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JP4373990B2 - オゾン製造装置 - Google Patents

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Description

本発明はオゾン製造装置に関する。さらに詳しくは、オゾンを連続的に製造して吸着貯留し、必要なときにこれを脱着(分離)させて供給するオゾン製造装置に関する。
発電所や化学工業などには多量の冷却水が使用されているが、用水中の微生物や藻類によってスライム障害が発生して管路の閉塞や熱交換率の低下が起こる。この種の防止対策として高濃度のオゾン水の適用が考えられる。高濃度のオゾン水を生成するためには、大容量のオゾン発生器を用いて生成するよりも、小型で小容量のオゾン発生器を用いて、生成したオゾンを吸着剤に長期間にわたって蓄積し、この蓄積したオゾンを必要に応じて吸着剤から取り出し、高濃度のオゾン水を生成する、いわゆる間歇オゾン製造方式が設備費および運転費の点から有利である。
かかるオゾン製造方式を用いたオゾン製造装置として、たとえば図13に示すように、オゾン発生器50と、酸素供給源51と、循環ブロア52と、吸脱着塔53と、冷熱源54と、加熱源55と、水流エジェクタ56と、切替弁57a〜57gとからなるものがある。吸脱着塔53は二重筒になっており、その内筒はオゾン吸着剤が充填されており、外筒は熱媒体が充填されている。なお、オゾン吸着剤には、たとえばシリカゲルが用いられ、熱媒体にはエチレングリコールやアルコール類が使用される。また、前記循環ブロア52、オゾン発生器50および吸脱着塔53は、この順に1つの循環系を構成している。
つぎに動作について説明する。この動作にはオゾンの吸着貯留工程と脱着工程の2工程がある。
初めにオゾンの吸着貯留工程について説明する。酸素供給源51より循環系内に常時一定圧力になるように酸素を供給する。このときの圧力は通常1.5kg/cm2に維持されている。切替弁57cおよび57dを開き、循環ブロア52より循環系内に酸素を流通し、循環させると、オゾン発生器50の放電空間を通過するあいだに、酸素の一部がオゾンに変換されてオゾン化酸素となる。このオゾン化酸素は吸脱着塔53へ送られる。吸脱着塔53内のオゾン吸着剤はオゾンを選択的に吸着し、残りの酸素は切換弁57cを介して循環ブロア52に戻される。オゾンに変換され、吸着された酸素量は酸素供給源51より補充される。このとき、オゾン吸着剤の温度は、オゾン吸着量が温度により大きく変化するため、冷熱源54により−30℃以下に冷却されている。すなわち、温度が低下するとオゾン吸着量は増加し、逆に上昇するとオゾンの吸着量は減少する。したがって、オゾンを脱着するときは加熱源55により吸着剤の温度を上昇させる。
吸脱着塔53の吸着剤がオゾンを飽和吸着量近くまで吸着すると脱着工程に移行する。脱着動作では、オゾン発生器50、循環ブロア52および冷熱源54が稼働を停止し、切替弁57a〜57dが閉じる。そののち、加熱源55および水流エジェクタ56が稼働を始めて切替弁57e〜57gが開く。このとき、吸着剤に吸着貯留されていたオゾンが脱着し易いように加熱源55より熱が加えられ吸着剤の温度を上昇させる。そして水流エジェクタ56で吸脱着塔53内のオゾンを減圧吸引し、水流エジェクタ56内で水中に分散し、溶解してオゾン水として使用箇所に送られる。このように脱着工程が終了すると再び初期の吸着工程に移行して連続的に運転が繰り返される。
スライム障害の原因となる用水中の微生物や藻類は水温や用水の汚濁度合いによって繁殖スピードが異なり、またオゾンの反応速度も変動するため、水温の季節的な変動や用水の汚濁度合の変動によって必要となるオゾン量も変化するが、前記の従来の装置では、オゾンの貯蔵量を調節することができず、スライム除去においてオゾンの過不足を生じやすい。すなわち、オゾン量が少ないばあいには、正常なスライム付着防止効果がえられず、逆にオゾン量が多いばあいには、経済的でないばかりか、海水系に適用するときには海水中の臭素イオンと反応してオキシダントを生成しやすいため、かかるオキシダントの分解除去装置が必要になったり、大型化するという問題点がある。
また、前記従来の装置を長期間にわたって連続使用するばあい、シリガゲルのオゾン吸着能の変化やオゾン発生器の性能変化などによってもオゾンの貯蔵量が変化し、オゾンの過不足を生じるという問題点がある。
本発明は、叙上の事情に鑑み、用水の水質や温度の変動に追従して、常時適切なスライム除去効果をうるために必要なオゾンを貯留することにより、経済的でオキシダントなどの副生成物の生成の少ないオゾン製造装置にかかわるオゾン発生器の投入電力制御方法を提供することを目的としている。
本発明の第1の発明にかかわるオゾン発生器の投入電力制御方法は、(a)オゾン発生器でオゾンを生成する工程と、(b)前記工程(a)において得られたオゾンを吸脱着塔で吸着貯留する工程と、(c)前記工程(b)において吸着貯留したオゾンを水流エジェクタで脱着放出する工程と、前記工程(c)において脱着放出したオゾンの濃度を、脱着工程における前記吸脱着塔の出口の配管上、または、前記水流エジェクタの下流側で計測する工程と、()前記工程()において得られた脱着時のオゾンの濃度の計測値から、前記オゾン発生器の圧力の制御目標値を演算する工程と、()前記工程()において演算された制御目標値を用いて酸素供給の圧力調節弁を操作して、前記オゾン発生器の圧力を調節する工程とを含んでなる
ことを特徴としている。
請求項1〜4にかかわるオゾン発生器の投入電力制御方法によれば、吸着剤やオゾン発生器の特性が万が一変化したばあい、または用水の温度や汚染度合い、微生物の増殖速度、オゾンの反応速度が変わったばあいでも、これらの変化に追従して所定のオゾンを脱着して安定した処理を行なえるので、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。
参考例1.
図1は参考例1にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。図1に示すように、オゾン化酸素を生成するオゾン発生器1と、酸素供給源2と、循環ブロア3と、吸脱着塔4と、冷熱源5と、加熱源6と、オゾン脱着手段である水流エジェクタ7と、切替弁8a〜8gと、脱着オゾン濃度を計測するオゾン濃度検知手段からなる。また該オゾン濃度検知手段は、配管9に取り付けられたオゾン濃度計測手段であるオゾン濃度計10と、該計測手段により検出された計測値を設定器11からの設定値と比較する制御回路12からなる。オゾン濃度計10と制御回路12、制御回路12とオゾン発生器1、および制御回路12と設定器11はそれぞれ信号線S1、S2およびS3を介し接続されている。吸脱着塔4は二重筒になっており、その内筒はオゾン吸着剤が充填されており、外筒は熱媒体が充填されている。このオゾン吸着剤には、たとえばオゾンと接触したときの分解率が低いものを選ぶことが望ましく、シリカゲル、活性アルミナやフルオロカーボンを含浸させた多孔質材料などが用いられ、熱媒体にはエチレングリコールやアルコール類が用いられる。また、前記循環ブロア3、オゾン発生器1および吸脱着塔4は、この順に1つの循環系を構成している。
つぎに動作について説明する。この動作にはオゾンを吸着する動作およびオゾンを脱着する動作の2つの動作がある。
最初に吸着動作について説明する。酸素供給源2より循環系内が常時一定圧力、たとえば1.5kg/cm2になるように酸素を供給する。切換弁8a〜8dが開いた状態で、循環ブロア3により循環系内に酸素を流通させると、オゾン発生器1の放電空隙中を通過するあいだに、無声放電により酸素の一部がオゾンに変換されてオゾン化酸素になったのち、このオゾン化酸素は吸脱着塔4へ搬送される。吸脱着塔4内の吸着剤は、オゾンを選択的に吸着し、残りの酸素は切換弁8cを介して循環ブロア3に返送される。オゾンとして消費された酸素は酸素供給源2より補充される。このとき、オゾン吸着剤は冷却するほどオゾンの吸着容量が増えるという性質を有することから、通常冷却温度は冷熱源5により−40℃以下にされている。また、循環系内の圧力を高くするほど、オゾンを効率的に蓄えることができる。しかし、オゾン発生効率やオゾン貯蔵効率を考えると、過度に循環系内の圧力を高くすることは、貯蔵時の消費電力を増大させることになり、最大でも5kg/cm2程度に維持することが望ましい。
吸脱着塔4内の吸着剤がオゾン飽和吸着量近くまで吸着するとつぎに脱着動作へ移行する。脱着動作において、吸脱着塔4内に蓄えられたオゾンは、水流エジェクタ7および加熱源6を動作させ、加温と減圧によって吸脱着塔4から取り出すが、このときの脱着オゾン濃度を配管9に設置した連続的、または間欠的にオゾン濃度計10で計測する。この計測値は信号線S1を介して制御回路12に送られる。制御回路12では、脱着オゾン濃度の計測値と、設定器11で設定され信号線S3を介してえられるオゾン濃度の設定値とを比較して、設定した脱着オゾン濃度をえるためのオゾン発生器1の投入電力をたとえばつぎの式で演算する。
E=K(O3o−O3s)
ここで、Eはオゾン発生器1の投入電力の演算値(制御目標値)、O3oは脱着オゾン濃度の計測値、O3sは脱着オゾン濃度の制御設定値、Kは制御ゲインである。
オゾン発生器1の投入電力の演算値Eは信号線S2を介してオゾン発生器1に送られ、オゾン発生器1では投入電力を演算値になるよう投入電力を調節する。
このように、オゾンを吸脱着塔4に吸着貯留する吸着工程とこれを脱着する脱着工程を交互に行なうため、脱着工程ではオゾンを製造するオゾン発生器は停止しているが、本参考例では、脱着工程で脱着オゾン濃度を計測し、つぎの吸着工程におけるオゾン発生器1の投入オゾン電力を演算しておき、この演算値を使ってつぎの吸着工程でオゾン発生器1を運転するようにしている。
また、本装置を配管のスライム防止に用いるばあい、処理上重要なのは脱着オゾンのピーク濃度と処理時間であるので、脱着時のオゾン濃度のピーク値を計測し、これを所定値に保つようにしたり、また、脱着オゾン濃度がある基準値以上となる時間を計測しこれが所定時間になるようにしたり、さらには、脱着開始時に高濃度のオゾンがえられるので脱着開始から一定時間経過後の脱着オゾン濃度を一定にするようにすればさらに効果がある。もちろん、脱着オゾン濃度の変動を連続的に計測して、変動パターン全体が所定パターンになるようにしても良い。
なお、本参考例では、吸着工程の時間は変えずにオゾン発生器を連続運転しながら時間当たりの投入電力を調節する例を説明したが、時間当たりの投入電力は変えずに吸着工程の時間を変えるようにして投入電力を調節しても良い。
このように、本参考例では、脱着オゾン濃度を計測し、この計測値に基づいて、該計測値が所定値になるようにオゾン発生器1の投入電力を調節するので、吸着剤やオゾン発生器の特性が万が一変化したばあいでも、所定のオゾンを脱着して安定した処理を行なえるので、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。
参考例2.
図2は参考例2にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。図2において、オゾン濃度計10は配管9ではなく、水流エジェクタ7の下流側の予め定められた地点に取り付けられている。その他は図1と同じ構成である。
つぎに動作について説明する。前記参考例は気相の脱着オゾン濃度を計測するものであったが、本参考例は液側の脱着オゾン濃度を計測するようにしたものである。すなわち、脱着工程時に水流エジェクタ7の下流側の予め定めた地点でオゾン濃度を計測し、これを信号線S1を介して制御回路12に送る。その他の動作は前記参考例1のばあいと同様である。
すなわち、脱着時のオゾン濃度を計測し、これからえられる脱着時のオゾン濃度のピーク値や所定濃度以上となる時間、または脱着開始から一定時間経過後の計測値、もしくは該計測値の変動パターン全体などを用いて、これらが所定値になるように制御回路12でオゾン発生器1の投入電力を演算し、つぎの吸着工程でこの演算値を用いてオゾン発生器1を運転する。
このように、本参考例では、水流エジェクタ7の下流側の予め定めた地点で脱着オゾン濃度を計測し、これが所定値になるようにこの計測値に基づいてオゾン発生器1の投入電力を調節するので、吸着剤やオゾン発生器の特性が万が一変化したばあい、または用水の温度や汚染度合い、微生物の増殖速度、オゾンの反応速度が変わったばあいでも、これらの変化に追従して所定のオゾンを脱着して安定した処理を行なえるので、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。
実施の形態3.
図3は本発明の実施の形態3にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。図3において、13は圧力調節弁であり、酸素供給源2と循環系の配管14を接続する配管15に備え付けられている。また、信号線S2は制御回路12と圧力調節弁13を接続している。その他は図1、図2と同様である。
つぎに動作について説明する。動作は前記参考例1〜2とほぼ同様である。すなわち、配管9に備え付けられたオゾン濃度計10を用いて、脱着オゾン濃度を計測する。この計測値は信号線S1を介して制御回路12に供給され、制御回路12では、この脱着オゾン濃度の計測値と別途設定器11で設定され信号線S3を介してえられる脱着オゾン濃度の設定値とを用いて、たとえばつぎの演算式を用いて、オゾン発生器1の圧力の制御目標値を演算する。
B=K(O3o−O3s)
ここで、Bはオゾン発生器1の圧力の制御目標値である。
この演算値は信号線S2を経由して圧力調節弁13に送られ、ついで圧力調節弁13ではオゾン発生器1の圧力、すなわち配管14内の圧力がこの値になるように酸素の供給を調節する。オゾン発生器1の圧力を変えるとオゾン発生特性が変化するので、吸脱着塔4内の吸着剤に吸着貯蔵するオゾン量を調節することができる。
このように、本参考例では、脱着オゾン濃度を計測し、この計測値に基づいて、これが所定値になるようにオゾン発生器1の圧力を調節するので、吸着剤やオゾン発生器の特性が万が一変化したばあいでも、所定のオゾンを脱着して安定した処理を行なえるので、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。
実施の形態4.
図4は本発明の実施の形態4にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。図4において、オゾン濃度計10は水流エジェクタ7の下流側の予め定められた地点に設置されている。その他は図3と同様である。
つぎに動作について説明する。前記実施の形態3では、気相の脱着オゾン濃度を計測するものであったが、本実施の形態は液側の脱着オゾン濃度を計測するようにしたものである。すなわち、脱着工程時に水流エジェクタ7の下流側の予め定めた地点でオゾン濃度を計測し、これを信号線S1を介して制御回路12に送る。その他の動作は前記実施の形態3と同様である。
すなわち、脱着時のオゾン濃度を計測し、これからえられる脱着時のオゾン濃度のピーク値や所定濃度以上となる時間、または脱着開始から一定時間経過後の計測値、計測値の変動パターン全体などを用いて、これらが所定値になるよう制御回路12でオゾン発生器1の圧力の制御目標値を演算し、つぎの吸着工程でこの演算値を用いて酸素供給の圧力調節弁13を操作してオゾン発生器1の圧力を調節する。
このように、本実施の形態では、水流エジェクタ7の下流側の予め定めた地点で脱着オゾン濃度を計測し、これが所定値になるようこの計測値に基づいてオゾン発生器1の圧力を酸素供給の圧力調節弁13を操作して調節するので、吸着剤やオゾン発生器の特性が万が一変化したばあい、または用水の温度や汚染度合い、微生物の増殖速度、オゾンの反応速度が変わったばあいでも、これらの変化に追従して所定のオゾンを脱着して安定した処理を行なえるので、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。
参考例5.
図5は参考例5におけるオゾン製造装置を示す構成図である。図5において、信号線S2は制御回路12と冷熱源5とを接続している。その他は図3と同様である。
つぎに動作について説明する。動作は前記実施の形態3とほぼ同様である。すなわち、配管9に備え付けられたオゾン濃度計10を用いて、脱着オゾン濃度を計測する。この計測値は信号線S1を介して制御回路12に供給され、制御回路12では、この脱着オゾン濃度の計測値と別途設定器11で設定され信号線S3を介してえられる脱着オゾン濃度の設定値とを用いて、たとえばつぎの演算式を用いて、冷熱源5の冷却温度の制御目標値を演算する。
Tc=K(O3o−O3s)
ここで、Tcは冷熱源5の冷却温度の制御目標値である。
この演算値は信号線S2を経由して冷熱源5に送られ、冷熱源5では冷却媒体の温度、すなわち吸脱着塔4内の吸着剤の冷却温度がこの値になるように温度を調節する。吸着剤の冷却温度を変えるとシリガゲルへのオゾン吸着特性が変化するので、吸脱着塔4内の吸着剤に吸着貯留するオゾン量を調節することができる。
このように、本参考例では、脱着オゾン濃度を計測し、この計測値に基づいて、これが所定値になるよう冷熱源5の冷却媒体の温度、すなわち吸脱着塔4内の吸着剤の冷却温度を調節するので、吸着剤やオゾン発生器1の特性が万が一変化したばあいでも、所定のオゾンを脱着して安定した処理を行なえるので、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。
参考例6.
図6は参考例6にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。図6において、信号線S2は制御回路12と加熱源6とを接続している。その他は図5と同様である。
つぎに動作について説明する。動作は前記参考例5とほぼ同様である。すなわち、配管9に備え付けられたオゾン濃度計10を用いて、脱着オゾン濃度を計測する。この計測値は信号線S1を介して制御回路12に供給され、制御回路12では、この脱着オゾン濃度の計測値と別途設定器11で設定され信号線S3を介してえられる脱着オゾン濃度の設定値とを用いて、前記参考例5と同様にして加熱源6の加温温度の制御目標値を演算する。
この演算値は信号線S2を経由して加熱源6に送られ、媒体の加温温度、すなわち脱着時の吸脱着塔4内の吸着剤温度がこの値になるように加温温度を調節する。吸着剤の加温温度を変えると吸着剤へのオゾン吸着特性が変化するので、吸脱着塔4内の吸着剤から脱着するオゾン量を調節することができる。
このように、本参考例では、脱着オゾン濃度を計測し、この計測値に基づいて、これが所定値になるよう加熱源6の媒体の温度、すなわち脱着時の吸脱着塔4内の吸着剤の加熱温度を調節するので、吸着剤やオゾン発生器の特性が万が一変化したばあいでも、所定のオゾンを脱着して安定した処理を行なうことができ、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。
参考例7.
図7は参考例7にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。図7において、オゾン濃度計10は水流エジェクタ7の下流側の予め定められた地点に設置されている。その他は図5と同様である。
つぎに動作について説明する。前記参考例5では気相の脱着オゾン濃度を計測するものであったが、本参考例は液側の脱着オゾン濃度を計測するようにしたものである。すなわち、脱着工程時に水流エジェクタ7の下流側の予め定めた地点でオゾン濃度を計測し、これを信号線S1を介して制御回路12に送る。その他の動作は前記参考例5と同様である。
すなわち、脱着時のオゾン濃度を計測し、これからえられる脱着時のオゾン濃度のピーク値や所定濃度以上となる時間、または脱着開始から一定時間経過後の計測値、計測値の変動パターン全体などを用いて、これらが所定値になるよう制御回路12で冷熱源5の冷却温度の制御目標値を演算し、つぎの吸着工程でこの演算値を用いて冷熱源5の冷却温度を制御して吸脱着塔4内の吸着剤の冷却温度を調節する。
このように、本参考例では、水流エジェクタ7の下流側の予め定めた地点で脱着オゾン濃度を計測し、これが所定値になるようこの計測値に基づいて冷熱源5の冷却温度を調節するので、吸着剤やオゾン発生器の特性が万が一変化したばあい、または用水の温度や汚染度合い、微生物の増殖速度、オゾンの反応速度が変わったばあいでも、これらの変化に追従して所定のオゾンを脱着して安定した処理を行なうことができ、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。
参考例8.
図8は参考例8にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。図8において、信号線S2は制御回路12と加熱源6とを接続している。その他は図7と同様である。
つぎに動作について説明する。動作は前記参考例7とほぼ同様である。すなわち、水流エジェクタ7の下流側の予め定められた地点に設置したオゾン濃度計10を用いて、脱着オゾン濃度を計測する。この計測値は信号線S1を介して制御回路12に供給され、制御回路12では、この脱着オゾン濃度の計測値と別途設定器11で設定され信号線S3を介してえられる脱着オゾン濃度の設定値とを用いて、前記参考例5と同様にして加熱源6の加温温度の制御目標値を演算する。
この演算値は信号線S2を経由して加熱源6に送られ、媒体の加温温度、すなわち脱着時の吸脱着塔4内の吸着剤温度がこの値になるよう加温温度を調節する。吸着剤の加温温度を変えるとシリガゲルへのオゾン吸着特性が変化するので、吸脱着塔4内の吸着剤にから脱着するオゾン量を調節することができる。
このように、本参考例では、水流エジェクタ7の下流側の予め定めた地点で脱着オゾン濃度を計測し、これが所定値になるようこの計測値に基づいて加熱源6の媒体の温度、すなわち脱着時の吸脱着塔4内の吸着剤の加熱温度を調節するので、吸着剤やオゾン発生器1の特性が万が一変化したばあい、または用水の温度や汚染度合い、微生物の増殖速度、オゾンの反応速度が変わったばあいでも、これらの変化に追従して所定のオゾンを脱着して安定した処理を行なうことができ、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。
参考例9.
図9は参考例9におけるオゾン製造装置を示す構成図である。図9において、圧力検知手段を備えており、16は吸脱着塔4に取り付けられ脱着工程時の脱着ガス圧力を計測する圧力計測手段である圧力計であり、これの計測信号は出力として信号線S1により制御回路12に接続されている。その他は図1、2と同様である。
つぎに動作について説明する。動作は前記参考例1〜2とほぼ同様である。すなわち、吸脱着塔4に取り付けられ圧力計16を用いて、脱着時の吸脱着塔4内の圧力、すなわち、脱着したオゾンを含むガスの圧力を計測する。この計測値は信号線S1を介して制御回路12に供給され、制御回路12では、この脱着オゾンガス圧力の計測値と別途設定器11で設定され信号線S3を介して得られる脱着オゾンガス圧力の設定値とを用いて、たとえばつぎの演算式によりを行いオゾン発生器1の投入電力を演算する。
E=K(PO3o−PO3s)
ここで、Eはオゾン発生器1の投入電力の演算値(制御目標値)、PO3oは脱着オゾンガス圧力の計測値、PO3sは脱着オゾンガス圧力の制御設定値、Kは制御ゲインである。
オゾン発生器1の投入電力の演算値Eは信号線S2を介してオゾン発生器1に送られ、オゾン発生器1では投入電力を演算値になるよう投入電力を調整する。
この種の装置ではオゾンを吸脱着塔4に吸着保存する吸着工程とこれを脱着する脱着工程を交互に行うため、脱着工程ではオゾンを製造するオゾン発生器は停止している。本参考例では、脱着工程で脱着オゾンガス圧力を計測し、つぎの吸着工程におけるオゾン発生器の投入オゾン電力を演算しておき、この演算値を使ってつぎの吸着工程でオゾン発生器を運転する。
脱着するオゾン量や濃度と脱着時のガス圧力には相関があり、また、オゾン濃度計が高価な計測装置であるのに対し圧力計は安価であるので、オゾン濃度計の場合と同様の制御効果を得ながら装置を安価に製作することができる。
また、本参考例の装置を配管のスライム防止に用いるばあい、処理上重要なのは脱着オゾンのピーク濃度と処理時間である。このため、脱着時のオゾン濃度のピーク値、すなわち、これと相関のある脱着ガス圧力を計測してこれを所定値に保つようにしたり、また、脱着ガス圧力がある基準値以上となる時間を計測し、これが所定時間になるようにしたり、さらには、脱着開始時に高濃度のオゾンが得られるので脱着開始から一定時間経過後、またはその時間内の脱着オゾンガス圧力を一定にするようにすればさらに効果がある。もちろん、脱着オゾン圧力の変動を連続的に計測して、変動パターン全体が所定パターンになるようにしても良い。
なお、本参考例では、吸着工程の時間は変えずにオゾン発生器を連続運転しながら時間当たりの投入電力を調節する例を説明したが、時間当たりの投入電力は変えずに吸着工程の時間を変えるようにして投入電力を調節しても良い。
このように、本参考例では、脱着オゾン濃度と相関のある脱着ガス圧力に注目し、オゾン濃度計よりも安価な圧力計を用いて脱着ガスの圧力を計測し、この計測値に基づいて、これが所定値になるようオゾン発生器1の投入電力を調節する。このため、吸着剤やオゾン発生器1の特性が万が一変化したばあいでも、安価な計測装置を用いて所定のオゾンを脱着して安定した処理が行なえるので、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。
参考例10.
図10は参考例10にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。図10において、制御回路12の出力信号は信号線S2を介して酸素供給源2と配管14を接続する配管15に備え付けられている圧力調節弁13を接続している。その他は図9と同様である。
つぎに動作について説明する。動作は前記参考例9とほぼ同様である。すなわち、吸脱着塔4に取り付けられ圧力計16を用いて、脱着時の吸脱着塔4内の圧力、すなわち脱着したオゾンを含むガスの圧力を計測する。
この計測値は信号線S1を介して制御回路12に供給され、制御回路12では、この脱着オゾンガス圧力の計測値と別途設定器11で設定され信号線S3を介してえられる脱着オゾンガス圧力の設定値とを用いて、たとえばつぎの演算式により、オゾン発生器1の圧力の制御目標値を演算する。
B=K(PO3o−PO3s)
ここで、Bはオゾン発生器1の圧力の制御目標値である。
この演算値は信号線S2を経由して圧力調整弁13に送られ、そして圧力調節弁13ではオゾン発生器1の圧力、すなわち配管14内の圧力がこの値になるよう酸素の供給を調節する。オゾン発生器1の圧力を変えるとオゾン発生特性が変化するので、吸脱着塔4内の吸着剤に吸着貯留するオゾン量、すなわち脱着オゾン量を調節することができる。
このように、本参考例では脱着オゾン濃度や量と相関がある吸脱着塔4内の圧力、すなわち、脱着したオゾンを含むガスの圧力を計測し、この計測値に基づいて、これが所定値になるようにオゾン発生器1の圧力を調節するので、吸着剤やオゾン発生器の特性が万が一変化したばあいでも、所定のオゾンを脱着して安定した処理を行なえるので、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。さらに、オゾン濃度計に比べ圧力計は安価であるので、オゾン濃度計を使うばあいと同様の効果を安価な装置で実現することができる。
参考例11.
図11は参考例11にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。図11において、信号線S2は制御回路12と冷熱源5とを接続している。その他は図10と同様である。
つぎに動作について説明する。動作は前記参考例10とほぼ同様である。すなわち、吸脱着塔4に取り付けられ圧力計16を用いて、脱着時の吸脱着塔4内の圧力、すなわち、脱着したオゾンを含むガスの圧力を計測する。
この計測値は信号線S1を介して制御回路12に供給され、制御回路12では、この脱着オゾンガス圧力の計測値と別途設定器11で設定され信号線S3を介してえられる脱着オゾンガス圧力の設定値とを用いて、たとえばつぎの演算式により、冷熱源5の冷却温度の制御目標値を演算する。
Tc=K(PO3o−PO3s)
ここで、Tcは冷却源5の冷却温度の制御目標値である。
この演算値は信号線S2を経由して冷熱源5に送られ、冷熱源5では冷却媒体の温度、すなわち吸脱着塔4内の吸着剤の冷却温度がこの値になるよう温度を調節する。吸着剤の冷却温度を変えるとシリガゲルへのオゾン吸着特性が変化するので、吸脱着塔4内の吸着剤に吸着保存するオゾン量を調節することができる。
このように、本参考例では脱着オゾン濃度や量と相関がある吸脱着塔4内の圧力、すなわち脱着したオゾンを含むガスの圧力を計測し、この計測値に基づいて、これが所定値になるように冷熱源5の冷却媒体の温度、すなわち吸脱着塔4内の吸着剤の冷却温度を調節するので、吸着剤やオゾン発生器の特性が万が一変化したばあいでも、所定のオゾンを脱着して安定した処理を行なえるので、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。さらに、オゾン濃度計に比べ圧力計は安価であるので、オゾン濃度計を使うばあいと同様の効果を安価な装置で実現することができる。
参考例12.
図12は参考例12にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。図12において、信号線S2は制御回路12と加熱源6とを接続している。その他は図11と同様である。
つぎに動作について説明する。動作は前記参考例11とほぼ同様である。すなわち、吸脱着塔4に取り付けられ圧力計16を用いて、脱着時の吸脱着塔4内の圧力、すなわち、脱着したオゾンを含むガスの圧力を計測する。
この計測値は信号線S1を介して制御回路12に供給され、制御回路12では、この脱着オゾン濃度の計測値と別途設定器11で設定され信号線S3を介して得られる脱着オゾン濃度の設定値とを用いて、前記参考例11と同様にして加熱源6の加温温度の制御目標値を演算する。
この演算値は信号線S2を経由して加熱源6に送られ、媒体の加温温度、すなわち脱着時の吸脱着塔4内の吸着剤温度がこの値になるよう加温温度を調節する。吸着剤の加温温度を変えるとシリガゲルへのオゾン吸着特性が変化するので、吸脱着塔4内の吸着剤にから脱着するオゾン量を調節することができる。
このように、本参考例では、脱着オゾン濃度や量と相関がある吸脱着塔4内の圧力、すなわち、脱着したオゾンを含むガスの圧力を計測し、この計測値に基づいて、これが所定値になるよう加熱源6の媒体の温度、すなわち脱着時の吸脱着塔4内の吸着剤の加熱温度を調節するので、吸着剤やオゾン発生器の特性が万が一変化したばあいでも、所定のオゾンを脱着して安定した処理を行なうことができ、スライムの付着を長期間にわたり安定して防止することができる。さらに、オゾン濃度計に比べ圧力計は安価であるので、オゾン濃度計を使うばあいと同様の効果を安価な装置で実現することができる。
参考例1にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。 参考例2にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態3にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態4にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。 参考例5にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。 参考例6にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。 参考例7にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。 参考例8にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。 参考例9にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。 参考例10にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。 参考例11にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。 参考例12にかかわるオゾン製造装置を示す構成図である。 従来のオゾン製造装置を示す構成図である。
符号の説明
1 オゾン発生器、2 酸素供給源、3 循環ブロア、4 吸脱着塔、5 冷熱源、6 加熱源、7 オゾン脱着手段(水流エジェクタ)、8a〜8f 切替弁、9 配管、10 オゾン濃度計、11 設定器、12 制御回路、13 圧力調節弁、14,15 配管、16 圧力計、S1〜S3 信号線。

Claims (4)

  1. (a)オゾン発生器でオゾンを生成する工程と、
    (b)前記工程(a)において得られたオゾンを吸脱着塔で吸着貯留する工程と、
    (c)前記工程(b)において吸着貯留したオゾンを水流エジェクタで脱着放出する工程と、
    (d)前記工程(c)において脱着放出したオゾンの濃度を、脱着工程における前記吸脱着塔の出口の配管上、または、前記水流エジェクタの下流側で計測する工程と、
    (e)前記工程(d)において得られた脱着時のオゾンの濃度の計測値から、前記オゾン発生器の圧力の制御目標値を演算する工程と、
    (f)前記工程(e)において演算された制御目標値を用いて酸素供給の圧力調節弁を操作して、前記オゾン発生器の圧力を調節する工程
    とを含んでなる
    ことを特徴とするオゾン発生器の圧力を制御する方法。
  2. 前記工程(d)におけるオゾン濃度の計測は、脱着時のオゾン濃度のピーク値で行なうことを特徴とする請求項1記載のオゾン発生器の圧力を制御する方法。
  3. 前記工程(d)におけるオゾン濃度の計測は、脱着時のオゾン濃度が所定濃度以上になる時間で行なうことを特徴とする請求項1記載のオゾン発生器の圧力を制御する方法。
  4. 前記工程(d)におけるオゾン濃度の計測は、脱着開始から一定時間経過後に行うことを特徴とする請求項1記載のオゾン発生器の圧力を制御する方法。
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