すると、画像メモリ109に記憶されているスキャンデータをUSBメモリ2に記憶させることができるか容易に把握できる。
さらに、USBメモリの空き容量が画像メモリ109に記憶されているスキャンデータの容量未満の場合に、新たなUSBメモリ2に交換したときにも、画像メモリ109に記憶されたスキャンデータは破棄されない。したがって、USBメモリ2を交換して新たなUSBメモリ2にスキャンデータを記憶させる場合にも、原稿画像を再度読取らなくて良いので、ユーザの作業が煩雑となることを防ぐことができる。
なお、上述の実施の形態は一例であり、実施の形態は、上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。例えば、本実施形態においては、USBメモリ2の空き容量がスキャンファイルの容量以下のときには報知部105の液晶画像装置116にUSBメモリ2の記憶部202の内部に記憶された既記憶データがフォルダ毎のツリー構造で表示されるものとしたが、フォルダ毎に分けることなく、USBメモリ2に記憶されている全てのデータを配列して表示するものであってもよい。
また、本実施形態においては、USBメモリ2を交換するときには、複合機1の操作部104および報知部105の液晶表示装置116のタッチパネルを操作して交換の処理を選択した上で、複合機1のUSBポート114からUSBメモリ2を抜き取り、新たなUSBメモリ2を差し込むものであるが、交換の処理を選択する作業をなくし、複合機1のUSBポート114からUSBメモリ2を抜き取り、新たなUSBメモリ2を差し込むだけであってもよい。また、複合機1のUSBポート114を複数設け、複数のUSBメモリ2を差し込むものとし、複数のUSBメモリ2のうちから選択された1つのUSBメモリ2に、スキャンデータを記憶させる構成としても良い。この場合、USBメモリ2を交換するときには、複合機1の操作部104および報知部105の液晶表示装置116のタッチパネルを操作して交換の処理を選択し、複合機1のUSBポート114に差し込まれた複数のUSBメモリ2のうちから1つのUSBメモリ2を選択するだけで、USBメモリ2を実際に抜き差しすることなしに交換の処理ができる構成としてもよい。
なお、本発明の「読取手段」は本実施形態においては原稿読取部106に相当する。また、本発明の「画像データ」は本実施形態においてはスキャンデータおよびスキャンファイルが相当する。また、本発明の「可搬型記憶装置」は本実施形態においてはUSBメモリ2が相当するが、持ち運び可能な記憶媒体であれば、本発明に適用することができることは言うまでもない。また、本発明の「一時記憶手段」は本実施形態においては画像メモリ109が相当するが、例えばRAM103に記憶する構成であってもよく、画像処理装置内部に備わり画像データを記憶できるものであればよい。また、本発明の「接続手段」は本実施形態においてはUSBホストコントローラ113およびUSBポート114が相当する。また、本発明の「表示手段」は本実施形態においては報知手段105が相当し、主に液晶表示装置116が相当する。また、本発明の「受付手段」は本実施形態においては操作部104および報知部105の液晶表示装置116のタッチパネルがこれに相当する。また、本発明の「制御手段」は本実施形態においては制御部(CPU)がこれに相当する。また、本発明の「画像処理装置」は本実施形態においては複合機1がこれに相当するが、スキャナ機能を有し可搬型の記憶装置を接続することができるあらゆる装置に適用することができる。また、本発明の「既記憶データの保管場所」は本実施形態においては既記憶データが管理されているフォルダがこれに相当するが、フォルダに限られるものではなくディレクトリなどデータへのアクセスを容易にするために便宜的に設けられた場所でよい。また、本発明の「選択されたデータ」とは本実施形態においては、既記憶データのファイルが指定され、処理内容の削除が選択されたものをいい、本発明の「指定されたデータ」とは既記憶データのファイル名が指定されたものをいう。