JP4375088B2 - 可変消音器制御装置 - Google Patents
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Description
ここで、エンジンの吸気脈動によって発生する吸気騒音では、エンジンの回転数に対応した特定の周波数Fの騒音レベルが高くなる。このため、レゾネータ90の共鳴周波数fをエンジンの回転数に対応した吸気騒音(吸気音)の周波数Fに一致させるように制御することで、その周波数Fの吸気音が共鳴原理により小さくなる。即ち、騒音レベルの高い周波数Fの吸気音が小さくなるため、結果的にエンジンの吸気音が最小になる。なお、排気経路についても吸気経路と同様にレゾネータ90により排気音の消音が可能である。
特許文献1では、分岐管94の長さ寸法Lと分岐管94の断面積Sとを可変にすることで、レゾネータ90の共鳴周波数fをエンジンの回転数に対応した吸気音(排気音)の周波数Fに一致させるようにしている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、車両の使用状況に合わせて適切な吸気音あるいは排気音が得られるようにすることである。
請求項1の発明は、車両におけるエンジンの吸気経路あるいは排気経路に設けられており、共鳴周波数を調整可能に構成された可変消音器と、複数の制御パターンが設定されており、各々の前記制御パターンに基づいて前記可変消音器を制御可能な制御手段と、前記制御手段がいずれか一つの制御パターンに基づいて前記可変消音器を制御可能なように、前記制御パターンの切替えを行う切替え手段とを備える可変消音器制御装置であって、 前記制御手段は、一つの制御パターンとして、前記可変消音器の共鳴周波数がエンジンの回転数に対応した吸気音あるいは排気音の周波数と一致するように、その可変消音器を制御する消音パターンを有しており、前記切替え手段は、シートの着座センサーによって複数の乗車人員が認められた場合に、前記制御パターンを前記消音パターンに切替え、これにより、前記制御手段が前記消音パターンに基づいて前記可変消音器を制御する構成であることを特徴とする。
このため、複数の乗車人員が認められた場合に、騒音レベルの高い周波数の吸気音あるいは排気音が共鳴原理で小さくなるため、結果的にエンジンの吸排気音が小さくなり、乗車人員の会話が妨げられなくなる。
このため、オーディオの電源スイッチがオンされた場合に、エンジンの吸排気音が小さくなり、静かな室内でオーディオを楽しむことができる。
請求項3の発明は、車両におけるエンジンの吸気経路あるいは排気経路に設けられており、共鳴周波数を調整可能に構成された可変消音器と、複数の制御パターンが設定されており、各々の前記制御パターンに基づいて前記可変消音器を制御可能な制御手段と、前記制御手段がいずれか一つの制御パターンに基づいて前記可変消音器を制御可能なように、前記制御パターンの切替えを行う切替え手段とを備える可変消音器制御装置であって、前記制御手段は、一つの制御パターンとして、前記可変消音器の共鳴周波数が前記エンジンの回転数に対応した吸気音あるいは排気音の周波数からずれるように、その可変消音器を制御する消音抑制パターンを有しており、前記切替え手段は、エアコンスイッチがオンされた場合に、前記制御パターンを前記消音抑制パターンに切替え、これにより、前記制御手段が前記消音抑制パターンに基づいて前記可変消音器を制御する構成であることを特徴とする。
このため、エアコンスイッチがオンされた場合に、エンジンの吸排気音によりエアコンの風音が気にならなくなる。
このため、切替え手段により消音パターンが動作するように切替えが行われると、可変消音器の共鳴周波数がエンジンの回転数に対応した吸気音あるいは排気音の周波数にほぼ一致するようになる。これによって、騒音レベルの高い周波数の吸気音あるいは排気音が共鳴原理で小さくなるため、結果的にエンジンの吸気音あるいは排気音が最小になる。
一方、切替え手段により消音抑制パターンが動作するように切替えが行われると、可変消音器の共鳴周波数がエンジンの回転数に対応した吸気音あるいは排気音の周波数からずれるようになる。これによって、騒音レベルの高い周波数の吸気音あるいは排気音がさほど小さくならず、結果的にエンジンの吸気音あるいは排気音が大きくなる。
即ち、パワフルに走りたい場合に、消音抑制パターンが動作してエンジンの吸気音や排気音が比較的大きくなるため、迫力が増し、走る楽しみが感じられるようになる。
吸気経路を構成する吸気管5には、可変消音器制御装置10の可変消音器20が取り付けられている。
可変消音器20は、ヘルムホルツの共鳴原理を利用してエンジンの吸気音を低減させる消音器(レゾネータ)であり、図2に示すように、密閉構造の共鳴箱22を備えている。そして、その共鳴箱22が分岐管24を介して吸気管5と連通している。分岐管24は、その基端部24mが吸気管5に接続された状態で、共鳴箱22の内側に突出しており、その突出部分に開口25が形成されている。開口25は、分岐管24の突出端に位置する先端開口25fと、その先端開口25fの一端から分岐管24の基端部24m近傍にかけて凹円弧形に形成された円弧開口25eとから構成されている。そして、円弧開口25eの部分が扇形の可動板26によって開閉可能に構成されている。
また、前記モータ26mによって可動板26が右方向に回転すると、円弧開口25eが開かれて、分岐管24の開口面積Sが大きくなるとともに、分岐管24の有効長さ寸法Lが小さくなる。即ち、図4における分岐管24の断面積Sが大きくなるとともに、分岐管24の長さ寸法Lが小さくなり、共鳴周波数f=(c/2π)×(√(S/L×V))は大きくなる。
電子制御ユニット(ECU)12は、モータ26mを駆動させる制御プログラムを二パターン(制御パターンA、制御パターンB)記憶している。
制御パターンAは、可変消音器20の共鳴周波数fがエンジン1の回転数Rに対応した吸気音の周波数Fに一致するように、モータ26mを駆動させる。ここで、エンジン1の吸気脈動によって発生する吸気騒音(吸気音)は、エンジンの回転数Rに対応した特定の周波数Fで騒音レベルが高くなる。
4サイクルエンジンにおける前記周波数Fは、F=(1/2)×R×(1/60)×s×nで表される。ここで、sは気筒数であり、nは、1,2,3…である。即ち、エンジンの回転数Rが増加すると周波数Fは大きくなり、回転数が減少すると周波数Fは小さくなる。なお、エンジンの回転数Rは、回転センサ1r(図1参照)によって検出され、その信号が電子制御ユニット(ECU)12に入力される。
制御パターンAに基づいて可変消音器20のモータ26mが駆動され、その可変消音器20の共鳴周波数fがエンジン1の回転数Rに対応した吸気音の周波数Fに一致すると、その周波数Fの吸気音(騒音レベルの高い周波数Fの吸気音)が小さくなり、結果的にエンジン1の吸気音が最小になる。
即ち、電子制御ユニット(ECU)12が本発明の制御手段に相当する。また、電子制御ユニット(ECU)12における制御パターンAが本発明の消音パターンに相当し、制御パターンBが本発明の消音抑制パターンに相当する。
即ち、選択装置14であるオートマチックトランスミッションのモード選択スイッチ、オーディオの電源スイッチ及び電子制御ユニット(ECU)12が本発明の切替え手段に相当する。
運転者がオートマチックトランスミッションのモード選択スイッチをノーマルモードに切替えると(ステップS101 YES)、電子制御ユニット(ECU)12の制御パターンAが選択される(ステップS103)。これによって、可変消音器20の共鳴周波数fがエンジン1の回転数Rに対応した吸気音の周波数Fに一致するように、その可変消音器20のモータ26mが駆動させられる(ステップS105)。即ち、エンジン1の回転数Rが変化してその回転数Rに対応した吸気音の周波数Fが変化すると、それに追従するように可変消音器20の共鳴周波数fが調整される。この結果、エンジン1の吸気音が小さくなって、車室内が静かになる。
また、オートマチックトランスミッションのモード選択スイッチがパワーモードに切替えられている場合でも(ステップS101 NO)、オーディオの電源スイッチがオンされている場合には(ステップS102 YES)、電子制御ユニット(ECU)12の制御パターンAが選択され(ステップS103)、エンジン1の吸気音が最小になる。これによって、静かな車室内でオーディオを楽しむことができるようになる。
また、選択装置14は、オートマチックトランスミッションのモード選択スイッチにおいてノーマルモードが選択された場合に消音パターンを動作させ、パワーモードが選択された場合に消音抑制パターンを動作させる。このため、パワフルに走りたい場合に、消音抑制パターンが動作してエンジンの吸気音や排気音が比較的大きくなるため、迫力が増し、走る楽しみが感じられるようになる。
また、電子制御ユニット(ECU)12がモータ26mを駆動させる制御プログラムを二パターン(制御パターンA、制御パターンB)記憶する場合を例示したが、制御パターンB(消音抑制パターン)を複数パターン用意することも可能である。
また、選択装置14としてオートマチックトランスミッションのモード選択スイッチ及びオーディオの電源スイッチを例示したが、これ以外にも、ライトスイッチ、エアコンスイッチ、ワイパースイッチ及び窓の開閉スイッチ等を使用することも可能である。
(1)請求項1に記載の可変消音器制御装置であって、
切替え手段は、オーディオの電源スイッチがオンされた場合に消音パターンを動作させることを特徴とする可変消音器制御装置。
(2)請求項1に記載の可変消音器制御装置であって、
切替え手段は、ライトスイッチがオンされた場合に消音パターンを動作させることを特徴とする可変消音器制御装置。
(3)請求項1に記載の可変消音器制御装置であって、
切替え手段は、エアコンの風量が大きなときに消音抑制パターンを動作させることを特徴とする可変消音器制御装置。
(4)請求項1に記載の可変消音器制御装置であって、
切替え手段は、ワイパースイッチがオンされた場合に消音抑制パターンを動作させることを特徴とする可変消音器制御装置。
(5)請求項1に記載の可変消音器制御装置であって、
切替え手段は、シートの着座センサーによって複数の乗車人員が認められた場合に消音パターンを動作させることを特徴とする可変消音器制御装置。
(6)請求項1に記載の可変消音器制御装置であって、
切替え手段は、窓の開閉スイッチに基づいて消音パターンと消音抑制パターンとを切替えることを特徴とする可変消音器制御装置。
10 可変消音器制御装置
12 電子制御ユニット(ECU)(制御手段、消音パターン、消音抑制パターン)
14 選択装置(切替え手段)
20 可変消音器
Claims (5)
- 車両におけるエンジンの吸気経路あるいは排気経路に設けられており、共鳴周波数を調整可能に構成された可変消音器と、複数の制御パターンが設定されており、各々の前記制御パターンに基づいて前記可変消音器を制御可能な制御手段と、前記制御手段がいずれか一つの制御パターンに基づいて前記可変消音器を制御可能なように、前記制御パターンの切替えを行う切替え手段とを備える可変消音器制御装置であって、
前記制御手段は、一つの制御パターンとして、前記可変消音器の共鳴周波数がエンジンの回転数に対応した吸気音あるいは排気音の周波数と一致するように、その可変消音器を制御する消音パターンを有しており、
前記切替え手段は、シートの着座センサーによって複数の乗車人員が認められた場合に、前記制御パターンを前記消音パターンに切替え、これにより、前記制御手段が前記消音パターンに基づいて前記可変消音器を制御する構成であることを特徴とする可変消音器制御装置。 - 車両におけるエンジンの吸気経路あるいは排気経路に設けられており、共鳴周波数を調整可能に構成された可変消音器と、複数の制御パターンが設定されており、各々の前記制御パターンに基づいて前記可変消音器を制御可能な制御手段と、前記制御手段がいずれか一つの制御パターンに基づいて前記可変消音器を制御可能なように、前記制御パターンの切替えを行う切替え手段とを備える可変消音器制御装置であって、
前記制御手段は、一つの制御パターンとして、前記可変消音器の共鳴周波数がエンジンの回転数に対応した吸気音あるいは排気音の周波数と一致するように、その可変消音器を制御する消音パターンを有しており、
前記切替え手段は、オーディオの電源スイッチがオンされた場合に、前記制御パターンを前記消音パターンに切替え、これにより、前記制御手段が前記消音パターンに基づいて前記可変消音器を制御する構成であることを特徴とする可変消音器制御装置。 - 車両におけるエンジンの吸気経路あるいは排気経路に設けられており、共鳴周波数を調整可能に構成された可変消音器と、複数の制御パターンが設定されており、各々の前記制御パターンに基づいて前記可変消音器を制御可能な制御手段と、前記制御手段がいずれか一つの制御パターンに基づいて前記可変消音器を制御可能なように、前記制御パターンの切替えを行う切替え手段とを備える可変消音器制御装置であって、
前記制御手段は、一つの制御パターンとして、前記可変消音器の共鳴周波数が前記エンジンの回転数に対応した吸気音あるいは排気音の周波数からずれるように、その可変消音器を制御する消音抑制パターンを有しており、
前記切替え手段は、エアコンスイッチがオンされた場合に、前記制御パターンを前記消音抑制パターンに切替え、これにより、前記制御手段が前記消音抑制パターンに基づいて前記可変消音器を制御する構成であることを特徴とする可変消音器制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の可変消音器制御装置であって、
制御手段は、可変消音器の共鳴周波数がエンジンの回転数に対応した吸気音あるいは排気音の周波数と一致するように、その可変消音器を制御する消音パターンと、
前記可変消音器の共鳴周波数が前記エンジンの回転数に対応した吸気音あるいは排気音の周波数からずれるように、その可変消音器を制御する消音抑制パターンとを備えていることを特徴とする可変消音器制御装置。 - 請求項4に記載の可変消音器制御装置であって、
切替え手段は、オートマチックトランスミッションのモード選択スイッチによってノーマルモードが選択された場合に、前記制御手段が前記消音パターンに基づいて前記可変消音器を制御させるように前記制御パターンの切替えを行い、パワーモードが選択された場合に、前記制御手段が前記消音抑制パターンに基づいて前記可変消音器を制御させるように前記制御パターンの切替えを行うことを特徴とする可変消音器制御装置。
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