JP4376989B2 - 固体材料用撥水処理剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は固体材料用撥水処理剤に関し、詳しくは、固体材料に、耐久性のある撥水性を付与することのできる固体材料用撥水処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、繊維や繊維製品に適用されるシリコーン系撥水処理剤としては、メチルハイドロジェンポリシロキサンとトルエン、キシレン、n−ヘキサン、n−へプタン等の芳香族もしくは脂肪族炭化水素溶剤、白金化合物、有機錫化合物等の硬化促進触媒とからなるシリコーン系撥水処理剤が知られている(特公昭51−9440号および特公昭53−4158号公報参照)。しかし、これらのシリコーン系撥水処理剤は100〜180℃の温度条件下で加熱処理することが必要があった。そのためこれらの撥水処理剤を適用することのできる繊維や繊維製品の種類が限定されたり、コスト的に不利になる等の問題点があった。
【0003】
一方、分子内にパーフルオロ基またはフルオロアルキル基を含有する重合可能な単量体の重合物、あるいはこれらの単量体と他の重合可能な単量体との共重合物であるフッ素系重合体が、固体材料に対して撥水性付与効果、更には防汚性付与効果を発揮することが知られており、これらは皮革や建材等の分野で、表面処理加工剤としても多用されている。
【0004】
ところで、このように、繊維製品や皮革、建材等の固体材料に撥水性を付与する場合、一般消費者にとっては、その使用の簡便さからして、スプレー型にすることが望ましい。しかしながら、スプレー噴射という操作で撥水性能が有効に付与されるためには、撥水処理剤の組成に種々の制約が課せられている。
【0005】
即ち、(1)撥水処理剤の主剤がの噴射ガスと相溶性あるいは親和性に優れていること、(2)撥水処理剤の主剤が撥水処理剤中の溶剤に均一に溶解していること、(3)撥水処理剤を固体材料に噴射した時、固体材料表面を濡らし易く、適度な浸透性を有していること等の要件を備えていることが必要であり、これらの条件が満足された時にが均一に噴射され、粉ふき現象、毛羽立ち現象、白化現象等の生じない、良好な撥水性能や防汚性能が発現される。
【0006】
さらに、一般消費者にとって重要なことは、スプレー型撥水処理剤を使用した時に、安全性に優れていること、臭いが不快でないことである。この点、上述のフッ素系重合体は、毒性の少ないエタノール等のアルコール類には不溶であり、これらを溶解するために使用される有機溶剤は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチルなどのエステル類:n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン等の塩素系炭化水素の溶剤の中から選択されることになる。
【0007】
しかしながら、これらの溶剤の殆どは、上記(1)〜(3)の要件のいずれかを満足しないため、上記フッ素系重合体の溶剤としては、事実上1,1,1−トリクロロエタンが唯一の溶剤である。ところが、1,1,1−トリクロロエタンは、近年、大気のオゾン層破壊の一因として挙げられ、地球環境保護の見地からその使用が制限されつつある。そこで、1,1,1−トリクロロエタンに置き換え得る、前記フッ素系重合体のための溶剤の検討もなされているが、未だ満足すべき結果が得られていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上記問題点を解消するために鋭意検討した結果、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に含有するビニル重合体が、撥水性、防汚性に対する性能が良好であるのみならず、この共重合体がアルコール類を主剤とする有機溶剤に溶解するために、前記環境問題を解決する上から極めて好都合であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、固体材料に耐久性に優れた撥水性を付与することのできる固体材料用撥水処理剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に含有するビニル系重合体と溶剤からなる固体材料用撥水処理剤、前記カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に含有するビニル系重合体0.5〜20重量%、有機溶剤30〜98.5重量%および噴射ガス1〜50重量%からなるスプレー型固体材料用撥水処理剤に関する。
【0010】
本発明の固体材料用撥水処理剤の主剤であるカルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に含有するビニル系重合体におけるカルボシロキサンデンドリマー構造とは、一つの核から放射線状に高度に規則的に枝分れした高分子量の基を意味する。このような構造を有するカルボシロキサンデンドリマーとしては、例えば、高分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体がある(特願平9−171154号公報参照)。
【0011】
本発明の撥水処理剤においては、ビニル系重合体中のカルボシロキサンデンドリマー構造は、次に示す一般式で示される基が好ましい。
【化7】
上式中、Zは2価有機基であり、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、エステル基含有2価有機基、エーテル基含有2価有機基、ケトン基含有2価有機基、アミド基含有2価有機基が例示され、これらの中でも、次式で示される有機基が好ましい。
【化8】
【化9】
【化10】
上式中、R9は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が例示され、メチレン基、プロピレン基が好ましく、R10は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が例示され、これらの中でもメチル基が好ましく、R11は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基が例示され、これらの中でもエチレン基が好ましく、dは0〜4の整数であり、eは0または1である。R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、アルキル基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,イソプロピル基,イソブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基が例示され、アリール基としては、フェニル基,ナフチル基が例示される。これらの中でもメチル基,フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。X1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
【化11】
(式中、R1は前記と同じであり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ヘキシレン基などの直鎖状アルキレン基;メチルメチレン基,メチルエチレン基,1−メチルペンチレン基,1,4−ジメチルブチレン基等の分岐状アルキレン基が例示される。これらの中でも、エチレン基,メチルエチレン基,ヘキシレン基,1−メチルペンチレン基,1,4−ジメチルブチレン基が好ましい。R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,イソプロピル基が例示される。iは該シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数であり、aiは0〜3の整数である。)}で示される基である。
【0012】
本発明の撥水処理剤においては、次のようなカルボシロキサンデンドリマー構造を含有するビニル系重合体が好ましい。
即ち、
(A)ビニル系単量体 0〜99.9重量部と、
(B)一般式:
【化12】
{式中、Yはラジカル重合可能な有機基であり、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、アルキル基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,イソプロピル基,イソブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基が例示され、アリール基としては、フェニル基,ナフチル基が例示される。これらの中でもメチル基,フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。X1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
【化13】
(式中、R1は前記と同じであり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が例示される。Xi+1は水素原子,炭素原子数1〜10のアルキル基,アリール基および上記シリルアルキル基からなる群から選択される基である。iは該シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数であり、aiは0〜3の整数である。)}で示されるラジカル重合可能な有機基を含有するカルボシロキサンデンドリマー100〜0.1重量部を重合させてなるカルボシロキサンデンドリマー構造を含有するビニル系重合体である。
【0013】
この(A)成分のビニル系重合体は、(A)成分のビニル系単量体は、ラジカル重合性のビニル基を有するものであればよく、その種類等については特に限定されない。かかるビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルなどの低級アルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸グリシジル;(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸、シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の高級(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの低級脂肪酸ビニルエステル;酪酸ビニル、カプロン酸ビニル2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の高級脂肪酸エステル;スチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン等の芳香族ビニル型単量体;(メタ)アクリルアミド,N−メチロール(メタ)アクリルアミド,N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメトキシ(メタ)アクリルアミド,N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ビニル型単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル型単量体:トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有ビニル型単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ビニル型単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボン酸含有ビニル型単量体、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2ーエチルヘキシルビニルエーテル等のエーテル結合含有ビニル型単量体;(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、片末端に(メタ)アクリル基を含有した(分岐状あるいは、直鎖状)ポリジメチルシロキサン、片末端にスチリル基を含有するポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有シリコ−ン化合物;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;(メタ)アクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水マレイン酸;ドデシル無水コハク酸;(メタ)アクリルグリシジルエーテル:(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸等のラジカル重合性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;スチレンスルホン酸のようなスルホン酸基を有するラジカル重合性不飽和単量体、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドのような(メタ)アクリル酸から誘導される4級アンモニウム塩、メタクリル酸ジエチルアミンエステルのような3級アミン基を有するアルコールのメタクリル酸エステル、およびそれらの4級アンモニウム塩が例示される。好ましくは、(メタ)アクリレートであり、その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;トリクロロプロピル(メタ)アクリレート、パーフロロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のフッ素置換アルキル(メタ)アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート類等が例示される。
【0014】
また多官能ビニル系単量体も使用可能であり、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイゾドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル等の(メタ)アクリロイル基含有単量体、両末端スチリル基封鎖ポリジメチルシロキサンや両末端メタクリロキシプロピル封鎖ポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有シリコ−ン化合物等が例示される。
【0015】
さらに、(A)成分として、ラジカル重合性不飽和基とケイ素原子結合加水分解性基を有するシリコーン化合物を使用すると、得られた重合体は耐久撥水性が向上するので好ましい。ラジカル重合性不飽和基としては、(メタ)アクリロキシ基含有有機基、(メタ)アクリルアミド基含有有機基、スチリル基含有有機基または炭素原子数2〜10のアルケニル基、ビニロキシ基やアリロキシ基などが挙げられる。ケイ素原子結合加水分解性基としては、ハロゲン基、アルコキシ基、アセトキシ基などが例示される。このような(A)成分は、具体的には、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルブチルジブトキシシラン等のオルガノシラン化合物が例示される。
【0016】
(B)成分のカルボシロキサンデンドリマーは、一般式:
【化14】
で示される。上式中、Yはラジカル重合可能な有機基であり、ラジカル付加反応可能な有機基であればよいが、具体的には、下記一般式で示される(メタ)アクリロキシ基含有有機基、(メタ)アクリルアミド基含有有機基、スチリル基含有有機基または炭素原子数2〜10のアルケニル基が挙げられる。
【化15】
【化16】
【化17】
(上式中、R4およびR6は水素原子もしくはメチル基であり、R5およびR8は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、R7は炭素原子数1〜10のアルキル基である。bは0〜4の整数であり、Cは0または1である。)このようなラジカル重合可能な有機基としては、例えば、アクリロキシメチル基,3−アクリロキシプロピル基,メタクリロキシメチル基,3−メタクリロキシプロピル基,4−ビニルフェニル基,3−ビニルフェニル基,4−(2−プロペニル)フェニル基,3−(2−プロペニル)フェニル基,2−(4−ビニルフェニル)エチル基,2−(3−ビニルフェニル)エチル基,ビニル基,アリル基,メタリル基,5−ヘキセニル基が挙げられる。R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、アルキル基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,イソプロピル基,イソブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基が例示され、アリール基としては、フェニル基,ナフチル基が例示される。これらの中でもメチル基,フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。X1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
【化18】
上式中、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ヘキシレン基などの直鎖状アルキレン基;メチルメチレン基,メチルエチレン基,1−メチルペンチレン基,1,4−ジメチルブチレン基等の分岐状アルキレン基が例示される。これらの中でも、エチレン基,メチルエチレン基,ヘキシレン基,1−メチルペンチレン基,1,4−ジメチルブチレン基が好ましい。R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,イソプロピル基が例示される。R1は前記と同じである。Xi+1は水素原子,炭素原子数1〜10のアルキル基,アリール基および上記シリルアルキル基からなる群から選択される基である。aiは0〜3の整数である。iは1〜10の整数であり、これは該シリルアルキル基の階層数、即ち、該シリルアルキル基の繰り返し数を示している。
【0017】
従って、階層数が1である場合には、本成分のカルボシロキサンデンドリマーは、一般式:
【化19】
(式中、Y,R1,R2およびR3は前記と同じであり、R12は水素原子または前記R1と同じである。a1は前記aiと同じであるが、1分子中のa1の平均合計数は0〜7である。)で示さる。
【0018】
階層数が2である場合には、本成分のカルボシロキサンデンドリマーは、一般式:
【化20】
(式中、Y,R1,R2,R3およびR12は前記と同じである。a1およびa2は前記aiと同じであるが、1分子中のa1とa2の平均合計数は0〜25である。)で示される。
【0019】
階層数が3である場合に、本成分のカルボキシデンドリマーは、一般式:
【化21】
(式中、Y,R1,R2,R3およびR12は前記と同じである。a1,a2およびa3は前記aiと同じであるが、1分子中のa1とa2のとa3の平均合計数は0〜79である。)で示される。
【0020】
本成分のラジカル重合可能な有機基を含有するカルボキシデンドリマーとしては、下記平均組成式で示されるカルボシロキサンデンドリマーが例示される。
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【0021】
このようなカルボシロキサンデンドリマーは、特願平9−171154号明細書に記載された分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体の製造方法に従って製造できる。例えば、
一般式:
【化36】
(式中、R1のおよびYは前記と同じである。)で示されるケイ素原子結合水素原子含有ケイ素化合物と、アルケニル基含有有機ケイ素化合物とをヒドロシリル化反応させることにより製造することができる。上式で示されるケイ素化合物としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリス(ジメチルシロキシ)シラン,3−アクリロキシプロピルトリス(ジメチルシロキシ)シラン,4−ビニルフェニルトリス(ジメチルシロキシ)シランが用いられ、アルケニル基含有有機ケイ素化合物としては、ビニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン,ビニルトリス(ジメチルフェニルシロキシ)シラン,5−ヘキセニルトリス(トリメチルシロキシ)シランが用いられる。尚、このヒドロシリル化反応は、塩化白金酸や白金ビニルシロキサン錯体などの遷移金属触媒の存在下に行うのが好ましい。
【0022】
本発明に使用されるデンドリマー構造を含有するビニル系重合体において、上記(A)成分と(B)成分の重合比率は、(A)成分と(B)成分が重量比で、0:100〜99.9:0.1となる範囲であり、好ましくは、1:99〜99:1となる範囲でり、さらに好ましくは、10:90〜80:20である尚、(A)成分と(B)成分が0:100ということは、(B)成分のホモポリマーであってもよいことを意味している。
【0023】
本発明に使用されるカルボシロキサンデンドリマー構造を含有するビニル系重合体は、上記のような(A)成分と(B)成分を共重合させるか、(B)成分のみを重合させてなるものである。重合方法としては、ラジカル重合法やイオン重合法での溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法が使用されるが、これらの中でもラジカル重合法により溶液重合法が好適に使用される。この溶液重合は、溶剤中で、(A)成分と(B)成分とをラジカル開始剤の存在下、50〜180℃の温度条件下で3〜20時間反応させることにより行われる。このとき用いる溶剤としては、ヘキサン,オクタン,デカン,シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル,ジブチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル類;アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル等のエステル類;メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,ブタノール等のアルコール類;オクタメチルテシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン,ヘキサメチルジシロキサン,オクタメチルトリシロキサン等のオルガノシロキサンオリゴマーが例示される。ラジカル開始剤としては、一般にラジカル重合法に使用される従来公知の化合物が用いられ、具体的には、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル),2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル),2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾビス系化合物;過酸化ベンゾイル,過酸化ラウロイル,tert−ブチルパーオキシベンゾエート,tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物が例示される。このラジカル開始剤は1種を単独で使用してもよく、また2種類以上を混合して使用してもよい。ラジカル開始剤の使用量は、上記(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲であることが好ましい。また、重合に際しては連鎖移動剤を添加することができる。この連鎖移動剤として具体的には、2−メルカプトエタノール,ブチルメルカプタン,n−ドデシルメルカプタン,3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピル基を有するポリジメチルシロキサン等のメルカプト化合物;塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素,臭化ブチル,3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン化物が挙げられる。尚、本発明のビニル系重合体を製造する場合、重合後、加熱下、減圧処理して、残存する未反応のビニル系単量体を除去することが好ましい。
【0024】
本発明で使用されるカルボシロキサン構造を側鎖に含有するビニル系重合体の数平均分子量は、通常、3,000〜2,000,000の範囲内であり、好ましくは、5,000〜1,000,000の範囲内である。特に、10,000〜100,000の範囲内であることが好ましい。
【0025】
本発明の固体材料用撥水処理剤は、上記のようなカルボシロキサンデンドリマーを側鎖に有するビニル系重合体を、上記のような溶剤、またはトリクロルエタン、トリクロルエチレン、パークロルエチレン等のハロゲン化炭化水素類;n−ヘキサン、n−へプタン、シクロヘキサン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素類等から選択される1種、または2種以上の溶剤に溶解させることにより容易に得ることができる。この場合、主剤としてのカルボシロキサンデンドリマーを側鎖に有するビニル系重合体の含有量は、0.5〜20重量%であることが好ましく、2〜15重量%であることが特に好ましい。0.5重量%未満では、固体材料への付着量が少なすぎて撥水性が不十分となることがあり、20重量%を超えると付着量が多すぎて風合いが悪くなったり、白化現象や粉ふき現象が発生し易くなる。
【0026】
本発明の請求項5記載の発明は、上記カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に含有するビニル系重合体0.5〜20重量%、有機溶剤30〜98.5重量%、および噴射ガス1〜50重量%からなるスプレー型固体材料用撥水処理剤に関する。この発明において、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に含有するビニル系重合体は、上記したものと同じである。この場合、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に含有するビニル系重合体の配合量は0.5〜20重量%の範囲内であり、好ましくは2〜15重量%の範囲内である。
【0027】
ここで、有機溶剤としては、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に含有するビニル系重合体を溶解する有機溶剤であればよくその種類等は特に限定されない。これらの中でも有機溶剤中に占めるアルコール類の量が80重量%以上であることが好ましい。アルコール類を主剤とする有機溶剤の使用量が30重量%より少なくなると、粉ふき現象や白化現象が生ずる場合があり、逆に98.5重量%より多くなると、霧化が困難となってスプレー型撥水剤として使用し難くなると共に、撥水性能にも劣る場合があるという不都合が生じる。アルコール類としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール等が挙げられるが、これらの中でもエタノールまたはイソプロピルアルコールが望ましい。
【0028】
本発明に使用される噴霧ガスは、本発明の撥水剤組成物を霧状に噴霧できるようにするための成分であり、従来から公知のものの中から適宜選択して使用することができる。例えば、プロパンガス、ブタンガス、ジメチルエーテルガス、炭酸ガス、窒素ガスを、スプレー状態や使用ガス圧等に基づき、適宜単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。噴霧ガスの使用量は、噴霧ガスの種類により大きく異なり一慨には言えないが、1重量%より少なくなるとスプレー型撥水処理剤になり難く、逆に50重量%より多くなると粉ふき現象や白化現象が生ずる場合がある。
【0029】
本発明の撥水処理剤の適用対象である固体材料としては、各種繊維やその織物、編物、不織布、紙、天然皮革、合成皮革、セロハン、プラスチックフイルムなどのシート状物、合成樹脂フォームのようなフォーム状物、合成樹脂成形品、天然ゴム成形品、合成ゴム成形品、金属成形品、ガラス成形品、木粉、無機質粉体、合成樹脂粉末、ゴム粉末のような粉粒状物が例示される。前述した繊維としては材質的には、毛髪、羊毛、絹、麻、木綿、アスベストのような天然繊維、レーヨン、アセテートのような再生繊維、ポリエステル、ポリアミド、ビニロン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、スパンデックスのような合成繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、シリコーンカーバイド繊維が例示され、形状的には、ステープル、フィラメン、トウ、糸が例示され、編織物としては、編物、織物、不織布、樹脂加工布帛、これらの縫製品が例示される。
【0030】
以上のような本発明の固体材料用撥水処理剤は、例えば、浸漬法またはスプレー塗布法等によって、上記のような固体材料表面に付着させ、常温もしくは加熱下に乾燥するだけで、これらの固体材料に良好な撥水性を付与することができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。尚、実施例中、撥水性の評価および撥水性の耐久性は、次に示す方法にしたがって測定した。
○スプレー方式による撥水性試験
JIS L−1092−1986に準じて測定した。即ち、スプレーを使用し、水を試験用試料の表面に噴霧した。その時、試料表面および裏面が全体に湿潤するものを撥水性が0であるとし、表面のみが全体に湿潤するものを撥水性が50であるとし、表面の半分が湿潤し、小さな個々の水滴が布を浸透する状態を示すものを撥水性が70であるとし、表面が小さな個々の水滴によって湿潤するものを撥水性が80であるとし、表面の湿潤は認められないが小さな水滴が付着するものを、撥水性が90であるとし、表面に湿潤や水滴の付着がないものを撥水性が100であるとした。
○撥水性の耐久性
A.洗濯による耐久性
水1リットルに対してアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ5gと炭酸ソーダ2gを添加して洗浴を調製した。この中に撥水処理済の織物を入れて、浴比1:100で家庭用電気洗濯機を使用し、水温50℃で15分間洗濯した。その後、水のみで2回すすいだ後乾燥した。この洗濯を5回繰り返した。この洗濯後の織物についてスプレー方式の撥水性試験を行なった。
B.手もみによる耐久性
撥水処理済みの織物(25cm×15cm)を6つに折り畳み、両手で手洗浄するように織物の両端を軽くにぎり、手のひらで20〜30回手もみした。この手もみ後の織物についてスプレー方式の撥水試験を行った。
【0032】
【参考例1】
攪拌機、冷却器および温度計を備えたガラス製の1リットルフラスコに、イソプロピルアルコール300gを仕込み、攪拌下、窒素ガスを通しながら、80℃で、下記[化37]で示されるラジカル重合性カルボキシロキサンデンドリマー90g、メチルメタクリレート132g、ブチルアクリレート78g、ラジカル重合開始剤(α,α’−アゾビスイソブチロニトリル)0.3gの混合液を1時間かけて滴下した。さらに、80℃で6時間重合反応を行って、カルボキシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液を得た。このイソプロピルアルコール溶液の一部を多量のメタノール中に投入して、攪拌後、静置して、沈殿物を分離して、カルボキシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体からなる無色透明な固体を得た。この固体を分析したところ、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量は約30,000であった。
【化37】
【0033】
【参考例2】
攪拌機、冷却器および温度計を備えたガラス製の1リットル4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール300gを仕込み、攪拌下、窒素ガスを通しながら、80℃で、参考例1で使用したメタクリロキシ基含有カルボキシロキサンデンドリマー120g、メチルメタクリレート90g、エチルアクリレート90g、ラジカル重合開始剤(α,α’−アゾビスイソブチロニトリル)0.3gの混合液を1時間かけて滴下した。さらに、80℃で6時間重合反応を行って、カルボキシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液を得た。更に、80℃の温度で6時間重合反応を行って、カルボキシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液を得た。この溶液の一部を風乾したところ、カルボキシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体からなる無色透明な固体が得られた。この固体を分析したところ、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量は約20,000であった。
【0034】
【参考例3】
参考例1で使用した[化37]で示されたメタクリロキシ基含有カルボキシロキサンデンドリマーの替わりに、下記[化38]で示されるメタクリロキシプロピル基含有ジメチルポリシロキサンを使用した以外は、参考例1と同様にして、ジメチルポリシロキサン含有ビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液を得た。この溶液の一部を風乾したところ、やや白濁した固体が得られ、出発原料である[化38]で示されるメタクリロキシプロピル基含有ジメチルポリシロキサンのブリードがみられた。この固体のGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量は約26,000であった。
【化38】
【0035】
【実施例1】
参考例1で得られたカルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液を希釈して、カルボキシロキサンデンドリマーを側鎖に有するビニル系重合体の1重量%イソプロパノール溶液からなる撥水処理剤を調製した。次に、この撥水処理剤に、防寒衣用表側地であるポリエステル繊維布、ナイロンタフタおよび綿製綾織布を浸漬した後、取り出して、絞りロールを使用し、絞り率100%で余分の撥水処理剤を除去した。その後、80℃で2分間乾燥して撥水処理されたポリエステル繊維タフタ、ナイロンタフタおよび綿製綾織布を得た。これらの撥水処理された織物についてスプレー方式による撥水性試験を行なった。また、風合い試験を行なった。これらの結果を表1に示した。
【0036】
【実施例2】
参考例2で得られたカルボキシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液を希釈して、カルボシロキサンデンドリマーを側鎖に有するビニル系重合体の1重量%イソプロパノール溶液からなる撥水処理剤を調製した。次に、この撥水処理剤に防寒衣用表側地であるポリエステル繊維タフタ、ナイロンタフタおよび綿製綾織布を浸漬した後、取り出して、絞りロールを使用して絞り率100%で撥水処理剤を除去した。その後、80℃で2分間乾燥して撥水処理されたポリエステル繊維タフタ、ナイロンタフタおよび綿製綾織布を得た。これらの撥水処理された織物についてスプレー方式による撥水性試験を行なった。また、風合い試験を行なった。これらの結果を表1に示した。
【0037】
【比較例1】
両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(25℃における粘度20mPa.s、ケイ素原子結合水素原子含有量1.6重量%)1重量部とジブチル錫ジオクトエート0.05量部とnーヘプタン98.95重量部を混合して撥水処理剤を調製した。この撥水処理剤の特性を実施例1と同様にして評価した。これらの結果を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【実施例3】
実施例1で調製した撥水処理済の綿製綾織布について、撥水性の耐久性を調べた。これらの結果を表2に示した。
【0040】
【実施例4】
実施例1で調製した撥水処理剤に、綿綾織物を浸漬した後取り出して、絞りロールを使用して絞り率100%で撥水処理剤を除去した。その後、室温で5時間乾燥したものについて、実施例3と同様に洗濯を繰り返し、撥水性の耐久性を調べたところ、表2に示す結果が得られた。
【0041】
【実施例5】
実施例2で調製した撥水処理済のポリエステル繊維タフタについて、撥水性の耐久性を調べたところ、表2に示す結果が得られた。
【0042】
【実施例6】
実施例1で調製した撥水処理剤の替わりに実施例2で調製した撥水処理剤を使用した以外は、実施例4と同様にして撥水性の耐久性を調べたところ、表2に示す結果が得られた。
【0043】
【比較例2】
比較例1で調製した撥水処理剤にポリエステル繊維タフタを浸漬した後、取り出し、余分の撥水性処理剤を除去し、150℃で2分間加熱処理したものについて実施例3と同様にして撥水性の耐久性を調べたところ、表2に示す結果が得られた。
【0044】
【表2】
【0045】
【実施例9】
3回ドライクリーニングした子供向け冬用ブルゾンをハンガーに掛け、この表面に前記実施例1で調製した撥水処理剤をエアーガンにて吹きかけた。その後、このスプレー処理した子供向け冬用ブルゾンを一夜吊るして乾燥した。このように撥水処理した子供向け冬用ブルゾンを机上に広げ、スプレー処理面上にスポイドで水滴を10滴、別々の場所に滴下して、水滴の保持性を調べたところ、滴下終了後、30分後も10滴の水滴はその形状を保持していた。
【0046】
【比較例3】
実施例7で使用した撥水処理剤の替わりに、比較例1で調製した撥水処理剤を使用した以外は実施例7と同様にして、子供向け冬用ブルゾンの水滴保持性を調べたところ、滴下終了後、1分後には、水滴が消失していた。
【0047】
【発明の効果】
本発明の固体材料用撥水処理剤は、カルボシロキサンデンドリマーを側鎖に有するビニル系重合体と溶剤からなるので、処理した固体材料の撥水性、特に、撥水性の耐久性に優れているという特徴を有する。また本発明のスプレー型固体材料用撥水処理剤は、有機溶剤としてアルコール類を使用することができるので、スプレータイプにしても環境に悪影響を与えない上、付与される撥水性の耐久性も良好であるという特徴を有する。
Claims (4)
- 下記成分を重合させてなる、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に含有するビニル系重合体と溶剤からなることを特徴とする繊維用撥水処理剤。
(A)ビニル系単量体 0〜99.9重量部、
(B)一般式:
- 下記成分を重合させてなる、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に含有するビニル系重合体0.5〜20重量%、有機溶剤30〜98.5重量%および噴射ガス1〜50重量%からなるスプレー型固体材料用撥水処理剤。
(A)ビニル系単量体 0〜99.9重量部と、
(B)一般式:
- 有機溶剤がアルコール類である請求項2記載のスプレー型固体材料用撥水処理剤。
- 固体材料が繊維である請求項2または請求項3に記載のスプレー型固体材料用撥水処理剤。
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